JPH06145805A - 磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH06145805A
JPH06145805A JP31794892A JP31794892A JPH06145805A JP H06145805 A JPH06145805 A JP H06145805A JP 31794892 A JP31794892 A JP 31794892A JP 31794892 A JP31794892 A JP 31794892A JP H06145805 A JPH06145805 A JP H06145805A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一方向性けい素鋼板の製造方法において、冷
間圧延の際、熱間圧延の圧延方向から1〜45°傾けた方
向に圧下率25%以上で圧延する。 【効果】 熱延板中心層に存在する<011>軸方位を
持つ延伸粒の破壊・再結晶化を促進し、一次再結晶集合
組織が改善されて、優れた磁気特性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一方向性けい素鋼板
の製造方法に関し、特に冷間圧延に創意工夫を加えるこ
とによって、一次再結晶集合組織を効果的に改善し、磁
気特性の有利な向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性けい素鋼板は、主として変圧器
及びその他の電気機器の鉄心材料として、いわゆる積み
鉄心又は巻鉄心として使用されるものである。近年、省
エネルギー、省資源あるいは生活環境改善への強い要請
から、変圧器等の電気機器は電力損失低減・高効率化と
ともに、低騒音化が重要な要件になっていて、これに対
応して鉄心材料の一方向性けい素鋼板も一段と優れたも
のが要求されるようになってきた。
【0003】この一方向性けい素鋼板は一般に、板厚が
薄く、電気的絶縁被膜が施されて積層使用の際の板の層
間を電気的に絶縁するといった、渦電流損失を低減する
方策が施されたものである。
【0004】このような一方向性けい素鋼板のなかで
も、特に優れた磁気特性を有するものを製造するための
要件の一つは、その一連の製造工程のうち、いわゆる最
終仕上焼鈍によって一次再結晶粒から{110}<00
1>方位の結晶粒へ二次再結晶させることである。そこ
で、このような二次再結晶粒を効果的に促進させるため
の方策が以下に列挙するように種々に施されている。
【0005】まず、周知のごとく、{110}<001
>方位以外の一次再結晶粒の成長を抑制するインヒビタ
ーと称する分散相を必要とする。かかるインヒビターの
代表的なものには、MnS、MnSe、AlN及びVNのような
硫化物や窒化物等があり、鋼中への溶解度が極めて小さ
い物質が用いられている。
【0006】また、このインヒビターに加えて、粒界偏
析型元素であるSb、Sn、Bi、Pb、Cu、Mo等を複合含有さ
せて上記インヒビターの補強に利用している。これらの
インヒビターの効果は、最終仕上焼鈍前までに均一かつ
適正なサイズにインヒビターを分散させることによって
達成される。このため、現状では、熱間圧延前にスラブ
を高温加熱して、インヒビター元素を十分に固溶させて
おき、熱延工程以降、二次再結晶までの工程で析出分散
状態を制御している。
【0007】さらに、二次再結晶を完全に発達させるた
めには、上記インヒビターの存在とともに、最終焼鈍前
に{110}<001>方位の二次再結晶粒が優先的に
核発生し、成長することのできる一次再結晶集合組織を
形成させておくことが極めて重要である。このような一
次再結晶集合組織は、一方向性けい素鋼板の複雑な製造
工程において、熱間圧延工程から冷間圧延・焼鈍工程に
至る製造条件を適切に組み合わせて得られるものであ
る。
【0008】ところで、冷間圧延・焼鈍工程の素材とな
る熱延板は通常、図4(a) に熱延方向断面の組織写真
を、同図(b) に熱延板中心層の(200)極点図を示す
ように、表層部が再結晶粒、中心部が延伸粒で構成され
る極めて不均一な組織である。しかも、中心部では再結
晶が困難な{hkl}<001>方位の強い集合組織を
呈している。したがって、このような冷延素材に1回冷
延法又は中間焼鈍を挟む2回冷延法を単純にあてはめて
処理しても、板幅方向あるいはコイルの長さ方向に均一
な磁気特性が得られないという問題があった。
【0009】ここに、冷間圧延に工夫を加えることで磁
気特性の改善を図るものとして、例えば、圧下率に関す
るものが特開昭55-148724 号、特開昭59-126722 号、特
開昭61-104025 号、特開昭62-67115号及び特開昭63-137
123 号公報等にて提案、開示されている。しかしなが
ら、それらの圧下率を単純に適用するだけでは不均質な
素材からは均一な磁気特性を有する製品が得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、熱延板の
不均一な組織に由来した上述の問題点を有利に解決する
もので、鉄心材料に対する需要家の要請に応え、磁気特
性の優れたけい素鋼板を安価に、安定して製造すること
のできる一方向性けい素鋼板の製造方法を提案すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】磁気特性の優れた一方向
性けい素鋼板を製造すべく、発明者らは一方向性けい素
鋼用の熱延板に施す冷間圧延の条件と、得られた冷延鋼
板の一次再結晶集合組織、磁気特性との対応について種
々検討していたところ、同一条件の熱延コイルから試験
片を採取しても、研究室で冷延・焼鈍処理を施した場合
と実操業で冷延・焼鈍処理を施した場合とでは、研究室
での場合が磁気特性に優れるという、顕著な相違が見ら
れることに気がついた。
【0012】その原因について鋭意検討した結果、無張
力で冷間圧延を行う研究室での場合には、わずかに幅広
がりを生じ、このことが<001>軸方位をもつ結晶粒
の破壊・再結晶化に有利に役立つことを見出した。そこ
から、冷間圧延に際し、熱延板の圧延方向から傾斜させ
た方向に、所定の冷延率で冷間圧延を施せば、磁気特性
に優れた一方向性けい素鋼板を製造することができるこ
との知見を得た。
【0013】上記知見に立脚するこの発明は、含けい素
鋼スラブを加熱した後、熱間圧延を施し、その後1回又
は2回以上の冷間圧延を施して最終板厚に仕上げた後、
脱炭焼鈍を施し、次いで鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布し
てから、仕上げ焼鈍を施す順次の工程にて一方向性けい
素鋼板を製造する方法において、上記冷間圧延の際、熱
間圧延の圧延方向から1〜45°傾けた方向に圧下率25%
以上で圧延することを特徴とする磁気特性の優れた一方
向性けい素鋼板の製造方法である。
【0014】以下に、この発明を導いた実験を詳細に説
明する。 C:0.045 wt%、Si:3.35wt%、Mn:0.073 wt%、Se:
0.018 wt%、Sb:0.025 wt%、Mo:0.013 wt%含有する
板厚2.2 mmの熱延コイルから端部の非定常部を切り捨て
て実験用素材を準備した。
【0015】次に、実操業のコイル圧延での幅広がりを
シミュレートする目的で、上記実験用素材から、熱延板
の圧延方向からの採取方向を0〜90°の範囲で変えた11
種類の試験片を切り出した後、これらの試験片に950
℃、1分間の熱延板焼鈍を施し、次いで一次冷間圧延を
施して板厚0.60mmとし、引き続き水素雰囲気中で1000
℃、1分間の中間焼鈍を施した後、二次冷間圧延を施し
て最終板厚0.23mmに仕上げた。引続き湿水素雰囲気中で
820 ℃、2分間の脱炭焼鈍を施した後、MgO を主成分と
する焼鈍分離剤を塗布し、水素雰囲気中で1180℃、5時
間の仕上げ焼鈍を施して一方向性けい素鋼板とした。
【0016】かくして得られた鋼板の磁気特性について
調べた結果を図1に示す。図1から明らかなように、熱
延板の圧延方向から1〜9°、あるいは9〜45°傾けた
方向に冷間圧延(以下、斜め圧延と称する)を施した場
合に、1〜9°の範囲では磁束密度、9〜45°の範囲で
は鉄損特性がそれぞれ著しく向上することがわかった。
【0017】図2には上述した斜め圧延の角度と中間焼
鈍板の集合組織との関係について調べた結果を示す。図
2から、斜め圧延を行うことにより、(200)面成分
の減少、並びに(110)及び(222)面成分の増加
が認められる。
【0018】上述のような斜め圧延による磁気特性向上
の機構は、まだ十分に解明されていないが、熱延板中心
層に存在する{100}<011>に代表される再結晶
しにくい<011>軸方位持つ延伸粒が、冷延方向を熱
延方向から変えることによって歪蓄積が増大し、再結晶
が容易になって一次再結晶集合組織の改善に寄与するも
のと考えられる。
【0019】次に、傾斜圧延の圧下率と磁気特性との関
係を調査した。実験素材は前述した実験と同一熱延コイ
ルであり、処理条件も冷延圧下率以外は同一条件で処理
した。なお、冷延方向は図1で磁気特性の向上効果が顕
著であった、熱延方向から4°,30°及び45°の3種類
を選択した。また、圧下率は板厚2.2 mmの熱延板ままか
ら一次冷延後の板厚0.60mmまでの0〜72.7%の範囲で調
査した。その結果を図3に示す。図3から、斜め圧延は
25%以上の圧下率が磁気特性向上に効果のあることがわ
かる。
【0020】
【作用】上述した斜め圧延には、タンデムミル,リバー
スミル,クラスターミル等が適合する。またパス回数も
制限されないが、圧下率は前述したとおり25%以上が必
要である。斜め圧延には予め素材を所定の圧延方向にス
リットする方法や、熱延板焼鈍あるいは酸洗を施した
後、テレスコープ状に巻き取った後に行う方法も有効で
ある。
【0021】この発明の出発材としての含けい素鋼スラ
ブは、公知の製鋼法にて溶製し、次いで鋼塊−分塊圧延
又は連続鋳造により製造する。このスラブの成分組成の
代表例を掲げると次のとおりである。すなわち、C:0.
025 〜0.10wt%、Si:2.5 〜4.0 wt%、Mn:0.03〜0.12
wt%を含む他、S,Se及びAlのうちから選ばれる一種又
は二種以上のインヒビター成分を合計で0.01〜0.15wt%
を含有するものである。
【0022】C:0.025 〜0.10wt% C量が0.025 wt%未満では途中工程における結晶組織を
均一にする効果が少なく、一方0.10wt%より多いと脱炭
焼鈍が困難となり、磁気特性を劣化させるので、0.025
〜0.10wt%の範囲内が好ましい。
【0023】Si:2.5 〜4.0 wt% Siは比抵抗を高め、渦流損を低下させるために必要であ
るが、2.5 wt%未満ではその添加効果に乏しく、一方、
4.0 wt%を超えると冷間圧延時にぜい性割れを起こし易
くなるので、2.5 〜4.0 wt%の範囲内が好ましい。
【0024】Mn:0.03〜0.12wt% Mnは熱間圧延中の割れを防止するために0.03wt%以上を
必要とする。しかしながら、0.12wt%を超えると磁気特
性を劣化させるので、0.03〜0.12wt%の範囲内が望まし
い。
【0025】S,Se,Alのうちから選ばれる一種又は二
種以上の合計が0.01〜0.15wt%S,Se,Alはいずれも、
インヒビターとして有効に機能するが、単独使用又は併
用のいずれであっても0.010 wt%未満では完全な二次再
結晶粒が得られず、一方0.15wt%を超えると冷間圧延時
にぜい性割れを起こし易くなるばかりでなく、仕上げ焼
鈍でのS,Seの純化が不十分になるおそれがあるので、
0.010 〜0.15wt%の範囲内で添加するのが好ましい。
【0026】インヒビターとしては、上記したS,Se,
Alの他、Cu,Sn,Sb,Ge,Mo,Te,Bi及びPなども有利
に適合するのでそれぞれ少量を併せて含有させることも
できる。ここに上記成分の好適添加範囲はそれぞれ、C
u,Sn:0.01〜0.15wt%、Ge,Sb,Mo,Te,Bi:0.005
〜0.1 wt%、P:0.01〜0.2 wt%であり、これらの各イ
ンヒビター成分についても、単独使用及び複合使用いず
れもが可能である。
【0027】なお、スラブは連続鋳造されたもの、もし
くはインゴットより分塊圧延されたものを対象とする
が、連続鋳造後に分塊再圧されたスラブも対象に含まれ
ることはいうまでもない。
【0028】上記した成分組成範囲になるスラブは、ス
ラブ加熱によりインヒビターを固溶させる必要がある。
通常インヒビターの固溶処理には1250℃以上で、しかも
比較的低温では長時間の保持を、高温では短時間の保持
を行う。引続き熱間圧延を施して板厚1.4 〜3.5 mmの熱
延板にする。この熱延鋼帯を酸洗後、1回の冷間圧延又
は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延で最終板厚とす
る。
【0029】この冷間圧延に際し、熱延鋼帯の<011
>組織を効率的に破壊し、一次再結晶集合組織の改善を
図るために、熱延方向より1〜9°、又は9〜45
°傾いた方向の斜め圧延を、圧下率25%以上で施す。
冷間圧延に続く脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布及び仕上げ焼
鈍の工程は、公知の手段を用いることができる。
【0030】
【実施例】
実施例1 C:0.045 wt%、Si:3.32wt%、Mn:0.073 wt%、Se:
0.018 wt%、Sb:0.025 wt%及びMo:0.013 wt%を含有
し、残部は実質的にFeよりなる厚み215 mmのスラブに、
ガス炉加熱で1700℃、3時間の予熱処理を施し、引続き
誘導加熱炉で1430℃、30分間加熱し、熱間圧延を施して
板厚2.7 mm、幅1200mmの熱延鋼帯とした。この熱延鋼帯
に975 ℃、1分間の熱延板焼鈍を施し、酸洗後次の5種
類(A〜E)のトリミングを行って冷延用コイルとし
た。
【0031】A:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10
mm幅をトリミングし、巻き取った。 B:熱延方向から5°傾けて1000mm幅にトリミングし、
2m長さに切断後25枚を溶接して50mコイルとした。 C:熱延方向から15°傾けて1000mm幅にトリミングし、
0.65m長さに切断後80枚を溶接して52mコイルとした。 D:熱延方向から30°傾けて1000mm幅にトリミングし、
0.3 m長さに切断後170枚を溶接して51mコイルとし
た。 E:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10mm幅をトリミ
ングし、1180mm幅とした後、1m長さに切断し、熱延方
向と直角方向に45枚を溶接して53mコイルとした。
【0032】このB,C,D及びEコイルの境界を明確
にマーキングしたのち、溶接にて1コイルにつなぎ合わ
せた。次いでこれらのコイルを一次冷間圧延により板厚
0.78mmとし、次に水素雰囲気中で950 ℃、1分間の中間
焼鈍を行った後、二次冷間圧延により板厚0.30mmの最終
板厚に仕上げた。引続き湿水素雰囲気中で820 ℃、3分
間の脱炭焼鈍を施した後、MgO を主成分とする焼鈍分離
剤を塗布し、次いで水素雰囲気中で1180℃、5時間の仕
上げ焼鈍を施して一方向性けい素鋼板とした。
【0033】かくして得られた1000mm及び1180mm幅コイ
ルから両エッジ各々等分長さを除去した後、エプスタイ
ン試験片32枚を取り出して磁気特性及び板幅方向での二
次再結晶状況を調査した。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、この発明に従っ
た冷間圧延を実施することにより磁気特性の改善と均一
化が図れる。
【0036】実施例2 C:0.068 wt%、Si:3.15wt%、Mn:0.072 wt%、Se:
0.018 wt%、Sb:0.025 wt%、Al:0.025 wt%及びN:
0.0080wt%を含有し残部は実質的にFeよりなる厚み215
mmのスラブに、ガス炉加熱で1200℃、3時間の予熱処理
を施し、引続き誘導加熱炉で1410℃、30分間加熱した
後、熱間圧延を施して板厚2.2 mm、幅1200mmの熱延鋼帯
とした。この熱延鋼帯に酸洗を施し、次の4種類のトリ
ミングにより冷延用コイルとした。
【0037】F:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10
mm幅をトリミングし、巻き取った。 G:熱延方向から2°傾けて1000mm幅にトリミングし、
5.15m長さに切断後20枚を溶接して103 mコイルとし
た。 H:熱延方向から20°傾けて1000mm幅にトリミングし、
0.49m長さに切断後100枚を溶接し、49mコイルとし
た。 I:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10mm幅をトリミ
ングし、1180mm幅とした後、1m長さに切断し、熱延方
向と直角方向に45枚を溶接して53mコイルとした。
【0038】このG,H及びIコイルの境界を明確にマ
ーキングしたのち、溶接にて1コイルにした。次いでこ
れらのコイルを一次冷間圧延により板厚1.5 mm厚とし、
次に窒素雰囲気中で1100℃、1分間の中間焼鈍を施した
後、二次冷間圧延で板厚0.23mmの最終板厚に仕上げた。
引続き湿水素雰囲気中で840 ℃、2分間の脱炭焼鈍を施
した後、MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し、次い
で水素75%、窒素25%の混合ガス中で1200℃、5時間の
仕上げ焼鈍を施して一方向性けい素鋼板とした。
【0039】かくして得られた1000mm及び1180mm幅コイ
ルから両エッジ各々等分長さを除去した後、エプスタイ
ン試験片32枚を取り出して磁気特性及び二次再結晶状況
を調査した。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から明らかなように、この発明に従っ
て冷間圧延を実施することにより製品厚みの薄いもので
も効果のあることがわかる。
【0042】実施例3 C:0.073 wt%、Si:3.25wt%、Mn:0.073 wt%、Se:
0.020 wt%、Sb:0.028 wt%、Al:0.027 wt%及びN:
0.0082wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚み21
5 mmのスラブに、ガス炉加熱で1180℃、2.5 時間の予熱
処理を施し、引続き誘導加熱炉で1410℃、25分間加熱し
た後、熱間圧延を施して板厚2.0 mm、幅1200mmの熱延鋼
帯とした。この熱延鋼帯に1100℃、2分間の熱延板焼鈍
を施し、酸洗後次の4種類のトリミングで冷延用コイル
とした。
【0043】J:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10
mm幅をトリミングし、巻き取った。 K:熱延方向から2°傾けて1000mm幅にトリミングし、
5.15m長さに切断後20枚を溶接して103 mコイルとし
た。 L:熱延方向から20°傾けて1000mm幅にトリミングし、
0.49m長さに切断後100枚を溶接し、49mコイルとし
た。 M:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10mm幅をトリミ
ングし、1180mm幅とした後、1m長さに切断し、熱延方
向と直角方向に45枚を溶接して53mコイルとした。
【0044】このK,L及びMコイルの境界を明確にマ
ーキングしたのち、溶接にて1コイルにした。次いでこ
れらのコイルを冷間圧延により板厚0.27mmの最終板厚に
仕上げ、引続き湿水素雰囲気中840 ℃、3分間の脱炭焼
鈍を施した後、MgO を主成分とする焼鈍分離剤を塗布
し、その後水素75%、窒素25%の混合ガス中で1200℃、
5時間の仕上げ焼鈍を施して一方向性けい素鋼板とし
た。
【0045】かくして得られた1000mm及び1180mm幅コイ
ルから両エッジ各々等分長さを除去した後、エプスタイ
ン試験片32枚を取り出して磁気特性及び二次再結晶状況
を調査した。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3から明らかなように、この発明に従っ
て冷間圧延を施すことにより1回法でも効果のあること
がわかる。
【0048】実施例4 C:0.038 wt%、Si:3.30wt%、Mn:0.075 wt%及び
S:0.018 wt%を含有し、残部は実質的にFeよりなる厚
み215 mmのスラブに、ガス炉加熱で1230℃、2.5時間の
予熱処理を施し、引続き誘導加熱炉で1440℃、30分間加
熱した後、熱間圧延を施して板厚2.4 mm、幅1200mmの熱
延鋼帯にして450 ℃でコイリングした。この熱延鋼帯を
酸洗後次の4種類のトリミングで冷延用コイルとした。
【0049】M:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10
mm幅をトリミングし、巻き取った。 O:熱延方向から1°傾けて1000mm幅にトリミングし、
10m長さに切断後10枚を溶接して100 m長さにしたうえ
で、1°傾けてテレスコープ状に巻き取りコイルとし
た。 P:熱延方向から10°傾けて1000mm幅にトリミングし、
1m長さに切断後50枚を溶接し、50m長さにしたうえで
2°傾けてテレスコープ状に巻き取りコイルとした。 Q:熱延方向と同じ方向に両エッジ各々10mm幅をトリミ
ングし、1180mm幅とした後、1m長さに切断し、熱延方
向と直角方向に45枚を溶接して53mコイルとした。
【0050】これらのコイルを一次冷間圧延にて板厚0.
80mmとし、次に900 ℃、2分間の中間焼鈍を施した後、
二次冷間圧延で板厚0.35mmの最終板厚に仕上げた。引続
き820 ℃、3分間の脱炭焼鈍を施した後、MgO を主成分
とする焼鈍分離剤を塗布し、水素雰囲気中で1200℃、5
時間の仕上げ焼鈍を施して一方向性けい素鋼板とした。
【0051】かくして得られた1000mm及び1180mm幅コイ
ルから両エッジ等分を除去した後、エプスタイン試験片
32枚を取り出して磁気特性及び二次再結晶状況を調査し
た。その結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】表4から明らかなように、この発明に従っ
て冷間圧延を施すことにより単独のインヒビターであっ
ても効果のあることがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明は、冷間圧
延に際して熱間圧延方向から傾けた歩行に圧下率25%以
上で圧延するようにしたので、熱延板中心層に存在する
<011>軸方位を持つ延伸粒の破壊・再結晶化を促進
し、一次再結晶集合組織が改善されて、優れた磁気特性
が得られることから製品品質の向上に大きく寄与するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間圧延方向と磁気特性の関係を示すグラフで
ある。
【図2】冷間圧延方向と中間焼鈍板X線回折強度の関係
を示すグラフである。
【図3】斜め圧下率と磁気特性の関係を示すグラフであ
る。
【図4】(A)は熱延板RD断面の結晶組織を示す図で
ある。(B)は熱延板中心層の(200)極点図を示す
図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含けい素鋼スラブを加熱した後、熱間圧
    延を施し、その後1回又は2回以上の冷間圧延を施して
    最終板厚に仕上げた後、脱炭焼鈍を施し、次いで鋼板表
    面に焼鈍分離剤を塗布してから、仕上げ焼鈍を施す順次
    の工程にて一方向性けい素鋼板を製造する方法におい
    て、 上記冷間圧延の際、熱間圧延の圧延方向から1〜45°傾
    けた方向に圧下率25%以上で圧延することを特徴とする
    磁気特性の優れた一方向性けい素鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100435479B1 (ko) * 1999-12-27 2004-06-10 주식회사 포스코 피막특성이 우수한 저온 슬라브가열 방향성전기강판제조방법
CN117947248A (zh) * 2024-01-30 2024-04-30 太原理工大学 一种强立方织构高硅无取向硅钢的制备方法

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