JPH0614620U - ピストン - Google Patents
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Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シール性を低下させることなくリング溝内表
面部分の耐摩耗性を高めることができるピストンの提
供。 【構成】 アルミニウム合金で形成され、エネルギビー
ム再溶融処理により硬化された溝部分の内表面に硬質ア
ルマイト処理が施されたリング溝を有する構成。
面部分の耐摩耗性を高めることができるピストンの提
供。 【構成】 アルミニウム合金で形成され、エネルギビー
ム再溶融処理により硬化された溝部分の内表面に硬質ア
ルマイト処理が施されたリング溝を有する構成。
Description
【0001】
本考案は、アルミニウム合金(例えば、JIS AC8A)製ピストンに関し、特 に、リング溝内表面部分の耐摩耗性向上技術に関する。
【0002】
従来、このようなピストンにおけるリング溝内表面部分の耐摩耗性向上技術と しては、例えば、特開昭55−27587号公報に記載されているようなエネル ギビーム再溶融処理による方法や、硬質アルマイト処理による方法が知られてい る。
【0003】 前者の電子ビーム再溶融処理は、金属母材の一部だけをエネルギビームで急速 に加熱溶融させた後、加熱を停止させると、母材への熱伝導により溶融部分の急 速な自己冷却が行なわれ、これにより、加熱溶融された一部分だけが焼入れされ た状態となるもので、ピストンのリング溝部にこの処理を施すことで、同部分だ けを硬化させることができる。
【0004】 また、後者の硬質アルマイト処理は、金属母材の表面に硬質アルマイト皮膜を 形成させることにより、表面硬度を高めることができるものである。
【0005】
しかしながら、上述のような従来の処理方法では、それぞれ以下に述べるよう な問題点があった。
【0006】 まず、前者のエネルギビーム再溶融処理によると、上述のように金属母材の一 部分だけを硬化させることができるが、特にピストンのトップリング溝の摩耗量 がピストンの寿命を決定することから、リング溝内表面部分の耐摩耗性の更なる 向上が望まれていた。
【0007】 次に、後者の硬質アルマイト処理は、上述のように、金属母材の表面に硬質ア ルマイト皮膜を形成するものであるが、現在ピストン材料として広く用いられて いるアルミニウムシリコン合金(例えば、JIS AC8A)母材は、図4に示すよ うに、大きなシリコン粒子aと金属間化合物b及びα相と呼ばれるアルミ相cで 構成されていて、硬質アルマイト皮膜dはこのアルミ相cにのみ生成され、その 他の大きなシリコン粒子aや金属間化合物bには生成されないため、大きなシリ コン粒子aや金属間化合物bの分布間隔を一つのピッチとする凹凸の大きな硬質 アルマイト皮膜dとなってリング溝内表面の粗度が大きくなり、これにより、ピ ストンリングとの間のシール性を低下させてブローバイガス流量を増大させるこ とになる。
【0008】 本考案は、上述のような従来の問題点に着目してなされたもので、シール性を 低下させることなくリング溝内表面部分の耐摩耗性を高めることができるピスト ンを提供することを目的とするものである。
【0009】
上述のような目的を達成するために、本考案のピストンでは、アルミニウム合 金で形成され、エネルギビーム再溶融処理により硬化された溝部分の内表面に硬 質アルマイト処理が施されたリング溝を有する構成とした。
【0010】
本考案のピストンでは、上述のように、リング溝内表面部分の組織がエネルギ ビーム再溶融処理により予め硬化されることにより、シリコン粒子及びその他の 金属間化合物が非常に微細化されてアルミ相間に均一に分布されていることから 、アルミ相も微細化かつ均一分散化された状態となっており、このため、その表 面に硬質アルマイト処理を施した場合、互いに近接したシリコン粒子その他の金 属化合物も同時に取り込みながら微細なアルミ相にアルマイト皮膜が生成される ことで均一厚さの硬質アルマイト皮膜が形成された状態となっている。
【0011】 以上のように、リング溝内表面に形成される硬質アルマイト皮膜の表面粗度が 小さくなるため、ピストンリングとの間のシール性を低下させることなしに、リ ング溝内表面部分の耐摩耗性を高めることができる。
【0012】
以下、本考案の実施例を図面により詳述する。 まず、実施例ピストンの構成を説明する。 図2は、本考案一実施例のピストンを示す正面図であり、図において1はピス トン母材、11はピストンリングを装着するためのリング溝を示す。
【0013】 次に、図1は実施例ピストンの加工の工程を示す説明図であり、この工程図に 基づいて実施例ピストンの構造を詳述する。
【0014】 (イ)第1工程 この第1工程では、図1の(イ) に示すように、アルミシリコン合金材料(JIS AC8A)により、リング溝を有しない形態のピストン母材1を鋳造により成形 する。
【0015】 尚、この段階では、リング溝加工及びその他の部分の加工は行なわれない。
【0016】 (ロ)第2工程 この第2工程では、図1の(ロ) に示すように、リング溝が加工形成される部分 だけを、エネルギビーム再溶融処理で硬化させる。
【0017】 即ち、このエネルギビーム再溶融処理は、前述のように、ピストン母材1の一 部だけを電子ビーム等のエネルギビームで急速に加熱溶融させた後、加熱を停止 させることにより、溶融部分に比べて熱容量の大きい母材への熱伝導により溶融 分の急速な自己冷却が行なわれ、これにより、加熱溶融されたリング溝加工部分 だけが部分的に焼入れされた状態となるもので、網線で示すエネルギビーム再溶 融処理部12だけを硬化させることができる。
【0018】 (ハ)第3工程 この第3工程では、図1の(ハ) に示すように、網線で示す再溶融処理部12に リング溝11の切削加工が行なわれるもので、この形成されたリング溝11の内 表面部分は、再溶融処理部12で構成された状態となる。
【0019】 (ニ)第4工程 この第4工程では、図1の(ニ) に示すように、再溶融処理部12で構成される リング溝11の内表面に硬質アルマイト処理が施される。
【0020】 この硬質アルマイト処理は、前述のように、金属母材の表面に硬質アルマイト 皮膜を形成させることにより、表面硬度を高めることができるものであり、リン グ溝11の内表面部にこの硬質アルマイト皮膜13を形成させることにより、該 表面部の耐摩耗性をさらに高めることができる。
【0021】 また、上述のように、リング溝11の内表面部は、図3に示すように、エネル ギビームによる再溶融処理により予め硬化されることにより、シリコン粒子a及 びその他の金属間化合物bが非常に微細化されてアルミ相c間に均一に分布され ていることから、アルミ相cも微細化かつ均一分散化された状態となっており、 このため、その表面に硬質アルマイト処理を施した場合、互いに近接したシリコ ン粒子aその他の金属化合物bも同時に取り込みながら微細なアルミ相cにアル マイト皮膜13が生成されることで均一厚さの硬質アルマイト皮膜13を形成す ることができる。
【0022】 以上説明してきたように、この実施例のピストンにあっては、リング溝11の 内表面に、均一厚さの硬質アルマイト皮膜13を形成することができるため、ピ ストンリングとの間のシール性を低下させることなしに、リング溝11の内表面 部分の耐摩耗性を高めることができるという特徴を有している。
【0023】 以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施 例に限られるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等 があっても本考案に含まれる。
【0024】 例えば、実施例では、アルミニウム合金として、アルミニウムシリコン合金( 例えば、JIS AC8A)を用いた例を示したが、その他のアルミニウム合金を用 いることができる。
【0025】
以上説明したように、本考案のピストンにあっては、エネルギビーム再溶融処 理により硬化された溝部分の内表面に硬質アルマイト処理が施されたリング溝を 有する構成としたことで、該リング溝の内表面部分が均一な厚さの硬質アルマイ ト皮膜で構成されていて、リング溝の内表面の粗度が小さくなっており、これに より、ピストンリングとの間のシール性を低下させることなしに、リング溝内表 面部分の耐摩耗性を高めることができるようになるという効果が得られる。
【図1】本考案一実施例のピストンの加工工程を示す説
明図である。
明図である。
【図2】実施例のピストンを示す全体正面図である。
【図3】実施例ピストンにおける硬質アルマイト皮膜部
分の拡大(×300 )断面図である。
分の拡大(×300 )断面図である。
【図4】従来例の硬質アルマイト皮膜部分の拡大(×30
0 )断面図である。
0 )断面図である。
1 ピストン 11 リング溝 12 エネルギビーム再溶融処理部 13 硬質アルマイト皮膜
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウム合金で形成され、エネルギ
ビーム再溶融処理により硬化された溝部分の内表面に硬
質アルマイト処理が施されたリング溝を有することを特
徴とするピストン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5253092U JPH0614620U (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5253092U JPH0614620U (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | ピストン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0614620U true JPH0614620U (ja) | 1994-02-25 |
Family
ID=12917315
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5253092U Pending JPH0614620U (ja) | 1992-07-27 | 1992-07-27 | ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0614620U (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014234778A (ja) * | 2013-06-03 | 2014-12-15 | マーレエンジンコンポーネンツジャパン株式会社 | 内燃機関用ピストンおよびそのピン穴の加工方法 |
| DE102005039614B4 (de) | 2004-08-20 | 2019-05-16 | Suzuki Motor Corp. | Verfahren zur Anodisierung und dadurch hergestellte anodische Oxidschicht sowie ein Aluminium- oder Aluminiumlegierungs-Element |
| EP4283002A1 (en) * | 2022-05-24 | 2023-11-29 | Suzuki Motor Corporation | Piston for internal combustion engine and method for manufacturing the same |
-
1992
- 1992-07-27 JP JP5253092U patent/JPH0614620U/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102005039614B4 (de) | 2004-08-20 | 2019-05-16 | Suzuki Motor Corp. | Verfahren zur Anodisierung und dadurch hergestellte anodische Oxidschicht sowie ein Aluminium- oder Aluminiumlegierungs-Element |
| JP2014234778A (ja) * | 2013-06-03 | 2014-12-15 | マーレエンジンコンポーネンツジャパン株式会社 | 内燃機関用ピストンおよびそのピン穴の加工方法 |
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| JP2023172618A (ja) * | 2022-05-24 | 2023-12-06 | スズキ株式会社 | 内燃機関用ピストン及びその製造方法 |
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