JPH079085A - 部分改質したアルミニウム製鋳造用中子の製造法 - Google Patents
部分改質したアルミニウム製鋳造用中子の製造法Info
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- JPH079085A JPH079085A JP19158193A JP19158193A JPH079085A JP H079085 A JPH079085 A JP H079085A JP 19158193 A JP19158193 A JP 19158193A JP 19158193 A JP19158193 A JP 19158193A JP H079085 A JPH079085 A JP H079085A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 アルミニウム製品の鋳造に際し、アルミニウ
ム製中子を使用する場合に、母材との融合が不十分で、
母体と中子の一体化に問題が起こっている。本発明は、
その融合部を部分的に改質して、母体と中子が一体化し
やすいようにしたアルミニウム製中子の製造法である。 【構成】 高密度熱エネルギーを使用して、中子の融合
部を低融点化改質処理することにより、注湯に際し中子
表面を流れる溶湯の熱で、中子表面は容易に溶融し、母
体と中子が一体となって凝固し易いようにしたものであ
る。また、本発明によりアルミニウム製中子を使用し易
いようにしたため、部分的に強度を必要とする部分を、
普通鋳鉄並みに強化改質したアルミニウム合金の展伸材
で製作した中子とすることも可能にした技術である。
ム製中子を使用する場合に、母材との融合が不十分で、
母体と中子の一体化に問題が起こっている。本発明は、
その融合部を部分的に改質して、母体と中子が一体化し
やすいようにしたアルミニウム製中子の製造法である。 【構成】 高密度熱エネルギーを使用して、中子の融合
部を低融点化改質処理することにより、注湯に際し中子
表面を流れる溶湯の熱で、中子表面は容易に溶融し、母
体と中子が一体となって凝固し易いようにしたものであ
る。また、本発明によりアルミニウム製中子を使用し易
いようにしたため、部分的に強度を必要とする部分を、
普通鋳鉄並みに強化改質したアルミニウム合金の展伸材
で製作した中子とすることも可能にした技術である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム製品を鋳
造する際に、鋳包みや鋳掛けで使用する中子の製造法に
係わるものである。すなわち、請求項1は、本体と同等
材質のアルミニウムで製作された中子に対し、溶湯と接
する部分を、溶湯の熱で容易に溶解し、母体との完全な
一体化を可能にするように、予め施す低融点化改質処埋
法に関するものである。請求項2では、機械的強度の要
求される部分に使用する中子において、その中子を本体
と同等の材質で製作し、その必要部分のみを予め強化改
質しておくものである。
造する際に、鋳包みや鋳掛けで使用する中子の製造法に
係わるものである。すなわち、請求項1は、本体と同等
材質のアルミニウムで製作された中子に対し、溶湯と接
する部分を、溶湯の熱で容易に溶解し、母体との完全な
一体化を可能にするように、予め施す低融点化改質処埋
法に関するものである。請求項2では、機械的強度の要
求される部分に使用する中子において、その中子を本体
と同等の材質で製作し、その必要部分のみを予め強化改
質しておくものである。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの装置類ではは軽薄短小化が
求められ、更に材料リサイクルの観点から、機器類をア
ルミニウム材で製作することが多くなってきた。 しか
し、アルミニウム材を機器類の構造用部材に使用する
と、軟らかさに伴う機械的強度不足により、種々の問題
が起こり、旧来からの鉄系部材にとって変わるまでにな
っていないのが現状である。
求められ、更に材料リサイクルの観点から、機器類をア
ルミニウム材で製作することが多くなってきた。 しか
し、アルミニウム材を機器類の構造用部材に使用する
と、軟らかさに伴う機械的強度不足により、種々の問題
が起こり、旧来からの鉄系部材にとって変わるまでにな
っていないのが現状である。
【0003】複雑な形状の製品や部分的に強度を要求さ
れている場合などには、鋳造時に予め製作しておいた部
材を、中子として鋳型内に挿入し、鋳造時に鋳包みや鋳
掛けて融合し、一体化する手法が採られている。
れている場合などには、鋳造時に予め製作しておいた部
材を、中子として鋳型内に挿入し、鋳造時に鋳包みや鋳
掛けて融合し、一体化する手法が採られている。
【0004】中子を母材と同等のアルミニウム材で製作
すると、中子表面は酸化し、アルミナで覆われてしま
う。この酸化してできたアルミナは融点が、約2015
度と、溶湯の約700度に対し非常に高温である。その
ため注湯時に曝される溶湯の熱だけでは、中子表面は完
全に溶融するに至らず、部分的に一体化がなされぬまま
に凝固してしまう場合が多い。従って、融合部が全面に
わたる冶金的な結合にならず、機械的な結合にすぎない
部分が存在し、機械的強度を要求される製品では融合強
度不足で、採用されていないのが現状である。
すると、中子表面は酸化し、アルミナで覆われてしま
う。この酸化してできたアルミナは融点が、約2015
度と、溶湯の約700度に対し非常に高温である。その
ため注湯時に曝される溶湯の熱だけでは、中子表面は完
全に溶融するに至らず、部分的に一体化がなされぬまま
に凝固してしまう場合が多い。従って、融合部が全面に
わたる冶金的な結合にならず、機械的な結合にすぎない
部分が存在し、機械的強度を要求される製品では融合強
度不足で、採用されていないのが現状である。
【0005】また、どうしても部分的に機械的強度を要
求される場合には、要求される物性に適した鉄系材料で
中子を製作し、アルミナイジングのような複雑な工程を
経て鋳包んでいる。しかし、この場合の接合も、鉄系中
子とアルミニウム母材間の拡散層は非常に薄く、接合強
度も10kg/cm2程度と弱いため、鋳造後に行なう
溶体化処理の昇温で、剥離して不具合となってしまう場
合も出ている。これを防ぐため、機械的に接合強度を補
強できるように、中子表面に溝加工を施して、溶湯がそ
の溝に入って凝固し、中子が固定されるような手段など
を講じているが、接合強度自体が小さいため、万全な方
法とはなっていないのが現状である
求される場合には、要求される物性に適した鉄系材料で
中子を製作し、アルミナイジングのような複雑な工程を
経て鋳包んでいる。しかし、この場合の接合も、鉄系中
子とアルミニウム母材間の拡散層は非常に薄く、接合強
度も10kg/cm2程度と弱いため、鋳造後に行なう
溶体化処理の昇温で、剥離して不具合となってしまう場
合も出ている。これを防ぐため、機械的に接合強度を補
強できるように、中子表面に溝加工を施して、溶湯がそ
の溝に入って凝固し、中子が固定されるような手段など
を講じているが、接合強度自体が小さいため、万全な方
法とはなっていないのが現状である
【0006】
【発明が解決しようとする課題】金属材料の強化策とし
て、鉄鋼系には、滲炭,窒化,焼き入れなど、ある程度
の深さまでの改質方法が、一般工業技術として普及して
いる。一方、アルミニウム系材料に対しては、溶射,メ
ッキなどの表面に強化層を形成する技術は有っても、薄
い表皮だけの強化策であって、皮膜の下は母材のまま
で、塑性変形に耐えるような材質に改質されてはいな
い。まして鉄鋼系材料に代わって一般工業材料となり得
るような、部材全体または必要部分のみの強化改質技術
は未開発の状態である。
て、鉄鋼系には、滲炭,窒化,焼き入れなど、ある程度
の深さまでの改質方法が、一般工業技術として普及して
いる。一方、アルミニウム系材料に対しては、溶射,メ
ッキなどの表面に強化層を形成する技術は有っても、薄
い表皮だけの強化策であって、皮膜の下は母材のまま
で、塑性変形に耐えるような材質に改質されてはいな
い。まして鉄鋼系材料に代わって一般工業材料となり得
るような、部材全体または必要部分のみの強化改質技術
は未開発の状態である。
【0007】このような状況で、一般工業製品を軽量化
するために、部材全体を鉄鋼系材料に匹敵するような高
級アルミニウム合金材を採用することは、経済的に不可
能なことである。従って、機械的強度を要求される場合
には、その部分に補強用の中子を使用して鋳造すること
は、現状では避けられない手段となっている。しかし、
本体と同等のアルミニウム材の中子を採用しても、旧来
よりの手法では完全な一体化融合が困難であり、また、
同程度の材質では、機械的強度を確保することは不可能
で、積極的に機器類をアルミニウム材に転換するような
技術とはなっていない。
するために、部材全体を鉄鋼系材料に匹敵するような高
級アルミニウム合金材を採用することは、経済的に不可
能なことである。従って、機械的強度を要求される場合
には、その部分に補強用の中子を使用して鋳造すること
は、現状では避けられない手段となっている。しかし、
本体と同等のアルミニウム材の中子を採用しても、旧来
よりの手法では完全な一体化融合が困難であり、また、
同程度の材質では、機械的強度を確保することは不可能
で、積極的に機器類をアルミニウム材に転換するような
技術とはなっていない。
【0008】本発明は、複雑な形状の製品を製造するに
必要な中子を使用し易くし、必要ならば中子を部分的に
強化改質して、軽くても機械的強度に劣るアルミニウム
材を機器類の材料として採用するため、鋳造時に使い易
い中子製作法を提供する技術である。
必要な中子を使用し易くし、必要ならば中子を部分的に
強化改質して、軽くても機械的強度に劣るアルミニウム
材を機器類の材料として採用するため、鋳造時に使い易
い中子製作法を提供する技術である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
鋳造品に使用する中子を、高密度熱エネルギーにより部
分的に再溶融すると同時に高合金化して、請求項1では
低融点化、また請求項2では機械的強度を強化すること
を特徴としている。
鋳造品に使用する中子を、高密度熱エネルギーにより部
分的に再溶融すると同時に高合金化して、請求項1では
低融点化、また請求項2では機械的強度を強化すること
を特徴としている。
【0010】本発明では、この課題を解決するため、中
子の改質を必要とする部分だけを再溶融処理している。
溶融と同時に他の金属元素を添加し、母材のアルミニウ
ムを高合金化し、金属間化合物の微細組織を晶出させる
ことにより、部分的に改質するものである。
子の改質を必要とする部分だけを再溶融処理している。
溶融と同時に他の金属元素を添加し、母材のアルミニウ
ムを高合金化し、金属間化合物の微細組織を晶出させる
ことにより、部分的に改質するものである。
【0011】添加する金属元素には、マグネシウム、亜
鉛、銅、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、チタン、モ
リブデンなど有るが、使用目的や加工の難易度などを考
慮して、最も適したものを選んで、1種類または数種類
合わせて使用する。
鉛、銅、鉄、ニッケル、クロム、マンガン、チタン、モ
リブデンなど有るが、使用目的や加工の難易度などを考
慮して、最も適したものを選んで、1種類または数種類
合わせて使用する。
【0012】まず改質処理する素材は、鋳造時に使用す
る中子に近い形に成形加工する。素材には、展伸材など
から削り出したもの、また鋳造や鍛造などで成形したも
のなど、最も経済性に優れ且つ目的に合ったものを使用
することができる。中子に使用する材質は、溶接加工の
可能なものであれば成分に関係せず、母体との成分の相
違も問題にしない。
る中子に近い形に成形加工する。素材には、展伸材など
から削り出したもの、また鋳造や鍛造などで成形したも
のなど、最も経済性に優れ且つ目的に合ったものを使用
することができる。中子に使用する材質は、溶接加工の
可能なものであれば成分に関係せず、母体との成分の相
違も問題にしない。
【0013】改質しようとする部分には、添加する金属
の形態に合わせた添加用の前加工を施す必要がある。す
なわち、金属により線材、板材、粉体などの形態で入手
できるので、素材の形状や利用する熱源などを考慮し
て、素材と密着できる形態のものを選択すればよい。従
って、添加する方法については、選択した材料の形態に
より自動供給、貼り付け、圧入、塗布、溶射などを選択
することが可能である。
の形態に合わせた添加用の前加工を施す必要がある。す
なわち、金属により線材、板材、粉体などの形態で入手
できるので、素材の形状や利用する熱源などを考慮し
て、素材と密着できる形態のものを選択すればよい。従
って、添加する方法については、選択した材料の形態に
より自動供給、貼り付け、圧入、塗布、溶射などを選択
することが可能である。
【0014】再溶融するための熱源には、再溶融する部
分を素材の必要部分周辺のみに済ませ、その上融点の高
い添加金属も同時に溶解することを可能とする、高密度
熱エネルギーの得易い、例えば、電子ビーム,レーザ
ー,プラズマなどを利用する。本発明で必要部分のみの
再溶融に止めるのは、余分なエネルギーを消費すること
を控えるのは勿論であるが、溶融時に溶融部周辺の温度
を極力上げないようにすることも必要なためである。
分を素材の必要部分周辺のみに済ませ、その上融点の高
い添加金属も同時に溶解することを可能とする、高密度
熱エネルギーの得易い、例えば、電子ビーム,レーザ
ー,プラズマなどを利用する。本発明で必要部分のみの
再溶融に止めるのは、余分なエネルギーを消費すること
を控えるのは勿論であるが、溶融時に溶融部周辺の温度
を極力上げないようにすることも必要なためである。
【0015】すなわち、添加金属を含む再溶融部は、短
時間で凝固することによって、通常の冷却速度では得難
い、非平衡状態の高合金層とすることができるからであ
る。この高合金層は、急冷効果によって、金属間化合物
が微細に晶出した組織となり、要求される物性を満足す
るものに改質されている。
時間で凝固することによって、通常の冷却速度では得難
い、非平衡状態の高合金層とすることができるからであ
る。この高合金層は、急冷効果によって、金属間化合物
が微細に晶出した組織となり、要求される物性を満足す
るものに改質されている。
【0016】従って、添加金属の融合処理の済んだ後
は、熱源を直ちに移動し、熱を周辺の低温部分に吸収さ
せ、非常に短い時間で凝固させる必要が有るため、前記
のように、再溶融は必要部分のみに止めるのである。改
質部の断面形状は、改質しようとする部位に適した形に
することができる。それには、投入される熱エネルギー
の入射条件を制御して、最も適した形の得られるものを
採用すればよい。
は、熱源を直ちに移動し、熱を周辺の低温部分に吸収さ
せ、非常に短い時間で凝固させる必要が有るため、前記
のように、再溶融は必要部分のみに止めるのである。改
質部の断面形状は、改質しようとする部位に適した形に
することができる。それには、投入される熱エネルギー
の入射条件を制御して、最も適した形の得られるものを
採用すればよい。
【0017】請求項1の低融点化には、主として銅、マ
グネシウム、亜鉛、硅素などのようにアルミニウムとの
共晶温度が、アルミニウムの融点より低くなる金属元素
を、1種類または数種類合わせて添加するものである。
例えば、アルミニウム−銅−マグネシウムの3元系合金
には、共晶温度が451℃のものが有る。従って、中子
と溶湯の接する部分の表面に、これに近い成分の高合金
層を晶出させておけば、注湯時に、中子表面は約700
℃の溶湯に曝され、その熱で溶融し、母体と同時に凝固
して完全な融合が可能となるのである。
グネシウム、亜鉛、硅素などのようにアルミニウムとの
共晶温度が、アルミニウムの融点より低くなる金属元素
を、1種類または数種類合わせて添加するものである。
例えば、アルミニウム−銅−マグネシウムの3元系合金
には、共晶温度が451℃のものが有る。従って、中子
と溶湯の接する部分の表面に、これに近い成分の高合金
層を晶出させておけば、注湯時に、中子表面は約700
℃の溶湯に曝され、その熱で溶融し、母体と同時に凝固
して完全な融合が可能となるのである。
【0018】請求項2の強度の向上には、主として銅、
ニッケル、クローム、チタン、モリブデンなどのよう
に、アルミニウムとの間で、硬い金属間化合物を形成す
る金属元素を、1種類または数種類合わせて添加するも
のである。例えば、アルミニウムと銅の間には、θ層と
してHV600位の硬い金属間化合物を形成する。機械
的強度を必要とする部分に、この金属間化合物を微細に
分散した高合金層を晶出させれば、その部分は硬化され
て、機械的強度を向上させることができるのである。
ニッケル、クローム、チタン、モリブデンなどのよう
に、アルミニウムとの間で、硬い金属間化合物を形成す
る金属元素を、1種類または数種類合わせて添加するも
のである。例えば、アルミニウムと銅の間には、θ層と
してHV600位の硬い金属間化合物を形成する。機械
的強度を必要とする部分に、この金属間化合物を微細に
分散した高合金層を晶出させれば、その部分は硬化され
て、機械的強度を向上させることができるのである。
【0019】改質した高合金層の硬度は、素材および添
加金属の種類にも関係するが、例えば、AC8A材に銅
を添加した場合、添加量が重量比で約20〜30%(以
降重量%で示す)までは含有量に比例して上昇する。図
3はこの関係を示したグラフである。硬度の上昇と共に
引張強さも向上し強化される。すなわち素材の材質、添
加金属の種類、冷却速度などにより合金層の物性が変わ
るので、使用条件に最も適したものを選択することが可
能である。
加金属の種類にも関係するが、例えば、AC8A材に銅
を添加した場合、添加量が重量比で約20〜30%(以
降重量%で示す)までは含有量に比例して上昇する。図
3はこの関係を示したグラフである。硬度の上昇と共に
引張強さも向上し強化される。すなわち素材の材質、添
加金属の種類、冷却速度などにより合金層の物性が変わ
るので、使用条件に最も適したものを選択することが可
能である。
【0020】微細化と高合金化の部分的な強化で対応で
きる場合は、中子を母材と同材質の鋳造材で製作すれば
よい。しかし、耐熱疲労性を必要とする場合などには、
鋳造材のように樹枝状晶の大きい、微細な空孔の多数介
在する組織では、その欠陥が基になって耐久性の面で不
足することがある。このような場合には、耐熱性などを
強化した微細組織で空孔の介在のない展伸材を使用すれ
ばよい。展伸材に対しても本発明による強化改質と低融
点化処理は有効である。
きる場合は、中子を母材と同材質の鋳造材で製作すれば
よい。しかし、耐熱疲労性を必要とする場合などには、
鋳造材のように樹枝状晶の大きい、微細な空孔の多数介
在する組織では、その欠陥が基になって耐久性の面で不
足することがある。このような場合には、耐熱性などを
強化した微細組織で空孔の介在のない展伸材を使用すれ
ばよい。展伸材に対しても本発明による強化改質と低融
点化処理は有効である。
【0021】改質部は添加金属が20%を越えると、金
属間化合物の晶出が多くなって、脆くなることがある。
すなわち、硬度と引張強さの向上に反し、伸びは下降す
る。従って、処理後に施工される機械加工に問題も発生
するので、製品に適した使用条件やコストなどを総合的
に考え合わせた、成分と添加量を採用することが望まし
い。改質部の硬度は、現在の機械加工の経済性などを考
え合わせると、HRB70〜100程度にするのが、最
も有利な改質条件である。
属間化合物の晶出が多くなって、脆くなることがある。
すなわち、硬度と引張強さの向上に反し、伸びは下降す
る。従って、処理後に施工される機械加工に問題も発生
するので、製品に適した使用条件やコストなどを総合的
に考え合わせた、成分と添加量を採用することが望まし
い。改質部の硬度は、現在の機械加工の経済性などを考
え合わせると、HRB70〜100程度にするのが、最
も有利な改質条件である。
【0022】
【作用】本発明は、高密度熱エネルギーによって、機器
類の構造材としてのアルミニウム部材を、部分的に高合
金化することを特徴としている。すなわち、高合金化層
の成分を調整することによって、請求項1の場合は、融
点を低下し、請求項2の場合は、機械的強度を向上しよ
うとするものである。
類の構造材としてのアルミニウム部材を、部分的に高合
金化することを特徴としている。すなわち、高合金化層
の成分を調整することによって、請求項1の場合は、融
点を低下し、請求項2の場合は、機械的強度を向上しよ
うとするものである。
【0023】請求項1の場合は、鋳造時に溶湯に曝され
る部分の融点を低下させておき、溶湯の熱で中子表面が
容易に溶融し、鋳包みや鋳掛けが完全におこなわれ、中
子と母材が一体化し易いように改質するものである。
る部分の融点を低下させておき、溶湯の熱で中子表面が
容易に溶融し、鋳包みや鋳掛けが完全におこなわれ、中
子と母材が一体化し易いように改質するものである。
【0024】請求項2の場合は、中子を母材と同等また
は必要に応じては高級な材料で製作し、予め必要部分を
強化改質しておき、中子の鋳包みまたは鋳掛けで、強度
を要求する部分の補強をしようとするものである。
は必要に応じては高級な材料で製作し、予め必要部分を
強化改質しておき、中子の鋳包みまたは鋳掛けで、強度
を要求する部分の補強をしようとするものである。
【0025】
【実施例】図1および図2は本発明による実施例を、ア
ルミニウム製電子機器のケースを鋳造する際に、ベアリ
ングを圧入する部分を、中子にして補強したものを鳥観
図によって示したものである。これは一実施例にすぎ
ず、本発明は摺動面の補強や予め製作した中子で複雑な
形状を容易に一体化するなど、鋳包みや鋳掛けて鋳造す
ることが有利な場合に適用できる応用範囲の広い技術で
ある。
ルミニウム製電子機器のケースを鋳造する際に、ベアリ
ングを圧入する部分を、中子にして補強したものを鳥観
図によって示したものである。これは一実施例にすぎ
ず、本発明は摺動面の補強や予め製作した中子で複雑な
形状を容易に一体化するなど、鋳包みや鋳掛けて鋳造す
ることが有利な場合に適用できる応用範囲の広い技術で
ある。
【0026】該部品では回転する軸を支えるため、軸受
部にベアリング6を圧入している。従来は、この部分に
ステンレスの中子を鋳包んで補強していたが、母材との
融合に不完全部分が残ったり、鋳造後の熱処理で、融合
部が剥離するなど、母材と中子の物性の違いによる不具
合が発生していた。 本部品では、予め本体と同材質の
中子を製作し、本発明による改質処理を施して改善した
ものである。
部にベアリング6を圧入している。従来は、この部分に
ステンレスの中子を鋳包んで補強していたが、母材との
融合に不完全部分が残ったり、鋳造後の熱処理で、融合
部が剥離するなど、母材と中子の物性の違いによる不具
合が発生していた。 本部品では、予め本体と同材質の
中子を製作し、本発明による改質処理を施して改善した
ものである。
【0027】すなわち、図2に示す融合部3には、注湯
の際溶湯に曝される部分に、融点低下のための処理を施
している。本部品では、強化改質に銅を使用しているの
で、低融点改質の高合金化にも銅を使用している。アル
ミニウム−銅の2元状態図より読み取れるように、銅含
有量が0〜32%の間は、含有量に比例して融点が降下
する。しかし、含有量に比例してθ層が多くなり脆くな
るため一般汎用機では機械加工が困難になるので、銅含
有量の目標を20%とした。
の際溶湯に曝される部分に、融点低下のための処理を施
している。本部品では、強化改質に銅を使用しているの
で、低融点改質の高合金化にも銅を使用している。アル
ミニウム−銅の2元状態図より読み取れるように、銅含
有量が0〜32%の間は、含有量に比例して融点が降下
する。しかし、含有量に比例してθ層が多くなり脆くな
るため一般汎用機では機械加工が困難になるので、銅含
有量の目標を20%とした。
【0028】銅20%含有で、融点は約600℃とな
り、溶湯との温度差は100度程度確保できる。この融
点の低い中子表面は、注湯時に溶湯に曝されて溶融し、
母体と一緒に凝固する。融合部の引っ張り試験片による
試験では、20kgf/mm2を示し、ステンレス製中
子使用の場合の7〜8kgf/mm2に比し、融合部強
度は増大している。なお、確実な融合を確保するため、
溶湯に曝される部分に溝加工などを施して溶湯との接触
面積を大きくすることも有効な手段である。
り、溶湯との温度差は100度程度確保できる。この融
点の低い中子表面は、注湯時に溶湯に曝されて溶融し、
母体と一緒に凝固する。融合部の引っ張り試験片による
試験では、20kgf/mm2を示し、ステンレス製中
子使用の場合の7〜8kgf/mm2に比し、融合部強
度は増大している。なお、確実な融合を確保するため、
溶湯に曝される部分に溝加工などを施して溶湯との接触
面積を大きくすることも有効な手段である。
【0029】図2に示す強化改質部5は、実施例に示す
ケースの、軸受用のベアリングを圧入するために、機械
的強度を要求されている部分である。この部分の強化に
は、銅を20%添加している。図3に示すように、銅を
20%添加すると、硬さHRB90程度の硬化が可能
で、この程度に硬化すると引張強さは22kgf/mm
2でほぼ普通鋳鉄並みの強度が得られている。
ケースの、軸受用のベアリングを圧入するために、機械
的強度を要求されている部分である。この部分の強化に
は、銅を20%添加している。図3に示すように、銅を
20%添加すると、硬さHRB90程度の硬化が可能
で、この程度に硬化すると引張強さは22kgf/mm
2でほぼ普通鋳鉄並みの強度が得られている。
【0030】この実施例に示す母材はAC2Bで、添加
金属には銅を使用し、熱源には6kW電子ビーム加工機
を使用した。その電子ビームの入射条件には、加速電圧
120kV、ビーム電流20mAで、ビームの偏向によ
り改質部分が必要な形状になるようなものを選択してあ
る。この入射条件は、使用熱源、母材、添加金属、改質
部の大きさなど変動因子が多く、一概に決めることはで
きないが、本例では添加材に直径2mmの銅線を使用
し、処理層は請求項1の場合は浅く幅広に、請求項2の
場合は深さに重点を置いたものである。
金属には銅を使用し、熱源には6kW電子ビーム加工機
を使用した。その電子ビームの入射条件には、加速電圧
120kV、ビーム電流20mAで、ビームの偏向によ
り改質部分が必要な形状になるようなものを選択してあ
る。この入射条件は、使用熱源、母材、添加金属、改質
部の大きさなど変動因子が多く、一概に決めることはで
きないが、本例では添加材に直径2mmの銅線を使用
し、処理層は請求項1の場合は浅く幅広に、請求項2の
場合は深さに重点を置いたものである。
【0031】
【発明の効果】鋳造作業の注湯時に、余り手数を掛けず
に、母材と同等のアルミニウム製中子が、完全に融合し
一体化できれば、予め製作した鋳包み中子を使用し易く
なる。すなわち、一体で製作するために、複雑な見切り
をしなければならなかったものが、中子にすることによ
り単純となり、模型製作を容易にし、更に造型作業を簡
単にすることが可能となる。これは、不良を減らし製造
コスト低減に大きく貢献するものである。
に、母材と同等のアルミニウム製中子が、完全に融合し
一体化できれば、予め製作した鋳包み中子を使用し易く
なる。すなわち、一体で製作するために、複雑な見切り
をしなければならなかったものが、中子にすることによ
り単純となり、模型製作を容易にし、更に造型作業を簡
単にすることが可能となる。これは、不良を減らし製造
コスト低減に大きく貢献するものである。
【0032】母材と鋳包み中子の一体化が完全であれ
ば、強度を必要とする部分には、FC250並みに強化
された中子が使用可能で、装置軽量化のために、鉄鋼系
材料からアルミニウム系への転換もやり易くなり、工業
上顕著な効果を奏するものである。
ば、強度を必要とする部分には、FC250並みに強化
された中子が使用可能で、装置軽量化のために、鉄鋼系
材料からアルミニウム系への転換もやり易くなり、工業
上顕著な効果を奏するものである。
【図1】実施例として、取り上げたベアリング保持部の
鳥観図である。
鳥観図である。
【図2】図1の改質部分を断面図で示し、使用状態にベ
アリングを圧入した場合の模式図である。
アリングを圧入した場合の模式図である。
【図3】AC2B材に銅を添加した場合の、銅含有量と
HRB硬度との関係を示す参考グラフである。
HRB硬度との関係を示す参考グラフである。
1 母材 2 鋳包み中子 3 融合部 4 低融点化改質部 5 強化改質部 6 ベアリング
Claims (2)
- 【請求項1】 部分的に低融点化改質した、鋳造用アル
ミニウム製鋳包中子の製造法 - 【請求項2】 部分的に強化改質した、鋳造用アルミニ
ウム製鋳包中子の製造法
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19158193A JPH079085A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 部分改質したアルミニウム製鋳造用中子の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19158193A JPH079085A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 部分改質したアルミニウム製鋳造用中子の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH079085A true JPH079085A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=16277037
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19158193A Pending JPH079085A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 部分改質したアルミニウム製鋳造用中子の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH079085A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5921559A (en) * | 1996-03-31 | 1999-07-13 | Frontec Incorporated | Sealing structure for an airtight chamber |
| WO2015122445A1 (ja) * | 2014-02-13 | 2015-08-20 | 日立金属株式会社 | セラミック焼結体の製造方法およびセラミック焼結体 |
| JP2015150574A (ja) * | 2014-02-13 | 2015-08-24 | 日立金属株式会社 | セラミック焼結体の製造方法およびセラミック焼結体 |
| US20170005561A1 (en) * | 2014-02-17 | 2017-01-05 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Eddy current retarder with electricity generating function |
| US9933032B2 (en) | 2012-08-13 | 2018-04-03 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Eddy-current retarding device |
| US10756612B2 (en) | 2015-06-12 | 2020-08-25 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Eddy current deceleration device |
-
1993
- 1993-06-22 JP JP19158193A patent/JPH079085A/ja active Pending
Cited By (9)
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| WO2015122445A1 (ja) * | 2014-02-13 | 2015-08-20 | 日立金属株式会社 | セラミック焼結体の製造方法およびセラミック焼結体 |
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| US10040116B2 (en) | 2014-02-13 | 2018-08-07 | Hitachi Metals, Ltd. | Method of manufacturing ceramic sintered body and ceramic sintered body |
| US20170005561A1 (en) * | 2014-02-17 | 2017-01-05 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Eddy current retarder with electricity generating function |
| US10491094B2 (en) * | 2014-02-17 | 2019-11-26 | Nippon Steel Corporation | Eddy current retarder with electricity generating function |
| US10734881B2 (en) | 2014-02-17 | 2020-08-04 | Nippon Steel Corporation | Eddy current retarder with electricity generating function |
| US10756612B2 (en) | 2015-06-12 | 2020-08-25 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Eddy current deceleration device |
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