JPH06150736A - 超電導永久電流スイッチ用線材およびその製造方法 - Google Patents

超電導永久電流スイッチ用線材およびその製造方法

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JPH06150736A
JPH06150736A JP4293463A JP29346392A JPH06150736A JP H06150736 A JPH06150736 A JP H06150736A JP 4293463 A JP4293463 A JP 4293463A JP 29346392 A JP29346392 A JP 29346392A JP H06150736 A JPH06150736 A JP H06150736A
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wire
alloy
situ
current switch
superconducting
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JP4293463A
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Atsushi Yoshitomi
淳 吉富
Nobuyuki Sadakata
伸行 定方
Kenji Goto
謙次 後藤
Misao Kamidokoro
操 上所
Hitoshi Honma
仁 本間
Hiroshichi Noto
宏七 能登
Tomoaki Matsukawa
倫明 松川
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Fujikura Ltd
Tohoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Fujikura Ltd
Tohoku Electric Power Co Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、オン・オフ制御を磁界で行う方式
の永久電流スイッチ用線材として好適であり、臨界磁界
が適度に低く、低磁界での臨界電流密度が大きく、常電
導状態での比抵抗が大きい永久電流スイッチ用線材を提
供すること、および、加工性を低下させることなく金属
基地の比抵抗を増大させることができ、製造が容易な永
久電流スイッチ用線材の製造方法の提供を目的とする。 【構成】 本発明は、CuまたはCu合金にZnまたは
Niを拡散させて生成された合金基地と、この合金基地
の内部に多数分散配列されたNbフィラメントとを具備
してなるものである。 【効果】 本発明によれば、CuまたはCu合金基地の
内部にNbのフィラメントが多数分散配列された構造に
なっているので、極低温に冷却することで、Nbのフィ
ラメントが電気抵抗ゼロの超電導体となり、永久電流ス
イッチ用線材として適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導関連装置で使用さ
れている超電導永久電流スイッチ用線材およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気エネルギー貯蔵の目的で超電
導エネルギー貯蔵システムの開発が進められている。こ
の超電導エネルギー貯蔵システムにおいて、超電導マグ
ネットに保持されたエネルギーを損失無く保存するため
には、永久電流スイッチが不可欠な要素となっている。
即ち、超電導マグネットを永久電流状態で運転する装置
においては、超電導コイルと永久電流スイッチを並列接
続して構成し、この並列回路を所望の電源にパワーリー
ドを介し接続する構成が一般的である。
【0003】図9〜図11に、このような構成の超電導
エネルギー貯蔵装置の一例を示す。これらの図において
符号1は超電導コイルを示し、この超電導コイル1と永
久電流スイッチ2を並列接続し、この回路にパワーリー
ド3と開閉スイッチ4とを介して交直変換装置5を接続
し、交直変換装置5に図示略の交流電源系統を接続して
構成されている。前記超電導コイル1と永久電流スイッ
チ2は、いずれも極低温において超電導状態に遷移する
超電導体から形成され、液体ヘリウムなどの冷媒で冷却
されるようになっている。なお、図9〜11において
は、超電導コイル1と永久電流スイッチ2を液体ヘリウ
ムで冷却する装置と回路については省略している。
【0004】図9〜図11に示す超電導エネルギー貯蔵
装置を用いて電力の貯蔵を行なうには、図9に示すよう
に永久電流スイッチ2を開放して直流電流を超電導コイ
ル1に流し、磁気エネルギーとして電力を貯蔵する。次
に、図10に示すように永久電流スイッチ2を閉じて超
電導コイル1の両端を短絡するとともに開閉スイッチ4
を開放すると、超電導コイル1は極低温状態に冷却され
ていて電気抵抗がゼロであるがために、電流は減衰する
ことなく超電導コイル1を流れ続け、そのときの超電導
コイル1に蓄えられたエネルギーが無損失で保存される
ことになる。次にこの貯蔵された電力を取り出すには、
図11に示すように永久電流スイッチ2を開放するとと
もに開閉スイッチ2を閉じることで、超電導コイル1に
蓄えられていた磁気エネルギーを交流電力として取り出
すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような永久
電流スイッチ2のオン・オフ制御を行なう装置の原理と
しては、機械方式、温度制御方式、磁界制御方式などが
提案されている。このうち、現在実用化が進められて主
流となっているのは、温度制御方式であり、この温度制
御方式の装置は、永久電流スイッチ2を構成する超電導
線材に加熱ヒータを沿わせて設け、この加熱ヒータによ
り必要に応じて永久電流スイッチ2の超電導線材を臨界
温度以上になるように加熱する構成になっている。とこ
ろが、この温度制御方式の装置では、熱伝導に時間がか
かる問題や、制御系に潜熱などが影響するなどの問題が
あり、永久電流スイッチ2のオン・オフ制御の高速応答
には適応できない問題があった。
【0006】そこで注目されているのが、磁界制御方式
である。この磁界制御方式とは、永久電流スイッチ2を
構成する超電導線材が、臨界磁界を越える磁場中におか
れると常伝導状態に遷移する現象を利用し、永久電流ス
イッチ2を構成する超電導線材に、別途設けた制御用超
電導コイルにより磁場をかけることができる構成とした
ものである。そしてこの磁界制御方式によれば、超電導
線材に所望の磁場をかけること、および、磁場を取り去
ることは制御用超電導コイルに対する通電制御により瞬
時にできるので、この磁界制御方式によれば永久電流ス
イッチ2のオン・オフ制御の高速応答が可能になる。
【0007】そこで本願発明者らは、この磁界制御方式
用永久電流スイッチの線材の開発を試みたところ、この
線材に要求される特性は、臨界磁界が適度に低いこと、
低磁界での臨界電流が大きいこと、安定性が高いこと、
オフ状態(常伝導状態)での電気抵抗が高いことなどが
必要されることを知見し、この知見に基づく研究開発の
結果、本願発明に到達した。
【0008】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、オン・オフ制御を磁界で行う方式の永久電流スイ
ッチ用線材として好適であり、臨界磁界が適度に低く、
低磁界での臨界電流密度が大きく、常電導状態での比抵
抗が大きい永久電流スイッチ用線材を提供すること、お
よび、加工性を低下させることなく金属基地の比抵抗を
増大させることができ、製造が容易な永久電流スイッチ
用線材の製造方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、CuまたはCu合金にZnま
たはNiを拡散させて生成された合金基地と、この合金
基地の内部に多数分散配列されたNbフィラメントとを
具備してなるものである。
【0010】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、前記Nbフィラメントが、CuあるいはCu合
金からなる金属基地の内部に分散された樹脂状晶を線引
き加工によりフィラメント化して形成されたものであ
る。
【0011】請求項3記載の発明は前記課題を解決する
ために、Nbの樹脂状晶をCuまたはCu合金の金属基
地の内部に分散してなるインサイチュ合金あるいはこの
インサイチュ合金を縮径加工したインサイチュ線材を用
い、これらの合金あるいは線材の周囲に、Zn、Zn-
Cu合金、Ni-Cu合金のいずれかからなる被覆層を
設けて被覆複合線を形成し、この被覆複合線に線引き加
工を施して金属基地の内部にNbのフィラメントを多数
分散配列させ、次いで熱処理を施して金属基地の内部側
に前記被覆層中のZnまたはNiを拡散させることによ
り金属基地を高電気抵抗化するものである。
【0012】
【作用】CuまたはCu合金基地の内部にNbのフィラ
メントが多数分散配列された構造になっているので、極
低温に冷却することで、Nbのフィラメントが抵抗ゼロ
の超電導状態となり、永久電流スイッチ用線材として適
用できる。また、CuあるいはCu合金基地の内部に生
成したNbの樹脂状晶を線引き加工によりフィラメント
化したものにおいては、金属基地の内部に、Nbの極細
のフィラメントが多数分散配列された構造を有してい
る。従ってNbフィラメントが極低温に冷却された場合
に超電導状態となり、これが永久電流スイッチ用線材と
しての超電導体となる。前記Nbフィラメント自体は、
不連続繊維の集合体であるが、フィラメントどうしの間
隔が極めて小さいので超電導状態で近接効果が作用して
超電導電流が流れることになる。
【0013】更に、金属基地をCuなどの良導電体に比
べて高電気抵抗化しているので、スイッチイング動作を
行う超電導エネルギー貯蔵用装置の永久電流スイッチ用
として好適になっている。また、CuまたはCu合金か
らなる金属基地内にNbの樹脂状晶を分散させたインサ
イチュ合金からスタートして製造したものは、超電導体
として臨界電流密度が高く、また、臨界磁界の比較的低
いものが容易に得られる。よって、磁界制御方式の永久
電流スイッチ用として好適である。
【0014】また、本発明方法によれば、インサイチュ
合金からスタートして製造しているので、超電導体とし
て臨界電流密度が高く、また、臨界磁界の比較的低いも
のが容易に得られる。よって、磁界制御方式の永久電流
スイッチ用として好適な線材が得られる。更に前記の方
法によれば、必要な線径になるまでインサイチュ線の状
態で縮径してから被覆層を形成し、それから熱処理して
元素拡散させるので、インサイチュ線材の良好な加工性
を維持しながら塑性加工ができる。よって製造途中の縮
径加工中に断線などの事故を生じることがない。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明に係る永久電流スイッチ用線
材を製造する方法の一例について説明するためのもの
で、この例の方法を実施するには、図1(a)に示すイ
ンサイチュ合金10を製造する。このインサイチュ合金
10は、所定成分のCu-Nb合金を溶解鋳造して得ら
れるもので、CuあるいはCu合金からなる金属基地1
1の内部にNbの樹脂状晶12が分散した組織を有し、
しかも縮径加工などの塑性加工性が高いものである。前
記Nbの樹脂状晶12は、直径数μm〜数10μm程度
の大きさのものであり、Cuに対してNbが固溶しない
ことから、鋳造した場合に、Nbが樹脂状晶としてCu
またはCu合金からなる金属基地11の内部に析出して
生成するものである。
【0016】次に、前記インサイチュ合金10に圧延加
工、鍛造加工、あるいは、ダイスによる線引き加工など
の塑性加工を施して縮径し、図1(b)に示すインサイ
チュ線材13を得る。このインサイチュ線材13は、C
uあるいはCu合金からなる金属基地14の内部に、前
記塑性加工により樹脂状晶12を加工して形成された繊
維状のNbのフィラメント15が多数分散配列されたも
のである。なお、前記塑性加工の段階において、インサ
イチュ合金10の外周部を損傷させないこと、あるい
は、ダイスとの焼き付きなどを無くするなどの目的か
ら、インサイチュ合金10の外周にCuなどからなる加
工性の良好な管体を被せてから塑性加工しても良い。ま
た、前記塑性加工は、目的の永久電流スイッチ用線材に
要求される線径と同等のレベルまで必要回数繰り返すも
のとし、塑性加工中に中間焼鈍などの熱処理を適宜施し
ても良い。この場合、インサイチュ線材13は加工性に
優れているので、加工中の断線事故などの問題は生じに
くい。
【0017】インサイチュ線材13を得たならば、この
インサイチュ線材13にZn、Cu-Zn合金、あるい
は、Cu-Ni合金からなるメッキ層を形成するか、こ
れらの材料からなる管体を被せることにより、図1
(c)に示す被覆層16を形成して被覆複合線17を得
る。なお、被覆層16としてZn被覆層を用いた場合、
金属基地のCuに対するZnの固溶限が38.2at%
であることから、被覆層16のインサイチュ線材13に
対する厚さを前記固溶限を越えないような厚さにしてお
くことが好ましい。なおまた、インサイチュ線材13の
外周に被覆層16を形成する手段としては、管体を被せ
て縮径する方法が大量生産向きで好ましいとともに、こ
の方法では管体の厚さを変更することで被覆層16の厚
さを自由に調節できる利点もあるので好適である。
【0018】次に、前記被覆複合線17を加熱炉などに
おいて700〜800℃で数時間〜数10時間加熱す
る。この加熱処理により被覆層16を構成する金属元素
がインサイチュ線13側に拡散し、これによりインサイ
チュ線材13の金属基地14にZnまたはNiが拡散し
て金属基地14が高電気抵抗化され、図1(d)に示す
永久電流スイッチ用線材19が得られる。この線材19
は、高電気抵抗化された金属基地の内部に、Nbの極細
のフィラメントが多数分散配列された構造を有してい
る。従ってNbフィラメントが極低温に冷却された場合
に超電導体となり、これが永久電流スイッチ用線材とし
ての超電導体となる。前記Nbフィラメント自体は、不
連続繊維の集合体であるが、フィラメントどうしの間隔
が極めて小さいので超電導状態では近接効果が作用して
超電導電流が流れることになる。
【0019】更に、前記線材19は、その金属基地をC
uなどの良導電体に比べて高電気抵抗化しているので、
スイッチイング動作を行う超電導エネルギー貯蔵用装置
の永久電流スイッチ用として好適になっている。また、
インサイチュ合金10からスタートして製造しているの
で、超電導体として臨界電流密度が高く、また、臨界磁
界の比較的低いものが容易に得られる。よって、磁界制
御方式の永久電流スイッチ用として好適である。更に前
記の方法によれば、必要な線径までインサイチュ線13
の状態で縮径してから被覆層16を形成し、それから熱
処理して元素拡散させるので、インサイチュ線材13の
良好な加工性を維持しながら加工ができる。なお、前記
のNiやZnを拡散させて高電気抵抗化した後の金属基
地は、インサイチュ線13に比べて硬化し、塑性加工性
が低下することになる。よって、必要な線径までこれら
の元素の拡散を行なわずに最終段階で拡散させることに
よりインサイチュ線13の有する高い加工性を維持する
ことができ、加工途中に断線させることなく所望の線径
の線材19を得ることができる。
【0020】なお、前記インサイチュ線材13の金属基
地14に元素を拡散させてこれを高電気抵抗化する場
合、Ni被覆を形成することも考えられるが、Ni被覆
を施してこれを拡散させると、Nb濃度40重量%程度
で現われるNbNi金属間化合物、Nb濃度65重量%
程度で現われるNbNi3金属間化合物が析出し、これ
らが超電導特性と加工性に悪影響を及ぼすために、好ま
しくない。この点においてNi濃度の低いCu-Ni合
金を用いれば前記問題が生じるおそれは少なく、更に、
金属間化合物生成による悪影響のおそれの少ないZnや
Cu-Zn合金を用いれば問題は生じない。
【0021】図2は前記永久電流スイッチ用線材19が
設けられる超電導エネルギー貯蔵装置の一例を示すもの
であり、この例の装置において、21は超電導コイル、
22は超電導コイル21に並列接続された永久電流スイ
ッチ、23は超電導コイル21と永久電流スイッチ22
に接続されたパワーリード、24はパワーリード23に
組み込まれた開閉スイッチ、25はパワーリード23に
接続された交直変換器をそれぞれ示している。この例の
永久電流スイッチ22は、前記線材19をコイル状に加
工して形成されている。また、図2において26は制御
用超電導コイル、27はこの制御用超電導コイル26に
接続された定電流源である。更に、図2において28は
冷却容器による極低温領域を示し、この領域を液体ヘリ
ウムにより極低温に冷却することで超電導コイル21と
永久電流スイッチ22と制御用超電導コイル26をそれ
ぞれ超電導状態にすることができるようになっている。
前記制御用超電導コイル26は1テスラ程度の磁場を発
生させることができるものである。
【0022】前記構成の装置にあっては、図9〜図11
を基に説明した従来の超電導エネルギー貯蔵装置と同様
に、電力の充電と貯蔵と放出ができるものである。ま
ず、充電を行なうには、開閉スイッチ24を閉じて回路
を接続するとともに、定電流源27を作動させて制御用
超電導コイル26に通電し、制御用超電導コイル26に
より永久電流スイッチ22の線材19に磁場をかける。
この場合、線材19の臨界磁界よりも高い磁場をかけ
る。これにより、線材19は極低温においても常電導状
態になるので永久電流スイッチ22は切られた状態にな
り、超電導コイル21に直流電流が流れ、磁気エネルギ
ーとして電力を貯蔵することができるようになる。
【0023】次に、開閉スイッチ24を開いて、制御用
超電導コイル26に対する通電を停止して永久電流スイ
ッチ22に対する磁場を解除すると、永久電流スイッチ
22の線材19は超電導状態になるので、超電導コイル
21の両端を短絡することになる。これにより、超電導
コイル21は極低温状態に冷却されていて電気抵抗がゼ
ロであるがために、電流は減衰することなく超電導コイ
ル21を流れ続け、そのときの超電導コイル21に蓄え
られたエネルギーが無損失で保存されることになる。
【0024】次にこの貯蔵された電力を取り出すには、
制御用超電導コイル26に通電して永久電流スイッチ2
2の線材19を常電導状態に遷移させとともに、開閉ス
イッチ24を閉じて回路を接続する。これにより、超電
導コイル21に蓄えられていた磁気エネルギーを交流電
力として取り出すことができる。このようにして永久電
流スイッチ22のオン・オフ制御を行うことができる。
なお、このような磁場の負荷と解除により永久電流スイ
ッチ22のオン・オフ制御を行なうならば、応答が速い
ので、高速応答に容易に対応することができる。
【0025】図3は本発明方法の他の例について説明す
るためのもので、この例では、図1(a)に示したイン
サイチュ合金10と同等のインサイチュ合金30を用い
る。このインサイチュ合金30は、CuまたはCu合金
からなる金属基地31の内部にNbの樹脂状晶32が多
数分散されてなるものである。次に前記インサイチュ合
金30に圧延加工、鍛造加工、あるいは、ダイスによる
線引き加工などの塑性加工を施して縮径し、図3(b)
に示すインサイチュ線材33を得る。このインサイチュ
線材33は、図1(b)に示すものと同等のものであ
る。
【0026】次いで前記インサイチュ線材33を図3
(c)に示すように多数本集合して加工性の良好なCu
あるいはCu合金などの管体34の内部に収納し、全体
を前記と同様の塑性加工により縮径して複合線35を
得、縮径後にこの複合線35の周囲に図3(d)に示す
被覆層36を形成して被覆複合線37を得る。ここで用
いる被覆層36は図1(c)に示す被覆層16と同等の
ものを用いる。また、インサイチュ線材33を集合して
から管体に収納し、更に縮径する作業を1回ではなく、
複数回繰り返し行なっても良い。
【0027】次に、前記被覆複合線37を加熱炉などに
おいて700〜800℃で数時間〜数10時間加熱す
る。この加熱処理により被覆層36を構成する金属元素
がインサイチュ線33側に拡散し、これによりインサイ
チュ線材33の金属基地にZnまたはNiが拡散して金
属基地が高電気抵抗化され、図3(e)に示す永久電流
スイッチ用線材39が得られる。この構成の線材39
は、インサイチュ線材33を縮径したものを多数含む多
心構造になっているので、臨界電流密度が高く、臨界磁
界が適当に低く、スイッチング時の磁場、および、電流
変動に伴う交流損失が小さく、安定性に優れる特徴があ
る。このように構成した永久電流スイッチ用線材39に
あっても先に説明した例の線材19と同様に図2に示す
超電導エネルギー貯蔵装置の永久電流スイッチ用として
使用することができる。
【0028】図4は本発明方法の別の例について説明す
るためのもので、この例では、図1(a)に示したイン
サイチュ合金10と同等のインサイチュ合金40を用い
る。このインサイチュ合金40は、CuまたはCu合金
からなる金属基地41の内部にNbの樹脂状晶42が多
数分散されてなるものである。次に前記インサイチュ合
金40に圧延加工、鍛造加工、あるいは、ダイスによる
線引き加工などの塑性加工を施して縮径し、図4(b)
に示すインサイチュ線材43を得る。このインサイチュ
線材43は、図1(b)に示すものと同等のものであ
る。
【0029】次いで前記インサイチュ線材43の周囲に
被覆層46を形成して被覆複合線47を得る。ここで用
いる被覆層46は図1(c)に示す被覆層16と同等の
ものを用いる。続いて図4(c)に示すように被覆複合
線47を多数本集合して加工性の良好なCuあるいはC
u合金などの管体44の内部に収納し、全体を前記と同
様の塑性加工により縮径して複合線45を得る。
【0030】次に、前記複合線45を加熱炉などにおい
て700〜800℃で数時間〜数10時間加熱する。こ
の加熱処理により被覆層46を構成する金属元素がイン
サイチュ線43側に拡散し、これによりインサイチュ線
材43の金属基地にZnまたはNiが拡散して金属基地
が高電気抵抗化され、図4(d)に示す永久電流スイッ
チ用線材49が得られる。この拡散の場合、インサイチ
ュ線材43の周囲に直接被覆層46が形成されているの
で、被覆層46を構成するZnやNiなどの金属元素が
拡散する距離が少なくて済み、拡散時の加熱温度や時間
を短縮できる効果がある。この構成の線材49は、イン
サイチュ線材43を縮径したものを多数含む多心構造に
なっているので、前記線材39と同様の特徴を有するも
のである。このように構成した永久電流スイッチ用線材
49にあっても先に説明した例の線材19と同様に図2
に示す超電導エネルギー貯蔵装置の永久電流スイッチ用
として使用することができる。
【0031】なお、図4(a)に示すインサイチュ合金
40からインサイチュ線材43を形成し、次いで被覆複
合線47を製造する場合、あるいは、図3(a)に示す
インサイチュ合金30からインサイチュ線材33を形成
する場合に、図5に示すように、インサイチュ合金から
なる厚肉管体51を形成し、これの内部に前記被覆層4
6を構成する元素と同等の元素からなるロッド52を挿
入して複合し、これを縮径して多数本集合するなどの方
法を実施し、更に必要に応じて縮径して熱処理すること
により永久電流スイッチ用線材を製造しても良い。この
場合は、インサイチュ合金からなる厚肉管体51の金属
基地に対し、厚肉管体51の中心部側のロッド52か
ら、ZnやNiを拡散させて厚肉管体51の金属基地を
高電気抵抗化することができる。従ってロッド52を構
成する金属元素の拡散距離が少なくなり、熱処理時間や
温度を低くすることができる効果がある。なお、この例
の構造において、拡散させるZnやNiの量は、厚肉管
体51の肉厚を調整するか、その内部に挿入するロッド
52の直径を調整することにより容易に行うことができ
る。
【0032】(製造例1)Cu-50wt%Nbの組成
を有するインサイチュ合金を用い、このインサイチュ合
金に線引き加工を施して直径0.3mmのCu-Nb合金
からなるインサイチュ線材を得た。次にこのインサイチ
ュ線材をZn管の内部に収納して線引き加工する方法に
より、表面に、厚さ18μmのZn層を有する被覆複合
線を製造し、次にこの被覆複合線を加熱炉において80
0℃で30時間熱処理した。これによりZn層のZnを
インサイチュ線材の金属基地内に拡散させてインサイチ
ュ線材の基地をCu-Zn合金化し、永久電流スイッチ
用線材を得た。
【0033】この線材試料においては、約30重量%の
Znを合金化したことになり、この試料において、20
Kにおける比抵抗は4.3μΩ・cmとなった。また、
前記Zn層を被覆していないインサイチュ線材の20K
における比抵抗は、0.25μΩ・cmであった。従っ
て、Zn層を被覆してインサイチュ線材の金属基地をC
u-Zn合金化することにより、比抵抗を約17倍に増
大させることができた。 一方、この線材試料の比抵抗
の温度特性を図6に示す。図6に示す結果から、Znを
被覆していないオリジナルの試料に比べて、本発明の試
料はいずれの温度でも比抵抗が増大していることが明ら
かである。また、両者の線材の超電導特性を比較したと
ころ、Znを金属基地に拡散させたことによる超電導特
性の劣化はほとんど見られず、いずれの試料も、0.2
テスラの磁場中において臨界電流は100Aであった。
以上のことから、比抵抗の小さなインサイチュ線材を用
いて比抵抗の大きな永久電流用線材を得ることができ
た。
【0034】(製造例2)Cu-50wt%Nbの組成
を有するインサイチュ合金を用い、このインサイチュ合
金に線引き加工を施して直径0.3mmのCu-Nb合金
からなるインサイチュ線材を得た。次にこのインサイチ
ュ線材の表面に、厚さ12μmのZnメッキ層を形成し
て被覆複合線を製造し、次にこの被覆複合線を加熱炉に
おいて800℃で30時間熱処理した。これにより、Z
n層のZnをインサイチュ線材の金属基地内に拡散させ
てインサイチュ線材の基地をCu-Zn合金化した。
【0035】この試料においては、約12重量%のZn
を合金化したことになり、この試料において、20Kに
おける比抵抗は2.4μΩ・cmとなった。また、前記
Zn層を被覆していないインサイチュ線材の20Kにお
ける比抵抗は、0.25μΩ・cmであった。従って、
Zn層を被覆してインサイチュ線材の金属基地をCu-
Zn合金化することにより、比抵抗を約10倍に増大さ
せることができた。一方、両者の線材の超電導特性を比
較したところ、Znを金属基地に拡散させたことによる
超電導特性の劣化はほとんど見られず、いずれのものも
0.2テスラの磁場中において臨界電流は100Aであ
った。この永久電流スイッチ用線材の温度と比抵抗との
関係を図7に示す。図7に示す結果から、Znを被覆し
ていないオリジナルの試料に比べて、本発明の試料はい
ずれの温度でも比抵抗が増大していることが明らかであ
る。以上のことから、比抵抗の小さなインサイチュ線材
を用いて比抵抗の大きな永久電流スイッチ用線材を得る
ことができた。また、前記永久電流スイッチ用線材の臨
界電流と磁場との関係を図8に示す。図8から明らかな
ように、この例の線材は、低磁界域での臨界電流が十分
に高いことが明らかである。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、C
uまたはCu合金基地の内部にNbのフィラメントが多
数分散配列された構造になっているので、極低温に冷却
することで、Nbのフィラメントが電気抵抗ゼロの超電
導体となり、永久電流スイッチ用線材として適用でき
る。また、CuまたはCu合金基地の内部に生成したN
bの樹脂状晶を線引き加工によりフィラメント化したも
のにおいては、金属基地の内部に、Nbの極細のフィラ
メントが多数分散配列された構造を有している。従って
Nbフィラメントが極低温に冷却された場合に超電導体
となり、これが永久電流スイッチ用線材としての超電導
体となる。前記Nbフィラメント自体は、不連続繊維の
集合体であるが、フィラメントどうしの間隔が極めて小
さいので近接効果が作用して超電導電流が流れることに
なる。
【0037】更に、金属基地をCuなどの良導電体に比
べて高電気抵抗化しているので、スイッチイング動作を
行う超電導エネルギー貯蔵用装置の永久電流スイッチ用
として好適になる。また、インサイチュ合金からスター
トして製造したものは、超電導体として臨界電流密度が
高く、また、臨界磁界の比較的低いものが容易に得られ
る。よって、磁界制御方式の永久電流スイッチ用として
好適である。
【0038】また、本発明方法によれば、インサイチュ
合金からスタートして製造しているので、超電導体とし
て臨界電流密度が高く、また、臨界磁界の比較的低いも
のが容易に得られる。よって、磁界制御方式の永久電流
スイッチ用として好適な線材が得られる。また、本発明
方法によれば、比抵抗の小さなインサイチュ線材を用
い、比抵抗の大きな永久電流用線材を得ることができ
た。更に本発明方法によれば、必要な線径までインサイ
チュ線の状態で縮径してから被覆層を形成し、それから
熱処理して元素拡散させるので、インサイチュ線材の良
好な加工性を維持しながら塑性加工ができる。これに対
して必要な線径まで塑性加工する前に元素拡散を行う
と、金属基地が硬化するので好ましくない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明方法の第1の例で用いるイ
ンサイチュ合金の断面図、図1(b)は図1(a)のイ
ンサイチュ合金を線引き加工して得たインサイチュ線材
を示す断面図、図1(c)は図1(b)のインサイチュ
線材にZn層を被覆した被覆複合線を示す断面図、図1
(d)は図1(c)の被覆複合線に熱処理を施して得た
永久電流スイッチ用線材の断面図である。
【図2】図2は本発明に係る線材から形成した永久電流
スイッチを備えた超電導エネルギー貯蔵装置の一例を示
す構成図である。
【図3】図3(a)は本発明方法の第2の例で用いるイ
ンサイチュ合金の断面図、図3(b)は図3(a)のイ
ンサイチュ合金を線引き加工したインサイチュ線材を示
す断面図、図3(c)は図3(b)のインサイチュ線材
を多数本集合した状態を示す断面図、図3(d)は図3
(c)に示す集合体を線引き加工してからその表面に被
覆層を形成した状態を示す断面図、図3(e)は図3
(d)に示す被覆線材を熱処理して得た永久電流スイッ
チ用線材の第2の例を示す断面図である。
【図4】図4(a)は本発明方法の第3の例で用いるイ
ンサイチュ合金の断面図、図4(b)は図4(a)のイ
ンサイチュ合金を線引き加工したインサイチュ線材に被
覆層を形成した被覆複合線を示す断面図、図4(c)は
図4(b)の被覆複合線を多数本集合した状態を示す断
面図、図4(d)は図4(c)に示す被覆複合線を熱処
理して得た永久電流スイッチ用線材の第2の例を示す断
面図である。
【図5】図5は本発明に係る他の製造方法に使用するイ
ンサイチュ合金の管体とロッドを示す断面図である。
【図6】図6は30wt%のZnを含むように被覆層を
設けて熱処理して構成した永久電流スイッチ用線材の比
抵抗と絶体温度の関係を示す線図である。
【図7】図7は12wt%のZnを含むように被覆層を
設けて熱処理して構成した永久電流スイッチ用線材の臨
界電流と臨界磁場の関係を示す線図である。
【図8】図8は30wt%のZnを含むように被覆層を
設けて熱処理して構成した永久電流スイッチ用線材の比
抵抗と絶体温度の関係を示す線図である。
【図9】図9は従来の永久電流スイッチを備えた超電導
エネルギー貯蔵装置の一例に充電している状態を示す構
成図である。
【図10】図10は従来の永久電流スイッチを備えた超
電導エネルギー貯蔵装置の一例に電力を保存している状
態を示す構成図である。
【図11】図11は従来の永久電流スイッチを備えた超
電導エネルギー貯蔵装置の一例から電力を取り出してい
る状態を示す構成図である。
【符号の説明】
10、30、40、 インサイチュ合金、 11、3
1、41、 金属基地、 12、32、42、 樹脂状晶、 13、33、43、 インサイチュ線材、 14、 金属基地、 15、
フィラメント、 16、36、46、 被覆層、 17、37、47、 被覆複合線、 19、39、49、 永久電流スイッチ用線材、 21、 超電導コイル、 22、 永久電流スイッチ、 26、 制御用超電導コイル、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 謙次 東京都江東区木場一丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 上所 操 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 本間 仁 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 能登 宏七 岩手県盛岡市月ヶ丘二丁目8番11号 (72)発明者 松川 倫明 岩手県盛岡市上田一丁目20番31号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CuまたはCu合金にZnまたはNiを
    拡散させて生成された合金基地と、この合金基地の内部
    に多数分散配列されたNbフィラメントとを具備してな
    ることを特徴とする超電導永久電流スイッチ用線材。
  2. 【請求項2】 前記Nbフィラメントが、Cuあるいは
    Cu合金からなる金属基地の内部に分散された樹脂状晶
    を線引き加工によりフィラメント化したものであること
    を特徴とする超電導永久電流スイッチ用線材。
  3. 【請求項3】 Nbの樹脂状晶をCuまたはCu合金の
    金属基地の内部に分散してなるインサイチュ合金あるい
    はこのインサイチュ合金を縮径加工したインサイチュ線
    材を用い、この合金あるいは線材の周囲に、Zn、Zn
    -Cu合金、Ni-Cu合金のいずれかからなる被覆層を
    設けて被覆複合線を形成し、この被覆複合線に縮径加工
    を施して金属基地の内部にNbのフィラメントを多数分
    散配列させ、次いで熱処理を施して金属基地の内部に前
    記被覆層中のZnまたはNiを拡散させて金属基地を高
    電気抵抗化することを特徴とする超電導永久電流スイッ
    チ用線材の製造方法。
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US20230099529A1 (en) * 2020-02-24 2023-03-30 University Of Houston System Hybrid round superconductor wires
US12412681B2 (en) * 2020-02-24 2025-09-09 University Of Houston System Hybrid round superconductor wires using Nb—Ti filaments

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