JPH0615518B2 - 保護アミノ酸の製法 - Google Patents

保護アミノ酸の製法

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JPH0615518B2
JPH0615518B2 JP17732685A JP17732685A JPH0615518B2 JP H0615518 B2 JPH0615518 B2 JP H0615518B2 JP 17732685 A JP17732685 A JP 17732685A JP 17732685 A JP17732685 A JP 17732685A JP H0615518 B2 JPH0615518 B2 JP H0615518B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は保護アミノ酸の製法に関するものである。更に
詳しくは、ペプチドあるいは抗生物質などの合成中間体
として有用な保護アミノ酸の製法に関する。
〔従来技術〕
アミノ酸を用いてペプチドを合成する際に、予め、原料
アミノ酸をアミノ基保護剤と反応させアミノ基を保護す
る方法がしばしば採られている。このアミノ基保護剤と
しては、例えばtert−ブチル−4,6−ジメトキシ−s−
トリアジル−2−チオールカーボネート(特開昭54−
160390)、2−(4−メトキシベンジルオキシカ
ルボニルチオ)−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン
(特開昭60−109576)等が知られている。一方
特公昭51−18942にはアミノ基保護剤である、下
記一般式 (式中、R1、R2は水素またはメチル基を、R3は水素
またはメトキシ基を表わす)で表わされるアルアルキル
4および/または6−メチル置換または非置換ピリミジ
ル−2−チオールカーボネートとアミン類とを反応させ
下記一般式 (式中、R3は前記と同義であり、Zはアミン類の窒素
から水素原子を除いて形成される基)で表わされるアル
キルオキシカルボニルアミン類を製造する方法が記され
ている。
通常アミノ酸とアミノ基保護剤との反応は、アミノ酸を
溶解させる必要があるため、水性媒体中で苛性アルカリ
の存在下で行なわれるが、一般的に反応速度が遅く、し
かも、反応時におけるアミノ基保護剤の分解がある上、
生成した保護アミノ酸も分解する傾向があり、高収率で
保護アミノ酸を得ることは難しい。一方、溶媒として例
えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、メタノールエタノール、t−ブタノー
ルなどの水溶性の有機溶媒と水との混合溶媒を用いた場
合には、反応速度が速く、しかも、アミノ基保護剤の分
解も少ないので、比較的に高収率で保護アミノ酸を得る
ことができる。しかしながら、この場合には、反応終了
後の混合物により有機溶媒を回収する手間がかかり、ま
た、収率も未だ十分なものとは言い難い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、前示一般式〔I〕のアミノ酸と前示一般式
〔II〕のアミノ基保護剤とを反応させ、前示一般式〔II
I〕の保護アミノ酸を製造するに当り、反応が良好に進
行するとともに、生成した保護アミノ酸の分解も少な
く、高収率で目的化合物が得られる工業的に有利な製法
を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の要旨は、下記一般式〔I〕 R1NH2……〔I〕 (式中、R1はアミノ酸からアミノ基1個を除いた残基
を示す)で表わされるアミノ酸と下記一般式〔II〕 (式中、Aは置換基 を示し、R2及びR4は水素原子又は低級アルキル基を示
し、R3は低級アルキル基又はパラ位が低級アルコキシ
基、低級アルキル基あるいはニトロ基で置換されていて
もよいフェニル基を示す。但し、置換基A中、X1〜X4
は水素原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示
す)で表わされるアミノ基保護剤とを苛性アルカリの存
在下、水性媒体中で反応させることにより下記一般式
〔III〕 (式中、R1〜R4は前示一般式と同じ意味を示す)で表
わされる保護アミノ酸を製造する方法において、反応系
内のpHを10〜13の範囲に保持して反応を進行させる
ことを特徴とする保護アミノ酸の製法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
前示一般式〔I〕で表わされるアミノ酸と前示一般式
〔II〕で表わされるアミノ基保護剤の反応は下記反応式
に従って進行する。
本発明で対象となる前示一般式〔I〕のアミノ酸として
は、特に限定されるものではなく、種々のものが挙げら
れるが、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ノルバ
リン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニ
ルアラニン、チロシン、ジョードチロシン、スリナミ
ン、トレオニン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリ
ン、トリプトファン、チロキシン、メチオニン、シスチ
ン、システィン、α−アミノ酪酸などの中性アミノ酸、
アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタ
ミンなどの酸性アミノ酸、リジン、ヒドロキシリジン、
アルギニン、ヒスチジンなどの塩基性アミノ酸が挙げら
れる。
一方、アミノ基保護剤としては、前示一般式〔II〕を満
足するものであれば特に限定されるものではなく例え
ば、p−メトキシベンジルオキシルカルボニル−4,6−
ジメチル−2−メルカプトピリミジン、p−エチルベン
ジルオキシカルボニル−4,6−ジメチル−2−メルカプ
トピリミジン、p−ニトロベンジルオキシカルボニル−
4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン、ベンジル
オキシカルボニル−4,6−ジメチル−2−メルカプトピ
リミジン、t−ブチルオキシカルボニル−4,6−ジメチ
ル−2−メルカプトピリジン、t−ブチルオキシカルボ
ニル−4,6−ジトメキシ−2−メルカプト−1,3,5,−ト
リアジンなどが挙げられる。これらのアミノ基保護剤の
使用量はアミノ酸のアミノ基に対して、0.8〜1.3モル
倍、好ましくは0.9〜1.2モル倍である。
本発明では上述のようなアミノ酸とアミノ基保護剤とを
苛性アルカリの存在下、水性媒体中で反応させるもので
あるが、苛性アルカリとしては通常、苛性ソーダ又は苛
性カリが用いられる。また、水性媒体は実質的に水単独
溶媒又は水と水溶性の有機溶媒との混合溶媒が用いられ
る。混合溶媒の場合に用いられる有機溶媒としては、例
えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、N,N
−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、通常、水に対
する使用割合は0.1〜3重量倍である。また、水性媒体
の使用量は、通常、前示一般式〔I〕のアミノ酸に対し
て4〜20重量倍である。
本発明においては、反応系内のpHを10〜13、好まし
くは10.5〜12.5の範囲に保持して反応を行なうことを必
須の要件とする。前示一般式のアミノ酸とアミノ基保護
剤との反応を苛性アルカリの存在下で実施した場合、反
応の進行に伴なってA−SHが副生するため、反応系内
のpHは徐々に低下することになるが、本発明では上記特
定範囲にpHを保持して反応を進行させることが特徴であ
る。反応中におけるpHが前記範囲よりも高くなった場合
には、フリーの苛性アルカリが多くなりアミノ基保護剤
及び反応で生成した保護アミノ酸の分解を招くことにな
り、逆に、前記範囲より低くなった場合には、保護アミ
ノ酸の生成速度が極度に低下する上、この間にアミノ基
保護剤の分解が起り、目的とする保護アミノ酸を高収率
で得ることができない。
従って、本発明の反応を実施するには、通常、水性媒体
中にアミノ酸とアミノ基保護剤とを仕込み、これに苛性
アルカリを系内のpHが所望の値となるように加えながら
反応を進行させるか、又は、水性媒体中にアミノ酸を仕
込み、これに苛性アルカリを系内のpHが所望の値となる
ように滴下しながら、アミノ基保護剤を供給して反応を
進行させる。
本発明の反応温度は通常、10〜40℃、好ましくは1
5〜35℃であり、反応時間は通常、2〜10時間程度
である。
反応後の混合物は通常、酸性とした後、例えば、酢酸エ
チルなどの有機溶媒にて抽出処理し、有機相に保護アミ
ノ酸を抽出し、次いで、有機相より有機溶媒を留去する
ことにより保護アミノ酸を単離することができる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定され
るものではない。
実施例1 攪拌機、pH計及び温度調節器を備えた2ガラス製反応
器に、アミノ酸としてL−ロイシン131.1g(1モル)
と水940gとを仕込み、これに25%苛性ソーダ水溶
液160g(NaOHとして1モル)を加え、系内のpHを1
2とした後、攪拌下、20℃の温度でアミノ基保護剤と
して、t−ブチルオキシカルボニル−4,6−ジメチル−
2−メルカプトピリミジン(以下:BOCSと略す)264.4
g(1.1モル)を5分かけて混合し、更に、その後、
5時間、攪拌を続けることにより反応を実施した。この
反応の間、反応系内のpHを15%苛性ソーダ水溶液を滴
下することにより、11.8〜12.2の間に保持した。なお、
このpH調整に用いた苛性ソーダ量はNaOHとして、1.1モ
ルであった。
反応終了後、混合物を高速液体クロマトグラフィーより
分析し、目的生成物である保護アミノ酸の収率(対アミ
ノ酸)を求めたところ第1表に示す結果を得た。
比較例1 実施例1において、pH調整に用いた苛性ソーダを全て反
応初期により反応系に存在させ、同様に反応を行なった
場合の結果を第1表に示す。
なお、この際の反応系のpHは13.8(反応開始時)から9
(反応終了時)まで変化した。
比較例2〜3 実施例1において、反応系内のpHを第1表に示す値に調
節し、同様の反応を行なった場合の結果を第1表に示
す。
実施例2 実施例1において、溶媒として水940gの代りに、ジ
オキサン550gと水390gとの混合物を用いて、同
様に反応を行なった場合の結果を第2表に示す。
比較例4〜5 実施例2において、反応系内のpHを第2表に示す値に調
節し、同様の反応を行なった場合の結果を第2表に示
す。
実施例3〜4及び比較例6〜7 第3表に示すアミノ酸とアミノ基保護剤とを使用し、反
応系のpHを第3表に示す値に調節した以外は実施例1と
同様に反応を行なった場合の結果を第3表に示す。
実施例5〜6及び比較例8〜9 第4表に示すアミノ酸とアミノ基保護剤とを使用し反応
系のpHを第3表に示す値に調節した以外は実施例2と同
様に反応を行なった場合の結果を第4表に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれば、アミノ酸と特定のアミノ基保護剤とを
反応させ保護アミノ酸を製造する際に、反応系内のpHを
特定範囲に保持することにより、溶媒として水単独溶媒
を用いた場合に特に、pHを調節しない場合に比べ著しく
収率が改善され、目的生成物を高収率で得ることができ
る。また、水溶性有機溶媒と水との混合溶媒を用いた場
合にも、その収率を更に高めることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕 R1NH2……〔I〕 (式中、R1はアミノ酸からアミノ基1個を除いた残基
    を示す)で表わされるアミノ酸と下記一般式〔II〕 (式中、Aは置換基 を示し、R2及びR4は水素原子又は低級アルキル基を示
    し、R3は低級アルキル基又はパラ位が低級アルコキシ
    基、低級アルキル基あるいはニトロ基で置換されていて
    もよいフェニル基を示す。但し、置換基A中、X1〜X4
    は水素原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を示
    す)で表わされるアミノ基保護剤とを苛性アルカリの存
    在下、水性媒体中で反応させることにより下記一般式
    〔III〕 (式中、R1〜R4は前示一般式と同じ意味を示す)で表
    わされる保護アミノ酸を製造する方法において、反応系
    内のpHを10〜13の範囲に保持して反応を進行させる
    ことを特徴とする保護アミノ酸の製法。
  2. 【請求項2】反応温度が10〜40℃であることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項記載の製法。
  3. 【請求項3】アミノ基保護剤の使用量がアミノ酸のアミ
    ノ基に対して、0.8〜1.3モル倍であることを特徴とする
    特許請求の範囲第(1)項記載の製法。
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