JPH06158073A - 潤滑油添加剤組成物、その製造方法及びこれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤組成物、その製造方法及びこれを含有する潤滑油組成物

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JPH06158073A
JPH06158073A JP22422793A JP22422793A JPH06158073A JP H06158073 A JPH06158073 A JP H06158073A JP 22422793 A JP22422793 A JP 22422793A JP 22422793 A JP22422793 A JP 22422793A JP H06158073 A JPH06158073 A JP H06158073A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 芳香族カルボン酸エステルをオレフィンで核
アルキル化し、得られた核アルキル置換芳香族カルボン
酸エステルに2価金属の酸化物、水酸化物及びアルコラ
ートの少なくとも1つと二酸化炭素を反応せしめ、次い
で反応混合物から水及び/又はアルコール類を除去する
ことを特徴とする潤滑油添加剤組成物の製造法、この製
造法によって得られた潤滑油添加剤組成物及びこれを含
有する潤滑油組成物。 【効果】 この方法によれば、工業的に有利に潤滑油添
加剤が得られ、この方法で得られる潤滑油添加剤は従来
の市販の添加剤に比べて酸化安定性、低炭化性、及び清
浄性において良好な性能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた酸化安定性、低
炭化性及び清浄性を付与する潤滑油添加剤組成物、その
製造方法及びこれを含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン油には、通常スラッジなどを分
散しエンジン内部を清浄に保つとともに、燃料が燃える
ことで発生する酸性物質を中和して腐食摩耗を防止する
ためにサリシレートなどの添加剤が配合される。このサ
リシレートとしてはアルキルサリシル酸の2価金属塩
に、2価金属の炭酸塩を分散させたものが一般的に用い
られている。
【0003】従来、サリシレートはフェノールを出発原
料とし、これをα−オレフィンを用いてアルキル化し、
さらにアルキルフェノールのアルカリ金属塩とし、これ
に二酸化炭素を反応させてアルキルサリシル酸アルカリ
金属塩にして、硫酸などの鉱酸で分解しアルカリ金属を
除去するか、又は2価金属の塩化物で複分解した後、2
価金属の酸化物及び/又は水酸化物を加えて二酸化炭素
と反応させて製造されている。
【0004】しかしながら、この方法によると、反応に
用いたアルカリ金属が完全に除去できないために製品の
サリシレートの性能を悪化させるという欠点がある。こ
れはアルキルサリシル酸アルカリ金属塩が油溶性のため
水溶性の鉱酸や2価金属の塩化物との接触が充分に行わ
れないことと、アルカリ金属塩類を含む水を完全には分
離できないことによる。
【0005】一方、特開昭60−127396号公報に
は、アルカリ金属を用いない方法としてフェノール類に
アルカリ土類金属を付加し、二酸化炭素で処理すること
によりサリシレートを製造する方法が開示されている。
しかしながら、この方法によるとフェノール類の反応率
が低く半分以上が未反応で残ってしまうという欠点があ
り、さらに、このフェノール類を蒸留して再利用しよう
とする場合、その蒸留が困難であり、工業的に有利に蒸
留して回収することが難しいという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、このような欠点が無く、工業的に有利に優れた潤滑
油添加剤組成物を得る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行った結果、芳香族カルボン酸エステ
ルを核アルキル化して得た核アルキル置換芳香族カルボ
ン酸エステル類を原料とし、これに2価金属水酸化物及
び二酸化炭素を反応させて過塩基化すれば、上記の欠点
が無く、しかも優れた潤滑油添加剤組成物が得られるこ
とを見出し本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、(1)芳香族カルボ
ン酸エステルをオレフィンで核アルキル化し、(2)得
られた核アルキル置換芳香族カルボン酸エステルに2価
金属の酸化物、2価金属の水酸化物又は2価金属のアル
コラート及び二酸化炭素を反応せしめ、(3)次いで反
応混合物から水及び/又はアルコール類を除去すること
により得られる潤滑油添加剤組成物に係るものである。
【0009】また、本発明は、(1)芳香族カルボン酸
エステルをオレフィンで核アルキル化し、(2)得られ
た核アルキル置換芳香族カルボン酸エステルに2価金属
の酸化物、2価金属の水酸化物又は2価金属のアルコラ
ート及び二酸化炭素を反応せしめ、(3)次いで反応混
合物から水及び/又はアルコール類を除去することを特
徴とする潤滑油添加剤組成物の製造方法に係るものであ
る。
【0010】さらに本発明は、(1)芳香族カルボン酸
エステルをオレフィンで核アルキル化し、(2)得られ
た核アルキル置換芳香族カルボン酸エステルに2価金属
の酸化物、2価金属の水酸化物又は2価金属のアルコラ
ート及び二酸化炭素を反応せしめ、(3)次いで反応混
合物から水及び/又はアルコール類を除去することによ
り得られる潤滑油添加剤組成物、並びに天然油及び/又
は合成油からなる潤滑油基油を含有する潤滑油組成物に
係るものである。
【0011】本発明における、核アルキル化反応(1)
は、オレフィンが酸触媒によってカルボニウムカチオン
となり、それがベンゼン核の電子密度の高い炭素に付加
することで進行する。米国特許第2490444号、米
国特許第2510937号及び英国特許第114692
5号にも、核アルキル反応が開示されているが、これら
の反応によると、触媒に腐食性の強い塩化アンチモンや
BF3 を多量に用いなければならず、さらにカルボキシ
ル基のような電子吸引性の置換基を持つ芳香族のアルキ
ル化においては、ベンゼン核の電子密度が低下するた
め、反応が進まず収率が不充分である。本発明において
は、核アルキル化の原料として芳香族カルボン酸エステ
ルを用いるため、カルボキシル基の電子吸引性が低下し
ており、核アルキル化が容易に進行し、収率が向上す
る。
【0012】核アルキル化反応(1)に用いられる芳香
族カルボン酸エステルとしては、例えばヒドロキシ置
換、アルキル置換又は無置換の炭素数6〜20の芳香族
モノカルボン酸と炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖のア
ルコールを原料として公知の方法でエステル化して得ら
れるものが挙げられる。ここで、芳香族カルボン酸とし
ては、例えば安息香酸、サリシル酸、4−ヒドロキシ安
息香酸、オルト−,メタ−又はパラ−トルイル酸、オル
ト−,メタ−又はパラ−エチル安息香酸などのアルキル
安息香酸;2,3−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチ
ル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメ
チル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,6−ジ
メチル安息香酸などのジアルキル安息香酸;2,3−ジ
ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、
2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ
安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ
ヒドロキシ安息香酸などのジヒドロキシ安息香酸;α−
ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、2−ヒドロキシα−ナフ
トエ酸、1−ヒドロキシβ−ナフトエ酸などのナフテノ
カルボン酸等が挙げられる。これらのうち、サリシル酸
が特に好ましい。
【0013】これらのカルボン酸としては、市販のもの
を用いることもできるが、次の如き方法により製造して
もよい。例えば、ヒドロキシ安息香酸については、フェ
ノールを出発原料としてアルカリ金属塩に変換した後、
二酸化炭素を反応させて製造される。その後アルカリ金
属は酸分解により取り除かれる。このとき、水相に溶解
しているヒドロキシ安息香酸アルカリ金属塩は遊離酸と
なって析出するのでアルカリ金属はほぼ完全に除去され
る。芳香族カルボン酸の製造においてアルカリ金属を使
用してもほぼ完全に除去できる。他の芳香族カルボン酸
についても、例えばトルイル酸はキシレンの酸化により
得られ、実質上アルカリ金属を含まないものが得られ
る。
【0014】また、エステル化反応に用いられるアルコ
ールとしては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタ
ノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウン
デカノール、ドデカノール、トリデカノール等が挙げら
れる。アルコールとしては、沸点が240℃以下のもの
が蒸留による回収が安易であり好ましい。なかでもメタ
ノールが好ましい。また、これらのアルコールは2種以
上を混合して用いてもよく、その結果得られる核アルキ
ル置換芳香族カルボン酸エステルも2種以上の混合物と
なる。
【0015】本発明において、核アルキル化反応(1)
に用いられるオレフィンとしては、炭素数4〜40、さ
らに炭素数8〜30、特に炭素数12〜24のものが好
ましく、二重結合の位置は、末端でも内部にあるもので
もよい。具体的には、例えばオクテン、ノネン、デセ
ン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセ
ン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オク
タデセン、ノナデセン、エイコセン、ドコセン、テトラ
コセン等が挙げられ、これらは一種でも二種以上を混合
して反応せしめてもよい。
【0016】核アルキル化反応(1)は公知の方法を用
いて行うことができる。例えば、酸性触媒の存在下、芳
香族カルボン酸エステルとオレフィンを120〜250
℃、好ましくは180〜230℃で5〜10時間反応せ
しめる方法が挙げられる。
【0017】ここで用いられるオレフィンの芳香族カル
ボン酸エステルに対するモル比は0.1〜10、特に
0.5〜3.0が好ましい。
【0018】酸性触媒としては硫酸などの鉱酸やシリカ
・アルミナ、酸性白土が使えるが、特にモンモリロナイ
ト(Montmorillonite)、ハロイサイト
(Halloysite)などの粘土鉱物及びこれらを
鉱酸で処理した酸性白土が好ましい。これら触媒の量は
バッチ式で反応させる場合には、芳香族カルボン酸エス
テルとオレフィンの合計量に対して1〜15重量%、特
に3〜10重量%が好ましい。なお、バッチ式で反応さ
せる場合、オレフィンは芳香族カルボン酸エステルと酸
性触媒との混合物に反応温度において滴下する方法が好
ましい。これによってオレフィンどうしの重合反応が少
なく抑えられる。また原料混合物を固定された触媒層に
接触させて反応させることもできる。
【0019】反応後、未反応として残る原料は、蒸留又
は溶剤抽出により除去し回収利用することが好ましい。
抽出する場合は、溶剤としてメタノールなどの低級アル
コールを用いるのが適当である。
【0020】得られた核アルキル置換芳香族カルボン酸
エステルはそのまま過塩基化と呼ばれる工程(2)に用
いられる。過塩基化とは、核アルキル置換芳香族カルボ
ン酸エステルを2価金属塩(以下中性塩と呼ぶ)に変
え、さらに過剰の2価金属を炭酸塩として中性塩により
分散し製品の塩基性を上げることを言う。
【0021】本発明における過塩基化は、核アルキル置
換芳香族カルボン酸エステルに、2価金属の酸化物、2
価金属の水酸化物又は2価金属のアルコラート(以下、
2価金属塩基等という)及び二酸化炭素を反応させるこ
とにより行われる。ここで用いられる2価金属塩基等を
構成する2価金属としては、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム又はバリウムなどのアルカリ土類金
属や亜鉛が挙げられる。就中マグネシウム、カルシウム
が好ましい。かかる2価金属塩基等は、原料核アルキル
置換芳香族カルボン酸エステルに対し1〜20当量、特
に2〜10当量用いるのが好ましい。
【0022】過塩基化は核アルキル置換芳香族カルボン
酸エステルに2価金属塩基等を加えた後、一般には中性
塩を生成させるために120℃以上の温度で1時間以上
反応させる。この時生成するアルコールは以降の反応の
反応促進剤又は溶剤として利用することもできる。中性
塩生成の後に、二酸化炭素を液中に導入して2価金属の
炭酸塩を生成させるのが好ましい。また、アルコール類
は、かかる2価金属炭酸塩の生成を促進する作用を有す
るので、この反応時に存在せしめることが好ましい。ア
ルコールの存在のさせ方は、エステルの分解で系内に生
じるアルコールを用いるか、あるいは新たに添加する等
の方法が挙げられる。ここで用いるアルコール類として
は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどの1価低級アルコール類;エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオールなどのジオール類及びエチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのジ
オール類のモノエーテル類が挙げられる。さらに必要に
応じて蟻酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸などの低級脂
肪族カルボン酸をこれらのアルコール類と組み合わせて
用いることもできる。ここで、アルコール類は原料核ア
ルキル置換芳香族カルボン酸エステルに対し1〜60当
量、特に1〜30当量用いることが好ましい。また、低
級脂肪族カルボン酸は原料核アルキル置換芳香族カルボ
ン酸エステルに対して0.01〜0.5当量用いること
が好ましい。
【0023】また、過塩基化反応は適当な溶媒を存在さ
せて行うこともできる。溶媒としては、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロルベンゼンなどの芳香族化合物;
オクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノー
ル、イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカ
ノール、イソトリデカノールなどの分岐アルキルを持つ
高級アルコール;前記芳香族カルボン酸エステルのアル
キル化剤として用いたオレフィン;あるいは原油から精
製されて得られる潤滑油等が挙げられる。
【0024】反応させる二酸化炭素の量は中性塩の生成
後過剰に存在する2価金属塩基等の1当量当たりおよそ
0.5〜0.9当量、特に0.7〜0.9当量が好まし
い。0.5よりも少ないと2価金属塩基等が未反応で残
り、固形物の量が増え、0.9より多く反応させると生
成した2価金属の炭酸塩が凝集して、やはり固形物が増
えて不都合な場合がある。
【0025】中性塩を生成させながら同時に二酸化炭素
と反応させることも可能であるが、その場合反応温度は
120℃以上が好ましく、アルコール類及び溶剤として
その温度以下の沸点を持つものを用いるときは、反応は
加圧下で行う必要がある。
【0026】核アルキル置換芳香族カルボン酸エステル
を過塩基化するときにさらに高級脂肪族カルボン酸やア
ルキル芳香族スルフォン酸及び/又はその2価金属塩を
共存させてもよい。高級脂肪族カルボン酸としては炭素
数12〜80の直鎖又は分岐アルキルのカルボン酸が挙
げられ、これらは得られる添加剤の耐熱性を向上させる
目的で加えられる。アルキル芳香族スルフォン酸は炭素
数12〜80のアルキル鎖を少なくとも1つ有するもの
が好ましい。アルキル芳香族スルフォン酸の2価金属塩
には石油から製造される石油スルフォネートを用いるこ
ともできる。
【0027】過塩基化の後、水、アルコール類及び/又
は溶剤を蒸留して回収する。その後必要ならば固形物の
除去を濾過あるいは遠心分離により行うとよい。遠心分
離を行う場合、促進剤及び/又は溶剤の蒸留の前に行う
ほうが好ましい。
【0028】このようにして得られた潤滑油添加剤組成
物を天然油及び/又は合成油の潤滑油基油に0.5〜4
0重量%添加すると本発明の潤滑油組成物が得られる。
潤滑油基油のうち天然油としては、例えば動物油、植物
油及び鉱物油が挙げられ、好ましくは石油から得られる
パラフィン系、ナフテン系及びそれらの混合系の潤滑油
が挙げられる。また、合成油としては炭素数4〜18の
モノカルボン酸又は多価カルボン酸のエステル系潤滑
油、例えばコハク酸、フマル酸、マレイン酸、グルタル
酸、アジピン酸、セバシン酸、クエン酸、酒石酸、フタ
ル酸、トリメリット酸、ダイマー酸などとアルコールポ
リオール又はポリオールエーテルとのモノエステル、ジ
エステル、ヒンダードエステル系潤滑油や、アルキルベ
ンゼン、アルキルナフタレン、ポリイソブテン、ポリア
ルファオレフィンなどの炭化水素系潤滑油が挙げられ
る。また市販のモーターオイルベース等も使用可能であ
る。これらは一種でも二種以上を混合して用いてもよ
い。また必要により炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖の
アルコールを用いてもよい。このようなアルコールとし
ては、ポリオール又はポリオールエーテルが好ましく、
例えばネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが
挙げられる。
【0029】本発明の潤滑油組成物には、必要により、
通常知られているフェネート、スルフォネート、ナフテ
ネート、サリシレートなどの金属系清浄剤;ジアルキル
ジチオリン酸亜鉛、ジアルキルアリールジチオリン酸亜
鉛、アルケニル又はアルキルコハク酸イミド、ベンジル
アミン型無灰性分散剤、酸化防止剤、防錆剤、油性向上
剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤などの添加剤を適宜
配合することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するがこれ
によって本発明は何ら制限されるものではない。
【0031】実施例1 (1)2000mlのフラスコにサリシル酸メチル76
0.5g(5モル)と酸性白土108.0gを秤り取り
190℃に昇温した。これに炭素数18のα−オレフィ
ン590g(2.5モル)を4時間かけて滴下した。次
いで、1時間かけて温度を220℃にして2時間反応さ
せた。これを80℃まで冷却した後、酸性白土を濾過し
て除いた。濾過物の内1200gを2000mlのフラス
コに移して減圧蒸留により未反応のサリシル酸メチルと
α−オレフィンを留去した。最終の蒸留条件は210℃
/5mmHgであった。得られた淡黄色液体の鹸化価は11
4.1mgKOH/gであった。 (2)2000mlフラスコに(1)で得たアルキルサリ
シル酸エステル491.8g(1モル)、150ニュー
トラル油(日本石油製スーパーオイルA)50.0g及
び水酸化カルシウム129.9g(1.75モル)を秤
り取り155℃にした。途中、エチレングリコール94
gを添加した。155℃で1時間反応させた後、二酸化
炭素32リットル(25℃)を反応混合物中に吹き込ん
だ。温度を190℃に昇温しながら徐々に減圧にした。
フラスコの中に683.0gの粘ちょうな茶褐色の液体
を得た。固形物を濾過により除去し透明な茶褐色の液体
を得た。このものの塩基価(JIS K2501 過塩
素酸法)は281mgKOH/gであった。
【0032】実施例2 (1)2000mlフラスコにサリシル酸メチル760.
5g(5モル)と酸性白土100gを秤り取り190℃
にした。これに、炭素数14のα−オレフィン490g
(2.5モル)を3時間かけて滴下した。次いで2時間
かけて温度を210℃に昇温し、210℃で4時間反応
させた。これを80℃に冷却して酸性白土を濾過で取り
除いた。濾過物のうち1200gを2000mlフラスコ
に移し、減圧蒸留した。条件は実施例1(1)と同じに
した。得られた淡黄色液体の鹸化価は137.8mgKO
H/gであった。 (2)2000mlのフラスコに(1)で得たアルキルサ
リシル酸メチル285.2g(0.7モル)、炭素数1
4、16、18の脂肪酸(花王製ルナックS30)5
3.5g(0.2モル)、分岐鎖のドデシルベンゼンス
ルフォン酸30.0g(0.1モル)150ニュートラ
ル油(日本石油製スーパーオイルA)50g及び水酸化
カルシウム129.5g(1.75モル)を秤り取り1
58℃に1時間かけて昇温した。途中エチレングリコー
ル93.0gを添加した。158℃で2時間攪拌した
後、二酸化炭素の31リットルを反応混合物の液中に導
入した。以下実施例1(2)と同じ操作によった。得ら
れたものの塩基価は342.0mgKOH/gであった。
【0033】実施例3 3000mlフラスコに実施例1(1)のアルキルサリシ
ル酸メチル491.7g(1モル)、150ニュートラ
ル油(日本石油製スーパーオイルA)50g、キシレン
550g及び水酸化カルシウム185g(2.5モル)
を秤り取り1時間還流させた。その後、温度を35℃に
下げて、メタノール320gを加えた。二酸化炭素45
リットルを反応液中に導入してから、キシレン及びメタ
ノールを蒸留により留去した。固形物を濾過して茶褐色
の透明な粘稠液体を得た。このものの塩基価は335mg
KOH/gであった。
【0034】実施例4 (1)2000mlのフラスコにサリシル酸メチル350
g(2.2モル)と酸性白土125gを秤り取り180
℃に昇温した。これに炭素数14のα−オレフィン11
20g(5.7モル)を5時間かけて滴下した。滴下中
も昇温を続け210℃にした。滴下終了後210℃で5
時間反応させた。遠心分離により酸性白土を除き、淡黄
色液体を得た。このもののケン化価は、70.3mgKOH/
gであった。 (2)1000mlのフラスコに(1)で得たアルキルサ
リシル酸メチル203.7g(0.21モル)、炭素数
14のα−オレフィン60g、150ニュートラル油
(日本石油製スーパーオイルA)20g、及び炭素数1
4、16、18の脂肪酸(花王製ルナックS30)2
4.1g、水4.0g、水酸化カルシウム33.6g
(0.45モル)を秤り取り、155℃に昇温した。エ
チレングリコール22.3gを添加し、155℃で2時
間反応させた。二酸化炭素9.5リットルを反応混合物
中に1.5時間かけて吹き込んだ。温度を210℃に昇
温しながら除々に減圧にした。フラスコには粘ちょうな
茶褐色液体が残った。固形物をろ過により除去し透明茶
褐色液体を得た。このものの塩基価(JIS K250
1過塩素酸法)は238mgKOH/gであった。
【0035】実施例1〜4で得られた潤滑油添加剤は、
次の表1に示す如き性状を示した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例5 実施例1〜4で得た潤滑油添加剤及び市販の潤滑油添加
剤(サリシレート)を用い、下記配合組成で潤滑油組成
物を得た。
【0038】
【表2】 配合組成: 1 潤滑油添加剤 塩基価が11.0mgKOH/gとなるように 本発明品と市販品*1で調整した量 2 ジアルキルジチオリン酸亜鉛*2 0.5(重量%) 3 コハク酸イミド*3 2.0 4 潤滑油基油*4 *1:サリシレート(ロイヤルダッチシェル製) *2:OLOA 269R(オロナイトジャパン製) *3:OLOA 373(オロナイトジャパン製) *4:SAE30(日本石油製)
【0039】上記の潤滑油組成物を用い、下記に示す試
験を行った。結果を表3〜6に示す。
【0040】(水分離性)試験油95gと水4.5gを
耐圧ビンに入れて、93℃、5rpm で攪拌した。24時
間後に遠沈管に全量を移し、1500rpm 、20分間遠
心分離した。水の分離量と油の塩基価残存率を評価し
た。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】(酸化安定度試験)潤滑油酸化安定度試験
JIS K−2514の方法で48時間後の結果を表4
に示す。
【0043】
【表4】
【0044】(パネルコーキング試験)高温に加熱した
アルミニウムパネルに試験油を下記の条件ではねかけ、
試験後のアルミパネル上に堆積した炭化物の重さを測定
し、試験油の炭化傾向を評価した。結果を表5に示す。
【0045】油 量:250ml、 油 温:100℃、 はねかけ:15秒、 停 止:45秒、 試験時間:3時間
【0046】
【表5】
【0047】(ディーゼルエンジン試験)自動車技術会
によるディーゼル機関潤滑油の清浄性試験方法(JAS
O M336)に則り、評価した。結果を表6に示す。
【0048】
【表6】
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によれば、反応率が高く工
業的に有利に塩基価の高い潤滑油添加剤組成物が得ら
れ、この方法で得られる潤滑油添加剤組成物は従来の市
販の添加剤に比べて酸化安定性、低炭化性、及び清浄性
において良好な性能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:10 125:00) C10N 10:04 30:04 30:08 30:10 40:25 70:00

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族カルボン酸エステルをオレフィン
    で核アルキル化し、得られた核アルキル置換芳香族カル
    ボン酸エステルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸化
    物及び2価金属のアルコラートの少なくとも1つと二酸
    化炭素を反応せしめ、次いで反応混合物から水及び/又
    はアルコール類を除去することにより得られる潤滑油添
    加剤組成物。
  2. 【請求項2】 核アルキル置換芳香族カルボン酸エステ
    ルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸化物及び2価金
    属のアルコラートの少なくとも1つと二酸化炭素を反応
    せしめるとき、アルコール類及び/又はオレフィンの存
    在下で行うことを特徴とする請求項1記載の潤滑油添加
    剤組成物。
  3. 【請求項3】 核アルキル置換芳香族カルボン酸エステ
    ルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸化物及び2価金
    属のアルコラートの少なくとも1つと二酸化炭素を反応
    せしめるとき、アルコール類及び/又はオレフィン、並
    びに高級脂肪族カルボン酸、アルキル芳香族スルフォン
    酸及びその2価金属塩の少なくとも1つの存在下で行う
    ことを特徴とする請求項1記載の潤滑油添加剤組成物。
  4. 【請求項4】 芳香族カルボン酸エステルがサリシル酸
    エステルである請求項1記載の潤滑油添加剤組成物。
  5. 【請求項5】 核アルキル化を酸性触媒の存在下で行う
    ことを特徴とする請求項1記載の潤滑油添加剤組成物。
  6. 【請求項6】 核アルキル化を、芳香族カルボン酸エス
    テルにオレフィンを滴下することにより行うことを特徴
    とする請求項1記載の潤滑油添加剤組成物。
  7. 【請求項7】 芳香族カルボン酸エステルをオレフィン
    で核アルキル化し、得られた核アルキル置換芳香族カル
    ボン酸エステルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸化
    物及び2価金属のアルコラートの少なくとも1つと二酸
    化炭素を反応せしめ、次いで反応混合物から水及び/又
    はアルコール類を除去することを特徴とする潤滑油添加
    剤組成物の製造法。
  8. 【請求項8】 核アルキル置換芳香族カルボン酸エステ
    ルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸化物及び2価金
    属のアルコラートの少なくとも1つと二酸化炭素を反応
    せしめるとき、アルコール類及び/又はオレフィンの存
    在下で行うことを特徴とする請求項7記載の潤滑油添加
    剤組成物の製造法。
  9. 【請求項9】 核アルキル置換芳香族カルボン酸エステ
    ルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸化物及び2価金
    属のアルコラートの少なくとも1つと二酸化炭素を反応
    せしめるとき、アルコール類及び/又はオレフィン、並
    びに高級脂肪族カルボン酸、アルキル芳香族スルフォン
    酸及びその2価金属塩の少なくとも1つの存在下で行う
    ことを特徴とする請求項7記載の潤滑油添加剤組成物の
    製造法。
  10. 【請求項10】 芳香族カルボン酸エステルがサリシル
    酸エステルである請求項7記載の潤滑油添加剤組成物の
    製造法。
  11. 【請求項11】 核アルキル化を酸性触媒の存在下で行
    うことを特徴とする請求項7記載の潤滑油添加剤組成物
    の製造法。
  12. 【請求項12】 核アルキル化を、芳香族カルボン酸エ
    ステルにオレフィンを滴下することにより行うことを特
    徴とする請求項7記載の潤滑油添加剤組成物の製造法。
  13. 【請求項13】 芳香族カルボン酸エステルをオレフィ
    ンで核アルキル化し、得られた核アルキル置換芳香族カ
    ルボン酸エステルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸
    化物及び2価金属のアルコラートの少なくとも1つと二
    酸化炭素を反応せしめ、次いで反応混合物から水及び/
    又はアルコール類を除去することにより得られる潤滑油
    添加剤組成物、並びに天然油及び/又は合成油からなる
    潤滑油基油を含有する潤滑油組成物。
  14. 【請求項14】 核アルキル置換芳香族カルボン酸エス
    テルに2価金属の酸化物、2価金属の水酸化物及び2価
    金属のアルコラートの少なくとも1つと二酸化炭素を反
    応せしめるとき、アルコール類及び/又はオレフィンの
    存在下で行うことを特徴とする請求項13記載の潤滑油
    組成物。
  15. 【請求項15】 潤滑油添加剤組成物を全組成中に0.
    5〜40重量%含有する請求項13記載の潤滑油組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102318223B1 (ko) * 2021-07-20 2021-10-26 이현식 침강방지첨가제를 활용한 실리콘웨이퍼 절단용 절삭유 제조방법

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