JPH06164045A - レーザー装置及び第二高調波発生方法 - Google Patents
レーザー装置及び第二高調波発生方法Info
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- JPH06164045A JPH06164045A JP30694492A JP30694492A JPH06164045A JP H06164045 A JPH06164045 A JP H06164045A JP 30694492 A JP30694492 A JP 30694492A JP 30694492 A JP30694492 A JP 30694492A JP H06164045 A JPH06164045 A JP H06164045A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光共振器内に反射損失を増加する光学素子を
追加挿入することなく、出力変動が小さく高効率なSH
Gのための方法とレーザー装置を提供する。 【構成】 半導体レーザー励起固体レーザー装置であ
り、基本波が固体レーザー結晶3を透過するときに生じ
る位相差が(2mπ+3π/2)になるように固体レー
ザー結晶3を温度制御する手段5と、基本波が非線形光
学結晶7を透過するときに生じる位相差が(2m′π)
になるように非線形光学結晶7を温度制御する手段9を
有する装置、又は手段5と手段9を用いるタイプIIの位
相整合によるSHGのための方法である(m,m′は整
数)。
追加挿入することなく、出力変動が小さく高効率なSH
Gのための方法とレーザー装置を提供する。 【構成】 半導体レーザー励起固体レーザー装置であ
り、基本波が固体レーザー結晶3を透過するときに生じ
る位相差が(2mπ+3π/2)になるように固体レー
ザー結晶3を温度制御する手段5と、基本波が非線形光
学結晶7を透過するときに生じる位相差が(2m′π)
になるように非線形光学結晶7を温度制御する手段9を
有する装置、又は手段5と手段9を用いるタイプIIの位
相整合によるSHGのための方法である(m,m′は整
数)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー装置の第二高
調波発生(SHG)に関するものである。
調波発生(SHG)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザー励起固体レーザーは、励
起の際の発熱が小さいのでビーム品質がよく、非線形光
学結晶を光共振器内に挿入することで、容易に第二高調
波を得られることが知られている。高出力を得るために
励起入力を大きくしていくと、基本波も複数の縦モード
で発振を始める。第二高調波出力は、複数の基本波の縦
モード間のカップリングによる和周波発生などの影響に
より出力変動が大きくなり、そのままでは高い安定度を
要求される高密度光メモリーや光磁気ディスクの光源に
は用いることができなかった
起の際の発熱が小さいのでビーム品質がよく、非線形光
学結晶を光共振器内に挿入することで、容易に第二高調
波を得られることが知られている。高出力を得るために
励起入力を大きくしていくと、基本波も複数の縦モード
で発振を始める。第二高調波出力は、複数の基本波の縦
モード間のカップリングによる和周波発生などの影響に
より出力変動が大きくなり、そのままでは高い安定度を
要求される高密度光メモリーや光磁気ディスクの光源に
は用いることができなかった
【0003】第二高調波の出力変動を抑える手段とし
て、光共振器内に四分の一波長板を挿入することによ
り、基本波を互いに直交する偏光で発振させ、基本波間
のカップリングを抑える方法〔参考文献:T. Bear, J.
Opt. Soc. Am., B3-1175(1986)及びM. Oka & S. Kubot
a, Opt. Lett., 13-805(1988)〕、光共振器内にブリュ
ースター板を挿入し、基本波を単一縦モードで発振させ
る方法〔参考文献:永井他、レーザー学会研究会報告、
RTM-90-38(1990) 〕などが提案されている。
て、光共振器内に四分の一波長板を挿入することによ
り、基本波を互いに直交する偏光で発振させ、基本波間
のカップリングを抑える方法〔参考文献:T. Bear, J.
Opt. Soc. Am., B3-1175(1986)及びM. Oka & S. Kubot
a, Opt. Lett., 13-805(1988)〕、光共振器内にブリュ
ースター板を挿入し、基本波を単一縦モードで発振させ
る方法〔参考文献:永井他、レーザー学会研究会報告、
RTM-90-38(1990) 〕などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述において、前者の
方法は、回転機能を備えたホルダーに高価な四分の一波
長板を装着して、光共振器内に挿入する必要があり、ま
た、四分の一波長板を挿入することにより反射損失が増
加する。後者の方法では、発生した第二高調波にブリュ
ースター板による反射損失が生じる。上述のように、両
方法とも光共振器内に光学素子を追加して挿入すること
により反射損失が増加し、高効率の第二高調波発生(S
HG)が得られないという問題があった。更に、両方法
とも偏光特性の無いレーザー結晶用に開発されたので、
Nd:YVO4 結晶のように、レーザー結晶に異方性があり、
基本波が偏光して発振する場合には、有効でないという
問題があった。
方法は、回転機能を備えたホルダーに高価な四分の一波
長板を装着して、光共振器内に挿入する必要があり、ま
た、四分の一波長板を挿入することにより反射損失が増
加する。後者の方法では、発生した第二高調波にブリュ
ースター板による反射損失が生じる。上述のように、両
方法とも光共振器内に光学素子を追加して挿入すること
により反射損失が増加し、高効率の第二高調波発生(S
HG)が得られないという問題があった。更に、両方法
とも偏光特性の無いレーザー結晶用に開発されたので、
Nd:YVO4 結晶のように、レーザー結晶に異方性があり、
基本波が偏光して発振する場合には、有効でないという
問題があった。
【0005】ところで、先に本願発明者は、非線形光学
結晶の温度制御を行うレーザー装置を提案した(特願平
4─36133号)。非線形光学結晶の温度制御をしな
い場合に比較して、提案したレーザー装置は、格段に安
定した第二高調波を発生することができたが、精密に制
御された第二高調波の発生という観点からは、まだ問題
がある。
結晶の温度制御を行うレーザー装置を提案した(特願平
4─36133号)。非線形光学結晶の温度制御をしな
い場合に比較して、提案したレーザー装置は、格段に安
定した第二高調波を発生することができたが、精密に制
御された第二高調波の発生という観点からは、まだ問題
がある。
【0006】本発明は、上述の事情に鑑みて、光共振器
内に反射損失を増加させる光学素子を追加して挿入する
ことなく、出力変動が小さく高効率の第二高調波の発生
が得られるレーザー装置及び第二高調波発生方法を提供
すること目的とする。
内に反射損失を増加させる光学素子を追加して挿入する
ことなく、出力変動が小さく高効率の第二高調波の発生
が得られるレーザー装置及び第二高調波発生方法を提供
すること目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザー装置
は、半導体レーザー励起の固体レーザー装置において、
固体レーザー結晶を温度制御する機能と、非線形光学結
晶を温度制御する機能とを具備することを特徴としてい
る。
は、半導体レーザー励起の固体レーザー装置において、
固体レーザー結晶を温度制御する機能と、非線形光学結
晶を温度制御する機能とを具備することを特徴としてい
る。
【0008】また、本発明の第二高調波発生方法は、半
導体レーザー励起の固体レーザー装置を用いてタイプII
の位相整合による第二高調波発生方法において、基本波
が固体レーザー結晶を通過する際に生じる位相差が(2
mπ+3π/2)になるように前記固体レーザー結晶の
温度を制御し、かつ、基本波が非線形光学結晶を通過す
る際に生じる位相差が(2m′π)になるように前記非
線形光学結晶の温度を制御することを特徴としている
(m,m′は整数)。
導体レーザー励起の固体レーザー装置を用いてタイプII
の位相整合による第二高調波発生方法において、基本波
が固体レーザー結晶を通過する際に生じる位相差が(2
mπ+3π/2)になるように前記固体レーザー結晶の
温度を制御し、かつ、基本波が非線形光学結晶を通過す
る際に生じる位相差が(2m′π)になるように前記非
線形光学結晶の温度を制御することを特徴としている
(m,m′は整数)。
【0009】更に、本発明の第二高調波発生方法は、半
導体レーザー励起の固体レーザー装置を用いてタイプII
の位相整合による第二高調波発生方法において、基本波
が固体レーザー結晶を通過する際に生じる位相差が(2
mπ+π/2)になるように前記固体レーザー結晶の温
度を制御し、かつ、基本波が非線形光学結晶を通過する
際に生じる位相差が(2m′π)になるように前記非線
形光学結晶の温度を制御することを特徴としている
(m,m′は整数)。
導体レーザー励起の固体レーザー装置を用いてタイプII
の位相整合による第二高調波発生方法において、基本波
が固体レーザー結晶を通過する際に生じる位相差が(2
mπ+π/2)になるように前記固体レーザー結晶の温
度を制御し、かつ、基本波が非線形光学結晶を通過する
際に生じる位相差が(2m′π)になるように前記非線
形光学結晶の温度を制御することを特徴としている
(m,m′は整数)。
【0010】
【作用】図1は、本発明のレーザー装置の構成を示す図
である。図中、1は半導体レーザー、2は円柱状をなす
屈折率分布形レンズ(商品名セルフォックレンズ)、3
は固体レーザー結晶(例えば Nd:YVO4)である。4はサ
ーミスタ、5は固体レーザー結晶3の温度を制御するた
めのペルチェ素子又はヒータ、6は熱を吸収させるため
のヒートシンク、7は非線形光学結晶〔例えば KTP( K
TiOPO4)〕、8はサーミスタ、9は非線形光学結晶7の
温度を制御するためのペルチェ素子又はヒータ、10は
熱を吸収させるためのヒートシンク、11は後述するコ
ーティングにより第二高調波は透過し平面側から射出す
る射出ミラーである。上述の構成要素のうち、半導体レ
ーザー1,集光用のセルフォックレンズ2,固体レーザ
ー結晶3,非線形光学結晶7及び射出ミラー9は、同一
の光軸上に配置されている。
である。図中、1は半導体レーザー、2は円柱状をなす
屈折率分布形レンズ(商品名セルフォックレンズ)、3
は固体レーザー結晶(例えば Nd:YVO4)である。4はサ
ーミスタ、5は固体レーザー結晶3の温度を制御するた
めのペルチェ素子又はヒータ、6は熱を吸収させるため
のヒートシンク、7は非線形光学結晶〔例えば KTP( K
TiOPO4)〕、8はサーミスタ、9は非線形光学結晶7の
温度を制御するためのペルチェ素子又はヒータ、10は
熱を吸収させるためのヒートシンク、11は後述するコ
ーティングにより第二高調波は透過し平面側から射出す
る射出ミラーである。上述の構成要素のうち、半導体レ
ーザー1,集光用のセルフォックレンズ2,固体レーザ
ー結晶3,非線形光学結晶7及び射出ミラー9は、同一
の光軸上に配置されている。
【0011】図1に示すレーザー装置において、半導体
レーザー1から射出された励起光は、セルフォックレン
ズ2により集光されて固体レーザー結晶3に入射し、吸
収される。固体レーザー結晶3の半導体レーザー1側の
端面は、励起光に対して高透過であり基本波と第二高調
波に対して高反射となるように、コーティングされてい
る。一方、固体レーザー結晶3の非線形光学結晶7側の
端面は、基本波と第二高調波に対して高透過となるよう
に、コーティングされている。また、固体レーザー結晶
3には、固体レーザー結晶3の温度を制御するためのペ
ルチェ素子又はヒータ5と、サーミスタ4及び熱を放射
させるためのヒートシンク6が設けられている。ペルチ
ェ素子ではなく、ヒータを採用するときは、ヒートシン
ク6は不要である。
レーザー1から射出された励起光は、セルフォックレン
ズ2により集光されて固体レーザー結晶3に入射し、吸
収される。固体レーザー結晶3の半導体レーザー1側の
端面は、励起光に対して高透過であり基本波と第二高調
波に対して高反射となるように、コーティングされてい
る。一方、固体レーザー結晶3の非線形光学結晶7側の
端面は、基本波と第二高調波に対して高透過となるよう
に、コーティングされている。また、固体レーザー結晶
3には、固体レーザー結晶3の温度を制御するためのペ
ルチェ素子又はヒータ5と、サーミスタ4及び熱を放射
させるためのヒートシンク6が設けられている。ペルチ
ェ素子ではなく、ヒータを採用するときは、ヒートシン
ク6は不要である。
【0012】非線形光学結晶7の両端面(光軸に垂直な
側)は、基本波と第二高調波に対して高透過となるよう
に、コーティングされている。また、固体レーザー結晶
3と同様に、非線形光学結晶7にもペルチェ素子又はヒ
ータ9と、サーミスタ8及びヒートシンク10が設けら
れている。更に、射出ミラー11の凹面は、基本波に対
して高反射であり第二高調波に対して高透過となるよう
に、コーティングされている。このようなコーティング
の結果、固体レーザー結晶3の半導体レーザー1側の端
面と射出ミラー11の凹面とで光共振器が構成され、基
本波が発振するとともに、光共振器内に設けられた非線
形光学結晶7によって、基本波は第二高調波に変換さ
れ、第二高調波は射出ミラー11を透過し、射出ミラー
11の平面側から射出する。
側)は、基本波と第二高調波に対して高透過となるよう
に、コーティングされている。また、固体レーザー結晶
3と同様に、非線形光学結晶7にもペルチェ素子又はヒ
ータ9と、サーミスタ8及びヒートシンク10が設けら
れている。更に、射出ミラー11の凹面は、基本波に対
して高反射であり第二高調波に対して高透過となるよう
に、コーティングされている。このようなコーティング
の結果、固体レーザー結晶3の半導体レーザー1側の端
面と射出ミラー11の凹面とで光共振器が構成され、基
本波が発振するとともに、光共振器内に設けられた非線
形光学結晶7によって、基本波は第二高調波に変換さ
れ、第二高調波は射出ミラー11を透過し、射出ミラー
11の平面側から射出する。
【0013】タイプIIの位相整合による第二高調波発生
においては、固体レーザー結晶3から直線偏光で発振し
た基本波は、非線形光学結晶7の光学軸に対して角度π
/4rad で入射する。基本波は、非線形光学結晶7の二
つの光学軸O,E方向に分解され、それぞれの位相速度
で進み、E方向に直線偏光した第二高調波を発生する。
基本波は、非線形光学結晶7を透過する際に、結晶の複
屈折性により位相差を生じ、一般に楕円偏光となる。
においては、固体レーザー結晶3から直線偏光で発振し
た基本波は、非線形光学結晶7の光学軸に対して角度π
/4rad で入射する。基本波は、非線形光学結晶7の二
つの光学軸O,E方向に分解され、それぞれの位相速度
で進み、E方向に直線偏光した第二高調波を発生する。
基本波は、非線形光学結晶7を透過する際に、結晶の複
屈折性により位相差を生じ、一般に楕円偏光となる。
【0014】上述の場合、非線形光学結晶7の長さを
L,光学軸O,E方向の屈折率をそれぞれno ,ne ,
真空中の基本波の波長をλとすると、位相差δは簡単に
下記の式(1)で与えられる。 δ=(2π/λ)(no −ne )L (1) 屈折率no ,ne と非線形光学結晶7の長さは、温度の
関数である。したがって、非線形光学結晶7に式(1)
から設定される適切な温度制御を行えば、基本波に生じ
る位相差δを、(2π)の整数倍にすることができる。
このとき基本波は、非線形光学結晶7を透過後も、偏光
状態は変化しない。基本波が複数の縦モードで発振する
場合、各々波長が異なるので、(2π)の整数倍の位相
差を有するのは一つの縦モードの光だけである。それ以
外の縦モードの光は、楕円偏光となる。
L,光学軸O,E方向の屈折率をそれぞれno ,ne ,
真空中の基本波の波長をλとすると、位相差δは簡単に
下記の式(1)で与えられる。 δ=(2π/λ)(no −ne )L (1) 屈折率no ,ne と非線形光学結晶7の長さは、温度の
関数である。したがって、非線形光学結晶7に式(1)
から設定される適切な温度制御を行えば、基本波に生じ
る位相差δを、(2π)の整数倍にすることができる。
このとき基本波は、非線形光学結晶7を透過後も、偏光
状態は変化しない。基本波が複数の縦モードで発振する
場合、各々波長が異なるので、(2π)の整数倍の位相
差を有するのは一つの縦モードの光だけである。それ以
外の縦モードの光は、楕円偏光となる。
【0015】本発明装置及び方法における基本波の偏光
状態について説明する(以下の記述において、m,m′
は整数である)。固体レーザー結晶3から射出した直線
偏光の基本波が、非線形光学結晶7を透過して射出ミラ
ー11の凹面で反射し、再び非線形光学結晶7を透過し
て固体レーザー結晶3に戻ったとき、(2π)の整数倍
の位相差をもつ光(以下、A波とする)は、方位角が
(π/4)の直線偏光のままで変化はない。それ以外の
位相差をもつ光(以下、B波とする)は、長軸の方位角
が(π/4),楕円率角が(δ/2)の楕円偏光に変換
される。固体レーザー結晶3についても、位相差は温度
の関数であるので、固体レーザー結晶3に適切な温度制
御を行い、B波に生じる位相差を(2mπ+3π/2)
に保てば、固体レーザー結晶3を往復した光は、方位角
が(π/4+δ/2)の直線偏光に変換される。A波
は、偏光方向が結晶の光学軸に一致しているので、固体
レーザー結晶3の温度に関係はなく、偏光状態は変化し
ない。
状態について説明する(以下の記述において、m,m′
は整数である)。固体レーザー結晶3から射出した直線
偏光の基本波が、非線形光学結晶7を透過して射出ミラ
ー11の凹面で反射し、再び非線形光学結晶7を透過し
て固体レーザー結晶3に戻ったとき、(2π)の整数倍
の位相差をもつ光(以下、A波とする)は、方位角が
(π/4)の直線偏光のままで変化はない。それ以外の
位相差をもつ光(以下、B波とする)は、長軸の方位角
が(π/4),楕円率角が(δ/2)の楕円偏光に変換
される。固体レーザー結晶3についても、位相差は温度
の関数であるので、固体レーザー結晶3に適切な温度制
御を行い、B波に生じる位相差を(2mπ+3π/2)
に保てば、固体レーザー結晶3を往復した光は、方位角
が(π/4+δ/2)の直線偏光に変換される。A波
は、偏光方向が結晶の光学軸に一致しているので、固体
レーザー結晶3の温度に関係はなく、偏光状態は変化し
ない。
【0016】B波が再び非線形光学結晶7を往復する
と、楕円偏光になる。この楕円の長軸の方位角は、位相
差δが(π/8)程度に小さい場合、(π/4+δ/
2)となる。更にB波が固体レーザー結晶3を往復した
ときも楕円偏光であり、その長軸の方位角は、(π/4
−δ/2)となる。非線形光学結晶7を往復してきたB
波は、長軸の方位角が(π/4)の楕円偏光になる。こ
のB波は、長軸の方位角が(π/4)の楕円偏光となっ
て、固体レーザー結晶3から初めに射出し、非線形光学
結晶7を往復してきたときに等しくなる。
と、楕円偏光になる。この楕円の長軸の方位角は、位相
差δが(π/8)程度に小さい場合、(π/4+δ/
2)となる。更にB波が固体レーザー結晶3を往復した
ときも楕円偏光であり、その長軸の方位角は、(π/4
−δ/2)となる。非線形光学結晶7を往復してきたB
波は、長軸の方位角が(π/4)の楕円偏光になる。こ
のB波は、長軸の方位角が(π/4)の楕円偏光となっ
て、固体レーザー結晶3から初めに射出し、非線形光学
結晶7を往復してきたときに等しくなる。
【0017】上述のように光共振器内では、安定した直
線偏光であるA波と、偏光状態が周期的に変化する楕円
偏光であるB波とが存在する。楕円偏光であるB波は、
楕円の長軸の方位角が(π/4−δ/2)から(π/4
+δ/2)の間を振動するが、位相差δが小さいので出
力は安定している。固体レーザー結晶3により生じる位
相差δが(2mπ+π/2)のときも、楕円偏光である
B波の長軸の方位角は、(π/4−δ/2)から(π/
4+δ/2)の間を振動する。このときも、B波の出力
は安定である。
線偏光であるA波と、偏光状態が周期的に変化する楕円
偏光であるB波とが存在する。楕円偏光であるB波は、
楕円の長軸の方位角が(π/4−δ/2)から(π/4
+δ/2)の間を振動するが、位相差δが小さいので出
力は安定している。固体レーザー結晶3により生じる位
相差δが(2mπ+π/2)のときも、楕円偏光である
B波の長軸の方位角は、(π/4−δ/2)から(π/
4+δ/2)の間を振動する。このときも、B波の出力
は安定である。
【0018】固体レーザー結晶3と非線形光学結晶7の
それぞれに、(2mπ+3π/2),(2m′π)の位
相差δを生じさせる温度が環境温度よりも高い場合、結
晶の温度制御には、高価なペルチェ素子の代わりにヒー
タを使用することができる。ペルチェ素子、ヒータのい
ずれを使用しても、第二高調波の出力特性は同じであっ
た。
それぞれに、(2mπ+3π/2),(2m′π)の位
相差δを生じさせる温度が環境温度よりも高い場合、結
晶の温度制御には、高価なペルチェ素子の代わりにヒー
タを使用することができる。ペルチェ素子、ヒータのい
ずれを使用しても、第二高調波の出力特性は同じであっ
た。
【0019】なお、固体レーザー結晶3及び非線形光学
結晶7を温度制御する場合、前述のように設定温度は式
(1)から規定されるが、結晶の長さLをミクロンオー
ダまで精密に計測するのは困難である。しかし、設定温
度の概略値を式(1)から求め、第二高調波の出力変動
の状況を参考にしながら結晶の温度制御を調節すれば、
十分な結果が得られることが分かった。
結晶7を温度制御する場合、前述のように設定温度は式
(1)から規定されるが、結晶の長さLをミクロンオー
ダまで精密に計測するのは困難である。しかし、設定温
度の概略値を式(1)から求め、第二高調波の出力変動
の状況を参考にしながら結晶の温度制御を調節すれば、
十分な結果が得られることが分かった。
【0020】本発明のレーザー装置及び第二高調波発生
方法で用いる固体レーザー結晶3としては、前述のNd:Y
VO4 結晶以外に、Nd:LiYF4結晶、Nd:YAlO3結晶などがあ
る。また、非線形光学結晶7としては、前述のKTP 結晶
以外に、RTP 結晶、KTA 結晶、KDP 結晶などがある。
方法で用いる固体レーザー結晶3としては、前述のNd:Y
VO4 結晶以外に、Nd:LiYF4結晶、Nd:YAlO3結晶などがあ
る。また、非線形光学結晶7としては、前述のKTP 結晶
以外に、RTP 結晶、KTA 結晶、KDP 結晶などがある。
【0021】以上の説明から明らかなように、固体レー
ザー結晶3に温度制御を行わない場合、前述のA波の出
力は安定であるが、B波は固体レーザー結晶3を往復す
るときに生じる位相差が適切でないため、固体レーザー
結晶3と非線形光学結晶7を往復する度に、楕円の長軸
の方位角が大きく変化する。そのため、B波の出力は不
安定になり、変動が大きくなる。基本波の出力の強度が
変動すれば、第二高調波の強度も不安定で変動が大きく
なり、安定な第二高調波出力を得ることができない。
ザー結晶3に温度制御を行わない場合、前述のA波の出
力は安定であるが、B波は固体レーザー結晶3を往復す
るときに生じる位相差が適切でないため、固体レーザー
結晶3と非線形光学結晶7を往復する度に、楕円の長軸
の方位角が大きく変化する。そのため、B波の出力は不
安定になり、変動が大きくなる。基本波の出力の強度が
変動すれば、第二高調波の強度も不安定で変動が大きく
なり、安定な第二高調波出力を得ることができない。
【0022】
【実施例】(実施例1)固体レーザー結晶3として光軸
方向の厚さ1mm,横3mm,縦3mmのNd:YVO4 結
晶、非線形光学結晶7として光軸方向の長さ5mm,横
2mm,縦2mmのKTP 結晶を用いた。温度制御はペル
チェ素子を用い、図1に示す構成のレーザー装置により
試験をした。Nd:YVO4 結晶の温度は37.0℃に制御
し、KTP 結晶の温度は35.0℃に制御して、第二高調
波である波長0.53μmの緑レーザーを発生させた。
シリコン・フォトダイオードで第二高調波の出力を連続
的に検知した。図2はその結果で、第二高調波出力の時
間的変化を示してある。
方向の厚さ1mm,横3mm,縦3mmのNd:YVO4 結
晶、非線形光学結晶7として光軸方向の長さ5mm,横
2mm,縦2mmのKTP 結晶を用いた。温度制御はペル
チェ素子を用い、図1に示す構成のレーザー装置により
試験をした。Nd:YVO4 結晶の温度は37.0℃に制御
し、KTP 結晶の温度は35.0℃に制御して、第二高調
波である波長0.53μmの緑レーザーを発生させた。
シリコン・フォトダイオードで第二高調波の出力を連続
的に検知した。図2はその結果で、第二高調波出力の時
間的変化を示してある。
【0023】(比較例1)固体レーザー結晶3として光
軸方向の厚さ1mm,横3mm,縦3mmのNd:YVO4 結
晶、非線形光学結晶7として光軸方向の長さ5mm,横
2mm,縦2mmのKTP 結晶を用いた。温度制御はペル
チェ素子を用い、図1に示す構成のレーザー装置により
試験をした。Nd:YVO4 結晶の温度は30.0℃から4
0.0℃まで変化させ、KTP 結晶の温度は35.0℃に
制御して、発生するレーザーの出力を検知した。図3は
その結果で、第二高調波出力のNd:YVO4 結晶温度依存性
を示してある。
軸方向の厚さ1mm,横3mm,縦3mmのNd:YVO4 結
晶、非線形光学結晶7として光軸方向の長さ5mm,横
2mm,縦2mmのKTP 結晶を用いた。温度制御はペル
チェ素子を用い、図1に示す構成のレーザー装置により
試験をした。Nd:YVO4 結晶の温度は30.0℃から4
0.0℃まで変化させ、KTP 結晶の温度は35.0℃に
制御して、発生するレーザーの出力を検知した。図3は
その結果で、第二高調波出力のNd:YVO4 結晶温度依存性
を示してある。
【0024】(比較例2)固体レーザー結晶3として光
軸方向の厚さ1mm,横3mm,縦3mmのNd:YVO4 結
晶、非線形光学結晶7として光軸方向の長さ5mm,横
2mm,縦2mmのKTP 結晶を用いた。温度制御はペル
チェ素子を用い、図1に示す構成のレーザー装置により
試験をした。KTP 結晶の温度は35.0℃に制御し、N
d:YVO4 結晶の温度は制御せず(ほぼ38.0℃から4
2.0℃の範囲)、発生するレーザーの出力を連続的に
検知した。図4はその結果で、第二高調波出力の時間的
変化を示してある。
軸方向の厚さ1mm,横3mm,縦3mmのNd:YVO4 結
晶、非線形光学結晶7として光軸方向の長さ5mm,横
2mm,縦2mmのKTP 結晶を用いた。温度制御はペル
チェ素子を用い、図1に示す構成のレーザー装置により
試験をした。KTP 結晶の温度は35.0℃に制御し、N
d:YVO4 結晶の温度は制御せず(ほぼ38.0℃から4
2.0℃の範囲)、発生するレーザーの出力を連続的に
検知した。図4はその結果で、第二高調波出力の時間的
変化を示してある。
【0025】図2を図3及び図4と比較すれば、非線形
光学結晶であるKTP 結晶の温度を適切に制御し、かつ、
固体レーザー結晶であるNd:YVO4 結晶の温度を適切に制
御することにより、出力変動の少ないレーザーを発生で
きることが分かる。
光学結晶であるKTP 結晶の温度を適切に制御し、かつ、
固体レーザー結晶であるNd:YVO4 結晶の温度を適切に制
御することにより、出力変動の少ないレーザーを発生で
きることが分かる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明のレーザー装
置及び第二高調波発生方法は、基本波が複数の縦モード
で発振する場合、固体レーザー結晶と非線形光学結晶の
それぞれに対し適切な温度制御をすることにより、光共
振器内に基本波の安定した定在波が生じ、雑音の少ない
安定な第二高調波が得られる。
置及び第二高調波発生方法は、基本波が複数の縦モード
で発振する場合、固体レーザー結晶と非線形光学結晶の
それぞれに対し適切な温度制御をすることにより、光共
振器内に基本波の安定した定在波が生じ、雑音の少ない
安定な第二高調波が得られる。
【図1】本発明のレーザー装置の構成を示す図である。
【図2】固体レーザー結晶と非線形光学結晶の両方に適
切な温度制御をしたとき(実施例1)の第二高調波出力
の時間的変化を示す図である。
切な温度制御をしたとき(実施例1)の第二高調波出力
の時間的変化を示す図である。
【図3】非線形光学結晶は適切な温度制御をし固体レー
ザー結晶の温度を変化させたとき(比較例1)の第二高
調波出力の時間的変化を示す図である。
ザー結晶の温度を変化させたとき(比較例1)の第二高
調波出力の時間的変化を示す図である。
【図4】非線形光学結晶のみに適切な温度制御をしたと
き(比較例2)の第二高調波出力の時間的変化を示す図
である。
き(比較例2)の第二高調波出力の時間的変化を示す図
である。
1 半導体レーザー 2 セルフォックレンズ 3 固体レーザー結晶 4 サーミスタ 5 ペルチェ素子又はヒータ 6 ヒートシンク 7 非線形光学結晶 8 サーミスタ 9 ペルチェ素子又はヒータ 10 ヒートシンク 11 射出ミラー
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体レーザー励起の固体レーザー装置
において、固体レーザー結晶を温度制御する機能と、非
線形光学結晶を温度制御する機能とを具備することを特
徴とするレーザー装置。 - 【請求項2】 半導体レーザー励起の固体レーザー装置
を用いてタイプIIの位相整合による第二高調波発生方法
において、基本波が固体レーザー結晶を通過する際に生
じる位相差が(2mπ+3π/2)になるように前記固
体レーザー結晶の温度を制御し、かつ、基本波が非線形
光学結晶を通過する際に生じる位相差が(2m′π)に
なるように前記非線形光学結晶の温度を制御することを
特徴とする第二高調波発生方法(m,m′は整数)。 - 【請求項3】 半導体レーザー励起の固体レーザー装置
を用いてタイプIIの位相整合による第二高調波発生方法
において、基本波が固体レーザー結晶を通過する際に生
じる位相差が(2mπ+π/2)になるように前記固体
レーザー結晶の温度を制御し、かつ、基本波が非線形光
学結晶を通過する際に生じる位相差が(2m′π)にな
るように前記非線形光学結晶の温度を制御することを特
徴とする第二高調波発生方法(m,m′は整数)。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30694492A JPH06164045A (ja) | 1992-11-17 | 1992-11-17 | レーザー装置及び第二高調波発生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30694492A JPH06164045A (ja) | 1992-11-17 | 1992-11-17 | レーザー装置及び第二高調波発生方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06164045A true JPH06164045A (ja) | 1994-06-10 |
Family
ID=17963160
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30694492A Pending JPH06164045A (ja) | 1992-11-17 | 1992-11-17 | レーザー装置及び第二高調波発生方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06164045A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012033818A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Singlemode Corp | 半導体レーザー励起固体レーザー装置 |
| CN102377093A (zh) * | 2010-08-25 | 2012-03-14 | 北京国科世纪激光技术有限公司 | 晶体控温装置及其使用方法 |
| CN102377094A (zh) * | 2010-08-25 | 2012-03-14 | 北京国科世纪激光技术有限公司 | 晶体控温装置及其使用方法 |
-
1992
- 1992-11-17 JP JP30694492A patent/JPH06164045A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012033818A (ja) * | 2010-08-02 | 2012-02-16 | Singlemode Corp | 半導体レーザー励起固体レーザー装置 |
| CN102377093A (zh) * | 2010-08-25 | 2012-03-14 | 北京国科世纪激光技术有限公司 | 晶体控温装置及其使用方法 |
| CN102377094A (zh) * | 2010-08-25 | 2012-03-14 | 北京国科世纪激光技术有限公司 | 晶体控温装置及其使用方法 |
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