JPH06171009A - 金属・ゴム複合防振体 - Google Patents

金属・ゴム複合防振体

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JPH06171009A
JPH06171009A JP33164292A JP33164292A JPH06171009A JP H06171009 A JPH06171009 A JP H06171009A JP 33164292 A JP33164292 A JP 33164292A JP 33164292 A JP33164292 A JP 33164292A JP H06171009 A JPH06171009 A JP H06171009A
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Yasunobu Shimano
康信 島野
Kazunori Tamura
和規 田村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】公害の問題や製造上の困難を招くことなく金具
2の防錆を図るととともに、該金具2と防振ゴム体1と
の接着安定性の向上を図る。 【構成】金具2の表面にはシランカップリング剤による
有機シラン化合物皮膜3が形成されていて、該有機シラ
ン化合物皮膜3の表面に同時加硫型接着剤層4,5を介
して上記防振ゴム体1が接着されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防振作用を呈する防振
ゴム体に金具が接着されてなる金属・ゴム複合防振体に
関し、エンジン用マウント、サスペンションリンク用ブ
ッシュなど自動車用の防振体として用いられ、あるいは
他の機械器具の防振支持体として用いられる。
【0002】
【従来の技術】金属・ゴム複合防振体として、アルミニ
ウム又はその合金による金具の表面にクロメート処理を
施してクロム酸塩皮膜を形成し、該皮膜の表面に同時加
硫型接着剤を介して防振ゴム体を同時加硫接着したもの
が知られている(特開平4−115943号公報参
照)。
【0003】また、特開昭55−66951号公報に
は、シリコーンゴムを金属に加硫接着させる際に金属表
面に塗布するプライマーとして、シリコーンゴムにシリ
コーンレジン、オルガノポリシロキサン、有機シラン化
合物、充填材及び硬化用触媒を含有したものが記載され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記クロメー
ト処理が施された金具を用いてなる金属・ゴム複合防振
体の場合、当該クロメート処理によって上記金具の防錆
が図れるものの、クロムイオンによる公害発生の問題が
ある。
【0005】また、金具と防振ゴム体との接着安定性を
高めるために、上記クロメート処理後にカチオン電着塗
装を施すこともなされているが、クロメート処理自体
が、金具のアルカリ脱脂→水洗→酸洗→水洗→スマット
除去→水洗→クロメート処理→水洗→湯洗→乾燥という
多数の工程を必要とする上に、さらに上記電着塗装を施
すことになるため、工程数が非常に多くなり、生産性の
点で不利になる。
【0006】これに対して、上記シリコーンゴム系プラ
イマーの場合、シリコーンゴムと金具との接着に効を奏
しても、該金具の防錆効果を期待することはできない。
【0007】すなわち、本発明の課題は、公害の問題や
製造上の困難を招くことなく金具の防錆を図るとととも
に、該金具と防振ゴム体との接着安定性の向上を図るこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及びその作用】本発明は、
このような課題について鋭意研究した結果、シランカッ
プリング剤を用いて金具の表面を処理すると上述の問題
を解決することができることを見出し、その完成に至っ
たものである。
【0009】すなわち、上記課題を解決する第1の手段
は、防振作用を呈する防振ゴム体に金具が接着されてな
る金属・ゴム複合防振体であって、上記金具の表面には
シランカップリング剤による有機シラン化合物皮膜が形
成されていて、該有機シラン化合物皮膜の表面に同時加
硫型接着剤層を介して上記防振ゴム体が接着されている
ことを特徴とするものである。
【0010】本手段においては、金具の表面の有機シラ
ン化合物皮膜によって当該金具の耐蝕性が得られるとと
もに、金具表面に対する接着剤層の接着安定性が得られ
る。すなわち、上記有機シラン化合物は、アルコキシ基
やハロゲン等の加水分解性の置換基と、ビニル基、エポ
キシ基、アミノ基等の有機質と反応しやすい基とを有
し、前者の置換基によって金具と結合して該金具を腐蝕
から保護する一方、後者の有機質と反応しやすい基によ
って接着剤層と結合することによって、接着剤層の金具
表面への接着を良好なものにする。
【0011】上記金具としては、非鉄金属製、例えばア
ルミニウム製やアルミニウム合金製、マグネシウム合金
製のものが好適に用いられ、この非鉄金属と結合した酸
化皮膜等と有機シラン化合物(シランカップリング剤)
との間でシランカップリング反応が行なわれて有機シラ
ン化合物皮膜が形成されることになる。
【0012】上記防振ゴム体としては、天然ゴム(N
R)及び合成ゴム(例えばスチレンブタジエンゴム(S
BR)やブタジエンゴム(BR)等)のいずれによって
成形してもよく、また、天然ゴムとスチレンブタジエン
ゴムとのブレンド(NR/SBR)や天然ゴムとブタジ
エンゴムとのブレンド(NR/BR)によって成形する
こともできる。
【0013】上記有機シラン化合物としては、X−R−
Si−(OR´)3 の一般式で表わされる各種のシラン
カップリング剤を用いることができる。この場合、Xは
メタクリロキシ系、アミン系、エポキシ系、メルカプト
系等の活性基、R,R´はアルキル基である。例えば、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン等の使用が好適である。
【0014】上記同時加硫型接着剤としては、フェノー
ル樹脂系、塩素化ゴム系等の2液硬化型接着剤、あるい
は1液硬化型接着剤等を用いることができる。
【0015】上記金属・ゴム複合防振体の製造は、例え
ば金具の下地処理(アルカリ脱脂→水洗→湯洗→乾燥)
を行なった後、シランカップリング剤による有機シラン
処理を行ない、次いで有機シラン化合物皮膜の表面に同
時加硫型接着剤を塗布し乾燥させた後、防振ゴム体用の
未加硫ゴムを上記接着剤層の上に設けて加硫する、とい
う方法によって実施することができる。上記有機シラン
処理にあたっては、シランカップリング剤溶液への金具
の浸漬や、同溶液の金具への刷毛塗りもしくはスプレー
塗布を採用することができる。
【0016】また、上記課題を解決する第2の手段は、
同じく防振作用を呈する防振ゴム体に金具が接着されて
なる金属・ゴム複合防振体であって、上記金具の表面に
シランカップリング剤による有機シラン化合物皮膜が形
成されているとともに、該有機シラン化合物皮膜の表面
における上記防振ゴム体との接着面に熱硬化型接着剤が
熱硬化してなる接着剤硬化層が形成されており、上記金
具の接着剤硬化層に上記防振ゴム体の表面活性化処理さ
れてなる接着面がイソシアナート系接着剤によって接着
されていることを特徴とする。
【0017】本手段においても、先の第1の手段と同様
の理由で、金具の表面の有機シラン化合物皮膜によって
当該金具の耐蝕性が得られるとともに、金具表面に対す
る接着剤硬化層の接着安定性が得られる。
【0018】上記金具及び防振ゴム体に関しては、先に
説明した第1の手段のものと同様のものを用いることが
できる。上記熱硬化型接着剤としても、上記第1の手段
における同時加硫型接着剤と同様のものを用いることが
できる。
【0019】また、上記防振ゴム体の表面活性化処理
は、有機酸、無機酸または物理処理により加硫ゴム表面
の活性化を行なうものであり、ハロゲン化処理、ニトロ
化処理、環化処理、ヨウ化メチレン処理またはプラズマ
処理などのうちから適宜選択することができる。
【0020】上記ハロゲン化処理の場合、有機酸として
ハロゲン化イソシアヌル酸、ハロゲン化サクシイミド、
ハロゲン化イソシアナート、N−ハロゲンスルホンアミ
ドまたはハロゲン化ヒダントインなどのうちから、無機
酸として塩酸、次亜塩素酸、次亜塩素酸ナトリウム、塩
化ヨウ素または臭化ヨウ素などのうちからハロゲン化処
理剤を選択する。中でも、ヨウ化イソシアナート、ジク
ロロイソシアヌル酸、トリクロロイソシアヌル酸または
N−ジクロロ−P−トルエンスルホンアミドなどが表面
処理性能、加工安全性および処理速度などの点で好適で
ある。選択したハロゲン化処理剤は適当な有機溶剤に溶
解させて0.1〜30%、好ましくは1〜20%の濃度
に希釈してハロゲン化処理溶液とする。なお、上記有機
溶剤としては、トルエン、キシレン、イソオクタン、ジ
メチルエーテル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、四
塩化炭素または工業用シンナーなどを用いればよい。そ
して、加硫ゴムである防振ゴム体1の各端面1aを脱脂
後、上記ハロゲン化処理溶液中に浸漬しまたは上記ハロ
ゲン化処理溶液をスプレーもしくは塗布して、比較的短
時間(例えば2,3秒〜3分間)揮発乾燥させる。この
場合、表面の水洗は多くの場合必要ではない。
【0021】上記ニトロ化処理の場合、硝酸ヨウ素、ア
ジ化ヨウ素、アジ化臭素、硝酸または混酸などの内から
ニトロ化処理剤を選択する。そして、低濃度のニトロ化
処理溶液を上記防振ゴム体1の各端面1aに短時間塗布
し、その後、塗布表面を十分に水洗する。このニトロ化
処理の場合、反応性が比較的大きいため、十分な安全設
備の内で行なう必要がある。
【0022】上記環化処理の場合、環化処理溶液として
濃硫酸溶液を用い、上記防振ゴム体1の各端面1aをそ
の環化処理溶液中に常温で2〜20分間浸漬しまたは塗
布し、その後、付着した濃硫酸を水洗除去する。
【0023】また、上記ヨウ化メチレン処理の場合、ヨ
ウ化メチレンを適当な溶剤に溶解させて0.1〜10%
の濃度に希釈してヨウ化メチレン処理溶液とし、この溶
液を上記防振ゴム体1の表面1aに塗布する。
【0024】さらに、プラズマ処理の場合、上記防振ゴ
ム体1の各端面1aに100〜60000Wsec/l
の低温プラズマを照射する。
【0025】
【発明の効果】従って、上記第1の手段によれば、金具
の表面にシランカップリング剤による有機シラン化合物
皮膜が形成され、該有機シラン化合物皮膜の表面に同時
加硫型接着剤層を介して防振ゴム体が接着されているか
ら、製造工程を複雑にすることなく、且つ公害の問題を
招くことなく、当該金具の耐蝕性が得られるとともに、
金具表面に対する接着剤層の接着安定性が得られ、腐蝕
性環境下で使用しても長期間にわたって金具と防振ゴム
体との強固な接着を維持させることができる。
【0026】また、第2の手段においても、金具の表面
にシランカップリング剤による有機シラン化合物皮膜が
形成され、該有機シラン化合物皮膜の表面における防振
ゴム体との接着面に熱硬化型接着剤が熱硬化してなる接
着剤硬化層が形成され、該接着剤硬化層に上記防振ゴム
体の活性化処理されてなる接着面がイソシアナート系接
着剤によって接着されているから、第1の手段と同様の
効果が得られる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0028】<実施例1>図1は本発明の実施例に係る
金属・ゴム複合防振体(自動車のエンジンマウント)を
示す。同図において、1は円柱形の防振ゴム体、2,2
はこの防振ゴム体1の両端に接着されたアルミニウム合
金製の金具である。上記金具2の全表面はシランカップ
リング剤による有機シラン化合物皮膜が形成されてい
て、図2に示すように、防振ゴム体1は上記金具2の有
機シラン化合物皮膜3の表面に、同時加硫型接着剤によ
る下層4及び上層5を介して接着している。
【0029】上記下層4はフェノール樹脂系のプライマ
ー接着剤によって構成され、上層5はクロロスルホン化
ポリエチレンを主成分とする塩素化ゴム系接着剤によっ
て構成されている。
【0030】上記金属・ゴム複合防振体の製造は、以下
の工程によって行なった。
【0031】−金具2の下地処理− 金具2の下地処理は次の順序で行なった。 アルカリ脱脂(70〜80℃×5分間)→水洗(1分
間)→水洗(1分間)→湯洗(60〜70℃×1分間)
→乾燥(100℃×20分間)
【0032】−有機シラン処理− 上記下地処理済みの金具2をシランカップリング剤溶液
に浸漬することによって有機シラン化合物皮膜3を上記
金具2の表面に形成した。シランカップリング剤溶液の
配合は次の通りである。
【0033】アルコール 1リットル シランカップリング剤 20ミリリットル 水 10ミリリットル 上記浸漬条件は室温で30分間とし、また、浸漬後の乾
燥条件は100℃×20分間とした。
【0034】−接着剤塗布− 上記有機シラン化合物皮膜3における防振ゴム体1との
接着面に上記フェノール樹脂系プライマー接着剤を塗布
し、これが乾燥した後、上記塩素化ゴム系接着剤を塗布
して乾燥させた。乾燥条件はいずれも70℃×5分間で
ある。
【0035】−加硫接着− 上記接着剤が塗布された金具2を加硫型に入れ、防振ゴ
ム体1用の未加硫ゴムを注入してから、加熱することに
よって防振ゴム体1の金具2への加硫接着を行なった。
【0036】(試験)上記実施例の効果を確認するため
に以下のテストを行なった。
【0037】−試験片− 試験片については、JISK6301の8.3.1項に
従って実施例a〜d及び比較例a〜cの各々につき作製
した。各試験片における防振ゴム体1に相当するゴム部
の配合は表1の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】実施例a〜dの各試験片における上記金具
2に相当する金属部の材質はアルミニウム合金(JIS
H4000におけるA5052、同6063、又は同7
003)であり、シランカップリング剤にはγAPS
(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)又はγMP
S(γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)
を用いた。すなわち、実施例a〜dは金属部の材質又は
シランカップリング剤の種類が互いに異なるものであ
り、それらについては表2に掲載した。比較例a〜cは
有機シラン処理に代えてクロメート処理又は上述の下地
処理のみとした。この比較例についても、各々の金属部
の材質及び金属表面処理の態様は表2に掲載されてい
る。
【0040】また、上記実施例及び比較例の各試験片に
は、下層4のフェノール樹脂系のプライマー接着剤とし
て、米国ロード社製の商品名ケムロック205を用い、
上層5の塩素化ゴム系接着剤として、米国ロード社製の
商品名ケムロック252を用いた。
【0041】−試験の内容− 上記各試験片につき、JISK6301の8.3項に基
づく90度剥離試験を行なった。また、当該剥離試験に
ついては、JISZ2371に準ずる塩水噴霧テスト
(SST)と組み合わせて行なった。すなわち、初期
(塩水噴霧なし)、塩水噴霧600時間後、同720時
間後、及び同1000時間後の各時期について当該剥離
試験を行なった。
【0042】−試験結果− 試験結果は表2に示されている。同表において、剥離状
態の項のR−RC−CP−Mの各記号の意味は次の通り
である。
【0043】R;ゴム部の破断 RC;ゴム部と接着剤との間の破損 CP;接着剤部の破損 M;金属と接着剤との間の破損
【0044】
【表2】
【0045】表2によれば、実施例a〜dと比較例a,
bとでは金属と接着剤との間の破損(M)を含めてその
耐剥離強度にほとんど差が認められない。また、実施例
a〜dにおいてはその金属部には有害な白錆も発生しな
かった。このことから、本発明の如く、金具2の表面に
シランカップリング剤による有機シラン化合物皮膜3を
形成した場合には、従来のクロメート処理を施したもの
と同等の耐蝕性及び接着安定性が得られることがわか
る。
【0046】<実施例2>本例の金属・ゴム複合防振体
は円筒ブッシュであって、図3及び図4に示されてい
る。同図において、21は円筒形の防振ゴム体、22は
防振ゴム体21の内周面に接着されたアルミニウム合金
製の内筒金具、23は防振ゴム体21の外周面に接着さ
れるアルミニウム合金製の外筒金具である。防振ゴム体
21に対する内筒金具22の接着には実施例1と同様の
加硫接着が採用されている。
【0047】一方、上記外筒金具23の全表面にはシラ
ンカップリング剤による有機シラン化合物皮膜が形成さ
れていて、図4に示すように、有機シラン化合物皮膜2
4の表面における上記防振ゴム体21との接着面に熱硬
化型(同時加硫型)接着剤が熱硬化してなる下層25及
び上層26が形成されている。また、上記防振ゴム体2
1の外周面には所定の表面活性化処理が施されている。
そうして、上記外筒金具23の接着剤硬化層26に上記
防振ゴム体21の表面活性化処理されてなる接着面がイ
ソシアナート系接着剤層27によって接着されている。
【0048】上記防振ゴム体21と外筒金具23との接
着は以下の工程によって行なった。 −外筒金具23の下地処理及び有機シラン処理− 外筒金具23の下地処理及び有機シラン処理は実施例1
のそれと同様にして行なった。
【0049】−接着剤硬化層の形成− 上記外筒金具23の有機シラン化合物皮膜24における
防振ゴム体21との接着面(内周面)に下層25として
上記ケムロック205を塗布して乾燥させた後、上層2
6として米国ロード社製の商品名ケムロック220(塩
素化ゴム系接着剤)を塗布して乾燥させた。乾燥条件は
いずれも70℃×5分間である。そして、これらの接着
剤の熱硬化を150℃×20分間という条件で行なうこ
とによって、上記接着剤硬化層25,26を形成した。
【0050】−表面活性化処理− 防振ゴム体21の外周面に溶剤によって脱脂処理を施し
た後、トリクロロイソシアヌル酸の3%溶液(希釈液は
有機溶剤)を塗布することによって、当該外周面の活性
化処理を行なった。
【0051】−接着− 上記防振ゴム体21の外周面にイソシアナート系接着剤
を塗布した後、この防振ゴム体21を外筒金具23の筒
孔に圧入して径方向内方に圧縮した状態にし、当該ゴム
の弾性復元力が作用した状態で上記イソシアナート系接
着剤を120℃×20分間の加熱条件で硬化させた。こ
れにより、イソシアナート系接着剤層27が形成され
て、上記防振ゴム体21と外筒金具23とが一体になっ
た。
【0052】(試験)上記実施例の効果を確認するため
に以下のテストを行なった。
【0053】−試験片− 試験片は上記円筒ブッシュであって、先に説明した方法
に従って実施例e,f及び比較例d,eの各々につき作
製した。各試験片における防振ゴム体のゴム配合は表1
の通りであり、金具22,23の材質はアルミニウム合
金(JISH4000におけるA5052)である。シ
ランカップリング剤については実施例eには上述のγA
PSを用い、実施例fにはγMPSを用いた。比較例d
には金具に有機シラン処理に代えてクロメート処理を施
し、比較例eには上述の下地処理のみとした。
【0054】また、上記実施例及び比較例の各試験片に
は、接着剤硬化層25,26のために上記ケムロック2
05と同220を用い、イソシアナート系接着剤として
ウレタン系ボンドを用いた。
【0055】−試験の内容− 上記各試験片につき、外筒金具23を保持した状態にし
て、防振ゴム体21及び内筒金具22に軸方向の荷重を
かけてこれらを打抜く、という打抜き試験を行なった。
当該打抜き試験についても、実施例1における試験と同
様に塩水噴霧テストと組み合わせて行なった。
【0056】−試験結果− 試験結果は表3に示されている。同表において、剥離状
態の項の各記号の意味は表2の場合と同様である。
【0057】
【表3】
【0058】表3によれば、実施例e,fと比較例dと
では、その破壊荷重及び破壊状態のいずれにおいても、
ほとんど差が認められない。また、実施例e,fにおい
てはその金属部には有害な白錆も発生しなかった。この
ことから、本発明の有用性が裏付けられる。
【0059】特に、防振ゴム体21をアルミニウム合金
製金具23の地肌にイソシアナート系接着剤によって直
接接着するのではなく、有機シラン化合物皮膜24、熱
硬化させた接着剤硬化層25,26により上記地肌を被
覆してから上記イソシアナート系接着剤を適用している
から、当該金具にクロメート処理やカチオン電着塗装を
施すことなく、加硫ゴムである防振ゴム体21を強固に
結合させることができるものである。
【0060】この場合、上記有機シラン化合物皮膜24
が無機質である金具23とフェノール系接着剤硬化層2
5とに結合して両者の橋渡しをし、さらにフェノール系
接着剤硬化層25と塩化ゴム系接着剤硬化層26との
間、塩化ゴム系接着剤硬化層26とイソシアナート系接
着剤層27との間、並びにイソシアナート系接着剤層2
7と防振ゴム体21の活性化処理面との間にそれぞれ強
固な結合が得られるため、結果的に上記金具23と防振
ゴム体21とが強固に結合しているものと認められる。
【0061】なお、上記各実施例において説明した防振
体の製法は一例に過ぎず、各工程の条件は金具の材質、
使用する接着剤の種類等に応じて適宜変更することがで
きることはもちろんである。
【0062】また、上記実施例2に関して、イソシアナ
ート系接着剤は金具の方に塗布してもよく、さらには金
具と防振ゴム体との双方に塗布するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の防振体を示す縦断面図
【図2】実施例1の防振体の接着部の断面図
【図3】実施例2の防振体の分解断面図
【図4】実施例2の防振体の接着部の断面図
【符号の説明】
1,21 防振ゴム体 2,22,23 金具 3,24 有機シラン化合物皮膜 4,5 同時加硫型接着剤層 25,26 接着剤硬化層 27 イソシアナート系接着剤層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】防振作用を呈する防振ゴム体に金具が接着
    されてなる金属・ゴム複合防振体であって、 上記金具の表面にはシランカップリング剤による有機シ
    ラン化合物皮膜が形成されていて、該有機シラン化合物
    皮膜の表面に同時加硫型接着剤層を介して上記防振ゴム
    体が接着されていることを特徴とする金属・ゴム複合防
    振体。
  2. 【請求項2】防振作用を呈する防振ゴム体に金具が接着
    されてなる金属・ゴム複合防振体であって、 上記金具の表面にシランカップリング剤による有機シラ
    ン化合物皮膜が形成されているとともに、該有機シラン
    化合物皮膜の表面における上記防振ゴム体との接着面に
    熱硬化型接着剤が熱硬化してなる接着剤硬化層が形成さ
    れており、 上記金具の接着剤硬化層に上記防振ゴム体の表面活性化
    処理されてなる接着面がイソシアナート系接着剤によっ
    て接着されていることを特徴とする金属・ゴム複合防振
    体。
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