JPH06180013A - 植生マット - Google Patents

植生マット

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JPH06180013A
JPH06180013A JP35415392A JP35415392A JPH06180013A JP H06180013 A JPH06180013 A JP H06180013A JP 35415392 A JP35415392 A JP 35415392A JP 35415392 A JP35415392 A JP 35415392A JP H06180013 A JPH06180013 A JP H06180013A
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vegetation mat
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Hiroyuki Kanbe
廣之 神部
Michihei Sakate
三千兵 坂手
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部分的な浮き上がりを生じさせないで、法面
に密着設置させることができるようにし、しかも、別途
ネットの張設作業を不要にしながら、植生材料の凍上や
流亡をネットによって防止させるようにすると共に、例
えば敷設後半年〜2年程度は十分な引張強度を維持し、
その後、分解、腐食し、又、土壌と同質化する植生マッ
トを提供すること。 【構成】 土壌改良剤、肥料、有機質材などの一種以上
と植生種子を含む植生材料7と、当該植生材料7を包被
する少なくとも部分的に分解する性状の表裏のシート
1,2とから成り、かつ、前記表面側シート1の表面部
には、植生種子の発芽生育が可能な目合いを有すると共
に、抗菌剤処理を施した腐食性素材よりなるネット6を
付設してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば山腹や河川の堤
防の法面、その他道路建設や土地造成などに伴って形成
される法面などの緑化工法に用いられる植生マットに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、上記の法面等には、その保護と
景観を保持するために植物を植生して緑化することが行
われる。このような緑化を行うに際して従来では、土壌
改良剤、有機質肥料、堆肥化資材を混合して形成した育
成基板の下面に、肥料入りのジュート繊維フェルトを設
けると共にジュート繊維の編織布と綿体との間に種子を
介在させた種子付き布で包被し、幅方向の所定間隔毎に
畝が形成されるように三者を一体的に縫着して構成され
た植生マット(例えば実公平3−20348号公報参
照)が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この従来の
植生マットは、法面に接するジュート繊維フェルトが比
較的硬質であることから、当該植生マットの法面への馴
染みが悪く、マット裏面が部分的に法面から浮き上がっ
た状態となりがちであり、しかも、このジュート繊維フ
ェルトは水分を含んでも腐食するには半年程度を要し、
前記土壌改良剤、有機質肥料、堆肥化資材等が法面に落
下しにくい。従って、植生マットと法面との間に隙間が
生じ、種子がたとえ発芽しても根づきにくく枯死するこ
とが多い。また、この植生マット単体での緑化では、種
子の発芽・生育不良の状態で種子付き布が腐食分解した
際に、育成基板の凍上や降雨による流亡が生じることか
ら、植生マットを法面に設置させた状態で上面をネット
で被ったり、あるいは、マットに設けられた袋状のマッ
ト保持部に植生マットを収容させて、これを法面に設置
させるなど、ネット併用の形態がとられるのであるが、
この作業は非常に繁雑であって煩わしく且つ多大の手間
と人手を要することから、施工コストが高くつく点で問
題があった。
【0004】このような植生マット工法に用いられるネ
ットとしては、従来より、ポリエチレン(PE)やポリ
プロピレン(PP)など化学的に合成されたプラスチッ
ク製のネットが多用されている。その理由は、これらの
プラスチックが丈夫かつ安価であり、しかも、法面の緑
化などにおいては、法面上に植物が根づき、これがある
程度生長するまでは、ネットが法面を保護することが必
須であるからである。
【0005】しかしながら、このプラスチックは、通常
の条件下では半永久的に変質しないといった特性があ
り、このため、他の植物性素材や動物性素材とは異な
り、長年月のうちに風雨に曝されて風化または腐食して
土や土壌と同質化するといったことがない。このため、
近年ではこのような特質が災い視され、プラスチック公
害として地球環境的な問題となってきている。
【0006】本発明は、かかる実情に鑑みて成されるも
のであって、法面への馴染みがよくて植生種子の発芽・
生育が良好に行われる上に、施工性ならびにコスト面で
優れると共に、植生マットに使用されるネットが敷設後
半年及至2年程度は十分な引張強度を維持し、植物があ
る程度生育した時点以降に最終的に腐食して土壌中に同
質化できる植生マットを提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するに
至った本発明による植生マットは、土壌改良剤、肥料、
有機質材などの一種以上と植生種子とより成る植生材料
と、性状的に少なくとも部分的に分解し少なくとも面部
どうしが互いに適宜連結されて前記植生材料を包被する
表裏のシートとから成り、かつ、前記表面側シートの表
面部には、植生種子の発芽生育が可能な目合いを有する
と共に、抗菌剤処理を施してなるネットを付設した点に
特徴を有する。
【0008】
【作用】以上のように構成された本発明の植生マットに
よれば、マットの表裏両面が薄いシートであってマット
全体が柔軟性に富むことから、当該植生マットが法面に
上手く馴染み、部分的な浮き上がり抑止の状態で植生マ
ットが法面に密着される。また、上記のシートが少なく
とも部分的に分解する性状を有することから、裏面側の
シートが分解することで、植生材料が部分的に或いは全
面が法面に密着し易くなり、植生マットと法面との間に
隙間が生じにくい。また、マット表面には抗菌剤処理を
施してなる腐食性素材よりなるネットが付設されている
ので、表面側シートの一部あるいは全部が分解しても、
別途ネットの張設作業を不要にした状態で植生材料の凍
上や流亡が効果的に防止され、しかもこのネットは、敷
設後半年及至2年程度は十分な引張強度を維持し、植物
がある程度生育した時点以降に最終的に腐食して土壌中
に同質化できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明による植生マットの好適な実施
例を図1に基づいて説明する。この植生マットMは、部
分溶解性の性状を示す表面シート1と水溶性の性状を示
す裏面シート2を、それらの縁部どうしを互いに小目合
いで縫着3すると共に、長さ方向に沿って荒い目合いで
且つ幅方向では所定間隔置きにシート面部どうしを縫着
4して、表裏のシート1,2間隔が規制された袋体5を
縫製し、この袋体5の表面部に、植生種子の発芽生育が
可能な目合いを有すると共に、抗菌剤処理を施してなる
ネット6を付設すると共に、上記の植生種子を含む植生
材料7を前記袋体5に充填させて成る。尚、シート1,
2の縫着は大型ミシンによって行われ、そのシート縫着
用のミシン糸としてはジュート綿やレーヨンが好適であ
り、このミシン糸も抗菌剤処理を施したものであること
が好ましい。
【0010】前記植生材料7は、例えば一般化成肥料や
土壌改良剤、バーク堆肥やピートモス等の有機質材、バ
ーミキュライトやパーライト等の無機質材などの一種以
上に、例えば単子葉類や双子葉類等の植生種子を混ぜ合
わせたものであって、これを袋体5に充填させて植生マ
ットMを構成しているが、必要に応じてポバール、ベー
スソイラー、酢酸ビニル系粉体エマルジョン等の糊剤を
添加して、植生材料7を圧縮プレスなどの手段によって
板状に保形させ、これを包み込むようにして表裏のシー
ト1,2を縫着したり、あるいは、植生材料7を棒状に
保形させて袋体5に収容させることによっても、本発明
による植生マットを構成することができる。
【0011】即ち、板状に保形させた植生材料を表裏の
シート間にサンドイッチ状に位置させて、その表裏のシ
ートの縁部どうしを互い縫着するとともに、シート面部
については、幅方向で所定間隔置きに当該両シートと植
生材料の三者を長さ方向に沿って縫着することによっ
て、植生材料の偏りが防止される所定厚さの植生マット
を構成することができる。あるいは図2に示すように、
長さ方向の一側縁部を残す状態で表裏のシート1,2縁
部を互いに縫着3すると共に、シート面部を幅方向で所
定間隔置きに縫着して植生材料7の収容部aを形成し
て、この収容部aに、粉体状あるいは棒状に成形した植
生材料7を収容し、かつ、縫着しなかったシート1,2
の長さ方向一側縁部を縫着させる形態で植生マットMを
構成することもできる。
【0012】前記袋体5の表面部に付設されるネット6
は、表面シート1が部分的に溶解した状態での植生材料
7の凍上ならびに流亡を、当該表面シート1の不溶解部
分とによって防止するためのものであって、抗菌剤処理
を施したビスコースレーヨン糸、あるいは植物性の素材
たとえばジュート糸や綿糸、紙テープ糸などを使用し
て、平織やカラミ織り、ラッセル織りされたものが用い
られる。
【0013】表面シート1は、図3に示すように、例え
ばパルプ繊維の30〜50%と、ポリプロピレン繊維の
35〜45%と、パウダー状又は繊維状のポリビニルア
ルコールの10〜30%とから成る水溶性のシート状体
8の一側面に、例えばビニロン30番手10本の縦糸9
とスフ6本/インチの横糸10とによる目合いが2〜8
mmのカヤ地11を接合して成るもので、前記シート状
体8をスキアゲ製造する際に、このシート状体8の構成
素材であるポリビニルアルコールによって前記カヤ地1
1を接合一体化させることによって、当該表面シート1
にシート状体8のみを溶解させる部分溶解の性状を有せ
しめている。裏面シート2は、例えばパルプ繊維の30
〜50%と、ポリプロピレン繊維の35〜45%と、パ
ウダー状又は繊維状のポリビニルアルコールの10〜3
0%とによる水溶性のシートから成る。
【0014】前記表面シート1のシート状体8と全体が
水溶性である裏面シート2は、いずれも繊維の添加割合
を30%以下とする場合には、水分吸収によるポリビニ
ルアルコールの溶解に伴う分散性の問題や強度上の問題
が発生し、一方、50%以上とする場合には、ポリプロ
ピレン繊維やポリビニルアルコールの添加割合が少なく
なって、水分による溶解性の問題や強度上の問題が発生
する。また、ポリプロピレン繊維の添加割合を35%以
下とする場合には、水分による溶解性の問題や強度上の
問題が発生し、一方45%以上とする場合には、パルプ
繊維やポリビニルアルコールの添加割合が減少されて溶
解性の問題が発生する。さらに、ポリビニルアルコール
の添加割合を10%以下とする場合には、水分による溶
解性の問題が発生し、一方30%以上とする場合には、
パルプ繊維やポリプロピレン繊維に添加割合が少なくな
って強度上の問題が発生する。
【0015】以上のことから、パルプ繊維とポリプロピ
レン繊維及びポリビニルアルコールを上述の割合で配合
し、溶解性と一定強度とを確保するようにしている。し
かし、必ずしも以上の配合割合に限定されるものではな
く、最も好ましくは、パルプ繊維として針葉樹のものを
使用し、ポリプロピレン繊維として2デニール太さの5
mm長さのものを使用し、ポリビニルアルコールとして
1デニール太さの3mm長さの繊維を使用し、これらパ
ルプ繊維の40%とポリプロピレン繊維の40%とポリ
ビニルアルコールの20〜30%とによってシート状体
8と裏面シート2を得るものとする。
【0016】法面の緑化に際しては、図4に示すよう
に、上記構成の植生マットMの複数枚を、それの長さ方
向を法面12の上下方向に向けて且つ幅方向の一部を互
いに重合させて幅方向に並べ、その重合部を通して適宜
アンカー13や止め釘14を法面12に打ち込んで植生
マットMを法面12に設置するのである。ここで、図1
に示す構成の植生マットMにあっては、植生マットMの
表裏両面が薄いシートであってマット全体が柔軟性に富
むことから、当該植生マットMが法面12に沿って上手
く馴染み、あるいは、植生材料7を板状や棒状に保形さ
せた図2に示す構成の植生マットMにあっては、少し力
を加えることで植生材料7が崩れることから、当該植生
マットMも法面12に沿って上手く馴染み、部分的な浮
き上がり抑止の状態で植生マットMが法面12に密着さ
れる。また、植生マットMを法面12上に敷設した当初
においては、植生材料7が表裏のシート1,2で被われ
ているので、植生材料7の流出が効果的に防止される。
【0017】そして降雨によって、表面シート1のシー
ト状体8と裏面シート2の各ポリビニルアルコールが速
やかに溶解されて、パルプ繊維とポリプロピレン繊維と
が分散状態となることによって、植生材料7はその裏面
の大部分が隙間のない状態で法面12に密着すると共
に、植生材料7に含まれている植生種子が容易に発芽
し、かつ、発芽した幼苗は肥料および水分の供給を受け
て確実に生長する。一方、植生マットMの表面シート1
として、シート状体8が溶解してもカヤ地11が残る部
分溶解性のものを用いているので、このカヤ地11と表
面シート1の表面部に付設したネット6とによって植生
材料7が好適に保持されると共に、別途ネットの張設作
業を要することなく、上記のネット6によって植生材料
7の凍上や流亡を効果的に防止することができる。尚、
ポリビニルアルコールとして、パウダー状のものを使用
できることは勿論であり、このパウダー状のポリビニル
アルコールは常温で溶解されることから、シートの常温
状態での水分による溶解性を高めることができて好都合
である。
【0018】上記した植生マットMの構成は一例であ
り、例えば裏面シート2として、表面シート1と同様の
部分溶解性シートとしたり、ポリビニルアルコールを素
材とした水溶性フィルムやスフを素材にした分散性不織
布、更にはこれらの水溶性フィルムや分散性不織布と前
記したカヤと地をラミネートして得られる部分溶解性シ
ートを採用することができる。また、表面シート1とし
て、裏面シート2と同様の水溶性シートとしたり、上記
した水溶性フィルムや分散性不織布、これらにカヤ地を
ラミネートして得られる部分溶解性シートを採用するこ
とができる。即ち、水溶性や分散性、分解性など形態が
どうであれ、表裏のシート1,2としては、少なくとも
部分的に分解するものであれば、その性状は一切問われ
るものではない。
【0019】尚、表裏のシート1,2を同じ性状のもの
にする場合、表裏のシートを別々にすることなく、図5
に示すように、一枚の幅広シート1,2をその幅方向中
央で二つ折りにして縁部どうしを縫着3すると共に、シ
ート面部を幅方向で所定間隔置きに縫着4して植生マッ
トMを構成することもでき、かつ、縫着の手段に代え
て、両シート1,2を例えば熱融着させるような連結形
態で実施可能である。
【0020】また、本発明にかかる植生マットMは図6
に示す工程により製造することもできる。すなわち、同
図(A)に示す裏面シート2をコンベア上に流し、図外
のガイドにより同図(B)に示すようにこの裏面シート
2の両端部を曲げる。次いで、同図(C)に示すように
裏面シート2の上面に植生材料7を供給した後、同図
(D)に示すように表面シート1で植生材料7上面を被
覆し、さらに表面シート1上面にネット6を載置する。
そして、同図(E)に示すように表面シート1、ネット
6と裏面シート2とを荒い目合いで縫着4する。そし
て、この植生マットMの長手方向(図6の紙面に対し垂
直な方向)の両端部は適宜小目合いで縫着して植生マッ
トMを製造する。
【0021】前記植生材料7に混合させる植生種子とし
ては、牧草などの外来種植物の種子や、花植物種子、野
草、樹木などの郷土種植物の種子が適宜に選択される。
具体的には、牧草種子としては、クリーピングレッドフ
ェスク、ハイランドベントグラス、レッドトップ、バミ
ューダグラス、ケンタッキーブルーグラス等があり、花
植物種子としては、黄デージー、フランス菊、大金鶏
菊、のこぎり草、ムシトリナデシコ、カリフォルニアポ
ピー、ムラサキハナナ、カスミソウ、コスモス、ケイト
ウ、カワラナデシコ、テンニンギク等があり、また、野
草種子としては、よもぎ、すすき、めどはぎ、いたどり
等がある。更に、樹木植物としては、あかまつ、やしゃ
ぶし、いたちはぎ、やまはぎ、こまつなぎ等がある。ま
た、一年生花植物や多年生花植物などの花植物種子と樹
木種子とを適宜に混合してもよい。
【0022】又、前記ネット6の素材として、抗菌剤処
理を施した腐食性素材を用いると、素材強度を半年乃至
2年程度は十分に維持させることができ、かつ、やがて
は徐々に分解・腐食して遂には土に帰することから、ネ
ットの素材として好適である。腐食性素材としては、動
物性、植物性、化学性等種々のものがあるが、例えば動
物性、植物性素材としては、皮や毛、綿や麻、パルプと
いった天然繊維が代表的である。また、化学性素材とし
ては薬品で易腐食化したポリオレフィン系の素材やビス
コースレーヨンなどの再生繊維の他、微生物分解性プラ
スチック、光分解性プラスチックがある。微生物分解性
プラスチックとしては、例えば商品名トーン(米国AM
KO社製)、商品名プルラン(林原株式会社製)、商品
名ソア・フィル(三菱レーヨン株式会社製)がある。そ
して、光分解型プラスチックとしては、例えば商品名ポ
リグレイド(米国アンベイス社製)、商品名プラスチゴ
ン(米国アイデアマスターズ社製)などがある。
【0023】次に、前記腐食性素材のうち、再生繊維で
あるビスコースレーヨンを抗菌剤で処理する手順につい
て、図7を参照しながら説明する。この図において、2
0は公知のビスコースレーヨン製造装置、21は乾燥
機、22は抗菌剤23を収容した抗菌剤処理槽、24は
絞り用ローラ対、25は乾燥機、26はキュアリング装
置、27は巻取り装置である。そして、前記抗菌剤23
としては、例えばラウリル・ジメチル・ベンジル・アン
モニウム・クロライド・・・商品名メイラピットV−4
3や、オクタデシル・ジメチル・ベンジル・アンモニウ
ム・クロライド・・・商品名メイカビノンSMB−85
(何れも明成化学工業株式会社製)などの1〜10%溶
液を用いることができる。
【0024】このように構成された装置において、ビス
コースレーヨン製造装置20から繰り出されたビスコー
スレーヨン28は、乾燥機21において適宜の温度で予
備乾燥される。予備乾燥されたビスコースレーヨン28
は、抗菌剤処理槽22内の抗菌剤23を潜らされる。次
いで、抗菌剤23を潜らされたビスコースレーヨン28
は、絞り用ローラ対7において適宜絞られて、乾燥機2
5に至り、所定の乾燥処理を受ける。そして、この乾燥
処理を受けたビスコースレーヨン28は、キュアリング
装置26において、例えば150℃で3分間、または、
170℃で1分間のキュアリング処理された後、巻取り
装置27によって巻き取られる。
【0025】図9は、上述のようには抗菌剤処理された
ビスコースレーヨン29を示すもので、同図(A)の示
すものは、ビスコースレーヨン28の外周に抗菌剤23
による被膜層30が形成されている。また、同図(B)
に示すものは、ビスコースレーヨン28の外周に皮膜層
30が形成されると共に、その全周にわたって表面から
抗菌剤23が染み込んだ浸透層31も形成されている。
【0026】また、ビスコースレーヨンを製造する段
階、すなわち再生セルロースからなるビスコース溶液
に、抗菌剤である前記の例えば商品名メイラピットV−
43やメイカビノンSMB−85などを、ビスコース溶
液の段階で内添させたものが使用される。この場合、抗
菌剤を内添したビスコースレーヨンの組成としては、ビ
スコース溶液にメイラピットV−43を1〜5%の割合
で内添させたものも好ましい。
【0027】なお、ビスコースレーヨンなど腐食性素材
の抗菌剤処理は、上記図7に示すものに限られるもので
なく、例えば図8に示すように構成してあってもよい。
すなわち、この図においては、ビスコースレーヨン製造
装置(図外)から繰り出されたビスコースレーヨン28
を抗菌剤塗布装置32を通過させることにより、その表
面に抗菌剤23を塗布し、その後、乾燥機33で乾燥
し、さらに、キュアリング装置(図外)で所定のキュア
リングを行った後、巻取り装置27で巻き取るのであ
る。
【0028】前記図7または図8に示した何れの抗菌剤
処理によっても、図9(A),(B)に示したような抗
菌剤処理されたビスコースレーヨン29が得られるが、
このビスコースレーヨン29は、従来のビスコースレー
ヨン28と異なり微生物による分解腐蝕によっての強度
低下が少ない特性を持つようになる。そして、このよう
な抗菌剤処理されたビスコースレーヨン29を用いてラ
ッセル織機によって編織することにより、ネット6を得
ることができる。
【0029】また、抗菌剤処理されたネット6は、上述
の実施例のように、織機にかける前の素材、すなわち、
モノフィラメントやフラットヤーンなどの段階におい
て、抗菌剤処理したものを用いてこれを織機にかけて網
状体を構成してもよく、また、モノフィラメントやフラ
ットヤーンなどを用いて所定形状の網状体に編織してか
ら、これを抗菌剤に浸漬したり、抗菌剤をシャワリング
またはスプレーなどの手段を用いて塗布してもよい。
【0030】ところで、前記抗菌剤処理されたネットの
腐食度合いと引張強度を調べるために、次のような実験
を行った。すなわち、2000デニールのビスコースレ
ーヨン(テープ状)よりなる素線を2本用意し、一方は
抗菌剤として前記メイラピットV−43の5%溶液に含
浸させ、他方は無処理として、これらを平坦地圃場に1
992年4月に敷設して、敷設後における腐食度合いと
引張強度について調べたところ、表1のような結果が得
られた。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1から、抗菌剤処理を施した素線
は、半年を経過しても殆ど腐食されることがなく、ま
た、引張強度も当初の79%程度を維持していることが
判る。従って、ネットの引張強度は0.6以上あればネ
ットとしての機能を十分満たすことから、ビスコースレ
ーヨンに抗菌剤処理を施した素線により編織されたネッ
トは、敷設後2年程度は従来のネットと同様の効果を奏
するものと考えられる。
【0033】上述の説明から理解されるように、腐食性
素材よりなるネットに抗菌剤処理を施すことにより、敷
設後所定の期間内は所望の強度を維持させることができ
る。ところで、腐食性素材よりなる網状体の分解・腐食
は、腐食性素材を分解・腐食するバクテリアが存在する
ためであるから、バクテリアの活動を抑制できれば、腐
食性素材よりなる網状体の分解・腐食を一定期間遅らせ
ることができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の植生マット
によれば、それ自体が法面に上手く馴染む上に、裏面シ
ートが少なくとも部分的に分解することで植生材料の馴
染みも良くなり、これによって、部分的な浮き上がりを
生じさせないで植生マットを安定的に法面に密着設置さ
せることができる。しかも、植生マットの表面部にネッ
トを付設させたことで、表面側シートの一部あるいは全
部が分解しても、別途ネットの張設作業を不要にした状
態で、植生材料の凍上や流亡を効果的に防止できるよう
になり、廷いては植生種子の発芽・生育が良好に達成さ
れるもので、法面等の緑化保護と景観の保持に貢献する
使用面で好適な植生マットを提供できる。更に、植生マ
ットに使用されるネットは、抗菌剤処理を施した腐食性
素材で形成されているので、敷設後半年及至2年程度は
十分な引張強度を維持し、植物がある程度生育した時点
以降に最終的に腐食して土壌中に同質化できる。従っ
て、従来と異なりプラスチック公害が促進されることな
く、緑化を推進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】要部を破断した植生マットの斜視図である。
【図2】植生マットの別実施例の部分斜視図である。
【図3】表面シートの要部を拡大した概略斜視図であ
る。
【図4】法面緑化のための植生マットの設置説明図であ
る。
【図5】植生マットの別実施例を示す断面図である。
【図6】植生マットの一製造方法を示す工程図である。
【図7】腐食性素材に抗菌剤処理を施す工程の一例を示
す図である。
【図8】腐食性素材に抗菌剤処理を施す工程の他の例を
示す図である。
【図9】(A),(B)はそれぞれ、抗菌剤処理が施さ
れた腐食性素材の断面を示す図である。
【符号の説明】
1,2…シート、6…ネット、7…植生材料。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌改良剤、肥料、有機質材などの一種
    以上と植生種子とより成る植生材料と、性状的に少なく
    とも部分的に分解し少なくとも面部どうしが互いに適宜
    連結されて前記植生材料を包被する表裏のシートとから
    成り、かつ、前記表面側シートの表面部には、植生種子
    の発芽生育が可能な目合いを有すると共に、抗菌剤処理
    を施してなるネットを付設してあることを特徴とする植
    生マット。
  2. 【請求項2】 抗菌剤が、ジメチル・ベンジル・アンモ
    ニウム・クロライドを有効成分とするものである請求項
    1に記載の植生マット。
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