JPH06184608A - 鉄粉中の酸化物を脱炭なしで還元する方法 - Google Patents
鉄粉中の酸化物を脱炭なしで還元する方法Info
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- JPH06184608A JPH06184608A JP5124459A JP12445993A JPH06184608A JP H06184608 A JPH06184608 A JP H06184608A JP 5124459 A JP5124459 A JP 5124459A JP 12445993 A JP12445993 A JP 12445993A JP H06184608 A JPH06184608 A JP H06184608A
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、実質的に脱炭を生じさせることなく
鉄粉から酸素不純物を除去する炭素含有無酸化物鉄粉ま
たは鉄基粉の製造方法を提供する。 【構成】鉄粉または鉄基粉を容器内で純粋な水素雰囲気
下で室温から第1の中間温度に加熱し、この容器内の純
粋な水素雰囲気を純粋な窒素雰囲気で置換し、ついで該
鉄粉または鉄基粉を第1の中間温度より高い第2の温度
に加熱し、不活性雰囲気下にて鉄粉または鉄基粉を、酸
化が生じない温度まで冷却し、上記容器から鉄粉または
鉄基粉を除去する工程からなる。上記第1および第2の
温度は実質的に脱炭を生じさせることなしに鉄粉または
鉄基粉中の実質的にすべての酸化物不純物を還元するの
に十分な温度である。
鉄粉から酸素不純物を除去する炭素含有無酸化物鉄粉ま
たは鉄基粉の製造方法を提供する。 【構成】鉄粉または鉄基粉を容器内で純粋な水素雰囲気
下で室温から第1の中間温度に加熱し、この容器内の純
粋な水素雰囲気を純粋な窒素雰囲気で置換し、ついで該
鉄粉または鉄基粉を第1の中間温度より高い第2の温度
に加熱し、不活性雰囲気下にて鉄粉または鉄基粉を、酸
化が生じない温度まで冷却し、上記容器から鉄粉または
鉄基粉を除去する工程からなる。上記第1および第2の
温度は実質的に脱炭を生じさせることなしに鉄粉または
鉄基粉中の実質的にすべての酸化物不純物を還元するの
に十分な温度である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物不純物のない鉄
粉または鉄基粉の製造方法に関する。この酸化物不純物
のない鉄粉または鉄基粉は正確なまたは制御しうる炭素
含有量を有する成形部品の製造に適している。
粉または鉄基粉の製造方法に関する。この酸化物不純物
のない鉄粉または鉄基粉は正確なまたは制御しうる炭素
含有量を有する成形部品の製造に適している。
【0002】
【従来の技術】殆どの鉄粉は一定の炭素を含み、これが
その鉄粉から作られる焼成部品の特性に影響を及ぼす。
これらの鉄粉はさらに酸素または窒素などの不純物を含
むが、その程度は鉄粉の製造方法に依存する。例えばカ
ーボニル鉄粉は通常0.315重量%以下の酸素と0.
7重量%以下の窒素を含む。焼成の間に鉄粉中の酸素不
純物は炭素と反応し脱炭がもたらされる。したがって、
鉄粉製造者の重要な課題は鉄粉中の酸素不純物を如何に
してできるだけ減少させるかということである。
その鉄粉から作られる焼成部品の特性に影響を及ぼす。
これらの鉄粉はさらに酸素または窒素などの不純物を含
むが、その程度は鉄粉の製造方法に依存する。例えばカ
ーボニル鉄粉は通常0.315重量%以下の酸素と0.
7重量%以下の窒素を含む。焼成の間に鉄粉中の酸素不
純物は炭素と反応し脱炭がもたらされる。したがって、
鉄粉製造者の重要な課題は鉄粉中の酸素不純物を如何に
してできるだけ減少させるかということである。
【0003】従来の鉄粉の製造方法として、文献、Ca
rbonyl Iron Powder Produc
tion, Properties and Appl
ication, Progress of Powd
er Metallurgy(F.L.Ebenhoe
ch)、 vol. 42, PrincetonE
d., 1986に記載されている。この方法によれば
純粋な水素下で焼く400℃の温度にて鉄粉を処理する
ことにより酸素不純物の除去を容易に行うとされてい
る。しかし、実際に水素処理で酸素を除去するのは困難
である。
rbonyl Iron Powder Produc
tion, Properties and Appl
ication, Progress of Powd
er Metallurgy(F.L.Ebenhoe
ch)、 vol. 42, PrincetonE
d., 1986に記載されている。この方法によれば
純粋な水素下で焼く400℃の温度にて鉄粉を処理する
ことにより酸素不純物の除去を容易に行うとされてい
る。しかし、実際に水素処理で酸素を除去するのは困難
である。
【0004】文献、”Effect of Atmos
phere Composition on the
Sintering Metallurgy” vo
l.2, pp.261−77、 Princeton
Ed., 1991 (D.R.Ryan および
L.J.Cuddy)から、FeO酸化物は純粋な水素
下では1100℃以上の温度でなければ還元されないと
されている。
phere Composition on the
Sintering Metallurgy” vo
l.2, pp.261−77、 Princeton
Ed., 1991 (D.R.Ryan および
L.J.Cuddy)から、FeO酸化物は純粋な水素
下では1100℃以上の温度でなければ還元されないと
されている。
【0005】しかし、鉄粉をこのような高温で処理する
こと不可能である。なぜならば、粉体相互が結合して粉
砕が困難な密な固まりとなってしまうからである。さら
に、水素雰囲気下で酸化物の部分的還元が同時に特に脱
炭を生じさせることになる。なぜならば、200℃ない
し400℃の温度範囲では炭素が水素と反応しメタンを
生じさせることになるからである。
こと不可能である。なぜならば、粉体相互が結合して粉
砕が困難な密な固まりとなってしまうからである。さら
に、水素雰囲気下で酸化物の部分的還元が同時に特に脱
炭を生じさせることになる。なぜならば、200℃ない
し400℃の温度範囲では炭素が水素と反応しメタンを
生じさせることになるからである。
【0006】事実、脱炭を生じさせることなく鉄粉から
酸素不純物を除去することについての公知文献は見当た
らない。しかし、脱炭による酸素を除去を伴わない炭素
含有無酸化物鉄粉の製造方法についての開発が要請され
ている。
酸素不純物を除去することについての公知文献は見当た
らない。しかし、脱炭による酸素を除去を伴わない炭素
含有無酸化物鉄粉の製造方法についての開発が要請され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
脱炭を生じさせることなく鉄粉から酸素不純物を除去す
る方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は
高温を避けて、中間温度のみを用いることができる鉄粉
から酸素不純物を除去する方法を提供することを目的と
する。
脱炭を生じさせることなく鉄粉から酸素不純物を除去す
る方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は
高温を避けて、中間温度のみを用いることができる鉄粉
から酸素不純物を除去する方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、上
記課題を解決するため、実質的に脱炭を生じさせること
なく鉄粉または鉄基粉から酸素不純物を除去する炭素含
有無酸化物鉄粉または鉄基粉の製造方法であって、鉄粉
または鉄基粉を閉鎖容器内で実質的に純粋な水素雰囲気
下で室温から第1の中間温度に加熱する工程と、この閉
鎖容器内の実質的に純粋な水素雰囲気を実質的に純粋な
窒素雰囲気で置換し、ついで該鉄粉または鉄基粉を第1
の中間温度より高い第2の温度に加熱する工程と、つい
で上記不活性雰囲気下にて該鉄粉を、酸化がもはや実質
的に生じない温度まで冷却する工程と、上記閉鎖容器か
ら該鉄粉または鉄基粉を除去する工程とを具備してな
り、上記第1および第2の温度が、実質的に脱炭を生じ
させることなしに該鉄粉または鉄基粉中の実質的にすべ
ての酸化物不純物を還元するのに十分な温度であること
を特徴とする製造方法を提供するものである。
記課題を解決するため、実質的に脱炭を生じさせること
なく鉄粉または鉄基粉から酸素不純物を除去する炭素含
有無酸化物鉄粉または鉄基粉の製造方法であって、鉄粉
または鉄基粉を閉鎖容器内で実質的に純粋な水素雰囲気
下で室温から第1の中間温度に加熱する工程と、この閉
鎖容器内の実質的に純粋な水素雰囲気を実質的に純粋な
窒素雰囲気で置換し、ついで該鉄粉または鉄基粉を第1
の中間温度より高い第2の温度に加熱する工程と、つい
で上記不活性雰囲気下にて該鉄粉を、酸化がもはや実質
的に生じない温度まで冷却する工程と、上記閉鎖容器か
ら該鉄粉または鉄基粉を除去する工程とを具備してな
り、上記第1および第2の温度が、実質的に脱炭を生じ
させることなしに該鉄粉または鉄基粉中の実質的にすべ
ての酸化物不純物を還元するのに十分な温度であること
を特徴とする製造方法を提供するものである。
【0009】
【実施例】本発明は、酸化物不純物を含まない鉄粉また
は鉄基粉の製造方法を提供するものであって、これらの
粉体は正確なまたは制御しうる炭素含有量を有する成形
部品の製造に適している。
は鉄基粉の製造方法を提供するものであって、これらの
粉体は正確なまたは制御しうる炭素含有量を有する成形
部品の製造に適している。
【0010】さらに詳述すると、本発明は、上記課題を
解決するため、実質的に脱炭を生じさせることなく鉄粉
または鉄基粉から酸素不純物を除去する炭素含有無酸化
物鉄粉または鉄基粉の製造方法であって、鉄粉または鉄
基粉を閉鎖容器内で実質的に純粋な水素雰囲気下で室温
から第1の中間温度に加熱する工程と、この閉鎖容器内
の実質的に純粋な水素雰囲気を実質的に純粋な窒素雰囲
気で置換し、ついで該鉄粉または鉄基粉を第1の中間温
度より高い第2の温度に加熱する工程と、ついで上記不
活性雰囲気下にて該鉄粉を、酸化がもはや実質的に生じ
ない温度まで冷却する工程と、上記閉鎖容器から該鉄粉
または鉄基粉を除去する工程とを具備してなり、上記第
1および第2の温度が、実質的に脱炭を生じさせること
なしに該鉄粉または鉄基粉中の実質的にすべての酸化物
不純物を還元するのに十分な温度であることを特徴とす
る製造方法を提供するものである。
解決するため、実質的に脱炭を生じさせることなく鉄粉
または鉄基粉から酸素不純物を除去する炭素含有無酸化
物鉄粉または鉄基粉の製造方法であって、鉄粉または鉄
基粉を閉鎖容器内で実質的に純粋な水素雰囲気下で室温
から第1の中間温度に加熱する工程と、この閉鎖容器内
の実質的に純粋な水素雰囲気を実質的に純粋な窒素雰囲
気で置換し、ついで該鉄粉または鉄基粉を第1の中間温
度より高い第2の温度に加熱する工程と、ついで上記不
活性雰囲気下にて該鉄粉を、酸化がもはや実質的に生じ
ない温度まで冷却する工程と、上記閉鎖容器から該鉄粉
または鉄基粉を除去する工程とを具備してなり、上記第
1および第2の温度が、実質的に脱炭を生じさせること
なしに該鉄粉または鉄基粉中の実質的にすべての酸化物
不純物を還元するのに十分な温度であることを特徴とす
る製造方法を提供するものである。
【0011】一般に、本発明による方法は、250℃な
いし350℃の中間温度で達成することができる。好ま
しくは、この温度は280℃以下、より好ましくは27
0℃以下とする。この方法をできるだけ急速に行うた
め、室温から上記中間温度までの加熱工程は保持を伴う
ことなく連続的に加熱して行われる。この中間温度に達
したとき、絶対的ではないが少なくとも数分間、好まし
くは30分間の保持が行われる。
いし350℃の中間温度で達成することができる。好ま
しくは、この温度は280℃以下、より好ましくは27
0℃以下とする。この方法をできるだけ急速に行うた
め、室温から上記中間温度までの加熱工程は保持を伴う
ことなく連続的に加熱して行われる。この中間温度に達
したとき、絶対的ではないが少なくとも数分間、好まし
くは30分間の保持が行われる。
【0012】ついで、この保持期間の初めにおいて水素
は窒素で置換されるが、この置換はこの保持期間の間、
あるいは保持期間の終りに行うこともできる。従来の方
法は、本発明と異なり以下のような脱炭方法が採られて
いた。
は窒素で置換されるが、この置換はこの保持期間の間、
あるいは保持期間の終りに行うこともできる。従来の方
法は、本発明と異なり以下のような脱炭方法が採られて
いた。
【0013】(比較例)0.315重量%以下の酸素と
0.86重量%以下の窒素を含むカーボニル鉄粉を窒素
と水素の種々のガス混合物下で、温度700℃以下で処
理した。その結果、2つの反応が観察された。つまり、
(i)酸化物の還元、(ii)脱炭である。 還元:純粋
な水素、または窒素と水素との混合物(85/15およ
び50/50容量%)のもとで、以下のような水素と酸
素との間の反応により酸化物還元が行われた。
0.86重量%以下の窒素を含むカーボニル鉄粉を窒素
と水素の種々のガス混合物下で、温度700℃以下で処
理した。その結果、2つの反応が観察された。つまり、
(i)酸化物の還元、(ii)脱炭である。 還元:純粋
な水素、または窒素と水素との混合物(85/15およ
び50/50容量%)のもとで、以下のような水素と酸
素との間の反応により酸化物還元が行われた。
【0014】FeO+H2 −> Fe+H2 O この還元は、ガス混合物中の水素の量が減少するにつれ
て、より高い温度で移動する。純粋な水素においては、
還元は250℃ないし350℃の温度で、85%窒素、
15%水素の混合物については300℃ないし450℃
の温度で生じる。
て、より高い温度で移動する。純粋な水素においては、
還元は250℃ないし350℃の温度で、85%窒素、
15%水素の混合物については300℃ないし450℃
の温度で生じる。
【0015】純粋な窒素下では、酸化物還元は炭素との
反応により生じ、450℃ないし550℃の温度で、以
下の反応によりCOおよびCO2 が生じる。 C+2FeO −> Fe+CO2 C+FeO −> Fe+CO 脱炭:水素ガス混合物下において脱炭は以下のように水
素による炭素の燃焼により発生する。
反応により生じ、450℃ないし550℃の温度で、以
下の反応によりCOおよびCO2 が生じる。 C+2FeO −> Fe+CO2 C+FeO −> Fe+CO 脱炭:水素ガス混合物下において脱炭は以下のように水
素による炭素の燃焼により発生する。
【0016】C+2H2 −> CH4 この反応についての温度範囲は水素濃度の関数として関
係する。純粋な水素ガスにおいては、メタンのピークが
320℃ないし450℃の温度範囲で見られ、85%窒
素、15%水素の混合物については450℃ないし60
0℃の温度範囲で見られた。
係する。純粋な水素ガスにおいては、メタンのピークが
320℃ないし450℃の温度範囲で見られ、85%窒
素、15%水素の混合物については450℃ないし60
0℃の温度範囲で見られた。
【0017】純粋な窒素下では、酸化物還元が450℃
ないし550℃の温度範囲で脱炭の同時発生をもたら
す。還元−脱炭反応の程度を評価するため、粉体を温度
500℃ないし700℃で処理したのち粉体の炭素量お
よび酸素量を測定した。その結果を表1に示す。
ないし550℃の温度範囲で脱炭の同時発生をもたら
す。還元−脱炭反応の程度を評価するため、粉体を温度
500℃ないし700℃で処理したのち粉体の炭素量お
よび酸素量を測定した。その結果を表1に示す。
【0018】純粋な窒素下で700℃で処理したのちの
炭素量および酸素量はそれぞれ0.72重量%および
0.042重量%であった。これを分析した結果、還元
−脱炭反応はCOおよびCO2 を生じさせる酸素と炭素
との間の反応により行われたものであった。
炭素量および酸素量はそれぞれ0.72重量%および
0.042重量%であった。これを分析した結果、還元
−脱炭反応はCOおよびCO2 を生じさせる酸素と炭素
との間の反応により行われたものであった。
【0019】仮に酸素の半分が炭素と反応してCOを生
じさせ、他の半分が炭素と反応してCO2 を生じさせる
とすると、酸素の0.273(0.315−0.04
2)重量%の損失が炭素の0.15重量%の損失につな
がることになる。炭素の損失0.14重量%はこの予想
値に近いものであった。
じさせ、他の半分が炭素と反応してCO2 を生じさせる
とすると、酸素の0.273(0.315−0.04
2)重量%の損失が炭素の0.15重量%の損失につな
がることになる。炭素の損失0.14重量%はこの予想
値に近いものであった。
【0020】炭素損失の一般的予測は酸素不純物のレベ
ルに基づいて行うことができる。すなわち、酸素のx重
量%は炭素を0.563x重量%燃焼させる。言い換え
れば、純粋な窒素下での燃焼は粉体の酸素不純物の量に
依存したレベルで脱炭を生じさせ、これは出発粉体がバ
ッチ毎に異なる酸化程度を有する場合は制御が困難とな
るかもしれない。
ルに基づいて行うことができる。すなわち、酸素のx重
量%は炭素を0.563x重量%燃焼させる。言い換え
れば、純粋な窒素下での燃焼は粉体の酸素不純物の量に
依存したレベルで脱炭を生じさせ、これは出発粉体がバ
ッチ毎に異なる酸化程度を有する場合は制御が困難とな
るかもしれない。
【0021】純粋な水素下での処理はほぼ完全な脱炭を
生じさせる。550℃程度の低い温度では処理の後に残
存する炭素は100ppmである。さらに、酸化物の一
部のみが還元され、700℃の温度での処理の後に残存
する酸素の量は0.087重量%であった。550℃以
下での水素との反応により炭素の殆どが燃焼してしまう
ため、炭素による酸化物のさらなる還元は不可能とな
る。同様の結果が50%窒素および50%水素混合物の
場合に観察された。85%窒素および15%水素混合物
の場合でも、大きい脱炭が認められた。この場合の低い
酸素量は多分、純粋な窒素での処理に見られるような炭
素と酸素との反応によるものであると思われる。
生じさせる。550℃程度の低い温度では処理の後に残
存する炭素は100ppmである。さらに、酸化物の一
部のみが還元され、700℃の温度での処理の後に残存
する酸素の量は0.087重量%であった。550℃以
下での水素との反応により炭素の殆どが燃焼してしまう
ため、炭素による酸化物のさらなる還元は不可能とな
る。同様の結果が50%窒素および50%水素混合物の
場合に観察された。85%窒素および15%水素混合物
の場合でも、大きい脱炭が認められた。この場合の低い
酸素量は多分、純粋な窒素での処理に見られるような炭
素と酸素との反応によるものであると思われる。
【0022】一般に、本発明によれば、従来の方法と異
なり、第1の工程において、鉄粉または鉄基粉(これら
双方の混合物の場合も含む)を、実質的に純粋な水素雰
囲気下で閉鎖容器内で室温から第1の中間温度まで加熱
する。この場合、約250℃ないし350℃の温度範囲
が用いられ、好ましくは約300℃の温度、より好まし
くは約270℃の温度が用いられる。
なり、第1の工程において、鉄粉または鉄基粉(これら
双方の混合物の場合も含む)を、実質的に純粋な水素雰
囲気下で閉鎖容器内で室温から第1の中間温度まで加熱
する。この場合、約250℃ないし350℃の温度範囲
が用いられ、好ましくは約300℃の温度、より好まし
くは約270℃の温度が用いられる。
【0023】ついで、閉鎖容器内にて実質的に純粋な水
素雰囲気が実質的に純粋な窒素雰囲気で置換され、この
粉体が第1の中間温度より高い第2の温度に加熱され
る。この場合、一般に少なくとも約550℃ないし65
0℃の温度が用いられ、好ましくは少なくとも約600
℃の温度が用いられる。しかし、一般に少なくとも約6
50℃ないし750℃の温度の温度を用いることがより
好ましい。
素雰囲気が実質的に純粋な窒素雰囲気で置換され、この
粉体が第1の中間温度より高い第2の温度に加熱され
る。この場合、一般に少なくとも約550℃ないし65
0℃の温度が用いられ、好ましくは少なくとも約600
℃の温度が用いられる。しかし、一般に少なくとも約6
50℃ないし750℃の温度の温度を用いることがより
好ましい。
【0024】ついで、この粉体は不活性雰囲気下で粉体
の酸化がもはや実質的に生じない温度に冷却される。一
般にこの冷却は室温に近い温度に戻すことを含む。ここ
に用いられている水素または窒素について”実質的に純
粋な”という用語は、少なくとも約99容量%、好まし
くは少なくとも約99.9容量%の純度を意味する。
の酸化がもはや実質的に生じない温度に冷却される。一
般にこの冷却は室温に近い温度に戻すことを含む。ここ
に用いられている水素または窒素について”実質的に純
粋な”という用語は、少なくとも約99容量%、好まし
くは少なくとも約99.9容量%の純度を意味する。
【0025】さらに、”実質的に脱炭を生じさせること
なく”という用語は、一般に処理後の粉体の炭素量が処
理前のものに対し少なくとも約75%、好ましくは少な
くとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%含
有していることを意味する。
なく”という用語は、一般に処理後の粉体の炭素量が処
理前のものに対し少なくとも約75%、好ましくは少な
くとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%含
有していることを意味する。
【0026】さらに、”酸化がもはや実質的に生じな
い”という用語は、窒素のような不活性または非酸化ガ
スが用いられた中で、もはやさらなる酸化が殆ど生じな
い温度の状態を意味する。
い”という用語は、窒素のような不活性または非酸化ガ
スが用いられた中で、もはやさらなる酸化が殆ど生じな
い温度の状態を意味する。
【0027】以下に本発明の具体的な実施例に基づいて
説明するが、本発明は当然これに限定されるものではな
い。 (実施例)上述のカーボニル鉄粉を用い、バッチ炉内で
以下の加熱スケジュールに従って処理した。すなわち、
270℃までは毎分4℃の加熱速度、ここで30分保持
したのち、再び毎分4℃の加熱速度で700℃まで昇温
し、ついで冷却する。
説明するが、本発明は当然これに限定されるものではな
い。 (実施例)上述のカーボニル鉄粉を用い、バッチ炉内で
以下の加熱スケジュールに従って処理した。すなわち、
270℃までは毎分4℃の加熱速度、ここで30分保持
したのち、再び毎分4℃の加熱速度で700℃まで昇温
し、ついで冷却する。
【0028】270℃までは、ガスは炉を通した後の露
点が−30℃の純粋な水素であり、270℃以上では露
点が−25℃の純粋な窒素である。炉の容量は5リット
ル、一度に30gの粉体を処理しガス流量は1リットル
/分であった。この粉体の炭素量および酸素量はそれぞ
れ0.86重量%および0.315重量%であった。処
理の後の弛い粉体圧縮体の炭素量および酸素量はそれぞ
れ0.84重量%および0.040重量%であった。し
たがって、脱炭は殆どなく、酸化物の殆どが還元され
た。700℃での処理後、この弛い粉体圧縮体は乳鉢と
乳棒を用いて簡単に粉体に砕くことができた。
点が−30℃の純粋な水素であり、270℃以上では露
点が−25℃の純粋な窒素である。炉の容量は5リット
ル、一度に30gの粉体を処理しガス流量は1リットル
/分であった。この粉体の炭素量および酸素量はそれぞ
れ0.86重量%および0.315重量%であった。処
理の後の弛い粉体圧縮体の炭素量および酸素量はそれぞ
れ0.84重量%および0.040重量%であった。し
たがって、脱炭は殆どなく、酸化物の殆どが還元され
た。700℃での処理後、この弛い粉体圧縮体は乳鉢と
乳棒を用いて簡単に粉体に砕くことができた。
【0029】本発明は広範な用途に適用することができ
る。例えば鉄粉の合成ののち、その酸化物を還元するの
にこの方法を適用することができ、正確な炭素量と酸素
不純物を含まない粉体を得ることができる。この粉体は
ついで従来の金型圧縮または射出成形により処理するこ
とができる。焼結ののち、炭素濃度を変える虞れのない
成形添加剤が用いられるならば、得られる部品は最初の
粉体のものと同じ正確な炭素量を有することになる。
る。例えば鉄粉の合成ののち、その酸化物を還元するの
にこの方法を適用することができ、正確な炭素量と酸素
不純物を含まない粉体を得ることができる。この粉体は
ついで従来の金型圧縮または射出成形により処理するこ
とができる。焼結ののち、炭素濃度を変える虞れのない
成形添加剤が用いられるならば、得られる部品は最初の
粉体のものと同じ正確な炭素量を有することになる。
【0030】種々のガス組成物における加熱処理の後の
弛い粉体圧縮体の炭素量および酸素量を以下の表1に示
す。また、この表1の結果を図1(図1A〜図1D)に
示す。
弛い粉体圧縮体の炭素量および酸素量を以下の表1に示
す。また、この表1の結果を図1(図1A〜図1D)に
示す。
【0031】ここで、図1Aは純粋なN2 雰囲気で得ら
れた結果を示し、生成したH2 O、CO、およびCO2
の量が示されている。図1BはN2 /H2 (15/8
5)雰囲気で得られた結果を示し、生成したH2 Oおよ
びCH4 の量が示されている。
れた結果を示し、生成したH2 O、CO、およびCO2
の量が示されている。図1BはN2 /H2 (15/8
5)雰囲気で得られた結果を示し、生成したH2 Oおよ
びCH4 の量が示されている。
【0032】図1CはN2 /H2 (50/50)雰囲気
で得られた結果を示し、生成したH2 OおよびCH4 の
量が示されている。図1Dは純粋なH2 雰囲気で得られ
た結果を示し、生成したH2 OおよびCH4 の量が示さ
れている。
で得られた結果を示し、生成したH2 OおよびCH4 の
量が示されている。図1Dは純粋なH2 雰囲気で得られ
た結果を示し、生成したH2 OおよびCH4 の量が示さ
れている。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
脱炭が殆ど生じることがなく、酸化物の殆どが還元さ
れ、正確な炭素量と酸素不純物を含まない粉体を得るこ
とができる。
脱炭が殆ど生じることがなく、酸化物の殆どが還元さ
れ、正確な炭素量と酸素不純物を含まない粉体を得るこ
とができる。
【図1】図1A〜図1Dはそれぞれ異なる雰囲気で鉄粉
を処理したときの効果を説明するための線図である。
を処理したときの効果を説明するための線図である。
フロントページの続き (72)発明者 ランダル・エム・ジャーマン アメリカ合衆国、ペンシルバニア州 16801、ステート・カレッジ、オウター・ ドライブ 1145
Claims (10)
- 【請求項1】 実質的に脱炭を生じさせることなく鉄粉
から酸素不純物を除去する炭素含有無酸化物鉄粉または
鉄基粉の製造方法であって、 (a)鉄粉または鉄基粉を、閉鎖容器内で実質的に純粋
な水素雰囲気下で室温から第1の中間温度に加熱する工
程、 (b)この閉鎖容器内の実質的に純粋な水素雰囲気を実
質的に純粋な窒素雰囲気で置換し、ついで該鉄粉または
鉄基粉を第1の中間温度より高い第2の温度に加熱する
工程、 (c)不活性雰囲気下にて該鉄粉または鉄基粉を、酸化
がもはや実質的に生じない温度まで冷却する工程、 (d)上記閉鎖容器から該鉄粉または鉄基粉を除去する
工程、とを具備し、上記第1および第2の温度が、実質
的に脱炭を生じさせることなしに該鉄粉または鉄基粉中
の実質的にすべての酸化物不純物を還元するのに十分な
温度であることを特徴とする炭素含有無酸化物鉄粉また
は鉄基粉の製造方法。 - 【請求項2】 上記第1の温度が250℃ないし350
℃であることを特徴とする請求項1記載の炭素含有無酸
化物鉄粉または鉄基粉の製造方法。 - 【請求項3】 上記第1の温度が270℃であることを
特徴とする請求項2記載の炭素含有無酸化物鉄粉または
鉄基粉の製造方法。 - 【請求項4】 上記密封系を室温から上記第1の中間温
度まで連続的に加熱することを特徴とする請求項1ない
し3項のいずれかに記載の炭素含有無酸化物鉄粉の製造
方法。 - 【請求項5】 上記第1の中間温度を少なくとも数分間
保持することを特徴とする請求項1ないし4項のいずれ
かに記載の炭素含有無酸化物鉄粉の製造方法。 - 【請求項6】 上記第1の中間温度を30分間保持する
ことを特徴とする請求項1ないし4項のいずれかに記載
の炭素含有無酸化物鉄粉の製造方法。 - 【請求項7】 上記保持期間において水素を窒素に置換
することを特徴とする請求項1ないし6項のいずれかに
記載の炭素含有無酸化物鉄粉の製造方法。 - 【請求項8】 上記保持期間の初めにおいて水素を窒素
に置換することを特徴とする請求項1ないし7項のいず
れかに記載の炭素含有無酸化物鉄粉の製造方法。 - 【請求項9】 上記第2の温度が少なくとも600℃で
あることを特徴とする請求項1ないし8項のいずれかに
記載の炭素含有無酸化物鉄粉の製造方法。 - 【請求項10】 上記第2の温度が650℃ないし75
0℃であることを特徴とする請求項1ないし8項のいず
れかに記載の炭素含有無酸化物鉄粉の製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US888644 | 1992-05-27 | ||
| US07/888,644 US5234489A (en) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | Process for reducing oxides contained in iron powder without substantial decarburization thereof |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06184608A true JPH06184608A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=25393583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5124459A Pending JPH06184608A (ja) | 1992-05-27 | 1993-05-26 | 鉄粉中の酸化物を脱炭なしで還元する方法 |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5234489A (ja) |
| EP (1) | EP0576312A3 (ja) |
| JP (1) | JPH06184608A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5713982A (en) * | 1995-12-13 | 1998-02-03 | Clark; Donald W. | Iron powder and method of producing such |
| US5958156A (en) | 1996-03-15 | 1999-09-28 | Kemp Development Corporation | Process for treating a particulate material within a rotating retort |
Family Cites Families (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| BE792840A (fr) * | 1971-12-30 | 1973-03-30 | Ampex | Particules de fer magnétique aciculaires stables |
| US3904448A (en) * | 1973-01-04 | 1975-09-09 | Victor Company Of Japan | Method for preparing magnetic alloy powder by surface nitriding |
| US4190440A (en) * | 1977-06-24 | 1980-02-26 | American Can Company | Process for fabricating steel from ferrous metal particles |
| JPS60106901A (ja) * | 1983-11-15 | 1985-06-12 | Toyota Motor Corp | 粉末冶金用高成形性鉄粉 |
| JPS6342301A (ja) * | 1986-08-06 | 1988-02-23 | Yoshikawa Kogyo Co Ltd | 脱炭鉄粉の製造方法 |
| EP0361698B1 (en) * | 1988-09-05 | 1993-06-23 | Mitsubishi Petrochemical Company Limited | Carbon-containing magnetic metal powder |
| JPH02156001A (ja) * | 1988-12-09 | 1990-06-15 | Tosoh Corp | 強磁性鉄粉の製造法 |
-
1992
- 1992-05-27 US US07/888,644 patent/US5234489A/en not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-05-24 EP EP93401319A patent/EP0576312A3/en not_active Withdrawn
- 1993-05-26 JP JP5124459A patent/JPH06184608A/ja active Pending
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5234489A (en) | 1993-08-10 |
| EP0576312A2 (en) | 1993-12-29 |
| EP0576312A3 (en) | 1995-02-15 |
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