JPH06184660A - Ti3 Alの製造方法 - Google Patents

Ti3 Alの製造方法

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JPH06184660A
JPH06184660A JP18509993A JP18509993A JPH06184660A JP H06184660 A JPH06184660 A JP H06184660A JP 18509993 A JP18509993 A JP 18509993A JP 18509993 A JP18509993 A JP 18509993A JP H06184660 A JPH06184660 A JP H06184660A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はチタン(Ti)とアルミニウム(A
l)の金属間化合物Ti3 Alをマグネシウムを還元剤
として所定の組成で高純度のTi3 Alを少ないエネル
ギーで量産する製造法を提供することを目的とするもの
である。 【構成】 酸化物である二酸化チタンと酸化アルミニウ
ムをTiとAlの組成が金属間化合物Ti3 Alの組成
になるようTi:Al≧75:25に配合し混合することに
よりチタンとアルミニウムの原子を可能な限り微細かつ
均一に配合させた酸化物混合体を作る第1工程と、この
酸化物混合体に750 ℃〜1200℃の温度範囲の高温下でマ
グネシウム(Mg)を作用させて還元する第2工程と、
合成された金属間化合物Ti3 Alから、副成するMg
Oを、水、または酸性水溶液等の溶媒で溶解除去し、金
属間化合物Ti3 Alのみを純粋に取り出す第3工程と
より成ることを特徴とするTi3 Alの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチタン(Ti)とアルミ
ニウム(Al)の金属間化合物Ti3 Alをマグネシウ
ムを還元剤として所定の組成で高純度で少ないエネルギ
ーで量産する製造法に関するものである。
【0002】本発明の方法によって製造される多量の高
純度のTi3 Alを使用することにより、金属間化合物
Ti3 Alの微粉体、大型焼結体の形成が可能となっ
て、新材料技術の進展に寄与し得る。これらの成形体は
軽量で高強度であり耐熱性を兼ね備えているために、こ
れらを素材として各種機器に組み込まれ、例えば、航空
機や宇宙関連機器、深海艇などの海洋関連機器や磁気浮
上列車などの交通関連機器などを構成する機械構造材
料、ジェットエンジン又は自動車用エンジン或いは発電
機用タービン等に使われるタービンブレード等の高温利
用動力発生装置等、各種の応用分野に使用されることが
期待されている。
【0003】
【従来の技術】優れた耐熱性、耐食性、および機械的強
度を有するチタン基の金属間化合物は軽量であるため、
航空機、宇宙船、深海艇などに必要な次世代の高機能材
料として期待されている。とりわけ、チタン(Ti)と
アルミニウム(Al)の合金であるTi3 Al,TiA
l,TiAl3 は、チタンとアルミニウム原子が強固に
結合した比重の小さい高強度の金属間化合物であるた
め、チタン基の金属間化合物の中でも最も大きな期待が
寄せられている。
【0004】上記の3つの金属間化合物を含むチタンと
アルミニウムの合金状態図を図1に示した。これによ
り、TiAl(図中1の領域)及びTiAl3 (図中2
の領域)はTi−Alの合金液体3の領域から直接形成
することが出来る。すなわち、これら2つの化合物は一
般的な合金の製造方法である (1)純金属の製造と(2)溶
解混合・凝固との2つの方法の組合せからなる製造方法
を適用できる。一方、チタン75モル%、アルミニウム25
モル%の組成の液体からは高温相のβ−Ti(図中5の
領域)が形成するため、Ti3 Al(図中4の領域)は
以上の方法では製造できなかった。
【0005】従って金属間化合物Ti3 Alの製造方法
は、もう一つの一般的な金属間化合物の製造方法であ
る、金属粉末の焼結による方法も適用されている。これ
は金属チタンとアルミニウムの微細な粉末をチタン75モ
ル%、アルミニウム25モル%の組成になるように混合・
加圧成形し、1500K(1227℃)以下の温度で加熱して反
応させるものである。この方法では焼結反応速度が遅
く、Ti粒子の表面に薄い膜としてTiAlやTiAl
3 が形成され易く、均質なTi3 Alを純粋な単体とし
て取り出すことは困難である。
【0006】よって、従来のTi3 Alの製造方法は、
先述の (1)と (2)からなる一般的な方法に均質化処理を
加えた複合工程からなるのが一般的である。図2にその
工程全体の概略図を示した。これを工程順に説明すると
次の通りである。まず第1工程は、鉱石中に酸化物、す
なわち二酸化チタンおよび酸化アルミニウムの形態で存
在するチタンとアルミニウムとを純粋な酸化物の形態で
取り出し、それぞれの製錬工程を経て金属チタン及び金
属アルミニウムを得る工程である。この製錬工程はすで
に確立された産業技術を用いている。第2工程は、チタ
ンとアルミニウム金属を目標のチタン75%、アルミニウ
ム25%の組成になるよう溶解し、混合させる工程であ
る。この方法で得た合金液体を凝固させ、高温相のβ−
Tiを形成させる。第3工程は、図1に示したTi3
lが安定に存在する温度範囲(図中4の領域)、すなわ
ち約1500K(1227℃)以下の温度に充分長い時間保持す
ることによって高温相のβ−Tiを分解させ、チタンと
アルミニウムの原子の拡散混合を待ち、均一なTi3
lを合成させる工程である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上の方法では、以下
に列記するいくつかの問題点が存在していた。 (1) チタン鉱石中に存在する不純物であるアルミニウム
及びアルミニウム鉱石中に存在する不純物チタンを製錬
工程で除去した後、改めてチタンとアルミニウムの両者
を混合するという非経済的な工程となる。
【0008】(2) 金属チタンと金属アルミニウムの融点
はそれぞれ1943K(1670℃)及び933K(660 ℃)であ
って極端に大きな差があり、両者を融解させるには高度
の技術が必要である。さらに、活性な金属であるチタン
とアルミニウムを混合するために、両者を2000K(1727
℃)近い高温で、かつ真空中あるいは不活性ガス中で加
熱する技術が必要である。またこの時、アルミニウムの
蒸気圧がチタンに比べ非常に大きくなり、アルミニウム
が合金液体から蒸発するために、所定の組成のTi3
lを均一に多量に得ることは難しい。
【0009】(3) チタン75%、アルミニウム25%の組成
では、高温でβ−Tiが熱力学的に安定であるため、図
1で領域4で示される低温のTi3 Al安定温度範囲で
熱処理を行っても、完全には相変態が完了せず、不純物
として未反応のβ−Tiが混入しやすい。さらに、金属
間化合物の結晶格子内部での原子の配列が乱れたりする
ために、得られた金属間化合物の特性は理論上予測され
ているものには及ばなかった。
【0010】(4) 従来の製造方法では、3つのプロセス
が別個に行われるために、チタンとアルミニウムの製
造、合金液体の製造、及び高温相のβ−Tiの分解に要
する熱処理等にそれぞれ大きな熱エネルギーと時間と費
用とを要し、結果として高価な製造方法となっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決することにより、高強度でかつ耐熱性・耐食性が
あり軽量であることから次世代材料として期待されてい
るチタン(Ti)とアルミニウム(Al)の金属間化合
物Ti3 Alを任意の組成で高純度にしかも少ないエネ
ルギーで製造する量産型製造方法を開発しようとしたも
のである。
【0012】本発明は、酸化物である二酸化チタンと酸
化アルミニウムをTiとAlの組成が金属間化合物Ti
3 Alの組成になるように配合し混合することによりチ
タンとアルミニウムの原子を可能な限り微細かつ均一に
配合させた酸化物混合体を作る第1工程と、この酸化物
混合体に750 ℃〜1200℃の温度範囲の高温下でマグネシ
ウム(Mg)を作用させて還元する第2工程と、合成さ
れた金属間化合物Ti3 Alから、副成するMgOを、
水、または酸性水溶液、塩化アンモニム水溶液等の溶媒
で溶解除去し、金属間化合物Ti3 Alのみを純粋に取
り出す第3工程とより成ることを特徴とするTi3 Al
の製造方法にある。
【0013】本発明の他の目的とする所は、前記酸化物
の混合体を造る第1工程は所定配合の二酸化チタンと酸
化アルミニウムを機械的に混ぜ合せる乾式混合によるT
3Alの製造方法を提供するにある。
【0014】本発明の他の目的とする所は、前記酸化物
混合体を造る第1工程は、所定配合の四塩化チタンと塩
化アルミニウムとを燐酸性水溶液に混合、溶解させ、次
にアンモニア水で中和し、得られたコロイド状の白色沈
殿を乾燥、脱水し酸化物混合体を得る湿式混合によるT
3 Alの製造方法を提供するにある。
【0015】本発明の他の目的とする所は、前記酸化物
混合体を造る第1工程は、所定配合の二酸化チタンと酸
化アルミニウムとの混合物を高温に加熱し溶解混合し、
冷却して、酸化物混合体を得るTi3 Alの製造方法を
提供するにある。
【0016】
【作用】本発明は金属間化合物Ti3 Alの製造方法と
して、(A)TiとAl原子の微細混合、(B)Tiと
Al原子の相互拡散の促進、及び(C)Ti3 Al結晶
の均一化、(D)不純物除去などの相乗効果の結果とし
て、Ti3 Alの合成が可能になるとの知見を得、鋭意
研究の結果、大略以下のような3つの工程の組合せに基
づく製造方法を発明するに至った。
【0017】第1工程 酸化物である二酸化チタンと
酸化アルミニウムとを配合し、混合することによりチタ
ンとアルミニウムの原子を可能な限り微細かつ均一に配
合させた酸化物混合体を作る。
【0018】第2工程 この酸化物混合体に750 ℃〜
1200℃の温度範囲の高温下でマグネシウム(Mg) を作
用させて還元する工程であり、この還元の過程におい
て、チタン及びアルミニウム原子と結合している酸素
を、Mgによって切り放すと同時に、TiとAlの結合
を促進させる工程である。この結果、粉末状の金属間化
合物Ti3 Alが酸化マグネシウム(MgO) とともに
合成される。
【0019】第3工程 合成された金属間化合物Ti
3 Alから、副成するMgOを溶解除去し、金属間化合
物Ti3 Alのみを純粋に取り出す工程である。
【0020】
【実施例】本発明の方法につき、以下にその具体的実施
例に基づいて説明する。 (1) 本発明のTi3 Alの製造方法は、鉱石から種々の
方法で抽出された二酸化チタン(TiO2 )と酸化アル
ミニウム(Al2 3 )を出発原料にする。これらをT
i/Alのモル比が3/1になるように秤量し混合す
る。この混合比は最終的に得られる金属間化合物の組成
で定める。Ti3 Alの非化学量論組成範囲に応じて、
Alの組成を13原子%から49原子%まで変化させること
が本発明では可能である。ただし純粋な金属間化合物T
3 Alを得るためには、TiO2 とAl2 3 に含ま
れるTiとAlの組成はAlの組成で22原子%から37原
子%までの範囲とすることがよい。以下に示す実施例は
Alの組成が25原子%の場合である。
【0021】図3(A)に示すように、一般に乳鉢やボ
ールミル等で十分に機械的に混ぜ合わせて乾式混合し、
酸化物混合体(I)を得るが、この方法では1μm(ミ
クロン)以下のものが得られる。これに対し図3(B)
に示すように、TiO2 とAl2 3 とをAl2 3
融点である1994〜2072℃以上に加熱して酸化物混合液体
にした後、冷却することによっても均一に混合した酸化
物混合体(II)を得ることができる。この場合には冷却後
の酸化物(II)は粉末X線回折測定の結果、TiO2 と複
合酸化物である10ミクロン以下のβ−TiO2 ・Al2
3 との混合物であった。
【0022】また図3(C)に示すように、水溶液を利
用することもできる。この場合は出発物質として鉱石か
ら金属チタンを製造する工程で中間生成物として形成さ
れる四塩化チタン(TiCl4 )を用い、これと塩化ア
ルミニウム(AlCl3 )とを塩酸酸性水溶液にTi/
Alのモル比が3/1になるように秤量し、冷却しなが
ら混合・溶解させる。この水溶液をアンモニア水に滴下
し、中和反応によりコロイド状の白色沈殿を得る。この
時、中和水溶液の pHを4〜9程度に制御して水溶液中
のアルミニウムのイオンが再溶解しないようにする。得
られた白色の析出物を約80℃で乾燥・脱水して酸化物混
合体(III) とする。これは分析の結果、0.5 ミクロン以
下の酸化チタン・水酸化チタン・酸化アルミニウム・水
酸化アルミニウムの混合物が得られ、これは非晶質体で
あった。
【0023】本発明では、図3(D)に示す次の方法も
可能であった。TiO2 と硫酸アルミニウム(Al
2 (SO4 3 )とをTi/Alのモル比が3/1にな
るように秤量し、TiO2 は硫酸アンモニウムを加えた
熱濃硫酸に溶解し、Al2 (SO4 3 は温水に溶解し
た後、それぞれ氷冷した。液温が50℃以上にならないよ
うに注意し、氷冷しながら両水溶液を混合し、これにア
ンモニア水を注いで中和しゲル状の白色沈殿物を得た。
この水酸化物沈殿を純水で十分洗浄した後、約80℃で乾
燥・脱水することによっても白色粉末(IV)を得た。これ
は粉末X線回折測定の結果、非晶質体であり、エネルギ
ー分散型X線分光装置を付属した走査型電子顕微鏡(X
線マイクロアナリシス、XMA)では、装置の分解能の
約0.5 〜0.1 μm 以下で、TiとAlの原子が均一に分
散していることがわかった。
【0024】この白色粉末(IV)をさらにアルミナボート
にのせ、大気中900 ℃で数時間焼成することで酸化物混
合体(V)を得た。この操作は白色粉末(IV)に含まれる
微量の硫酸イオンを除去するためのものである。複合酸
化物(V)は粉末X線回折測定ではα−Al2 3 とル
チル相になっていた。XMA分析の結果、イオウ分は検
出されず、またTiとAlの原子が均一に3対1の比で
分散していることがわかった。
【0025】以上に説明した、(I)〜(V)の5種類
の酸化物混合体を製造する方法の概略を図3(A),
(B),(C)及び(D)にまとめて示した。(I)〜
(V)の5種類の酸化物混合体を準備して以下に説明す
る工程の試験を行ったところ、TiとAlの微細混合と
いう点で相違は生ぜず、本発明で得られるTi3 Alの
製造にはなんら相違はないという結果が得られた。ただ
し、(IV)に含まれる微量の硫酸イオンに由来するイオウ
は、最終的に製造される金属間化合物Ti3 Alに移行
し、高純度Ti3 Alの製造という観点からは望ましい
酸化物混合体ではなかった。従って、最も簡便な操作で
熱エネルギーも他の試薬も不要で混合できる(I)の酸
化物混合体を以下の工程に用いるのが経済上望ましいも
のと判断される。
【0026】(2) 上記の酸化物混合体を750 ℃〜1200℃
の温度範囲の高温下でマグネシウム(Mg)を作用させ
て還元する。この還元の過程における反応装置の実施の
一例を図4に示した。
【0027】図4に示すように、酸化物混合体7をその
約1.0 gをモリブデン製受け皿8に乗せ、あらかじめ底
にマグネシウム(Mg)粒9を敷き詰めたステンレス製
の薄い底板10の上に、Mgと直接接触しないように台11
で隔離して設置した。酸化物混合体1はステンレス製容
器12とも接触しないようにモリブデン製隔壁13により隔
離されている。これらは容器12と底板14を施してアルミ
ナ製反応管15内に収めた。次に、反応管15内の空気をア
ルゴンガス16で置換後、加熱し、これを750 ℃〜1200℃
の温度範囲で、1時間ないし72時間程度保持した後、冷
却した。
【0028】ここで還元剤としてMgを用いたのは、特
に酸素と強い親和力を持つTi及びAlを還元するため
である。また空気を排気するのは、空気中の酸素及び試
料中の水分による還元剤の消耗を防止するためと、窒素
によるチタン窒化物の形成を防止するためである。
【0029】上記の操作によって起こる密閉されたステ
ンレス製容器内の化学反応は以下のようである。すなわ
ち、750 ℃〜1200℃の下ではMgは液体となって蒸気を
発生し、容器内にその飽和蒸気が充満する。このMg蒸
気は、TiO2 +Al2 3の混合粉体に作用してTi
−Al合金にまで還元し、自らは酸化マグネシウム(M
gO)の固体に変化して合金粒子の周囲に堆積する。
【数1】6TiO2 +Al2 3 +15Mg(gas) = 〔6Ti・2Al〕+15MgO ---- (1) 上記の化学反応式における合金(〔6Ti・2Al〕)
は、粉末X線回折測定の解析結果によれば、Ti3 Al
の形の化合物である。すなわち、上記の還元反応と同時
に次式で示される化合物の形成反応が進行している。
【数2】〔6Ti・2Al〕=2Ti3 Al ---- (2) 以上、説明した反応はMgの蒸気を利用したものであ
る。本発明による化学反応は、Mgの気体状態を用いず
に、Mgの固体状態あるいは液体状態を用いてもよい。
【0030】以下にこの考え方に基づく実施例を示す。
また、還元反応を完全に実施させるためには、還元剤と
酸化物混合物を内蔵する反応容器の密閉性を高めること
が必要かつ重要であり、特に留意する必要がある。
【0031】密閉するためには空気を排気した後、ステ
ンレス容器を溶接などの接合の方法によって外気と遮断
する方法が一般的であり、本発明に対してもこの方法を
用いることができる。しかしながら、この方法では還元
反応終了後に容器内部の試料などを取り出すためには容
器を破壊しなくてはならない。従って、ステンレス容器
の再利用を目的として、本発明では、図4及び図5に示
した装置を開発し使用したものである。たとえば図4で
示した方法では、容器12とステンレス製の薄い底板10を
挟むように上板21と底板14をボルト22で上下から圧着す
ることによって、還元剤の流出と外部からの酸素ガス等
の流入を防いでいる。還元反応終了後にはボルトを緩め
ることによって簡単に容器内の試料などを回収できる仕
組みとなっている。
【0032】図5に示したのは、図4に示した還元容器
に相当する部分の概略図であり、これらの還元容器は、
図4に示したアルミナ反応管15の内部に組み込まれ、さ
きに説明したように加熱されるものである。
【0033】図5(a)はコップ状のステンレス容器12
の開口部を上に向けて設置したものである。その他の配
置は図4に示したと同じである。この設置方法は設置方
法が簡便であるが、図4で説明した方法及び以下に説明
する方法に比べて反応容器内部の還元剤が漏れ易い欠点
があった。
【0034】図5(b)はMgの液体状態を利用して酸
化物混合体7の還元を行うための方法を示したものであ
る。塊状のMg9をモリブデン製の隔壁筒13の中に酸化
物混合体7と共に入れて直接接触させる。塊状のMgは
反応温度では溶解して液体となる。なお、コップ状のス
テンレス容器12は開口部を下に向けて設置され、薄いス
テンレス製底板10はステンレス製上板21及び底板14と共
にボルト22によって挟み込まれる。薄いステンレス製底
板10の上には還元剤と同質のMg粒9を置く。これは還
元温度では液体となってステンレス製の底板10とコップ
状ステンレス容器12の空隙を埋め、シール剤の役割を果
たす。
【0035】横型の電気炉を使用して多量にTi3 Al
を得る他の実施例を図6に示す。酸化物混合体24は電気
炉25の中心部分にある均熱帯にあり、ステンレス製パイ
プ26の内壁に接しないようにモリブデン製の受け皿27の
内部に装填される。マグネシウムの蒸気で還元する場
合、酸化物混合体24の下部28に化学量論的に還元に必要
な量の3倍の固形のマグネシウムMgを設置した。モリ
ブデン製の筒の両側にはステンレス棒29がおいてあり、
ステンレスパイプ26との空隙は僅かしかないようにステ
ンレス棒29の外径が調節してある。パイプ26の内部を真
空に排気した後コック30を閉じ、電気炉25を所定の還元
温度まで加熱する。均熱帯状部分の温度を還元に必要な
所定の温度に保ったとき、マグネシウム蒸気は酸化物混
合体24に作用して酸化物を還元する。この反応と同時
に、マグネシウム蒸気は低温部分へと向ってステンレス
製パイプ26の内壁とステンレス棒29の空隙を流れるが、
融点以下の温度のシール部分31でマグネシウム蒸気は固
体となり、この空隙を塞ぐ。このように過剰に存在する
マグネシウムのうち還元に寄与しないマグネシウムは、
それ自身シール材として働くことになる。所定時間保持
の後、電気炉25を冷却し、ステンレス製パイプ26を切断
して管内の試料を取り出す。なお、この方法ではステン
レス製パイプ26の内部に雰囲気ガスを導入すると、ガス
の熱膨張によるシール部分31の破壊を招くので避ける必
要がある。図6に示した方法は反応容器を溶接などによ
り加工する必要もなく、還元材の漏洩を防ぐことが出来
るので、図4に示した方法に比べ還元反応を完全にする
ことが出来る長所がある。
【0036】(3) 上記の還元反応の結果得られた粉末は
粉末X線回折測定の結果次のような物質からなってい
た。還元剤としてマグネシウムを用いた場合、酸化マグ
ネシウム(MgO)と金属間化合物Ti3 Al、及び未
反応のマグネシウムであった。従って、上記還元反応の
結果得られた粉末から金属間化合物Ti3 Alのみを取
り出す精製のために湿式分離を行った。
【0037】還元剤としてマグネシウムを用いた場合に
は、酸性水溶液たとえば希塩酸水溶液内でMgOと未反
応のマグネシウムを溶解分離し、化合物粉末に精製し回
収した。
【0038】ここで精製のための湿式分離試薬として金
属マグネシウムの分離には工業的には第1段階の処理と
して水の使用が有効である。しかしながら水のみでは完
全な除去精製が不可能であるために、第1段階の処理と
して、水で大まかな湿式分離を行なった後、さらに以上
に説明したように第2段階の処理として残留する不純物
を除去する必要がある。このためには鉱酸の他、酢酸や
シュウ酸などの有機酸も使用が可能である。MgOの分
離には酸性水溶液が有効であった。普通、鉱酸たとえば
塩酸の希薄水溶液は入手し易く安価であるため、経済上
好ましい。
【0039】また、精製のための湿式分離にあたり、水
溶液に機械的な攪拌ないしは超音波振動を加え、さらに
約50℃に加熱すると、精製が効果的に行われ湿式分離時
間を短縮できるほか、不純物の混入も低減される。精製
用の水溶液に不活性ガスたとえばアルゴンガスを吹き込
むと水溶液中の溶存酸素量が低減され、金属間化合物T
3 Al粉末に付着する酸素が減少し、より高純度な化
合物を得ることができる。湿式分離中に水溶液にガスを
吹き込むと水溶液が攪拌されるために精製が効率よく行
われるので好ましい。
【0040】(4) マグネシウム蒸気によって900 ℃で還
元後、塩酸水溶液で副生成物を除去した試料金属間化合
物Ti3 AlについてCoKα特性のX線による粉末X
線回折測定を行った結果の一例を図7(a)に示した。
図7(a),(b),(c)はそれぞれの2時間、6時
間、12時間還元した試料を検討の結果、いずれもTi3
Alのみの回折図形を示している。結晶粒度に起因する
ピークの広がりが還元時間とともにシャープになり、還
元合成された結晶粉末の粒度が大きくなり、また欠陥の
少ない結晶に合成されていくことがわかる。
【0041】一般に還元時間が長いほど、また還元温度
が高いほど得られる粉末の粒子径は大きくなる。このよ
うに還元剤と還元温度と還元時間を制御すれば、所望の
粉末粒度を得ることができるのも、本発明の特徴であ
る。
【0042】以上に説明した工程全体の概略を図8にま
とめて示した。これを工程順に説明すると次の通りであ
る。 〔第1工程〕酸化物粉末の均質混合:二酸化チタン(T
iO2 )と酸化アルミニウム(Al2 3 )を出発原料
にする。これらをTi/Alのモル比が、所望の金属間
化合物Ti3 Al内のTi/Alのモル比3対1に一致
するように秤量し乳鉢あるいはボールミル等で充分混合
し、均質な酸化物混合体を得る工程である。この工程は
図8に示した工程以外に図3に詳細を示した別工程があ
り、図3(A),(B),(C),(D)の4種類の方
法で酸化物混合体を得ることができる。
【0043】〔第2工程〕還 元:酸化物混合体をマグ
ネシウムと共に還元容器に設置し、これを電気炉内にセ
ットし、雰囲気ガスに置換後、昇温し、所定温度に所定
時間保持して還元し、還元粉末を得る工程である。
【0044】〔第3工程〕精 製:還元粉末を冷却して
容器より取り出し、塩化アンモニウムまたは希塩酸で洗
浄する湿式処理によって、酸化マグネシウム及び未反応
のマグネシウムを溶解分離し、精製した高純度の金属間
化合物Ti3 Alの粉末を得る工程である。
【0045】
【発明の効果】本発明によると、チタンとアルミニウム
の金属間化合物Ti3 Alの単体を高純度でしかも、多
量生産で安価に粉末状または塊状で得られる。本発明に
よる金属間化合物Ti3 Alの単体粉末を粉末冶金法に
適用することによって、切削溶接加工が少なくて済む製
品形状に近い大型焼結体を形成し、各種装置として構造
物に直接組み込める。また焼結体は、スパッタリングや
真空蒸着のターゲット材料にも使用でき、各種の構造物
の表面処理を行い、耐熱性を高め、機械強度を向上させ
ることができる。
【0046】本発明による金属間化合物Ti3 Alを組
み込んだ各種製品は軽量で優れた熱性、耐食性、高い機
械強度を有しており、製造価格が安い。金属間化合物T
3 Alを組み込んだ各種製品、たとえば、航空機や宇
宙船関連機器や深海艇など海洋関連機器や磁気浮上列車
などの交通関連機器等を構成する機械構造製品、ジェッ
トエンジンや自動車用エンジンや発電機用タービン等に
使われるタービンブレード等高温利用動力発生装置等に
使用され、本発明はこれらを安価に提供できる工業上大
いなる利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はチタンとアルミニウムの合金状態図であ
る。
【図2】図2は従来の金属間化合物Ti3 Alの製造工
程の工程図である。
【図3】図3は酸化物混合体の製造方法を示した工程図
である。
【図4】図4は酸化物混合体を還元・合成するための反
応装置の実施の一例を示す略図である。
【図5】図5(a)は酸化物混合体をマグネシウムの蒸
気で還元するための容器を示す図であり、図5(b)は
酸化物混合体をマグネシウムの液体で還元するための容
器を示す図であり、図5(c)は酸化物混合体をマグネ
シウムで還元するための容器を示す図である。
【図6】図6は横型の電気炉を使用した還元の過程にお
ける反応装置の実施の他の一例を示す図である。
【図7】図7(a)は、マグネシウム蒸気によって900
℃で2時間還元後、塩酸水溶液で副生成物を除去した試
料に対するCoKα特性X線による粉末X線回折測定結
果を示す回折図であり、図7(b)は、マグネシウム蒸
気によって900 ℃で6時間還元後、塩酸水溶液で副生成
物を除去した試料に対するCoKα特性X線による粉末
X線回折測定結果を示す回折図であり、図7(c)は、
マグネシウム蒸気によって900 ℃で12時間還元後、塩酸
水溶液で副生成物を除去した試料に対するCoKα特性
X線による粉末X線回折測定結果を示す回折図である。
【図8】図8は本発明工程の一例を示す工程系統図であ
る。
【符号の説明】
1 TiAl 2 TiAl3 3 合金液体 4 Ti3 Al 5 β−Ti 6 α−Ti 7 酸化物混合体 8 モリブデン製受け皿 9 Mg粒 10 ステンレス製の薄い底板 11 モリブデン製の台 12 ステンレス製容器 13 モリブデン製隔壁 14 ステンレス製の底板 15 アルミナ製の反応管 16 アルゴンガス 17 熱電対保護管 18 測温用熱電対 19 アルミナ製炉芯管 20 発熱体 21 ステンレス製上板 22 ボルト 23 アルミナ製スペーサ 24 酸化物混合体 25 電気炉 26 ステンレス製パイプ 27 モリブデン製受け皿 28 金属カルシウムの粒 29 ステンレス棒 30 コック 31 シール部分 32 発熱体 33 温度測定用熱電対 34 ゴムキャップ 35 モリブデン製の台
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】図5(a)は酸化物混合体をマグネシウムの蒸
気で還元するための容器を示す図であり、図5(b)は
酸化物混合体をマグネシウムの液体で還元するための容
器を示す図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】図7は、マグネシウム蒸気によって900 ℃でそ
れぞれ2時間(a)、6時間(b)及び12時間(c)で
還元後、塩酸水溶液で副生成物を除去した試料に対する
CoKα特性X線による粉末X線回折測定結果を示す回
折図である。
フロントページの続き (72)発明者 池澤 正志 京都府京都市左京区田中西樋ノ口町42番地 太田方

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物である二酸化チタンと酸化アルミ
    ニウムをTiとAlの組成が金属間化合物Ti3 Alの
    組成になるように配合し混合することによりチタンとア
    ルミニウムの原子を可能な限り微細かつ均一に配合させ
    た酸化物混合体を作る第1工程と、 この酸化物混合体に750 ℃〜1200℃の温度範囲の高温下
    でマグネシウム(Mg)を作用させて還元する第2工程
    と、 合成された金属間化合物Ti3 Alから、副成するMg
    Oを、水、または酸性水溶液等の溶媒で溶解除去し、金
    属間化合物Ti3 Alのみを純粋に取り出す第3工程と
    より成ることを特徴とするTi3 Alの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸化物の混合体を造る第1工程は所
    定配合の二酸化チタンと酸化アルミニウムを機械的に混
    ぜ合せる乾式混合による請求項1記載のTi3 Alの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸化物混合体を造る第1工程は、所
    定配合の四塩化チタンと塩化アルミニウムとを酸性水溶
    液に混合、溶解させ、次にアンモニア水で中和し、得ら
    れたコロイド状の白色沈殿を乾燥、脱水し酸化物混合体
    を得る湿式混合による請求項1記載のTi3 Alの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化物混合体を造る第1工程は、所
    定配合の二酸化チタンと酸化アルミニウムとの混合物を
    高温に加熱し溶解混合し、冷却して、酸化物混合体を得
    る請求項1記載のTi3 Alの製造方法。
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