JPH06184789A - 耐酸化性金属部材、メッキ液、及び回路装置 - Google Patents

耐酸化性金属部材、メッキ液、及び回路装置

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JPH06184789A
JPH06184789A JP4357173A JP35717392A JPH06184789A JP H06184789 A JPH06184789 A JP H06184789A JP 4357173 A JP4357173 A JP 4357173A JP 35717392 A JP35717392 A JP 35717392A JP H06184789 A JPH06184789 A JP H06184789A
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JP
Japan
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cyanide
metal
glass
alkali
circuit device
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Withdrawn
Application number
JP4357173A
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English (en)
Inventor
Kazuo Sunahara
一夫 砂原
Katsuhisa Nakayama
勝寿 中山
Toshihiro Ohashi
俊寛 大橋
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Lead Frames For Integrated Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大気中、500度以上で封着可能な回路装置を
得る。 【構成】酸化性を有する金属の表面に重量%で銀が30
〜99.5重量%、金が0.5〜70重量%、白金が0
〜35重量%、パラジウムが0〜60重量%、3B族元
素(B,Alを除く)が0.0001〜0.01重量%
からなる組成物被膜を形成したことを特徴とする耐酸化
性金属部材と、それを用いた金属端子を有する回路装置
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体パッケージのリ
ードピン等に適している耐酸化性金属部材を作製するた
めの耐酸化性金属部材及び耐酸化性金属部材を形成する
ためのメッキ液及びそれらを用いた回路装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属端子をガラスで封着した回路
装置、例えばIC、LSI収納用のメタルパッケージな
どは、500℃以上の高温条件で金属端子をガラス封着
するため、大気中でガラス封着を行うと、金属端子は大
気中の酸素により酸化されてしまう問題がある。そのた
め還元雰囲気中、例えば窒素、水素混合雰囲気中で酸化
を防止しながらガラス封着を行う方法がとられている。
【0003】しかし、還元雰囲気中でガラス封着を行う
ため、ガラスが還元され劣化し電気的、機械的特性、特
に、誘電損失や抗折強度が低下するという欠点があっ
た。
【0004】一方、従来、高温酸化性雰囲気下において
酸化性を有する金属に銀、金、パラジウム、白金のシア
ン化物からなる溶液中で電解メッキを行うことにより該
金属表面に銀、金、パラジウム、白金、の合金組成物を
形成し、耐酸化性を付与できることが知られている(特
開平3−146690号公報)。
【0005】しかし、銀、金、パラジウム、白金のシア
ン化物を単に混合した溶液をメッキ浴として用いて電解
メッキを行った場合、銀、金、パラジウム、白金の合金
析出物の粒子は異常成長を起こしボイドを含んだ粗なメ
ッキ被膜となりやすい。
【0006】そのため、900℃酸化性雰囲気加熱など
においては酸化腐食を防止することが可能であるが、そ
れ以上の過酷な製造条件、たとえば酸化性雰囲気100
0℃酸化性雰囲気加熱では酸化性腐食が進行し、機械
的、電気的な特性が低下するという欠点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が有していた前述の欠点を解消しようとするもので
あり、従来、知られていなかった耐酸化性金属部材とそ
れを形成するためのメッキ液及びそれらを用いた回路装
置を新規に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の問題点を
解決するべくなされたものであり、酸化性を有する金属
の表面に 銀 30〜99.5重量% 金 0.5〜70重量% 白金 0〜35重量% パラジウム 0〜60重量% 3B族元素(B,Alを除く) 0.0001〜0.
01重量% からなる組成物被膜を形成したことを特徴とする耐酸化
性金属部材と、前記酸化性を有する金属の表面に耐酸化
性被覆を形成するためのメッキ液であって、電解質溶液
中の固形分が実質的に シアン化銀アルカリ 2〜19mg/cc シアン化金アルカリ 3〜18mg/cc シアン化パラジウムアルカリ 0〜20mg/cc シアン化白金アルカリ 0〜20mg/cc シアン化アルカリ 10〜50mg/cc 3B族元素のシアン化物(B,Alを除く)0.01〜
0.05mg/cc からなることを特徴とするメッキ液を提供するものであ
る。
【0009】また、金属端子をガラスで封着した回路装
置であって、該金属端子として、前記の耐酸化性金属部
材を用い、大気中、500℃以上でガラス封着してなる
ことを特徴とする回路装置を提供するものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。まず本発
明の請求項1について説明する。本発明にかかる酸化性
を有する金属とは、一般的に、熱膨張係数が小さく酸化
性を有するNi−Co−Fe合金(商品名コバール)や
Ni−Fe合金(商品名42アロイ)、Ni−Cu合金
等をさすが、800℃以上の融点を有し空気中400℃
以上で表面に酸化皮膜を形成する金属ならば特には限定
されない。
【0011】これら合金は、熱膨張係数がセラミックス
に近いためセラミックス製の半導体パッケージのリード
ピンやシールリング等の金属部材として用いられてい
る。
【0012】本発明は、このような酸化性金属に耐酸化
性を付与する組成物として次の組成物をコーティングす
る。%は、特に記載しない限り重量%を意味する。 銀 30〜99.5% 金 0.5〜70% パラジウム 0〜60% 白金 0〜35% 3B族元素(B,Alを除く) 0.0001〜0.0
1%
【0013】銀は、耐酸化性を付与する必須の成分であ
り、99.5%程度と非常に含有率が高くても耐酸化性
を付与できる。銀が30%未満の場合は、400℃以上
の温度領域において金属母材中の酸化性を有する成分で
あるニッケル、鉄などが、本発明にかかる合金表面に拡
散し、ニッケル酸化物層や鉄酸化物層が生成するおそれ
があるため適当ではない。
【0014】望ましい範囲は30〜95%であり、更に
望ましくは、40〜90%である。特に望ましくは、5
0〜80%である。
【0015】金、パラジウム、白金は、銀の母材との接
合に安定性を付与する成分であり、銀被膜の母材との接
着力を強化すると共に銀の高温時における蒸発を防止す
る役割をはたす。
【0016】金は、必須の成分であり、含有率が70%
を超えると母材中の酸化性を有する成分であるニッケ
ル、鉄などが、本発明にかかる合金表面に拡散し、ニッ
ケル酸化物層や鉄酸化物層が生成するおそれがあるため
適当ではなく、0.5%より少ないと母材金属との接着
性が悪くなると共に銀の高温時における蒸発が防止でき
なくなり耐酸化性が低下するおそれがある。
【0017】望ましい範囲は5〜70%であり、さらに
望ましくは、10〜60%である。特に望ましくは、2
0〜50%である。
【0018】パラジウムは、必須の成分ではないが、含
有率が60%を超えると母材中の酸化性を有する成分で
あるニッケル、鉄などが、本発明にかかる合金表面に拡
散し、ニッケル酸化物層や鉄酸化物層が生成するため適
当ではない。また0.5%より少ないと母材金属との接
着性が悪くなると共に銀の高温時における蒸発が防止で
きなくなり耐酸化性が低下する場合がある。
【0019】望ましい範囲は0.5〜40%であり、さ
らに望ましくは、1〜20%である。特に望ましくは、
2〜10%である。
【0020】白金は、必須の成分ではないが、含有率が
35%を超えるとPtAg3 などの金属間化合物を生成
し母材との接着力が低下すると共に母材中の酸化性を有
する成分であるニッケル、鉄などが、本発明にかかる合
金表面に拡散し、ニッケル酸化物層や鉄酸化物層が生成
するため適当ではない。0.5%より少ないと母材金属
との接着性が悪くなると共に銀の高温時における蒸発が
防止できなくなり耐酸化性が低下する場合がある。
【0021】望ましい範囲は0.5〜20%であり、さ
らに望ましくは、1〜10%である。特に望ましくは、
2〜6%である。
【0022】3B族元素(B,Alを除く)のインジウ
ム(In)、ガリウム(Ga)、テルル(Tl)は、該
合金皮膜中にボイドが生成するのを防止し緻密化を促進
する成分であり、ボイドを通じての酸素による酸化を防
止し、耐酸化性を向上させる役割をはたす。
【0023】3B族元素(B,Alを除く)のインジウ
ム(In)、ガリウム(Ga)、テルル(Tl)等のう
ち、一種以上の含有は必須であり、二種もしくは三種の
元素が混合して含有してもよい。3B族元素(B,Al
を除く)の含有率が0.01%(100ppm)を超え
ると該合金被膜表面に異常析出し、高温酸化性雰囲気下
で酸化し耐酸化性を阻害するので適当ではない。0.0
001%(1ppm)以下ではボイドが生成するのを防
止し緻密化を促進する効果がない。
【0024】望ましい範囲は0.0005〜0.008
%であり、さらに望ましくは、0.002〜0.007
%である。特に望ましくは、0.003〜0.006%
である。
【0025】さらには、本発明の組成物は、母材表面上
に本発明の組成物の範囲にはいる限り、単一の合金層の
みならず、複数層を積層することにより形成してもよ
い。
【0026】さらには、これら本発明にかかる組成物の
形成厚みは、特には限定されないが、通常0.5〜5μ
m程度形成すれば母材の耐熱温度である約1000℃ま
で酸化性雰囲気下において、耐酸化特性を保持すること
ができる。
【0027】本発明の耐酸化性金属部材の表面に、美観
や作業性を考慮して、金等のメッキを行っても、本発明
にかかる作用、効果が損なわれるものではない。
【0028】次に本発明の請求項2について説明する。
耐酸化性組成物を金属の表面に電気化学的な手法で形成
するための電解質溶液中の固形分である、該シアン化銀
アルカリ、シアン化金アルカリ、シアン化パラジウムア
ルカリ、シアン化白金アルカリは、シアン化金属とアル
カリ金属の化合物、例えば、KAg(CN)2 、KAu
(CN)2 、KPd(CN)2 、KPt(CN)2 等が
一般に市販されており利用できるが、金属とシアン化ア
ルカリとの化合物であれば特には限定されない。
【0029】シアン化銀アルカリは耐酸化性を付与する
必須の成分である銀を生成する組成物であり、19mg
/ccを超えると電気化学的な析出時に異常粒を生成
し、耐酸化性を阻害すると共に目的とする組成範囲を超
えやすくなるため望ましくない。シアン化銀アルカリが
2mg/cc未満では電気化学的な析出時に銀の析出ム
ラが発生し望ましくない。望ましい範囲は3〜16mg
/ccであり、さらに望ましくは、5〜14mg/cc
である。特に望ましくは、8〜11mg/ccである。
【0030】シアン化金アルカリ、シアン化パラジウム
アルカリ、シアン化白金アルカリは、銀の母材との接合
に安定性を付与する成分であり銀被膜の母材との接着力
を強化すると共に銀の高温時における蒸発を防止する役
割をはたす金、パラジウム、白金を生成する組成物であ
る。
【0031】シアン化金アルカリは必須の成分である金
を生成する組成物であり、18mg/ccを超えると電
気化学的な析出時に異常粒を生成し、耐酸化性を阻害す
ると共に目的とする組成範囲を超えやすくなるため望ま
しくない。シアン化金アルカリが3mg/cc未満では
電気化学的な析出時に金の析出ムラが発生するおそれが
あり望ましくない。望ましい範囲は3〜16mg/cc
で有り、さらに望ましくは、5〜13mg/ccであ
る。特に望ましくは、7〜10mg/ccである。
【0032】シアン化パラジウムアルカリは必須の成分
ではないが、銀の母材との接合に安定性を付与する成分
であるパラジウムを生成する組成物であり、20mg/
ccを超えると電気化学的な析出時に異常粒を生成し、
耐酸化性を阻害すると共に目的とする組成範囲を超えや
すくなるため望ましくない。望ましい範囲は1〜16m
g/ccであり、さらに望ましくは、3〜13mg/c
cである。特に望ましくは、7〜11mg/ccであ
る。
【0033】シアン化白金アルカリは必須の成分ではな
いが、銀の母材との接合に安定性を付与する成分である
白金を生成する組成物であり、20mg/ccを超える
と電気化学的な析出時に異常粒を生成し、耐酸化性を阻
害すると共に目的とする組成範囲を超えやすくなるため
望ましくない。望ましい範囲は1〜15mg/ccで有
り、さらに望ましくは、4〜13mg/ccである。特
に望ましくは、6〜10mg/ccである。
【0034】本発明にかかるシアン化アルカリはシアン
とアルカリ金属の化合物、例えばKCN、Na、CN等
が一般に市販されており便利であるが、シアンとアルカ
リ金属との化合物であれば限定されない。
【0035】シアン化アルカリは、本発明の電解質溶液
に安定性を付与する役割をはたすと共に、電解質溶液の
液抵抗を低減し電解効率を向上する効果を有する。シア
ン化アルカリが50mg/ccを超えると、電気化学的
な析出時に異常粒を生成しやすくなり、耐酸化性を阻害
するので望ましくない。10mg/cc未満では、電解
質溶液中のシアン化金属アルカリが不安定化し、異常沈
澱を生成しやすくなり、さらに、液抵抗が増大し電解効
率が低下するので望ましくない。望ましい範囲は15〜
45mg/ccであり、さらに望ましくは、20〜40
mg/ccである。特に望ましくは、25〜35mg/
ccである。
【0036】本発明にかかる3B族元素(B、Alを除
く)のシアン化物はGa、In、Tl等の3B族元素と
シアン化アルカリとの化合物、例えばK2 Ga(CN)
62 In(CN)6 、K2 Tl(CN)6 等が一般に
市販されており利用できるが、3B族元素とシアン化ア
ルカリとの化合物であれば限定されない。
【0037】3B族元素のシアン化物(B,Alを除
く)は、本発明の必須の成分であるインジウム(I
n)、ガリウム(Ga)、テルル(Tl)の内、一種以
上を生成する成分であり、二種もしくは三種を混合して
含有しても本発明を制限するものではない。
【0038】3B族元素のシアン化物(B、Alを除
く)が0.05mg/cc以上では、目的とする組成範
囲を超え耐酸化性を阻害するおそれがあるため望ましく
ない。0.01mg/cc未満では、耐酸化性金属被膜
中のボイドの生成を防止する効果があまりなく望ましく
ない。
【0039】望ましい範囲は0.02〜0.04mg/
ccであり、さらに望ましくは、0.02〜0.035
mg/ccである。特に望ましくは、0.025〜0.
03mg/ccである。
【0040】さらには、かかる電解質溶液中に液の寿命
の向上等の目的で、界面活性剤等を添加しても本発明の
作用、効果を損なうものではない。
【0041】次に本発明の請求項3について説明する。
本発明にいう大気中とは、一般的には、地上の大気雰囲
気を指すが、その濃度、酸素と窒素の混合比、その他気
体の混合割合に関わらず酸素を含有した雰囲気であるな
ら特には限定されない。これらの雰囲気はガラス封着時
にガラスの還元劣化を防止するため用いられる。
【0042】本発明にかかる500℃以上とは、回路装
置の金属端子に一般的に用いられるコバール合金(Fe
−Ni−Co合金、商品名)や42合金(Fe−Ni合
金、商品名)が急激な酸化反応を起こす温度領域であ
り、その保持時間や温度勾配に関わらずガラスに加えら
れた最高温度を指す。この温度はガラスを溶融し封着す
るために用いられる。
【0043】この回路装置に用いられるガラスとして
は、金属端子を封着するガラス組成物であれば特には限
定されないが、たとえば次の組成のものが適当である。
無機成分が重量%表示、酸化物換算で実質的に シリカ 20〜80% アルミナ 5〜40% 酸化ほう素 5〜40% 酸化鉛 1〜20% 酸化バリウム 1〜5% アルカリ金属酸化物 0.1〜1% 鉄+マンガン+ニッケルの酸化物 0.1〜1% からなるガラス組成物。
【0044】さらに適当であるガラス組成物としては、
無機成分が重量%表示、酸化物換算で実質的に シリカ 30〜60% アルミナ 10〜30% 酸化ほう素 10〜30% 酸化鉛 3〜12% 酸化バリウム 1.5〜4% アルカリ金属酸化物 0.3〜0.8% 鉄+マンガン+ニッケルの酸化物 0.3〜0.8% からなるガラス組成物がある。
【0045】特に適当であるガラス組成物としては、無
機成分が重量%表示、酸化物換算で実質的に シリカ 40〜55% アルミナ 15〜25% 酸化ほう素 15〜25% 酸化鉛 5〜8% 酸化バリウム 2〜3% アルカリ金属酸化物 0.5〜0.7% 鉄+マンガン+ニッケルの酸化物 0.5〜0.7% からなるガラス組成物である。
【0046】本発明にかかる金属端子とは、請求項1の
耐酸化性金属部材からなるものである。これにより、金
属端子は、大気中、500℃で封着可能となる。その合
金の形成方法は特には限定されない。
【0047】さらには、これら本発明にかかる組成物の
形成厚みは、特には限定されないが、通常、0.5〜5
μm程度形成すれば約1000℃まで大気中酸化性雰囲
気下において、耐酸化特性を保持することができる。
【0048】本発明の金属端子を用いて回路装置に大気
中でガラス封着することにより誘電損失が低く、抗折強
度が高い、優れた伝送特性と信頼性を有した回路装置を
得ることができる。
【0049】
【作用】本発明の耐酸化性金属部材の作用機構は必ずし
も明確ではないが、本発明の銀と金等が、母材金属中の
鉄やニッケルが母材表面へ拡散するのを防止すると共
に、3B族元素が銀と金等の被膜にボイドが生成するの
を防止し緻密化を促進するため酸化性雰囲気の進入を防
ぎ、本発明の耐酸化性金属部材の表面にFe−Ni複合
酸化物等が形成するのを防ぐ作用を示すため、高温、酸
化性の雰囲気下においても耐酸化性金属部材の表面の導
通を保持し、かつ酸化腐食による劣化をも防ぐものと考
えられる。
【0050】さらには、本発明のメッキ液を用いて電気
化学的操作を行うことにより電着作用が発現し、前記作
用を有する銀と金等と3B族元素からなる被膜を、酸化
性を有する金属表面に形成することが可能になるものと
考えられる。
【0051】また、本発明の回路装置は、大気中でガラ
ス封着を行うためガラスが還元劣化することがなく、誘
電損失、抗折強度の劣化が起きない。そのため優れた伝
送特性と信頼性を有した回路装置となる。
【0052】
【実施例】
[金属部材の実施例]厚さ0.1mm、50mm×10
mmのコバール合金(29Ni−16Co−55Fe)
の表面に、電解メッキにより、本発明にかかる組成物の
コーテングを1.5μmの厚みで行った。電解質溶液
(メッキ液)は、 Ag、Au、Pt、Pd、3B族元素
の各シアン化物を純水中に溶解して用い、表1、表2に
組成をまとめた。なおコバール合金は陰極として、チタ
ン/白金(Ti/Pt)板を陽極として、0.3A/d
2 の電流密度で5分間メッキを行い1.5μmの膜を
該コバール合金表面に形成した。
【0053】さらに、この耐酸化部材の耐酸化特性を評
価するため、空気中900℃で10000時間加熱し、
表面の導通性、コーテング膜の接着性、表面の酸化物ス
ケール発生の有無について調査を行い結果を、表3、表
4にまとめた。さらに厳しく耐酸化特性を評価するた
め、空気中1000℃で10000時間加熱し、表面の
導通性、コーテング膜の接着性、表面の酸化物スケール
発生の有無について調査を行い結果を表3、表4にまと
めた。なお、表の資料No.は表1、表2のメッキ液の
資料No.と対応する。また、Ag、Au、Pt、Pd
はAg+Au+Pt+Pdに対する重量%で、Ga、I
n、TiはAg+Au+Pt+Pdを100とした時の
添加割合を重量%で示した。
【0054】さらには、比較例をメッキ液については表
5、表6、耐酸化部材については表7、表8にまとめ
た。これらに示す結果より明らかな如く、本発明の耐酸
化性金属部材は、高温酸化性雰囲気に長時間曝されても
表面に酸化物スケールを発生せず、導通性を保持するこ
とができると共に耐熱・耐酸化膜が、強く母材に接着
し、高い信頼性を示すことは明らかである。
【0055】また本発明にかかる一部の耐酸化性金属部
材に、10000時間後、3回曲げ試験において、剥
離、クラックが観察されたが、表面には酸化物の発生も
なく導通も良好にとれたため、実用上なんら問題がない
と思われる。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】
【表6】
【0062】
【表7】
【0063】
【表8】
【0064】[特性評価法] (1)酸化物スケール発生の有無 10倍の光学顕微鏡による目視検査。 (2)導通検査 YHP製デジタルマルチメーターにより、導通の有無を
評価した。 (3)接着性 90゜方向曲げ試験3回実施後、10倍の光学顕微鏡に
より、クラック、剥離の有無について評価した( MIL S
TD 883C Method 2004 による)。
【0065】[回路装置の実施例]封着ガラスとして、
無機成分が重量%表示、酸化物換算で実質的に シリカ 50% アルミナ 20% 酸化ほう素 20% 酸化鉛 6% 酸化バリウム 2.8% アルカリ金属酸化物 0.6% 鉄+マンガン+ニッケルの酸化物 0.6% からなるガラス組成物を粉砕装置にて、平均粒径4μm
に粉砕し、これにビヒクルとしてエチルセルロースとブ
チルカルビトールアセテートを加え、アルミナ乳鉢中で
混練しペースト状に調整した。このガラスペーストを用
いて図1に示したような、外形10mm角、高さ2m
m、端子数20の回路装置を組立て、大気中850℃で
2時間焼成しガラス封着した。図で(a)は平面図、
(b)は断面図であり、1はコバール合金製のシーリン
グ、2はコバール合金製のベース板、3はコバール合金
製のリードフレーム(金属端子)、4は封着ガラスであ
る。
【0066】なお、この回路装置の金属部分表面には、
合金組成として重量%表示で 銀 70% 金 29.995% テルル 0.005% からなる合金組成物を予め電解メッキにより厚さ3μm
形成してあった。
【0067】さらにガラスペーストを厚さ0.8mm、
巾5mm、長さ30mmに成形し大気中850℃で2時
間焼成し、特性評価用サンプルを作製した。
【0068】この回路装置の金属端子をガラス封着部か
ら3回曲げ試験を行い、ガラス封着部のリークテストを
行うと共に外観観察を行った。さらに特性評価用サンプ
ルの抗折強度、誘電率、誘電損失を測定した。評価結果
を次に示す。
【0069】 Heリーク速度 1×10-9 stdcc/sec 抗折強度 1800kg/cm2 誘電率 5.0 誘電損失 1×10-4 外観観察 なんら異常無し
【0070】上記のように、誘電損失は1×10-4と低
い優れた値を示すと共に、抗折強度が1800kg/c
2 と高いため端子に3回曲げにより応力をかけてもク
ラックが入らずHeリークテストではリーク速度1×1
-8stdcc/sec以下と優れた気密性を示した。
【0071】[比較例1]封着ガラスとして、無機成分
が重量%表示、酸化物換算で実質的に シリカ 50% アルミナ 20% 酸化ほう素 20% 酸化鉛 6% 酸化バリウム 2.8% アルカリ金属酸化物 0.6% 鉄+マンガン+ニッケルの酸化物 0.6% からなるガラス組成物を粉砕装置にて、平均粒径4μm
に粉砕し、これにビヒクルとしてエチルセルロースとブ
チルカルビトールアセテートを加え、アルミナ乳鉢中で
混練しペースト状に調整した。このガラスペーストを用
いて図1に示したような、外形10mm角、高さ2m
m、端子数20の回路装置を組立て、窒素90%水素1
0%の混合ガス雰囲気中850℃で2時間焼成しガラス
封着した。
【0072】なお、この回路装置の金属部分表面には、
合金組成として重量%表示で 銀 70% 金 29.995% テルル 0.005% からなる合金組成物を予め電解メッキにより厚さ3μm
形成してあった。
【0073】さらにガラスペーストを厚さ0.8mm、
巾5mm、長さ30mmに成形し窒素90%水素10%
の混合ガス雰囲気中850℃で2時間焼成し、特性評価
用サンプルを作製した。
【0074】この回路装置の金属端子をガラス封着部か
ら3回曲げ試験を行い、ガラス封着部のリークテストを
行うと共に外観観察を行った。さらに特性評価用サンプ
ルの抗折強度、誘電率、誘電損失を測定した。評価結果
を次に示す。
【0075】 Heリーク速度 3×10-4 stdcc/sec 抗折強度 1000kg/cm2 誘電率 5.0 誘電損失 3×10-1 外観観察 封着ガラス部が灰色に変色
【0076】上記のように、ガラスが還元劣化し誘電損
失は3×10-1と損失の大きな値を示し、Heリークテ
ストではリーク速度3×10-4stdcc/secと大
きかった。これは、抗折強度が1000kg/cm2
低いため端子に3回曲げにより応力をかけた時クラック
が入り気密性が低下したためと考えられる。
【0077】[比較例2]封着ガラスとして、無機成分
が重量%表示、酸化物換算で実質的に シリカ 50% アルミナ 20% 酸化ほう素 20% 酸化鉛 6% 酸化バリウム 2.8% アルカリ金属酸化物 0.6% 鉄+マンガン+ニッケルの酸化物 0.6% からなるガラス組成物を粉砕装置にて、平均粒径4μm
に粉砕し、これにビヒクルとしてエチルセルロースとブ
チルカルビトールアセテートを加え、アルミナ乳鉢中で
混練しペースト状に調整した。このガラスペーストを用
いて図1に示したような、外形10mm角、高さ2m
m、端子数20の回路装置を組立て、大気中850℃で
2時間焼成しガラス封着した。なお、この回路装置の金
属部分表面には、なんらコーテングは行わず、そのまま
洗浄して用いた。
【0078】さらにガラスペーストを厚さ0.8mm、
巾5mm、長さ30mmに成形し大気中850℃で2時
間焼成し、特性評価用サンプルを作製した。
【0079】この回路装置の金属端子をガラス封着部か
ら3回曲げ試験を行い、ガラス封着部のリークテストを
行うと共に外観観察を行った。さらに特性評価用サンプ
ルの抗折強度、誘電率、誘電損失を測定した。評価結果
を次に示す。
【0080】 Heリーク速度 6×10-4 stdcc/sec 抗折強度 1800kg/cm2 誘電率 5.0 誘電損失 1×10-4 外観観察 表面に錆が発生
【0081】上記のように、誘電損失は 1×10-4
優れた値を示したが、Heリークテストではリーク速度
6×10-4stdcc/secと大きかった。これは、
金属端子が封着焼成時に酸化され表面に錆が発生したた
めガラス封着部に隙間が生じたためと考えられる。
【0082】実施例及び比較例より本発明の回路装置は
優れた特性を示すことがわかる。
【0083】[特性評価法] 1.抗折強度 東洋ボールドイン製強度試験機により測定した。試験用
サンプルを20mmの2支点上に置き、支点間中央に
0.5mm/分の速度で荷重を加え破損した時の荷重を
測定し評価した。 2.誘電率、誘電損失 安藤電気製交流ブリッヂにより100kHzの特性を測
定し評価した。温度25±1℃、湿度45±1%であっ
た。 3.3回曲げ試験 米国、MIL.STD 883C−2004に従った。 4.リークテスト 米国、MIL.STD 883C−1014に従いHe
リークテストを行った。 5.外観観察 10倍の光学顕微鏡を用いて目視検査をした。
【0084】
【発明の効果】本発明の耐酸化性金属部材は、高温・酸
化性雰囲気下において、高い耐酸化性を有し、かつ表面
の導通を保持できるため、空気中で、熱処理してもなん
ら母材そのものに影響なく、セラミックス基板等のリー
ドピンや、シールリング等の金属部材、さらには高温・
酸化性雰囲気下で、導通を必要とする構造用、機械用部
材として応用することができ、その工業的価値は多大で
ある。
【0085】さらには、本発明の電解質溶液を用いるこ
とにより、簡便な表面コート方法である電解メッキ等の
電気化学的方法で本発明の組成物を母材表面に形成する
ことができ、その工業的価値は多大である。
【0086】また、本発明の回路装置は、気密性に優
れ、且つ誘電損失が小さいという従来にない優れた特性
を示し、その工業的価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いて作製した回路装置の模式図であ
る。
【符号の説明】
1:シーリング 2:ベース板 3:リードフレーム 4:封着ガラス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化性を有する金属の表面に 銀 30〜99.5重量% 金 0.5〜70重量% 白金 0〜35重量% パラジウム 0〜60重量% 3B族元素(B,Alを除く) 0.0001〜0.
    01重量% からなる組成物被膜を形成したことを特徴とする耐酸化
    性金属部材。
  2. 【請求項2】酸化性を有する金属の表面に耐酸化性被覆
    を形成するためのメッキ液であって、電解質溶液中の固
    形分が実質的に シアン化銀アルカリ 2〜19mg/cc シアン化金アルカリ 3〜18mg/cc シアン化パラジウムアルカリ 0〜20mg/cc シアン化白金アルカリ 0〜20mg/cc シアン化アルカリ 10〜50mg/cc 3B族元素のシアン化物(B,Alを除く)0.01〜
    0.05mg/cc からなることを特徴とするメッキ液。
  3. 【請求項3】金属端子をガラスで封着した回路装置であ
    って、該金属端子として、酸化性を有する金属の上に、
    銀を主成分とし、さらに、3B族元素(B,Alを除
    く)を0.0001〜0.01重量%含む組成物被膜を
    形成した金属部材を用い、大気中、500℃以上でガラ
    ス封着してなることを特徴とする回路装置。
JP4357173A 1992-12-22 1992-12-22 耐酸化性金属部材、メッキ液、及び回路装置 Withdrawn JPH06184789A (ja)

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