JPH06186518A - 反強誘電性液晶組成物 - Google Patents

反強誘電性液晶組成物

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JPH06186518A
JPH06186518A JP5140088A JP14008893A JPH06186518A JP H06186518 A JPH06186518 A JP H06186518A JP 5140088 A JP5140088 A JP 5140088A JP 14008893 A JP14008893 A JP 14008893A JP H06186518 A JPH06186518 A JP H06186518A
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JP
Japan
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liquid crystal
phase
chemical
hysteresis
crystal composition
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Application number
JP5140088A
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English (en)
Inventor
Giichi Suzuki
義一 鈴木
Hiroyuki Mogamiya
浩之 最上谷
Ichiro Kawamura
一朗 河村
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスプレイに充分使用できるヒステリシス
特性の優れた反強誘電性液晶組成物の提供。 【構成】 少なくとも1種の反強誘電性液晶化合物を含
有する液晶組成物において、そのヒステリシス曲線の急
峻度が1.4以下、メモリーマージンが1以上を示すに
充分な光学純度を有する反強誘電性液晶組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反強誘電性液晶組成物
に関する。
【0002】
【従来技術】液晶表示素子は、1)低電圧作動性、2)
低消費電力性、3)薄形表示、4)受光型などの優れた
特徴を有するため、現在まで、TN方式、STN方式、
ゲスト−ホスト(Gest−Host)方式などが開発
され実用化されている。しかし、現在広く利用されてい
るネマチック液晶を用いたものは、応答速度が数mse
c〜数十msecと遅い欠点があり、応用上種々の制約
を受けている。これらの問題を解決するため、STN方
式や薄層トランジスタ方式などを用いたアクティブマト
リックス方式などが開発されたが、STN型表示素子
は、表示コントラストや視野角などの表示品位は優れた
ものとなったが、セルギャップやチルト角の制御に高い
精度を必要とすることや応答がやや遅いことなどが問題
となっている。薄膜トランジスタ方式は構造が複雑で製
造時の歩留りが低く、結果的に高価につく。このため、
応答性のすぐれた新しい液晶表示方式の開発が要望され
ており、光学応答時間がμsecオーダーと極めて短か
い超高速デバイスが可能になる強誘電性液晶の開発が試
みられていた。強誘電性液晶は、1975年、Meyo
r等によりDOBAMBC(p−デシルオキシベンジリ
デン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート)が
初めて合成された(Le Journal de Ph
ysique,36巻1975,L−69)。さらに、
1980年、ClarkとLagawallによりDO
BAMBCのサブマイクロ秒の高速応答、メモリー特性
など表示デバイス上の特性が報告されて以来、強誘電性
液晶が大きな注目を集めるようになった〔N.A.Cl
ark,etal.,Appl.Phys.Lett.
36.899(1980)〕。しかし、彼らの方式に
は、実用化に向けて多くの技術的課題があり、特に室温
でディスプレーに要求される実用特性を満足する強誘電
性液晶はほとんど無く、表示ディスプレーに不可欠な液
晶分子の配列制御に有効かつ実用的な方法も確立されて
いなかった。この報告以来、液晶材料/デバイス両面か
らの様々な試みがなされ、ツイスト二状態間のスイッチ
ングを利用した表示デバイスが試作され、それを用いた
高速電気光学装置も例えば特開昭56−107216号
などで提案されているが、高いコントラストや適正なし
きい値特性は得られていない。このような視点から他の
スイッチング方式についても探索され、過渡的な散乱方
式が提案された。その後、1988年に本発明者らによ
る三安定状態を有する液晶の三状態スイッチング方式が
報告された〔A.D.L.Chandani,T.Ha
giwara,Y.Suzuki etal.,Jap
an.J.ofAppl.Phys.,27,(5),
L729−L732(1988)〕。前記「三安定状態
を有する」とは、第一の電極基板と所定の間隙を隔てて
配置されている第二の電極基板との間に反強誘電性液晶
が挟まれてなる液晶電気光学装置において、前記第一及
び第二の電極基板に電界形成用の電圧が印加されるよう
構成されており、図1Aで示される三角波として電圧を
印加したとき、前記反強誘電性液晶が、無電界時に分子
配向が第一の安定状態〔図3(a)〕になり、液晶電気
光学装置の透過率が第一の安定状態(図1Dの)を示
し、かつ、電界印加時に一方の電界方向に対し分子配向
が前記第一の安定状態とは異なる第二の安定状態〔図3
(b)〕になり液晶電気光学装置の透過率が第2の安定
状態(図1Dの)を示し、さらに他方の電界方向に対
し前記第一及び第二の安定状態とは異なる第三の分子配
向安定状態〔図3(c)〕になり液晶電気光学装置の透
過率が第三の安定状態(図1Dの)を示すことを意味
する。なお、この三安定状態を利用する液晶電気光学装
置については、本出願人は特願昭63−70212号と
して出願し、特開平2−153322号として公開され
ている。三安定状態を示す反強誘電性液晶の特徴をさら
に詳しく説明する。クラーク/ラガウェル(Clark
−Lagawall)により提案された表面安定化強誘
電性液晶素子では、S*C相において強誘電性液晶分子
が図2(a)および(b)のように一方向に均一配向し
た2つの安定状態を持ち、印加電界の方向により、どち
らか一方の状態に安定化され、電界を切ってもその状態
が保持される。しかしながら実際には、強誘電性液晶分
子の配向状態は、液晶分子のダイレクターが捩れたツイ
スト二状態を示したり、層がくの字に折れ曲ったシエブ
ロン構造を示す。シエブロン層構造では、スイッチング
角が小さくなり低コントラストの原因になるなど、実用
化へ向けて大きな障害になっている。一方、“反”強誘
電性液晶は三安定状態を示すS*(3)相では、上記液晶
電気光学装置において、無電界時には、図3(a)に示
すごとく隣り合う層毎に分子は逆方向に傾き反平行に配
列し、液晶分子の双極子はお互に打ち消し合っている。
したがって、液晶層全体として自発分極は打ち消されて
いる。この分子配列を示す液晶相は、図1Dのに対応
している。さらに、(+)又は(−)のしきい値より充
分大きい電圧を印加すると、図3(b)および(c)に
示すごとく液晶分子が同一方向に傾き、平行に配列す
る。この状態では、分子の双極子も同一方向に揃うため
自発分極が発生し、強誘電相となる。“反”強誘電性液
晶のS*(3)相においては、無電界時の“反”強誘電相
と印加電界の極性による2つの強誘電相が安定になり、
“反”強誘電相と2つの強誘電相間を直流的しきい値を
もって三安定状態間をマイクロセカンドオーダーの高速
スイッチングを行うものである。すなわち、印加電界の
極性と大きさにより液晶の分子配列が変化して、液晶の
光学軸を三状態に変化させることができ、このような液
晶の三状態を一対の偏光板にはさみ込むことにより電気
光学的表示装置として用いることができる。交流三角波
の印加電圧に対して光透過率をプロットすると図4のよ
うなダブル・ヒステリシスを示す。このダブル・ヒステ
リシスに、図4の(A)に示すようにバイアス電圧を印
加して、さらにパルス電圧を重畳することによりメモリ
ー効果を実現できる特徴を有する。そして、“反”強誘
電性液晶では、プラス側とマイナス側の両方のヒステリ
シスを交互に使い画像表示を行なうことができるため、
自発分極に基づく内部電界の蓄積による画像の残像現象
を防止することができる。さらに、電界印加により強誘
電相は層がストレッチされ、ブックシエルフ構造とな
る。一方、第一安定状態の“反”強誘電相では類似ブッ
クシエルフ構造となる。この電界印加による層構造スイ
ッチングが液晶層に動的シエアーを与えるため駆動中に
配向欠陥が改善され、良好な分子配向が実現できる。以
上のように、“反”強誘電性液晶は、1)高速応答が可
能で、2)高いコントラストと広い視野角および3)良
好な配向特性とメモリー効果が実現できる、非常に有用
な液晶化合物と言える。“反”強誘電性液晶の三安定状
態を示す液晶相については、1)A.D.L.Chan
dani etal.,Japan J.Appl.P
hys.,28,L−1265(1989)および2)
H.Orihara etal.,Japan J.A
ppl.Phys.,29,L−333(1990)に
報告されており、“反”強誘電的性質にちなみS*C A
相(Antiferroelectric Smect
ic C*相)と命名しているが本発明者らは、この液
晶相が三安定状態間のスイッチングを行なうためS*
(3)相と定義した。三安定状態を示す“反”強誘電相S
*(3)を相系列に有する液晶化合物は、本発明者の出願
した特開平1−316367号、特開平1−31637
2号、特開平1−316339号、特開平2−2812
8号及び市橋等の特開平1−213390号公報があ
り、また三安定状態を利用した液晶電気光学装置として
は本出願人は特開平2−40625号、特開平2−15
3322号、特開平2−173724号において新しい
提案を行っている。上述の液晶電気光学装置の両電極基
板の外側に偏光子pの偏光軸と無電界時の分子長軸方向
が0°となるように偏光子を設置し、しきい値としては
光透過率が相対的に10%および90%変化時の電圧と
する。図4において電圧0(V)から増加してゆくと、
しきい値V1をすぎて急激に暗状態から明状態へと変化
してしきい値V2をすぎて一定の明状態となる。次に電
圧を減少させていくと、しきい値V3をすぎて急激に明
状態から暗状態に変化してしきい値V4をすぎて元の暗
状態になる。このように、明確なしきい値と、大きなヒ
ステリシスが存在する。上記の三安定状態間スイッチン
グを利用した図5の構成からなるマトリックス型反強誘
電性液晶表示装置は、本発明者らの開示した特開平2−
153322号,特開平2−173724号等に示すご
とく、n条の行電極とm条の列電極とをお互いに格子状
に対向させて並設した両電極基板間に反強誘電性液晶組
成物を介在させてn×m個の表示画素を形成する液晶セ
ルと、前記n条の行電極に順次走査信号を付与し、前記
m条の列電極には並列に明または暗のデータ信号を一斉
に付与する線順次走査方式を行うごとく構成された駆動
制御方式〔図6(a)参照〕を用いて図6(b)に示す
線順次駆動波形により画像表示する。すなわち、図4の
プラス側とマイナス側のヒステリシス曲線にバイアス電
圧V0を印加することによってヒステリシス曲線を交互
に使う。ここで図6において同一走査線上の画素1、画
素2を考える。バイアスとしてV0のバイアス電圧が常
に印加され、選択期間に電圧VD 、VN により各々オン
(明表示)とオフ(暗表示)を選択する。マイナス側ヒ
ステリシス曲線でも同様に、−V0のオフセット電圧を
印加して、選択期間に電圧−VD 、−VN により各々オ
ン、オフを選択する。線順次駆動走査は、通常2フレー
ム方式が用いられる。図6(b)の第1フレームにおい
て走査電圧とデータ電圧との合成電圧を形成し、画素1
にバイアス電圧V0とVD =(a−1)VB 電圧とを重
畳した選択電圧を印加して「明」状態を表示する。ここ
でVB は画素を明表示するための信号電圧で、ヒステリ
シス特性(しきい値の急峻度αとヒステリシス幅VM)
を考慮して決定され、aはバイアス比であり、オンおよ
びオフ表示の画素への印加電圧の実効値が各々等しくな
るように最適値が設定される。画素2では、バイアス電
圧V0にオフ選択電圧VN を重畳した電圧が印加され、
明表示へ変化するしきい値以下の電圧が維持され、
「暗」状態表示となる。以上のように、反強誘電性液晶
を用いた表示装置は、ヒステリシス特性との関連におい
て簡単な波形変化をもたせるのみでマトリツクス駆動が
可能であり、プラスおよびマイナス側の両方のヒステリ
シスを交互に使うことにより直流成分の蓄積による残像
現象を除くように設計することができる。前述した表示
装置に用いられる反強誘電性液晶に要求される材料特性
は、主として 1)動作温度範囲、2)応答速度、3)
ヒステリシス特性、4)表示コントラスト等が挙げられ
る。液晶電気光学表示装置の性能は印加電圧に対する光
学的応答特性−すなわち、ヒステリシス特性に大きく依
存するため、3)のヒステリシス特性は表示性能を左右
する最も重要な材料特性である。ヒステリシス特性は、
図4のように 1)ヒステリシスの急峻度α1=V2
1、α2=V3/V4、 2)メモリーマージンM1=(V
1−V3)/(V2−V1)、M2=(V1−V3)/(V3
4)、 3)しきい値電圧V1、V2、V3、V4などで定
義される。ダブルヒステリシス特性を利用した線順次走
査によるバイアス駆動方式では、ヒステリシス急峻性α
1、α2とメモリーマージンM1、M2が表示性能上、重要
となるが特に、図6に例示した駆動波形の場合、明表
示、すなわち画像書き込み時の特性を支配するヒステリ
シス急峻性α1とメモリーマージンM1が重要であり、高
精細・高コントラストな表示装置を実現するには、急峻
度α1はできるだけ1に近い値を示し、通常1.4以
下、好ましくは1.3以下の値を示し、メモリーマージ
ンM1は少なくとも1以上、さらに好ましくは2以上の
値を示す反強誘電性液晶が必要であることが判った。
【0003】
【目的】本発明の目的は、ディスプレイに充分使用でき
るヒステリシス特性の優れた反強誘電性液晶組成物を提
供する点にある。
【0004】
【構成】本発明者らは、ヒステリシス曲線の特性の優れ
た反強誘電性液晶を提供する技術について鋭意検討した
結果、ヒステリシス特性は、液晶化合物又は液晶組成物
の光学純度に大きく依存していることが判った。すなわ
ち、反強誘電性液晶およびその組成物がディスプレイ駆
動上要求される最低条件を満足させるためには、この組
成物のヒステリシス曲線の急峻性(α1)が1.4以
下、メモリーマージンM1が1以上であることが必要で
ある。
【0005】この組成物は、液晶表示において主役を果
す少なくとも1種の反強誘電性液晶化合物に、必要に応
じて、他の反強誘電性液晶化合物、非反強誘電性の液晶
化合物あるいは液晶を示さず単に担体的役割を果す他の
化合物を配合することができる。そして、この組成物は
組成物全体としての光学純度が70%ee以上、好まし
くは80%ee、とくに好ましくは90%ee以上であ
ることが好ましい。同一の化学式で表わされる反強誘電
性液晶化合物のR体とS体との混合物を含有する反強誘
電性液晶組成物においては、前記R体またはS体のうち
の少なくとも一方の成分が光学純度70%ee以上、好
ましくは80%ee以上、さらに好ましくは90%ee
以上を占めることが好ましい。この場合、S体は、通常
R体を経由して製造されるので、実際にはR体を主成分
とする組成物であることが好ましい。
【0006】本発明の反強誘電性液晶組成物における主
成分として使用できる反強誘電性液晶化合物を以下に例
示する。
【化7】
【0007】
【化8】
【0008】
【化9】
【0009】
【化10】
【0010】
【化11】
【0011】
【化12】
【0012】
【化13】
【0013】
【化14】
【0014】
【化15】
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】
【実施例】
実施例1 (R)−(+)−4−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)フェニル 4′−n−オ
クチルビフェニル−4−カルボキシレートの合成
【化16】 その1:(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−
2−オクチル 4−ベンジルオキシベンゾエートの合成
【化17】 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド4.3gを塩化メ
チレン50mlに溶解させ、次いで光学活性な1,1,
1−トリフルオロ−2−オクタノール2.9g
【数1】 とジメチルアミノピリジン0.6gとトリエチルアミン
1.7gとを塩化メチレン50mlに溶解した溶液を氷
冷下にて少量づつ加えた。反応混合物を室温に戻し、一
昼夜反応させ、反応液を氷水に投入し、塩化メチレンに
て抽出し塩化メチレン相を希塩酸、水、1N炭酸ナトリ
ウム水溶液、水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥して溶媒を留去し、粗生成物を得た。これをト
ルエン−シリカゲルクロマトグラフで処理し、さらにエ
タノールにて再結晶して目的物3.8gを得た。 その2:(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−
2−オクチル 4−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化18】 その1で得られた化合物をメタノール100mlに溶解
し、10%担持Pd−カーボン0.4gを加え、水素雰
囲気下水添反応を行い、目的化合物2.8gを得た。 その3:(R)−(+)−4−(1,1,1−トリフル
オロ−2−オクチルオキシカルボニル)フェニル 4′
−n−オクチルビフェニル−4−カルボキシレートの合
【化19】 4−n−オクチルビフェニルカルボン酸3.0gを過剰
の塩化チオニルと共に還流下に6時間加熱した後、未反
応の塩化チオニルを留去して4−n−オクチルビフェニ
ルカルボン酸塩化物を得た。酸塩化物を塩化メチレン5
0mlに溶解した溶液に、先に合成した(R)−(+)
−4−ヒドロキシ安息香酸1,1,1−トリフルオロオ
クチルエステル2.8g、トリエチルアミン1.0gお
よびジメチルアミノピリジン0.3gを塩化メチレン5
0mlに溶解したものを氷冷下徐々に加え室温にて一昼
夜反応させた。次いで、反応液を氷水に投入し、塩化メ
チレンにて抽出し、塩化メチレン相を希塩酸、水、炭酸
ナトリウム水溶液、そして水の順に洗浄して、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後溶媒を留去して、粗生成物を得
た。これをシリカゲルクロマトグラフ法(ヘキサン:酢
酸エチル=10:0.5)により精製して、光学活性な
目的化合物2.1gを得た。相転移点の測定などには、
該化合物を無水エタノールにて再結晶して更に精製して
用いた。 相転移温度
【表4】
【0019】実施例2 (S)−(−)−4−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)フェニル 4′−n−オ
クチルビフェニル−4−カルボキシレートの合成
【化20】 実施例1の(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ
−2−オクタノールに代えて(S)−(−)−1,1,
1−トリフルオロ−2−オクタノール2.9g
【数2】 を用いて全く同様の方法にて製造した。 相転移温度
【表5】
【0020】実施例3 (R)−(+)−4−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)ビフェニル 4′−n−
オクチルオキシベンゾエートの合成
【化21】 その1:光学活性(R)−(+)−1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクチル−4′−ヒドロキシルビフェニル
−4−カルボキシレートの合成
【化22】 4−ヒドロキシ−4′−ビフェニルカルボン酸10gを
メタノールに溶解し、濃硫酸数滴を加え、還流下12時
間反応させる。室温に冷却後、大量の水に注ぎ、中和
後、析出した白色結晶を濾別し、充分水洗した後メタノ
ールにて再結晶して4−ヒドロキシ−4′−ビフェニル
カルボン酸メチルエステルの精製結晶8.5gを得る。
次いで、これとベンジルクロライド4.7gとをDMF
60mlに溶解し、無水炭酸カリウム20gを加えて、
還流下6時間反応させる。反応液を水に注ぎ、析出した
結晶を濾過回収し、さらに大量の水で中性になるまで充
分洗浄する。得られた結晶と、水酸化カリウム粉末4.
2gとをメタノールに加え、還流下6時間加熱撹拌す
る。室温になるまで放置した後水に注ぎ、3N塩酸にて
中和し、析出した白色結晶を濾別、採取して充分水で洗
浄した後、再結晶して4−ベンジルオキシ−4′−ビフ
ェニルカルボン酸7gを得る。上記の化合物を塩化チオ
ニル50mlに加え、還流下6時間反応し、過剰の塩化
チオニルを減圧留去して、固体の4−ベンジルオキシ−
4′−ビフェニルカルボン酸クロライド6.8gを得
る。次に、光学活性(R)−(+)−1,1,1−トリ
フルオロ−2−オクタノール0.96g
【数3】 とトリエチルアミン0.48gおよびジメチルアミノピ
リジン0.55gを塩化メチレン20mlに溶解したも
のに塩化メチレン10mlに溶解した前記酸クロリド体
1.23gを氷冷下にて滴下して、室温に戻した後、一
昼夜反応させた。この反応液を水に注ぎ、塩化メチレン
抽出をくり返して回収した有機層を3N塩酸、水、1N
炭酸ナトリウム、水にて順次洗浄して、中性にした後、
無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、次に溶媒を減圧下に
て留去して、更に、n−ヘキサンと酢酸エチルとの混合
展開液にてシリカゲルカラムクロマトグラフにて処理し
て4−ベンジルオキシ−4′−ビフェニルカルボン酸
1,1,1−トリフルオロメチルヘプチルエステル1.
84gを得る。得られた化合物と10%パラジウム炭素
0.36gとをエタノール15mlに加え、水素加圧下
水素化分解反応を行い、目的物の光学活性(R)−
(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル−
4′−ヒドロキシビフェニル−4−カルボキシレート
1.43gを得る。 その2:(R)−(+)−4′−(1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)ビフェニル
4−n−オクチルオキシベンゾエートの合成
【化23】 (R)−(+)−(1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クチル 4−ヒドロキシビフェニル 4′−カルボキシ
レート0.5gとn−4−オクチルオキシ安息香酸0.
33gとをジクロロカルボジイミド0.3gと数片のジ
メチルアミノピリジンとテトラヒドロフラン30mlと
の存在下で反応させ、粗目的化合物0.4gを得た。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフ法(ヘキサン:酢
酸エチル=10:0.5)により精製し、更にエタノー
ルにより再結晶して光学活性な目的化合物0.4gを得
た。上記目的化合物の比施光度と相転移温度(℃)は次
のようである。
【数4】
【表6】
【0021】実施例4 (S)−(−)−4−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)ビフェニル 4′−n−
オクチルオキシベンゾエートの合成
【化24】 実施例1の(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ
−2−オクタノールに代えて(S)−(−)−1,1,
1−トリフルオロ−2−オクタノール0.96g
【数5】 を用いて全く同様の方法にて製造した。 相転移温度
【表7】 比施光度
【数6】
【0022】実施例5 光学純度の異なる(R)−および(S)−光学異性体組
成物の相転移温度およびヒステリシス曲線 実施例1で得られた(R)−(+)−(1,1,1−ト
リフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)フェニル
4′−n−オクチルビフェニル−4−カルボキシレー
ト〔以後(R)−体と呼ぶ〕と実施例2で得られた
(S)−(−)−(1,1,1−トリフルオロ−2−オ
クチルオキシカルボニル)フェニル 4′−n−オクチ
ルビフェニル−4−カルボキシレート〔以後(S)−体
と呼ぶ〕を表5に示す組成比で混合し、(R)−体およ
び(S)−体の光学異性体組成物を調製した。各組成物
の相転移温度は、ホットステージ付き偏光顕微鏡観察に
より行った。また、各組成物のヒステリシス曲線は、5
0℃において±40V、10Hzの交流三角波電圧を印
加することにより測定した。使用した装置の概略を図7
に示す。 (1)測定セル製作方法 ITO(インジウムチィンオキサイド)透明電極付きガ
ラス基板に日立化成(株)製LX500(ポリイミド)
をスピンコート法により塗布し、ポリイミド薄膜を形成
し、次いでナイロン布を用いてラビング処理を行った。
この方法にて作成したガラス基板2枚をラビング方向が
お互いに平行方向になり、ラビング面が向いあうように
スペーサを介して張り合わせ、セルギャップ1.6μm
の測定セルを製作した。このセルに等方相の状態にて液
晶を注入した。 (2)相系列、相転移温度およびヒステリシス曲線の測
定 相系列および相転移温度は、示差熱分析および(1)で
製作した液晶セルのホットステージ付き偏光顕微鏡によ
る液晶相のテキスチャー観察により行った。さらに、ヒ
ステリシス曲線の測定は、液晶セルを2枚の偏光板を直
交させたフォトマルチプライヤー付き偏光顕微鏡に、電
圧0Vの状態で暗視野となるように配置する。この液晶
セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配にて、S A
相まで徐冷する。さらに冷却してゆき、S*(3)相の温
度範囲において±40V、10Hzの交流三角波電圧を
印加し、50℃において図8に示すそれぞれの純度にお
けるヒステリシス曲線を得る。相系列、相転移温度およ
びヒステリシス曲線を表5および図8に示した。(R)
−体および(S)−体組成物において、(R)−体組成
比が80wt%以上、すなわち光学純度59.4%ee
以上の場合、光学的三安定状態を示すS*(3)相が出現
している。又、ディスプレイへの応用上、安定かつ実用
的なヒステリシス曲線は、(R)−体組成比が90〜1
00wt%、すなわち光学純度82.1%以上の場合に
得ることができ、ヒステリシスの急峻度は1.3、メモ
リーマージンM1=2.0であった。
【0023】
【表8】
【0024】実施例6 光学純度の異なる(R)−および(S)−光学異性体組
生物の相系列、相転移温度およびヒステリシス曲線の測
定 実施例3の(R)−(+)−4−(1,1,1−トリフ
ルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)ビフェニル
4′−n−オクチルオキシベンゾエート〔以後(R)−
体と呼ぶ〕と実施例4の(S)−(−)−4−(1,
1,1−トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニ
ル)ビフェニル 4′−n−オクチルオキシベンゾエー
ト〔以後(S)−体と呼ぶ〕を表6に示す組成比で混合
し、(R)−体および(S)−体の光学異性体組成物を
調製した。各組成物の相転移温度は、ホットステージ付
き偏光顕微鏡観察により行った。また、各組成物のヒス
テリシス曲線は、50℃において±40V、10Hzの
交流三角波電圧を印加することにより測定した。その結
果は、図9のとおりである。使用した装置の概略を図7
に示す。測定セル製作方法および相系列、相転移温度お
よびヒステリシス曲線の測定は、実施例5と全く同様の
方法で実施した。相系列、相転移温度およびヒステリシ
ス曲線を表6および図9に示す。(R)−体および
(S)−体組成物において、(R)−体の組成比が70
〜100wt%すなわち光学純度47.7%ee以上の
場合、光学的三安定状態を示すS*(3)相が出現してい
る。また、ディスプレイ応用上、安定かつ実用的なヒス
テリシス曲線は、(R)−体組成比が80wt%以上、
最も好ましくは90〜100wt%、すなわち光学純度
が81.6%ee以上の場合に得ることができ、ヒステ
リシスの急峻度1.3、メモリーマージン2.4であっ
た。
【0025】
【表9】
【0026】実施例7 (R)−(+)−4′−ノナノイルオキシビフェニル−
4−カルボン酸 6−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)ナフタレン−2−エステ
【化25】 1) 1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 6−
ベンジルオキシ−2−ナフトエ酸エステルの合成。
【化26】 6−ベンジルオキシ−2−ナフトエ酸クロリド5.3g
を塩化メチレン50mlに溶解させ、次いで光学活性な
(R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2−オク
タノール2.9gとジメチルアミノピリジン0.6gと
トリエチルアミン1.7gとを塩化メチレン50mlに
溶解した溶液を氷冷下にて少量づつ加えた。反応混合物
を室温に戻し、一昼夜反応させ、反応液を氷水に投入
し、塩化メチレンにて抽出し塩化メチレン相を希塩酸、
水、1N炭酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗浄し、無
水硫酸マグネシウムにて乾燥して溶媒を留去し、粗生成
物を得た。これをトルエン−シリカゲルカラムクロマト
グラフで処理し、さらにエタノールにて再結晶して目的
物3.8gを得た。 2) (R)−(+)−1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチル 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステル
の合成
【化27】 1)で得られた化合物をメタノール100mlに溶解
し、10%担持Pd−カーボン0.4gを加え、水素雰
囲気下水素化分解反応を行ない、目的化合物2.8gを
得た。 3) 4′−n−ノナノイルオキシビフェニル−4−カ
ルボン酸の合成
【化28】 4′−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸3.5g
とトリエチルアミン2.4gとをジクロロメタン30m
lに溶解する。ノナノイルクロライド4.3gとジメチ
ルアミノピリジン0.2gとを加え、室温にて約20時
間かきまぜる。希塩酸を加え、分液ロートにて有機層を
分離する。溶媒を留去し、残査物をn−ヘキサンにて洗
浄した後、乾燥させ、目的化合物約5gを得る。 4) 4′−n−ノナノイルオキシビフェニル−4−カ
ルボン酸クロライドの合成
【化29】 3)で合成した4′−n−ノナノイルオキシビフェニル
−4−カルボン酸5.0gを10gの塩化チオニル中に
入れ、極く少量のN,N−ジメチルホルムアミドを加
え、4時間還流する。過剰の塩化チオニルを留去して目
的化合物5.2gを得た。 5)(R)−(+)−4′−ノナノイルオキシビフェニ
ル−4−カルボン酸6−(1,1,1−トリフルオロ−
2−オクチルオキシカルボニル)ナフタレン−2−エス
テルの合成
【化30】 2)で合成した1,1,1−トリフルオロ−2−オクチ
ル 6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸エステル0.5g
とトリエチルアミン0.16gとを30mlの塩化メチ
レン中に溶解する。4)で合成した4′−n−ノナノイ
ルオキシビフェニル−4−カルボン酸クロライド0.7
gを30mlの塩化メチレンに溶解し、それを少しずつ
滴下する。さらに、ジメチルアミノピリジン0.05g
を加え、室温にて一昼夜かきまぜる。反応混合物を水中
に入れ、溶液を中性に調整した後、塩化メチレン層を分
離する。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、塩化メチ
レンを留去する。残査物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフ(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=20/1)に
て精製し、目的化合物0.11gを得る。ホットステー
ジ付偏光顕微鏡観察による相転移温度(℃)は次の通り
である。
【表10】 但し、S*(3)は三安定状態液晶相を示す。
【0027】実施例8 (S)−(−)−4−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)フェニル 4′−n−オ
クチルオキシビフェニル−4−カルボキシレートの合成 1)1,1,1−トリフルオロ−2−オクチル 4−ベ
ンジルオキシベンゾエートの合成
【化31】 4−ベンジルオキシ安息香酸クロリド4.3gを塩化メ
チレン50mlに溶解させ、次いで光学活性な(S)−
(−)−1,1,1−トリフルオロ−2−オクタノール
2.9gとジメチルアミノピリジン0.6gとトリエチ
ルアミン1.7gとを塩化メチレン50mlに溶解した
溶液を氷冷下にて少量づつ加えた。反応混合物を室温に
戻し、一昼夜反応させ、反応液を氷水に投入し、塩化メ
チレンにて抽出し塩化メチレン相を希塩酸、水、1N炭
酸ナトリウム水溶液、水にて順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥して溶媒を留去し、粗生成物を得た。
これをトルエン−シリカゲルクロマトグラフで処理し、
さらにエタノールにて再結晶して目的物3.8gを得
た。 2)(S)−(−)−1,1,1−トリフルオロ−2−
オクチル 4−ヒドロキシベンゾエートの合成
【化32】 1)で得られた化合物をメタノール100mlに溶解
し、10%担持Pd−カーボン0.4gを加え、水素雰
囲気下水添反応を行ない、目的化合物2.8gを得た。 3)(S)−(−)−4−(1,1,1−トリフルオロ
−2−オクチルオキシカルボニル)フェニ ル 4′
−n−オクチルオキシビフェニル−4−カルボキシレー
トの合成
【化33】 4−n−オクチルオキシビフェニルカルボン酸3.0g
を過剰の塩化チオニルと共に還流下に6時間加熱した後
未反応の塩化チオニルを留去して4−n−オクチルオキ
シジフェニルカルボン酸塩化物を得た。酸塩化物を塩化
メチレン50mlに溶解した溶液に、先に合成した4−
ヒドロキシ安息香酸1,1,1−トリフルオロオクチル
エステル2.8g、トリエチルアミン1.0gおよびジ
メチルアミノピリジン0.3gを塩化メチレン50ml
に溶解したものを氷冷下徐々に加え室温にて一昼夜反応
させた。次いで、反応液を氷水に投入し、塩化メチレン
にて抽出し、塩化メチレン相を希塩酸、水、炭酸ナトリ
ウム水溶液、そして水の順に洗滌して、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後溶媒を留去して、粗生成物を得た。こ
れをトルエン−シリカゲルクロマトグラフ法により精製
して、光学活性な目的化合物2.1gを得た。相転移点
の測定等には、該化合物を無水エタノールにて再結晶し
て更に精製して用いた。
【0028】実施例9 (R)−(+)−4−(1,1,1−トリフルオロ−2
−オクチルオキシカルボニル)フェニル 2−(4−n
−ノニルオキシフェニル)ピリミジン−5−イル−カル
ボキシレ ートの合成
【化34】 2−(4−n−ノニルオキシフェニル)ピリミジン−5
−イル−カルボン酸1.0gを過剰の塩化チオニルと共
に還流下4時間加熱した後、未反応の塩化チオニルを留
去して2−(4−n−ノニルオキシフェニル)ピリミジ
ン−5−イル−カルボン酸塩化物を得た。次いで光学活
性(R)−(+)−4−ヒドロキシ安息香酸 1,1,
1−トリフルオロ−2−オクチルエステル0.91gと
トリエチルアミン0.94gとを10mlのクロロホル
ム中に溶解し、先に合成した2−(4−n−ノニルオキ
シフェニル)ピリミジン−5−イル−カルボン酸塩化物
を12mlのクロロホルムに溶解した溶液を少しずつ滴
下し、室温で一昼夜撹拌した。反応混合物を水中に入
れ、液性を中性にした後、クロロホルム層のみを抽出し
た。無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、溶媒を留去
し、残渣物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ及び
再結晶にて精製し、目的物1.4gを得た。
【数7】比旋光度〔α〕D 20 +30.50°(C:
2.000 CHCl3中) 赤外線吸収スペクトル (KBr法)(cm-1) 2931,2856,1741,1606,1589,1437,1277,1260,1204,1179,
1094,1021,803 ホットステージつき偏光顕微鏡観察による相転移温度
(℃)は次の通りである。
【表11】 但し、S*(3)は、光学的三安定状態相を示す。
【0029】実施例10 光学純度の異なる(R)−および(S)−光学異性体組
成物の相転移温度およびヒステリシス曲線 実施例7で得られた(R)−(+)−(1,1,1−ト
リフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)ナフチル
4′−n−オクチルカルボニルオキシビフェニル−4
−カルボキシレート〔以後(R)−体と呼ぶ〕と実施例
8で得られた(S)−(−)−(1,1,1−トリフル
オロ−2−オクチルオキシカルボニル)フェニル 4′
−n−オクチルオキシビフェニル−4−カルボキシレー
ト〔以後(S)−体と呼ぶ〕を表7に示す組成比で混合
し、(R)−体および(S)−体の光学異性体組成物を
調製した。各組成物の相転移温度は、ホットステージつ
き偏光顕微鏡観察により行った。また、各組成物のヒス
テリシス曲線は、T−Tc=−30℃、±40V、10
Hzの交流三角波電圧を印加することにより測定した。
使用した装置の概要を図7に示す。 (1)測定セル製作方法 ITO(インジウムチィンオキサイド)透明電極付きガ
ラス基板に日立化成(株)製LX500(ポリイミド)
をスピンコート法により塗布し、ポリイミド薄膜を形成
し、次いでナイロン布を用いてラビング処理を行った。
この方法にて作成したガラス基板2枚をラビング方向が
お互いに平行方向になり、ラビング面が向いあうように
スペーサを介して張り合わせ、セルギャップ1.6μm
の測定セルを製作した。このセルに等方相の状態にて液
晶を注入した。 (2)相系列、相転移温度およびヒステリシス曲線の測
定 相系列および相転移温度は、示差熱分析および(1)で
製作した液晶セルのホットステージ付き偏光顕微鏡によ
る液晶相のテキスチャー観察により行った。さらに、ヒ
ステリシス曲線の測定のために、液晶セルを、2枚の偏
光板を直交させたフォトマルチプライヤー付き偏光顕微
鏡に、電圧0Vの状態で暗視野となるように配置した。
この液晶セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配に
て、S A相まで徐冷した。さらに冷却してゆき、S*
(3)相の温度範囲において±40V、10Hzの交流三
角波電圧を印加し、60℃において図10に示すそれぞ
れの純度におけるヒステリシス曲線を得た。相系列、相
転移温度およびヒステリシス曲線を表12および図10
に示した。(R)−体および(S)−体組成物におい
て、(R)−体組成比が70wt%以上、すなわち光学
純度44.4%ee以上の場合、光学的三安定状態を示
すS*(3)相が出現している。又、ディスプレイへの応
用上、安定かつ実用的なヒステリシス曲線は、(R)−
体組成比が90〜100wt%、すなわち光学純度8
2.7%以上の場合に得ることができ、ヒステリシスの
急峻度は1.2、メモリーマージンM1=3.5であっ
た。
【0030】
【表12】
【0031】実施例11 光学純度の異なる(R)−および(S)−光学異性体組
成物の相転移温度およびヒステリシス曲線 実施例9で得られた(R)−(+)−(1,1,1−ト
リフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)フェニル
2−(4−n−ノニルオキシフェニル)ピリミジン−
5−イル−カルボキシレート〔以後(R)−体と呼ぶ〕
と実施例8で得られた(S)−(−)−(1,1,1−
トリフルオロ−2−オクチルオキシカルボニル)フェニ
ル 4′−n−オクチルオキシビフェニル−4−カルボ
キシレート〔以後(S)−体と呼ぶ〕を表13に示す組
成比で混合し、(R)−体および(S)−体の光学異性
体組成物を調製した。各組成物の相転移温度は、ホット
ステージつき偏光顕微鏡観察により行った。また、各組
成物のヒステリシス曲線は、T−Tc=−20℃で、±
40V、10Hzの交流三角波電圧を印加することによ
り測定した。使用した装置の概要を図7に示す。 (1)測定セル製作方法 ITO(インジウムチィンオキサイド)透明電極付きガ
ラス基板に日立化成(株)製LX500(ポリイミド)
をスピンコート法により塗布し、ポリイミド薄膜を形成
し、次いでナイロン布を用いてラビング処理を行った。
この方法にて作成したガラス基板2枚をラビング方向が
お互いに平行方向になり、ラビング面が向いあうように
スペーサを介して張り合わせ、セルギャップ1.6μm
の測定セルを製作した。このセルに等方相の状態にて液
晶を注入した。 (2)相系列、相転移温度およびヒステリシス曲線の測
定 相系列および相転移温度は、示差熱分析および(1)で
製作した液晶セルのホットステージ付き偏光顕微鏡によ
る液晶相のテキスチャー観察により行った。さらに、ヒ
ステリシス曲線の測定のために、液晶セルを、2枚の偏
光板を直交させたフォトマルチプライヤー付き偏光顕微
鏡に、電圧0Vの状態で暗視野となるように配置した。
この液晶セルを0.1〜1.0℃/1分間の温度勾配に
て、S A相まで徐冷した。さらに冷却してゆき、S*
(3)相の温度範囲において±40V、10Hzの交流三
角波電圧を印加し、T−Tc=−20℃において図11
に示すそれぞれの純度におけるヒステリシス曲線を得
た。相系列、相転移温度およびヒステリシス曲線を表1
3および図11に示した。(R)−体および(S)−体
組成物において、(R)−体組成比が70wt%以上、
すなわち光学純度43.4%ee以上の場合、光学的三
安定状態を示すS*(3)相が出現している。又、ディス
プレイへの応用上、安定かつ実用的なヒステリシス曲線
は、(R)−体組成比が90〜100wt%、すなわち
光学純度81.1%以上の場合に得ることができ、ヒス
テリシスの急峻度は1.4、メモリーマージンM1
1.3であった。
【0032】
【表13】
【0033】実施例12 ラビング処理したポリイミド配向膜をITO電極基板上
に有するセル厚2.0μmの液晶セルに、実施例5、
6、10、11で得られた液晶組成物における表8、
9、12、13の組成比(R):(S)=90:10の
場合の液晶組成物をそれぞれIsotropic相にお
いて充填し、液晶薄膜セルを作成した。作成した液晶セ
ルを2枚の偏光板を直交させたフォトマルチプライヤー
付き偏光顕微鏡に、電圧0Vの状態で暗視野となるよう
に配置した。この液晶セルを0.1〜1.0℃/1分間
の温度勾配にて、SA相まで徐冷する。さらに冷却して
ゆき、反強誘電相において、図12(A)に示す±50
Vのパルス電圧を印加する。図12(B)に示す透過率
の変化から求めた応答速度をτr、τd、τとし、実施
例5、6、10、11の前記液晶組成物のデータを表1
4にそれぞれ示した。Tは測定した温度、TCAはSm A
からS*(3)へ転移する温度である。τrは、反強誘電
相の状態(具体的にはパルス電圧をかけた時)から強誘
電相状態(具体的には透過率90%になった時)に転移
するまでの時間であり、τdは、強誘電相の状態(具体
的にはパルス電圧が終った時)から反強誘電相状態(具
体的には透過率が10%になった時)に移転するまでの
時間であり、τは、強誘電相状態(具体的には負のパル
ス電圧終了時)から反強誘電相の状態を経てつぎの強誘
電相状態(具体的には正のパルス電圧により透過率が9
0%になったとき)になるまでの時間である。
【0034】
【表14】 ΔT=TCA−Tobs. TCA :反強誘電相への転移点
温度〔℃〕 Tobs.:測定温度
【0035】実施例5、6、10、12に示す光学純度
80%ee以上の反強誘電性液晶組成物は、表14のご
とく、応答速度において最大で数μsecの応答速度を
示しており、また、明状態および暗状態における光透過
強度の相対比、すなわちコントラスト比は、1:10以
上最大で1:23を示している。従って、本発明の反強
誘電性液晶化合物および組成物は、図5のようなマトリ
ックス型反強誘電性液晶表示装置を用いて画像表示を行
なった場合、高速応答、高コントラストなどの優れた視
覚特性とマルチプレックス駆動に最適なヒステリシス特
性を示し、高性能・高精細な単純マトリックス型ディス
プレイ表示装置を提供することができる。
【0036】
【効果】本発明により、同一化学式の化学成分純度が高
いにもかかわらず液晶としての性能に疑問のある化合物
についても、光学純度を向上することにより、安定した
液晶特性を発現することができる。その上、急峻性とメ
モリーマージンの高いものを選択すれば、ディスプレー
用として高性能の液晶組成物を安定して得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは印加される三角波を、Bは市販のネマチッ
ク液晶の、Cは二状態液晶の、Dは三安定状態液晶の、
それぞれの光学応答特性を示す。
【図2】クラーク/ラガウェルにより提案された強誘電
性液晶分子の二つの安定した配向状態を示す。
【図3】Aは、本発明の“反”強誘電性液晶分子の三つ
の安定した配向状態を示す。Bは、Aの各(a)、
(b)、(c)に対応した三状態スイッチングと液晶分
子配列の変化を示す。
【図4】“反”強誘電性液晶分子が印加電圧に対してダ
ブルヒステリシスを描いて光透過率が変化することを示
す印加電圧−光透過率特性図である。
【図5】本発明の組成物の三安定状態間を用いたスイッ
チングを利用したマトリックス型反強誘電性液晶表示装
置の斜視図である。
【図6】(a)は、(b)の線順次走査駆動波形を表示
させるための表示装置を示す。(b)は、(a)の駆動
制御装置を用いた線順次駆動走査波形である。
【図7】本発明の実施例におけるヒステリシス曲線を求
めるために用いた電気光学特性測定装置を示す概略図で
ある。AFLCは反強誘電性液晶を示す。ITOはイン
ジウム チィン オキサイドを示す。
【図8】実施例5における組成物の組成比に対応するヒ
ステリシス曲線であって、Aは、(R)−体100wt
%、(S)−体 0wt%の場合のBは、(R)−体
90wt%、(S)−体10wt%の場合のCは、
(R)−体 80wt%、(S)−体20wt%の場合
のDは、(R)−体 70wt%、(S)−体30wt
%の場合のEは、(R)−体 60wt%、(S)−体
40wt%の場合のFは、(R)−体 50wt%、
(S)−体50wt%の場合のそれぞれのヒステリシス
曲線を示す。
【図9】実施例6における組成物の組成比に対応するヒ
ステリシス曲線であって、Aは、(R)−体100wt
%、(S)−体 0wt%の場合のBは、(R)−体
90wt%、(S)−体10wt%の場合のCは、
(R)−体 80wt%、(S)−体20wt%の場合
のDは、(R)−体 70wt%、(S)−体30wt
%の場合のEは、(R)−体 60wt%、(S)−体
40wt%の場合のFは、(R)−体 50wt%、
(S)−体50wt%の場合のそれぞれのヒステリシス
曲線を示す。
【図10】実施例10における組成比に対応するヒステ
リシス曲線であって、Aは、(R)−体100wt%、
(S)−体 0wt%の場合のBは、(R)−体 90
wt%、(S)−体10wt%の場合のCは、(R)−
体 80wt%、(S)−体20wt%の場合のDは、
(R)−体 70wt%、(S)−体30wt%の場合
のEは、(R)−体 60wt%、(S)−体40wt
%の場合のFは、(R)−体 50wt%、(S)−体
50wt%の場合のそれぞれのヒステリシス曲線を示
す。
【図11】実施例11における組成比に対応するヒステ
リシス曲線であって、Aは、(R)−体100wt%、
(S)−体 0wt%の場合のBは、(R)−体 90
wt%、(S)−体10wt%の場合のCは、(R)−
体 80wt%、(S)−体20wt%の場合のDは、
(R)−体 70wt%、(S)−体30wt%の場合
のEは、(R)−体 60wt%、(S)−体40wt
%の場合のFは、(R)−体 50wt%、(S)−体
50wt%の場合のそれぞれのヒステリシス曲線を示
す。
【図12】(A)は、印加電圧と時間の関係を示し、
(B)は、その印加電圧がかかったときのセルを通過す
る光透過強度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電極基板 1c 透明基板 1a 透明電極 1b 配向膜 2 電極基板 2b 配向膜 2a 透明電極 2c 透明基板 3 外部電源 4 偏光板 5 偏光板 6 反強誘電性液晶組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/34 7457−4H G02F 1/137 9315−2K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の反強誘電性液晶化合物
    を含有する液晶組成物において、そのヒステリシス曲線
    の急峻度が1.4以下、メモリーマージンが1以上を示
    すに充分な光学純度を有する反強誘電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】 前記反強誘電性液晶組成物の光学純度が
    80%ee以上である請求項1記載の反強誘電性液晶組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記反強誘電性液晶組成物が、下記の一
    般式で示される化合物よりなる群から選ばれたものであ
    る請求項1記載の反強誘電性液晶組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 (式中、R1とR2は、炭素数5〜20のアルキル基より
    なる群から独立して選らばれたアルキル基であり、Zは
    CF3、C25、CH3およびC25よりなる群から選ら
    ばれた基であり、mは4〜12である。)
JP5140088A 1992-06-26 1993-05-19 反強誘電性液晶組成物 Pending JPH06186518A (ja)

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WO1996038513A1 (fr) * 1995-06-01 1996-12-05 Mitsui Chemicals, Inc. Composition a cristaux liquides

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996038513A1 (fr) * 1995-06-01 1996-12-05 Mitsui Chemicals, Inc. Composition a cristaux liquides
US6007737A (en) * 1995-06-01 1999-12-28 Mitsui Chemicals, Inc. Liquid crystal compositions

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