JPH06187832A - 透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜の製造方法

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JPH06187832A
JPH06187832A JP33473292A JP33473292A JPH06187832A JP H06187832 A JPH06187832 A JP H06187832A JP 33473292 A JP33473292 A JP 33473292A JP 33473292 A JP33473292 A JP 33473292A JP H06187832 A JPH06187832 A JP H06187832A
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JP
Japan
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transparent conductive
conductive film
coating solution
compound
film
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Application number
JP33473292A
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English (en)
Inventor
Akira Umigami
暁 海上
Masatsugu Oyama
正嗣 大山
Masatoshi Shibata
雅敏 柴田
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ITO膜よりも耐湿性に優れた透明導電膜の
製造方法を提供する。 【構成】 インジウム化合物と亜鉛化合物とをInとZ
nの原子比がIn/Zn=1/1〜1/10になる割合
で、アルカノールアミンの存在下に溶解させてコーティ
ング溶液を調製し、このコーティング溶液を基板に塗布
して焼成した後、還元処理することを特徴とする透明導
電膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は軽量化、薄型化が可能で
あり、駆動電圧も低いことから、パソコンやワープロ等
のOA機器への導入が活発である。そして、前述のよう
な利点を有している液晶表示装置は必然的に大面積化、
多画素化、高精細化の方向に向かっており、表示欠陥の
ない高品質の液晶表示素子が求められている。高品質の
液晶表示素子を得るうえでの重要な要素の一つに透明電
極があり、この透明電極としては、現在、ITO膜が主
流を占めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ITO
膜は耐湿性が比較的低く、湿気により電気抵抗値が増大
するという難点を有している。本発明は、ITO膜より
も耐湿性に優れている透明導電膜およびその製造方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の透明導電膜は、一般式 In2 O3 (ZnO)
m(m=2〜20) で表される六方晶層状化合物から
なることを特徴とする(以下、この透明導電膜を透明導
電膜Iという)。また、本発明の透明導電膜は、一般式
In2 O3 (ZnO)m (m=2〜20) で表され
る六方晶層状化合物に、Sn,Al,Sb,Gaおよび
Geからなる群より選択される少なくとも1種をInと
Znの合量に対して20at%以下ドープした化合物から
なることを特徴とする(以下、この透明導電膜を透明導
電膜IIという)。
【0005】また、上記目的を達成する本発明の透明導
電膜の製造方法は、インジウム化合物と亜鉛化合物とを
InとZnの原子比がIn/Zn=1/1〜1/10に
なる割合で溶解させたコーティング溶液を調製し、この
コーティング溶液を基板に塗布して焼成した後、還元処
理することを特徴とする(以下、この方法を方法Iとい
う)。そして、本発明の透明導電膜の、他の製造方法
は、インジウム化合物、亜鉛化合物、およびSn化合
物,Al化合物,Sb化合物,Ga化合物およびGe化
合物からなる群より選択される少なくとも1種のドーピ
ング剤を、InとZnの原子比がIn/Zn=1/1〜
1/10で、InとZnの合量に対するドープ金属の割
合が20at%以下になる割合で溶解させたコーティング
溶液を調製し、このコーティング溶液を基板に塗布して
焼成した後、還元処理することを特徴とする(以下、こ
の方法を方法IIという)。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
透明導電膜Iは、上述したように一般式 In2 O
3 (ZnO)m (m=2〜20) で表される六方晶層
状化合物からなる。ここで、mの値を2〜20に限定す
る理由は、mの値が前記範囲外では六方晶層状化合物に
ならないからである。上記一般式で表される六方晶層状
化合物からなる透明導電膜Iは、実用上十分な導電性を
有するとともに優れた可視光透過性を有している。そし
て、湿気による電気抵抗値の増大はITO膜よりも少な
い。この透明導電膜Iは種々の方法により製造すること
が可能であるが、比較的低温で製造することが可能であ
る点、組成の制御が容易である点等から、後述する本発
明の方法Iにより製造することが好ましい。
【0007】また、本発明の透明導電膜IIは、上述した
ように一般式 In2 O3 (ZnO)m (m=2〜2
0) で表される六方晶層状化合物に、Sn,Al,S
b,GaおよびGeからなる群より選択される少なくと
も1種をInとZnの合量に対して20at%以下ドープ
した化合物からなる。ここで、mの値を2〜20に限定
する理由は、mの値が前記範囲外では六方晶層状化合物
にならないからである。また、ドープ金属(Sn,A
l,Sb,Ga,Ge)の割合を20at%以下に限定す
る理由は、20at%を超えてドープさせるとイオンの散
乱が起こり、膜の導電性が低下し過ぎるからである。上
記化合物からなる透明導電膜IIは、優れた可視光透過性
を有しているとともに、透明導電膜Iよりも高い導電性
を有している。そして、湿気による電気抵抗値の増大は
ITO膜よりも少ない。この透明導電膜IIも種々の方法
により製造することが可能であるが、前述した透明導電
膜Iと同様の理由から、後述する本発明の方法IIにより
製造することが好ましい。
【0008】次に、本発明の方法Iおよび方法IIについ
て説明する。まず本発明の方法Iについて説明すると、
この方法Iは前述したようにインジウム化合物と亜鉛化
合物とをInとZnの原子比がIn/Zn=1/1〜1
/10になる割合で溶解させたコーティング溶液を調製
し、このコーティング溶液を基板に塗布して焼成した
後、還元処理することを特徴とするものである。方法I
で用いるコーティング溶液は、上述したインジウム化合
物および亜鉛化合物の他に、溶剤および溶液の安定化剤
を含む。
【0009】ここで、インジウム化合物は後述する亜鉛
化合物と反応してIn2 O3 (ZnO)m (m=2〜2
0)を生成するものであればよい。具体例としては酢酸
インジウム等のインジウムのカルボン酸塩や、塩化イン
ジウム等の無機インジウム化合物や、インジウムエトキ
シド、インジウムプロポキシド等のインジウムアルコキ
シドが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。また、亜鉛化合物は前述したインジウム化合物と反
応してIn2 O3 (ZnO)m (m=2〜20)を生成
するものであればよい。具体例としては酢酸亜鉛等の亜
鉛のカルボン酸塩や、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜
鉛等の無機亜鉛化合物や、亜鉛メトキシド、亜鉛エトキ
シド、亜鉛プロポキシド等の亜鉛アルコキシドが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0010】溶剤としてはメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−
エトキシエタノール等のアルコール類や、トルエン、ベ
ンゼン等の炭化水素等を用いることができるが、これら
に限定されるものではない。また、溶液の安定化剤とし
てはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアルカノールアミン等を用いるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0011】このようなコーティング溶液の調製は、所
定量のインジウム化合物、亜鉛化合物、溶剤および安定
化剤を混合することにより行うことができる。このとき
の混合順序は特に限定されるものではない。混合はスタ
ーラー等の常法による攪拌混合でよく、このとき加熱し
てもよい。攪拌時間は0.01〜100時間が好まし
い。0.01時間未満では均一な透明溶液を得ることが
困難である。一方、100時間を超えると経済性に乏し
くなる。特に好ましい攪拌時間は0.1〜100時間で
ある。また攪拌時に加熱する場合、加熱温度は100℃
以下にすることが好ましい。100℃を超えると溶媒が
蒸発し、溶液濃度が変化する。
【0012】コーティング溶液におけるInとZnの原
子比は、六方晶層状化合物を得るうえからIn/Zn=
1/1〜1/10に限定される。また、コーティング溶
液における金属(InおよびZn)濃度は、0.01〜
10 mol%とすることが好ましい。0.01 mol%未満
ではコーティング1回あたりの膜厚が薄く、所望の膜厚
を得るためには多数回のコーティングが必要になるた
め、経済性に乏しくなる。一方、10 mol%を超えると
コーティング時に膜厚にむらが生じる。特に好ましい金
属濃度は0.1〜10 mol%である。
【0013】コーティング溶液における安定化剤の濃度
は、0.01〜10 mol%とすることが好ましい。0.
01 mol%未満ではインジウム化合物と亜鉛化合物の溶
剤への溶解が困難になる。一方、10 mol%を超える
と、焼成時に安定化剤が分解することにより生じる炭素
が焼成後も膜中に残存するようになり、膜の導電性を低
下させる。安定化剤の特に好ましい濃度は、0.1〜1
0 mol%である。
【0014】方法Iでは、上述のようにして調製したコ
ーティング溶液を基板に塗布した後に焼成する。基板と
しては用途に応じて種々のものを用いることができる
が、例えば透明基板としてはアルカリガラス、無アルカ
リガラス、石英ガラス、透明ポリマー等が挙げられる。
なお、基板はアンダーコート層を有していてもよい。ア
ンダーコート層の具体例としてはZnO、SiO2 、T
iO2 等の薄膜が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。また、塗布方法は特に限定されるものでは
なく、溶液から薄膜を製造する際に従来より適用されて
いる種々の方法を用いることができる。具体例としては
スプレー法、ディッピング法、スピンコート法等が挙げ
られる。
【0015】焼成方法としては常圧焼成、真空焼成、加
圧焼成等の方法を適用することができるが、これらの方
法に限定されるものではない。焼成温度は100〜10
00℃が好ましい。100℃未満では目的とする六方晶
層状化合物の生成が困難である。一方、1000℃を超
えると酸化亜鉛の蒸発が生じて膜組成が変化する。特に
好ましい焼成温度は200〜1000℃である。焼成時
間は、焼成温度にもよるが、0.01〜10時間が好ま
しい。0.01時間未満では、溶剤あるいは安定化剤の
分解により生じた炭素が焼成後も膜中に残存し、膜の導
電性を低下させる。一方、10時間を超えると経済性に
乏しくなる。特に好ましい焼成時間は0.1〜10時間
であるが、特に限定されるものではない。
【0016】なお、塗布した後に焼成するという操作を
1回行っただけでは所望の膜厚が得られない場合には、
塗布した後に焼成(仮焼)するという操作を必要回数行
った後に焼成(本焼)することが好ましい。仮焼する場
合の温度は、100〜800℃が好ましい。100℃未
満では溶剤あるいは安定化剤の分解により生じた炭素が
焼成後も膜中に残存し、膜の導電性を低下させる。一
方、800℃を超えると溶剤あるいは安定化剤の急激な
蒸発が生じ、膜表面が粗くなる。特に好ましい温度は2
00〜600℃であるが、特に限定するものではない。
【0017】仮焼時間は、焼成温度によっても異なるが
0.01〜1時間が好ましい。0.01時間未満では、
溶剤あるいは安定化剤が飛びきらず残ってしまうため、
何回塗布、焼成を繰り返しても、前にコーティングした
膜が、次のコーティング時に溶けてしまい膜が厚くなら
ない。一方、1時間を超えると経済性に乏しくなる。
【0018】方法Iでは、上述のようにして焼成した後
に還元処理を行う。還元方法としては還元性ガスによる
還元、真空焼成による還元等を適用することができる
が、これらの方法に限定されるものではない。還元性ガ
スによる還元を行う場合、還元性ガスとしては水素、窒
素、アルゴン等や、これらのガスと酸素との混合ガス等
を用いることができるが、これらのガスに限定されるも
のではない。還元温度は100〜1000℃が好まし
い。100℃未満では十分な還元を行うことが困難であ
る。一方、1000℃を超えると酸化亜鉛の蒸発が生じ
て膜組成が変化する。特に好ましい還元温度は100〜
800℃であるが、特に限定されるものではない。還元
時間は、還元温度にもよるが、0.01〜10時間が好
ましい。0.01時間未満では十分な還元を行うことが
困難である。一方、10時間を超えると経済性に乏しく
なる。特に好ましい還元時間は0.1〜10時間である
が、特に限定されるものではない。
【0019】上述の方法Iによって製造することができ
る本発明の透明導電膜Iは、実用上十分な導電性を有し
ているとともに優れた可視光透過性を有している。そし
て、湿気による電気抵抗値の増大はITO膜よりも少な
い。この透明導電膜Iは、液晶表示素子用電極や太陽電
池用電極等、種々の用途の電極として使用することがで
きる。
【0020】次に、本発明の方法IIについて説明する。
方法IIは、前述したようにインジウム化合物、亜鉛化合
物、およびSn化合物,Al化合物,Sb化合物,Ga
化合物およびGe化合物からなる群より選択される少な
くとも1種のドーピング剤を、InとZnの原子比がI
n/Zn=1/1〜1/10で、InとZnの合量に対
するドープ金属の割合が20at%以下になる割合で溶解
させたコーティング溶液を調製し、このコーティング溶
液を基板に塗布して焼成した後、還元処理することを特
徴とするものである。
【0021】ここで、InとZnの合量に対するドープ
金属(Sn,Al,Sb,Ga,Ge)の割合を20at
%以下に限定する理由は、20at%を超える量溶解させ
ると、イオンの散乱が起こって得られる透明導電膜の導
電性が低下し過ぎるからである。ドープ金属を20at%
以下ドープすることにより、透明導電膜Iよりも導電性
の高い透明導電膜を得ることができる。
【0022】この方法IIは、インジウム化合物および亜
鉛化合物の他に、Sn化合物,Al化合物,Sb化合
物,Ga化合物およびGe化合物からなる群より選択さ
れる少なくとも1種のドーピング剤を所定量溶解させて
コーティング溶液を調製する点で前述した方法Iと異な
る。他の点、すなわち、インジウム化合物および亜鉛化
合物の種類やコーティング溶液の調製方法、基板の種
類、焼成方法、および還元方法については方法Iと同じ
である。
【0023】方法IIで用いられるSn化合物の具体例と
しては酢酸錫(2価)、ジメトキシ錫、ジエトキシ錫、
ジプロポキシ錫、ジブトキシ錫、テトラメトキシ錫、テ
トラエトキシ錫、テトラプロポキシ錫、テトラブトキシ
錫、塩化錫(2価)、塩化錫(4価)等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。Al化合物の具
体例としては塩化アルミニウム、トリメトキシアルミニ
ウム、トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアル
ミニウム、トリブトキシアルミニウム等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0024】Sb化合物の具体例としては塩化アンチモ
ン(3価)、塩化アンチモン(5価)、トリメトキシア
ンチモン、トリエトキシアンチモン、トリプロポキシア
ンチモン、トリブトキシアンチモン等があげられるが、
これらに限定されるものではない。Ga化合物の具体例
としては塩化ガリウム(3価)、トリメトキシガリウ
ム、トリエトキシガリウム、トリプロポキシガリウム、
トリブトキシガリウム等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0025】そして、Ge化合物の具体例としては塩化
ゲルマニウム(4価)、テトラメトキシゲルマニウム、
テトラエトキシゲルマニウム、テトラプロポキシゲルマ
ニウム、テトラブトキシゲルマニウム等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0026】上述の方法IIにより製造することができる
本発明の透明導電膜IIは、優れた可視光透過性を有して
いるとともに、透明導電膜Iよりも高い導電性を有して
いる。そして、湿気による電気抵抗値の増大はITO膜
よりも少ない。この透明導電膜IIもまた、液晶表示素子
用電極や太陽電池用電極等、種々の用途の電極として使
用することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1(方法Iによる透明導電膜Iの製造例) インジウム化合物として酢酸インジウムを、亜鉛化合物
として無水酢酸亜鉛を、溶剤として2−メトキシメタノ
ールを、安定化剤としてモノエタノールアミンを、基板
として石英ガラス板をそれぞれ用いて、方法Iに基づい
て以下のようにして透明導電膜Iを製造した。まず、2
−メトキシメタノール22.3gにモノエタノールアミ
ン3.7gと酢酸インジウム1.8gを添加し、10分
間攪拌混合して、透明溶液を得た。この透明溶液を攪拌
しながら、当該透明溶液に無水酢酸亜鉛2.2gを添加
し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコーティング
溶液を調製した。このコーティング溶液におけるInと
Znの原子比はIn/Zn=1/2であり、金属(In
およびZn)濃度は0.5 mol/リットル(4.8 mol
%)であった。次に、得られたコーティング溶液に石英
ガラス板(70×20×1.5mm)を浸漬してディッ
プコーティング(コーティング速度:1.2cm/分)
した後、電気炉を用いて500℃で10分間焼成(仮
焼)した。ディップコーティングした後に焼成(仮焼)
するという前述の操作を計10回繰り返した後、更に、
800℃で1時間焼成(本焼)した。この後、400℃
で2時間真空(1×10-2torr)還元して、目的とする
透明導電膜Iを得た。
【0028】このようにして得られた石英ガラス板上の
透明導電膜IのXRD(ロータフレックス RU−20
0B(リガク社製))を測定したところ、六方晶層状化
合物[In2 O3 (ZnO)5 ]の生成が確認された。
XRDの結果を図1に示す。また、得られた透明導電膜
Iの断面の電子顕微鏡写真からその膜厚を測定したとこ
ろ、膜厚は200nmであった。この透明導電膜Iの表
面抵抗を四端子法により測定した結果を表1に示す。ま
た、石英ガラス板上の透明導電膜Iの可視光(波長55
0nm)透過率の測定結果も表1に示す。さらに、得ら
れた透明導電膜Iについて40℃、90%RHの条件で
耐湿性試験を行い、試験時間1000時間後の表面抵抗
を測定した。この結果も表1に示す。
【0029】 実施例2(方法IIによる透明導電膜IIの製造例) インジウム化合物として酢酸インジウムを、亜鉛化合物
として無水酢酸亜鉛を、ドーピング剤としてジブトキシ
錫を、溶剤として2−メトキシメタノールを、安定化剤
としてモノエタノールアミンを、基板として石英ガラス
板をそれぞれ用いて、方法IIに基づいて以下のようにし
て透明導電膜IIを製造した。まず、2−メトキシメタノ
ールと、モノエタノールアミンと、酢酸インジウムと、
無水酢酸亜鉛とを用いて、実施例1と全く同様にして透
明で均一な溶液30g(実施例1のコーティング溶液に
相当)を調製した。次に、この溶液にジブトキシ錫0.
16gを添加し、10分間攪拌混合して、透明で均一な
コーティング溶液を調製した。このコーティング溶液に
おけるInとZnの原子比はIn/Zn=1/2、In
とZnの合量に対するSnの割合{[Sn/(In+Z
n)]×100}は4at%、金属(In、ZnおよびS
n)濃度は4.8 mol%であった。この後、得られたコ
ーティング溶液に石英ガラス板(70×20×1.5m
m)を浸漬し、実施例1と同条件でディップコーティン
グした後、実施例1と全く同様にして焼成(仮焼および
本焼)および還元処理を行って、目的とする透明導電膜
II(膜厚200nm)を得た。
【0030】このようにして得られた透明導電膜IIの表
面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定
するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試
験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にし
て測定した。これらの結果を表1に示す。
【0031】 実施例3(方法IIによる透明導電膜IIの製造例) ジブトキシ錫に代えてトリブトキシアルミニウム0.1
5gを用いた以外は実施例2と全く同様にしてコーティ
ング溶液{In/Zn=1/2、[Al/(In+Z
n)]×100=4at%、金属(In、ZnおよびA
l)濃度=4.8 mol%}を調製し、このコーティング
溶液を用いて実施例2と全く同様にして透明導電膜II
(膜厚200nm)を得た。
【0032】このようにして得られた透明導電膜IIの表
面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定
するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試
験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にし
て測定した。これらの結果を表1に示す。
【0033】 実施例4(方法IIによる透明導電膜IIの製造例) ジブトキシ錫に代えてトリブトキシアンチモン0.21
gを用いた以外は実施例2と全く同様にしてコーティン
グ溶液{In/Zn=1/2、[Sb/(In+Z
n)]×100=4at%、金属(In、ZnおよびS
b)濃度=4.8 mol%}を調製し、このコーティング
溶液を用いて実施例2と全く同様にして透明導電膜II
(膜厚200nm)を得た。
【0034】このようにして得られた透明導電膜IIの表
面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定
するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試
験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にし
て測定した。これらの結果を表1に示す。
【0035】 実施例5(方法IIによる透明導電膜IIの製造例) ジブトキシ錫に代えて塩化ガリウム(3価)0.11g
を用いた以外は実施例2と全く同様にしてコーティング
溶液{In/Zn=1/2、[Ga/(In+Zn)]
×100=4at%、金属(In、ZnおよびGa)濃度
=4.8 mol%}を調製し、このコーティング溶液を用
いて実施例2と全く同様にして透明導電膜II(膜厚20
0nm)を得た。
【0036】このようにして得られた透明導電膜IIの表
面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定
するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試
験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にし
て測定した。これらの結果を表1に示す。
【0037】 実施例6(方法IIによる透明導電膜IIの製造例) ジブトキシ錫に代えてテトラプロポキシゲルマニウム
0.15gを用いた以外は実施例2と全く同様にしてコ
ーティング溶液{In/Zn=1/2、[Ge/(In
+Zn)]×100=4at%、金属(In、Znおよび
Ge)濃度=4.8 mol%}を調製し、このコーティン
グ溶液を用いて実施例2と全く同様にして透明導電膜II
(膜厚200nm)を得た。
【0038】このようにして得られた透明導電膜IIの表
面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定
するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試
験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にし
て測定した。これらの結果を表1に示す。
【0039】比較例1 まず、2−メトキシメタノール22.2gにモノエタノ
ールアミン4.0gと酢酸インジウム3.8gを添加
し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコーティング
溶液を調製した。このコーティング溶液における金属
(In)濃度は4.8 mol%であった。次に、得られた
コーティング溶液に石英ガラス板(70×20×1.5
mm)を浸漬してディップコーティング(コーティング
速度:1.2cm/分)した後、電気炉を用いて500
℃で10分間焼成(仮焼)した。ディップコーティング
した後に焼成(仮焼)するという前述の操作を計10回
繰り返した後、更に、500℃で1時間焼成(本焼)し
た。この後、400℃で2時間真空(1×10-2torr)
還元して、酸化インジウム薄膜(膜厚200nm)を得
た。
【0040】このようにして得られた酸化インジウム薄
膜の表面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にし
て測定するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行
って試験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同
様にして測定した。これらの結果を表1に示す。
【0041】比較例2 比較例1のコーティング溶液にSn(OC4 H9 )2 を
0.16g添加した以外は比較例1と同様に実施してI
TO薄膜(Sn4at%,膜厚200nm)を得た。このよ
うにして得られたITO薄膜の表面抵抗および可視光透
過率を実施例1と同様にして測定するとともに、実施例
1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000時間後
の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。これらの
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、実施例1の透明
導電膜Iおよび実施例2〜実施例6の各透明導電膜IIは
いずれも実用上十分な導電性を有しており、特に実施例
2〜実施例6の各透明導電膜IIは優れた導電性を有して
いる。また、これら実施例1〜実施例6の各透明導電膜
はいずれも優れた可視光透過率を有している。さらに、
各実施例の透明導電膜の表面抵抗は、耐湿性試験の前後
でほとんど変化がない。このことから、各実施例の透明
導電膜は耐湿性に優れていることがわかる。一方、比較
例1の酸化インジウム薄膜および比較例2のITO膜は
優れた導電性および可視光透過率を有しているものの、
耐湿性については各実施例の透明導電膜よりも劣る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の透明導電
膜はITO膜よりも耐湿性に優れている。したがって、
本発明によれば耐久性の向上した透明導電膜を提供する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた透明導電膜についてのXR
Dの結果を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 透明導電膜の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は軽量化、薄型化が可能で
あり、駆動電圧も低いことから、パソコンやワープロ等
のOA機器への導入が活発である。そして、前述のよう
な利点を有している液晶表示装置は必然的に大面積化、
多画素化、高精細化の方向に向かっており、表示欠陥の
ない高品質の液晶表示素子が求められている。高品質の
液晶表示素子を得るうえでの重要な要素の一つに透明電
極があり、この透明電極としては、現在、ITO膜が主
流を占めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ITO
膜は耐湿性が比較的低く、湿気により電気抵抗値が増大
するという難点を有している。本発明は、ITO膜より
も耐湿性に優れた透明導電膜の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の透明導電膜の製造方法は、インジウム化合物と亜鉛
化合物とをInとZnの原子比がIn/Zn=1/1〜
1/10になる割合で、アルカノールアミンの存在下に
溶解させてコーティング溶液を調製し、このコーティン
グ溶液を基板に塗布して焼成した後、還元処理すること
を特徴とする(以下、この方法を方法Iという)。そし
て、本発明の透明導電膜の、他の製造方法は、インジウ
ム化合物、亜鉛化合物、およびSn化合物,Al化合
物,Sb化合物,Ga化合物およびGe化合物からなる
群より選択される少なくとも1種のドーピング剤を、I
nとZnの原子比がIn/Zn=1/1〜1/10で、
InとZnの合量に対するドープ元素の割合が20at%
以下になる割合で、アルカノールアミンの存在下に溶解
させてコーティング溶液を調製し、このコーティング溶
液を基板に塗布して焼成した後、還元処理することを特
徴とする(以下、この方法を方法IIという)。
【0005】以下、本発明の透明導電膜の製造方法Iお
よび方法IIについて順次説明する。まず本発明の方法I
は前述したようにインジウム化合物と亜鉛化合物とをI
nとZnの原子比がIn/Zn=1/1〜1/10にな
る割合で、アルカノールアミンの存在下に溶解させてコ
ーティング溶液を調製し、このコーティング溶液を基板
に塗布して焼成した後、還元処理することを特徴とする
ものである。方法Iで用いるコーティング溶液は、上述
したインジウム化合物および亜鉛化合物並びにアルカノ
ールアミンの他に、通常、溶剤を含む。
【0006】ここで、インジウム化合物は後述する亜鉛
化合物と反応してIn/Znの原子比がIn/Zn=1
/1〜1/10であるインジウム・亜鉛酸化物、例えば
In2 O3 (ZnO)m (m=2〜20)で表される六
方晶層状化合物を生成するものであればよい。具体例と
しては酢酸インジウム等のインジウムのカルボン酸塩
や、塩化インジウム等の無機インジウム化合物や、イン
ジウムエトキシド、インジウムプロポキシド等のインジ
ウムアルコキシドが挙げられる。また、亜鉛化合物は前
述したインジウム化合物と反応して前記インジウム・亜
鉛酸化物を生成するものであればよい。具体例としては
酢酸亜鉛等の亜鉛のカルボン酸塩や、塩化亜鉛、フッ化
亜鉛、ヨウ化亜鉛等の無機亜鉛化合物や、亜鉛メトキシ
ド、亜鉛エトキシド、亜鉛プロポキシド等の亜鉛アルコ
キシドが挙げられる。
【0007】アルカノールアミンは溶液の安定化剤とし
て用いられ、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン等を用いることがで
きる。
【0008】溶剤としてはメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、2−メトキシエタノール、2−
エトキシエタノール等のアルコール類や、トルエン、ベ
ンゼン等の炭化水素等を用いることができる。
【0009】このようなコーティング溶液の調製は、所
定量のインジウム化合物、亜鉛化合物、アルカノールア
ミンおよび溶剤を混合することにより行うことができ
る。このときの混合順序は特に限定されるものではな
い。混合はスターラー等の常法による攪拌混合でよく、
このとき加熱してもよい。攪拌時間は0.01〜100
時間が好ましい。0.01時間未満では均一な透明溶液
を得ることが困難である。一方、100時間を超えると
経済性に乏しくなる。特に好ましい攪拌時間は0.1〜
100時間である。また攪拌時に加熱する場合、加熱温
度は100℃以下にすることが好ましい。100℃を超
えると溶媒が蒸発し、溶液濃度が変化する。
【0010】コーティング溶液におけるInとZnの原
子比は、In/Zn=1/1〜1/10に限定される。
また、コーティング溶液におけるInおよびZnの濃度
は、0.01〜10 mol%とすることが好ましい。0.
01 mol%未満ではコーティング1回あたりの膜厚が薄
く、所望の膜厚を得るためには多数回のコーティングが
必要になるため、経済性に乏しくなる。一方、10 mol
%を超えるとコーティング時に膜厚にむらが生じる。特
に好ましい金属濃度は0.1〜10 mol%である。
【0011】コーティング溶液における安定化剤である
アルカノールアミンの濃度は、0.01〜10 mol%と
することが好ましい。0.01 mol%未満ではインジウ
ム化合物と亜鉛化合物の溶剤への溶解が困難になる。一
方、10 mol%を超えると、焼成時に安定化剤が分解す
ることにより生じる炭素が焼成後も膜中に残存するよう
になり、膜の導電性を低下させる。安定化剤の特に好ま
しい濃度は、0.1〜10 mol%である。
【0012】方法Iでは、上述のようにして調製したコ
ーティング溶液を基板に塗布した後に焼成する。基板と
しては用途に応じて種々のものを用いることができる
が、例えば透明基板としてはアルカリガラス、無アルカ
リガラス、石英ガラス、透明ポリマー等が挙げられる。
なお、基板はアンダーコート層を有していてもよい。ア
ンダーコート層の具体例としてはZnO、SiO2 、T
iO2 等の薄膜が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。また、塗布方法は特に限定されるものでは
なく、溶液から薄膜を製造する際に従来より適用されて
いる種々の方法を用いることができる。具体例としては
スプレー法、ディッピング法、スピンコート法等が挙げ
られる。
【0013】焼成方法としては常圧焼成、真空焼成、加
圧焼成等の方法を適用することができるが、これらの方
法に限定されるものではない。焼成温度は550〜10
00℃が好ましい。550℃未満では目的とする六方晶
層状化合物の生成が困難である。一方、1000℃を超
えると酸化亜鉛の蒸発が生じて膜組成が変化する。特に
好ましい焼成温度は600〜1000℃である。焼成時
間は、焼成温度にもよるが、0.01〜10時間が好ま
しい。0.01時間未満では、溶剤あるいは安定化剤の
分解により生じた炭素が焼成後も膜中に残存し、膜の導
電性を低下させる。一方、10時間を超えると経済性に
乏しくなる。特に好ましい焼成時間は0.1〜10時間
である。
【0014】なお、塗布した後に焼成するという操作を
1回行っただけでは所望の膜厚が得られない場合には、
塗布した後に焼成(仮焼)するという操作を必要回数行
った後に焼成(本焼)することが好ましい。仮焼する場
合の温度は、300〜800℃が好ましい。300℃未
満では溶剤あるいは安定化剤の分解により生じた炭素が
焼成後も膜中に残存し、膜の導電性を低下させる。一
方、800℃を超えると溶剤あるいは安定化剤の急激な
蒸発が生じ、膜表面が粗くなる。特に好ましい温度は4
00〜600℃である。
【0015】仮焼時間は、焼成温度によっても異なるが
0.01〜1時間が好ましい。0.01時間未満では、
溶剤あるいは安定化剤が飛びきらず残ってしまうため、
何回塗布、焼成を繰り返しても、前にコーティングした
膜が、次のコーティング時に溶けてしまい膜が厚くなら
ない。一方、1時間を超えると経済性に乏しくなる。
【0016】方法Iでは、上述のようにして焼成した後
に還元処理を行う。還元方法としては還元性ガスによる
還元、真空焼成による還元等を適用することができる
が、これらの方法に限定されるものではない。還元性ガ
スによる還元を行う場合、還元性ガスとしては水素、窒
素、水蒸気等や、これらのガスと酸素との混合ガス等を
用いることができる。還元温度は100〜800℃が好
ましい。100℃未満では十分な還元を行うことが困難
である。一方、800℃を超えると酸化亜鉛の蒸発が生
じて膜組成が変化する。特に好ましい還元温度は200
〜600℃である。還元時間は、還元温度にもよるが、
0.01〜10時間が好ましい。0.01時間未満では
十分な還元を行うことが困難である。一方、10時間を
超えると経済性に乏しくなる。特に好ましい還元時間は
0.1〜10時間である。
【0017】上述の方法Iによって製造された本発明の
透明導電膜は、InとZnの原子比がIn/Zn=1/
1〜1/10のインジウム・亜鉛化合物、例えば一般式
In 2 O3 (ZnO)m(m=2〜20)で表される六
方晶層状化合物からなり、実用上十分な導電性を有して
いるとともに優れた可視光透過性を有している。そし
て、湿気による電気抵抗値の増大はITO膜よりも少な
い。この透明導電膜は、液晶表示素子用電極や太陽電池
用電極等、種々の用途の電極として使用することができ
る。
【0018】次に、本発明の方法IIについて説明する。
方法IIは、前述したようにインジウム化合物、亜鉛化合
物、およびSn化合物,Al化合物,Sb化合物,Ga
化合物およびGe化合物からなる群より選択される少な
くとも1種のドーピング剤を、InとZnの原子比がI
n/Zn=1/1〜1/10で、InとZnの合量に対
するドープ元素の割合が20at%以下になる割合で、ア
ルカノールアミンの存在下に溶解させたコーティング溶
液を調製し、このコーティング溶液を基板に塗布して焼
成した後、還元処理することを特徴とするものである。
【0019】ここで、InとZnの合量に対するドープ
元素(Sn,Al,Sb,Ga,Ge)の割合を20at
%以下に限定する理由は、20at%を超える量溶解させ
ると、イオンの散乱が起こって得られる透明導電膜の導
電性が低下し過ぎるからである。ドープ元素を20at%
以下ドープすることにより、方法Iで得られた透明導電
膜よりも導電性の高い透明導電膜を得ることができる。
【0020】この方法IIは、インジウム化合物および亜
鉛化合物の他に、Sn化合物,Al化合物,Sb化合
物,Ga化合物およびGe化合物からなる群より選択さ
れる少なくとも1種のドーピング剤を所定量溶解させて
コーティング溶液を調製する点で前述した方法Iと異な
る。他の点、すなわち、インジウム化合物および亜鉛化
合物の種類やコーティング溶液の調製方法、基板の種
類、焼成方法、および還元方法については方法Iと同じ
である。
【0021】方法IIで用いられるSn化合物の具体例と
しては酢酸錫(2価)、ジメトキシ錫、ジエトキシ錫、
ジプロポキシ錫、ジブトキシ錫、テトラメトキシ錫、テ
トラエトキシ錫、テトラプロポキシ錫、テトラブトキシ
錫、塩化錫(2価)、塩化錫(4価)等が挙げられる。
Al化合物の具体例としては塩化アルミニウム、トリメ
トキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ
プロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等
が挙げられる。
【0022】Sb化合物の具体例としては塩化アンチモ
ン(3価)、塩化アンチモン(5価)、トリメトキシア
ンチモン、トリエトキシアンチモン、トリプロポキシア
ンチモン、トリブトキシアンチモン等が挙げられる。G
a化合物の具体例としては塩化ガリウム(3価)、トリ
メトキシガリウム、トリエトキシガリウム、トリプロポ
キシガリウム、トリブトキシガリウム等が挙げられる。
【0023】そして、Ge化合物の具体例としては塩化
ゲルマニウム(4価)、テトラメトキシゲルマニウム、
テトラエトキシゲルマニウム、テトラプロポキシゲルマ
ニウム、テトラブトキシゲルマニウム等が挙げられる。
【0024】上述の方法IIにより製造された本発明の透
明導電膜はIn/Znの原子比がIn/Zn=1/1〜
1/10のインジウム・亜鉛酸化物、例えば一般式In
2 O 3 (ZnO)m(m=2〜20)で表される六方晶
層状化合物に、Sn、Al、Sb、GaおよびGeから
なる群より選択される少くとも1種をInとZnの合量
に対して20at%以下ドープした化合物からなり、優
れた可視光透過性を有しているとともに、方法Iで得ら
れた透明導電膜よりも高い導電性を有している。そし
て、湿気による電気抵抗値の増大はITO膜よりも少な
い。この透明導電膜もまた、液晶表示素子用電極や太陽
電池用電極等、種々の用途の電極として使用することが
できる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1(方法Iによる透明導電膜の製造例) インジウム化合物として酢酸インジウムを、亜鉛化合物
として無水酢酸亜鉛を、溶剤として2−メトキシメタノ
ールを、安定化剤としてモノエタノールアミンを、基板
として石英ガラス板をそれぞれ用いて、方法Iに基づい
て以下のようにして透明導電膜を製造した。まず、2−
メトキシメタノール22.3gにモノエタノールアミン
3.7gと酢酸インジウム1.8gを添加し、10分間
攪拌混合して、透明溶液を得た。この透明溶液を攪拌し
ながら、当該透明溶液に無水酢酸亜鉛2.2gを添加
し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコーティング
溶液を調製した。このコーティング溶液におけるInと
Znの原子比はIn/Zn=1/2であり、Inおよび
Znの濃度は0.5 mol/リットル(4.8 mol%)で
あった。次に、得られたコーティング溶液に石英ガラス
板(70×20×1.5mm)を浸漬してディップコー
ティング(コーティング速度:1.2cm/分)した
後、電気炉を用いて500℃で10分間焼成(仮焼)し
た。ディップコーティングした後に焼成(仮焼)すると
いう前述の操作を計10回繰り返した後、更に、800
℃で1時間焼成(本焼)した。この後、400℃で2時
間真空(1×10-2torr)還元して、目的とする透明導
電膜を得た。
【0026】このようにして得られた石英ガラス板上の
透明導電膜のXRD(ロータフレックス RU−200
B(リガク社製))を測定したところ、六方晶層状化合
物[In2 O3 (ZnO)5 ]の生成が確認された。X
RDの結果を図1に示す。また、得られた透明導電膜の
断面の電子顕微鏡写真からその膜厚を測定したところ、
膜厚は200nmであった。この透明導電膜の表面抵抗
を四端子法により測定した結果を表1に示す。また、石
英ガラス板上の透明導電膜の可視光(波長550nm)
透過率の測定結果も表1に示す。さらに、得られた透明
導電膜について40℃、90%RHの条件で耐湿性試験
を行い、試験時間1000時間後の表面抵抗を測定し
た。この結果も表1に示す。
【0027】 実施例2(方法IIによる透明導電膜の製造例) インジウム化合物として酢酸インジウムを、亜鉛化合物
として無水酢酸亜鉛を、ドーピング剤としてジブトキシ
錫を、溶剤として2−メトキシメタノールを、安定化剤
としてモノエタノールアミンを、基板として石英ガラス
板をそれぞれ用いて、方法IIに基づいて以下のようにし
て透明導電膜を製造した。まず、2−メトキシメタノー
ルと、モノエタノールアミンと、酢酸インジウムと、無
水酢酸亜鉛とを用いて、実施例1と全く同様にして透明
で均一な溶液30g(実施例1のコーティング溶液に相
当)を調製した。次に、この溶液にジブトキシ錫0.1
6gを添加し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコ
ーティング溶液を調製した。このコーティング溶液にお
けるInとZnの原子比はIn/Zn=1/2、Inと
Znの合量に対するSnの割合{[Sn/(In+Z
n)]×100}は4at%、In、ZnおよびSnの濃
度は5 mol%であった。この後、得られたコーティング
溶液に石英ガラス板(70×20×1.5mm)を浸漬
し、実施例1と同条件でディップコーティングした後、
実施例1と全く同様にして焼成(仮焼および本焼)およ
び還元処理を行って、目的とする透明導電膜(膜厚20
0nm)を得た。
【0028】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定す
るとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験
時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0029】 実施例3(方法IIによる透明導電膜の製造例) ジブトキシ錫に代えてトリブトキシアルミニウム0.1
5gを用いた以外は実施例2と全く同様にしてコーティ
ング溶液{In/Zn=1/2、[Al/(In+Z
n)]×100=4at%、In、ZnおよびAlの濃度
=5 mol%}を調製し、このコーティング溶液を用いて
実施例2と全く同様にして透明導電膜(膜厚200n
m)を得た。
【0030】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定す
るとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験
時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0031】 実施例4(方法IIによる透明導電膜の製造例) ジブトキシ錫に代えてトリブトキシアンチモン0.21
gを用いた以外は実施例2と全く同様にしてコーティン
グ溶液{In/Zn=1/2、[Sb/(In+Z
n)]×100=4at%、In、ZnおよびSbの濃度
=5 mol%}を調製し、このコーティング溶液を用いて
実施例2と全く同様にして透明導電膜(膜厚200n
m)を得た。
【0032】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定す
るとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験
時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0033】 実施例5(方法IIによる透明導電膜の製造例) ジブトキシ錫に代えて塩化ガリウム(3価)0.11g
を用いた以外は実施例2と全く同様にしてコーティング
溶液{In/Zn=1/2、[Ga/(In+Zn)]
×100=4at%、In、ZnおよびGaの濃度=5 m
ol%}を調製し、このコーティング溶液を用いて実施例
2と全く同様にして透明導電膜(膜厚200nm)を得
た。
【0034】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定す
るとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験
時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0035】 実施例6(方法IIによる透明導電膜の製造例) ジブトキシ錫に代えてテトラプロポキシゲルマニウム
0.15gを用いた以外は実施例2と全く同様にしてコ
ーティング溶液{In/Zn=1/2、[Ge/(In
+Zn)]×100=4at%、In、ZnおよびGeの
濃度=5 mol%}を調製し、このコーティング溶液を用
いて実施例2と全く同様にして透明導電膜(膜厚200
nm)を得た。
【0036】このようにして得られた透明導電膜の表面
抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にして測定す
るとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行って試験
時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同様にして
測定した。これらの結果を表1に示す。
【0037】比較例1 まず、2−メトキシメタノール22.2gにモノエタノ
ールアミン4.0gと酢酸インジウム3.8gを添加
し、10分間攪拌混合して、透明で均一なコーティング
溶液を調製した。このコーティング溶液におけるIn濃
度は4.8 mol%であった。次に、得られたコーティン
グ溶液に石英ガラス板(70×20×1.5mm)を浸
漬してディップコーティング(コーティング速度:1.
2cm/分)した後、電気炉を用いて500℃で10分
間焼成(仮焼)した。ディップコーティングした後に焼
成(仮焼)するという前述の操作を計10回繰り返した
後、更に、500℃で1時間焼成(本焼)した。この
後、400℃で2時間真空(1×10-2torr)還元し
て、酸化インジウム薄膜(膜厚200nm)を得た。
【0038】このようにして得られた酸化インジウム薄
膜の表面抵抗および可視光透過率を実施例1と同様にし
て測定するとともに、実施例1と同様の耐湿性試験を行
って試験時間1000時間後の表面抵抗を実施例1と同
様にして測定した。これらの結果を表1に示す。
【0039】比較例2 比較例1のコーティング溶液にSn(OC4 H9 )2 を
0.16g添加した以外は比較例1と同様に実施してI
TO薄膜(Sn4at%,膜厚200nm)を得た。このよ
うにして得られたITO薄膜の表面抵抗および可視光透
過率を実施例1と同様にして測定するとともに、実施例
1と同様の耐湿性試験を行って試験時間1000時間後
の表面抵抗を実施例1と同様にして測定した。これらの
結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、実施例1の透明
導電膜および実施例2〜実施例6の各透明導電膜はいず
れも実用上十分な導電性を有しており、特に実施例2〜
実施例6の各透明導電膜は優れた導電性を有している。
また、これら実施例1〜実施例6の各透明導電膜はいず
れも優れた可視光透過率を有している。さらに、各実施
例の透明導電膜の表面抵抗は、耐湿性試験の前後でほと
んど変化がない。このことから、各実施例の透明導電膜
は耐湿性に優れていることがわかる。一方、比較例1の
酸化インジウム薄膜および比較例2のITO膜は優れた
導電性および可視光透過率を有しているものの、耐湿性
については各実施例の透明導電膜よりも劣る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の透明導電
膜はITO膜よりも耐湿性に優れている。したがって、
本発明によれば耐久性の向上した透明導電膜を提供する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた透明導電膜についてのXR
Dの結果を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 In2 O3 (ZnO)m (m=
    2〜20) で表される六方晶層状化合物からなること
    を特徴とする透明導電膜。
  2. 【請求項2】 一般式 In2 O3 (ZnO)m (m=
    2〜20) で表される六方晶層状化合物に、Sn,A
    l,Sb,GaおよびGeからなる群より選択される少
    なくとも1種をInとZnの合量に対して20at%以下
    ドープした化合物からなることを特徴とする透明導電
    膜。
  3. 【請求項3】 インジウム化合物と亜鉛化合物とをIn
    とZnの原子比がIn/Zn=1/1〜1/10になる
    割合で溶解させたコーティング溶液を調製し、このコー
    ティング溶液を基板に塗布して焼成した後、還元処理す
    ることを特徴とする透明導電膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 インジウム化合物、亜鉛化合物、および
    Sn化合物,Al化合物,Sb化合物,Ga化合物およ
    びGe化合物からなる群より選択される少なくとも1種
    のドーピング剤を、InとZnの原子比がIn/Zn=
    1/1〜1/10で、InとZnの合量に対するドープ
    金属の割合が20at%以下になる割合で溶解させたコー
    ティング溶液を調製し、このコーティング溶液を基板に
    塗布して焼成した後、還元処理することを特徴とする透
    明導電膜の製造方法。
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