JPH06188074A - 電界発光素子 - Google Patents

電界発光素子

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JPH06188074A
JPH06188074A JP35372392A JP35372392A JPH06188074A JP H06188074 A JPH06188074 A JP H06188074A JP 35372392 A JP35372392 A JP 35372392A JP 35372392 A JP35372392 A JP 35372392A JP H06188074 A JPH06188074 A JP H06188074A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第一に極めて高輝度の光出力を有し、第二に
発光波長に多様性があり、種々の発光色相を呈するとと
もに極めて耐久性があり、第三に製造が容易で且つ比較
的安価に提供することの出来る電界発光素子材料を提供
すること。 【構成】 陽極及び陰極と、これらの間に扶持された一
層または複数層の有機化合物により構成される電界発光
素子において、前記陽極が金属または金属酸化物より成
る導電性粒子を樹脂中に分散した電極よりなることを特
徴とする電界発光素子等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発光性物質からなる発
光層を有し、電界を印加することにより電界印加エネル
ギーを直接光エネルギーに変換することが出来る電界発
光素子に関する。詳しくは、従来の白熱灯、蛍光灯ある
いは発光ダイオード等と異なり、大面積、高分解能、薄
型、軽量、高速動作、更に完全な固体デバイスという特
徴を有し、高度な要求を満たす可能性のあるエレクトル
ミネッセンス(EL)パネルに使用することの出来る電
界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機材料の電界発光現像は、1963年
Popeらによってアンスラセン単結晶で観測され
(J.Chem.Phys.38(1963)204
2)、それに続き1965年、HelfinchとSc
hneiderは、注入効率のよい溶液電極系を用いる
ことにより比較的強い注入型ELの観測に成功している
(Phys.Rev.Lett.14(1965)22
9)。それ以来、米国特許3,172,862明細書、
米国特許3,173,050明細書、米国特許3,71
0,167明細書、J.Chem.Phys.44(1
966)2902、J.Chem.Phys.50(1
969)14364、J.Chem.Phys.58
(1973)1542、あるいはChem.Phys.
Lett.36(1975)345等に報告されている
様に、共役の有機ホスト物質と縮合ベンゼン環を持つ共
役の有機活性化剤とで有機発光性物質を形成した研究が
行われた。ナフタレン、アンスラセン、フェナンスレ
ン、テトラセン、ピレン、ベンゾピレン、クリセン、ピ
セン、カルバゾール、フルオレン、ビフェニル、ターフ
ェニル、トリフェニレンオキサイド、ジハロビフェニ
ル、トランス−スチルベン及び1,4−ジフェニルブタ
ジエン等が有機ホスト物質の例として示され、アンスラ
セン、テトラセン、及びペンタセン等が活性化剤の例と
して挙げられた。
【0003】しかし、これらの有機発光性物質はいずれ
も1μm以上を超える厚さを持つ単一層として存在し、
発光には高電界が必要であった。この為、真空蒸着法に
よる薄膜素子の研究が進められた(例えば、Thin
Solid Films 94(1982)171、P
olymer 24(1983)748、Jpn.J.
Appl.Phys.25(1986)L773)。し
かし、薄膜化は駆動電圧の低減には有効ではあったが、
実用レベルの高輝度の素子を得るには至らなかった。
【0004】しかし近年、Tangs等は(Appl.
Phys.Lett.51(1987)913あるいは
米国特許4,356,429明細書)、陽極と陰極との
間に2つの極めて薄い層(電荷輸送層と発光層)を真空
蒸着で積層したEL素子を考案し、低い駆動電圧で高輝
度を実現した。この種の積層型有機ELデバイスはその
後も活発に研究され、例えば、特開昭59−19439
3号公報、米国特許4,539,507明細書、特開昭
59−194393号公報、米国特許4,720,43
2明細書、特開昭63−264692号公報、App
l.Phys.Lett.55(1989)1467、
特開平3−163188号公報等に記載されている。
【0005】また更に、Jpn.J.Appl.Phy
s.27(1988)L269,L713には、キャリ
ア輸送と発光の機能を分離した3層構造のEL素子が報
告されており、発光色を決める発光層の色素の選択に際
しても、キャリア輸送性能の制約が緩和され選択の自由
度がかなり増し、更には中央の発光層にホールと電子
(あるいは励起子)を有効に閉じ込めて向上をはかる可
能性も示唆されている。積層型有機EL素子作成には、
一般に真空蒸着法が用いられているが、キャスティング
法によってもかなりの明るさの素子が得られることが報
告されている(例えば、第50回応物学会学術講演会講
演予稿集1006(1989)及び第50回応物学会学
術講演会講演予稿集1041(1990))。更には、
ホール輸送化合物としてポリビニルカルバゾール、電子
輸送化合物としてオキサジアゾール誘導体及び発光体と
してクマリン6を混合した溶液から浸漬塗布法で形成し
た混合1層型EL素子でもかなり高い発光効率が得られ
ることが報告されている(例えば、第38回応物関係連
合講演会講演予稿集1086(1991))。上述の様
に有機ELデバイスにおける最近の進歩は著しく、広汎
な用途の可能性を示唆している。
【0006】しかしながら、それらの研究の歴史はまだ
まだ浅く、未だその材料研究やデバイス化への研究は十
分になされていない。現状では、更なる高輝度の光出力
や長時間の使用による経時変化や酸素を含む雰囲気気体
や湿気等による劣化等の耐久性の面で未だ問題がある。
更には、フルカラーデスプレー等への応用を考えた場合
の、青、緑及び赤の発光色相を精密に選択できる為の発
光波長の多様化等の問題も未だ十分に解決されていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】
(第一の発明)従って本発明の目的は、第一に極めて高
輝度の光出力を有する電界発光素子を提供することにあ
る。又、第二に発光波長に多様性があり、種々の発光色
相を呈するとともに極めて耐久性のある電界発光素子を
提供することにある。更に、第三に製造が容易で且つ比
較的安価に提供することの出来る電界発光素子材料を提
供することにある。 (第二及び第三の発明)
【0008】従って本発明の目的は、第一に極めて高輝
度の光出力を有する電界発光素子を提供することにあ
る。又、第二に極めて耐久性のある電界発光素子を提供
することにある。更に、第三に製造が容易で且つ比較的
安価に提供することの出来る電界発光素子材料を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記の本発
明によって達成される。即ち、本発明の第一の発明は、
陽極及び陰極と、これらの間に扶持された一層または複
数層の有機化合物により構成される電界発光素子におい
て、前記陽極が金属または金属酸化物より成る導電性粒
子を樹脂中に分散した電極よりなることを特徴とする電
界発光素子である。
【0010】又、本発明の第二の発明は、陽極及び陰極
と、これらの間に狭持された一層または複数層の有機化
合物とにより構成される電界発光素子において、陽極
が、少なくとも表面がアルミニウムまたはアルミニウム
合金を陽極酸化することによって形成された多孔質陽極
酸化アルミニウム皮膜の孔中に、仕事関数が4.0eV
以上の導電物質が充填されたものからなることを特徴と
する電界発光素子である。
【0011】更に、本発明の第三の発明は、電界発光素
子セル内に不活性ガス又は不活性ガス含有気体が封入さ
れていることを特徴とする電界発光素子である。
【0012】
【作用】
(第一の発明)本発明者らは、上記の従来技術の問題点
を解決すべく鋭意研究の結果、陽極及び陰極とこれらの
間に狭持された一層または複数層の有機化合物より構成
される電界発光素子の陽極を、金属または金属酸化物よ
りなる導電性粒子を樹脂中に分散したもので構成すれ
ば、低い印加電圧で極めて輝度の高い発光を得ることが
出来、且つ耐久性にも極めて優れた電界発光素子となる
ことを見い出し、本発明に至った。更に、電界発光素子
の作成も、真空蒸着あるいはキャシティング方法等で作
成することが出来、比較的安価で大面積の素子を容易に
作成することが可能であることを見い出し、本発明に至
った。
【0013】(第二の発明)本発明者らは、上記の従来
技術の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、陽極及び陰
極とこれらの間に狭持された一層または複数層の有機化
合物より構成される電界発光素子の陽極を、少なくとも
表面がアルミニウムまたはアルミニウム合金を陽極酸化
することによって形成された多孔質陽極酸化アルミニウ
ム皮膜の孔中に、仕事関数が4.0eV以上の導電物質
が充填されたものとすれば、極めて高輝度の光出力を有
し、極めて耐久性がある電界発光素子となることを見い
出し本発明に至った。更に、電界発光素子の作成も、真
空蒸着あるいはキャシティング方法等で作成することが
出来、比較的安価で大面積の素子を容易に作成すること
が可能であることを見い出し、本発明に至った。
【0014】(第三の発明)本発明者らは、上記の従来
技術の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、陽極及び陰
極とこれらの間に狭持された一層または複数層の有機化
合物より構成される電界発光素子のセル内に不活性ガス
又は不活性ガス含有気体を封入することにより、更に好
ましくは、セル内の不活性ガス含有気体が400Tor
r以上の圧力で封入されている構成とすることにより、
極めて高輝度の光出力を有し、極めて耐久性がある電界
発光素子となることを見い出し本発明に至った。更に、
電界発光素子の作成も、真空蒸着あるいはキャシティン
グ方法等で作成することが出来、比較的安価で大面積の
素子を容易に作成することが可能であることを見い出
し、本発明に至った。
【0015】
【好ましい実施態様】以下、好ましい実施態様を挙げ、
図面に沿って本発明を更に詳細に説明する。 (第一の発明)図1は、本発明の電界発光素子の一例の
模式図であり、基板上に陽極、発光層及び陰極を順次設
けた構成のものである。発光層を構成するのに使用され
る発光物質としては、単一の物質がそれ自体で、ホール
輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の諸性能を全て
有している場合もあるが、夫々の特性を有する化合物を
混ぜて使用する場合も有効である。図2は、基板上に、
陽極、ホール輸送層、エレクトロン輸送層及び陰極を順
次設けた構成の本発明の電界発光素子の一例を模式的に
示したものである。例えば、発光層を形成する発光物質
として、ホール輸送性かあるいはエレクトロン輸送性の
いずれか、あるいは両方の機能を有している材料を用い
たものであるが、発光性の無い単なるホール輸送物質あ
るいはエレクトロン輸送物質をこれに組み合わせて用い
る場合に有用である。
【0016】又、図3は、基板上に陽極、ホール輸送
層、発光層、エレクトロン輸送層及び陰極を順次設けた
構成の本発明の電界発光素子の一例を模式的に示したも
のである。この場合は、キャリア輸送と発光の機能とが
分離されており、ホール輸送性、エレクトロン輸送性、
発光性の各特性を有した化合物が適宜組み合わされて用
いられる。この為、極めて材料の選択の自由度が増すと
ともに、発光波長を異にする種々の化合物を使用するこ
とが出来、発光色相の多様化が可能となる。また更に、
中央の発光層にホールとエレクトロン(あるいは励起
子)を有効に閉じ込めて発光効率の向上を図ることも可
能になる。
【0017】本発明の第一の発明の電界発光素子は、陽
極が金属または金属酸化物より成る導電性粒子を樹脂中
に分散した電極より構成されていることを特徴とする。
斯かる本発明の電界発光素子を特徴づける陽極は、従来
の陽極に比べ、極めてホール注入性及びホール輸送性に
優れており、必要に応じ、上記に挙げた図1〜図3のい
ずれの形態でも使用される。又、本発明で使用される陽
極は、超微粒子の導電性粒子を樹脂中に分散したもので
ある為、導電性と共に透明性をも保持することが出来
る。
【0018】一般に陽極に粒子を分散させた場合、分散
粒子による可視光の散乱を防ぐ為には、可視光の波長よ
りも粒子の粒径が小さいこと、即ち、0.3μm以下で
あることが必要である。しかしながら、本発明者らの検
討の結果、樹脂中に分散された粒子の凝集による二次粒
子の形成を考慮すると、分散させる粒子の平均粒径を更
に小さくしなくてはならないことを見い出した。従っ
て、本発明のより好ましい態様としては、分散前の一次
粒子の平均粒径を500Å以下とし、かかる超微粒子を
樹脂中に分散させたものを陽極成形用素材に用いる。こ
の結果、形成される二次粒子は0.3μm以下であり、
分散性のよい陽極成形用素材が得られる。更に、この陽
極成形用素材から形成された陽極は、透明度が高く、且
つ導電均一性のよい膜となる。これに対し、一次粒子の
平均粒径が500Åより大きな粒子を用い陽極成形用素
材を形成した場合には、0.1μm以上の粒径の二次粒
子が発生し、陽極の光透過性を損なう原因となる為、好
ましくない。
【0019】陽極成形用素材の形態としては、上記の様
な超微粒子を分散させる樹脂が熱硬化性樹脂及び光硬化
性樹脂、電子線硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の場合に
は、溶液等の液体である。又、超微粒子を分散させる樹
脂が熱可塑性樹脂の場合は、陽極成形用素材の形態がペ
レット状等の固形物であってもかまわない。
【0020】表1及び表2は、陽極成形用素材の形態
が、夫々溶液及びペレットの場合に、これらを用いて陽
極を成形した場合の一例を示すものである。表1は、樹
脂に超微粒子である酸化スズ粒子を分散させて陽極を成
形した場合における下記の諸特性値を示したものであ
る。 (1)分散前の一次粒子の平均粒径 (2)分散直後の分散液中の平均粒径 (3)分散1カ月後の分散液中の平均粒径 (4)(2)の液により作成した陽極の可視光に対する
透過率 (5)(3)の液により作成した陽極の可視光に対する
透過率 尚、酸化スズ粒子の平均粒径は分散液中と、その分散液
を塗膜にした際の膜中とで等しい。
【0021】
【表1】
【0022】a)下記の成分を混合し、サンドミルにて
48時間分散して陽極成形用素材を成形し、該陽極成形
用素材をスプレー塗布にてガラス基板上に100μmの
塗膜を得、陽極を成形した。 ・フェノール樹脂 60部 ・酸化スズ 30部 ・メチルセロソルブ 300部 b)酸化スズの一次粒子の平均粒径 電子顕微鏡にて、樹脂に分散させる前の酸化スズ粒子1
00点の粒径を測定し、その平均を粒径とした。 c)樹脂に分散直後及び1ケ月後の分散液中の酸化スズ
(二次粒子)の平均粒径 粒度分布測定機(ホリバ CAPA−700)を用いて
測定した。
【0023】表2は、樹脂に超微粒子であるITO粒子
を分散させて陽極を成形した場合における下記の特性を
示したものである。 (1)分散前の一次粒子の平均粒径 (2)分散後、作成した陽極フィルム中の平均粒径 (3)(2)の陽極フィルムの可視光に対する透過率
【0024】
【表2】
【0025】d)下記の成分を溶融混練し、ペレット化
して陽極成形用素材を成形し、得られたペレットを圧縮
成形して厚さ100μmのフィルムとし、陽極を成形し
た。 ・ポリカーボネート樹脂 70部 ・ITO超微粒子 30部 e)ITOの一次粒子の平均粒径 電子顕微鏡にて、樹脂に分散させる前のITO粒子10
0点の粒径を測定し、その平均を粒径とした。 f)陽極フィルム中の平均粒径 TEMでITO粒子の平均粒径を測定した。
【0026】一般に、有機EL素子は、注入型発光素子
であり、電極からのキャリア(ホールまたはエレクト
ン)の注入に強く依存する。そして、電極からのキャリ
ア注入は、長時間にわたる使用においても常に一定であ
ることが望ましい。しかし実際には、長時間の使用では
素子の劣化に伴い素子を流れる電流(電極からのキャリ
ア注入による)が減少し、光出力の低下をもたらす為、
素子を流れる電流を一定に保つ必要があり、素子に印加
する電圧を漸次増加させなければならない。しかしなが
ら、本発明の電界発光素子は、陽極が、樹脂中に導電性
粒子を分散したものである為、特に陽極からのキャリア
注入が印加電圧に対して非線形(バリスタ特性を示す)
であり、長時間の使用時における素子の電流低下を僅か
な印加電圧の変化で抑えることが可能である。
【0027】本発明で使用される導電性粒子は、金属ま
たは金属酸化物である。例えば、金属としては、アルミ
ニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス、銀
等の超微粒子や、アルミニウム、金、亜鉛等を超微粒子
プラスチック表面に蒸着したもの等が挙げられる。又、
導電性金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸
化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチ
モンをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウム等の超微
粒子を用いることが出来る。これら金属酸化物は、1種
類で用いても、又は2種以上を混合して用いてもよい。
又、2種以上混合した場合は、固溶体または溶着の形を
とってもよい。これらの金属または金属酸化物の超微粒
子には、分散性及び環境安定性を向上させるための撥水
処理等の表面処理を加えてもよい。
【0028】本発明に用いられる結着樹脂としては、ポ
リイミド、アラミド、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、セルロース、フッ
素樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、アクリル、ナイロン、シリコーン、
アルキド、アクリレート及び塩ビ−酢ビ共重合体樹脂等
を単独でも複数混合して用いてもよい。本発明に用いら
れる導電性粒子の含有量としては、5〜90重量%、好
ましくは10〜80重量%である。導電性粒子の含有量
が5重量%未満の場合には、陽極としての抵抗値が高す
ぎる。又、90重量%より多い場合には透明度が損なわ
れ、電界発光素子の発光出力の低下の原因となる。
【0029】本発明においては、前記陽極中に分散性、
接着性、耐候性を向上させる為、カップリング剤、酸化
防止剤等の添加物を加えてもよい。陽極を形成する際に
は、陽極成形用素材の形態にあわせて、浸漬コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティン
グ法、ビームコーティング法や、インフレーション成形
法、押出し成形法、射出成形法等の成形法を用いて行う
ことが出来る。
【0030】又、本発明の電界発光素子を構成する陽極
の膜厚は、0.1〜200μmとするのが好ましい。膜
厚が0.1μm未満の場合には、機械的強度の点から十
分満足のいく特性が得られない。又、200μmを超え
る場合には、光透過の点で不利となり、加工性の面から
も好ましくない。又、本発明においては、陽極と基板と
の接着に、透明性の接着剤を用いてもかまわない。この
様な接着剤の具体的な一例としては、ポリブチルメタク
リレート等のアクリル樹脂や、ポリビニルブチラール等
のブチラール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0031】本発明の電界発光素子においては、発光層
構成成分として、電子写真感光体分野等で研究されてい
る、例えば、下記に示される化合物等のホール輸送性化
合物やこれ迄知られているホール輸送性発光体化合物、
あるいは、例えば、下記に示される化合物等のエレクト
ロン輸送性化合物やこれ迄知られているエレクトロン輸
送性発光体化合物を、必要に応じて2種類以上使用する
ことも出来る。
【0032】[ホール輸送性化合物] (ホール輸送体)
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】(ホール輸送性発光体)
【化3】
【0035】[エレクトロン輸送性化合物] (エレクトロン輸送体)
【化4】
【0036】(エレクトロン輸送性発光体)
【化5】
【0037】
【化6】
【0038】一方、陰極材料としては,仕事関数が小さ
な銀、鉛、錫、マグネシウム、アルミニウム、カルシウ
ム、マンガン、インジウム及びクロムあるいはこれらの
合金が用いられる。又、陽極及び陰極として用いる材料
のうち少なくとも一方は、素子の発光波長領域において
50%より多くの光を透過するものであることが好まし
い。又、本発明で用いる透明性基板としては、ガラス及
びプラスチックフィルム等が用いられる。本発明の電界
発光素子は、従来の白熱灯、蛍光灯あるいは発光ダイオ
ート等と異なり、大面積、高分解能、薄型、軽量、高速
動作、更に完全な固体デバイスであり、高度な要求を満
たす可能性のあるエレクトロルミネセンス(EL)パネ
ルに使用される。
【0039】(第二の発明)図1は、本発明の電界発光
素子の一例の模式図であり、基板上に陽極、発光層及び
陰極を順次設けた構成のものである。発光層を構成する
のに使用される発光物質としては、単一の物質がそれ自
体で、ホール輸送能、エレクトロン輸送能及び発光性の
諸性能を全て有している場合もあるが、夫々の特性を有
する化合物を混ぜて使用する場合も有効である。図2
は、基板上に、陽極、ホール輸送層、エレクトロン輸送
層及び陰極を順次設けた構成の本発明の電界発光素子の
一例を模式的に示したものである。例えば、発光層を形
成する発光物質として、ホール輸送性かあるいはエレク
トロン輸送性のいずれか、あるいは両方の機能を有して
いる材料を用いたものであるが、発光性の無い単なるホ
ール輸送物質あるいはエレクトロン輸送物質をこれに組
み合わせて用いる場合に有用である。
【0040】又、図3は、基板上に陽極、ホール輸送
層、発光層、エレクトロン輸送層及び陰極を順次設けた
構成の本発明の電界発光素子の一例を模式的に示したも
のである。図4は、基板上に陽極、発光層、エレクトロ
ン輸送層及び陰極を順次設けた構成の本発明の電界発光
素子の一例を模式的に示したものである。これらの場合
は、キャリア輸送と発光の機能とが分離されており、ホ
ール輸送性、エレクトロン輸送性、発光性の各特性を有
した化合物が適宜組み合わされて用いられる。この為、
極めて材料の選択の自由度が増すとともに、発光波長を
異にする種々の化合物を使用することが出来、発光色相
の多様化が可能となる。また更に、中央の発光層にホー
ルとエレクトロン(あるいは励起子)を有効に閉じ込め
て発光効率の向上を図ることも可能になる。
【0041】本発明の第二の発明の電界発光素子は、陽
極が、少なくとも表面がアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金を陽極酸化することによって形成された多孔質陽
極酸化アルミニウム皮膜の孔中に、仕事関数が4.0e
V以上の導電物質が充填されたものであることを特徴と
する。本発明の第二の発明の電界発光素子に使用される
基板としては、アルミニウム及びその合金(以下、これ
等を単にアルミニウムと云う)よりなるもの、及びアル
ミニウム以外の導電性基板及び絶縁性基板のいずれをも
用いることが出来る。しかし、アルミニウム以外の基板
を用いる場合には、少なくとも他の層と接触する面に、
少なくとも5μm以上の膜厚を有するアルミニウム膜が
形成されていることが必要である。この様なアルミニウ
ム膜は蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法に
よって形成することが出来る。アルミニウム以外の導電
性物質としては、ステンレス、ニッケル、クロム等の金
属及びその合金が挙げられ、絶縁性支持体としては、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリス
チレン、ポリアミド、ポリイミド等の高分子フィルム又
はシート、ガラス、セラミック等が挙げられる。
【0042】本発明において、良好な特性の陽極酸化ア
ルミニウム皮膜を得るためのアルミニウム材料として
は、純Al系の材料の他に、Al−Mg系、Al−Mg
−Si系、Al−Mg−Mn系、Al−Mn系、Al−
Cu−Mg系、Al−Cu−Ni系、Al−Cu系、A
l−Si系、Al−Cu−Zn系、Al−Cu−Si
系、Al−Cu−Mg−Zn系、Al−Mg−Zn系等
のアルミニウム合金材料の中から適宜選択して使用する
ことが出来る。
【0043】上記の様な基板のアルミニウム面に形成さ
れる多孔質陽極酸化アルミニウム皮膜は、次の様にして
製造される。基板上に多孔質陽極酸化アルミニウム皮膜
を形成する為の陽極酸化処理についてより具体的に説明
すると、先ず、表面を鏡面切削仕上げし、所望の形状に
加工されたアルミニウム面を有する基板を、有機溶剤や
純水を用いて洗浄する。引き続いて、基板上に多孔質陽
極酸化アルミニウム皮膜を形成する。ステンレス鋼或い
は硬質ガラス等で作製された電解槽(陽極酸化槽)中
に、電解質溶液(陽極酸化溶液)を所定の液面まで満た
す。電解質溶液としては、多孔質陽極酸化皮膜を形成す
る浴成分、硫酸、リン酸、クロム酸等より選択された無
機多塩基酸、又はしゅう酸、マロン酸、酒石酸等より選
択された有機多塩基酸の、1〜30重量%酸性水溶液が
用いられる。溶媒として用いる純水としては、蒸留水或
いはイオン交換水等を挙げることが出来るが、特に、塩
素分等の不純物が充分に取り除かれていることが、陽極
酸化アルミニウム皮膜の腐蝕防止の為に必要である。
【0044】次いで、この電解質溶液の中に、上記の基
板及びステンレス鋼板あるいはアルミニウム板を夫々電
極として、ある一定の電極間距離を隔てて浸漬する。こ
の際の電極間距離は、0.1cm〜100cmの間にお
いて適宜に設定される。直流電解を行う場合には、直流
電源を用意し、そのプラス端子と基板及びマイナス端子
と陰極板とを、夫々結線し、電解質溶液中のプラス極、
マイナス極の両電極間に通電する。印加する直流として
は、直流成分のみでも、交流成分が重畳したものであっ
てもよい。陽極酸化実施時の電流密度は、0.1〜10
A/cm2 の範囲に設定する。成膜成長速度及び冷却効
率を考えるならば、0.5〜3.0A/cm2 の範囲に
設定するのが好ましい。
【0045】又、陽極酸化電圧としては、通常3〜15
0V、好ましくは7〜100Vである。この際の、電解
質溶液の液温は、−5〜100℃、好ましくは0〜80
℃に設定する。又、交流電解の場合には、交流電源を用
いて両電極間に交流電圧を印加する。通電する交流とし
ては、実効電圧3〜40V、好ましくは8〜15Vの商
用交流又はそれと同等の効果を有する交番波形を有する
交流が使用される。又、この際の電解質溶液の液温は、
−5〜40℃、好ましくは5〜30℃に設定される。以
上の様にして、形成された多孔質陽極酸化アルミニウム
皮膜は、必要に応じて純水による洗浄等の措置が取られ
た後、乾燥させる。多孔質陽極酸化アルミニウム皮膜の
膜厚は1〜100μm、好ましくは5〜50μmに設定
される。
【0046】次いで、形成された多孔質陽極酸化アルミ
ニウム皮膜の孔の中に、仕事関数が4.0eV以上の導
電物質を充填する。これらの導電物質の充填により、発
光層等へのホール注入性を高めると共に、陽極のホール
輸送性を向上させることが出来る。充填する導電物質
は、仕事関数が4.0eV以上のものであれば、如何な
るものでもよく、例えば、Fe、Ni、Co及びCu等
の金属や、それらの合金、あるいはSnO2 、ZnO等
の酸化物及びポリ(3−メチルチオフェン)、ポリフェ
ニレンスルフィドあるいはポリピロール、ポリチェニレ
ンビニレン等の導電性高分子が挙げられる。これらの導
電物質の充填は、浸漬及び電解等の適宜の方法で孔中に
吸着又は沈着あるいは折出させることにより実施するこ
とが出来る。
【0047】本発明の電界発光素子においては、発光層
構成成分として、電子写真感光体分野等で研究されてい
る、例えば、下記に示される化合物等の、ホール輸送性
化合物やこれ迄知られているホール輸送性発光体化合
物、あるいは、例えば、下記に示される化合物等の、エ
レクトロン輸送性化合物やこれ迄知られているエレクト
ロン輸送性発光体化合物を、必要に応じて2種類以上使
用することも出来る。
【0048】[ホール輸送性化合物] (ホール輸送体)
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】(ホール輸送性発光体)
【化9】
【0051】[エレクトロン輸送性化合物] (エレクトロン輸送体)
【化10】
【0052】(エレクトロン輸送性発光体)
【化11】
【0053】一方、陰極材料としては,仕事関数が小さ
な銀、鉛、錫、マグネシウム、アルミニウム、カルシウ
ム、マンガン、インジウム及びクロムあるいはこれらの
合金が用いられる。又、陽極及び陰極として用いる材料
のうち少なくとも一方は、素子の発光波長領域において
50%より多くの光を透過するものであることが好まし
い。又、本発明で用いる透明性基板としては、ガラス及
びプラスチックフィルム等が用いられる。本発明の電界
発光素子は、従来の白熱灯、蛍光灯あるいは発光ダイオ
ート等と異なり、大面積、高分解能、薄型、軽量、高速
動作、更に完全な固体デバイスであり、高度な要求を満
たす可能性のあるエレクトロルミネセンス(EL)パネ
ルとして使用される。
【0054】(第三の発明)本発明の第三の発明は、電
界発光素子セル内に不活性ガス又は不活性ガス含有気体
が封入されていることを特徴とする。一般に、有機電界
発光素子は注入型発光素子であり、電極からのキャリア
の注入に強く依存する。従って、陰極材料としては、素
子内に効率よく電子注入を行える様に、仕事関数の小さ
な金属あるいはそれらの合金を使用する必要がある。し
かし、仕事関数の小さな金属は一般に不安定であり、陰
極の酸化等による発光素子の劣化が生じ易い。発光素子
の劣化は、駆動電圧の上昇や発光輝度の低下を招来す
る。そこで、本発明においては、電界発光素子セル内に
不活性ガスまたは不活性ガス含有気体、好ましくは不活
性ガス又は不活性ガスの分圧比率が0.3以上である不
活性ガス含有気体を、セル内に封入することにより、長
期使用においても安定で、且つ高輝度な発光が可能な電
界発光素子となる。更に、セル内への不活性ガス又は不
活性ガス含有気体の封入圧力を400Torr以上とす
ることにより、有機電界発生素子の機能を低下させる、
オゾン、酸性ガスや塩基性ガス、例えば、アンモニアガ
ス、硝酸ガス、塩酸ガス、亜硫酸ガス等の外部からの混
入を防ぐことが出来る。
【0055】本発明において使用される不活性ガスと
は、ヘリウム、ネオン、アルゴン等のガスが挙げられ、
不活性ガス含有気体としては、これらの混合物を用いる
ことが出来る。又、本発明の不活性ガス及び不活性ガス
含有気体中に含まれる酸素の分圧比率は、ガス全体の封
入圧力に対して0.15以下が素子の劣化を抑える意味
で好ましい。本発明の有機電界発光素子において、不活
性ガス又は不活性ガス含有気体を封入する為の被覆材料
は、ガラス、プラスチック、樹脂等の光透過性のもので
あれば、いかなるものでもかまわないが、透明であるも
のが好ましい。
【0056】図1は、本発明の電界発光素子の一例の模
式図であり、基板上に陽極、発光層及び陰極を順次設け
た構成のものである。発光層を構成するのに使用される
発光物質としては、単一の物質がそれ自体で、ホール輸
送能、エレクトロン輸送能及び発光性の諸性能を全て有
している場合もあるが、夫々の特性を有する化合物を混
ぜて使用する場合も有効である。図2は、基板上に、陽
極、ホール輸送層、エレクトロン輸送層及び陰極を順次
設けた構成の本発明の電界発光素子の一例を模式的に示
したものである。例えば、発光層を形成する発光物質と
して、ホール輸送性かあるいはエレクトロン輸送性のい
ずれか、あるいは両方の機能を有している材料を用いた
ものであるが、発光性の無い単なるホール輸送物質ある
いはエレクトロン輸送物質をこれに組み合わせて用いる
場合に有用である。
【0057】又、図3は、基板上に陽極、ホール輸送
層、発光層、エレクトロン輸送層及び陰極を順次設けた
構成の本発明の電界発光素子の一例を模式的に示したも
のである。この場合は、キャリア輸送と発光の機能とが
分離されており、ホール輸送性、エレクトロン輸送性、
発光性の各特性を有した化合物が適宜組み合わされて用
いられる。この為、極めて材料の選択の自由度が増すと
ともに、発光波長を異にする種々の化合物を使用するこ
とが出来、発光色相の多様化が可能となる。また更に、
中央の発光層にホールとエレクトロン(あるいは励起
子)を有効に閉じ込めて発光効率の向上を図ることも可
能になる。
【0058】本発明の電界発光素子に用いられる電界発
光素子セルは、必要に応じて、図1、図2、図3のいず
れの形態でも使用することが可能である。本発明の電界
発光素子においては、発光層構成成分として、電子写真
感光体分野等で研究されているホール輸送性化合物やこ
れ迄知られているホール輸送性発光体化合物(例えば下
記に示されている化合物等)あるいはエレクトロン輸送
性化合物やこれ迄知られているエレクトロン輸送性発光
体化合物(例えば下記に挙げられる化合物)を必要に応
じて2種類以上使用する事も出来る。
【0059】本発明の電界発光素子においては、発光層
構成成分として、電子写真感光体分野等で研究されてい
る、例えば、下記に示される化合物等のホール輸送性化
合物やこれ迄知られているホール輸送性発光体化合物、
あるいは、例えば、下記に示される化合物等のエレクト
ロン輸送性化合物やこれ迄知られているエレクトロン輸
送性発光体化合物を、必要に応じて2種類以上使用する
ことも出来る。
【0060】[ホール輸送性化合物] (ホール輸送体)
【化12】
【0061】(ホール輸送体)
【化13】
【0062】(ホール輸送性発光体)
【化14】
【0063】[エレクトロン輸送性化合物] (エレクトロン輸送体)
【化15】
【0064】(エレクトロン輸送性発光体)
【化16】
【0065】本発明の電界発光素子は、一般には真空蒸
着あるいは適当な結着性樹脂と組み合わせて薄膜を形成
する。上記結着剤としては広範囲な結着性樹脂より選択
でき、例えば、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹
脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルア
セタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
シリコン樹脂、ポリスルホン樹脂、尿素樹脂等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらは単
独または共重合体ポリマーとして1種または2種以上混
合しても良い。陽極材料としては、仕事関数がなるべく
大きなものがよく、例えば、ニッケル、金、白金、パラ
ジウム、セレン、レニウム、イリジウムやこれらの合
金、あるいは酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、ヨ
ウ化銅が好ましい。またポリ(3−メチルチオフェ
ン)、ポリフェニレンスルフィドあるいはポリピロール
等の導電性ポリマーも使用出来る。
【0066】一方、陰極材料としては,仕事関数が小さ
な銀、鉛、錫、マグネシウム、アルミニウム、カルシウ
ム、マンガン、インジウム及びクロムあるいはこれらの
合金が用いられる。又、陽極及び陰極として用いる材料
のうち少なくとも一方は、素子の発光波長領域において
50%より多くの光を透過するものであることが好まし
い。又、本発明で用いる透明性基板としては、ガラス及
びプラスチックフィルム等が用いられる。本発明の電界
発光素子は、従来の白熱灯、蛍光灯あるいは発光ダイオ
ート等と異なり、大面積、高分解能、薄型、軽量、高速
動作、更に完全な固体デバイスであり、高度な要求を満
たす可能性のあるエレクトロルミネセンス(EL)パネ
ルとして使用される。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 (第一の発明) <実施例1>ビスフェノールA型ポリカーボネート(粘
度平均分子量20,000)70部、及び平均粒径40
0ÅのITO超微粒子50部とをベント付二軸押出機を
用いてペレット化した。得られたペレットを圧縮成形し
て厚さ70μmの導電性樹脂フィルムを作成した。次い
で、接着剤としてエチレン−酢酸ビニルホットメルトシ
ール(膜厚30μm)を用い、作成した導電性樹脂フィ
ルムを陽極として、透明ガラス基板上に接着させて陽極
を作成した。ここで、陽極の接着に際しては、市販のア
イロンを用い、これを130℃に加熱し、接着剤と陽極
との接着面に気泡が入らないようにわずかに加圧しなが
ら接着を行った。この陽極上に、下記の式で示される化
合物(a)からなる発光層110nm、そして、Mg/
Ag(10/1)合金からなる陰極200nmを各々順
次真空蒸着により形成し、図1に示す様な本発明の電界
発光素子を作成した。
【0068】
【化17】 以上の様にして作成した本発明の電界発光素子の陽極と
陰極とをリード線で結び、直流電源を接続し8.8Vの
電圧を印加したところ、電流密度9.5mA/cm2
電流が素子に流れ、0.18mW/cm2 の光出力が確
認された。そして、そのままの電流密度(9.5mA/
cm2 )を80時間保ったところ、80時間後でも最終
出力0.15mW/cm2 の光出力が9.1Vの印加電
圧で得られた。
【0069】<実施例2>レゾール型フェノール樹脂4
0部、分散前の平均粒径が500Åの酸化スズ超微粒子
50部、及びメチルセロソルブ100部とを混合して、
サンドミルにて55時間分散を行った。この調合液をビ
ームコーティング法により透明ガラス基板上に成膜し、
140℃で40分間乾燥して、膜厚0.3μmの陽極を
作成した。次いで、この陽極上に、発光層及び陰極を実
施例1と同様の方法で形成し、本発明の電界発光素子を
作成した。そして、得られた素子に電流密度10.0m
A/cm2 の電流を80時間流した。その時の結果を表
3に示す。
【0070】<実施例3>下記に示したアクリレートモ
ノマー(b)30部、分散前の平均粒径が450Åの酸
化スズ超微粒子70部、光開始剤として2−メチルチオ
キサントン0.1部、トルエン120部を混合して、サ
ンドミルにて40時間分散を行った。
【0071】
【化18】 この調合液をスプレーコーティング法により、透明ガラ
ス基板上に成膜し、乾燥した後、高圧水銀灯にて8mW
/cm2 の光強度で30秒間光硬化を行い、膜厚1μm
の陽極を作成した。次いで、この陽極上に実施例1と同
様の方法で素子を作成した。そして、その得られた素子
に電流密度9.7mA/cm2 の電流を80時間流し
た。その時の結果を表3に示す。
【0072】
【比較例】
<比較例1>陽極の形成の際に、ITO超微粒子を除い
た以外は実施例1と同様の条件で素子を作成した。測定
についても実施例1と同様に行った。その時の結果を表
4に示す。
【0073】<比較例2>陽極として、ガラス基板上に
ITO皮膜(210nm)を真空蒸着法によって作成し
た以外は、実施例2と同様の条件で素子を作成した。測
定についても実施例2と同様に行った。その時の結果を
表4に示す。
【0074】<比較例3>陽極として、ガラス基板上に
白金皮膜(50nm)を真空蒸着法によって作成した以
外は、実施例2と同様の条件で素子を作成した。測定に
ついても実施例2と同様に行った。その時の結果を表4
に示す。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】 表3及び表4から明らかな様に、本発明の電界発光素子
は、比較素子に比べて光出力及び耐久性において極めて
優れていることが分かる。
【0077】(第二の発明) <実施例4>Al−4重量%Mg系合金からなるアルミ
ニウム板を、蒸留水中で超音波洗浄した。引き続いて、
電解質溶液として、純水中に13%の硫酸を添加した溶
液を用い、液温を22℃に維持しながら直流電圧16V
をアルミニウム板とステンレス鋼板製陰極との間に、電
流密度2.5[A/cm2 ]で印加し、60分間陽極酸
化を行い、膜厚30μmの多孔質陽極酸化アルミニウム
皮膜を形成した。次いで、このアルミニウム板を蒸留水
で充分に水洗いした後、47g/lの硫酸コバルト及び
23g/lの 硼酸を含む水溶液中に浸漬し、液温25
℃、実効電圧15Vの条件で交流電解を行い、多孔質層
の孔中にコバルトを折出させた。この折出したコバルト
の仕事関数を,表面分析装置(理研計器製 AC−1)
を用いて測定したところ、4.8[eV]であった。以
上の様にして、コバルト充填多孔質陽極酸化アルミニウ
ム皮膜が形成されたアルミニウム電極上に、下記の式で
示される化合物(a)からなる発光層100nm、Mg
/Ag(10/1)合金からなる陰極170nmを、各
々順次真空蒸着により形成し、図1に示すような本発明
の電界発光素子を作成した。
【0078】
【化19】 この様にして作成した素子の陽極と陰極をリード線で結
び、直流電源を接続し、10Vの電圧を印加したとこ
ろ、電流密度9.9mA/cm2 の電流が素子に流れ、
0.17mW/cm2 の光出力が確認された。そして、
そのままの電流密度(9.9mA/cm2 )を50時間
保ったところ、50時間後でも最終出力0.12mW/
cm2 の光出力が13Vの印加電圧で得られた。
【0079】<実施例5>実施例4と同様のアルミニウ
ム板上に、同様の方法で多孔質陽極酸化皮膜を形成し
た。次いで、このアルミニウム板を蒸留水で充分に水洗
いした後、23g/lの硫酸ニッケル及び30g/lの
硼酸を含む水溶液中に浸漬し、液温25℃、実効電圧1
4Vの条件で交流電解を行い、多孔質層の孔中にコバル
トを折出させた。この折出したニッケルの仕事関数を表
面分析装置(理研計器製 AC−1)を用いて測定した
ところ、4.6[eV]であった。この様にして得られ
たニッケル充填多孔質陽極酸化アルミニウム電極上に、
発光層及び陰極を順次形成し、実施例4と同様の方法で
本発明の電界発光素子を作成した。そしてその得られた
素子に、電流密度9.5mA/cm の電流を50時
間流した。その時の結果を表5に示す。
【0080】<実施例6>実施例4と同様のアルミニウ
ム板上に、同様の方法で多孔質陽極酸化皮膜を形成し
た。次いで、このアルミニウム板を蒸留水で充分に水洗
いした後、11g/lの硫酸第一錫及び5g/lの硫酸
アンモニウムを含む水溶液中に浸漬し、液温24℃、実
効電圧37Vの条件で交流電解を行い、多孔質層の孔中
に錫を折出させた。この折出した錫の仕事関数を表面分
析装置(理研計器製 AC−1)を用いて測定したとこ
ろ、4.3[eV]であった。この様にして得られた錫
充填多孔質陽極酸化アルミニウム電極上に、発光層及び
陰極を順次形成し、実施例4と同様の方法で本発明の電
界発光素子を作成した。そしてその得られた素子に、電
流密度9.0mA/cm2 の電流を50時間流した。そ
の時の結果を表5に示す。
【0081】<実施例7>実施例4と同様のアルミニウ
ム板上に、同様の方法で多孔質陽極酸化皮膜を形成し
た。次いで、このアルミニウム板を蒸留水で充分に水洗
いした後、40g/lの硫酸及び10g/lの硫酸を含
む水溶液中に浸漬し、液温25℃に維持しながら、直流
電圧18Vの条件で交流電解を行い、多孔質層の孔中に
銅を折出させた。この折出した銅の仕事関数を表面分析
装置(理研計器製 AC−1)を用いて測定したとこ
ろ、5.1[eV]であった。この様にして得られた銅
充填多孔質陽極酸化アルミニウム電極上に、発光層及び
陰極を順次形成し、実施例4と同様の方法で本発明の電
界発光素子を作成した。そしてその得られた素子に、電
流密度10mA/cm2 の電流を50時間流した。その
時の結果を表5に示す。
【0082】
【表5】
【0083】<比較例4>実施例4において、多孔質陽
極酸化アルミニウム皮膜を形成した後、多孔質陽極酸化
アルミニウム皮膜の孔中にコバルトを折出させる処理を
行わずに、電極を作成した以外は、実施例4と同様の方
法で比較用の素子を作成した。そしてその得られた素子
に、電流密度8.0mA/cm2 の電流を50時間流し
た。その時の結果を表6に示す。
【0084】<比較例5>実施例4と同様のアルミニウ
ム板上に、同様の方法で多孔質陽極酸化膜を形成した。
次いで、このアルミニウム板を、蒸留水で充分に水洗い
した後、15g/lの硫酸マグネシウム及び5g/lの
硫酸を含む水溶液中に浸漬し、液温25℃、実効電圧2
5Vの条件で交流電解を行い、多孔質層の孔中にマグネ
シウムを折出させた。この折出したマグネシウムの仕事
関数を、表面分析装置(理研計器製 AC−1)を用い
て測定したところ、3.9[eV]であった。この様に
して得られたマグネシウム充填多孔質陽極酸化アルミニ
ウム電極上に、発光層及び陰極を順次形成し、実施例4
と同様の方法で比較用の素子を作成した。そしてその得
られた素子に、電流密度8.9mA/cm2 の電流を5
0時間流した。その時の結果を表6に示す。
【0085】<比較例6>実施例4と同様のアルミニウ
ム板上に、同様の方法で多孔質陽極酸化膜を形成した。
次いで、このアルミニウム板を、蒸留水で充分に水洗い
した後、30g/lの硫酸カルシウム及び10g/lの
硫酸を含む水溶液中に浸漬し、液温25℃、実効電圧3
0Vの条件で交流電解を行い、多孔質層の孔中にマグネ
シウムを折出させた。この折出したカルシウムの仕事関
数を、表面分析装置(理研計器製 AC−1)を用いて
測定したところ、3.4[eV]であった。この様にし
て得られたカルシウム充填多孔質陽極酸化アルミニウム
電極上に、実施例1と同様の方法で比較用の素子を作成
した。そしてその得られた素子に、電流密度8.2mA
/cm2 の電流を50時間流した。その時の結果を表6
に示す。
【0086】
【表6】 表5及び表6から明らかな様に、本発明の電界発光素子
は、比較例の素子に比べて光出力において極めて優れて
いることが分かる。
【0087】(第三の発明) <実施例8>酸化錫インジウム(ITO)皮膜(50n
m)ガラスの透明陽極上に下記構造式(a)からなる発
光層100nm、そしてMg/Ag(10/1)合金か
らなる陰極140nmを各々順次真空蒸着により形成し
た。この有機電界発光素子を10−3Torr以下の真
空中に10時間放置した後、圧力が760Torrにな
るまでアルゴンを導入し、硬質ガラス(商品名:パイレ
ックス)で密封、保持した。これを実施例8の電界発光
素子用のセルとする。
【0088】
【化20】
【0089】<実施例9〜実施例11及び比較例7〜比
較例8>実施例8と同様の方法で作製し、真空中に放置
した有機電界発光素子にアルゴンを導入して、有機電界
発光素子セル内の圧力が、1150Torr、940T
orr及び400Torrになる様に硬質ガラスで密
封、保持し、夫々実施例9、実施例10及び実施例11
の電界発光素子用のセルとする。又、実施例8と同様の
方法で有機電界発光素子を作製し、有機電界発光素子セ
ル内の圧力が、74Torr、10−3Torrになる
様に硬質ガラスで保持し、これを夫々比較例7及び比較
例8の電界発光素子用のセルとして作製した。
【0090】<実施例12〜実施例15及び比較例9〜
比較例11>実施例8と同様の方法で作製した有機電界
発光素子を、夫々10−3Torr以下の真空中に10
時間放置した後、有機電界発光素子セル内の圧力が、7
60Torrになるまでアルゴン、窒素及び酸素を導入
した。セル内における夫々のガスの分圧比率が下記に示
した状態で、硬質ガラスで密封、保持され、夫々実施例
12、実施例13、実施例14及び実施例15、比較例
9、比較例10及び比較例11の有機電界発光素子用の
セルとする。 (実施例12)Ar:N2:O2=0.98:0.01:
0.01 (実施例13)Ar:N2:O2=0.8:0.15:
0.05 (実施例14)Ar:N2:O2=0.6:0.3:0.
1 (実施例15)Ar:N2:O2=0.4:0.45:
0.15 (比較例9)Ar:N2:O2=0.2:0.6:0.2 (比較例10)Ar:N2:O2=0.1:0.6:0.
3 (比較例11)Ar:N2:O2=0.01:0.6:
0.39
【0091】これらの有機電界発光素子の陽極と陰極を
リード線で結び、直流電源を接続し、電流密度7mA/
cm の電流を90時間流した。その時の結果を以下
の表7及び表8に示す。表7及び表8から明らかな様
に、本発明の実施例の電界発光素子は、比較引用例の素
子に比べて光出力及び耐久性において極めて優れている
ことがわかる。
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の電界発光素
子は、低い印加電圧で極めて輝度の高い発光を得ること
が出来、且つ耐久性にも極めて優れている。又、素子の
作成が真空蒸着あるいはキャシティング法等で作成する
ことが出来る為、比較的安価で大面積の素子を容易に作
成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電界発光素子の代表的な一例
を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の電界発光素子の代表的な一例
を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の電界発光素子の代表的な一例
を模式的に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の電界発光素子の代表的な一例
を模式的に示す断面図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極及び陰極と、これらの間に扶持され
    た一層または複数層の有機化合物により構成される電界
    発光素子において、前記陽極が金属または金属酸化物よ
    り成る導電性粒子を樹脂中に分散した電極よりなること
    を特徴とする電界発光素子。
  2. 【請求項2】 導電性粒子の一次粒子の平均粒径が50
    0Å以下の超微粒子である請求項1に記載の電界発光素
    子。
  3. 【請求項3】 陽極及び陰極と、これらの間に狭持され
    た一層または複数層の有機化合物とにより構成される電
    界発光素子において、陽極が、少なくとも表面がアルミ
    ニウムまたはアルミニウム合金を陽極酸化することによ
    って形成された多孔質陽極酸化アルミニウム皮膜の孔中
    に、仕事関数が4.0eV以上の導電物質が充填された
    ものからなることを特徴とする電界発光素子。
  4. 【請求項4】 電界発光素子セル内に不活性ガス又は不
    活性ガス含有気体が封入されていることを特徴とする電
    界発光素子。
  5. 【請求項5】 不活性ガス又は不活性ガス含有気体が4
    00Torr以上の圧力で封入されている請求項4に記
    載の電界発光素子。
  6. 【請求項6】 不活性ガス含有気体の封入圧力に対する
    不活性ガスの分圧比率が0.3以上である請求項4に記
    載の電界発光素子。
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