JPH06189643A - シャクナゲ属植物の大量増殖法 - Google Patents

シャクナゲ属植物の大量増殖法

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JPH06189643A
JPH06189643A JP35770992A JP35770992A JPH06189643A JP H06189643 A JPH06189643 A JP H06189643A JP 35770992 A JP35770992 A JP 35770992A JP 35770992 A JP35770992 A JP 35770992A JP H06189643 A JPH06189643 A JP H06189643A
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shoots
medium
plant
azalea
culture
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JP35770992A
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Kazutsune Tsurumi
和恒 鶴見
Yoshiaki Yamaguchi
善紀 山口
Hideho Koda
秀穂 幸田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャクナゲ属植物を組織培養により大量増殖
する方法を提供する。 【構成】 シャクナゲ属(Rhododendron) 植物の茎頂部
の組織片を、第1回培養としてオーキシン系植物ホルモ
ン及びサイトカイニン系植物ホルモンを含む培地で無菌
的に茎頂部を伸長させて実質的に根を持たない苗条を培
養し、ついで第2回目の培養として、この苗条をオーキ
シン系植物ホルモン及びサイトカイニン系植物ホルモン
を含む培地に移植して増殖を行い、さらに、この増殖し
た根を持たない苗条をオーキシン系植物ホルモンを含む
培地に移植して発根させ、引き続いて完全な植物体に育
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシャクナゲ属(Rhododen
dron)植物の組織培養による大量増殖法に関する。
【0002】
【従来の技術】シャクナゲ属植物は、北半球の寒帯およ
び温帯に分布し、南アジア、マレイシア、ニューギニ
ア、オーストラリアなどの山地にも産し、600 余種にの
ぼる。シャクナゲ属植物は、庭園樹のほか鉢植え、切花
等に用いられる。これらのシャクナゲ属植物のクローン
増殖は、従来挿し木あるいは接ぎ木によって行われてき
ている。しかし、挿し木及び接ぎ木によるクローン増殖
は、増殖率が低く、大量に増殖することは不可能に近
い。そこで、組織培養による大量増殖法の確立が必要と
なる。
【0003】シャクナゲ属植物の組織培養の例として
は、Fordham & Stimart (HortScience 、Vol.17、No.
5 、1982)がExbury Azalea を用いてAndersonのRhodod
endron培地上で5種類のサイトカイニン系植物ホルモン
による組織培養を試みている。この結果、ゼアチンを用
いることによって増殖率が上がることを報告している。
この報告と本発明とでは使用している培地、ホルモンが
異なっており、またこの報告では苗条の増殖には成功し
ているものの発根には至っていない。
【0004】また、Martin(HortScience 、Vol.17、N
o.6、1982)は、前者と同じ培地を用いてRhododendron
catawbiense の5品種の花芽について組織培養を行っ
ている。この報告も本発明とは使用している組織及び培
地が異なっており、増殖率も未だ低水準にある。さら
に、Anderson(Journal of the American Society for
Horiticultural Science、Vol.109 、No.3、1984)は前
述した2報告に用いた培地を改変して増殖率の向上を図
り、新しい組成の培地を提言している。この報告された
培地の組成は本発明のものと異なり、さらに、増殖率も
未だ満足できる水準のものではない。ここに例示したシ
ャクナゲ属植物の各種の組織培養法は、いずれも基礎実
験の域を出ないものであり、本発明のように商業的な規
模での大量増殖を行うには至っていない。
【0005 】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これまで接
ぎ木、挿し木等にたよっていたシャクナゲ属植物クロー
ン増殖を組織培養によって大量に増殖する方法を提供す
るものである。さらに本発明は未だ基礎的な研究に留ま
っている従来のシャクナゲ属植物の組織培養技術に代わ
って頂芽の茎頂、腋芽の茎頂を組織培養して高い増殖率
で植物体を大量増殖する方法を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、シャクナゲ属
植物の茎頂部の組織片を、第1回目の培養としてオーキ
シン系植物ホルモン0.01〜5.0mg/l 、サイトカイニン系
植物ホルモン0.01〜5.0mg/l を含む培地を用いて無菌的
に茎頂部を伸長させ、実質的に根を持たない苗条に培養
し、ついで第2回目の培養として、この苗条をオーキシ
ン系植物ホルモン0.01〜5.0mg/l 、サイトカイニン系植
物ホルモン0.01〜5.0mg/l を含む培地に移植して増殖を
行い、さらにこの増殖した根を持たない苗条をオーキシ
ン系植物ホルモンを含む培地に移植して発根させ、完全
な植物体に育成することを特徴とするシャクナゲ属植物
の大量増殖方法である。
【0006】以下に本発明をさらに詳細に説明する。シャクナゲ属植物の組織 本発明に適用できるシャクナゲ属植物としては、アズマ
シャクナゲ、オオバシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、ハ
クサンシャクナゲ、ホソバシャクナゲ、ヤクシマシャク
ナゲ、ケナシハクサンシャクナゲ、ホンシャクナゲ、キ
バナシャクナゲ、ニッコウキバナシャクナゲ、ヤマシャ
クナゲ、ヒカゲツツジ、ゲンカイツツジ、ウラジロヒカ
ゲツツジ、シロバナサカイツツジ、エゾムラサキツツ
ジ、サカイツツジ、レンゲツツジ、バイカツツジ、エゾ
ツツジ、カラムラサキツツジ、ヤマツツジ、オオシマツ
ツジ、キリシマツツジ、ミヤマキリシマ、サツキ、マル
バサツキ、フヨウホウ、ミヤコツツジ、ハンノウツツ
ジ、ブンゴニシキ、フジツツジ、オオヤマツツジ、アシ
タカツツジ、ウンゼンツツジ、ヤクシマツツジ、サクラ
ツツジ、ヨドガワツツジ、チョウセンヤマツツジ、オオ
ムラサキ、キシツツジ、ケラマツツジ、モチツツジ、ム
ラサキリュキュウツツジ、テボタン、コメツツジ、オオ
コメツツジ、チョウジコメツツジ、セイシカ、ミツバツ
ツジ、トサノミツバツツジ、コバノミツバツツジ、トウ
ゴクミツバツツジ、ダイセンミツバツツジ、サイコクミ
ツバツツジ、キヨスミツバツツジ、オンツツジ、アマギ
ツツジ、ジングウツツジ、ゴヨウツツジ、クロフネツツ
ジ、ムラサキヤシオツツジ、アケボノツツジ、アカヤシ
オ、オオバツツジ等の樹種の他、これらの栽培品種およ
び種間雑種等が挙げられる。また、組織培養に用いる組
織片(外植体)としては、頂芽及び腋芽における茎頂を
利用できる。
【0007】培地 本発明に使用する培地は植物の組織培養に一般に用いら
れる培地を広く用いることができる。例えばガンボーグ
B5培地、ムラシゲ・スクーグ培地、Litvayの培地(LM
培地)、Woody pland medium培地(WPM培地)、Whit
e の培地(White 培地)あるいはこれらの培地の組成を
改変した培地などを例示できるが、本発明では、この中
でも特にWPM培地、もしくはWPM培地を改変した培
地を用いるのが好ましい。
【0008】植物ホルモン また、培地に添加する植物ホルモンとしてはナフタレン
酢酸(NAA)、インドール−3−酢酸(IAA)、イ
ンドール−3−酪酸(IBA)、2,4−ジクロロフェ
ノキシ酢酸(2,4−D)、インドール−3−プロピオ
ン酸(IPA)、ベンゾフラン−3−酢酸(BFA)、
フェニル酪酸(PBA)、およびこれらの誘導体等のオ
ーキシン類、およびベンジルアデニン(BA)、カイネ
チン、ゼアチン、2−イソペンテニルアデニン(2i
P)、(2−クロル−4−ピリジル)−3−フェニル尿
素(4PU)等のサイトカイニン類を例示できる。
【0009】根を持たない苗条の再生(第1回目の培
養) 上記の培地にサイトカイニン類とオーキシン類との組合
せによる植物ホルモン及びショ糖を添加した固体培地に
表面殺菌を行ったシャクナゲ属植物の組織片を植え付け
る。培養条件は室温10〜30℃、1000〜20000luxの照度で
明期10〜16時間、暗期14〜8時間を与え培養する。組織
片を植え付け後、約4週間程度で組織片から苗条の再生
が始まり、約8週間後には苗高1〜2cm程度に伸長す
る。
【0010】根を持たない苗条の増殖(第2回目の培
養) 上記によって再生した根を持たない苗条を前述の培地に
サイトカイニン類とオーキシン類との組合せによる植物
ホルモン及びショ糖を添加した固体培地に移植する。培
養条件は根を持たない苗条の再生の条件と同様である
が、好ましい条件は室温15〜25℃、5000〜15000lux、明
期12〜16時間、暗期12〜8時間である。この時、培養に
用いる容器としては三角フラスコの他、無菌的に通気可
能な容器を用いることによって、増殖率を向上できる場
合がある。
【0011】根を持たない苗条の移植後、1〜3週間程
度で苗条の増殖が始まる。この増殖の仕方は個体によっ
て異なるが、大別して次の2種類になる。1つの増殖形
態は、不定芽を多数形成し、多芽体となり増殖するもの
である。もう1つの増殖形態は、移植した根を持たない
苗条の基部にカルスを形成し、このカルスから不定苗条
を再分化し増殖する。また、この苗条の基部に形成され
たカルスを切取り新鮮培地に移植することによって根を
持たない苗条の再分化及び増殖が図れるものである。
【0012】根を持たない苗条からの発根 上記によって増殖した根を持たない苗条を前述の培地を
1/2〜1/4程度に希釈し、これにオーキシン系植物
ホルモンとショ糖を添加した固体培地に移植する。この
とき培地に添加するショ糖は、できるだけ低濃度に抑え
ることが望ましい。場合によってはショ糖は添加しなく
ても良い。培地の固化剤としては寒天、ゲランガム等を
用いるが、特にゲランガムを用いると発根率を向上でき
る場合がある。発根時の培養条件は根を持たない苗条の
再生、根を持たない苗条の増殖時と同様である。
【0013】発根培地へ移植後、早いもので2週間で発
根が認められる。この後2〜4週間程度で根の長さは1
〜2cm程度に伸長する。このまま培養を継続し、順化を
行える程度まで培養を行っても支障はないが、この時点
で植物ホルモンを添加せず、他の成分を同様とした新鮮
培地に発根した苗条を移植することによって苗条の成長
を促進することが可能である。苗条が2〜3cm(葉が6
〜7枚程度の状態)程度に伸長した時点で順化へ移行す
る。順化方法は従来知られている方法を用いることによ
って健全な苗木を多数得ることが出来る。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。 実施例1 レンゲツツジの品種Ghent hybridから選抜さ
れた個体外植体とその表面殺菌方法 レンゲツツジの品種Ghent hybridから選抜された20年生
の個体から茎頂を含む約2cmの長さの枝を切り取って以
下の方法で表面殺菌を行った。70%エタノールで20秒間
浸漬しながら超音波洗浄を行い、続いて0.3 %Tween20
を含む20倍に希釈したアンチホルミンに3分間浸漬する
(このうち1分間は超音波洗浄を行う)。この後、滅菌
水で3回すすぎアンチホルミンを洗い流す。
【0015】根を持たない苗条の再生 (培地及び植物ホルモン)一部改変したWPM培地(第
1表)を1/2に希釈し、これにショ糖3%を添加し
た。この培地にサイトカイニン系植物ホルモンとして2
iP2mg/lとオーキシン系植物ホルモンとしてIAA0.
1mg/l を加え、pH5.4 に調整した。この培地を100ml 容
量のガラス製三角フラスコ(底面積:約20cm2 )に40ml
ずつ分注し、さらに寒天0.7 %を加えオートクレーブに
よって滅菌した(121 ℃、1.2kg/cm2、15分間)。
【0016】
【表1】 第1表 Woody plant medium(WPM)改変培地の含有成分 ─────────────────────────── Components ( mg/l) ─────────────────────────── NH4NO3 400 K2SO4 990 MgSO4 ・ 7H2O 370 CaCl2 ・ 2H2O 96 Ca(NO3)2・ 4H2O 556 KH2PO4 170 H3BO4 6.2 MnSO4 ・ 4H2O 22.3 ZnSO4 ・ 7H2O 8.6 CuSO4 ・ 5H2O 0.025 Na2MoO2 ・ 2H2O 0.25 CoCl2 ・ 6H2O 0.025 Na2 ・ EDTA 37.3 FeSO4 ・ 7H2O 27.8 myo-Inositole 100.0 Thiamin HCl 0.1 Pyridoxine HCl 0.5 Nicotinic acid 0.5 Glycine 2.0 ───────────────────────────
【0017】(外植体の植え付け及び培養条件)上記の
培地に前述の表面殺菌した茎頂を含む枝から成長点を含
む1〜2mmの大きさの茎頂部分を切取り、1フラスコ当
り2茎頂ずつ植え付け、23℃で16時間明期(2000lux
)、8時間暗期で培養した。茎頂植え付け後、約4週
間で苗条の伸長が認められ、約8週間後には苗高は1cm
程度に伸長する。
【0018】根を持たない苗条の増殖 (培地及び植物ホルモン)根を持たない苗条の再生に用
いた培地と同様のショ糖、植物ホルモンを含む培地をpH
5.4 に調整し、無菌的に通気可能なミリポアフィルター
付きのポリカーボネイト製培養ポット(底面積:約44cm
2 )に60mlずつ分注し、さらに寒天0.7 %を加え、オー
トクレーブによって滅菌した(121℃、1.2kg/cm2 、15分
間)。
【0019】(苗条の植え付け及び培養条件)この培地
に前述した根を持たない苗条を1ポット当り5〜7本程
度植え付け、外植体を培養した条件で培養した。増殖培
地移植後4〜8週間程度で1つの根を持たない苗条から
10〜20本程度の根を持たない苗条が増殖する。これらの
増殖した根を持たない苗条を分割し、新鮮な増殖用培地
に移植することによって半永久的に増殖を繰り返すこと
ができる。
【0020】根を持たない苗条の発根 (培地及び植物ホルモン)上記の根を持たない苗条の再
生に使用した一部改変したWPM培地を1/6希釈し、
ショ糖を1.5 %添加する。さらに、IBAを0.1mg/l を
添加する。この培地を100ml 容量のガラス製三角フラス
コに40mlずつ分注し、さらにゲランガムを0.4 %加え、
オートクレーブによって滅菌する(121℃、1.2kg/cm
2 、15分)。これに前述した根を持たない苗条を1フラ
スコ当り2本ずつ移植し、根を持たない苗条の再生及び
根を持たない苗条の増殖に用いた条件で培養する。発根
培地移植後、約4週間で根の長さが1cm程度に伸長す
る。
【0021】この時点で、苗条及び根の伸長を促進する
ため、以下に示す培地に移植する。一部改変したWPM
培地を1/4に希釈し、ショ糖を1.5 %添加し、植物ホ
ルモン類は一切添加しない。この培地を無菌的に通気可
能なポリカーボネイト製のミリポアフィルター付きの培
養ポットに60mlずつ分注し、ゲランガム0.4 %を添加し
オートクレーブによって滅菌する(121 ℃、1.2kg/c
m2 、15分)。前述の発根した苗条を1ポット当り2本
を移植する。移植後4〜6週間で苗条は2.5 〜4.0cm 程
度に伸長する。なお、本実施例における発根率は95%以
上である。
【0022】このように苗高が2.5 〜4.0cm 程度になっ
た時点で各個体を既に明らかになっている方法で火山灰
(粒径3mm以下)に移植し徐々に湿度を下げ、高照度に
移していくことによって約4週間で順化を終了し、正常
な苗条になる。本実施例を用いて培養を行うと、1つの
茎頂から16〜22週間程度で正常な苗木を得ることが出来
る。また、培養を繰り返すことによって理論的には半年
間で1茎頂から1×106 本の苗条を得ることが出来る。
【0023】実施例2 レンゲツツジの品種Exbury Aza
lea から選抜された個体外植体とその表面殺菌方法 レンゲツツジの品種Exbury Azalea から選抜された20年
生の個体から茎頂を含む約2cm の長さの枝を切り取って
以下の方法で表面殺菌を行った。70%エタノールで20秒
間浸漬しながら超音波洗浄を行い、続いて0.3 %Tween2
0を含む20倍に希釈したアンチホルミンに3分間浸漬す
る(このうち1分間は超音波洗浄を行う)。この後、滅
菌水で3回すすぎアンチホルミンを洗い流す。
【0024】根を持たない苗条の再生 (培地及び植物ホルモン)一部改変したWPM培地を1
/2に希釈し、これにショ糖3%を添加した。この培地
にサイトカイニン系植物ホルモンとして2iP2mg/lと
オーキシン系植物ホルモンとしてIAA0.1mg/l を加
え、pH5.4 に調整した。この培地を100ml 容量のガラス
製三角フラスコに40mlずつ分注し、さらに寒天0.7 %を
加えオートクレーブによって滅菌した(121 ℃、1.2kg/
cm2 、15分間)。
【0025】(外植体の植え付け及び培養条件)これに
前述の表面殺菌した茎頂を含む枝から成長点を含む1〜
2mmの大きさの茎頂部分を切取り、1フラスコ当り2茎
頂ずつ植え付け、23℃で16時間明期(2000lux )、8時
間暗期で培養した。茎頂植え付け後、約4週間で苗条の
伸長が認められ、約8週間後には苗高は1cm程度に伸長
する。
【0026】根を持たない苗条の増殖 根を持たない苗条の再生に用いた培地と同様のショ糖、
植物ホルモンを含む培地をpH5.4 に調整し、無菌的に通
気可能なミリポアフィルター付きのポリカーボネイト製
培養ポットに60mlずつ分注し、さらに寒天0.7 %を加
え、オートクレーブによって滅菌した(121℃、1.2kg/cm
2 、15分間)。
【0027】この培地に前述した根を持たない苗条を1
ポット当り5〜7本程度植え付け、外植体を培養した条
件で培養した。増殖培地移植後4〜8週間程度で1つの
根を持たない苗条の根元にカルスが形成され、このカル
スから2〜3本の苗条が再分化する。
【0028】また、植え付けた根を持たない苗条の葉腋
から2〜3本程度の不定芽が伸長する。この苗条の根元
に出来たカルスから根を持たない苗条を切除し、成分の
同じ新鮮培地に移植することによって、同様の過程を経
て、根を持たない苗条が増殖できる。また、苗条の根元
にできたカルスを成分の同じ新鮮培地に移植し、培養す
ることによって、カルスから苗条の再分化が起こり、苗
条の増殖が図れる。これらの作業を繰り返すことによっ
て半永久的に苗条の増殖が図れる。なお、この実施例に
おける増殖率は4〜6倍である。
【0029】根を持たない苗条からの発根 上記の根を持たない苗条を一部改変したWPM培地を1
/6希釈し、ショ糖を1.5 %添加する。さらに、IBA
を0.05mg/lを添加する。この培地を無菌的に通気可能な
ポリカーボネイト製ミリポアフィルター付き培養ポット
に60mlずつ分注し、さらにゲランガムを0.4 %加え、オ
ートクレーブによって滅菌する(121 ℃、1.2kg/cm2
15分)。これに前述した根を持たない苗条を1ポット当
り7本ずつ移植し、根を持たない苗条の再生及び根を持
たない苗条の増殖に用いた条件で培養する。発根培地移
植後、約4週間で根の長さが1cm程度に伸長する。
【0030】この時点で、苗条及び根の伸長を促進する
ため、以下に示す培地に移植する。一部改変したWPM
培地を1/4に希釈し、ショ糖を1.5 %添加し、植物ホ
ルモン類は一切添加しない。この培地をポリカーボネイ
ト製のミリポアフィルター付きの培養ポットに60mlずつ
分注し、ゲランガム0.4 %を添加しオートクレーブによ
って滅菌する(121 ℃、1.2kg/cm2 、15分)。前述の発
根した苗条を1ポット当り2本を移植する。移植後4〜
6週間で苗条は2.5 〜4.0cm 程度に伸長する。なお、本
実施例における発根率は30%以上である。
【0031】このように苗高が2.5 〜4.0cm 程度になっ
た時点で各個体を既に明らかになっている方法で火山灰
(粒径3mm以下)に移植し徐々に湿度を下げ、高照度に
移していくことによって約4週間で順化を終了し、正常
な苗条になる。本実施例を用いて培養を行うと、1つの
茎頂から16〜22週間程度で正常な苗木を得ることが出来
る。また、培養を繰り返すことによって1年間で1茎頂
から5.3 ×105 本の苗条を得ることが出来る。
【0032】
【発明の効果】本発明によって、いままでに接ぎ木、挿
し木に頼っていたシャクナゲ属植物のクローン増殖を頂
芽及び腋芽の茎頂による組織培養によって大量に増殖で
きるようになった。この方法によって新品種として開発
されたシャクナゲ属植物を効率よく大量に増殖すること
が可能になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャクナゲ属植物の茎頂部の組織片を第
    1回目の培養としてオーキシン系植物ホルモン0.01〜5.
    0mg/l 、サイトカイニン系植物ホルモン0.01〜5.0mg/l
    を含む培地を用いて無菌的に茎頂部を伸長させ、実質的
    に根を持たない苗条に培養し、ついで第2回目の培養と
    してこの苗条をオーキシン系植物ホルモン0.01〜5.0mg/
    l 、サイトカイニン系植物ホルモン0.01〜5.0mg/l を含
    む培地に移植し増殖を行い、さらにこの増殖した根を持
    たない苗条をオーキシン系植物ホルモンを含む培地に移
    植し発根させ、引き続いて完全な植物体に育成すること
    を特徴とするシャクナゲ属植物の大量増殖方法。
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