JPH0619039A - 有機光記録媒体及びその光記録再生方法 - Google Patents

有機光記録媒体及びその光記録再生方法

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Publication number
JPH0619039A
JPH0619039A JP4174335A JP17433592A JPH0619039A JP H0619039 A JPH0619039 A JP H0619039A JP 4174335 A JP4174335 A JP 4174335A JP 17433592 A JP17433592 A JP 17433592A JP H0619039 A JPH0619039 A JP H0619039A
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JP
Japan
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optical recording
atomic group
recording medium
light
photochromic
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Pending
Application number
JP4174335A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Nakamura
振一郎 中村
Yukichi Murata
勇吉 村田
Shuichi Maeda
修一 前田
Kazuo Mitsuhashi
和夫 三ッ橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Mitsubishi Chemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フォトクロミック化合物を光記録層に含有
し、光情報の可逆的な記録、再生、消去の繰り返しが可
能であり、かつ、再生に当っては非破壊読出ができる有
機光記録媒体及びこれを用いた光記録再生方法を提供す
る。 【構成】 フォトクロミック性を有し光反応する原子団
Xと、該原子団Xに直接又は他の結合基を介して結合し
た原子団であって、原子団Xのフォトクロミック反応に
関与せずかつフォトクロミック光異性化の影響により吸
収波長又は吸収強度が変化する原子団Yとを備えるフォ
トクロミック化合物を含有する有機光記録媒体。原子団
Xの光反応を生ぜしめる書込光を照射して情報を記録
し、前記原子団Yの吸収波長又は吸収強度の変化を読取
る波長域で読取光を照射して、情報の再生を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機光記録媒体及びその
光記録再生方法に係り、特に、フォトクロミック化合物
を光記録層に含有し、光情報の可逆的な記録、再生、消
去の繰り返しが可能であり、かつ、再生に当っては非破
壊読出ができる有機光記録媒体及びこれを用いた光記録
再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミック化合物は、下式の如
く、光λ,λ’によって起こされた分子レベルの変化
が、性質の異なるI,II状態を生じ、これを記憶の素単
位とすることができる特異な化合物であり、近年、この
ようなフォトクロミック化合物を光情報記録材料として
利用する研究が盛んに行なわれている。
【0003】
【化1】
【0004】フォトクロミック化合物を光情報記録材料
として用いるには、以下の特性を満たすことが必要であ
る。 記録が熱に対して安定である。 半導体レーザー感受性を有する。 繰り返し耐久性に優れている。 非破壊読出し機能を有する。 高感度である。
【0005】従来、幾つかのフォトクロミック化合物が
提案され、上記〜の要求特性を満たすべく研究がな
されてきたが、この全ての条件を満たすものはこれまで
存在しなかった。特に、の非破壊読出しの達成は最も
難しい点であった。
【0006】従来のフォトクロミック化合物については
H.Dun,H.Bouas-Laurent 編“Photochromism Molecules
and Systems ”, Elsevier,N.Y(1990)に詳しく記載され
ている。これらのうち、特に、下記式で示すフルギド系
化合物及びジアリルエテン系化合物は、代表的なフォト
クロミック化合物である。なお、下記式においてUVは
紫外光、VISは可視光であり、無色の開環体と有色の
閉環体とで可逆的に異性化される。
【0007】
【化2】
【0008】特に、ジアリルエテン系化合物は熱的に安
定な状態となり得る(前記条件)という長所を有して
いる。即ち、左の開環体(無色)をある波長(UV)に
て右の閉環体(有色)に変化せしめた後は、熱的影響で
は開環体に戻らないので、記録された情報が失なわれる
ことはなく、別の波長(VIS)を照射することにより
再びもとの開環体に戻る。
【0009】ところで、前記条件の非破壊読出し機能
とは、記録された光情報を繰り返し再生するとき、記録
が破壊されないという機能である。従来、この非破壊読
出しのために、再生光の光強度を弱くして再生するか、
正逆反応を光で行うという上記のものとは異なり、いず
れかの反応が熱でおこるという熱モードを併用(例え
ば、フォトクロ化合物を入れるポリマーを選ぶことによ
り高温状態のときだけ反応がおこるようにすることがで
きる。)するなどの方法が提案されてきたが、十分な効
果は得られていない。
【0010】一方、本発明者らは、先に、非破壊読出し
の原理的方法として、着色体の最長波長側吸収端で読み
取った場合、もどりの開環反応が殆ど起こらないように
分子を修飾する手法とその実施例を提案した。これは、
DOVAプロットという分子の振動様式のデザインを行
なう手法の開発による効果であった(特願平4−351
70号)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では再生光を、吸光度の非常に小さな領域で用いな
ければならないことから、S/Nを求めるために、多く
の光量を用いる必要がある上に、加えて、消去光と再生
光は、単一の吸収帯内で、即ち、近接した波長で峻別を
行なわなければならないという難点もあった。
【0012】本発明は、上記従来の問題点を解決し、繰
返し再生しても記録された光情報が破壊され難い、即
ち、書込光、消去光及び再生光を各々十分に離れた別個
の吸収帯域にて照射することができ、従って、充分な吸
光度を持った領域の光によって書込み、消去、及び再生
が可能な有機光記録媒体及びこれを用いた光記録再生方
法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の有機光記録媒
体は、支持体上に、光照射によりその光学的性質が変化
する有機光記録層を有する有機光記録媒体において、該
有機光記録層がフォトクロミック性を有し光反応する原
子団Xと、該原子団Xに直接又は他の結合基を介して結
合した原子団であって、前記原子団Xのフォトクロミッ
ク反応に関与せずかつフォトクロミック光異性化の影響
により吸収波長又は吸収強度が変化する原子団Yとを備
えるフォトクロミック化合物を含有することを特徴とす
る。
【0014】請求項2の有機光記録媒体は、請求項1に
記載の有機光記録媒体において、原子団Yによる吸収波
長が原子団Xの光反応を起こす波長よりも長波長側にあ
ることを特徴とする。
【0015】請求項3の有機光記録媒体は、請求項1又
は2に記載の有機光記録媒体において、フォトクロミッ
ク化合物は、開環体のヘキサトリエン構造と閉環体のシ
クロヘキサジエン構造が可逆的に異性化可能なエチレン
誘導体であることを特徴とする。
【0016】請求項4の有機光記録媒体は、請求項3の
有機光記録媒体において、フォトクロミック化合物が少
くともエチレン基の1位の炭素又は2位の炭素に複素環
が結合したエチレン誘導体である。
【0017】請求項5の有機光記録媒体の光記録再生方
法は、請求項1に記載の有機光記録媒体に、前記原子団
Xの光反応を生ぜしめる書込光を照射して情報を記録
し、前記原子団Yの吸収波長又は吸収強度の変化を読取
る波長域で読取光を照射して、情報の再生を行なうこと
を特徴とする。
【0018】請求項6の有機光記録媒体の光記録再生方
法は、請求項5の光記録再生方法において、読取光を照
射して情報の再生を行なった後、原子団Xに前記光反応
と逆方向の光反応を生ぜしめる波長域の消去光を照射し
て、情報の消去を行なうことを特徴とする。
【0019】本発明者らは、フォトクロミック化合物に
ついて、実験的手法及び電子状態の理論である量子化学
的計算を用いて、鋭意研鑽を重ねた結果、異なる波長の
3光源を用いて記録、非破壊読出及び消去が可能な分子
設計を実現し得ることを見出した。即ち、従来のフォト
クロミック化合物の光反応で変動する吸収帯ε1 ,ε2
(原子団Xのフォトクロミック反応による吸収帯)を用
いると共に、新たに反応に関与しないが、分子変形の影
響をうけて波長シフトを行なうような吸収帯ε3 (原子
団Yからなる)を持つ分子を設計すれば、この吸収帯ε
1 ,ε2 を書込、消去光の照射域とし、新たな、吸収帯
ε3 を再生光の照射域として、上記本発明の目的を達成
できることを見出し、本発明を完成させた。
【0020】以下に本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明に係るフォトクロミック化合物の具
体例としては、波長の異なる2種類の光を交互に照射す
ることにより、開環体のヘキサトリエン構造と閉環体の
シクロヘキサジエン構造とに可逆的に異性化が可能なエ
チレン誘導体に適当な色素を結合させたものが挙げられ
る。特に、ヘキサトリエン構造の二重合成分として、複
素環化合物を用いたエチレン誘導体が好ましく例示され
る。このようなフォトクロミック化合物の一般式を以下
に示す。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】上記いずれのフォトクロミック化合物もヘ
キサトリエン⇔シクロヘキサジエン骨格を有し、フォト
クロミック反応に関与する部分が原子団X(その成分x
1 ,x2 ,x3 …)に対応し、Xに直接結合した原子団
Yを有している。
【0025】において、x1 ,x3 はフラン、チ
オフェン、チアゾール、オキサゾール、ベンゾフラン、
インドール、ベンゾチオフェン等の基を表し、x1 =x
3 であってもx1 ≠x3 であっても良い。x2 として
は、下記のものが挙げられる。
【0026】
【化5】
【0027】ここで、R1 は後述のYの色素或いは色素
に置換基のついたものが挙げられる。nは整数、好まし
くは1〜8の整数を示す。
【0028】Yとしては色素分子の置換基が好ましい
が、後述のε3 に相当する吸収帯を生ぜしめるものであ
れば、一般的には色素として考えられていないものでも
用いることができる。
【0029】上記のフォトクロミック化合物として
は、具体的には、下記のものが挙げられる。
【0030】
【化6】
【0031】(Rとしては水素又はCH3 ,C25
どのアルキル基が挙げられる(以下同様)。A〜GはH
又はCH3 等のアルキル基或いは、CF3 ,NO2 ,C
N,NHCOCH3 などの基を表す。特に、G,Dとし
てはNHCOCH3 基が好ましい(以下同様)。)
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】上記の例では、光異性化反応を担う原子団
Xとして
【0044】
【化18】
【0045】を用いたものを示したが、この原子団Xは
下記のものでもよい。
【0046】
【化19】
【0047】一方、前記’,’のフォトクロミック
化合物において、x'1,x'2としてはの場合と同
様であり、xR としては水素又はメチル、エチル、プロ
ピル等のアルキル基が挙げられる。x3 としてはジメチ
ルの他、アダマンチル、ノルボルネン等が挙げられる。
【0048】前記’のフォトクロミック化合物として
は、具体的には下記のものが挙げられる。
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】次に、このような本発明に係るフォトクロ
ミック化合物を含有する光記録層を有する本発明の有機
光記録媒体について説明する。
【0054】本発明の有機光記録媒体は、基本的には基
板(支持体)と光記録層とから構成されるものである
が、更に必要に応じて基板上に下引き層を、或いは、光
記録層上に保護層を設けることができる。
【0055】本発明で用いる基板としては、使用する光
に対して透明であっても不透明であってもいずれでも良
い。基板材料の材質としては、ガラス、プラスチック、
紙、板状又は箔状の金属等の、一般的な記録媒体の支持
体が挙げられるが、これらのうち、プラスチックが種々
の点から好適である。プラスチックとしては、アクリル
樹脂、メタアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
樹脂、ニトロセルロース、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、
ポリサルホン樹脂等が挙げられる。
【0056】本発明の有機光記録媒体における有機光記
録層の膜厚は100Å〜100μm、好ましくは100
0Å〜10μmとするのが好適である。
【0057】成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピナー
法、浸漬法など一般に行なわれている薄膜形成法を採用
することができる。
【0058】例えば、本発明に係るフォトクロミック化
合物を、必要に応じてポリエステル樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸ブチル、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロース、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン樹脂等
のバインダーと共に、四塩化炭素、ベンゼン、シクロヘ
キサン、メチルエチルケトン、テトラクロロエタン等の
溶媒に分散又は溶解させて、適当な基板上に塗布して記
録層を形成することによって、或いは、フォトクロミッ
ク化合物を公知の蒸着法又は他の化合物との共蒸着法に
よって適当な基板上に蒸着して記録層を形成することに
よって、或いは、フォトクロミック化合物を上述のよう
な溶媒に溶解し、ガラスセル等に封入すること等によっ
て、本発明の有機光記録媒体を容易に得ることができ
る。
【0059】なお、スピナー法による記録層の成膜の場
合、回転数は500〜5000rpmが好ましく、スピ
ンコートの後、場合によっては、加熱或いは溶媒蒸気に
当てる等の処理を行なっても良い。
【0060】ドクターブレード法、キャスト法、スピナ
ー法、浸漬法、特にスピナー法等の塗布方法により記録
層を形成する場合の塗布溶媒としては、ブロモホルム、
ジブロモエタン、エチルセロソルブ、キシレン、クロロ
ベンゼン、シクロヘキサノン等の沸点120〜160℃
のものが好適に使用される。
【0061】また、記録層の安定性や耐光性向上のため
に、一重項酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化
合物(例えば、アセチルアセトナートキレート、ビスフ
ェニルジチオール、サリチルアルデヒドオキシム、ビス
ジチオ−α−ジケトン等)又は3級アミン化合物を含有
させていてもよい。
【0062】本発明の有機光記録媒体の光記録層は、基
板の両面に設けても良いし、片面だけに設けても良い。
【0063】上記のようにして得られた有機光記録媒体
への記録(書込)は、基板の両面又は片面に設けた光記
録層に1〜10μm程度に集束した光、好ましくは、レ
ーザー光を当てることにより行なう。レーザー光等が照
射された部分は、光異性化により色変化が起こる。記録
された情報の再生は、色変化が起きている部分と起きて
いない部分の反射率或いは吸光度の差を読み取ることに
よりZ値情報或いはアナログ情報として再生することが
できる。再生光は、書込光よりも長波長の光を用いるこ
とが好ましい。
【0064】また、再生光は、記録層に含有されている
フォトクロミック化合物の量子効率が0.2以下となる
ような波長を用いることが好ましい。
【0065】本発明の有機光記録媒体について使用され
る光源としては水銀ランプ、キセノンランプの他、レー
ザー光(N2 、He−Cd、アルゴンイオン、He−N
e、ルビー、半導体、色素レーザー)等が挙げられる。
【0066】
【作用】以下に、スペクトルの概念図を参照して、フォ
トクロミック化合物を用いた有機光記録媒体の動作原理
を説明する。
【0067】従来のフォトクロミック化合物の動作原理
を図2を参照して説明する。
【0068】図2は、ともに同じ原子団Xからなる、光
異性化により生じる2つの状態I,IIに対応した吸収パ
ターンを示す。即ち、未記録状態Iに対してその吸収域
εaの光λa を照射し、フォトクロミック光異性化反応
を行なわせ、書込状態IIとする。この書込状態IIに、そ
の吸収域εb の光λb を照射すると、可逆的にIにもど
るというのが基本的な動作原理である。
【0069】
【化24】
【0070】これに対して、本発明では、このI⇔IIと
いう反応を行なう原子団Xに、更に別の原子団Yを導入
する。この原子団Yは、反応による影響は受けつつも、
反応そのものには関与しない原子団である。即ち、下記
光異性化反応が起きる。
【0071】
【化25】
【0072】このA状態のスペクトルを実線で、B状態
のスペクトルを破線で示したものが図1である。図1に
おいて、吸収帯ε1 ,ε2 は原子団Xのものであり、光
異性化に伴ってε1 ,ε2 と波長域を変えることは、従
来のフォトクロミック化合物と同様である。
【0073】ここで、原子団Xに付加された原子団Y
は、原子団Xよりも長波長(低エネルギー側)に新たな
吸収帯ε3 を有する。書込に際しては、実線で示した未
記録状態Aにその波長域(ε1 )の光λ1 で照射すると
状態Aは書込状態Bへ移る。即ち、図1の破線の状態と
なる。ここでは、原子団Xの吸収はε1 からε2 へ変化
するが、原子団Yの吸収帯ε3 は、直接反応に関与して
いないので、ε1 ,ε2のように生成、消滅は起こらな
いが、Xの光異性化による電子状態の変化により、スペ
クトルシフト或いは強度変化を起こす。
【0074】再生に際しては、ε3 の吸収帯の光λ3
照射して行なう。λ3 は反応に関与する光ではないこ
と、特に、反応を起こす領域より低エネルギー側である
ことから、B→Aの戻り反応は起こることなく、かつス
ペクトルシフト又は強度変化によりA状態(実線)かB
状態(破線)かを透過光又は反射光により区別できる。
即ち、再生が可能である。本発明における非破壊読出は
このようにして達成される。
【0075】消去に際しては、従来のフォトクロミック
化合物と同じく、ε2 の吸収帯にある光λ2 を照射すれ
ば、A状態に戻して消去することが可能である。従っ
て、非破壊読出可能な可逆的有機光記録媒体が実現され
る。
【0076】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0077】実施例1 フォトクロミック化合物として下記構造式で示されるエ
チレン誘導体化合物[A]を用いた。これは書込状態で
は閉環体[B]となる。
【0078】
【化26】
【0079】化合物[A]の合成 以下の反応式に従って合成を行なった。
【0080】
【化27】
【0081】 化合物の合成 2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニ
ル)マレイン酸無水物を0.173g(0.5mmo
le)、m−アミノフェノールを0.069g、酢酸
を0.5ml混合し、この混合物を攪拌下120℃で1
0時間反応させた。反応終了後、酢酸を留去した後、残
渣を酢酸エチル5mlで溶解し、ヘキサン5mlを添加
して沈殿を析出させた。これを濾過し、カラムクロマト
グラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)により、
イミド中間体を0.22g得た。 化合物の合成 NaCl 0.24g、ゼラチン5.5mg、水3.3
mlをビーカーに仕込み攪拌しながら、硝酸銀0.56
gを水3.3mlに溶解した液を滴下した。次に、炭酸
ナトリウム0.26gを水1.5mlに溶解した液を添
加し、更に、上記で得られたイミド中間体を0.1
8g、アセトン15mlに溶解した液を添加した。更に
p−アミノ−ジエチルアニリン塩酸塩0.09gを水
3.3mlに溶解した液を約1.5時間かけて滴下後、
30分間攪拌した。次いで酢酸エチル10mlを添加し
て濾過し、酢酸エチル10mlで洗浄し、酢酸エチルを
濃縮して乾燥後、カラムクロマトグラフィー(展開液:
ヘキサン/酢酸エチル)で分離・精製して目的物の青
色固体粉末0.055gを得た(一貫収率18%)。
【0082】得られた化合物の元素分析結果は、以下
の通りであり、計算値と良く合致した。
【0083】 C(%) H(%) N(%) 計算値 68.31 5.90 7.03 分析値 67.93 5.97 6.90 1H−NMR CH3 (N−C−CH3 ):6H,t 1.22 CH3 (チオフェン) :3H,s 1.79,1.80 6H,m 1.95,1.97 3H,s 2.09,2.12 6H,m 2.24,2.25,2.27 CH2 (N−CH2 −C):4H,q 3.44 Ha :1H,d 6.78 Hb :1H,d,d 6.62 Hc :1H,d 7.42 Hd ,Hg :2H,d (6.99),7.00 He ,Hf :2H,d 6.68
【0084】
【化28】
【0085】化合物[A]の液相での評価 このようにして合成された化合物[A]1mgを50c
cのヘキサンに溶解したものを少量セルに採り、150
WのキセノンランプにフィルターU−350(KENK
O製)を介して得られた350nmの光を5分間照射し
たところ、開環体のスペクトルが閉環体に変化したこと
を示すスペクトルパターンの変化が見られた。最も目立
ったスペクトルは371nmに際立った鋭いピークが出
現したことである。この状態を書込状態とみなした。次
に、消去として同光源にフィルターO−54(東芝ガラ
ス製)を介して540nmの光を2分間照射したとこ
ろ、スペクトルは完全にもとの書込む前のスペクトルパ
ターンに変化した。これで消去を確認した。
【0086】更に、非破壊読出を試すべく、再び同上の
350nmの光を5分照射して書込状態にした。その
後、フィルターR−65(東芝硝子製)を用いて650
nm以上の光のみを5分間照射したが、スペクトル変化
は全く起こらず、書込状態は保たれていることが確認さ
れた。このときの吸光度と、未書込状態での同じ光によ
る吸光度の差を比べるために、新たに、未書込状態に同
じ650nm以上の光を照射したところ、フォトクロミ
ック反応が全く起こらず、未書込状態が保たれているこ
とを確認した。この吸光度と先の書込状態での吸光度の
比をとると5%の有意差が得られた。
【0087】化合物[A]の固相での評価 上記化合物[A]5mgと240gのポリオレフィンを
トルエン2.5mlに溶解して得られた溶液を石英ガラ
ス板上に塗布し、乾燥してポリオレフィンフィルムを作
製した。このフィルムに、150Wのキセノンランプに
フィルターU350(KENKO製)を介して350n
mの書込光を照射して記録した。これをフィルターR6
5(東芝硝子製)を介して得た650nm以上の読出光
で再生したところ、未書込状態に比べて充分な透過率変
化が認められた。これに500nm以上の(フィルター
Y50(東芝硝子製)による)消去光を照射した後、再
び650nmの読出光で再生したところ、その透過率は
書込以前の状態にもどった。
【0088】同じ操作を150回繰り返しても劣化は殆
どみられなかった。
【0089】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の有機光記録
媒体及びこれを用いた光記録再生方法によれば、記録光
及び消去光と異なる波長の再生光を用いて情報の再生を
行なえるため、従来の記録光又は消去光と同じ波長の再
生光による再生法に比べ、記録情報の劣化が大幅に低減
され、記録された情報を長期間安定に保持することが可
能とされる。
【0090】従って、本発明によれば、記録、再生、消
去の繰り返しが可能となり、しかも、再生に当っては非
破壊読出が可能とされ、本発明の工業的有用性は極めて
大である。
【0091】請求項2,6によればより一層良好な非破
壊読出が可能となる。
【0092】特に、本発明のフォトクロミック化合物と
しては、請求項3、とりわけ請求項4のものが好まし
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォトクロミック化合物の動作原
理を示す図である。
【図2】従来のフォトクロミック化合物の動作原理を示
す図である。
フロントページの続き (72)発明者 三ッ橋 和夫 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、光照射によりその光学的性
    質が変化する有機光記録層を有する有機光記録媒体にお
    いて、該有機光記録層がフォトクロミック性を有し光反
    応する原子団Xと、該原子団Xに直接又は他の結合基を
    介して結合した原子団であって、前記原子団Xのフォト
    クロミック反応に関与せずかつフォトクロミック光異性
    化の影響により吸収波長又は吸収強度が変化する原子団
    Yとを備えるフォトクロミック化合物を含有することを
    特徴とする有機光記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の有機光記録媒体におい
    て、原子団Yによる吸収波長が原子団Xの光反応を起こ
    す波長よりも長波長側にあることを特徴とする有機光記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の有機光記録媒体
    において、フォトクロミック化合物は、開環体のヘキサ
    トリエン構造と閉環体のシクロヘキサジエン構造が可逆
    的に異性化可能なエチレン誘導体である有機光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 請求項3の有機光記録媒体において、フ
    ォトクロミック化合物が少くともエチレン基の1位の炭
    素又は2位の炭素に複素環が結合したエチレン誘導体で
    ある有機光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の有機光記録媒体に、前
    記原子団Xの光反応を生ぜしめる書込光を照射して情報
    を記録し、前記原子団Yの吸収波長又は吸収強度の変化
    を読取る波長域で読取光を照射して、情報の再生を行な
    うことを特徴とする有機光記録媒体の光記録再生方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の光記録再生方法において、読
    取光を照射して情報の再生を行なった後、原子団Xに前
    記光反応と逆方向の光反応を生ぜしめる波長域の消去光
    を照射して、情報の消去を行なうことを特徴とする有機
    光記録媒体の光記録再生方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011510958A (ja) * 2008-02-04 2011-04-07 セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク ビス(ヘテロアリール)マレイミド骨格を含む分子、及びdde/ddd酵素の阻害におけるそれらの使用

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