JPH0711156A - フタロシアニン誘導体及び該誘導体を含有する光学記録体 - Google Patents

フタロシアニン誘導体及び該誘導体を含有する光学記録体

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JPH0711156A
JPH0711156A JP6081742A JP8174294A JPH0711156A JP H0711156 A JPH0711156 A JP H0711156A JP 6081742 A JP6081742 A JP 6081742A JP 8174294 A JP8174294 A JP 8174294A JP H0711156 A JPH0711156 A JP H0711156A
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為一 落合
Yutaka Kurose
裕 黒瀬
Takumi Nagao
卓美 長尾
Satoru Imamura
悟 今村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式[I]で示されるフタロシアニン
誘導体、及び基板と光吸収物質として該フタロシアニン
誘導体を含有する記録層とからなる光学記録体。(式
中、X及びYの少なくとも1つは、−O(CH2CH2O)
n Z基(Z=テトラヒドロフルフリル基又はベンゼン環
に置換基を有していてもよいベンジル基、n=0〜6の
整数)を表わし、他の1つは水素原子を表わし、Aはハ
ロゲン原子又は酸素原子が結合していてもよい金属原子
を表わす。) 【化1】 【効果】 本発明のフタロシアニン誘導体は、耐光性、
耐熱性が良好であり、加熱による吸収波長の変化が生起
しにくく、かつプラスチック基板への塗布も容易であ
る。また、本発明の光学記録体は、耐光性、耐熱性に優
れ、記録再生特性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフタロシアニン
誘導体及び該誘導体を光吸収物質として記録層中に含有
する光学記録体に関するものである。レーザー、特に半
導体レーザーを用いる光学記録は、高密度の情報記録保
存及びその再生を可能とするため、近年、特に開発が望
まれている技術である。かかる光学記録の一例としては
光ディスクを挙げることができる。
【0002】一般に光ディスクは、円形の基体に設けら
れた薄い記録層に、1μm程度に集束したレーザー光を
照射し、高密度の情報記録を行うものである。最近光デ
ィスクの中でも注目を集めているものに書き込み型コン
パクトディスク(CD Write Once ディス
ク)がある。CD Write Once ディスクは
コンパクトディスクと同じ形状のディスクである。
【0003】ユーザーは、記録装置を使用して音楽や情
報を1回だけ記録することが可能であり、記録した音楽
や情報の再生は既存のCDプレーヤーやCD ROMド
ライブを用いて行うことが可能である。CD Writ
e Once ディスクは、通常、案内溝を有するプラ
スチック基板上に色素を主成分とする記録層、金属反射
膜、保護膜を順次積層することにより構成される。
【0004】情報の記録はレーザー光(通常780n
m)の照射により、その個所における記録層、反射層又
は基板の分解、蒸発、溶解等の熱的な変化により生成
し、そして記録された情報の再生は、レーザー光によ
り、変化がおきている部分と起きていない部分との反射
率の差を読み取ることにより行う。
【0005】したがって、記録体としては、記録に使用
するレーザー光に対する記録感度が高いこと、再生に使
用するレーザー光に対する反射率が記録部では低く、未
記録部では高いことが重要である。コンパクトディスク
プレーヤーで再生をおこなうためには、再生に使用する
レーザー光(通常780nm)に対する未記録部の反射
率は65%以上、記録部の反射率は45%以下とするこ
とが必要である。
【0006】
【従来の技術】このようなCD Write Once
ディスクの記録層に使用する色素としては、従来シア
ニン系色素を用いたものが提案されてきたが、シアニン
系の色素を使用したものは日光その他の光に弱いという
欠点を有していた。その他、有機色素を用いた光学記録
体としては、スクアリリウム系色素、ナフトキノン系色
素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素等
を用いたものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のような有機色素
のうち、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色
素は一般に耐候性が優れていて好ましいが、ベンゼン
環、ナフタレン環に置換基を有していないものは、溶媒
に対する溶解度が極めて低いため、塗布により記録層を
形成することができないという問題点を有している。
【0008】一方、特開平1−304991号におい
て、本発明者らはナフタロシアニン系の色素ではテトラ
ヒドロフルフリルオキシ基等をナフタレン環に導入する
ことを提案した。これらの化合物は溶媒に対する溶解度
が良好なため塗布により記録層を形成することが可能で
ある。しかしながらこれらのナフタロシアニン誘導体は
780nm付近の吸収が極めて大きいため、CD Wr
ite Once ディスクの記録層に用いた場合には
未記録部の反射率が低くなるという問題点を有してい
る。本発明は、上述のような従来の課題を解決し得る新
規なフタロシアニン誘導体及び該誘導体を使用した光学
記録媒体の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる目
的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、一般式[I]
【0010】
【化2】
【0011】(式中、X及びYの少なくとも1つは、−
O(CH2CH2O)n Z基(ここで、Zはテトラヒドロフ
ルフリル基又はベンゼン環に置換基を有していてもよい
ベンジル基を示し、nは0〜6の整数である)を表わ
し、他の1つは水素原子を表わし、Aはハロゲン原子又
は酸素原子が結合していてもよい金属原子を表わす)で
示されるフタロシアニン誘導体、並びに、基板と記録層
からなり、該記録層が光吸収物質として前示一般式
[I]で示されるフタロシアニン誘導体を含有すること
を特徴とする光学記録体を要旨とするものである。
【0012】かかる本発明の新規なフタロシアニン誘導
体は、いずれも600〜800nm付近の近赤外領域に
吸収を有し、耐光性、耐熱性が良好で、後記するように
光学記録体の光吸収物質として非常に有用である。なか
でも、前示一般式[I]において、X及びYのいずれか
1つが−O(CH2CH2O)n Z基を表わし、他の1つが
水素原子を表わし、Zがテトラヒドロフルフリル基を表
わし、nが0であり、かつAがVOを表わす場合のフタ
ロシアニン誘導体が望ましい。
【0013】また、本発明の光学記録体は、光吸収物質
として本発明のフタロシアニン誘導体を使用することに
よって、前記したような従来の光学記録体の有する課題
を解決してその機能を向上させたものである。これらの
本発明の光学記録体に用いる光吸収物質の前示一般式
[I]で示されるフタロシアニン誘導体は、下記一般式
[II]
【0014】
【化3】
【0015】(式中、Z及びnは前示一般式[I]にお
けると同一の意義を有する)で示されるフタル酸誘導体
と、金属酸化物もしくは金属のハロゲン化物とを、尿素
の存在下、キノリン又はクロロナフタレン溶媒中で、1
〜5時間程度、200℃〜250℃に加熱することによ
り合成することができる。金属酸化物もしくは金属のハ
ロゲン化物としては、IB族、IIA族、IIB族、IIIA
族、IVA族、VB族、VIB族、VIII族の各種のもの
を使用することができるが、バナジウム、ニッケル、コ
バルト及び銅の酸化物もしくはハロゲン化物が特に好ま
しい。さらに、ニッケル、コバルト又は銅のハロゲン化
物を用いる場合は、触媒として小量のモリブデン酸アン
モニウムを加えると収率が増大するので好ましい。ま
た、本発明の光学記録体に用いる光吸収物質の前示一般
式[I]で示されるフタロシアニン誘導体は、下記一般
式[III]
【0016】
【化4】
【0017】(式中、Z及びnは前示一般式[I]にお
けると同一の意義を有する)で示されるフタロジニトリ
ル酸誘導体と、金属、金属酸化物もしくは金属のハロゲ
ン化物とを、尿素の存在下、キノリン又はクロロナフタ
レン溶媒中で、1〜5時間程度、200℃〜250℃に
加熱することによっても合成することができる。使用す
る金属、金属酸化物もしくは金属のハロゲン化物として
はIB族、IIA族、IIB族、IIIA族、IVA族、VB
族、VIB族、VIII族の各種のものを使用することがで
きるが、合成のし易さ、得られた光学記録体の性能から
みて銅、マグネシウム、亜鉛、チタン、アルミニウム、
インジウム、錫、鉛、バナジウム、クロム、鉄、コバル
ト、ニッケル、ルテニウム、パラジウム及びこれらの酸
化物、ハロゲン化物が好ましく、バナジウム、錫、鉛の
酸化物、ハロゲン化物が特に好ましい。
【0018】本発明の光学記録体は、基本的には基板と
記録層とから構成されているが、さらに必要に応じて基
板上に下引き層を、また記録層上に反射層及び保護層を
設けることができる。本発明における基板としては、使
用するレーザー光に対して透明又は不透明のいずれであ
ってもよい。基板の材質としては、ガラス、プラスチッ
ク、紙、板状もしくは箔状の金属等の、一般にこの種の
記録体用の支持体が使用できるが、種々の点からしてプ
ラスチックが好ましい。プラスチックとしては、例え
ば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリサルホン樹脂等が挙げられる。
【0019】本発明の光学記録体における情報記録層で
ある光吸収色素を含有する記録層の厚さは、100Å〜
5μm,好ましくは500Å〜3μmである。本発明に
おいて、かかる記録層を基板面上に成膜する方法として
は、塗布による方法が好ましい。塗布による成膜方法と
しては、光吸収性物質として用いられる前示一般式
[I]で示される本発明のフタロシアニン誘導体を、溶
媒又は溶媒とバインダーの混合物中に溶解又は分散させ
たものを、スピンコートする方法等が挙げられ、かかる
場合のバインダーとしては、ポリイミド樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂等を
挙げることができる。
【0020】その際、樹脂に対する光吸収性物質の比率
は10重量%以上が望ましい。また、かかる場合の溶媒
としては、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケト
ン、メチルセルソルブ、エチルアルコール、テトラヒド
ロフラン、ジクロロメタン、クロロベンゼン等各種のも
のを用いることができる。なお、基板として、射出成型
により製造されたポリカーボネート樹脂基板やメタクリ
ル樹脂基板を用いる場合には、上記の溶媒としては、エ
チルセロソルブ、エチルアルコール、オクタフルオロペ
ンタノール等が好ましい。本発明の光学記録体の記録層
は基板の両面に設けてもよいし、片面だけに設けてもよ
い。
【0021】上記のようにして得られた光学記録体への
記録は、基板の両面又は片面に設けた記録層に1μm程
度に集束したレーザー光、好ましくは半導体レーザーの
光を照射することにより行う。レーザー光の照射された
部分には、レーザーエネルギーの吸収による、分解、蒸
発、溶融等の記録層の熱的変形が起こる。記録された情
報の再生は、レーザー光により、熱的変形が起きている
部分と起きていない部分の反射率の差を読み取る事によ
り行う。光源としては、He−Neレーザー、Arレー
ザー、半導体レーザー等の各種のレーザーを用いること
ができるが、価格、大きさの点で、半導体レーザーが特
に好ましい。半導体レーザーとしては、中心波長830
nm、中心波長780nm、そしてそれより短波長のレ
ーザーを使用することができる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により制限されるもの
ではない。なお、「%」は特に断らない限り「重量%」
である。
【0023】実施例1 3−テトラヒドロフルフリルオキシフタル酸無水物の
合成 3−ヒドロキシフタル酸(融点200〜204℃)10
0gをメチルアルコール2l中に分散させ、97%硫酸
5mlを加え、還流下24時間撹拌した。放冷後、氷水
5l中に加え、析出した結晶を瀘別、水洗、乾燥して、
下記構造式[IV]
【0024】
【化5】 で示される3−ヒドロキシフタル酸ジメチルの結晶85
gを得た。構造はマススペクトルにより確認した。3−
ヒドロキシフタル酸ジメチル15g、予めパラトルエン
スルホニルクロライドとテトラヒドロフルフリルアルコ
ールとから常法に従って合成したパラトルエンスルホン
酸テトラヒドロフルフリルエステル25.8g及び炭酸
カリウム7.5gをクロロベンゼン200ml中に加
え、還流下10時間撹拌した。次いで、放冷後、析出し
た結晶を瀘別し、瀘液から減圧留去によりクロロベンゼ
ンを除去し、淡かっ色のタール状物質13gを得た。
【0025】このタール状物質を5%水酸化ナトリウム
水溶液500ml中に分散させ、還流下8時間撹拌し
た。放冷後、氷冷しながら濃塩酸を滴下し、pH3とし
た後、析出物を瀘別、乾燥して淡黄色結晶9.5gを得
た。この結晶を氷酢酸から再結晶して、下記構造式
[V]
【0026】
【化6】 で示される3−テトラヒドロフルフリルオキシフタル酸
無水物を得た。構造はマススペクトルにより確認した。
【0027】フタロシアニン誘導体の合成 上記のようにして得られた3−テトラヒドロフルフリル
オキシフタル酸無水物6.2gと尿素12.5gを乳鉢
で粉砕、混合した後、150℃〜180℃で30分間撹
拌しながら反応させた。次いで約100℃まで冷却後、
三塩化バナジウム2.0g及びキノリン10mlを加え
て加熱し、200℃〜220℃で2時間撹拌した。さら
に、室温まで放冷後、メチルアルコール200mlを加
え還流下1時間撹拌した。
【0028】このものを熱瀘過して得られた結晶を、1
%水酸化ナトリウム水溶液200mlとエチルアルコー
ル200mlの混合液中に加え、還流下2時間撹拌し
た。このものを熱瀘過し、エチルアルコールで洗浄、乾
燥し、濃緑色の結晶5.3gを得た。この結晶をクロロ
ホルム30mlに分散させ、不溶解物を瀘別した後、減
圧下瀘液からクロロホルムを留去した。得られた緑色の
物質にメチルアルコールを加え得られた結晶を瀘過する
ことにより、緑色物質0.93gを得た。得られた物質
(結晶)は異性体を含むと考えられるが、その代表的な
構造は下記式[VI]
【0029】
【化7】
【0030】で示される。この物質のクロロホルム溶液
中でのλmax は700nmであり、分子吸光係数は1
3.8×104であった。
【0031】実施例2〜5 下記一般式[VII]
【0032】
【化8】
【0033】(式中、Rは下記表−1に示す)で代表さ
れる本発明のフタロシアニン誘導体の4例を、実施例1
に準じて合成した。実施例2〜5で得られた各物質(結
晶)のクロロホルム溶液中でのλmax 、分子吸光係数
を、前記実施例1の測定結果とともに下記表−1にまと
めて示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例6 下記式[VIII]
【0036】
【化9】
【0037】で示される3−(ベンジルオキシ−エトキ
シ−エトキシ−エトキシ)フタル酸無水物を、実施例1
のに準じて合成した。得られた該ジカルボン酸無水物
5.0gと尿素15gとを乳鉢で粉砕、混合し、150
℃〜180℃で2時間反応させた。これを約100℃ま
で冷却後、塩化コバルト6水和物2g及びキノリン10
mlを加え、200℃〜220℃で2時間撹拌し、次い
で室温まで冷却後、メチルアルコール200mlを加
え、還流下3時間撹拌した。
【0038】このものを熱瀘過し、得られた瀘液を1%
塩酸500ml中に加えた。0℃〜5℃で1時間撹拌し
た。析出したハルツ状の物質をクロロホルム50mlで
抽出し、水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した後、シリカ
ゲルカラム(ワコーゲルC−300)により精製し、融
点50℃以下の緑色物質0.5gを得た。
【0039】得られた物質(結晶)は異性体を含むと考
えられるが、その代表的な構造は下記式[IX]
【0040】
【化10】
【0041】で示すことができる。また、本物質のクロ
ロホルム溶液中でのλmaxは645nm,分子吸光係
数は14.3×104でった。
【0042】実施例7〜9 実施例6に準じて、実施例7では3−(ベンジルオキシ
−エトキシ−エトキシ−エトキシ)フタル酸無水物を塩
化ニッケルと、実施例8では該無水物を塩化第二銅と、
実施例9では3−(テトラヒドロフルフリルオキシ−エ
トキシ−エトキシ−エトキシ)フタル酸無水物を塩化コ
バルトとそれぞれさせることにより、本発明のフタロシ
アニン誘導体の合成を行った。
【0043】その結果、得られた各物質(結晶)はいず
れも異性体を含むと考えられるが、その代表的な構造と
しては、実施例7の物質は下記式[X]、実施例8の物
質は下記式[XI]、実施例9の物質は下記式[XII]
のそれぞれで示すことができる。
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】また、かかる実施例7〜9で得られた各物
質のクロロホルム溶液中でのλmax、分子吸光係数の測
定結果を前記実施例6の測定結果とともに下記表−2に
まとめて示す。
【0048】
【表2】
【0049】実施例10 1,4−ビステトラヒドロフルフリルオキシフタロジ
ニトリルの合成 2,3−ジシアノハイドロキノン16g、予めパラトル
エンスルホニルクロライドとテトラヒドロフルフリルア
ルコールとから常法に従って合成したパラトルエンスル
ホン酸テトラヒドロフルフリルエステル52.0g及び
炭酸カリウム15.0gをクロロベンゼン300ml中
に加え、還流下10時間撹拌した。次いで、放冷後、濾
過し、瀘液から減圧留去によりクロロベンゼンを除去
し、褐色の結晶10gを得た。得られた結晶をn−ブチ
ルアルコールから再結晶することにより下記構造式[X
III]
【0050】
【化14】 で示される1,4−ビステトラヒドロフルフリルオキシ
フタロジニトリルを得た。構造はマススペクトルにより
確認した。 フタロシアニン誘導体の合成 上記のようにして得られた1,4−ビステトラヒドロフ
ルフリルオキシフタロジニトリル2.0gと三塩化バナ
ジウム0.5gとをクロロナフタレン5mlに分散させ
200℃〜220℃で5時間反応させた。放冷後、メチ
ルアルコール100mlを加え、還流下2時間撹拌し
た。
【0051】このものを熱瀘過して得られた結晶を、1
%水酸化ナトリウム水溶液100mlとエチルアルコー
ル200mlの混合液中に加え、還流下2時間撹拌し
た。このものを熱瀘過し、エチルアルコールで洗浄、乾
燥し、濃緑色の結晶0.8gを得た。この結晶をクロロ
ホルム30mlに分散させ、不溶解物を瀘別した後、減
圧下瀘液からクロロホルムを留去した。得られた緑色の
物質にメチルアルコールを加え得られた結晶を瀘過する
ことにより、下記構造式[XIV]で示される緑色物質
0.3gを得た。この物質のクロロホルム溶液中でのλ
max は795nmであり、分子吸光係数は18.5×1
4であった。
【0052】
【化15】
【0053】実施例11〜25 下記一般式[XV](式中のA及びRは下記表−3に示
す)で示される本発明のフタロシアニン誘導体15例を
実施例10に準じて合成した。得られた各物質のクロロ
ホルム溶液中でのλmax 、分子吸光係数を前記実施例1
0の結果とともに下記表−3にまとめて示す。
【0054】
【化16】
【0055】
【表3】
【表4】
【0056】実施例26 実施例1に基づいて合成された構造式[VI]で示され
る本発明のフタロシアニン誘導体の1.7%オクタフル
オロペンタノール溶液を調製し、スピンコーティング法
(回転数500rpm)により、直径120mm、板厚
1.2mmのポリカーボネート基板上に塗布した。この
色素薄膜の上に金を蒸着して反射層を形成し、さらに、
その上に紫外線硬化樹脂による保護層を設けて光学記録
体を作成した。得られた光学記録体の未記録部の775
nmでの反射率は71%であった。
【0057】作製した光学記録体を線速度1.2m/s
で回転させながら、中心波長775nmの半導体レーザ
ー光を出力10mWで照射し、EFM信号を記録した。
次に、この記録部を中心波長780nmの半導体レーザ
ーを有するCDプレーヤーで再生したところ、良好な再
生信号を得た。また、耐光性(キセノンフェードメータ
ー加速テスト;60時間)及び保存安定性(70℃、8
5%RH;100時間)試験を行った結果、初期と比べ
て感度及び再生信号の劣化はみられず、光学記録体とし
て極めて優れたものであった。
【0058】実施例27 実施例10に基づいて合成された構造式[XIV]で示さ
れる本発明のフタロシアニン誘導体の2.8%オクタフ
ルオロペンタノール溶液を調製し、スピンコーティング
法(回転数500rpm)により、直径120mm、板
厚1.2mmのポリカーボネート基板上に塗布した。こ
の色素薄膜の上に金を蒸着して反射層を形成し、さら
に、その上に紫外線硬化樹脂による保護層を設けて光学
記録体を作成した。得られた光学記録体の未記録部の8
30nmでの反射率は22%であった。
【0059】作製した光学記録体を線速度4m/sで回
転させながら、中心波長830nmの半導体レーザー光
を1μmのスポットで出力10mWで照射したところ極
めて輪郭の明瞭なピット(孔)が形成された。次にこの
光学記録体を線速度4m/sで回転させながら、記録部
に中心波長830nmの半導体レーザー光を照射したと
ころ、良好な再生信号を得た。また、耐光性(キセノン
フェードメーター加速テスト;60時間)及び保存安定
性(70℃、85%RH;100時間)試験を行った結
果、初期と比べて感度及び再生信号の劣化はみられず、
光学記録体として極めて優れたものであった。
【0060】比較例1 特開平1−304991号に従って合成した下記構造式
[XVI]に示される化合物を使用して、実施例26とほ
ぼ同様の条件で光学記録体を作製した。得られた光学記
録体の未記録部の775nmでの反射率は13%であ
り、CD Write Once ディスクとしては不
適当であった。
【0061】
【化17】 比較例2 特願平3−224407号に従って合成した下記構造式
[XVII]に示される化合物を使用して、実施例26と
ほぼ同様の条件で光学記録体を作製した。得られた光学
記録体の未記録部の775nmでの反射率は64%であ
り、光学記録体としての性能は、反射率が低い点で実施
例26の本発明の光学記録体と比べて劣るものであっ
た。
【0062】
【化18】
【0063】
【発明の効果】本発明の新規なフタロシアニン誘導体は
600〜800nm付近の可視〜近赤外領域に吸収を有
し、耐光性、耐熱性が良好で、しかも加熱による吸収波
長の変化が生起しにくく、かつ光学記録体のプラスチッ
ク基板への塗布も容易である、という工業的価値ある顕
著な効果を奏するものである。また、本発明の光学記録
体は、記録層の光吸収物質としてかかる新規な本発明の
フタロシアニン誘導体を含有しているので、耐光性、耐
熱性に優れ、記録再生特性も良好であるという顕著な効
果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 悟 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株 式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[I] 【化1】 (式中、X及びYの少なくとも1つは、−O(CH2CH
    2O)n Z基(ここで、Zはテトラヒドロフルフリル基又
    はベンゼン環に置換基を有していてもよいベンジル基を
    示し、nは0〜6の整数である)を表わし、他の1つは
    水素原子を表わし、Aはハロゲン原子又は酸素原子が結
    合していてもよい金属原子を表わす)で示されるフタロ
    シアニン誘導体。
  2. 【請求項2】 基板と記録層からなり、該記録層が光
    吸収物質として請求項1のフタロシアニン誘導体を含有
    することを特徴とする光学記録体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016204536A (ja) * 2015-04-23 2016-12-08 山本化成株式会社 フタロシアニン化合物、これを含有する近赤外線カットフィルタ

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