JPH06194625A - 強誘電性液晶表示素子の駆動方法 - Google Patents

強誘電性液晶表示素子の駆動方法

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JPH06194625A
JPH06194625A JP4343711A JP34371192A JPH06194625A JP H06194625 A JPH06194625 A JP H06194625A JP 4343711 A JP4343711 A JP 4343711A JP 34371192 A JP34371192 A JP 34371192A JP H06194625 A JPH06194625 A JP H06194625A
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liquid crystal
voltage
alignment
alignment state
transmittance
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JP4343711A
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English (en)
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Tomio Tanaka
富雄 田中
Katsuto Sakamoto
克仁 坂本
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】基板間隔より小さい螺旋ピッチの非メモリ性強
誘電性液晶(DHF液晶)を用いたアクティブマトリッ
クス方式の強誘電性液晶表示素子に、明確な階調表示を
行なわせる。 【構成】選択期間TS ごとに、液晶を第1の配向状態に
配向させる第1リセット電圧VR と第2の配向状態に配
向させる第1リセット電圧−VR とを同回数ずつ交互に
同じ順序で印加し、その後書込み電圧VD を印加する
共に、前記第1,第2リセット電圧を印加する前に、書
込み電圧VD と逆極性でかつ絶対値が等しい補償電圧−
VD を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強誘電性液晶表示素子の
駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶を用いる強誘電性液晶表示
素子は、ネマティック液晶を用いるTNモードの液晶表
示素子と比較して、高速応答、広視野角が得られるなど
の点で注目されている。
【0003】この強誘電性液晶表示素子の実用化に関す
る研究は、従来、SS−F液晶と呼ばれる、カイラルス
メクティックC相の螺旋ピッチが表示素子の基板間隔
(セルギャップ)より大きくかつ配向状態のメモリ性
(双安定性)を有する強誘電性液晶を対象として行なわ
れていた。
【0004】上記SS−F液晶を用いる強誘電性液晶表
示素子は、SS−F液晶をその螺旋構造を消失させた状
態で基板間に封入したもので、印加電圧に対する液晶の
自発分極により、一方の極性の電圧を印加したときの第
1の配向状態と他方の極性の電圧を印加したときの第2
の配向状態との2つの配向状態を得、この液晶の配向状
態と、素子の入射側と出射側とに配置した一対の偏光板
とにより光の透過率を制御して表示する。
【0005】しかし、上記SS−F液晶を用いる強誘電
性液晶表示素子は、液晶の配向状態が第1の配向状態と
第2の配向状態との2つの状態だけであり、電圧無印加
状態でもいずれかの配向状態が保持されるため、透過率
を変化させて階調のある表示を行なわせることは難しい
とされている。
【0006】そこで最近では、階調表示の可能な強誘電
性液晶表示素子の開発が研究されており、その一手段と
して、カイラルスメクティックC相の螺旋ピッチが表示
素子の基板間隔より小さくかつ配向状態のメモリ性を有
さない強誘電性液晶を用いることが提案されている。な
お、この強誘電性液晶は、上記SS−F液晶と区別し
て、DHF液晶と呼ばれている。
【0007】このDHF液晶を用いる強誘電性液晶表示
素子では、前記DHF液晶が螺旋構造をもった状態で基
板間に封入されており、このDHF液晶は、液晶層をは
さんで対向する電極間にしきい値以上の電圧を印加した
ときに印加電圧の極性に応じて第1の配向状態と第2の
配向状態とのいずれかの状態に配向し、またしきい値よ
り低い電圧を印加したときは前記第1と第2の両方の配
向状態が混在した状態に配向する。
【0008】そして、DHF液晶は、上記SS−F液晶
のような配向状態のメモリ性はもっていないが、表示素
子をTFTまたはMIM等の非線形素子をアクティブ素
子とするアクティブマトリックス方式とし、非選択期間
中も上記第1と第2の配向状態およびその両方の状態が
混在した配向状態を維持する電圧を保持しておくように
すれば、階調表示が可能であるといわれている。
【0009】この強誘電性液晶表示素子に階調表示を行
なわせる駆動方法としては、従来、選択期間ごとに、液
晶を第1の配向状態と第2の配向状態とのいずれかに配
向させる電圧を印加し、その後に書込み電圧を印加する
方法が考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の駆動方法では、書込み電圧の値と透過率とが対応せ
ず、したがって階調の制御がほとんど不可能で、実用レ
ベルでの階調表示を実現することはできなかった。
【0011】本発明は、基板間隔より小さい螺旋ピッチ
をもち、しきい値以上の電圧を印加したときに印加電圧
の極性に応じて第1の配向状態と第2の配向状態とのい
ずれかの状態に配向する非メモリ性強誘電性液晶(DH
F液晶)を用いたアクティブマトリックス方式の強誘電
性液晶表示素子に、明確な階調表示を行なわせることが
できる駆動方法を提供することを目的としたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の駆動方法は、選
択期間ごとに、液晶を第1の配向状態に配向させる電圧
と第2の配向状態に配向させる電圧とを同回数ずつ交互
に同じ順序で印加し、その後書込み電圧を印加すること
を特徴とするものである。
【0013】
【作用】この駆動方法では、選択期間ごとに、液晶を第
1の配向状態に配向させる電圧と第2の配向状態に配向
させる電圧とを同じ順序で印加しているため、書込み電
圧を印加する直前の液晶の配向状態はどの選択期間にお
いても同じであり、したがって書込み電圧の値と透過率
とが対応するから、書込み電圧により透過率を制御し
て、実用レベルでの明確な階調表示を実現することがで
きる。
【0014】また、この駆動方法では、選択期間ごと
に、液晶を第1の配向状態に配向させる電圧と第2の配
向状態に配向させる電圧とを同回数ずつ交互に印加して
いるため、対向する電極間の電荷の片寄りがなく、した
がって表示の焼き付き現象や液晶の劣化を生じることも
ない。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0016】まず、本発明の駆動方法によって表示駆動
される強誘電性液晶表示素子の構成を説明する。図3は
強誘電性液晶表示素子の断面図、図4は前記液晶表示素
子の画素電極とアクティブ素子を形成した基板の等価回
路的平面図である。
【0017】この強誘電性液晶表示素子は、アクティブ
マトリックス方式のものであり、その一対の透明基板
(例えばガラス基板)1,2のうち、図3において下側
の基板(以下、下基板という)1には、透明な画素電極
3とこの画素電極3に接続されたアクティブ素子4とが
縦横に配列形成されている。
【0018】なお、上記アクティブ素子4は、例えばT
FT(薄膜トランジスタ)であり、このTFT4は、そ
の構造は図示しないが、基板1上に形成されたゲート電
極と、このゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、このゲー
ト絶縁膜の上に形成された半導体層と、この半導体層の
上に形成されたソース電極およびドレイン電極とからな
っている。
【0019】また、上記下基板1には、図4に示すよう
に、各画素電極3の行間に対応させてゲートライン5が
配線されるとともに、各画素電極3の列間に対応させて
データライン6が配線されており、前記TFT4のゲー
ト電極はゲートライン5につながり、ドレイン電極はデ
ータライン6につながっている。図4において、5aは
ゲートライン5の端子部、6aはデータライン6の端子
部である。
【0020】なお、上記ゲートライン5は、その端子部
5aを除いてTFT4のゲート絶縁膜(透明膜)で覆わ
れており、データライン6は前記ゲート絶縁膜の上に形
成されている。また、画素電極3は前記ゲート絶縁膜の
上に形成されており、その一端部においてTFT4のソ
ース電極に接続されている。
【0021】一方、図3において上側の基板(以下、上
基板という)2には、上記下基板1の各画素電極3と対
向する透明な対向電極7が形成されている。この対向電
極7は、表示領域全体にわたる面積の1枚電極とされて
いる。
【0022】また、上記下基板1と上基板2の電極形成
面の上にはそれぞれ配向膜8,9が設けられている。こ
れら配向膜8,9はいずれも、ポリイミド等の有機高分
子化合物からなる水平配向膜であり、その膜面にはラビ
ングによる配向処理が施されている。
【0023】そして、上記下基板1と上基板2とは、そ
の外周縁部において枠状のシール材10を介して接着さ
れており、この両基板1,2間のシール材10で囲まれ
た領域には、カイラルスメクティックC相の螺旋ピッチ
が両基板1,2の間隔より小さく、かつ配向状態のメモ
リ性を有さない強誘電性液晶(以下、DHF液晶とい
う)11が封入されている。なお、図3において、12
は両基板1,2の間隔を規制する透明なギャップ材であ
り、このギャップ材12は液晶封入領域内に点在状態で
配置されている。
【0024】上記DHF液晶11は、その螺旋ピッチが
基板間隔より小さいため、螺旋構造をもった状態で基板
1,2間に封入されており、液晶層をはさんで対向する
画素電極3と対向電極7との間にしきい値以上の電圧を
印加したときに印加電圧の極性に応じて第1の配向状態
と第2の配向状態とのいずれかの状態に配向し、またし
きい値より低い電圧を印加したときは前記第1と第2の
両方の配向状態が混在した状態に配向する。
【0025】さらに、液晶表示素子の下面側と上面側に
は一対の偏光板13,14が配置されており、この偏光
板13,14の透過軸の方向は、電極3,7間にしきい
値以上の電圧を印加したときのDHF液晶11の2つの
配向状態に応じて設定されている。
【0026】すなわち、図5は、しきい値以上の電圧を
印加したときのDHF液晶11の2つの配向状態と、上
記一対の偏光板13,14の透過軸の方向とを示してお
り、(a)は図3において上側の偏光板(以下、上偏光
板という)14の透過軸14aを示し、(b)はDHF
液晶11の2つの配向状態11a,11bを示し、
(c)は図3において下側の偏光板(以下、下偏光板と
いう)13の透過軸13aを示している。
【0027】この図5に示すように、上記DHF液晶1
1は、一方の極性でかつ液晶11のしきい値電圧以上の
電圧を印加したときに実線で示す第1の配向状態11a
に配向し、他方の極性でかつ液晶11のしきい値電圧以
上の電圧を印加したときに破線で示す第2の配向状態1
1bに配向する。なお、この第1の配向状態11aと第
2の配向状態11bとのずれ角θは、DHF液晶11の
種類や配向膜8,9の表面エネルギー等によって異なる
が、このずれ角θは約45°に選ぶのが望ましい。
【0028】そして、上記一対の偏光板13,14のう
ち、一方の偏光板、例えば上偏光板14の透過軸14a
は、上記DHF液晶11の2つの配向状態11a,11
bのうちの一方、例えば第2の配向状態11bとほぼ平
行になっており、他方の下偏光板13の透過軸13a
は、前記上偏光板14の透過軸14aとほぼ直交してい
る。
【0029】この図5のように偏光板13,14の透過
軸方向を設定した強誘電性液晶表示素子は、液晶11を
第1の配向状態11aに配向させたときに透過率が最も
高く(表示が最も明るく)なり、液晶11を第2の配向
状態11bに配向させたときに透過率が最も低く(表示
が最も暗く)なる。
【0030】すなわち、液晶11が第1の配向状態11
aに配向した状態では、一方の偏光板を通った直線偏光
が液晶11による偏光作用を受けて非直線偏光になり、
そのうちのある偏光成分の光が他方の偏光板を透過して
出射する。また、液晶11が第2の配向状態11bに配
向した状態では、一方の偏光板を通った直線偏光が液晶
11による偏光作用をほとんど受けずに直線偏光のまま
液晶層を透過し、その光のほとんどが他方の偏光板で吸
収される。
【0031】また、上記DHF液晶11は、上記2つの
配向状態11a,11bだけでなく、印加電圧の極性と
電圧値(絶対値)に応じて前記2つの配向状態11a,
11bが混在した状態にも配向する。
【0032】図6は上記強誘電性液晶表示素子の一般的
な電圧−透過率特性(印加電圧に対する光透過率の変化
特性)を示しており、この強誘電性液晶表示素子の光透
過率は、印加電圧に応じて図のように変化する。
【0033】そして、この強誘電性液晶表示素子は、ア
クティブマトリックス方式のものであるため、非選択期
間中も上記第1と第2の配向状態11,11bおよびそ
の両方の状態が混在した配向状態を維持する電圧を保持
しておくことができる。このため、DHF液晶を用いる
強誘電性液晶表示素子は、透過率を変化させて階調のあ
る表示を行なわせることが可能であるといわれている。
【0034】しかし、発明者が上記強誘電性液晶表示素
子の駆動試験を行なったところ、従来考えられている駆
動方法では、階調の制御がほとんど不可能であった。な
お、従来の駆動方法は、[従来の技術]の項で述べたよ
うに、選択期間ごとに、液晶を第1の配向状態と第2の
配向状態とのいずれかに配向させる電圧を印加し、その
後に書込み電圧を印加する方法であるが、発明者が行な
った駆動試験では、液晶11を第1または第2の配向状
態に配向させる電圧と、それより絶対値が小さい書込み
電圧とを交互に印加して、透過率の変化を調べた。
【0035】図7は、上記駆動試験において液晶表示素
子のゲートライン5とデータライン6に印加したゲート
信号とデータ信号の波形図であり、データ信号は、液晶
11を第1の配向状態11aに配向させる電圧値のリセ
ットパルスP1 と、任意の電圧値の書込みパルスP2
と、液晶11を第2の配向状態11bに配向させる電圧
値のリセットパルスP3 と、前記書込みパルスP2 とは
異なる任意の電圧値の書込みパルスP4 とが交互に繰返
す波形の信号である。なおこの駆動試験では、データ信
号の基準電圧(対向電極7に印加する電圧と同じ電圧)
を0Vとした。
【0036】上記リセットパルスP1 ,P3 は、液晶表
示素子特有の履歴効果、すなわち、書込みパルスを印加
したときの液晶の配向状態の変化に対する、その前に印
加した書込みパルスによる液晶の配向状態(以下、前状
態という)の影響をリセットするためのパルスであり、
このリセットパルスP1 ,P3 を印加すると、次に書込
みパルスを印加するときの前状態が決まる。
【0037】また、上記リセットパルスP1 ,P3 をい
ずれも同じ極性のパルスとすると、液晶11に許容値以
上の直流成分がかかって電荷の片寄りが生じ、表示の焼
き付き現象や液晶の劣化を生ずるため、P1 のリセット
パルスとP3 のリセットパルスとは逆極性のパルスとし
た。これは従来の駆動方法でも同様であり、従来も、液
晶を第1または第2の配向状態に配向させる電圧の極性
を、選択期間ごとに交互に逆にしている。
【0038】図8および図9は、上記のような波形のゲ
ート信号とデータ信号とを用いて上記強誘電性液晶表示
素子を駆動し、上記各パルスP1 ,P2 ,P3 ,P4 を
印加した後の液晶11の自発分極の平均的な電荷量(液
晶11の平均的な配向状態に相当する)と透過率とを調
べた結果を示しており、図8はP2 の書込みパルスとP
4 の書込みパルスの電圧値をそれぞれ0Vとしたときの
自発分極の平均的な電荷量(以下、平均電荷量という)
と透過率、図9はP2 の書込みパルスの電圧値を3.3
V、P4 の書込みパルスの電圧値を−3.3Vとしたと
きの自発分極の平均的電荷量と透過率を示している。な
お、いずれの場合も、リセットパルスP1 ,P3 の電圧
値は、P1 =7.5V、P3 =−7.5Vとした。
【0039】この図8および図9から分かるように、上
記駆動試験では、書込みパルスP2,P4 の電圧値と透
過率とが対応せず、したがって階調の制御がほとんど不
可能であった。
【0040】すなわち、書込みパルスP2 ,P4 として
同じ電位のパルスを印加したときの透過率が同じであれ
ば、再現性のある階調表示が可能であるが、上記駆動試
験では、図8のように、書込みパルスP2 ,P4 の電位
が同じ(ここではP2 =P4=0V)でも透過率は全く
異なり、階調の再現性が全くなかった。
【0041】また、上記駆動試験では、図9に示すよう
に、書込みパルスP2 ,P4 として異なる電圧値(ここ
ではP2 =3.3V、P4 =−3.3V)のパルスを印
加しても、明確な透過率差は得られなかった。
【0042】これは、DHF液晶を用いる強誘電性液晶
表示素子の電圧−透過率特性に図6に示したようなヒス
テリシスがあるためである。すなわち、P2 の書込みパ
ルスの印加時における前状態は第1の配向状態(実際に
は、画素電極3と対向電極7とその間の液晶11とで形
成される容量の保持電圧に対応した、第1の配向状態に
近い配向状態)であり、P4 の書込みパルスの印加時に
おける前状態は第2の配向状態(第2の配向状態に近い
配向状態)であるため、この前状態の違いにより、書込
みパルスP2 ,P4 の電圧値と液晶11の配向状態、つ
まり透過率とが対応しなくなる。
【0043】そこで、本発明では、書込み電圧の値に対
応した透過率が得られるようにするため、選択期間ごと
に、液晶を第1の配向状態に配向させる電圧と第2の配
向状態に配向させる電圧とを同回数ずつ交互に同じ順序
で印加し、その後書込み電圧を印加する駆動方法を採用
した。
【0044】この駆動方法の一実施例を説明すると、図
1は、上記強誘電性液晶表示素子の第1行のTFT4に
つながるゲートライン5とデータライン6に印加するゲ
ート信号とデータ信号の波形と、液晶11の自発分極の
平均電荷量と、透過率とを示している。
【0045】図1において、TF は1フレーム期間、T
S は上記第1行のTFT4の選択期間、TO は非選択期
間であり、この実施例では、各選択期間TS をそれぞれ
4つのスロットt1 ,t2 ,t3 ,t4 に等分し、その
最終スロットt4 を書込みパルスP14の印加期間とし、
最初のスロットt1 を前記書込みパルスP14に対する補
償パルスP11の印加期間とした。
【0046】また、他のスロットt2 ,t3 はそれぞ
れ、液晶11を第1の配向状態11aに配向させるため
のリセットパルス(以下、第1リセットパルスという)
P12と、液晶11を第2の配向状態11bに配向させる
ためのリセットパルス(以下、第2リセットパルスとい
う)P13の印加期間とした。なお、上記各パルスP11,
P12,P13,P14の印加期間(1スロット時間)はいず
れも約45μ秒である。
【0047】上記補償パルスP11は、書込みパルスP14
の印加により液晶11に直流成分の電圧が片寄ってかか
るのを補償するための逆極性のパルスであり、この補償
パルスP11の電圧−VD の絶対値は、書込みパルスP14
の電圧VD と同じである。なお、書込みパルスP14の電
圧VD は書込みデータに応じて種々の値に制御され、こ
れに対応して補償パルスP11の電圧−VD も制御され
る。
【0048】上記第2リセットパルスP13は、液晶表示
素子の履歴効果をリセットするためのパルスであり、こ
のリセットパルスP13の電圧値VR は、液晶11のしき
い値電圧より十分大きい値である。また、上記第1リセ
ットパルスP12は、第2リセットパルスP13の印加によ
り液晶11に直流成分の電圧が片寄ってかかるのを補償
するための逆極性のパルスであり、この第1リセットパ
ルスP12の電圧−VRの絶対値は第2リセットパルスP1
3の電圧VR と同じである。
【0049】なお、これら各パルスP11,P12,P13,
P14の極性および電圧値は、いずれも、データ信号の基
準電圧V0 に対する極性と電圧である。この基準電圧V
0 は、対向電極7に印加する電圧と同じである。
【0050】そして、この駆動方法では、書込み電圧V
D の最小値をV0 とし、最大値Vmax を上記第2リセッ
トパルスP13のリセット電圧VR より若干低い値とし
て、このV0 〜Vmax の範囲で書込み電圧VD を制御す
る。
【0051】上記のような波形のゲート信号とデータ信
号とを用いて上記強誘電性液晶表示素子を駆動すると、
選択期間TS ごとに、上記補償パルスP11の電圧(以
下、書込み補償電圧という)−VD と、液晶11を第1
の配向状態11aに配向させる第1リセットパルスP12
の電圧(以下、第1リセット電圧という)VR と、液晶
11を第2の配向状態に配向させる第2リセットパルス
P13の電圧(以下、第2リセット電圧という)−VR
と、書込みパルスP14の電圧(以下、書込み電圧とい
う)VD とが順次TFT4を介して画素電極3に印加さ
れ、これにともなって、液晶11の自発分極の平均電荷
量と透過率とが、それぞれ図1に示したように変化す
る。
【0052】また、選択期間TS が経過して非選択期間
TO になると、TFT4がOFF状態になり、選択期間
TS の最終スロットt4 に印加された書込み電圧VD に
応じた電圧が画素電極3と対向電極7とその間の液晶1
1とで形成される容量に保持され、非選択期間TO 中、
液晶11の自発分極の平均電荷量と透過率とが、前記容
量の保持電圧に対応する値、つまり、選択期間TS に印
加された書込み電圧VD に応じた値に保たれる。
【0053】そして、この駆動方法では、選択期間TS
ごとに、液晶11を第1の配向状態11aに配向させる
第1リセット電圧VR と、液晶11を第2の配向状態1
1bに配向させる第2リセット電圧−VR とを同じ順序
で印加しているため、書込み電圧VD を印加する直前の
液晶11の配向状態はどの選択期間TS においても同じ
(この実施例では第2の配向状態11b)であり、した
がって書込み電圧VDの値と透過率とが対応するから、
書込み電圧VD により透過率を制御して、実用レベルで
の明確な階調表示を実現することができる。
【0054】すなわち、図1に示すように、例えば液晶
11がある配向状態(前に印加された書込み電圧に応じ
た配向状態)にあるとし、次の選択期間TS に印加する
書込み電圧VD がリセット電圧VR の1/2の電圧であ
るとすると、この書込み電圧VD (VD =VR /2)を
印加した後の非選択期間TO における液晶11の自発分
極の平均電荷量がほぼ0になる。このときの液晶11の
配向状態は、第1の配向状態11aと第2の配向状態1
1bとがほぼ同じ割合で混在している状態であり、した
がって、透過率は、液晶11が第1の配向状態11aに
配向したときの最も高い透過率と液晶11が第2の配向
状態11bに配向したときの最も低い透過率とのほぼ中
間の値になる。
【0055】また、図1に示すように、上記選択期間T
S の次の選択期間TS に印加する書込み電圧VD がリセ
ット電圧VR の1/4の電圧であるとすると、この書込
み電圧VD (VD =VR /4)を印加した後の非選択期
間TO における液晶11の自発分極の平均電荷量が、上
記ほぼ0の電荷量よりも負の電荷成分が多くなった値に
なる。このときの液晶11の配向状態は、第1の配向状
態11aと第2の配向状態11bとが、第2の配向状態
11bの方が多い割合で混在している状態であり、した
がって、透過率は、液晶11が第2の配向状態11bに
配向したときの最も低い透過率と上記中間の透過率との
間の値になる。
【0056】これは、他の電圧の書込み電圧VD を印加
したときも同様であり、例えば書込み電圧VD として最
小値の電圧V0 を印加したときは、図1に二点鎖線で示
したように、液晶11の自発分極の平均電荷量が、その
制御範囲のうちの最も負の電荷成分が最も多くなった
値、つまり、液晶11が第2の配向状態11bに配向し
たときの電荷量に近い値になり、透過率が、その制御範
囲のうちの最も低い値になる。
【0057】また、書込み電圧VD として最大値の電圧
Vmax を印加したときは、図1に三点鎖線で示したよう
に、液晶11の自発分極の平均電荷量が、その制御範囲
のうちの最も正の電荷成分が最も多くなった値、つま
り、液晶11が第1の配向状態11aに配向したときの
電荷量に近い値になり、透過率が、その制御範囲のうち
の最も高い値になる。
【0058】このように、上記駆動方法によれば、書込
み電圧VD の値に対応した透過率が得られるから、書込
み電圧VD により透過率を制御して、実用レベルでの明
確な階調表示を実現することができる。
【0059】これは、書込み電圧VD を印加する直前の
液晶11の配向状態が、どの選択期間TS においても同
じ(この実施例では第2の配向状態11b)であるため
であり、書込み電圧VD を印加する前の液晶11の配向
状態が常に同じであれば、DHF液晶を用いる強誘電性
液晶表示素子がもっている電圧−透過率特性のヒステリ
シスが動作上で現われなくなるため、書込み電圧VD の
値に対応した透過率が得られる。
【0060】すなわち、図2は、上記強誘電性液晶表示
素子を上記実施例の駆動方法で駆動したときの電圧−透
過率特性図であり、この図のように、強誘電性液晶表示
素子の電圧−透過率特性は、ヒステリシスのない特性と
なっている。
【0061】なお、図2に示した電圧−透過率特性は、
データ信号の基準電圧VO を8V(対向電極7に印加す
る電圧も同じ)としたときの特性であり、この場合は、
第1のリセット電圧VR を10V以上(望ましくは11
V以上)、第2のリセット電圧−VR を6V以下(望ま
しくは5V以下)とし、書込み電圧VD を約6.5V〜
約10.5Vの範囲で制御すればよい。
【0062】また、上記駆動方法では、選択期間TS ご
とに、液晶11を第1の配向状態11aに配向させる第
1リセット電圧VR と液晶11を第2の配向状態11b
に配向させる第2リセット電圧−VR とを同回数ずつ
(上記実施例では1回ずつ)交互に印加しているため、
液晶11に許容値以上の直流成分が片寄ってかかること
はなく、したがって、表示の焼き付き現象や液晶の劣化
を生じることもない。
【0063】なお、上記実施例では、リセット電圧VR
,−VR を、第1リセット電圧VR、第2リセット電圧
−VR の順で印加しているが、このリセット電圧VR ,
−VR の印加順序は逆でもよく、またこれらリセット電
圧VR ,−VR は、液晶11がほとんど第1および第2
の配向状態11a,11bに配向する電圧であれば、前
記配向状態11a,11bに完全に配向する電圧でなく
てもよい。
【0064】また、上記実施例では、第1リセット電圧
VR と第2リセット電圧−VR とを1回ずつ印加してい
るが、これらリセット電圧VR ,−VR の印加回数は任
意でよく、要は、第1リセット電圧VR と第2リセット
電圧−VR とを同回数ずつ交互に印加すればよい。
【0065】さらに、上記実施例で駆動した強誘電性液
晶表示素子は、一方の偏光板14の透過軸14aをDH
F液晶11の第2の配向状態11bとほぼ平行にしたも
のであるが、上記駆動方法は、一方の偏光板14の透過
軸14aをDHF液晶11の第1の配向状態11aとほ
ぼ平行にした、液晶11を第2の配向状態11bに配向
させたときに透過率が最も高く(表示が最も明るく)な
り、液晶11を第1の配向状態11aに配向させたとき
に透過率が最も低く(表示が最も暗く)なる強誘電性液
晶表示素子の駆動にも適用することができるし、また、
TFTをアクティブ素子とするものに限らず、MIMを
アクティブ素子とする強誘電性液晶表示素子の駆動にも
適用することができる。
【0066】
【発明の効果】本発明の駆動方法は、選択期間ごとに、
液晶を第1の配向状態に配向させる電圧と第2の配向状
態に配向させる電圧とを同回数ずつ交互に同じ順序で印
加し、その後書込み電圧を印加するものであるから、基
板間隔より小さい螺旋ピッチをもち、しきい値以上の電
圧を印加したときに印加電圧の極性に応じて第1の配向
状態と第2の配向状態とのいずれかの状態に配向する非
メモリ性強誘電性液晶(DHF液晶)を用いたアクティ
ブマトリックス方式の強誘電性液晶表示素子に、明確な
階調表示を行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるゲート信号とデータ信
号の波形と液晶の自発分極の平均的な電荷量と透過率と
を示す図。
【図2】強誘電性液晶表示素子を実施例の駆動方法で駆
動したときの電圧−透過率特性図。
【図3】強誘電性液晶表示素子の断面図。
【図4】画素電極とアクティブ素子を形成した基板の等
価回路的平面図。
【図5】DHF液晶の2つの配向状態と一対の偏光板の
透過軸の方向とを示す図。
【図6】強誘電性液晶表示素子の一般的な電圧−透過率
特性図。
【図7】発明者が行なった従来の駆動方法による駆動試
験において印加したゲート信号とデータ信号の波形図。
【図8】書込みパルスの電圧値を0Vにして駆動試験を
行なったときの液晶の自発分極平均電荷量と透過率を示
す図。
【図9】書込みパルスの電圧値を3.3Vと−3.3V
にして駆動試験を行なったときの液晶の自発分極平均電
荷量と透過率を示す図。
【符号の説明】
3…画素電極 4…アクティブ素子(TFT) 7…対向電極 8,9…配向膜 11…DHF液晶 11a…第1の配向状態 11b…第2の配向状態 13,14…偏光板 13a,14a…透過軸 P11…補償パルス P12,P13…リセットパルス VR ,−VR …リセット電圧 P14…書込みパルス VD …書込み電圧
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 強誘電性液晶表示素子の駆動方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強誘電性液晶表示素子の
駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶を用いる強誘電性液晶表示
素子は、ネマティック液晶を用いるTNモードの液晶表
示素子と比較して、高速応答、広視野角が得られるなど
の点で注目されている。
【0003】この強誘電性液晶表示素子の実用化に関す
る研究は、従来、SS−F液晶と呼ばれる、カイラルス
メクティックC相の螺旋ピッチが表示素子の基板間隔
(セルギャップ)より大きくかつ配向状態のメモリ性
(双安定性)を有する強誘電性液晶を対象として行なわ
れていた。
【0004】上記SS−F液晶を用いる強誘電性液晶表
示素子は、SS−F液晶をその螺旋構造を消失させた状
態で基板間に封入したもので、印加電圧に対する液晶の
自発分極により、一方の極性の電圧を印加したときの第
1の配向状態と他方の極性の電圧を印加したときの第2
の配向状態との2つの配向状態を得、この液晶の配向状
態と、素子の入射側と出射側とに配置した一対の偏光板
とにより光の透過率を制御して表示する。
【0005】しかし、上記SS−F液晶を用いる強誘電
性液晶表示素子は、液晶の配向状態が第1の配向状態と
第2の配向状態との2つの状態だけであり、電圧無印加
状態でもいずれかの配向状態が保持されるため、透過率
を変化させて階調のある表示を行なわせることは難しい
とされている。
【0006】そこで最近では、階調表示の可能な強誘電
性液晶表示素子の開発が研究されており、「LIQUID CRY
STALS 1989,Vol.5 ,1171〜1177」に記載されている
ように、カイラルスメクティックC相の螺旋ピッチが表
示素子の基板間隔より小さくかつ配向状態のメモリ性を
有さない強誘電性液晶を用いることが提案されている。
なお、この強誘電性液晶は、上記SS−F液晶と区別し
て、DHF液晶と呼ばれている。
【0007】このDHF液晶を用いる強誘電性液晶表示
素子では、前記DHF液晶が螺旋構造をもった状態で基
板間に封入されており、このDHF液晶は、液晶層をは
さんで対向する電極間に印加される電圧に応じて、液晶
分子が一方の方向にほぼ配列した第1の配向状態と、液
晶分子が他方の方向にほぼ配列した第2の配向状態と、
及び分子配列の螺旋構造の歪みにより液晶分子の平均的
な配列方向が前記第1の配向状態と第2の配向状態との
中間の任意の配向状態とにそれぞれ配向する。
【0008】そして、DHF液晶は、上述した中間の任
意の配向状態をとることができるので、上記SS−F液
晶のような配向状態のメモリ性はもっていないが、表示
素子をTFTまたはMIM等の非線形素子をアクティブ
素子とするアクティブマトリックス方式とし、非選択期
間中も上記任意の配向状態を維持する電圧を保持してお
くようにすれば、階調表示が可能であるといわれてい
る。
【0009】この強誘電性液晶表示素子に階調表示を行
なわせる駆動方法としては、従来、選択期間ごとに、
示すべきデータに応じた電圧の書込み電圧を印加する方
法が考えられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の駆動方法では、書込み電圧の値と透過率とが対応せ
ず、したがって階調の制御がほとんど不可能で、実用レ
ベルでの階調表示を実現することはできなかった。
【0011】本発明は、基板間隔より小さい螺旋ピッチ
をもち、印加する電圧に応じて第1の配向状態と第2の
配向状態と及び中間の任意の配向状態にそれぞれ配向す
る非メモリ性強誘電性液晶(DHF液晶)を用いたアク
ティブマトリックス方式の強誘電性液晶表示素子に、明
確な階調表示を行なわせることができる駆動方法を提供
することを目的としたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の駆動方法は、
HF液晶を用いた強誘電性液晶表示素子において、前記
強誘電性液晶にその配向状態を制御する電圧が印加され
る選択期間ごとに、まず液晶分子を前記第1の配向状態
と第2の配向状態との少なくとも一方の配向状態に配列
させる初期化電圧を印加し、この初期化電圧を印加した
後に表示するデータに応じた書込み電圧を印加すること
を特徴とするものである。そして、前記初期化電圧は、
液晶分子を第1の配向状態に配向させる一方極性の第1
のリセットパルスと、液晶分子を第2の配向状態に配向
させる第2のリセットパルスとからなり、各選択期間ご
とに同じ順序で連続する電圧である。また第1のリセッ
トパルスと第2のリセットパルスとは、極性が互いに逆
で絶対値が等しい電圧に設定されている。さらに、本発
明の駆動方法において、各選択期間には、選択期間中で
かつ初期化電圧が印加される前に、その選択期間に印加
される書込み電圧と極性が逆で絶対値が等しい補償電圧
が印加される。
【0013】
【作用】この駆動方法では、液晶表示素子の透過率が最
も低い状態と最も高い状態とにそれぞれ対応する液晶分
子の配向状態、つまり第1と第2の配向状態のうちの少
なくとも一方の配向状態に液晶分子を配列させる初期化
電圧を印加した後、表示データに応じた書込み電圧を印
加するようにしたので、DHF液晶が有するヒステリシ
ス特性の影響を受けることがなくなり、書込み電圧の値
と透過率の関係を1対1で対応させることができ、明確
な階調を表示することができる。
【0014】また、この駆動方法では、液晶分子を第1
の配向状態に配向させる一方極性の第1のリセットパル
スと、液晶分子を第2の配向状態に配向させる第2のリ
セットパルスとを、各選択期間ごとに同じ順序で連続さ
せた初期化電圧を構成し、そして前記第1のリセットパ
ルスと第2のリセットパルスとを極性が互いに逆で絶対
値が等しい電圧に設定しているため、初期化電圧の印加
により対向する電極間に電荷が片寄ることがない。さら
に、この駆動方法では、各選択期間ごとの、選択期間中
でかつ初期化電圧が印加される前に、その選択期間に印
加される書込み電圧と極性が逆で絶対値が等しい補償電
圧を印加しているので、書込み電圧により対向する電極
間に電荷が片寄ることがない。したがって表示の焼き
付き現象や液晶の劣化を生じることがなく、明確な階
調表示を行なうことができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0016】まず、本発明の駆動方法によって表示駆動
される強誘電性液晶表示素子の構成を説明する。図3は
強誘電性液晶表示素子の断面図、図4は前記液晶表示素
子の画素電極とアクティブ素子を形成した基板の等価回
路的平面図である。
【0017】この強誘電性液晶表示素子は、アクティブ
マトリックス方式のものであり、その一対の透明基板
(例えばガラス基板)1,2のうち、図3において下側
の基板(以下、下基板という)1には、透明な画素電極
3とこの画素電極3に接続されたアクティブ素子4とが
縦横に配列形成されている。
【0018】なお、上記アクティブ素子4は、例えばT
FT(薄膜トランジスタ)であり、このTFT4は、そ
の構造は図示しないが、基板1上に形成されたゲート電
極と、このゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、このゲー
ト絶縁膜の上に形成された半導体層と、この半導体層の
上に形成されたソース電極およびドレイン電極とからな
っている。
【0019】また、上記下基板1には、図4に示すよう
に、各画素電極3の行間に対応させてゲートライン5が
配線されるとともに、各画素電極3の列間に対応させて
データライン6が配線されており、前記TFT4のゲー
ト電極はゲートライン5につながり、ドレイン電極はデ
ータライン6につながっている。図4において、5aは
ゲートライン5の端子部、6aはデータライン6の端子
部である。
【0020】なお、上記ゲートライン5は、その端子部
5aを除いてTFT4のゲート絶縁膜(透明膜)で覆わ
れており、データライン6は前記ゲート絶縁膜の上に形
成されている。また、画素電極3は前記ゲート絶縁膜の
上に形成されており、その一端部においてTFT4のソ
ース電極に接続されている。
【0021】一方、図3において上側の基板(以下、上
基板という)2には、上記下基板1の各画素電極3と対
向する透明な対向電極7が形成されている。この対向電
極7は、表示領域全体にわたる面積の1枚電極とされて
いる。
【0022】また、上記下基板1と上基板2の電極形成
面の上にはそれぞれ配向膜8,9が設けられている。こ
れら配向膜8,9はいずれも、ポリイミド等の有機高分
子化合物からなる水平配向膜であり、その膜面にはラビ
ングによる配向処理が施されている。
【0023】そして、上記下基板1と上基板2とは、そ
の外周縁部において枠状のシール材10を介して接着さ
れており、この両基板1,2間のシール材10で囲まれ
た領域には、カイラルスメクティックC相の螺旋ピッチ
が両基板1,2の間隔より小さく、かつ配向状態のメモ
リ性を有さない強誘電性液晶(以下、DHF液晶とい
う)11が封入されている。このDHF液晶は、その螺
旋構造の螺旋ピッチが可視光帯域の波長(400nm〜
700nm)以下、例えば螺旋ピッチ300nm〜40
0nmであり、また自発分極が大きく、コーンアングル
が約27°の強誘電性液晶組成物である。なお、図3に
おいて、12は両基板1,2の間隔を規制する透明なギ
ャップ材であり、このギャップ材12は液晶封入領域内
に点在状態で配置されている。
【0024】上記DHF液晶11は、そのスメクティッ
クC相が有する層構造の層の法線方向が両基板1,2の
配向膜8,9の配向処理によって規制される方向に向い
た均一な層構造を形成しており、また、その螺旋ピッチ
が基板間隔より小さいため、螺旋構造をもった状態で基
板1,2間に封入されている。そしてこのDHF液晶1
1は、液晶層をはさんで対向する画素電極3と対向電極
7との間に所定の値より高い電圧を印加したときに、印
加電圧の極性に応じて、液晶分子が一方方向に配向する
第1の配向状態と、液晶分子が他方方向に配向する第2
の配向状態とのいずれかの状態に配向し、また中間の
い電圧を印加したときは、DHF液晶11の螺旋構造が
歪むことにより、液晶分子の平均的な配列方向が、印加
電圧の値に応じて、前記第1と第2の配向状態における
液晶分子配列の中間の方向となるように配向する。
【0025】さらに、液晶表示素子の下面側と上面側に
は一対の偏光板13,14が配置されており、この偏光
板13,14の透過軸の方向は、電極3,7間に極性が
逆で絶対値の高い電圧を印加したときのDHF液晶11
の2つの配向状態に応じて設定されている。
【0026】すなわち、図5は、所定の値以上の電圧を
印加したときのDHF液晶11の2つの配向状態と、上
記一対の偏光板13,14の透過軸の方向とを示してお
り、(a)は図3において上側の偏光板(以下、上偏光
板という)14の透過軸14aを示し、(b)はDHF
液晶11の2つの配向状態における液晶分子の配向方向
11a,11bを示し、(c)は図3において下側の偏
光板(以下、下偏光板という)13の透過軸13aを示
している。
【0027】この図5に示すように、上記DHF液晶1
1は、一方の極性でかつ所定の値以上の電圧を印加した
ときに第1の配向状態となり、実線で示す第1の配向
11aに液晶分子が配向する。また、他方の極性でか
所定の値以上の電圧を印加したときには第2の配向状
態となり、破線で示す第2の配向方向11bに液晶分子
配向する。なお、この第1の配向方向11aと第2の
配向方向11bとのずれ角θは、DHF液晶11の種類
や配向膜8,9の表面エネルギー等によって異なるが、
このずれ角θは約45°に選ぶのが望ましい。
【0028】そして、上記一対の偏光板13,14のう
ち、一方の偏光板、例えば上偏光板14の透過軸14a
は、上記DHF液晶11の2つの配向方向11a,11
bのうちの一方、例えば第2の配向方向11bとほぼ平
行になっており、他方の下偏光板13の透過軸13a
は、前記上偏光板14の透過軸14aとほぼ直交してい
る。
【0029】この図5のように偏光板13,14の透過
軸方向を設定した強誘電性液晶表示素子は、液晶11を
第1の配向方向11aに配向させたときに透過率が最も
高く(表示が最も明るく)なり、液晶11を第2の配向
方向11bに配向させたときに透過率が最も低く(表示
が最も暗く)なる。
【0030】すなわち、液晶分子が第1の配向方向11
aに配向した状態では、入射側の偏光板を通った直線偏
光が液晶11による偏光作用を受けて非直線偏光にな
り、そのうちの出射側偏光板の光学軸と平行な成分をも
った光が前記出射側偏光板を透過して出射する。また、
液晶分子が第2の配向方向11bに配向した状態では、
入射側の偏光板を通った直線偏光が液晶11による偏光
作用をほとんど受けずに直線偏光のまま液晶層を透過
し、その光のほとんどが出射側偏光板で吸収される。
【0031】また、上記DHF液晶11は、上記2つの
配向方向11a,11bだけでなく、印加電圧の極性と
電圧値(絶対値)に応じて前記2つの配向方向11a,
11bの中間の状態にも配向する。
【0032】図6は上記強誘電性液晶表示素子の電圧−
透過率特性(印加電圧に対する光透過率の変化特性)を
示しており、この強誘電性液晶表示素子の光透過率は、
印加電圧に応じて図のように変化する。
【0033】そして、この強誘電性液晶表示素子は、ア
クティブマトリックス方式のものであるため、非選択期
間中もDHF液晶11を前記中間の配向状態に維持する
電圧を保持しておくことができる。このため、DHF液
晶を用いる強誘電性液晶表示素子は、透過率を変化させ
て階調のある表示を行なわせることが可能である。
【0034】しかし、発明者が上記強誘電性液晶表示素
子の駆動試験を行なったところ、階調の制御ができなか
った。この発明者が行なった駆動試験では、液晶11を
第1または第2の配向状態に配向させる電圧と、それよ
り絶対値が小さい書込み電圧とを交互に印加して、透過
率の変化を調べた。
【0035】図7は、上記駆動試験において液晶表示素
子のゲートライン5とデータライン6に印加したゲート
信号とデータ信号の波形図であり、データ信号は、液晶
11を第1の配向方向11aに配向させる電圧値のリセ
ットパルスP1 と、任意の電圧値の書込みパルスP2
と、液晶11を第2の配向方向11bに配向させる電圧
値のリセットパルスP3 と、任意の電圧値の書込みパル
スP4 とが交互に繰返す波形の信号である。なおこの駆
動試験では、データ信号の基準電圧(対向電極7に印加
する電圧と同じ電圧)を0Vとした。
【0036】上記リセットパルスP1 ,P3 は、液晶表
示素子特有の履歴効果、すなわち、書込みパルスを印加
したときの液晶の配向状態の変化に対する、その前に印
加した書込みパルスによる液晶の配向状態(以下、前状
態という)の影響をリセットするためのパルスであり、
このリセットパルスP1 ,P3 を印加すると、次に書込
みパルスを印加するときの前状態が決まる。
【0037】また、上記リセットパルスP1 ,P3 をい
ずれも同じ極性のパルスとすると、液晶11に許容値以
上の直流成分がかかって電荷の片寄りが生じ、表示の焼
き付き現象や液晶の劣化を生ずるため、P1 のリセット
パルスとP3 のリセットパルスとは逆極性のパルスとし
た。
【0038】図8および図9は、上記のような波形のゲ
ート信号とデータ信号とを用いて上記強誘電性液晶表示
素子を駆動し、上記各パルスP1 ,P2 ,P3 ,P4 を
印加した後の液晶11の自発分極による平均的な電荷量
(液晶11の平均的な配向状態に相当する)と透過率と
を調べた結果を示しており、図8はP2 の書込みパルス
とP4 の書込みパルスの電圧値をそれぞれ0Vとしたと
きの自発分極による平均的な電荷量(以下、平均電荷量
という)と透過率、図9はP2 の書込みパルスの電圧値
を3.3V、P4 の書込みパルスの電圧値を−3.3V
としたときの自発分極による平均的電荷量と透過率を示
している。なお、いずれの場合も、リセットパルスP1
,P3 の電圧値はP1 =7.5V、P3 =−7.5V
とした。
【0039】この図8および図9から分かるように、上
記駆動試験では、書込みパルスP2,P4 の電圧値と透
過率とが対応せず、したがって階調を制御することがで
きなかった。
【0040】すなわち、書込みパルスP2 ,P4 として
同じ電位のパルスを印加したときの透過率が同じであれ
ば、再現性のある階調表示が可能であるが、上記駆動試
験では、図8のように、書込みパルスP2 ,P4 の電位
が同じ(ここではP2 =P4=0V)でも透過率は全く
異なり、階調の再現性が全くなかった。
【0041】また、上記駆動試験では、図9に示すよう
に、書込みパルスP2 ,P4 として異なる電圧値(ここ
ではP2 =3.3V、P4 =−3.3V)のパルスを印
加しても、明確な透過率差は得られなかった。
【0042】これは、DHF液晶を用いる強誘電性液晶
表示素子の電圧−透過率特性に図6に示したようなヒス
テリシスがあるためである。すなわち、P2 の書込みパ
ルスの印加時における前状態は第1の配向状態(実際に
は、画素電極3と対向電極7とその間の液晶11とで形
成される容量の保持電圧に対応した、第1の配向状態に
近い配向状態)であり、P4 の書込みパルスの印加時に
おける前状態は第2の配向状態(第2の配向状態に近い
配向状態)であるため、この前状態の違いにより、書込
みパルスP2 ,P4 の電圧値と液晶11の配向状態、つ
まり透過率とが対応しなくなる。
【0043】そこで、本発明では、書込み電圧の値に対
応した透過率が得られるようにするため、選択期間ごと
に、まず液晶を第1の配向状態に配向させる電圧と第2
の配向状態に配向させる電圧とを1または複数ずつ同数
交互に連続させた初期化電圧を印加し、この初期化電圧
を印加し後に表示するデータに応じた書込み電圧を印加
する駆動方法を採用した。
【0044】この駆動方法の一実施例を説明すると、図
1は、上記強誘電性液晶表示素子の第1行のTFT4に
つながるゲートライン5とデータライン6に印加するゲ
ート信号とデータ信号の波形と、液晶11の自発分極
よる平均電荷量と、透過率とを示している。
【0045】図1において、TF は1フレーム期間、T
S は上記第1行のTFT4の選択期間、TO は非選択期
間であり、この実施例では、各選択期間TS をそれぞれ
4つのスロットt1 ,t2 ,t3 ,t4 に等分し、その
最終スロットt4 を書込みパルスP14の印加期間とし、
最初のスロットt1 を前記書込みパルスP14に対する補
償パルスP11の印加期間とした。
【0046】また、他のスロットt2 ,t3 はそれぞ
れ、液晶11を第1の配向状態に配向させるためのリセ
ットパルス(以下、第1リセットパルスという)P12
と、液晶11を第2の配向状態に配向させるためのリセ
ットパルス(以下、第2リセットパルスという)P13の
印加期間とし、これらのリセットパルスP12,P13によ
り初期化電圧を構成した。なお、上記各パルスP11,P
12,P13,P14の印加期間(1スロット時間)はいずれ
も約45μ秒である。
【0047】上記補償パルスP11は、書込みパルスP14
の印加により液晶11に直流成分の電圧が片寄ってかか
るのを補償するための逆極性のパルスであり、この補償
パルスP11の電圧−VD の絶対値は、書込みパルスP14
の電圧VD と同じである。なお、書込みパルスP14の電
圧VD は書込みデータに応じて種々の値に制御され、こ
れに対応して補償パルスP11の電圧−VD も制御され
る。
【0048】上記第2リセットパルスP13は、液晶表示
素子のヒステリシスの影響をなくすためのパルスであ
り、このリセットパルスP13の電圧値VR は、液晶11
分子のほとんどが一定の方向に配列するのに十分大き
い値である。また、上記第1リセットパルスP12は、第
2リセットパルスP13の印加により液晶11に直流成分
の電圧が片寄ってかかるのを補償するための逆極性のパ
ルスであり、この第1リセットパルスP12の電圧−VR
の絶対値は第2リセットパルスP13の電圧VR と同じで
ある。
【0049】なお、これら各パルスP11,P12,P13,
P14の極性および電圧値は、いずれも、データ信号の基
準電圧V0 に対する極性と電圧である。この基準電圧V
0 は、対向電極7に印加する電圧と同じである。
【0050】そして、この駆動方法では、書込み電圧V
D の最小値をV0 とし、最大値Vmax を上記第2リセッ
トパルスP13のリセット電圧VR より若干低い値とし
て、このV0 〜Vmax の範囲で書込み電圧VD を制御す
る。
【0051】上記のような波形のゲート信号とデータ信
号とを用いて上記強誘電性液晶表示素子を駆動すると、
選択期間TS ごとに、上記補償パルスP11の電圧(以
下、書込み補償電圧という)−VD と、液晶11を第1
の配向方向11aに配向させる第1リセットパルスP12
の電圧(以下、第1リセット電圧という)VR と、液晶
11を第2の配向方向11bに配向させる第2リセット
パルスP13の電圧(以下、第2リセット電圧という)−
VR と、書込みパルスP14の電圧(以下、書込み電圧と
いう)VD とが順次TFT4を介して画素電極3に印加
され、これにともなって、液晶11の自発分極による
均電荷量と透過率とが、それぞれ図1に示したように変
化する。
【0052】また、選択期間TS が経過して非選択期間
TO になると、TFT4がOFF状態になり、選択期間
TS の最終スロットt4 に印加された書込み電圧VD に
応じた電圧が画素電極3と対向電極7とその間の液晶1
1とで形成される容量に保持され、非選択期間TO 中、
液晶11の自発分極による平均電荷量と透過率とが、前
記容量の保持電圧に対応する値、つまり、選択期間TS
に印加された書込み電圧VD に応じた値に保たれる。
【0053】そして、この駆動方法では、選択期間TS
ごとに、液晶11を第1の配向方向11aに配向させる
第1リセット電圧VR と、液晶11を第2の配向方向
1bに配向させる第2リセット電圧−VR とを同じ順序
で印加しているため、書込み電圧VD を印加する直前の
液晶11の配向状態はどの選択期間TS においても同じ
(この実施例では第2の配向方向11b)であり、前述
したヒステリシスの影響を受けることがない。したがっ
て書込み電圧VD の値と透過率とが対応するから、書込
み電圧VD により透過率を制御して、実用レベルでの明
確な階調表示を実現することができる。
【0054】すなわち、図1に示すように、例えば液晶
11がある配向状態(前に印加された書込み電圧に応じ
た配向状態)にあるとし、次の選択期間TS に印加する
書込み電圧VD がリセット電圧VR の1/2の電圧であ
るとすると、この書込み電圧VD (VD =VR /2)を
印加した後の非選択期間TO における液晶11の自発分
極の平均電荷量がほぼ0になる。このときの液晶11の
配向状態は、第1の配向状態と第2の配向状態との中間
の配向状態であり、液晶分子の平均的な配列方向は第1
と第2の配向方向11a,11bの中央の方向となる。
したがって、透過率は、液晶分子が第1の配向方向11
aに配向したときの最も高い透過率と液晶分子が第2の
配向方向11bに配向したときの最も低い透過率とのほ
ぼ中間の値になる。
【0055】また、図1に示すように、上記選択期間T
S の次の選択期間TS に印加する書込み電圧VD がリセ
ット電圧VR の1/4の電圧であるとすると、この書込
み電圧VD (VD =VR /4)を印加した後の非選択期
間TO における液晶11の自発分極による平均電荷量
が、上記ほぼ0の電荷量よりも負の電荷成分が多くなっ
た値になる。このときの液晶11の配向状態は、第1の
配向状態と第2の配向方向状態との中間の配向状態であ
って、液晶分子の平均的な配列方向が第2の配向方向1
1bに片寄った方向となる。したがって、透過率は、液
晶分子が第2の配向方向11bに配向したときの最も低
い透過率と上記中間の透過率との間の値になる。
【0056】これは、他の電圧の書込み電圧VD を印加
したときも同様であり、例えば書込み電圧VD として最
小値の電圧V0 を印加したときは、図1に二点鎖線で示
したように、液晶11の自発分極による平均電荷量が、
その制御範囲のうちの最も負の電荷成分が最も多くなっ
た値、つまり、液晶分子が第2の配向方向11bに配向
したときの電荷量に近い値になり、透過率が、その制御
範囲のうちの最も低い値になる。
【0057】また、書込み電圧VD として最大値の電圧
Vmax を印加したときは、図1に三点鎖線で示したよう
に、液晶11の自発分極による平均電荷量が、その制御
範囲のうちの最も正の電荷成分が最も多くなった値、つ
まり、液晶分子が第1の配向方向11aに配向したとき
の電荷量に近い値になり、透過率が、その制御範囲のう
ちの最も高い値になる。
【0058】このように、上記駆動方法によれば、書込
み電圧VD の値に対応した透過率が得られるから、書込
み電圧VD により透過率を制御して、明確な階調表示を
実現することができる。
【0059】これは、書込み電圧VD を印加する直前の
液晶11の配向状態が、どの選択期間TS においても同
じ(この実施例では第2の配向方向11b)であるため
であり、書込み電圧VD を印加する前の液晶11の配向
状態が常に同じであれば、DHF液晶を用いる強誘電性
液晶表示素子がもっている電圧−透過率特性のヒステリ
シスが動作上で現われなくなるため、書込み電圧VD の
値に対応した透過率が得られる。
【0060】すなわち、図2は、上記強誘電性液晶表示
素子を上記実施例の駆動方法で駆動したときの電圧−透
過率特性図であり、この図のように、強誘電性液晶表示
素子の電圧−透過率特性は、ヒステリシスのない特性と
なっている。
【0061】なお、図2に示した電圧−透過率特性は、
データ信号の基準電圧VO を8V(対向電極7に印加す
る電圧も同じ)としたときの特性であり、この場合は、
第1のリセット電圧VR を10V以上(望ましくは11
V以上)、第2のリセット電圧−VR を6V以下(望ま
しくは5V以下)とし、書込み電圧VD を約6.5V〜
約10.5Vの範囲で制御すればよい。
【0062】また、上記駆動方法では、選択期間TS ご
とに、液晶11を第1の配向方向11aに配向させる第
1リセット電圧VR と液晶11を第2の配向方向11b
に配向させる第2リセット電圧−VR とを同回数ずつ
(上記実施例では1回ずつ)交互に印加しているため、
液晶11に許容値以上の直流成分が片寄ってかかること
はなく、したがって、表示の焼き付き現象や液晶の劣化
を生じることもない。
【0063】なお、上記実施例では、リセット電圧VR
,−VR を、第1リセット電圧VR、第2リセット電圧
−VR の順で印加しているが、このリセット電圧VR ,
−VR の印加順序は逆でもよく、またこれらリセット電
圧VR ,−VR は、液晶11がほとんど第1および第2
の配向方向11a,11bに配向する電圧であれば、前
記配向方向11a,11bに完全に配向する電圧でなく
てもよい。
【0064】また、上記実施例では、第1リセット電圧
VR と第2リセット電圧−VR とを1回ずつ印加してい
るが、これらリセット電圧VR ,−VR の印加回数は任
意でよく、要は、第1リセット電圧VR と第2リセット
電圧−VR とを同回数ずつ交互に印加すればよい。
【0065】さらに、上記実施例で駆動した強誘電性液
晶表示素子は、一方の偏光板14の透過軸14aをDH
F液晶11の第2の配向方向11bとほぼ平行にしたも
のであるが、上記駆動方法は、一方の偏光板14の透過
軸14aをDHF液晶11の第1の配向方向11aとほ
ぼ平行にした、液晶11を第2の配向方向11bに配向
させたときに透過率が最も高く(表示が最も明るく)な
り、液晶11を第1の配向方向11aに配向させたとき
に透過率が最も低く(表示が最も暗く)なる強誘電性液
晶表示素子の駆動にも適用することができるし、また、
TFTをアクティブ素子とするものに限らず、MIMを
アクティブ素子とする強誘電性液晶表示素子の駆動にも
適用することができる。
【0066】
【発明の効果】本発明の駆動方法は、選択期間ごとに、
液晶を第1の配向状態に配向させる電圧と第2の配向状
態に配向させる電圧の少なくとも一方の電圧を印加し
て、液晶分子を一方の配向状態にし、その後書込み電圧
を印加するものであるから、基板間隔より小さい螺旋ピ
ッチをもった非メモリ性強誘電性液晶(DHF液晶)を
用いたアクティブマトリックス方式の強誘電性液晶表示
素子に、明確な階調表示を行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるゲート信号とデータ信
号の波形と液晶の自発分極による平均的な電荷量と透過
率とを示す図。
【図2】強誘電性液晶表示素子を実施例の駆動方法で駆
動したときの電圧−透過率特性図。
【図3】強誘電性液晶表示素子の断面図。
【図4】画素電極とアクティブ素子を形成した基板の等
価回路的平面図。
【図5】DHF液晶の2つの配向状態と一対の偏光板の
透過軸の方向とを示す図。
【図6】強誘電性液晶表示素子の一般的な電圧−透過率
特性図。
【図7】発明者が行なった駆動試験において印加したゲ
ート信号とデータ信号の波形図。
【図8】書込みパルスの電圧値を0Vにして駆動試験を
行なったときの液晶の自発分極による平均電荷量と透過
率を示す図。
【図9】書込みパルスの電圧値を3.3Vと−3.3V
にして駆動試験を行なったときの液晶の自発分極による
平均電荷量と透過率を示す図。
【符号の説明】 3…画素電極 4…アクティブ素子(TFT) 7…対向電極 8,9…配向膜 11…DHF液晶 11a…第1の配向方向 11b…第2の配向方向 13,14…偏光板 13a,14a…透過軸 P11…補償パルス P12,P13…リセットパルス VR ,−VR …リセット電圧 P14…書込みパルス VD …書込み電圧
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板間隔より小さい螺旋ピッチをもち、し
    きい値以上の電圧を印加したときに印加電圧の極性に応
    じて第1の配向状態と第2の配向状態とのいずれかの状
    態に配向する非メモリ性強誘電性液晶を用いたアクティ
    ブマトリックス方式の強誘電性液晶表示素子の駆動方法
    であって、 選択期間ごとに、前記液晶を第1の配向状態に配向させ
    る電圧と第2の配向状態に配向させる電圧とを同回数ず
    つ交互に同じ順序で印加し、その後書込み電圧を印加す
    ることを特徴とする強誘電性液晶表示素子の駆動方法。
JP4343711A 1992-12-07 1992-12-24 強誘電性液晶表示素子の駆動方法 Pending JPH06194625A (ja)

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JP4343711A JPH06194625A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 強誘電性液晶表示素子の駆動方法
US08/162,334 US5490000A (en) 1992-12-07 1993-12-03 Deformed helix ferroelectric liquid crystal display device and method of driving
KR1019930026759A KR0138082B1 (ko) 1992-12-07 1993-12-07 강유전성 액정표시장치 및 강유전성 액정표시소자의 구동방법

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0666555A1 (de) * 1994-01-26 1995-08-09 F. Hoffmann-La Roche Ag Ansteuerungsverfahren für DHF-LCD
US6040889A (en) * 1996-12-25 2000-03-21 Nec Corporation Liquid crystal display with continuous grayscale, wide viewing angle, and exceptional shock resistance
US6351301B1 (en) 1999-07-08 2002-02-26 Nec Corporation Smectic liquid crystal which enables grayscale display, and liquid crystal using the same
JP2013205726A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Seiko Epson Corp 表示制御回路、表示制御方法及び電子機器

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