JPH06200397A - 遠赤外線放射体 - Google Patents
遠赤外線放射体Info
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- JPH06200397A JPH06200397A JP36059492A JP36059492A JPH06200397A JP H06200397 A JPH06200397 A JP H06200397A JP 36059492 A JP36059492 A JP 36059492A JP 36059492 A JP36059492 A JP 36059492A JP H06200397 A JPH06200397 A JP H06200397A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 陽極酸化皮膜厚が10μm未満で灰色の色調
を有し、遠赤外線放射特性が優れ、高温でもクラックが
生じにくく、種々の製造法で複雑な形状も得ることがで
きるような、アルミニウム合金を基材とする遠赤外線放
射体を提供する。 【構成】 基本的にはAl−3〜25wt%Si合金から
なる基材の表面に10μm未満の灰色の陽極酸化皮膜が
形成された遠赤外線放射体。さらに、特に粒径0.05
μm以上の金属Si粒子が存在しない領域の広さおよび
面積率を規制した。
を有し、遠赤外線放射特性が優れ、高温でもクラックが
生じにくく、種々の製造法で複雑な形状も得ることがで
きるような、アルミニウム合金を基材とする遠赤外線放
射体を提供する。 【構成】 基本的にはAl−3〜25wt%Si合金から
なる基材の表面に10μm未満の灰色の陽極酸化皮膜が
形成された遠赤外線放射体。さらに、特に粒径0.05
μm以上の金属Si粒子が存在しない領域の広さおよび
面積率を規制した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、暖房、調理、その他
各種の加熱のために遠赤外線を放射する部材に関するも
のであり、特に基材としてアルミニウム合金を用いて陽
極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射体に関するものであ
る。
各種の加熱のために遠赤外線を放射する部材に関するも
のであり、特に基材としてアルミニウム合金を用いて陽
極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に遠赤外線を利用したヒーター類に
おいては、放射体の遠赤外線放射率が高く、しかも10
0℃以上の比較的低い表面温度で可視領域の放射が少な
い反面、遠赤外線領域の放射の多いものが要求される。
このような要求を満たす放射体としては、従来はアルミ
ナ、グラファイト、ジルコニア等の各種セラミック材料
で構成したものが実用化されている。そしてこれらの材
料のうちでも、遠赤外線放射特性の面ではアルミナが他
のセラミック材料と比較して優れた性能を有することが
知られている。
おいては、放射体の遠赤外線放射率が高く、しかも10
0℃以上の比較的低い表面温度で可視領域の放射が少な
い反面、遠赤外線領域の放射の多いものが要求される。
このような要求を満たす放射体としては、従来はアルミ
ナ、グラファイト、ジルコニア等の各種セラミック材料
で構成したものが実用化されている。そしてこれらの材
料のうちでも、遠赤外線放射特性の面ではアルミナが他
のセラミック材料と比較して優れた性能を有することが
知られている。
【0003】しかしながら従来のセラミック材料からな
る遠赤外線放射体は、その重量が大きく、また割れ易
く、さらには薄いものを作成することが困難であり、ま
た熱伝導性が劣るため放射体の加熱効率が悪い等の問題
があった。
る遠赤外線放射体は、その重量が大きく、また割れ易
く、さらには薄いものを作成することが困難であり、ま
た熱伝導性が劣るため放射体の加熱効率が悪い等の問題
があった。
【0004】そこで金属基材の表面にセラミックを溶射
した放射体も実用化されているが、この場合は製造に高
コストを要し、また薄板や複雑形状の放射体を得ること
は困難である等の問題がある。
した放射体も実用化されているが、この場合は製造に高
コストを要し、また薄板や複雑形状の放射体を得ること
は困難である等の問題がある。
【0005】ところでセラミック材料のうちでもアルミ
ナについては、アルミニウムの表面を陽極酸化処理して
アルマイト皮膜(陽極酸化皮膜)を生成することによ
り、アルミニウム基材表面にアルミナからなる層を容易
に生成することができる。この場合は、基材がアルミニ
ウムであるため熱伝導性が良好となり、しかも表面の陽
極酸化皮膜はアルミナであるため遠赤外線放射特性も良
好であり、したがって熱伝導性と遠赤外線放射特性との
両者を満たすことができる。そこで最近では上述のよう
にアルミニウム基材の表面を陽極酸化処理した遠赤外線
放射体が試みられている。
ナについては、アルミニウムの表面を陽極酸化処理して
アルマイト皮膜(陽極酸化皮膜)を生成することによ
り、アルミニウム基材表面にアルミナからなる層を容易
に生成することができる。この場合は、基材がアルミニ
ウムであるため熱伝導性が良好となり、しかも表面の陽
極酸化皮膜はアルミナであるため遠赤外線放射特性も良
好であり、したがって熱伝導性と遠赤外線放射特性との
両者を満たすことができる。そこで最近では上述のよう
にアルミニウム基材の表面を陽極酸化処理した遠赤外線
放射体が試みられている。
【0006】しかしながら、従来のアルミニウム基材の
表面に陽極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射体は、20
0℃以上の高温で使用する場合には、熱衝撃によって陽
極酸化皮膜にクラックが生じ易く、そのため放射率が不
安定となるとともに、耐食性も悪くなるという問題があ
る。また従来のアルミニウム基材の表面に陽極酸化皮膜
を形成した遠赤外線放射体では、3〜7μmの波長域に
おける放射率が低い欠点があり、そのため全体としてよ
り高い放射量を得ようとする場合には、陽極酸化皮膜を
厚く形成せざるを得なかったが、その場合には熱衝撃に
よるクラックが一層生じ易くなるという問題があった。
表面に陽極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射体は、20
0℃以上の高温で使用する場合には、熱衝撃によって陽
極酸化皮膜にクラックが生じ易く、そのため放射率が不
安定となるとともに、耐食性も悪くなるという問題があ
る。また従来のアルミニウム基材の表面に陽極酸化皮膜
を形成した遠赤外線放射体では、3〜7μmの波長域に
おける放射率が低い欠点があり、そのため全体としてよ
り高い放射量を得ようとする場合には、陽極酸化皮膜を
厚く形成せざるを得なかったが、その場合には熱衝撃に
よるクラックが一層生じ易くなるという問題があった。
【0007】そこで本発明者等は、既に特開平4−11
0493号において、Mnを0.3〜4.3%含有し、
MnとAlとの金属間化合物を微細かつ均一に分散析出
させたアルミニウム合金を基材とし、そのアルミニウム
合金材表面に、望ましくは10μm程度以上の厚みで陽
極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射部材を提案してい
る。なおこの遠赤外線放射部材の陽極酸化皮膜は、通常
は黒色を呈している。
0493号において、Mnを0.3〜4.3%含有し、
MnとAlとの金属間化合物を微細かつ均一に分散析出
させたアルミニウム合金を基材とし、そのアルミニウム
合金材表面に、望ましくは10μm程度以上の厚みで陽
極酸化皮膜を形成した遠赤外線放射部材を提案してい
る。なおこの遠赤外線放射部材の陽極酸化皮膜は、通常
は黒色を呈している。
【0008】上記提案の放射部材によれば、200℃以
上の高温でも陽極酸化皮膜にクラックが生じにくく、し
かも3〜7μmの波長域においてもかなりの優れた放射
特性を示すことが確認されている。
上の高温でも陽極酸化皮膜にクラックが生じにくく、し
かも3〜7μmの波長域においてもかなりの優れた放射
特性を示すことが確認されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近では、遠赤外線の
放射特性を利用した用途が種々拡大しつつあり、そのた
め前記提案の放射体では必ずしも満足できない場合があ
ることが判明した。
放射特性を利用した用途が種々拡大しつつあり、そのた
め前記提案の放射体では必ずしも満足できない場合があ
ることが判明した。
【0010】すなわち、遠赤外線放射部材の用途によっ
ては、圧延加工材のみならず、鋳造材や押出材、鍛造材
からなるアルミニウム合金基材を用いることが望まれる
ことも多いが、前記提案の放射部材におけるアルミニウ
ム合金基材は、Al−Mn系金属間化合物を微細かつ均
一に析出させる必要がある関係上、圧延材が最も適して
おり、鋳造材や押出材、鍛造材には適用しにくいのが実
情である。
ては、圧延加工材のみならず、鋳造材や押出材、鍛造材
からなるアルミニウム合金基材を用いることが望まれる
ことも多いが、前記提案の放射部材におけるアルミニウ
ム合金基材は、Al−Mn系金属間化合物を微細かつ均
一に析出させる必要がある関係上、圧延材が最も適して
おり、鋳造材や押出材、鍛造材には適用しにくいのが実
情である。
【0011】また、前述のように200℃以上の高温で
の使用を目的とした遠赤外線放射部材は、従来一般には
余り人目に触れないかまたは人目に触れたとしても余り
目立たない部分で使用されることがほとんどであったた
め、皮膜の色調などの美観上の点については、従来はさ
ほど問題とされておらず、そのため前記提案の如く陽極
酸化皮膜が黒色の色調を有することは、美観上の欠点と
は認識されておらず、むしろ遠赤外線放射特性の点から
は黒色の色調が有利であると考えられていた。
の使用を目的とした遠赤外線放射部材は、従来一般には
余り人目に触れないかまたは人目に触れたとしても余り
目立たない部分で使用されることがほとんどであったた
め、皮膜の色調などの美観上の点については、従来はさ
ほど問題とされておらず、そのため前記提案の如く陽極
酸化皮膜が黒色の色調を有することは、美観上の欠点と
は認識されておらず、むしろ遠赤外線放射特性の点から
は黒色の色調が有利であると考えられていた。
【0012】しかしながら、最近では一般家庭での食品
の加熱あるいは室内暖房など、遠赤外線放射部材の用途
が拡大するに伴ない、その放射部材の色調としても周囲
の色調と調和した色調が望まれたり、あるいは汚れが付
着した場合にその汚れを判別し易い色調が望まれたりす
るようになり、これらの要求に対しては、前記提案のよ
うな黒色の色調を有する放射部材では満足できないとい
う問題が生じるようになってきた。
の加熱あるいは室内暖房など、遠赤外線放射部材の用途
が拡大するに伴ない、その放射部材の色調としても周囲
の色調と調和した色調が望まれたり、あるいは汚れが付
着した場合にその汚れを判別し易い色調が望まれたりす
るようになり、これらの要求に対しては、前記提案のよ
うな黒色の色調を有する放射部材では満足できないとい
う問題が生じるようになってきた。
【0013】さらに、最近では主として陽極酸化皮膜の
生成のための工程のコストを低減するため、陽極酸化皮
膜を極力薄質化することが望まれており、また陽極酸化
皮膜は硬質で脆いことから、陽極酸化皮膜の厚みが大き
ければ、ドリル加工等の各種機械加工時において皮膜が
割れ易くなるおそれがあり、その意味からも陽極酸化皮
膜が薄質であることが望まれるようになっており、そこ
で10μm程度より薄い陽極酸化皮膜でも充分な放射特
性を満たすようなアルミニウム合金を基材とする放射部
材が望まれているが、前記提案の放射部材は、この点で
も必ずしも充分とは言えないのが実情であった。
生成のための工程のコストを低減するため、陽極酸化皮
膜を極力薄質化することが望まれており、また陽極酸化
皮膜は硬質で脆いことから、陽極酸化皮膜の厚みが大き
ければ、ドリル加工等の各種機械加工時において皮膜が
割れ易くなるおそれがあり、その意味からも陽極酸化皮
膜が薄質であることが望まれるようになっており、そこ
で10μm程度より薄い陽極酸化皮膜でも充分な放射特
性を満たすようなアルミニウム合金を基材とする放射部
材が望まれているが、前記提案の放射部材は、この点で
も必ずしも充分とは言えないのが実情であった。
【0014】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、200℃以上の高温においても陽極酸化皮膜
にクラックが生じにくくかつ3〜7μmの波長域でも遠
赤外線放射特性が優れるばかりでなく、周囲の色調と調
和させやすくしかも衛生的な面からも汚れの付着を判別
し易い色調を有し、かつまた鋳造や押出し、鍛造等の種
々の方法での基材の製造を容易とし、さらには薄い陽極
酸化皮膜でも良好な遠赤外線放射特性が得られるように
した、アルミニウム合金を基材とする遠赤外線放射部材
を提供することを目的とするものである。
たもので、200℃以上の高温においても陽極酸化皮膜
にクラックが生じにくくかつ3〜7μmの波長域でも遠
赤外線放射特性が優れるばかりでなく、周囲の色調と調
和させやすくしかも衛生的な面からも汚れの付着を判別
し易い色調を有し、かつまた鋳造や押出し、鍛造等の種
々の方法での基材の製造を容易とし、さらには薄い陽極
酸化皮膜でも良好な遠赤外線放射特性が得られるように
した、アルミニウム合金を基材とする遠赤外線放射部材
を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は既に特願平
3−155229号において、Al−3〜25%Si系
合金を基材とし、膜厚が10μm以上の黒色の陽極酸化
皮膜が形成された遠赤外線放射部材を提案している。こ
の提案の放射部材の場合、200℃以上の高温でも陽極
酸化皮膜にクラックが生じにくく、かつ3〜7μmの波
長域でも放射特性が優れ、しかも圧延材のみならず、鋳
造材や押出剤、鍛造材などにも容易に適用できる長所を
有する。そこで上記提案の放射部材についてさらに実験
・検討を進めるとともに、前述のような課題を解決する
べく鋭意実験・検討を重ねた結果、上述の特願平3−1
55229号の提案の放射部材で用いているアルミニウ
ム合金を基材として用いた場合、10μm未満の薄質な
陽極酸化皮膜でもかなりの程度に優れた遠赤外線放射特
性を発揮し得ること、また陽極酸化皮膜の厚みを10μ
m未満とすれば、表面の色調として、周囲の色調に調和
させやすくかつ汚れの付着も判別しやすい比較的薄い灰
色の色調が得られ、したがって前述の課題を全て解決し
得ることを見出し、この発明をなすに至ったのである。
3−155229号において、Al−3〜25%Si系
合金を基材とし、膜厚が10μm以上の黒色の陽極酸化
皮膜が形成された遠赤外線放射部材を提案している。こ
の提案の放射部材の場合、200℃以上の高温でも陽極
酸化皮膜にクラックが生じにくく、かつ3〜7μmの波
長域でも放射特性が優れ、しかも圧延材のみならず、鋳
造材や押出剤、鍛造材などにも容易に適用できる長所を
有する。そこで上記提案の放射部材についてさらに実験
・検討を進めるとともに、前述のような課題を解決する
べく鋭意実験・検討を重ねた結果、上述の特願平3−1
55229号の提案の放射部材で用いているアルミニウ
ム合金を基材として用いた場合、10μm未満の薄質な
陽極酸化皮膜でもかなりの程度に優れた遠赤外線放射特
性を発揮し得ること、また陽極酸化皮膜の厚みを10μ
m未満とすれば、表面の色調として、周囲の色調に調和
させやすくかつ汚れの付着も判別しやすい比較的薄い灰
色の色調が得られ、したがって前述の課題を全て解決し
得ることを見出し、この発明をなすに至ったのである。
【0016】すなわち本発明者等は、基材のアルミニウ
ム合金を、相当量のSiを含有する成分系とし、また基
材表面における金属Si粒子の分散状態を適切に調整
し、さらには表面に形成される陽極酸化皮膜の厚みを1
0μm未満とすることによって、前述の課題を解決し得
ることを見出し、この発明をなすに至った。
ム合金を、相当量のSiを含有する成分系とし、また基
材表面における金属Si粒子の分散状態を適切に調整
し、さらには表面に形成される陽極酸化皮膜の厚みを1
0μm未満とすることによって、前述の課題を解決し得
ることを見出し、この発明をなすに至った。
【0017】具体的には、請求項1に記載の発明の遠赤
外線放射体は、Si3〜25wt%を含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなる合金を基材とし、その基
材の表面に膜厚10μm未満の灰色の陽極酸化皮膜が形
成されていることを特徴とするものである。
外線放射体は、Si3〜25wt%を含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなる合金を基材とし、その基
材の表面に膜厚10μm未満の灰色の陽極酸化皮膜が形
成されていることを特徴とするものである。
【0018】また請求項2に記載の発明の遠赤外線放射
体は、Si3〜25wt%を含有し、かつFe0.05〜
2.0wt%、Mg0.05〜2.0wt%、Cu0.05
〜6.0wt%、Mn0.05〜2.0wt%、Ni0.0
5〜3.0wt%、Cr0.05〜0.5wt%、V0.0
5〜0.5wt%、Zr0.05〜0.5wt%、Zn1.
0%を越え7.0wt%以下のうちの1種または2種以上
を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合
金を基材とし、その基材の表面に膜厚10μm未満の灰
色の陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴とするも
のである。
体は、Si3〜25wt%を含有し、かつFe0.05〜
2.0wt%、Mg0.05〜2.0wt%、Cu0.05
〜6.0wt%、Mn0.05〜2.0wt%、Ni0.0
5〜3.0wt%、Cr0.05〜0.5wt%、V0.0
5〜0.5wt%、Zr0.05〜0.5wt%、Zn1.
0%を越え7.0wt%以下のうちの1種または2種以上
を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなる合
金を基材とし、その基材の表面に膜厚10μm未満の灰
色の陽極酸化皮膜が形成されていることを特徴とするも
のである。
【0019】さらに請求項3に記載の発明の遠赤外線放
射体は、基材の合金成分として、請求項1もしくは請求
項2に記載の合金元素のほか、さらにTi0.005〜
0.2wt%を含有するとともに、P0.005〜0.1
wt%、Na0.005〜0.1wt%、Sb0.005〜
0.3wt%、Sr0.005〜0.1wt%のうちの1種
または2種以上を含有することを特徴とするものであ
る。
射体は、基材の合金成分として、請求項1もしくは請求
項2に記載の合金元素のほか、さらにTi0.005〜
0.2wt%を含有するとともに、P0.005〜0.1
wt%、Na0.005〜0.1wt%、Sb0.005〜
0.3wt%、Sr0.005〜0.1wt%のうちの1種
または2種以上を含有することを特徴とするものであ
る。
【0020】そしてまた請求項4に記載の発明の遠赤外
線放射部材は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
遠赤外線放射部材において、前記基材における陽極酸化
皮膜が形成される表面における、初晶Si、共晶Siも
しくは析出Siからなる金属Si粒子のうち粒径0.0
5μm以上の金属Si粒子が存在しない領域に描ける円
の最大直径が50μm以下であり、かつ粒径0.05μ
m以上の金属Si粒子が存在しない領域のうち、直径1
5μmの円を描ける領域の合計面積が、全体の面積に対
し面積率30%以下であることを特徴とするものであ
る。
線放射部材は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
遠赤外線放射部材において、前記基材における陽極酸化
皮膜が形成される表面における、初晶Si、共晶Siも
しくは析出Siからなる金属Si粒子のうち粒径0.0
5μm以上の金属Si粒子が存在しない領域に描ける円
の最大直径が50μm以下であり、かつ粒径0.05μ
m以上の金属Si粒子が存在しない領域のうち、直径1
5μmの円を描ける領域の合計面積が、全体の面積に対
し面積率30%以下であることを特徴とするものであ
る。
【0021】
【作用】この発明の遠赤外線放射体は、基本的には相当
量(3〜25wt%)のSiを含有するAl−Si系のア
ルミニウム合金を基材とし、その表面に厚みが10μm
未満の灰色の陽極酸化皮膜を生成したものである。
量(3〜25wt%)のSiを含有するAl−Si系のア
ルミニウム合金を基材とし、その表面に厚みが10μm
未満の灰色の陽極酸化皮膜を生成したものである。
【0022】このように相当量のSiを含有するアルミ
ニウム合金では、後に改めて説明するように金属Si粒
子がその組織中に分散しており、その基材表面を陽極酸
化処理させれば、陽極酸化皮膜中にも金属Si粒子とし
て取込まれる。そして陽極酸化皮膜中に金属Si粒子が
分散しているため、入射光が散乱吸収されて、遠赤外線
の放射特性が向上する。さらに、陽極酸化処理時におい
て陽極酸化皮膜(多孔質層)が成長する過程では、ポア
は金属Si粒子を避けるようにして成長することから、
皮膜中のポアは枝分かれした構造となり、このような枝
分かれポア構造によって入射光に対する陽極酸化皮膜内
での散乱吸収が良好となり、遠赤外線の放射特性が一層
向上する。そしてこのように遠赤外線放射特性が著しく
向上されているところから、厚みが10μm未満と比較
的薄い陽極酸化皮膜でも実用上支障ない程度の良好な遠
赤外線放射性能を示すことができる。
ニウム合金では、後に改めて説明するように金属Si粒
子がその組織中に分散しており、その基材表面を陽極酸
化処理させれば、陽極酸化皮膜中にも金属Si粒子とし
て取込まれる。そして陽極酸化皮膜中に金属Si粒子が
分散しているため、入射光が散乱吸収されて、遠赤外線
の放射特性が向上する。さらに、陽極酸化処理時におい
て陽極酸化皮膜(多孔質層)が成長する過程では、ポア
は金属Si粒子を避けるようにして成長することから、
皮膜中のポアは枝分かれした構造となり、このような枝
分かれポア構造によって入射光に対する陽極酸化皮膜内
での散乱吸収が良好となり、遠赤外線の放射特性が一層
向上する。そしてこのように遠赤外線放射特性が著しく
向上されているところから、厚みが10μm未満と比較
的薄い陽極酸化皮膜でも実用上支障ない程度の良好な遠
赤外線放射性能を示すことができる。
【0023】また、上述のように陽極酸化皮膜の厚みが
10μm未満と比較的薄いため、皮膜の外観の色調も、
黒色よりは淡い灰色から白色に近いものとなる。また硬
質な陽極酸化皮膜の厚みが薄いため、ドリル加工等の機
械加工を行なっても皮膜に割れが生じるおそれは少な
い。
10μm未満と比較的薄いため、皮膜の外観の色調も、
黒色よりは淡い灰色から白色に近いものとなる。また硬
質な陽極酸化皮膜の厚みが薄いため、ドリル加工等の機
械加工を行なっても皮膜に割れが生じるおそれは少な
い。
【0024】さらに、陽極酸化皮膜中に分散して存在す
る金属Si粒子は応力の緩和点としても機能し、また前
述のようなポアの枝分かれ構造は歪の吸収能力が高く、
そのため熱衝撃によりクラックが生じにくいとともに、
仮にクラックが発生してもその伝播が阻止される。
る金属Si粒子は応力の緩和点としても機能し、また前
述のようなポアの枝分かれ構造は歪の吸収能力が高く、
そのため熱衝撃によりクラックが生じにくいとともに、
仮にクラックが発生してもその伝播が阻止される。
【0025】ここで、この発明の遠赤外線放射体の基材
アルミニウム合金における成分組成の限定理由について
述べる。
アルミニウム合金における成分組成の限定理由について
述べる。
【0026】Si:Siはこの発明において基本的に重
要な合金成分である。Siは鋳造時にその添加量に応じ
て初晶Si、共晶Siとして晶出し、またこれらの晶出
Siは必要に応じて行なわれる熱処理や塑性加工によっ
てその形状が変化する。また必要に応じて熱処理された
場合、Alマトリックス中からも金属Siが析出する。
これらの初晶Si、共晶Si、析出Siは、前述のよう
に陽極酸化処理時に金属Si粒子として陽極酸化皮膜中
に取込まれ、入射光に対する散乱、吸収を通じて遠赤外
線放射特性の向上に寄与するとともに、クラックの発生
防止に寄与する。さらに金属Si粒子は、前述のように
皮膜内のポアを枝分かれ構造とすることに寄与し、これ
によっても遠赤外線放射特性の向上とクラック発生防止
に寄与する。基材アルミニウム合金のSi量が3wt%未
満では、金属Si粒子の数が少なく、遠赤外線の放射が
不充分となる。一方Si量が25wt%を越えれれば、陽
極酸化皮膜中の金属Si粒子の体積率が大き過ぎて陽極
酸化皮膜の強度、耐食性が低下してしまう。したがって
Si量は3〜25wt%の範囲内とした。なお基材の製造
にダイカスト鋳造を適用する場合は、Si量が15wt%
を越える場合には鋳造性が低下するから、15wt%以下
とすることが好ましい。またDC鋳造法(半連続鋳造
法)を適用しかつ圧延に供する場合も、Si量が15wt
%を越えれば圧延割れが生じやすくなって製造が困難と
なるから、15wt%以下とすることが好ましい。一般的
には、Si量が15wt%を越える場合は粉末冶金法を適
用することが好ましい。
要な合金成分である。Siは鋳造時にその添加量に応じ
て初晶Si、共晶Siとして晶出し、またこれらの晶出
Siは必要に応じて行なわれる熱処理や塑性加工によっ
てその形状が変化する。また必要に応じて熱処理された
場合、Alマトリックス中からも金属Siが析出する。
これらの初晶Si、共晶Si、析出Siは、前述のよう
に陽極酸化処理時に金属Si粒子として陽極酸化皮膜中
に取込まれ、入射光に対する散乱、吸収を通じて遠赤外
線放射特性の向上に寄与するとともに、クラックの発生
防止に寄与する。さらに金属Si粒子は、前述のように
皮膜内のポアを枝分かれ構造とすることに寄与し、これ
によっても遠赤外線放射特性の向上とクラック発生防止
に寄与する。基材アルミニウム合金のSi量が3wt%未
満では、金属Si粒子の数が少なく、遠赤外線の放射が
不充分となる。一方Si量が25wt%を越えれれば、陽
極酸化皮膜中の金属Si粒子の体積率が大き過ぎて陽極
酸化皮膜の強度、耐食性が低下してしまう。したがって
Si量は3〜25wt%の範囲内とした。なお基材の製造
にダイカスト鋳造を適用する場合は、Si量が15wt%
を越える場合には鋳造性が低下するから、15wt%以下
とすることが好ましい。またDC鋳造法(半連続鋳造
法)を適用しかつ圧延に供する場合も、Si量が15wt
%を越えれば圧延割れが生じやすくなって製造が困難と
なるから、15wt%以下とすることが好ましい。一般的
には、Si量が15wt%を越える場合は粉末冶金法を適
用することが好ましい。
【0027】基材のアルミニウム合金の成分元素として
は、上記のSiのほかは、基本的にはAlおよび不可避
的不純物とすれば良い。すなわち、Al,Si以外の元
素は不可避的不純物扱いとして、請求項2、請求項3で
規定する下限値未満としても、この発明の所期の目的は
達成することができる。
は、上記のSiのほかは、基本的にはAlおよび不可避
的不純物とすれば良い。すなわち、Al,Si以外の元
素は不可避的不純物扱いとして、請求項2、請求項3で
規定する下限値未満としても、この発明の所期の目的は
達成することができる。
【0028】但し、請求項2で規定しているように、強
度向上のためにFe,Mg,Cu,Mn,Ni,Cr,
V,Zr,Znのうちの1種または2種以上を含有して
いても良い。これらの添加理由は次の通りである。
度向上のためにFe,Mg,Cu,Mn,Ni,Cr,
V,Zr,Znのうちの1種または2種以上を含有して
いても良い。これらの添加理由は次の通りである。
【0029】Fe:Feは強度向上および結晶粒微細化
のために有効である。Fe量が0.05wt%未満ではそ
の効果が得られず、2.0wt%を越えれば陽極酸化皮膜
の強度と耐食性が低下する。またFe量が2.0wt%を
越えれば、SiがFeと化合してAl−Fe−Si系の
金属間化合物の量が増加し、遠赤外線放射特性が低下す
る。したがってFeを添加する場合のFe量は0.05
〜2.0wt%の範囲とする。なおダイカスト鋳造を適用
する場合は、Fe量が0.2wt%以上であることが好ま
しい。すなわちFe量が0.2wt%未満では焼付きが生
じやすくなってダイカスト鋳造が困難となることがある
からである。
のために有効である。Fe量が0.05wt%未満ではそ
の効果が得られず、2.0wt%を越えれば陽極酸化皮膜
の強度と耐食性が低下する。またFe量が2.0wt%を
越えれば、SiがFeと化合してAl−Fe−Si系の
金属間化合物の量が増加し、遠赤外線放射特性が低下す
る。したがってFeを添加する場合のFe量は0.05
〜2.0wt%の範囲とする。なおダイカスト鋳造を適用
する場合は、Fe量が0.2wt%以上であることが好ま
しい。すなわちFe量が0.2wt%未満では焼付きが生
じやすくなってダイカスト鋳造が困難となることがある
からである。
【0030】Mg:Mgも強度向上に寄与する。Mg量
が0.05wt%未満ではその効果が得られず、一方2.
0wt%を越えればMgとSiとが結合してMg2 Siの
生成量が増加し、遠赤外線放射特性が低下する。またM
g量が2.0wt%を越えれば鋳造性、塑性加工性も低下
する。したがってMgを添加する場合のMg量は0.0
5〜2.0wt%の範囲内とする。
が0.05wt%未満ではその効果が得られず、一方2.
0wt%を越えればMgとSiとが結合してMg2 Siの
生成量が増加し、遠赤外線放射特性が低下する。またM
g量が2.0wt%を越えれば鋳造性、塑性加工性も低下
する。したがってMgを添加する場合のMg量は0.0
5〜2.0wt%の範囲内とする。
【0031】Cu:Cuの添加も強度向上に寄与する。
Cu量が0.05wt%未満ではその効果が得られず、一
方6.0wt%を越えれば鋳造性、塑性加工性、耐食性が
低下する。したがってCuを添加する場合のCu量は
0.05〜6.0wt%の範囲内とした。
Cu量が0.05wt%未満ではその効果が得られず、一
方6.0wt%を越えれば鋳造性、塑性加工性、耐食性が
低下する。したがってCuを添加する場合のCu量は
0.05〜6.0wt%の範囲内とした。
【0032】Mn:Mnは強度向上に寄与するととも
に、結晶粒微細化、耐熱性向上に寄与する。Mn量が
0.05wt%未満ではこれらの効果が得られず、一方
2.0wt%を越えればMnがSiと結合してAl−Mn
−Si系の金属間化合物の生成量が増加し、遠赤外線放
射特性が低下する。またMn量が2.0wt%を越えれば
鋳造も困難となる。したがってMnを添加する場合のM
n量は0.05〜2.0wt%の範囲内とした。
に、結晶粒微細化、耐熱性向上に寄与する。Mn量が
0.05wt%未満ではこれらの効果が得られず、一方
2.0wt%を越えればMnがSiと結合してAl−Mn
−Si系の金属間化合物の生成量が増加し、遠赤外線放
射特性が低下する。またMn量が2.0wt%を越えれば
鋳造も困難となる。したがってMnを添加する場合のM
n量は0.05〜2.0wt%の範囲内とした。
【0033】Ni:Niも強度向上に寄与するととも
に、耐熱性向上に寄与する。Ni量が0.05wt%未満
ではこれらの効果が得られず、一方3.0wt%を越えれ
ば鋳造が困難となる。したがってNiを添加する場合の
Ni量は0.05〜3.0wt%の範囲内とした。
に、耐熱性向上に寄与する。Ni量が0.05wt%未満
ではこれらの効果が得られず、一方3.0wt%を越えれ
ば鋳造が困難となる。したがってNiを添加する場合の
Ni量は0.05〜3.0wt%の範囲内とした。
【0034】Cr,Zr,V:これらの元素は、強度向
上に寄与するとともに、結晶粒微細化に寄与する。いず
れも0.05wt%未満ではその効果が得られず、一方
0.5wt%を越えれば粗大な金属間化合物が生成されて
かえって強度を低下させる。したがってCr,Zr,V
の1種または2種以上を添加する場合の添加量は、いず
れも単独量で0.05〜0.5wt%の範囲内とする。な
おスラブ、ビレットなどの圧延や押出、あるいは鍛造を
適用する場合は、これらの元素の単独添加量が0.3wt
%を越えれば塑性加工性が低下して製造が困難となるか
ら、単独添加量で0.3wt%以下とすることが好まし
い。
上に寄与するとともに、結晶粒微細化に寄与する。いず
れも0.05wt%未満ではその効果が得られず、一方
0.5wt%を越えれば粗大な金属間化合物が生成されて
かえって強度を低下させる。したがってCr,Zr,V
の1種または2種以上を添加する場合の添加量は、いず
れも単独量で0.05〜0.5wt%の範囲内とする。な
おスラブ、ビレットなどの圧延や押出、あるいは鍛造を
適用する場合は、これらの元素の単独添加量が0.3wt
%を越えれば塑性加工性が低下して製造が困難となるか
ら、単独添加量で0.3wt%以下とすることが好まし
い。
【0035】Zn:Znは溶解原材料にスクラップを使
用した場合に必然的に混入する元素であるが、1wt%を
越えて積極的に含有させた場合、強度向上に寄与する。
Znが1.0wt%以下ではその効果が得られず、一方
7.0wt%を越えれば鋳造性が低下する。したがってZ
nを積極的に含有させる場合のZn量は1.0wt%を越
え7.0wt%以下とした。
用した場合に必然的に混入する元素であるが、1wt%を
越えて積極的に含有させた場合、強度向上に寄与する。
Znが1.0wt%以下ではその効果が得られず、一方
7.0wt%を越えれば鋳造性が低下する。したがってZ
nを積極的に含有させる場合のZn量は1.0wt%を越
え7.0wt%以下とした。
【0036】さらに、この発明の放射体の基材アルミニ
ウム合金としては、組織微細化のために、請求項3で規
定しているように、Tiと、P,Na,Sb,Srのう
ちの1種または2種以上を含有していても良い。これら
の成分限定理由は次の通りである。
ウム合金としては、組織微細化のために、請求項3で規
定しているように、Tiと、P,Na,Sb,Srのう
ちの1種または2種以上を含有していても良い。これら
の成分限定理由は次の通りである。
【0037】Ti:Tiは鋳塊結晶粒の微細化を通じて
組織の微細化に寄与する。Ti量が0.005wt%未満
ではその効果が得られず、一方0.2wt%を越えれば粗
大な金属間化合物が生成されて好ましくない。したがっ
てTiを添加する場合のTi量は0.005〜0.2wt
%の範囲内とした。なお鋳塊結晶粒微細化のためには、
TiとともにBを共存させることが効果的である。この
場合B量が1ppm 未満ではその効果が得られず、一方1
00ppm を越えればその効果が飽和するから、Tiと併
せてBを添加する場合のB量は1〜100ppm の範囲内
とすることが好ましい。
組織の微細化に寄与する。Ti量が0.005wt%未満
ではその効果が得られず、一方0.2wt%を越えれば粗
大な金属間化合物が生成されて好ましくない。したがっ
てTiを添加する場合のTi量は0.005〜0.2wt
%の範囲内とした。なお鋳塊結晶粒微細化のためには、
TiとともにBを共存させることが効果的である。この
場合B量が1ppm 未満ではその効果が得られず、一方1
00ppm を越えればその効果が飽和するから、Tiと併
せてBを添加する場合のB量は1〜100ppm の範囲内
とすることが好ましい。
【0038】P:Pは初晶Siの微細化に寄与する。し
たがってPの添加は初晶Siが晶出するような約10wt
%以上のSiを含有する合金の場合に効果的である。P
量が0.005wt%未満では初晶Siの微細化の効果が
得られず、一方P量が0.1wt%を越えればその効果が
飽和する。したがってPを添加する場合のP量は0.0
05〜0.1wt%の範囲内とした。
たがってPの添加は初晶Siが晶出するような約10wt
%以上のSiを含有する合金の場合に効果的である。P
量が0.005wt%未満では初晶Siの微細化の効果が
得られず、一方P量が0.1wt%を越えればその効果が
飽和する。したがってPを添加する場合のP量は0.0
05〜0.1wt%の範囲内とした。
【0039】Na,Sb,Sr:これらの元素は共晶S
iの微細化に寄与する。いずれも0.005wt%未満で
はその効果が得られず、一方Na,Srは0.1wt%を
越えればその効果が飽和し、またSbは0.3wt%を越
えればその効果が飽和する。したがってNaを添加する
場合のNa量は0.005〜0.1wt%、Sbを添加す
る場合のSb量は0.005〜0.3wt%、Srを添加
する場合のSr量は0.005〜0.1wt%の範囲内と
した。なおNb,Sb,SrがPと共存した場合には、
Pによる初晶Siの微細化効果が失われてしまうから、
Pとは共存させないことが望ましい。
iの微細化に寄与する。いずれも0.005wt%未満で
はその効果が得られず、一方Na,Srは0.1wt%を
越えればその効果が飽和し、またSbは0.3wt%を越
えればその効果が飽和する。したがってNaを添加する
場合のNa量は0.005〜0.1wt%、Sbを添加す
る場合のSb量は0.005〜0.3wt%、Srを添加
する場合のSr量は0.005〜0.1wt%の範囲内と
した。なおNb,Sb,SrがPと共存した場合には、
Pによる初晶Siの微細化効果が失われてしまうから、
Pとは共存させないことが望ましい。
【0040】以上の各元素のほか、溶解時の酸化防止の
ためにBeを1〜100ppm 程度添加することは特に支
障はない。またその他の元素も、合計で1wt%以下程度
の微量であれば特に遠赤外線放射特性に悪影響を及ぼす
ことはない。
ためにBeを1〜100ppm 程度添加することは特に支
障はない。またその他の元素も、合計で1wt%以下程度
の微量であれば特に遠赤外線放射特性に悪影響を及ぼす
ことはない。
【0041】次にこの発明の遠赤外線放射体の基材アル
ミニウム合金の組織状態、特に金属Si粒子の分散状態
について説明する。
ミニウム合金の組織状態、特に金属Si粒子の分散状態
について説明する。
【0042】既に述べたように、相当量のSiを含有す
る系のアルミニウム合金では、鋳造時にその添加量に応
じて初晶Si、共晶Siとして晶出する。そして鋳造後
に熱処理された場合には、Alマトリックス中からも金
属Siが析出する。これらの晶出Si(初晶Si、共晶
Si)や析出Siは、陽極酸化処理後においてもそのま
ま金属Si粒子として皮膜中に残存する。そしてこの陽
極酸化皮膜中の金属Si粒子は、赤外線放射特性や陽極
酸化皮膜の耐クラック性に大きな影響を与える。
る系のアルミニウム合金では、鋳造時にその添加量に応
じて初晶Si、共晶Siとして晶出する。そして鋳造後
に熱処理された場合には、Alマトリックス中からも金
属Siが析出する。これらの晶出Si(初晶Si、共晶
Si)や析出Siは、陽極酸化処理後においてもそのま
ま金属Si粒子として皮膜中に残存する。そしてこの陽
極酸化皮膜中の金属Si粒子は、赤外線放射特性や陽極
酸化皮膜の耐クラック性に大きな影響を与える。
【0043】すなわち、陽極酸化皮膜中に金属Si粒子
が分散するため、入射光が散乱、吸収されて、遠赤外線
の放射特性が向上する。さらに陽極酸化処理時における
ポアの成長過程で、ポアが金属Si粒子を避けるように
して成長するため、ポアが枝分かれ構造となり、そのた
め入射光に対する陽極酸化皮膜中での散乱、吸収が助長
され、遠赤外線放射特性が一層向上する。
が分散するため、入射光が散乱、吸収されて、遠赤外線
の放射特性が向上する。さらに陽極酸化処理時における
ポアの成長過程で、ポアが金属Si粒子を避けるように
して成長するため、ポアが枝分かれ構造となり、そのた
め入射光に対する陽極酸化皮膜中での散乱、吸収が助長
され、遠赤外線放射特性が一層向上する。
【0044】一方、陽極酸化皮膜中の金属Si粒子は応
力の緩和点として機能し、またポアの枝分かれ構造は歪
の吸収能が高く、したがってクラックが生じにくくなる
とともに、仮にクラックが発生してもその伝播が阻止さ
れる。
力の緩和点として機能し、またポアの枝分かれ構造は歪
の吸収能が高く、したがってクラックが生じにくくなる
とともに、仮にクラックが発生してもその伝播が阻止さ
れる。
【0045】ここで、良好な遠赤外線の放射特性を得る
ためには、金属Si粒子のサイズ(粒径)と分布が重要
である。すなわち、先ず金属Si粒子の径が0.05μ
m未満の場合には、遠赤外線の散乱吸収が不充分であっ
て、良好な放射特性が得られなくなる。したがってこの
発明の所期の目的を達成するためには、粒径が0.05
μm以上の金属Si粒子が存在することが必須であり、
その0.05μm以上の金属Si粒子の分布状態を適切
に制御する必要がある。
ためには、金属Si粒子のサイズ(粒径)と分布が重要
である。すなわち、先ず金属Si粒子の径が0.05μ
m未満の場合には、遠赤外線の散乱吸収が不充分であっ
て、良好な放射特性が得られなくなる。したがってこの
発明の所期の目的を達成するためには、粒径が0.05
μm以上の金属Si粒子が存在することが必須であり、
その0.05μm以上の金属Si粒子の分布状態を適切
に制御する必要がある。
【0046】金属Si粒子が全く存在しないか、または
存在しても粒径が0.05μm未満の金属Si粒子しか
存在しない領域は、遠赤外線の吸収が劣る領域である。
したがってそのような領域がある程度以上存在すれば、
全体として遠赤外線放射特性が悪くなる。またこのよう
な領域は、応力を緩和するポイントが皆無であるかまた
は少ないため、その領域の陽極酸化皮膜はクラックが生
じやすくなる。そこでこの発明では、金属Si粒子が存
在しないかまたは存在しても0.05μm未満の粒子の
みであるような領域(以下これを便宜上、「無粒子領
域」と記す)を、次の2条件によって規制する。 (A)無粒子領域に描ける円の最大直径が50μm以下
であること。 (B)無粒子領域のうち、直径15μmの円を描ける領
域の合計面積が、全体に対し面積率で30%以下である
こと。
存在しても粒径が0.05μm未満の金属Si粒子しか
存在しない領域は、遠赤外線の吸収が劣る領域である。
したがってそのような領域がある程度以上存在すれば、
全体として遠赤外線放射特性が悪くなる。またこのよう
な領域は、応力を緩和するポイントが皆無であるかまた
は少ないため、その領域の陽極酸化皮膜はクラックが生
じやすくなる。そこでこの発明では、金属Si粒子が存
在しないかまたは存在しても0.05μm未満の粒子の
みであるような領域(以下これを便宜上、「無粒子領
域」と記す)を、次の2条件によって規制する。 (A)無粒子領域に描ける円の最大直径が50μm以下
であること。 (B)無粒子領域のうち、直径15μmの円を描ける領
域の合計面積が、全体に対し面積率で30%以下である
こと。
【0047】ここで(A)の条件は、個々の無粒子領域
の広さが小さいことを意味し、また(B)の条件はある
程度以上の広さの無粒子領域の合計面積が少ないことを
意味するが、さらに(A),(B)の条件を図面を参照
して具体的に説明する。
の広さが小さいことを意味し、また(B)の条件はある
程度以上の広さの無粒子領域の合計面積が少ないことを
意味するが、さらに(A),(B)の条件を図面を参照
して具体的に説明する。
【0048】アルミニウム合金の鋳塊組織は、一般に図
1に示すようにデンドライト構造となっており、デンド
ライト部分(樹枝状部分)はα固溶体(1)となってい
る。そしてα固溶体(1)からなるデンドライト部分の
周囲は、共晶領域(2)、すなわちα相と金属Siとが
交互に共存する領域となっている。したがってこの場合
は、デンドライトのα固溶体(1)の領域が、無粒子領
域であると言える。
1に示すようにデンドライト構造となっており、デンド
ライト部分(樹枝状部分)はα固溶体(1)となってい
る。そしてα固溶体(1)からなるデンドライト部分の
周囲は、共晶領域(2)、すなわちα相と金属Siとが
交互に共存する領域となっている。したがってこの場合
は、デンドライトのα固溶体(1)の領域が、無粒子領
域であると言える。
【0049】また一般に過共晶のAl−Si合金では、
初晶Siが晶出し、鋳塊組織では、図2に示すように初
晶Si(3)の周辺がα固溶体(1)となることが多
い。この場合は初晶Si(3)の周辺のα固溶体(1)
の部分が無粒子領域と言うことができる。
初晶Siが晶出し、鋳塊組織では、図2に示すように初
晶Si(3)の周辺がα固溶体(1)となることが多
い。この場合は初晶Si(3)の周辺のα固溶体(1)
の部分が無粒子領域と言うことができる。
【0050】さらに、鋳造時の冷却速度が遅い徐冷組織
の場合には、図3に示すように共晶組織中のSi(4)
が粗大で不規則針状となり、デンドライトの境界が不鮮
明となることがある。この場合には共晶組織中のSi
(4)の相互間の部分すべてを無粒子領域と見なければ
ならないこともある。
の場合には、図3に示すように共晶組織中のSi(4)
が粗大で不規則針状となり、デンドライトの境界が不鮮
明となることがある。この場合には共晶組織中のSi
(4)の相互間の部分すべてを無粒子領域と見なければ
ならないこともある。
【0051】一方、鋳造後に熱処理を行なう場合には、
例えば図4に示すようにデンドライトのα固溶体中に金
属Si粒子が析出し、したがってもとのデンドライトの
部分(1′)も無粒子領域ではなくなることが多い。
例えば図4に示すようにデンドライトのα固溶体中に金
属Si粒子が析出し、したがってもとのデンドライトの
部分(1′)も無粒子領域ではなくなることが多い。
【0052】また、鋳塊に対して押出しや鍛造、圧延等
の塑性加工を行なった場合には、例えば図5に示すよう
に、鋳塊段階でデンドライトの無粒子領域であった部分
(1)の形状、寸法が変化する。
の塑性加工を行なった場合には、例えば図5に示すよう
に、鋳塊段階でデンドライトの無粒子領域であった部分
(1)の形状、寸法が変化する。
【0053】この発明では、以上のようなすべての場合
に共通して無粒子領域の広さや面積率を規定できるよう
に前記(A),(B)の条件を適用している。
に共通して無粒子領域の広さや面積率を規定できるよう
に前記(A),(B)の条件を適用している。
【0054】ここで、前記(A)の条件に関して、図
1、図3、図5(但し図5の右側)の各組織に対し、そ
の無粒子領域に最も大径の円(5)を描いてみた様子
を、図6,図7、図8に示す。(A)の条件は、要はこ
れらの最大円(5)が50μm以下であれば良いことを
意味する。
1、図3、図5(但し図5の右側)の各組織に対し、そ
の無粒子領域に最も大径の円(5)を描いてみた様子
を、図6,図7、図8に示す。(A)の条件は、要はこ
れらの最大円(5)が50μm以下であれば良いことを
意味する。
【0055】また前記(B)の条件に関して、同じく図
1、図3、図5(但し図5の右側)の各組織に対し、そ
の無粒子領域に直径15μmの円(6)を描ける限りに
描いた様子を、図9、図10、図11に示す。これらの
図において、太い実線(7)は直径15μmの円が描け
る領域の外周線を示す。前記(B)の条件は、この外周
線(7)に囲まれる領域の面積が、全体の面積の30%
以下であれば良いことを意味する。
1、図3、図5(但し図5の右側)の各組織に対し、そ
の無粒子領域に直径15μmの円(6)を描ける限りに
描いた様子を、図9、図10、図11に示す。これらの
図において、太い実線(7)は直径15μmの円が描け
る領域の外周線を示す。前記(B)の条件は、この外周
線(7)に囲まれる領域の面積が、全体の面積の30%
以下であれば良いことを意味する。
【0056】前記(A)の条件を満たさない場合、すな
わち直径50μmより大きい無粒子領域がある場合に
は、陽極酸化皮膜にクラックが生じやすくなり、遠赤外
線放射特性も悪くなる。一方、前記(B)の条件を満た
さない場合、すなわち直径15μm以上の無粒子領域の
総和が全面積に対し30%を越える場合には、皮膜中の
遠赤外線吸収領域が減少し、遠赤外線放射特性が悪くな
る。なお直径15μm未満の小さな円しか描けないよう
な領域であれば、その面積の総和が全体の30%を越え
ても陽極酸化皮膜の耐クラック性は特に阻害されず、ま
た良好な遠赤外線放射特性が得られる。
わち直径50μmより大きい無粒子領域がある場合に
は、陽極酸化皮膜にクラックが生じやすくなり、遠赤外
線放射特性も悪くなる。一方、前記(B)の条件を満た
さない場合、すなわち直径15μm以上の無粒子領域の
総和が全面積に対し30%を越える場合には、皮膜中の
遠赤外線吸収領域が減少し、遠赤外線放射特性が悪くな
る。なお直径15μm未満の小さな円しか描けないよう
な領域であれば、その面積の総和が全体の30%を越え
ても陽極酸化皮膜の耐クラック性は特に阻害されず、ま
た良好な遠赤外線放射特性が得られる。
【0057】なお前記(A)の条件では、無粒子領域に
描ける円の最大径を50μm以下と規定しているが、よ
り一層優れた遠赤外線放射特性を確実に得るためには、
無粒子領域に描ける円の最大径を30μm以下とするこ
とが好ましい。
描ける円の最大径を50μm以下と規定しているが、よ
り一層優れた遠赤外線放射特性を確実に得るためには、
無粒子領域に描ける円の最大径を30μm以下とするこ
とが好ましい。
【0058】以上のような前記(A),(B)の条件に
ついて、合金の製造工程と関連してさらに詳細に述べ
る。
ついて、合金の製造工程と関連してさらに詳細に述べ
る。
【0059】この発明で規定する成分範囲の合金を鋳造
すれば、鋳造のままでは一般に共晶のSi(および初晶
のSi)が、初晶のAl−αデンドライトとともに晶出
する。このデンドライトの枝は、鋳造のままでは固溶体
になっており、この部分には金属Siは存在しない。
すれば、鋳造のままでは一般に共晶のSi(および初晶
のSi)が、初晶のAl−αデンドライトとともに晶出
する。このデンドライトの枝は、鋳造のままでは固溶体
になっており、この部分には金属Siは存在しない。
【0060】αデンドライトの太さは、鋳造時の冷却速
度に影響され、冷却速度が遅ければ、枝と枝の間隔が拡
大し、枝の太さも太くなる。冷却速度が速ければデンド
ライトの間隔は狭くなり、枝の太さも小さくなる。した
がって砂型鋳造のように比較的鋳造速度が遅い場合に
は、デンドライトの幹の太さが50μm以上になりやす
く、また直径15μm以上の円の描ける領域の面積も増
加するため、鋳造のままでは、金属Siの分布が前記
(A),(B)の条件を満たさない場合が多い。逆にダ
イカスト鋳造やロールキャスターの如く冷却速度の速い
鋳造の場合には、デンドライト間隔も密となり、デンド
ライトの幹の太さも小さくなる。このため、前述の
(A),(B)の条件を鋳造のままで満たすことが多
く、この場合には、鋳造のままで良好な遠赤外線放射特
性を得ることかできる。
度に影響され、冷却速度が遅ければ、枝と枝の間隔が拡
大し、枝の太さも太くなる。冷却速度が速ければデンド
ライトの間隔は狭くなり、枝の太さも小さくなる。した
がって砂型鋳造のように比較的鋳造速度が遅い場合に
は、デンドライトの幹の太さが50μm以上になりやす
く、また直径15μm以上の円の描ける領域の面積も増
加するため、鋳造のままでは、金属Siの分布が前記
(A),(B)の条件を満たさない場合が多い。逆にダ
イカスト鋳造やロールキャスターの如く冷却速度の速い
鋳造の場合には、デンドライト間隔も密となり、デンド
ライトの幹の太さも小さくなる。このため、前述の
(A),(B)の条件を鋳造のままで満たすことが多
く、この場合には、鋳造のままで良好な遠赤外線放射特
性を得ることかできる。
【0061】前述のように鋳造段階ではデンドライトが
粗く、(A),(B)の条件を満たす組織が得られない
場合には、鋳塊を加熱して、デンドライト中に金属Si
を析出させればよい。析出Si粒子は、鋳造の際の晶出
Si粒子のサイズと比べれば小さいのが一般的である
が、温度条件を適切に選択すれば、0.05μm以上の
Si粒子がデンドライトのα相中に析出する。このよう
に、鋳造段階ではデンドライト組織が粗く、無粒子領域
が広い場合であっても、析出処理を施すことにより前記
(A),(B)の条件を満たす組織とし、それによって
遠赤外線放射特性を向上させることが可能である。なお
この場合の析出処理の温度は、合金の成分によっても異
なるが、300℃から550℃程度が通常であり、時間
も0.5時間から24時間程度が通常である。300℃
未満では、析出Si粒子のサイズが小さく、0.05μ
m未満になりやすい。また550℃を越えれば、局部溶
融が生じたり、Siの析出量が少なくなって、鋳塊の組
織によっては直径15μm以上の円の描ける領域の面積
の比率が30%を越えてしまうことがある。析出処理の
時間は0.5時間未満では効果がなく、24時間を越え
ることは経済的に無駄である。
粗く、(A),(B)の条件を満たす組織が得られない
場合には、鋳塊を加熱して、デンドライト中に金属Si
を析出させればよい。析出Si粒子は、鋳造の際の晶出
Si粒子のサイズと比べれば小さいのが一般的である
が、温度条件を適切に選択すれば、0.05μm以上の
Si粒子がデンドライトのα相中に析出する。このよう
に、鋳造段階ではデンドライト組織が粗く、無粒子領域
が広い場合であっても、析出処理を施すことにより前記
(A),(B)の条件を満たす組織とし、それによって
遠赤外線放射特性を向上させることが可能である。なお
この場合の析出処理の温度は、合金の成分によっても異
なるが、300℃から550℃程度が通常であり、時間
も0.5時間から24時間程度が通常である。300℃
未満では、析出Si粒子のサイズが小さく、0.05μ
m未満になりやすい。また550℃を越えれば、局部溶
融が生じたり、Siの析出量が少なくなって、鋳塊の組
織によっては直径15μm以上の円の描ける領域の面積
の比率が30%を越えてしまうことがある。析出処理の
時間は0.5時間未満では効果がなく、24時間を越え
ることは経済的に無駄である。
【0062】熱間鍛造、熱間押出、熱間圧延等の熱間加
工を行なう場合には、デンドライトの組織の如何にかか
わらず、熱間加工前に鋳塊の加熱を行なう必要があり、
そこでこの熱間加工前の加熱処理を前述の析出処理と兼
ねさせることができる。もちろん熱間加工前の加熱処理
の前、あるいは熱間加工後、さらにはその後の冷間加工
の中途あるいは熱間加工後などのいずれの時点において
も、前述のようなサイズのSiが析出されるような加熱
処理を、単独で、あるいは焼鈍と兼ねて施すことができ
る。なお熱間圧延を行なう場合は、熱間圧延中に割れが
発生しないように注意する必要がある。Si量が15wt
%を越える場合には熱間圧延時に割れが生じやすくな
る。これに対し、熱間押出、熱間鍛造、あるいは粉末冶
金の場合には、よりSi量が多いAl−Si合金の加工
も可能となるが、この場合も割れが生じないようになる
べく初晶Siを微細にすることが望ましい。
工を行なう場合には、デンドライトの組織の如何にかか
わらず、熱間加工前に鋳塊の加熱を行なう必要があり、
そこでこの熱間加工前の加熱処理を前述の析出処理と兼
ねさせることができる。もちろん熱間加工前の加熱処理
の前、あるいは熱間加工後、さらにはその後の冷間加工
の中途あるいは熱間加工後などのいずれの時点において
も、前述のようなサイズのSiが析出されるような加熱
処理を、単独で、あるいは焼鈍と兼ねて施すことができ
る。なお熱間圧延を行なう場合は、熱間圧延中に割れが
発生しないように注意する必要がある。Si量が15wt
%を越える場合には熱間圧延時に割れが生じやすくな
る。これに対し、熱間押出、熱間鍛造、あるいは粉末冶
金の場合には、よりSi量が多いAl−Si合金の加工
も可能となるが、この場合も割れが生じないようになる
べく初晶Siを微細にすることが望ましい。
【0063】鋳造材に対しては冷間鍛造や冷間圧延など
を直接行なうこともある。一般に連続鋳造圧延板は、冷
却ロール間で連続的に5〜20mmの薄板が鋳造されて引
続きそのまま冷間圧延もしくは熱間圧延に供されるが、
通常は直接冷間圧延に供することが多い。このような連
続鋳造圧延の場合は、冷却速度が著しく高いため、組織
が微細となるから、そのままで前記(A),(B)の条
件を満たすことが多い。すなわち連続鋳造圧延のまま、
もしくは冷間圧延のままで優れた遠赤外線放射特性を示
す。但し、冷間圧延を行なう場合は、冷間圧延性の観点
から、Si量を15wt%以下とすることが好ましい。S
i量が15wt%を越えれば鋳造性が悪くなるに加え、冷
間圧延性も悪くなり、冷間加工も困難となる。
を直接行なうこともある。一般に連続鋳造圧延板は、冷
却ロール間で連続的に5〜20mmの薄板が鋳造されて引
続きそのまま冷間圧延もしくは熱間圧延に供されるが、
通常は直接冷間圧延に供することが多い。このような連
続鋳造圧延の場合は、冷却速度が著しく高いため、組織
が微細となるから、そのままで前記(A),(B)の条
件を満たすことが多い。すなわち連続鋳造圧延のまま、
もしくは冷間圧延のままで優れた遠赤外線放射特性を示
す。但し、冷間圧延を行なう場合は、冷間圧延性の観点
から、Si量を15wt%以下とすることが好ましい。S
i量が15wt%を越えれば鋳造性が悪くなるに加え、冷
間圧延性も悪くなり、冷間加工も困難となる。
【0064】一方半径100mm以下のビレットに鋳造さ
れた鋳造材は、直接冷間鍛造に供されることもある。冷
間鍛造でも割れが発生しやすいから、鋳造組織を微細化
しておくこと、特に初晶Si及びDAS(デンドライト
アーム間隔)を微細にしておく必要がある。そのために
は鋳造時の冷却速度が高いことが必要であり、通常はD
ASにして30μm以下が必要である。このようにDA
Sが30μm以下の場合には、デンドライトの幹の太さ
は最大50μmの円を描くことは困難であり、したがっ
て鋳造のままで前記(A),(B)の条件を満たすのが
通常である。
れた鋳造材は、直接冷間鍛造に供されることもある。冷
間鍛造でも割れが発生しやすいから、鋳造組織を微細化
しておくこと、特に初晶Si及びDAS(デンドライト
アーム間隔)を微細にしておく必要がある。そのために
は鋳造時の冷却速度が高いことが必要であり、通常はD
ASにして30μm以下が必要である。このようにDA
Sが30μm以下の場合には、デンドライトの幹の太さ
は最大50μmの円を描くことは困難であり、したがっ
て鋳造のままで前記(A),(B)の条件を満たすのが
通常である。
【0065】但し、前述のような冷間圧延あるいは冷間
鍛造などの冷間加工を行なう場合であっても、鋳造段階
では組織条件として前記(A),(B)の条件を満たし
ていなければ、必要に応じて加熱析出処理を施し、0.
05μm以上の金属Si粒子を無粒子領域に析出させて
前記(A),(B)の条件を満足させるようにすれば良
い。
鍛造などの冷間加工を行なう場合であっても、鋳造段階
では組織条件として前記(A),(B)の条件を満たし
ていなければ、必要に応じて加熱析出処理を施し、0.
05μm以上の金属Si粒子を無粒子領域に析出させて
前記(A),(B)の条件を満足させるようにすれば良
い。
【0066】さらに、熱間加工や冷間加工などの鍛練工
程が施された場合は、デンドライトなどの無粒子領域は
その加工により均一化される。総加工率が70%を越え
れば、もとのデンドライトの痕跡はほとんど消滅し、金
属Si粒子の分布が均一化される。したがって鍛練加工
を施す場合には、鋳造段階では前記(A),(B)の条
件を満たしていなくてもその後の加工により容易にその
条件を満たすようにすることができる。
程が施された場合は、デンドライトなどの無粒子領域は
その加工により均一化される。総加工率が70%を越え
れば、もとのデンドライトの痕跡はほとんど消滅し、金
属Si粒子の分布が均一化される。したがって鍛練加工
を施す場合には、鋳造段階では前記(A),(B)の条
件を満たしていなくてもその後の加工により容易にその
条件を満たすようにすることができる。
【0067】以上をまとめれば、 (イ)鋳物材やダイカスト材を鋳造のままで遠赤外線放
射体として使用する場合において、表面酸化や組織劣化
などの理由により熱処理を施すことができない場合に
は、化学成分や鋳造条件を適切に設定することによって
鋳造のままで必要な組織条件(A),(B)を達成させ
る。 (ロ)鋳物材やダイカスト材を鋳造のままで遠赤外線放
射体として使用する場合において、鋳造状態のままでは
必要な組織条件(A),(B)が達成できない場合に
は、その後の熱処理により金属Si粒子を析出させて条
件を満たさせてやれば良い。 (ハ)鋳造後に押出、鍛造、圧延等の鍛練加工を施すと
きは、良好な加工性を確保する観点から鋳造組織を微細
化しておく必要があるのが通常であり、そのため鋳造の
ままでも前記条件(A),(B)を満たすことが多い
が、鍛練加工による組織の均一化と加工のために必要に
応じて施される加熱によって金属Si粒子が析出し、そ
の結果より前記条件を満たしやすくなる。但し、それで
も前記組織条件が満たされない場合には析出のための加
熱処理をいずれかの段階で施せば良い。
射体として使用する場合において、表面酸化や組織劣化
などの理由により熱処理を施すことができない場合に
は、化学成分や鋳造条件を適切に設定することによって
鋳造のままで必要な組織条件(A),(B)を達成させ
る。 (ロ)鋳物材やダイカスト材を鋳造のままで遠赤外線放
射体として使用する場合において、鋳造状態のままでは
必要な組織条件(A),(B)が達成できない場合に
は、その後の熱処理により金属Si粒子を析出させて条
件を満たさせてやれば良い。 (ハ)鋳造後に押出、鍛造、圧延等の鍛練加工を施すと
きは、良好な加工性を確保する観点から鋳造組織を微細
化しておく必要があるのが通常であり、そのため鋳造の
ままでも前記条件(A),(B)を満たすことが多い
が、鍛練加工による組織の均一化と加工のために必要に
応じて施される加熱によって金属Si粒子が析出し、そ
の結果より前記条件を満たしやすくなる。但し、それで
も前記組織条件が満たされない場合には析出のための加
熱処理をいずれかの段階で施せば良い。
【0068】なお鋳造組織を微細化して前記(A),
(B)の条件を満たさせれば、鋳造のままで良好な遠赤
外線放射特性を得られるということは、とりもなおさず
部材の溶接部分においても良好な遠赤外線放射特性が容
易に得られることを意味する。すなわち溶接部は一般に
溶接時の凝固冷却速度が著しく高いのが通常であり、し
たがって溶接部は溶接のままで容易に前記(A),
(B)の条件を満たさせることができる。もちろん必要
に応じて溶接後に加熱処理を施して金属Si粒子を析出
させ、これにより確実に前記(A),(B)の条件を満
たさせても良いことはもちろんである。
(B)の条件を満たさせれば、鋳造のままで良好な遠赤
外線放射特性を得られるということは、とりもなおさず
部材の溶接部分においても良好な遠赤外線放射特性が容
易に得られることを意味する。すなわち溶接部は一般に
溶接時の凝固冷却速度が著しく高いのが通常であり、し
たがって溶接部は溶接のままで容易に前記(A),
(B)の条件を満たさせることができる。もちろん必要
に応じて溶接後に加熱処理を施して金属Si粒子を析出
させ、これにより確実に前記(A),(B)の条件を満
たさせても良いことはもちろんである。
【0069】いずれにしてもこの発明で規定している成
分組成範囲内のアルミニウム合金においては、鋳造のま
ま遠赤外線放射体として使用する場合には鋳造条件を、
また鋳造後に熱処理を施しても良い場合には鋳造条件と
熱処理条件を、さらに圧延等の鍛練工程を行なって用い
る場合には鋳造条件と鍛練度および熱処理条件を適切に
組合せ、これらによって前記(A),(B)で規定する
条件を満足させれば、優れた遠赤外線放射特性を示す陽
極酸化皮膜が得られる。
分組成範囲内のアルミニウム合金においては、鋳造のま
ま遠赤外線放射体として使用する場合には鋳造条件を、
また鋳造後に熱処理を施しても良い場合には鋳造条件と
熱処理条件を、さらに圧延等の鍛練工程を行なって用い
る場合には鋳造条件と鍛練度および熱処理条件を適切に
組合せ、これらによって前記(A),(B)で規定する
条件を満足させれば、優れた遠赤外線放射特性を示す陽
極酸化皮膜が得られる。
【0070】次にアルミニウム合金基材に施す陽極酸化
処理について説明する。
処理について説明する。
【0071】前述のような化学成分と金属組織を有する
アルミニウム合金基材に陽極酸化処理を施せば、優れた
遠赤外線放射特性を示す陽極酸化皮膜が得られる。すな
わち陽極酸化処理時には、金属Si粒子が皮膜中にその
まま残存した状態で陽極酸化皮膜が成長する。そのため
皮膜中のポアの成長が金属Si粒子により妨げられ、枝
分れした微細なポアを有する多孔質の皮膜が生成され
る。さらに陽極酸化皮膜中にそのまま存在する金属Si
粒子と前述の枝分れした微細なポアが入射光を散乱吸収
し、その結果遠赤外線の放射特性が良好となる。そして
また前述の枝分れした微細なポア構造と皮膜中の金属S
i粒子が熱応力の緩和点として機能し、そのため皮膜に
クラックが生じにくくなり、500℃程度の高温に至る
までクラックが生じることがなく使用可能となる。
アルミニウム合金基材に陽極酸化処理を施せば、優れた
遠赤外線放射特性を示す陽極酸化皮膜が得られる。すな
わち陽極酸化処理時には、金属Si粒子が皮膜中にその
まま残存した状態で陽極酸化皮膜が成長する。そのため
皮膜中のポアの成長が金属Si粒子により妨げられ、枝
分れした微細なポアを有する多孔質の皮膜が生成され
る。さらに陽極酸化皮膜中にそのまま存在する金属Si
粒子と前述の枝分れした微細なポアが入射光を散乱吸収
し、その結果遠赤外線の放射特性が良好となる。そして
また前述の枝分れした微細なポア構造と皮膜中の金属S
i粒子が熱応力の緩和点として機能し、そのため皮膜に
クラックが生じにくくなり、500℃程度の高温に至る
までクラックが生じることがなく使用可能となる。
【0072】ここで陽極酸化皮膜の膜厚は10μm未満
とする。すなわち、種々の使用環境に調和した淡い灰色
の色調とするためには、膜厚は10μm未満とする必要
があり、また膜厚が10μm未満であれば、ドリル加工
等の機械加工を行なっても皮膜の割れが生じにくくな
る。このように膜厚が10μm未満であっても、基材と
して前述のようなアルミニウム合金を用いることによっ
て、広い波長域での安定した遠赤外線放射特性を得るこ
とができる。なおここで陽極酸化皮膜の灰色とは、通常
はマルセル値で明度4.5を越える値を示すものであれ
ば良い。
とする。すなわち、種々の使用環境に調和した淡い灰色
の色調とするためには、膜厚は10μm未満とする必要
があり、また膜厚が10μm未満であれば、ドリル加工
等の機械加工を行なっても皮膜の割れが生じにくくな
る。このように膜厚が10μm未満であっても、基材と
して前述のようなアルミニウム合金を用いることによっ
て、広い波長域での安定した遠赤外線放射特性を得るこ
とができる。なおここで陽極酸化皮膜の灰色とは、通常
はマルセル値で明度4.5を越える値を示すものであれ
ば良い。
【0073】なお陽極酸化処理の条件は特に限定される
ものではなく、硫酸、シュウ酸などの無機酸、あるいは
有機酸、さらにはこれらの混合酸などの電解浴を用い、
直流、交流、あるいは交直併用、交直重畳波形など、任
意の波形を用いて陽極酸化処理を行なえば良い。但し、
経済性や作業効率の観点からは、硫酸浴で直流電流を用
いることが好ましい。また陽極酸化処理の前には脱脂、
苛性エッチング等の前処理を行なうのが一般的であり、
苛性エッチングを行なった場合には引続いて硝酸等の酸
でデスマット処理を施すのが一般的である。そのほか必
要に応じて、切削加工、酸洗浄、化学研磨処理、ヘアラ
イン加工、シヨットブラスト等の機械的前処理などを実
施しても良いことはもちろんである。
ものではなく、硫酸、シュウ酸などの無機酸、あるいは
有機酸、さらにはこれらの混合酸などの電解浴を用い、
直流、交流、あるいは交直併用、交直重畳波形など、任
意の波形を用いて陽極酸化処理を行なえば良い。但し、
経済性や作業効率の観点からは、硫酸浴で直流電流を用
いることが好ましい。また陽極酸化処理の前には脱脂、
苛性エッチング等の前処理を行なうのが一般的であり、
苛性エッチングを行なった場合には引続いて硝酸等の酸
でデスマット処理を施すのが一般的である。そのほか必
要に応じて、切削加工、酸洗浄、化学研磨処理、ヘアラ
イン加工、シヨットブラスト等の機械的前処理などを実
施しても良いことはもちろんである。
【0074】
実施例1 表1の合金番号1,2に示す成分組成の合金について2
0mm×200mm×200mmの形状に砂型鋳造した。なお
鋳造に先立って、脱ガス処理を施した後、金属Naで改
良処理を施し、共晶Siを微細化させた。得られた鋳物
のうち、一部は鋳造のままの材料とし、残りのものにつ
いては400℃もしくは250℃で5時間の加熱処理を
施した後10℃/hrの冷却速度で徐冷した。
0mm×200mm×200mmの形状に砂型鋳造した。なお
鋳造に先立って、脱ガス処理を施した後、金属Naで改
良処理を施し、共晶Siを微細化させた。得られた鋳物
のうち、一部は鋳造のままの材料とし、残りのものにつ
いては400℃もしくは250℃で5時間の加熱処理を
施した後10℃/hrの冷却速度で徐冷した。
【0075】各材料について表面を機械的に切削した
後、10%苛性ソーダで60℃×5分間エッチングし、
水洗後30%硝酸を用いてデスマット処理した。その
後、15%濃度の硫酸浴を用い、電流密度1.5A/dm
2 、電解温度20℃で陽極酸化処理を施して、膜厚7μ
mの陽極酸化皮膜を形成した。
後、10%苛性ソーダで60℃×5分間エッチングし、
水洗後30%硝酸を用いてデスマット処理した。その
後、15%濃度の硫酸浴を用い、電流密度1.5A/dm
2 、電解温度20℃で陽極酸化処理を施して、膜厚7μ
mの陽極酸化皮膜を形成した。
【0076】陽極酸化処理後の各材料についてマンセル
明度を測定するとともに、300℃での分光放射率を測
定した。ここで、従来の一般的な陽極酸化皮膜の遠赤外
線放射特性としては、通常3〜7μmの波長での分光放
射率が劣っているところから、その範囲内の代表的な波
長6μmでの分光放射率を測定した。また各材料の金属
組織を50〜1000倍の顕微鏡で観察し、0.05μ
m以上の析出物が存在しない領域を調べた。但し光学顕
微鏡では判定し難い0.05μmに近い析出物が析出し
ていると思われる場合には、透過電子顕微鏡を用いて判
別した。これらの結果を表2に示す。なお表2において
径Aは0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない領
域における円の最大径を表わす。したがって径Aの値が
50μm以下である場合に前記(A)の条件を満たして
いることになる。また面積率Bは、0.05μm以上の
金属Si粒子が存在しない領域のうち直径15μmの円
を描ける領域の合計面積の、全面積に対する面積率を表
わす。したがって面積率Bが30%以下である場合に前
記(B)の条件が満たされることになる。さらにマンセ
ル明度としてはその値が4.5を越える場合に、使用環
境に調和した灰色〜白色に近い灰色を有していると判定
できる。また波長6μmでの分光放射率が0.6乃至
0.7程度以上の値となっている場合に良好な遠赤外線
放射特性を有していると判定できる。
明度を測定するとともに、300℃での分光放射率を測
定した。ここで、従来の一般的な陽極酸化皮膜の遠赤外
線放射特性としては、通常3〜7μmの波長での分光放
射率が劣っているところから、その範囲内の代表的な波
長6μmでの分光放射率を測定した。また各材料の金属
組織を50〜1000倍の顕微鏡で観察し、0.05μ
m以上の析出物が存在しない領域を調べた。但し光学顕
微鏡では判定し難い0.05μmに近い析出物が析出し
ていると思われる場合には、透過電子顕微鏡を用いて判
別した。これらの結果を表2に示す。なお表2において
径Aは0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない領
域における円の最大径を表わす。したがって径Aの値が
50μm以下である場合に前記(A)の条件を満たして
いることになる。また面積率Bは、0.05μm以上の
金属Si粒子が存在しない領域のうち直径15μmの円
を描ける領域の合計面積の、全面積に対する面積率を表
わす。したがって面積率Bが30%以下である場合に前
記(B)の条件が満たされることになる。さらにマンセ
ル明度としてはその値が4.5を越える場合に、使用環
境に調和した灰色〜白色に近い灰色を有していると判定
できる。また波長6μmでの分光放射率が0.6乃至
0.7程度以上の値となっている場合に良好な遠赤外線
放射特性を有していると判定できる。
【0077】表2の実施例1について示される結果か
ら、実施例1において組織条件(A),(B)を満たす
材料は、マンセル明度、分光放射率が所定の値を満たす
こと、すなわち目視の色調が周囲との調和性の良好な灰
色から白色に近い色調であってかつ遠赤外線放射特性が
優れていることが判る。また、合金番号1,2の400
℃加熱材は、陽極酸化処理後500℃に加熱した後表面
を目視で観察しても、クラックは観察されなかった。し
かしながら、合金番号1,2の鋳造のままの材料は、陽
極酸化処理後に500℃に加熱した後表面を観察すれ
ば、目視でも多数のクラックが認められた。なお合金番
号2の250℃加熱材は、陽極酸化処理後の目視では、
光学顕微鏡で観察する限りでは、デンドライトの部分に
金属Siの微細な析出は認められなかった。そこで、電
子顕微鏡によりこの部分の観察を行なったところ、0.
01〜0.04μmの微細な析出Siの存在が認められ
た。これらの微細な析出Siは、たとえ析出していて
も、遠赤外線の吸収点として働かないため、遠赤外線放
射特性は向上していない。よって、これらの領域は無粒
子領域とした。
ら、実施例1において組織条件(A),(B)を満たす
材料は、マンセル明度、分光放射率が所定の値を満たす
こと、すなわち目視の色調が周囲との調和性の良好な灰
色から白色に近い色調であってかつ遠赤外線放射特性が
優れていることが判る。また、合金番号1,2の400
℃加熱材は、陽極酸化処理後500℃に加熱した後表面
を目視で観察しても、クラックは観察されなかった。し
かしながら、合金番号1,2の鋳造のままの材料は、陽
極酸化処理後に500℃に加熱した後表面を観察すれ
ば、目視でも多数のクラックが認められた。なお合金番
号2の250℃加熱材は、陽極酸化処理後の目視では、
光学顕微鏡で観察する限りでは、デンドライトの部分に
金属Siの微細な析出は認められなかった。そこで、電
子顕微鏡によりこの部分の観察を行なったところ、0.
01〜0.04μmの微細な析出Siの存在が認められ
た。これらの微細な析出Siは、たとえ析出していて
も、遠赤外線の吸収点として働かないため、遠赤外線放
射特性は向上していない。よって、これらの領域は無粒
子領域とした。
【0078】実施例2 表1の合金番号3,4に示される成分組成の合金を、1
0mm×50mm×50mmのサンプルにダイカストで鋳造し
た。この鋳造のままの材料について、表面切削後、15
%硫酸浴での陽極酸化処理を施した。その他の陽極酸化
処理条件は実施例1の場合と同じとした。
0mm×50mm×50mmのサンプルにダイカストで鋳造し
た。この鋳造のままの材料について、表面切削後、15
%硫酸浴での陽極酸化処理を施した。その他の陽極酸化
処理条件は実施例1の場合と同じとした。
【0079】陽極酸化処理後の各材料について、実施例
1と同様にマンセル明度、分光放射率を測定するととも
に、金属組織を観察した。その結果を表2中に示す。
1と同様にマンセル明度、分光放射率を測定するととも
に、金属組織を観察した。その結果を表2中に示す。
【0080】表2に示すように、実施例2のダイカスト
鋳造の場合、冷却速度が非常に速いため、鋳造だけで所
定の金属組織条件(A),(B)が満たされ、合金番号
3,4のいずれの場合も、陽極酸化処理後に500℃に
加熱した後、表面を目視で観察しても、クラックは観察
されなかった。
鋳造の場合、冷却速度が非常に速いため、鋳造だけで所
定の金属組織条件(A),(B)が満たされ、合金番号
3,4のいずれの場合も、陽極酸化処理後に500℃に
加熱した後、表面を目視で観察しても、クラックは観察
されなかった。
【0081】実施例3 表1の合金番号5,6に示される成分組成の合金につい
て、400mm×1000mm×3500mmの圧延用鋳塊
(スラブ)をDC鋳造した。各スラブを面削した後、5
00℃に2時間加熱してから熱間圧延した。熱間圧延を
4mm厚まで行なった後、冷間圧延にて1mm厚まで圧延
し、これを350℃×2時間焼鈍した。各材料につい
て、実施例1と同様にして陽極酸化処理を施した。
て、400mm×1000mm×3500mmの圧延用鋳塊
(スラブ)をDC鋳造した。各スラブを面削した後、5
00℃に2時間加熱してから熱間圧延した。熱間圧延を
4mm厚まで行なった後、冷間圧延にて1mm厚まで圧延
し、これを350℃×2時間焼鈍した。各材料につい
て、実施例1と同様にして陽極酸化処理を施した。
【0082】陽極酸化処理後の各材料について、実施例
1と同様な測定、組織観察を行なった。その結果を表2
中に示す。
1と同様な測定、組織観察を行なった。その結果を表2
中に示す。
【0083】表2に示すように、実施例3の場合は熱間
圧延を経た圧延板であるため、組織が比較的微細化され
ており、しかも熱間圧延、焼鈍等の加熱工程を経ている
ため金属Siの析出が不可避的に生じており、そのため
合金番号5のように化学成分が所定の範囲内であれば、
組織条件(A),(B)を満たす金属Si粒子の分布を
容易に得ることができた。一方合金番号6の材料はJI
S A1050組成の純アルミニウム系の合金を用いた
比較材料であるが、この場合は成分組成がこの発明で規
定する範囲外であるため、所定の性能は得られなかっ
た。
圧延を経た圧延板であるため、組織が比較的微細化され
ており、しかも熱間圧延、焼鈍等の加熱工程を経ている
ため金属Siの析出が不可避的に生じており、そのため
合金番号5のように化学成分が所定の範囲内であれば、
組織条件(A),(B)を満たす金属Si粒子の分布を
容易に得ることができた。一方合金番号6の材料はJI
S A1050組成の純アルミニウム系の合金を用いた
比較材料であるが、この場合は成分組成がこの発明で規
定する範囲外であるため、所定の性能は得られなかっ
た。
【0084】なお合金番号5の場合、陽極酸化処理後に
500℃に加熱した後、表面を目視で観察してもクラッ
クは観察されなかった。これに対し合金番号6の場合
は、500℃加熱後に多数のクラックが認められた。
500℃に加熱した後、表面を目視で観察してもクラッ
クは観察されなかった。これに対し合金番号6の場合
は、500℃加熱後に多数のクラックが認められた。
【0085】実施例4 表1の合金番号7,8,9に示される成分組成の合金を
水冷ロール間に給湯し、厚さ7mm×幅900mmの薄板連
続鋳造圧延コイルを鋳造した。このコイルを引続き2mm
厚まで冷間圧延した。各材料について実施例1と同様に
して陽極酸化処理を施した。陽極酸化処理後の各材料に
ついて、実施例1と同様にして測定、組織観察を行なっ
た。その結果を表2中に示す。
水冷ロール間に給湯し、厚さ7mm×幅900mmの薄板連
続鋳造圧延コイルを鋳造した。このコイルを引続き2mm
厚まで冷間圧延した。各材料について実施例1と同様に
して陽極酸化処理を施した。陽極酸化処理後の各材料に
ついて、実施例1と同様にして測定、組織観察を行なっ
た。その結果を表2中に示す。
【0086】この実施例4のように薄板連続鋳造の場合
には、凝固時の冷却速度が著しく速いため、DASは小
さく、無晶出帯も極めて微細であるため、鋳造のままの
状態で充分に所定の性能を得ることができる組織状態と
なっている。そして特にこの実施例4の場合、鋳造段階
で良好な組織が得られているに加え、冷間加工による組
織鍛練の効果があるため、表2中に示すように極めて微
細で均一な組織と、良好な遠赤外線放射特性が得られ
た。また、合金番号7,8,9のいずれの場合も、陽極
酸化処理後に500℃に加熱した後、表面を目視で観察
しても、クラックは観察されなかった。なお合金番号9
の材料は、特開平4−110493号で開示したAl−
Mn系の合金を用いた比較材料であるが、この場合には
同じ条件で製造したこの発明の成分組成範囲内の合金番
号7,8の各材料と比較して、陽極酸化皮膜厚7μmで
は放射率特性が劣っていた。
には、凝固時の冷却速度が著しく速いため、DASは小
さく、無晶出帯も極めて微細であるため、鋳造のままの
状態で充分に所定の性能を得ることができる組織状態と
なっている。そして特にこの実施例4の場合、鋳造段階
で良好な組織が得られているに加え、冷間加工による組
織鍛練の効果があるため、表2中に示すように極めて微
細で均一な組織と、良好な遠赤外線放射特性が得られ
た。また、合金番号7,8,9のいずれの場合も、陽極
酸化処理後に500℃に加熱した後、表面を目視で観察
しても、クラックは観察されなかった。なお合金番号9
の材料は、特開平4−110493号で開示したAl−
Mn系の合金を用いた比較材料であるが、この場合には
同じ条件で製造したこの発明の成分組成範囲内の合金番
号7,8の各材料と比較して、陽極酸化皮膜厚7μmで
は放射率特性が劣っていた。
【0087】ここで、合金番号7,9の材料について
は、図12に2.5〜25μmまでの波長の分光放射率
曲線も示す。図12から明らかなように、合金番号7の
材料では、全波長域にわた良好な分光放射率が得られて
おり、通常の陽極酸化皮膜に特有の3〜7μmの波長域
での放射率の低下が認められなかった。一方合金番号9
の比較材料では、同様に3〜7μmの波長域での放射率
の低下は認められなかったが、全般的に合金番号7の材
料より放射率が低かった。また図12には、前述の実施
例3における合金番号6の純Al系の合金を用いた比較
材料についての2.5〜25μmの波長域での分光放射
率曲線も併せて示す。この比較材料(合金番号6)の場
合は、全般的に放射率が低いばかりでなく、特に6.5
μm以下の波長域で急激に放射率が低くなっていること
が判る。
は、図12に2.5〜25μmまでの波長の分光放射率
曲線も示す。図12から明らかなように、合金番号7の
材料では、全波長域にわた良好な分光放射率が得られて
おり、通常の陽極酸化皮膜に特有の3〜7μmの波長域
での放射率の低下が認められなかった。一方合金番号9
の比較材料では、同様に3〜7μmの波長域での放射率
の低下は認められなかったが、全般的に合金番号7の材
料より放射率が低かった。また図12には、前述の実施
例3における合金番号6の純Al系の合金を用いた比較
材料についての2.5〜25μmの波長域での分光放射
率曲線も併せて示す。この比較材料(合金番号6)の場
合は、全般的に放射率が低いばかりでなく、特に6.5
μm以下の波長域で急激に放射率が低くなっていること
が判る。
【0088】実施例5 表1の合金番号10に示す成分組成の合金について、1
20mmφのビレットに連続鋳造した。ビレットを450
℃×5時間加熱処理した後、500℃で10mm厚×50
mm幅の平板に押出した。その押出材について、実施例1
と同様にして陽極酸化処理を施した。さらに陽極酸化処
理後の材料について、実施例1と同様な測定、組織観察
を行なった。その結果を表2中に示す。
20mmφのビレットに連続鋳造した。ビレットを450
℃×5時間加熱処理した後、500℃で10mm厚×50
mm幅の平板に押出した。その押出材について、実施例1
と同様にして陽極酸化処理を施した。さらに陽極酸化処
理後の材料について、実施例1と同様な測定、組織観察
を行なった。その結果を表2中に示す。
【0089】ビレットの連続鋳造の場合、比較的冷却速
度が速いが、特にこの実施例5のようにビレット径が比
較的小さく、しかもP添加による初晶Siの微細化処理
が行なわれている場合には、組織が比較的微細で無粒子
領域が狭くなり、さらにこの実施例5では熱間押出のた
めの加熱工程が加わっているために金属Siの析出が付
加されており、したがって表2中に示すような優れた組
織が得られた。またこの実施例5による材料は、陽極酸
化処理後に500℃に加熱した後、表面を目視で観察し
てもクラックは観察されなかった。
度が速いが、特にこの実施例5のようにビレット径が比
較的小さく、しかもP添加による初晶Siの微細化処理
が行なわれている場合には、組織が比較的微細で無粒子
領域が狭くなり、さらにこの実施例5では熱間押出のた
めの加熱工程が加わっているために金属Siの析出が付
加されており、したがって表2中に示すような優れた組
織が得られた。またこの実施例5による材料は、陽極酸
化処理後に500℃に加熱した後、表面を目視で観察し
てもクラックは観察されなかった。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】以上のような各実施例から、この発明で規
定している成分組成範囲内の合金について、前記
(A),(B)の金属組織条件を満たしていれば、陽極
酸化皮膜の厚みが10μm未満でも、優れた遠赤外線放
射特性を示し、しかも500℃に加熱しても陽極酸化皮
膜にクラックが生じず、さらに陽極酸化皮膜の膜厚を1
0μm未満とすることによって、種々の使用環境に調和
した灰色〜白色に近い色調が得られることが明らかであ
る。そしてまた、鋳造、鍛造、圧延、押出し等の任意の
製造手段で、優れた遠赤外線放射特性を有する材料の製
造が可能であることも明らかである。
定している成分組成範囲内の合金について、前記
(A),(B)の金属組織条件を満たしていれば、陽極
酸化皮膜の厚みが10μm未満でも、優れた遠赤外線放
射特性を示し、しかも500℃に加熱しても陽極酸化皮
膜にクラックが生じず、さらに陽極酸化皮膜の膜厚を1
0μm未満とすることによって、種々の使用環境に調和
した灰色〜白色に近い色調が得られることが明らかであ
る。そしてまた、鋳造、鍛造、圧延、押出し等の任意の
製造手段で、優れた遠赤外線放射特性を有する材料の製
造が可能であることも明らかである。
【0093】
【発明の効果】この発明の遠赤外線放射体は、陽極酸化
皮膜の膜厚が10μm未満と比較的薄いにもかかわら
ず、良好な優れた遠赤外線放射特性を有し、特に従来の
アルミニウムの陽極酸化皮膜では劣るとされていた3〜
7μmの波長域における放射特性も優れており、しかも
500℃程度の高温まで熱歪によるクラックが陽極酸化
皮膜に生じることがなく、そのため耐熱性が良好であっ
て500℃程度までの高温での遠赤外線放射体として有
効であり、さらには、表面の色調が灰色から白色に近い
色調であるため、種々の使用環境において周囲の色調と
調和させることができるとともに、汚れの付着も容易に
判別できるため、食品加熱等、衛生面が要求される用途
にも適しており、また陽極酸化皮膜の膜厚が小さいた
め、ドリル加工等の加工時に皮膜が割れるおそれも少な
く、さらには陽極酸化処理コストも低減される。そして
またこの発明の遠赤外線放射体は、鋳造、鍛造、圧延、
押出し等の任意の製造手段で製造することができ、した
がって用途や使用箇所に応じて任意の形状の遠赤外線放
射体を得ることができるとともに、複雑な形状の放射体
も容易に得ることができる。以上のようにこの発明の遠
赤外線放射体は、各種の優れた長所を有しており、した
がって基材アルミニウム合金が軽量であることによる軽
量性の利点と合せて、極めて広範囲で遠赤外線放射体を
実用に供することが可能となる。
皮膜の膜厚が10μm未満と比較的薄いにもかかわら
ず、良好な優れた遠赤外線放射特性を有し、特に従来の
アルミニウムの陽極酸化皮膜では劣るとされていた3〜
7μmの波長域における放射特性も優れており、しかも
500℃程度の高温まで熱歪によるクラックが陽極酸化
皮膜に生じることがなく、そのため耐熱性が良好であっ
て500℃程度までの高温での遠赤外線放射体として有
効であり、さらには、表面の色調が灰色から白色に近い
色調であるため、種々の使用環境において周囲の色調と
調和させることができるとともに、汚れの付着も容易に
判別できるため、食品加熱等、衛生面が要求される用途
にも適しており、また陽極酸化皮膜の膜厚が小さいた
め、ドリル加工等の加工時に皮膜が割れるおそれも少な
く、さらには陽極酸化処理コストも低減される。そして
またこの発明の遠赤外線放射体は、鋳造、鍛造、圧延、
押出し等の任意の製造手段で製造することができ、した
がって用途や使用箇所に応じて任意の形状の遠赤外線放
射体を得ることができるとともに、複雑な形状の放射体
も容易に得ることができる。以上のようにこの発明の遠
赤外線放射体は、各種の優れた長所を有しており、した
がって基材アルミニウム合金が軽量であることによる軽
量性の利点と合せて、極めて広範囲で遠赤外線放射体を
実用に供することが可能となる。
【図1】アルミニウム合金の鋳塊組織の第1の例を示す
模式図である。
模式図である。
【図2】アルミニウム合金の鋳塊組織の第2の例を示す
模式図である。
模式図である。
【図3】アルミニウム合金の鋳塊組織の第3の例を示す
模式図である。
模式図である。
【図4】アルミニウム合金の鋳塊に熱処理を施した場合
の組織変化の一例を示す模式図である。
の組織変化の一例を示す模式図である。
【図5】アルミニウム合金の鋳塊に圧延加工を施した場
合の組織変化の一例を示す模式図である。
合の組織変化の一例を示す模式図である。
【図6】この発明の請求項4で規定する組織条件のう
ち、粒径0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない
領域に描ける円の最大径について説明するための図で、
図1に示される組織に対応して示す模式図である。
ち、粒径0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない
領域に描ける円の最大径について説明するための図で、
図1に示される組織に対応して示す模式図である。
【図7】同じく最大径について説明するための図で、図
3に示される組織に対応して示す模式図である。
3に示される組織に対応して示す模式図である。
【図8】同じく最大径について説明するための図で、図
5の右側に示される組織に対応して示す模式図である。
5の右側に示される組織に対応して示す模式図である。
【図9】この発明の請求項4で規定する組織条件のう
ち、粒径0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない
領域における直径15μmの円を描くことができる領域
をについて説明するための図で、図1に示される組織に
対応して示す模式図である。
ち、粒径0.05μm以上の金属Si粒子が存在しない
領域における直径15μmの円を描くことができる領域
をについて説明するための図で、図1に示される組織に
対応して示す模式図である。
【図10】同じく直径15μmの円を描くことができる
領域を説明するための図で、図3に示される組織に対応
して示す模式図である。
領域を説明するための図で、図3に示される組織に対応
して示す模式図である。
【図11】同じく直径15μmの円を描くことができる
領域を説明するための図で、図5の右側に示される組織
に対応して示す模式図である。
領域を説明するための図で、図5の右側に示される組織
に対応して示す模式図である。
【図12】実施例3の合金番号6の材料および実施例4
の合金番号7,9の各材料についての分光放射率曲線を
示すグラフである。
の合金番号7,9の各材料についての分光放射率曲線を
示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 3/10 B 7913−3K (72)発明者 前嶋 正受 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 猿渡 光一 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内
Claims (4)
- 【請求項1】 Si3〜25wt%を含有し、残部がAl
および不可避的不純物よりなる合金を基材とし、その基
材の表面に膜厚10μm未満の灰色の陽極酸化皮膜が形
成されていることを特徴とする遠赤外線放射体。 - 【請求項2】 Si3〜25wt%を含有し、かつFe
0.05〜2.0wt%、Mg0.05〜2.0wt%、C
u0.05〜6.0wt%、Mn0.05〜2.0wt%、
Ni0.05〜3.0wt%、Cr0.05〜0.5wt
%、V0.05〜0.5wt%、Zr0.05〜0.5wt
%、Zn1.0%を越え7.0wt%以下のうちの1種ま
たは2種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純
物よりなる合金を基材とし、その基材の表面に膜厚10
μm未満の灰色の陽極酸化皮膜が形成されていることを
特徴とする遠赤外線放射体。 - 【請求項3】 前記基材の合金成分として、さらにTi
0.005〜0.2wt%を含有するとともに、P0.0
05〜0.1wt%、Na0.005〜0.1wt%、Sb
0.005〜0.3wt%、Sr0.005〜0.1wt%
のうちの1種または2種以上を含有する、請求項1もし
くは請求項2記載の遠赤外線放射体。 - 【請求項4】 前記基材における陽極酸化皮膜が形成さ
れる表面において、初晶Si、共晶Siもしくは析出S
iからなる金属Si粒子のうち粒径0.05μm以上の
金属Si粒子が存在しない領域に描ける円の最大直径が
50μm以下であり、かつ粒径0.05μm以上の金属
Si粒子が存在しない領域のうち、直径15μmの円を
描ける領域の合計面積が、全体の面積に対し面積率30
%以下であることを特徴とする、請求項1、請求項2、
請求項3のいずれかに記載の遠赤外線放射体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36059492A JPH06200397A (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 遠赤外線放射体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP36059492A JPH06200397A (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 遠赤外線放射体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06200397A true JPH06200397A (ja) | 1994-07-19 |
Family
ID=18470085
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP36059492A Pending JPH06200397A (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 遠赤外線放射体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06200397A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014170945A1 (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-23 | 日本軽金属株式会社 | 樹脂接合用アルミ鋳造合金部材の製造方法及びこの方法で得られた樹脂接合用アルミ鋳造合金部材 |
| GB2522716A (en) * | 2014-02-04 | 2015-08-05 | Jbm Internat Ltd | Method of manufacture |
| JP2018044243A (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | ブルンスビック コーポレーションBrunswick Corporation | 独自の微細構造を有する過共晶アルミニウム−シリコン鋳造用合金 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5413028A (en) * | 1977-06-29 | 1979-01-31 | Hitachi Heating Appliance Co Ltd | Far infrared heater |
| JPS5956559A (ja) * | 1982-09-27 | 1984-04-02 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 自然発色アルミニウム合金材 |
| JPH01180937A (ja) * | 1988-01-11 | 1989-07-18 | Kobe Steel Ltd | 溶接構造部の自然発色性に優れたAl合金 |
-
1992
- 1992-12-28 JP JP36059492A patent/JPH06200397A/ja active Pending
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5413028A (en) * | 1977-06-29 | 1979-01-31 | Hitachi Heating Appliance Co Ltd | Far infrared heater |
| JPS5956559A (ja) * | 1982-09-27 | 1984-04-02 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 自然発色アルミニウム合金材 |
| JPH01180937A (ja) * | 1988-01-11 | 1989-07-18 | Kobe Steel Ltd | 溶接構造部の自然発色性に優れたAl合金 |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2014170945A1 (ja) * | 2013-04-15 | 2014-10-23 | 日本軽金属株式会社 | 樹脂接合用アルミ鋳造合金部材の製造方法及びこの方法で得られた樹脂接合用アルミ鋳造合金部材 |
| GB2522716A (en) * | 2014-02-04 | 2015-08-05 | Jbm Internat Ltd | Method of manufacture |
| GB2522716B (en) * | 2014-02-04 | 2016-09-14 | Jbm Int Ltd | Method of manufacture |
| JP2018044243A (ja) * | 2016-09-13 | 2018-03-22 | ブルンスビック コーポレーションBrunswick Corporation | 独自の微細構造を有する過共晶アルミニウム−シリコン鋳造用合金 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19980414 |