JPH06204520A - 太陽電池の欠陥部分封止法 - Google Patents

太陽電池の欠陥部分封止法

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JPH06204520A
JPH06204520A JP43A JP34746492A JPH06204520A JP H06204520 A JPH06204520 A JP H06204520A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34746492 A JP34746492 A JP 34746492A JP H06204520 A JPH06204520 A JP H06204520A
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solar cell
electrodeposition
resin
defective portion
upper electrode
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Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
Tsutomu Murakami
勉 村上
Takahiro Mori
隆弘 森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、太陽電池特性及び信頼性を向上さ
せる太陽電池の欠陥部分封止法を提供することを目的と
する。 【構成】 少なくとも一対の半導体接合、上部電極から
なる太陽電池の製造方法であって、少なくとも一対の半
導体接合を形成した後または上部電極を形成した後、電
着法により樹脂をショートやシャントなどの欠陥部分に
堆積させる際、光照射によって前記欠陥部分に流れるリ
ーク電流を増加させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は太陽電池の欠陥部分封止
法に係わる。より詳しくは、太陽電池の製造工程で発生
するショートやシャントなどの欠陥部分のリーク電流を
光照射により増加させることにより、電着による欠陥部
分の封止を選択的に行う太陽電池の欠陥部分封止法に関
する。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、電卓、腕時計など民生機器
用の電源として広く応用されており、また、石油、石炭
などのいわゆる化石燃料の代替用電力として実用化可能
な技術として注目されている。太陽電池は半導体のpn
接合部に発生する拡散電位を利用した技術である。すな
わち、シリコンなどの半導体が太陽光を吸収し、電子及
び正孔の光キャリヤーが生成し、該光キャリヤーをpn
接合部の拡散電位により生じた内部電界でドリフトさ
せ、外部に取り出すものである。
【0003】太陽電池は、ほぼ、半導体素子製造プロセ
スと同様にして製造される。具体的には、CZ法などの
結晶成長法によりp型、あるいはn型に価電子制御した
シリコンの単結晶を作製し、該単結晶をスライスして約
300μmの厚みのシリコンウエハーを作る。さらにウ
エハー表面が、ウエハーの導電型と反対導電型となるよ
うに、価電子制御剤を拡散などの適当な手段により異種
の導電型の層を形成することでpn接合を作るものであ
る。
【0004】ところで、上述のように太陽電池の製造方
法は半導体製造プロセスを用いるため、生産コストは高
く既存の発電方法に比べて割高になってしまうという問
題がある。このような事情から太陽電池の電力用として
の実用化を進めるにあたって、低コスト化が重要な技術
的課題であり、様々な検討がなされており、コストの安
い材料、変換効果の高い材料などの材料の探求が行われ
てきた。このような太陽電池の材料としては、アモルフ
ァスシリコン、アモルファスシリコンゲルマニウム、ア
モルファスSiCなどのテトラヘドラル系のアモルファ
ス半導体や、CdS、Cu2 SなどのII−VI族やG
aAlAsなどのIII−V族の化合物半導体等が挙げ
られる。とりわけ、アモルファス半導体を用いた薄膜太
陽電池は、単結晶太陽電池に比較して大面積の膜が作製
できることや、膜厚が薄くて済むこと、任意の基板材料
に堆積できることなどの長所があり有望視されている。
【0005】アモルファスシリコン太陽電池の構造は一
般的には、基板上に下部電極を設け、その上に薄膜のn
層、i層、p層からなる半導体接合を積層し、さらに、
上部電極を設ける構造となっている。さらに、集電の為
グリッド電極やバスバーが設けられけている。また、ア
モルファスシリコンは結晶シリコンや多結晶シリコンに
比較して膜質が劣るため変換効率が低いという問題があ
るが、この問題を解決するために半導体接合を2以上の
直列に積層するいわゆるタンデムセルも検討されてい
る。
【0006】ところで、前述した太陽電池を例えば一般
家庭の電力供給用として用いる場合には約3KWの出力
が必要となり、変換効率10%の太陽電池を用いた場合
では30m2 の面積となり、大面積の太陽電池が必要と
される。しかしながら、太陽電池の製造工程上、大面積
にわたって欠陥のない太陽電池を作製することは困難で
あり、例えば多結晶では粒界部分に低抵抗な部分が生じ
てしまったり、アモルファスシリコンのような薄膜太陽
電池においては、半導体層の成膜時にダストの影響など
によりピンホールや欠陥が生じ、シャントやショートの
原因となり、これらのシャントやショートは変換効率を
著しく低下させることが知られている。
【0007】ピンホールや欠陥ができる原因とその影響
についてさらに詳しく述べると、例えばステンレス基板
上に堆積したアモルファスシリコン太陽電池の場合で
は、基板表面は完全に平滑な面とは言えず傷やへこみ、
あるいはスパイク状の突起が存在することや、基板上に
光を乱反射する目的で凹凸のあるバックリフレクターを
設けたりするため、p、n層のように数10nmの厚み
の薄膜の半導体層がこのような表面を完全にカバーでき
ないことや、あるいは別の原因として成膜時のごみなど
によりピンホールが生じることなどが挙げられる。
【0008】太陽電池の下部電極と上部電極との間の半
導体が、ピンホールにより失われていて下部電極と上部
電極とが直接接触したり、基板のスパイク状欠陥が上部
電極と接触したり、半導体層が完全に失われないまでも
低抵抗なシャントまたはショートとなっている場合に
は、光によって発生した電流が上部電極を平行に流れて
前記シャントまたはショート部の低抵抗部分に流れ込む
こととなり電流を損失することになる。このような電流
損失があると太陽電池の開放電圧は低下する。アモルフ
ァスシリコン太陽電池においては一般的に半導体自体の
シート抵抗は高いため半導体全体にわたる透明な上部電
極を必要とし、通常はSnO2 、ITOのような導電性
の反射防止膜を設ける。このため微少な欠陥に於いて欠
陥に流れ込む電流はかなり大きなものとなる。さらに、
欠陥の位置がグリッド電極やバスバーから離れている場
合には、欠陥部分に流れ込むときの抵抗が大きいため電
流損失は比較的少ないが逆に、欠陥部分がグリッド電極
やバスバーの下にあるときは欠陥により損失する電流は
より大きなものとなる。
【0009】一方、ピンホール状の欠陥による欠陥部分
では、半導体層で発生した電荷が欠陥部分にリークする
ばかりではなく、水分との相互作用によりイオン性の物
質が生成するので、太陽電池の使用時に、使用時間の経
過と共に次第に欠陥部分の電気抵抗が低下し、変換効率
などの特性が劣化する現象が見られる。以上のようなシ
ョートが生じている場合にはその場所の上部電極を除去
するかまたは絶縁化することにより電流損失を小さくす
ることができる。シャントまたはショート部の上部電極
を選択的に除去する方法は、米国特許4,729,97
0号公報に開示されている。該発明によれば太陽電池を
電解液中に浸漬し、太陽電池にバイアスをかけることに
よりショート部分をエッチングして除去できる。また、
欠陥部分のみを選択的に絶縁する方法としては、米国特
許第4,451,970号公報に開示されるように、太
陽電池の欠陥部を検出器によって検知し、その後、検出
された欠陥部に絶縁材料をアプリケーターで塗布する方
法がある。さらに、米国特許第4,197,141号公
報に開示されるように、多結晶Si基板を電解質溶液中
に浸漬し、電解を印加して、多結晶の結晶粒界や、格子
不整合に基づく欠陥部を酸化したり、あるいは欠陥部に
絶縁物を堆積したり、あるいは欠陥部をエッチングする
方法がある。
【0010】前者の開示された発明(米国特許4,45
1,970号)においては、欠陥部の検出とアプリケー
タとはともにかなり大きな装置となってしまい、実際の
欠陥の大きさよりも大きい範囲でしか検出できず、また
絶縁化も不要な部分まで行われ、かつ、高く盛り上がっ
てしまうためグリッドが印刷できないという問題があ
る。また、後者の開示された発明(米国特許4,19
7,141号)には、絶縁物を選択的に堆積するという
概念はあるが、アルミニウム、クロム、銅などの金属の
酸化物を堆積するという内容であり、有機高分子材料の
堆積については述べられていない。また、開示された実
施例は、ガリウム砒素太陽電池の欠陥部を陽極酸化する
という例であり、シリコン太陽電池などについて同様の
技術が利用できるかどうかは開示されていない。
【0011】以上のように、従来の方法では、上部電極
を除去した場合は、グリッドを設けたときにシャント部
との接触により再びショートが生じてしまう。また、欠
陥部分を絶縁化する場合も絶縁材料を完全には選択的に
欠陥部分のみに被膜できないことや欠陥部分の堆積皮膜
が不十分であるために、初期のシャント発生率を充分に
低下させることができず、また十分な信頼性が得られて
いないという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は太陽電
池の欠陥部分の封止に関する上述した問題を解決して、
太陽電池の特性、信頼性を向上させる欠陥部分封止法を
提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池の欠陥
部分封止法は、少なくとも一対の半導体接合と上部電極
とからなる太陽電池の製造方法であって、少なくとも一
対の半導体接合を形成した後または上部電極を形成した
後、電着法により樹脂をショートやシャントなどの欠陥
部分に堆積させる際、光照射によって前記欠陥部分に流
れるリーク電流を増加させることを特徴とする。
【0014】前記電着法に用いる樹脂はカチオン型電着
樹脂であり、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂の内
少なくとも一つを含んでいることを特徴とする。また光
照射によって発生する短絡電流密度が0.1mA/cm
2 から10mA/cm2 であることが好ましい。さら
に、太陽電池の順方向電流のリーク電流に対する比が2
以下となるような順バイアスを印加して電着を行うこと
が望ましい。
【0015】
【作用及び実施態様例】本発明は、太陽電池に存在する
欠陥により形成される低抵抗部分を選択的に絶縁する太
陽電池の欠陥部分封止法について本発明者らの実験によ
り得た知見をさらに詳細に検討を加えて完成したもので
ある。その骨子は、太陽電池を半導体層または上部電極
を積層後、カチオン系電着樹脂の懸濁中に浸漬し、前記
太陽電池を陰極として適当な電圧を印加することにより
太陽電池の低抵抗部分のみに前記カチオン系電着樹脂で
被覆するものである。
【0016】電着法の際に太陽電池の受光面側から光を
照射することにより、欠陥部分に流れリーク電流が増加
するために欠陥部分のみが確実に低抵抗化するために被
覆はより選択的に行われるものである。更に、電着樹脂
の被覆膜形成後には低抵抗部分の電気抵抗は十分に高く
なり、半導体層で発生した電荷が該欠陥部分にリークす
ることを防止し、その結果、光電変換素子の変換効率な
どの太陽電池特性が向上するものである。
【0017】また、欠陥部分を前記電着樹脂で絶縁した
ことにより欠陥部分への水分の浸透や吸着が強く抑制さ
れるので、実使用に際して起こる使用時間の経過と共に
太陽電池特性が劣化する現象も大幅に改善される。更
に、上部電極の上にグリッド電極を設ける構成の太陽電
池の場合には、欠陥部分が電気絶縁性樹脂で覆われてい
るので、該欠陥部分とグリッド電極とが直接電気的に接
続されることによる重度のシャントトラブルもなくな
る。
【0018】以上のように、欠陥部分に電着樹脂を堆積
させ、欠陥部分を絶縁化することにより太陽電池特性を
低下させるシャント及びショートを著しく改善する太陽
電池の欠陥部分封止法であり、また、半導体層または上
部電極積層後に電着を行うため工程上容易な欠陥部分封
止法である。本発明の欠陥部分封止法を行う好適な装置
例を図1に示す。図に於いて100は太陽電池、101
は電着槽、102は電着液、103は対向電極、104
は基板、105は下部電極、106はn層、107はi
層、108はp層、109は上部電極、110欠陥部
分、111は被覆した電着樹脂、112は電源、113
は導線、114は太陽電池裏面のマスクシート、115
は対向電極裏面のマスクシート、116は光照射装置を
示す。尚、図1(B)は対向電極103、太陽電池10
0、光照射装置116の配置を示すために図1(A)を
上部から見た図である。
【0019】本発明の太陽電池の半導体層106、10
7、108及び下部電極105上部電極109等の形成
方法は大略公知の方法により作製される。アモルファス
シリコン半導体層の成膜法としては、蒸着法、スパッタ
法、RFプラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD
法、ECR法、熱CVD法、LPCVD法等公知の方法
を所望に応じて用いる。工業的に採用されている方法と
しては、原料ガスをプラズマで分解し、基板上に堆積さ
せるRFプラズマCVD法が好んで用いられる。さら
に、RFプラズマCVD法に於いては、原料ガスの分解
効率が約10%と低いことや、堆積速度が0.1nm/
secから1nm/sec程度と遅いことが問題である
が、この点を改良した成膜法としてマイクロ波プラズマ
CVD法が注目されている。多結晶シリコンの場合は、
溶融シリコンのシート化により、CuInSe2 /Cd
Sの場合、電子ビーム蒸着、スパッタリング、電解液の
電気分解による析出などの方法で形成される。
【0020】以上の成膜を行うための反応装置として
は、バッチ式の装置や連続成膜装置などが所望に応じて
使用できる。また下部電極はメッキ、蒸着、スパッタ等
の方法を用いる。上部電極の作製方法としては、抵抗加
熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング法、
スプレー法等を用いることができ所望に応じて適宜選択
される。
【0021】電着樹脂111は、ピンホール、粒界、基
板104及び下部電極105のスパイク状欠陥その他の
原因によって発生したショートあるいはシャント部分を
絶縁するために用いられ、さらには、耐湿性を向上させ
る機能を合わせ持っている。太陽電池のシャント抵抗は
理想的には無限大であるが一般的には1KΩcm2 程度
であり、この程度のシャント抵抗であれば太陽電池の変
換効率には影響がない。しかしながら、欠陥によるシャ
ントやショートが存在し1KΩcm2 以下になると変換
効率は著しく低下する。
【0022】電着樹脂は欠陥部分に直接堆積しているこ
とが必要であるが、電着の工程としては半導体層108
形成後、または上部電極109を形成後に電着する。こ
こで用いる電着樹脂の骨格樹脂としては、一般に知られ
ている樹脂を用いることができるが、絶縁性、耐熱性、
耐湿性を有する電着樹脂の骨格樹脂としては、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリエステル樹脂の中から所望に応じて適宜
選択される。あるいは、耐侯性、耐湿性、可とう性、密
着性、その他反応性やコストの改良のために上記樹脂を
2種類以上併用することも可能である。また、これらの
樹脂を水溶化して電気泳動を行わせるために、水溶液中
でで電離が起こるような官能基を導入することが必要で
あり、該官能基としてはカルボキシル基、アミノ基など
がある。カチオン系電着塗料ではアミノ基を導入してお
り、樹脂は陰極側に電気泳動して析出する。さらに電着
樹脂を硬化させるために、硬化剤を加えるがメチロール
化メラミンによるメラミン架橋、側鎖にスチレンやブタ
ジエン導入することにより炭素ー炭素二重結合(>C=
C<)を利用した酸化重合や、その他にもブロック化イ
ソシアネート基(ROCONH−)のウレタン結合を利
用したものなどが用いいられる。
【0023】また、電着樹脂は、太陽電池の欠陥部分お
よび欠陥部分近傍以外の表面には成膜されないことが望
ましい。このためには、電着後に不要な塗料を乾燥する
前に十分に水洗などにより除去する必要がある。不必要
な塗料が洗浄され易い条件としては、最低造膜温度(M
FT)が室温以上のMFTでなければならず、望ましく
は50℃以上であることが必要である。
【0024】さらに、上述した絶縁性、耐湿性を有する
電着樹脂の骨格樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等中から所望に
応じて適宜選択されるが、太陽電池の使用環境などを考
えるとある程度の耐熱性を有してしることが望ましい。
即ち、ガラス転移温度で表せば、100℃以上が好まし
い。100℃未満では上記樹脂を用いても屋外の真夏日
に樹脂が軟化するあるいは樹脂の樹脂の電気絶縁性が低
下するという問題が生じる懸念がある。柔らかい樹脂を
ガラス転移温度100℃以上にする方法として、上記骨
格樹脂にハードセグメント(フェニル基、側鎖がアルキ
ル基の場合短く)等を導入するか、骨格樹脂の分子の対
称性を高めるか、前記架橋剤を増量して用いる等が挙げ
られる。
【0025】これらの電着樹脂は均一な成膜を行うため
に溶液中では沈澱せずに安定に懸濁することが重要であ
り、このためには、樹脂は適当な大きさのコロイド粒子
となっていることが望ましい。前記コロイド粒子の粒径
は、10nmから100nm位の範囲であることが望ま
しく、また、前記粒径は単分散であることが望ましい。
前記コロイド粒子を構成する骨格樹脂の好適な分子量と
しては重量平均分子量が1000〜20000程度であ
る。耐光性、耐熱性、耐湿性、欠陥部分の選択性などの
向上のために電着樹脂に無機顔料、セラミックス、ガラ
スフリット、微粒子ポリマーなどのフィラーを分散する
ことも可能であり所望に応じ適宜選択して用いる。
【0026】太陽電池の欠陥部分を選択的に、かつ、有
効に絶縁するためには単位電気量あたりの電着膜重量が
大きい方が好ましく、このためには電着塗料のクーロン
効率は10mg/C以上であることが好ましい。電着塗
料の溶剤としては、透明導電性酸化物、半導体層及び下
部電極などの太陽電池構成材料を容易には溶解しない濃
度の酸またはアルカリを含む溶液、又はそれらの金属塩
を含む溶液を用いる。なお、該金属塩としては、塩を構
成する金属が、その標準電極電位が負で、水素過電圧の
値が標準電極電位の絶対値よりも小さい塩が用いられ
る。電着塗料は脱イオン水により希釈して用いられる
が、成膜性の良好な範囲としては、固形分が1%から2
5%位の範囲が良い。また、液の電導度は樹脂が安定に
懸濁し、電気泳動が起こり易く、しかも所望の欠陥部分
に堆積が起こり易いように、100μS/cmから20
00μS/cmの範囲であることが望ましい。
【0027】堆積した電着膜については、太陽電池の製
造方法によっては、電着後に溶剤を用いたり熱処理を行
うような工程がある。この場合にはこれらの処理によっ
て影響されないことが要求される。また、電着樹脂は太
陽電池の欠陥部分以外の表面には成膜されないことが望
ましいが、欠陥の大きさと同一の電着樹脂を積層させる
には電着工程を厳しく管理することが必要となり、これ
は電着工程で太陽電池の量産性の低下が起こる要因とな
りうる。積層された電着樹脂の面積は、欠陥部分以上あ
れば良く10倍以下が好ましい。積層された電着樹脂の
面積が、欠陥部分の10倍よりも大きい場合には上部電
極とグリッド電極とのコンタクトが少なくなり、シリー
ズ抵抗が上がり、グリッド電極での集電効率が低下して
しまう問題が生じる。また、欠陥部分近傍に積層した電
着樹脂は光を透過することが好ましい。即ち、電着樹脂
は透明であることが望ましい。
【0028】また、太陽電池として屋外で使用する場合
を考え、耐候性が良く、熱、湿度及び光に対する安定性
が要求される。また、太陽電池の使用時に於いて、場合
によっては、太陽電池が曲げられたり衝撃が与えられる
ため、機械的な強度及び剥離強度を合わせ持つ必要があ
る。また、電着した塗膜の膜厚としては電気的絶縁性
と、耐湿性が保たれ、かつ、光透過性を損なわれないこ
とが好ましいことから樹脂の種類により適宜選択される
が代表的には0.5〜50μm位が適当である。
【0029】欠陥部分に選択的に電着樹脂を堆積する工
程は、欠陥部分を有する太陽電池と対向電極との間に電
圧を印加して欠陥部分に電着皮膜を堆積することにより
行われる。前記太陽電池から端子を取り出す場合には導
電性基板あるいは下部電極から取り出せば良い。前記対
向電極の材質としては、電着塗料中で腐食されないこと
が要求され、耐食性のある白金、炭素、ニッケル、ステ
ンレスなどが好適に用いられる。また、対向電極の面積
は、太陽電池の面積に対して一定の比率とすることが電
着を均一にするために必要であり、いわゆる極比として
は、太陽電池面積と対向電極面積との比は1/2から2
/1の範囲であることが好ましい。また、太陽電池と対
向電極との極間距離は電着の均一性を保ために重要な因
子であるが、電着塗料の電導度や印加する電圧などの諸
条件により好適な範囲があり一般的には10mmから1
00mmが望ましい。
【0030】電着膜が太陽電池の欠陥部分のみに選択的
に堆積するために、基板などの導電性部分を電着塗料中
にさらすことは好ましくない。従って、太陽電池の光入
射側の裏面となる導電性基板表面を、プラスチックフィ
ルムやゴム磁石などの絶縁性被覆材で覆うことが望まし
い。電着を定電圧法で行う場合、太陽電池に印加する電
圧は、印加電圧としては、ネルンストの式で定義される
電極電位から計算される水素発生電位以上の電圧、具体
的には、水の理論分解電圧に過電圧を加えた値である2
ボルト以上の電圧が必要である。さらに、それぞれの太
陽電池の構成、面積及び、電着塗料の電導度などの物
性、印加電圧の極性など種々の点から好適な電圧範囲が
決定されるが、およそ2Vから200Vの範囲である。
また、印加した電圧の一部は太陽電池にも印加されるこ
とになるため、太陽電池に対して順バイアスとなるよう
な極性の場合(p層上に上部電極が設けられている場
合)には、太陽電池の順方向電流が流れるため選択性が
劣ることになり、この点を考慮して選択性を損なわない
電圧としなければならない。具体的には、太陽電池の順
方向電流のシャント電流に対する比が2以下が好まし
い。2より大きいと選択性が失われ、欠陥部分以外にも
大面積にわたりカチオン系電着樹脂が堆積し、グリッド
電極の集電効率が低下してしまうという問題が生じる。
更に太陽電池に光照射することにより電流が発生する
が、欠陥部分を通過する電流密度は正常部分よりもはる
かに大きくなる。すなわち、欠陥部分を流れる電流密度
と正常部分を流れる電流密度の相対比が大きくなり選択
性を向上することができる。
【0031】照射する光の照度及び太陽電池の構成によ
って太陽電池に発生する電流は異なるが、例えば、アモ
ルファスシリコンのシングルセルでは一般に使用されて
いる蛍光灯の照度下では発生する短絡電流の電流密度は
0.01mA/cm2 から0.05mA/cm2 であ
り、屋外太陽光の照度下では5mA/cm2 から25m
A/cm2 の短絡電流密度である。
【0032】このため、ショートやシャントなどの欠陥
部分にリーク電流を流し増加させる為には0.01mA
/cm2 から25mA/cm2 の電流密度の短絡電流が
発生するような照度の光を照射させることが望ましい。
特に、0.1mA/cm2 から10mA/cm2 である
ことが好ましい。本発明の電着法に於いて、電着の終点
の決定の仕方としては、時間による方法、クーロン量に
よる方法が可能である。電着塗膜は高抵抗であるため、
一定の膜厚になるとその部分には成膜がなされないた
め、太陽電池の構成によっては欠陥部分の堆積がなされ
たときに電着が自動的に終了し、電流が流れなくなるこ
とも可能である。しかしながら、太陽電池に対して順方
向バイアスを印加するような場合は電着初期には選択性
があっても時間の経過と共に正常部分にも堆積が起こる
ため、前述したように、時間やクーロン量による電着終
点の管理が必要となる。
【0033】以上の説明に於いては太陽電池はシート状
であり、電着プロセスは枚葉処理であったが、必要に応
じてロールツーロールで行うことも可能である。ロール
ツーロール処理に適する装置を図3に示す。図に於い
て、302は基板送り出しローラー、303は基板巻き
取りローラーで、ロール状に成った基板301はこの間
を移動する。304は電着槽、305は洗浄層、306
は乾燥炉であり、電着、洗浄、乾燥及び硬化の3つ工程
を順次ここで行う。また、基板301は導電性ローラー
312を介して電源307と接続され、裏面はマスクフ
ィルム送り出しローラー308とマスク巻き取りローラ
ー309によって送り出される絶縁性のマスクフィルム
310で覆われている。尚、311は対向電極、313
は光照射装置ある。
【0034】図3に於ける好ましい実施態様例として
は、太陽電池はステンレス基板上に堆積されたnip型
アモルファスシリコンであり、光入射側にITOの上部
電極が形成されている。太陽電池は送り出しローラー3
02から送り出され、電着槽304に浸漬され、洗浄層
305、乾燥炉306を通過した後巻き取りローラー3
03に巻き取られる。電着槽に浸漬する前にマスクフィ
ルムローラー308から太陽電池裏面マスク用のフィル
ム310が送り出されて前記太陽電池裏面と張り合わせ
られる。電着が完了した後は再び剥離され洗浄、乾燥後
巻き取られる。太陽電池の基板と接する導電性ローラー
312と電着槽内に浸漬された対向電極311の間に電
圧が印加される。
【0035】本発明の太陽電池の製造方法において、半
導体層上に上部電極を積層後欠陥部分に電着を行うこと
により、真空プロセスでの半導体成膜及び上部電極の形
成を全て終了した後でウェットプロセスの電着を行うた
め、工程上容易であり、両者のプロセスが完全に切り放
されているため太陽電池本来の性能を損なわない点で信
頼性があり、量産性の向上にもつながる。
【0036】本発明の太陽電池の欠陥部分封止法が用い
られる太陽電池の構成図を図4(A)〜図6に模式的に
示す。図4(A)は基板と反対側から光入射するアモル
ファスシリコン太陽電池、図4(B)は図4(A)のア
モルファスシリコン太陽電池をトリプル型とした太陽電
池、図5(A)薄膜多結晶の太陽電池である。図5
(B)は結晶系太陽電池である。図に於いて400は太
陽電池本体,401は基板,402は下部電極,403
はn層,404はi層,405はp層,406は上部電
極,411は反射防止層,407はグリッド電極,40
8はバスバーを表す。
【0037】上部電極上に形成するグリッド電極407
は、串状に形成するが、その形成方法には、マスクパタ
ーンを用いたスパッタリング、抵抗加熱、CVDの蒸着
方法、あるいは全面に金属層を蒸着した後にエッチング
してパターニングする方法、光CVDにより直接グリッ
ド電極パターンを形成する方法、グリッド電極パターン
のネガパターンのマスクを形成した後にメッキにより形
成する方法、導電性ペーストを印刷して形成する方法な
どがある。前記スクリーン印刷法はポリエステルやステ
ンレスでできたメッシュに所望のパターニングを施した
スクリーンを用いて導電性ペーストを印刷インキとして
用いるものであり電極幅としては、最小で50μm位と
することができる。印刷機は市販のスクリーン印刷機が
好適に用いられる。スクリーン印刷した導電性ペースト
はバインダーを架橋させるためと溶剤を揮発させるため
に乾燥炉で加熱する。
【0038】エンカプシュレーションの方法としては、
例えば真空ラミネーターのような市販の装置を用いて、
太陽電池基板と前記樹脂フィルムとを真空中で加熱圧着
する方法が望ましい。
【0039】
【実施例】以下、実施例により、本発明の太陽電池の欠
陥封止法を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実
施例により限定されるものではない。 (実施例1)図4(A)に示す層構成の太陽電池400
を以下のようにして作製した。まず、十分に脱脂、洗浄
を行ったSUS430BA製基板(10cm×10c
m、厚み0.2mm)401を不図示しDCスパッタ装
置に入れCrを200nm堆積し、下部電極402を形
成した。基板401を取り出し、不図示のRFプラズマ
CVD成膜装置に入れn層403,i層404,p層4
05の順で堆積を行った。その後、不図示の抵抗加熱の
蒸着装置に入れて、InとSnの合金を抵抗加熱により
蒸着し、反射防止効果を兼ねた機能を有する透明な上部
電極406を70nm堆積した。
【0040】次に、前記太陽電池400の裏面側をプラ
スチック製の絶縁性フィルムで覆い電着時に基板401
裏面に電着が施されないようにして図1の電解槽に浸漬
した。図1において101は電着層,102は電着液,
103は対向電極,104は基板,105は下部電極,
106はn層,107はi層,108はp層,109は
上部電極,110はショートやシャントなどの欠陥部
分、112は電源、113は導線、114は太陽電池裏
面のマスクシート、115は対向電極裏面のマスクシー
トを示す。
【0041】対向電極103として、10cm×5cm
の大きさで図1(B)に示したように2枚配置し、前記
104に対して裏面をプラスチック製の絶縁フィルムを
用いてシールしたSUS304ステンレス板を用いた。
電着液102は固形分10%のアクリル系カチオン電着
塗料を用い、電導度を東亜電波工業株式会社製CM−2
0Sを用いて測定したところ1500μS/cmであ
り、同社製ガラス電極pHメーターHF−30Sを用い
てpH測定したところ5.12であった。浴温28.2
℃のもとで、極間距離は対向電極103の中心部から5
0mmとした。光照射装置(AM1.5グローバルの太
陽光スペクトルで100mW/cm2 )116により前
記上部電極109側から光を照射しながら、基板104
にマイナス10Vの電圧を印加して30秒間保持し、電
着を行った。ここで111は欠陥部分に堆積した電着樹
脂を示す。
【0042】光照射装置にはフィルターを設置し、光の
光量を0.01,0.1,0.5,1.0,5.0,1
0,20,50,70,100mW/cm2 とした。こ
の時の短絡電流密度はそれぞれ、0.01,0.02,
0.1,0.2,1.0,2.0,4.0,10,1
4,20mA/cm2 であった。電着後、太陽電池10
0を電着槽から速やかに引き上げ、純水で十分に洗浄を
行い、未反応の電着塗料を洗い流し、50℃のオーブン
に投入し、10分放置して水分を乾燥させた。その後、
オーブンの温度を10℃/分の速度で昇温し、180℃
に達してから20分保持し電着樹脂の硬化を行った。
【0043】その後、太陽電池100の一部を切り出し
て走査型電子顕微鏡で観察したところ上部電極109の
表面には、約5μm〜50μmの径の半球状の堆積物が
点在して観察された。この部分の赤外吸収を、顕微機能
付きFTIRを用いて分析したところいずれの試料にも
アクリルエステルのカルボニル基の吸収があり電着塗料
が堆積していることが確認された。
【0044】さらにこの試料の光励起電流顕微鏡により
OBIC像を観察したところ、発電しない部分には前記
電着塗料の堆積が観察でき、従って、前記堆積膜はシャ
ント部分に選択的に堆積していることが確認された。ま
た、共焦点型のレーザー光顕微鏡により堆積した電着樹
脂の高さを測定したところ、0.6μmから5.8μm
であった。さらに、平均でシャント部分の約5倍の面積
にわたって堆積していることも確認された。
【0045】次に、太陽電池400を不図示のスクリー
ン印刷機(東京精機製HK−4060)に設置し、幅3
00μm長さ3cmのグリッド電極407を間隔0.5
cmで印刷した。このとき導電性ペーストは、Agフィ
ラー70部、ポリエステルバインダー30部(体積
比)、溶剤として酢酸エチルを20部含む組成のものを
用いた。印刷後、太陽電池400をオーブンに入れて1
50℃で50分間保持し、導電性ペーストをキュアし
た。
【0046】さらに、幅5mmの接着剤付き銅箔のバス
バー408を図6に示すように接着し10cm角のシン
グルセルを10枚作製した。続いて、これら試料のエン
カプシュレーションを以下のように行った。太陽電池4
00の上下にEVAを積層しさらにその上下にフッ素樹
脂フィルムETFE(エチレンテトラフルオロエチレ
ン)(デュポン製テフゼル)を積層した後、真空ラミネ
ーターに投入して昇温し150℃で45分間保持して、
真空ラミネーションを行った。照射光の光量に対応させ
て10種類のサンプルを、それぞれ10枚ずつ作製し
た。
【0047】得られた試料の初期特性を以下のように測
定した。まず、試料の暗状態での電圧電流特性を測定
し、原点付近の傾きからシャント抵抗を求めたところ2
0KΩcm2 ±3KΩcm2 と良好な特性であり、ばら
つきが少なかった。次に、AM1.5グローバルの太陽
光スペクトルで100mW/cm2 の光量の疑似太陽光
源(以下シュミレータと呼ぶ)を用いて太陽電池特性を
測定し、変換効率を求めたところ、7.8±0.5%と
良好な特性であり、ばらつきも少なかった。
【0048】さらに、これらの試料の信頼性試験を、日
本工業規格C8917の結晶系太陽電池モジュールの環
境試験方法及び耐久試験方法に定められた耐湿性試験B
−2に基づいて行った。まず、試料を温湿度が制御でき
る恒温恒湿器に投入し、温度85℃、相対湿度90%の
条件で1000時間試験を行った。試験終了後の試料を
初期特性と同様にシュミレータを用い太陽電池特性を測
定した。
【0049】光の照射による短絡電流の電流密度と初期
に対する耐湿性試験後の変換効率の低下の関係を図7に
示した。ここで、変換効率の低下は初期効率に対する比
で表し、短絡光電流密度は対数表示した。図7が示すよ
うに、電着時の照射光の短絡電流密度は0.01mA/
cm2 以上であることが好ましく、0.1mA/cm 2
から10mA/cm2 であることが適当であることが分
かった。
【0050】本実施例の結果から本発明の欠陥部分封止
法を施した太陽電池は歩留まりが良く良好な特性であ
り、信頼性も高いことがわかる。 (比較例1)次に、比較のため実施例1と同様の構成で
光照射を行わない図2に示した装置図で太陽電池を以下
のようにして作製した。
【0051】実施例1と同様に基板401上に上部電極
406までを形成した後、暗中で実施例1と同様に電着
を行った。次に、実施例1と同様にしてグリッド電極4
07を印刷した。さらに接着剤付きの銅箔をバスバー4
08として積層し、10cm角のシングルセルを作製し
た。次にこの試料のエンカプシュレーションを実施例1
と同様に行った。
【0052】光励起電流顕微鏡によりOBIC像を観察
したところ、点在する発電しない部分の内約10%の部
分には前記電着塗料の堆積がなされていなかった。ま
た、共焦点型のレーザー光顕微鏡により堆積した電着樹
脂の高さを測定したところ、平均で0.52μmであっ
た。得られた試料の初期特性を実施例1と同様の手順で
測定したところ、変換効率はばらつきが大きく5.8〜
7.2%であった。また、シャント抵抗は平均して9K
Ωcm2 となり、実施例1に比較してシャント抵抗が低
かった。これは銀のグリッド電極407と電着樹脂が堆
積されていない欠陥部分とが接触してショートしたこと
が原因と考えられる。このため変換効率も実施例1に比
べ低くなったと考えられる。
【0053】次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同
様に評価した。耐湿性試験終了後の試料の太陽電池特性
を測定したところ変換効率が初期値に対し35%の低下
であり有意な劣化が起きていた。また、シャント抵抗を
測定したところ平均して約40%まで低下していて信頼
性試験後においてシャントが発生していることがわかっ
た。
【0054】この試料のシャント部分を以下のようにし
て確認した。まず、試料に1.5ボルトの逆バイアスを
印加し、正常な部分は逆バイアスなので電流が流れず発
熱しないが、シャント部分には電流が流れ発熱する。こ
の状態で試料表面の赤外線のカメラで観察したところ発
熱部分が観察されグリッド電極407の下でシャントし
ていることがわかった。
【0055】(実施例2)太陽電池の構成を図4(B)
のトリプル型太陽電池とした以外はほぼ実施例1と同様
の方法で以下のようにして太陽電池を作製した。まず、
基板401上にテクスチャー構造のAlSiの光反射層
と、シャント防止用の高抵抗透明導電性部材ZnOの光
反射増加層が積層された下部電極402を形成した。そ
の後、不示図のマイクロ波プラズマCVD成膜装置に入
れn層403,i層404、p層405の順で積層を行
いボトム層を形成した。このとき,i層404はa−S
iGeとした。次に、n層413,i層414,p層4
15の順で積層を行いミドル層を形成した。i層414
はボトム層と同様にa−SiGeとした。次に、n層4
23,i層424,p層425の順で積層を行いトップ
層を形成した。i層424はa−Siとした。その後、
実施例1と同様に、反射防止効果を兼ねた機能を有する
透明な上部電極406を70nm積層した。上部電極4
06としてIn 2 3 (IO)を用いた。
【0056】次に、アクリル系カチオン電着塗料102
を用いて、光照射装置116により前記上部電極109
側から10000ルクスの光を照射しながら(このとき
短絡光電流密度は4.2mA/cm2 であった。)、極
間距離を50mm,印加電圧マイナス10V、電着時間
30秒の条件で電着処理を施した。その後洗浄し、熱硬
化を行った。その後、グリッド電極407を印刷し、さ
らにバスバー408を積層し図6に示す10cm角のト
リプルセルを作製した。同様にして10枚の試料を作製
した。さらに、この試料のエンカプシュレーションを実
施例1と同様に行った。
【0057】光励起電流顕微鏡によりOBIC像を観察
したところ、発電しない部分には前記電着塗料に堆積が
観察でき、従って、前記堆積膜はシャント部分に選択的
に堆積していることが確認された。また、共焦点型のレ
ーザー光顕微鏡により堆積した電着樹脂の高さを測定し
たところ、平均で3.58μmであった。さらに、平均
でシャント部分の約5倍の面積にわたって堆積している
ことも確認された。
【0058】得られた試料の初期特性は8.2%±0.
7%、シャント抵抗は18KΩcm 2 〜27KΩcm2
と良好な特性で、ばらつきも少なかった。次にこの試料
の信頼性試験を実施例1と同様に行った。耐湿度試験1
000時間終了後の太陽電池特性の低下は7.5%であ
った。本実施例から、本発明の太陽電池の欠陥部分封止
法を施した太陽電池は歩留まりが良く、良好な特性であ
り耐久性も高いことがわかる。
【0059】(実施例3)太陽電池の構成を図5(A)
の構成の薄膜多結晶の太陽電池した以外はほぼ実施例1
と同様の方法で以下のようにして太陽電池を作製した。
まず、実施例1と同様にSUS430BA製基板(10
cm×10cm、厚み0.2mm)401上に下部電極
402を形成し、その後、不図示のRFプラズマCVD
成膜装置に入れn層403,p層405の順で堆積を行
った。n層は薄膜の多結晶となっている。その後、実施
例1と同様に、反射防止効果を兼ねた機能を有する透明
な上部電極406を70nm堆積した。
【0060】次にアクリル系カチオン電着塗料102を
用いて、光照射装置116により前記上部電極109側
から20000ルクスの光を照射しながら(このときの
短絡光電流密度は7.1mA/cm2 であった)、極間
距離を50mm、印加電圧マイナス10V、電着時間3
0秒の条件で電着処理を施した。その後、洗浄し、熱硬
化を行った。その後、グリッド電極107を印刷し、さ
らにバスバー108を積層し図6に示す10cm角のセ
ルを作製した。同様にして10枚の試料を作製した。さ
らに、この試料のエンカプシュレーションを実施例1と
同様に行った。
【0061】光励起電流顕微鏡によりOBIC像を観察
したところ、発電しない部分には前記電着塗料の堆積が
観察でき、従って、前記堆積膜はシャント部分に選択的
に堆積していることが確認された。また、共焦点型のレ
ーダー光顕微鏡により堆積した電着樹脂の高さを測定し
たところ、平均で3.98μmであった。さらに、平均
でシャント部分の約5倍の面積にわたって堆積している
ことも確認された。
【0062】得られた試料の初期特性は、.6%±0.
6%、シャント抵抗は60KΩcm 2 〜98KΩcm2
と良好な特性を示す、ばらつきも少なかった。次にこの
試料の信頼成試験を実施例1と同様に行った。耐湿度試
験1000時間終了後の太陽電池特性の低下は4.5%
であった。本実施例から、本発明の太陽電池の欠陥部分
封止法を施した太陽電池は歩留まりが良く、良好な特性
であり耐久性も良いことがわかる。
【0063】(実施例4)電着時の印加電圧をマイナス
10Vからマイナス25Vに、通電時間30秒から10
秒に変更した他は実施例1と同様に試料を10枚作製し
た。OBIC像を観察すると発電しない部分には前記電
着塗料の堆積が観察でき、従って、前記堆積膜はシャン
ト部分に選択的に堆積していることが確認された。ま
た、共焦点型のレーザー光顕微鏡により堆積した電着樹
脂の高さを測定したところ、平均で4.24μmであっ
た。さらに、平均でシャント部分の約15倍の面積にわ
たって堆積していることも確認された。
【0064】得られた試料の初期特性は7.0±0.8
%、シャント抵抗は30KΩcm2±4KΩcm2 であ
った。次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同様に行
った。耐湿度試験1000時間終了後の試料の太陽電池
特性の低下は4.7%であった。本実施例の結果から本
発明の欠陥部分封止法を施した太陽電池は歩留まりが良
く、良好な特性であり、耐久性も良いことがわかる。
【0065】また、電着時の太陽電池の順方向電流のシ
ャント電流に対する比は2.0であった。なお実施例1
では0.8であった。
【0066】
【発明の効果】請求項1の発明により、欠陥部分の封止
の選択性を向上させることが可能となり、太陽電池特性
及び信頼性の高い太陽電池を提供することができる。ま
た、請求項2の発明により、耐候性が高まり、信頼性が
より向上する。さらに請求項3及び4の発明により、太
陽電池の特性、信頼性を一層向上させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池の欠陥部分封止法と装置を示
す概念図である。
【図2】従来の電着法による欠陥部分封止法と装置を示
す概念図である。
【図3】本発明の太陽電池をロールツーロールで行う電
着法の装置を示す概念図である。
【図4】本発明の欠陥部分封止法が用いられる太陽電池
の構成を模式的に示す図である。
【図5】本発明の欠陥部分封止法が用いられる太陽電池
の構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の欠陥部分封止法が用いられる太陽電池
の構成を模式的に示す図である。
【図7】短絡光電流密度と信頼性試験後の変換効率の変
化の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
100,200,400 太陽電池本体、 101,201,304 電着槽、 102,202,314 電着液、 103,203,311 対向電極、 104,204,301,401 基板、 105,205,402 下部電極、 106,206,403 n層、 107,207,404 i層、 108,208,405 p層、 109,209,406 上部電極、 110,210,409 欠陥部分、 111,211,410 電着樹脂、 112,212,307 電源、 113、213 導線、 114,214 太陽電池裏面のマスクシート、 115,215 対向電極裏面のマスクシート、 116,313 光照射装置、 302 基板送り出しローラー、 303 基板巻き取りローラー、 305 洗浄槽、 306 乾燥炉、 308 マスクフィルム送り出しローラー、 309 マスクフィルム送り出しローラー、 310 太陽電池裏面マスク用フィルム。 312 導電性ローラー 407 グリッド電極 408 バスバー 411 反射防止膜。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対の半導体接合と上部電極
    とからなる太陽電池の製造方法であって、少なくとも一
    対の半導体接合を形成した後または上部電極を形成した
    後、電着法により樹脂をショートやシャントなどの欠陥
    部分に堆積させる際、光照射によって前記欠陥部分に流
    れるリーク電流を増加させることを特徴とする太陽電池
    の欠陥部分封止法。
  2. 【請求項2】 前記樹脂は、カチオン型電着樹脂であ
    り、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、スチ
    レン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂の内の少なく
    とも一つを含んでいることを特徴とする請求項1に記載
    の太陽電池の欠陥部分封止法。
  3. 【請求項3】 前記光照射により発生する短絡光電流密
    度は、0.1mA/cm2〜10mA/cm2 であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池の欠
    陥部分封止法。
  4. 【請求項4】 前記電着法は順バイアス電圧を印可する
    際に太陽電池の順方向電流がリーク電流の2倍を超えな
    いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の太陽電池の欠陥部分封止法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015177177A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 シャープ株式会社 化合物半導体太陽電池セルおよび化合物半導体太陽電池セルの製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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