JPH06206975A - 光硬化性を有する光重合開始剤 - Google Patents

光硬化性を有する光重合開始剤

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JPH06206975A
JPH06206975A JP3108093A JP3108093A JPH06206975A JP H06206975 A JPH06206975 A JP H06206975A JP 3108093 A JP3108093 A JP 3108093A JP 3108093 A JP3108093 A JP 3108093A JP H06206975 A JPH06206975 A JP H06206975A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 光重合開始剤の移行現象を抑えた、且つ実用
的な硬化スピードを有する光重合開始剤を開発する。 【構成】 下式 《式中、Phはパラ位置に結合手を有するフェニル基、
はHまたはC1〜15までのアルキル基を、R
少なくとも水酸基一個を含むC3〜6のアルキル基を表
す》で表される化合物1モルに対して、有機ジイソシア
ネート1モルを付加させてなるイソシアネート末端のプ
レポリマーに対して、下式 《式中、RはHまたはメチル基を、nは0または1〜5
の整数を表す》で表される化合物1モルを反応させるこ
とによって得られる光硬化性を有する光重合開始剤。 【効果】 開始剤の分解物による塗膜の汚染等を最小限
に抑えることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光硬化性を有する光重合
開始剤に関し、光硬化性樹脂に添加し、光重合の開始剤
として使用できる化合物を提供すると同時に、光重合開
始剤そのものに光硬化性を持った化合物を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、光硬化性樹脂は光照射によって高
速で塗膜形成が行われることから工業材料としての経済
的有意性や有機溶剤を使用しないため環境への悪影響が
少ないこと等の理由により塗料、印刷インク、接着剤、
フォトレジスト等への応用技術が盛んに検討されるよう
になってきた。光硬化性樹脂は一般に光硬化を行うため
の必須成分として光重合開始剤を添加する。この光重合
開始剤は光の照射によって、ラジカルを発生し、ラジカ
ル重合性不飽和基を有する樹脂組成物を硬化させるもの
であるが、この光重合開始剤の性能によって光硬化性樹
脂の硬化物特性が大きく左右される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、一般に使用
されている光重合開始剤は、開始剤そのものにはラジカ
ル重合性のある不飽和基を含有しておらず硬化物中に光
重合開始剤の一部が非架橋成分として残存してしまう。
この光重合開始剤から発生した非架橋成分は、長期の屋
外暴露試験等に際し、表面近傍に移行してしまい、その
結果として塗膜の白化現象、濁度の上昇、光沢の低下等
を引き起こす原因となっていた。
【0004】また光硬化性樹脂組成物を食品包装用プラ
スチックフィルムの接着剤等へ応用した場合、光重合開
始剤から発生する非架橋成分がフィルムを透過し包装さ
れている食品等へ混入するという可能性があった。この
移行現象あるいは透過を低下させるために高分子量タイ
プの光重合開始剤が合成されたが分子量が増大すること
によって光重合開始剤としての性能、すなわち硬化スピ
ードの点で新たな問題が発生した。
【0005】また、高分子量となったために、光硬化性
樹脂組成物中の構成成分である各種の反応性モノマー、
オリゴマー類との相溶性に問題が発生していた。しかる
に光重合開始剤の移行現象を抑え、且つ実用的な硬化ス
ピードを有する光重合開始剤は、まだ見いだされていな
い。
【0006】さらに従来の光重合開始剤の光分解によっ
て発生した低分子化合物は臭気をもっており、この臭気
を減少させるための方法として、やはり光重合開始剤の
高分子量化により開始剤臭気を下げる試みがおこなわれ
てきたが、上記と同様な理由により硬化スピードが充分
ではなく実用的には多くの問題を抱えている。前記問題
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、通常使用されて
いる光重合開始剤にラジカル重合性の不飽和基を導入す
ることによって、上記問題を解決した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は「下
記一般式 《式中、Phはパラ位置に結合手を有するフェニル基、
は水素原子または炭素数1〜15までのアルキル基
を表し、Rは少なくとも水酸基一個を含む炭素数3〜
6のアルキル基を表す》で表される化合物1モルに対し
て、有機ジイソシアネート1モルを付加させてなるイソ
シアネート末端のプレポリマーに対して、下記一般式 《式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは0ま
たは1〜5の整数を表す》で表される化合物1モルを反
応させることによって得られる光硬化性を有する光重合
開始剤」である。
【0008】本発明で使用される下記一般式 《式中、Phはパラ位置に結合手を有するフエニル基、
は水素原子または炭素数1〜15までのアルキル基
を表し、Rは少なくとも水酸基一個を含む炭素数3〜
6のアルキル基を表す)で表される化合物としては、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−
ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4
−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げら
れる。
【0009】本発明の光重合性を有する光重合開始剤を
得る反応はこれまで公知となっているウレタン化反応に
よって得ることができる。このウレタン化反応は次の2
段階の反応工程によって得ることができる。第1段の反
応工程は、水酸基を有する化合物に有機ジイソシアネー
トを反応させて、片側の末端構造がイソシアネートのウ
レタンプレポリマーを得る工程である。
【0010】この反応は一般に以下の反応式により表す
ことができる。
【0011】《ただし、Rは水素原子または炭素数1
〜15までのアルキル基を表し、Rは少なくとも水酸
基一個を含む炭素数3〜6のアルキル基を表し、R
R2の残基を表し、Rは有機ジイソシアネートの残基を
表す》
【0012】この反応は窒素雰囲気下、室温〜90℃の
温度範囲で行う。この反応は触媒を使用することが好ま
しい。触媒としては、テトラブチルチタネート、テトラ
プロピルチタネート、テトラエチルチタネート等の有機
チタン化合物、オクチル酸錫、ジブチル錫オキシド、シ
ブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物、さらには、塩
化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を用いることが
できる。これらの触媒の添加量は、全仕込み量に対して
10〜10、000PPMである。
【0013】この際、反応溶剤として各種の活性水素を
含有しない有機溶剤を添加することが可能である。有機
溶剤の例としては、トルエン、エチルベンゼン、テロラ
リン、クメン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチル−イソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エステル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類が挙
げられる。
【0014】本発明で使用される有機ジイソシアネート
としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェ
ニレンジイソシアネート、1−クロロ−2,4−フェニ
レンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアンート、ジフェニルメタン−4,
4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,
4’−ビフェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート、、エタンジイソシアンート、プロパンジイ
ソシアネート、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイ
ソシアネート、ヘキサンジイソシアネート、ヘプタンジ
イソアネート、オクタンジイソアネート、ノナンジイソ
シアネート、デカンジイソシアネート、ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネ
ート等の脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0015】第二段目の反応は、第1段目の反応により
得られた片末端にイソシアネート基を有するウレタンプ
レポリマー1モルに、分子末端に水酸基を有するととも
にラジカル重合性不飽和基であるアクリロイル基または
メタクリロイル基を有する化合物を付加させる反応であ
る。
【0016】この反応は一般に以下の反応式により表す
ことができる。
【0017】《式中、Phはパラ位置に結合手を有する
フェニル基、Rは水素原子または炭素数1〜15まで
のアルキル基を表し、Rは少なくとも水酸基一個を含
む炭素数3〜6のアルキル基を表す、Rは一般式
(I)中のRの残基を表し、Rは有機ジイソシアネー
トの残基を表す》
【0018】この反応も基本的にはウレタンプレポリマ
ーを得る工程と同様のウレタン化反応である。この反応
はラジカル重合性不飽和基であるアクリロイル基または
メタクリロイル基を有する化合物を付加させる反応であ
ることから、乾燥空気雰囲気下で行うことが好ましい。
仮に窒素雰囲気下で反応を続行すれば、アクリロイル基
あるいはメタクリロイル基による重合反応のため、ゲル
の生成の可能性があるからである。
【0019】またこの段階の反応も触媒を使用するこが
好ましい。触媒としては、テトラブチルチタネート、テ
トラプロピルチタネート、テトラエチルチタネート等の
有機チタン化合物、オクチル酸錫、ジブチル錫オキシ
ド、シブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物、さらに
は、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を用いる
ことができる。この触媒の使用量は全仕込み量に対して
10〜10、000PPMである。
【0020】またアクリロイル基のラジカル重合を抑制
するためにラジカル重合禁止剤を使用することができ
る。ラジカル重合禁止剤としては、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル、d−t−ブチルハイドロキノン、p−
t−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられ
る。添加量は、全仕込み量に対して10〜10,000
ppmが適量である。この反応で得られたウレタンアク
リレートは反応収率がほぼ100%であるため、特別な
生成工程を必要としない。
【0021】本発明で使用する、下記一般式 《式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは0ま
たは1〜5の整数を表す》で表される化合物は以下の方
法により製造することができる。
【0022】すなわち、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートを開始剤として、触媒の存在下にε−カプロラクト
ンを、開環重合することにより得られる。開環重合は、
空気雰囲気下70〜150℃、好ましくは80〜140
℃の温度範囲で行う。70℃より低い場合は反応速度が
小さく、また150℃より高い場合はアクリロイル基が
ラジカル重合してしまうからである。この反応には触媒
を使用することが好ましい。触媒としては、テトラメト
キシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−n−プロ
ポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブ
トキシチタン、テトラブチルチタネートなどの有機チタ
ン系化合物、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジイソブ
チル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート等の有機錫
化合物、さらには、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第
一錫等を用いることができる。
【0023】触媒の添加量としては、ε−カプロラクト
ンモノマーに対して10〜1、000ppmの範囲で用
いることが好ましい。また、反応に際してラジカル重合
禁止剤としてハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル、p−t−ブチルカテコール、フェノチアジ
ン等を200〜20、000ppm添加することが好ま
しい。
【0024】このようにして得られたε−カプロラクト
ン変性アクリレート中のε−カプロラクトンの平均付加
モル数は0〜5の範囲が好ましい。5モル以上の付加で
は反応生成物の光重合開始能が極端に低下してしまうか
らである。さらに、カプロラクトンの結晶性がその構造
に反映され反応生成物が室温において結晶状態になって
しまい、取扱いにおいて支障をきたすからである。
【0025】このようにして合成されたウレタンアクリ
レートは分子中に光を照射することによってラジカル重
合性のあるベンゾイルラジカルが発生すると同時に、分
子中に架橋性のアクリロイル基あるいはメタクリロイル
基を含有するため、これを単独または他の光硬化成樹脂
組成物に混合し、光を照射した場合、光重合開始能を発
現すると同時に他の架橋性樹脂類と容易に共重合させる
ことも可能である。然るに、従来の架橋成分を含有しな
い光重合開始剤の如く長期の屋外暴露時に表面近傍へ移
行し塗膜の白化現象、濁度の上昇、光沢の低下等を引き
起こすことがない。
【0026】(実施例)以下実施例により本発明を説明
する。 合成例1 ガス導入管、温度計、冷却管及び撹拌装置を備えた3L
の4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート444
部と溶媒として酢酸エチル1.004部を仕込み、さら
に触媒としてジブチル錫ジラウレートを0.772部及
び重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル
1.00部を仕込み窒素雰囲気下、60℃の温度に保っ
た。次いで2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン328部を加えイソシアネート濃度
が固形分100%に喚算して10.8%のプレポリマー
を得た。
【0027】次いで乾燥空気雰囲気下において2−ヒド
ロキシエチルアクリレート232部を徐々に加え、その
まま反応を継続してイソシアネート濃度が固形分濃度1
00%に喚算して0.01%以下で反応を停止し、オリ
ゴマーAを得た。
【0028】合成例2〜4 アルコール成分として2−ヒドロキシ−2−メチル−1
−フェニルプロパン−1−オン328部の代わりに1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン408部、1
−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン664部、1−(4−イソプロ
ピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン
−1−オン412部を用いた以外は合成例1と同様な方
法にて合成を行いそれぞれオロゴマーB、C、Dを得
た。
【0029】合成例5〜8 有機ジイソシアネート成分としてイソホロンジイソシア
ネートの代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネート3
36部、2,4−トリレンジイソシアネート348部、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート500
部、ジシクロヘキシルメタンジイソシネート524部を
用いた以外は合成例1と同様な方法にて合成を行いそれ
ぞれオリゴマーE、F、G、Hを得た。
【0030】合合成例9〜14 2−ヒドロキシエチルアクリレートの代わりに2−ヒド
ロキシエチルアクリレートにε−カプラクトンを平均付
加モル数で1モル、2モル、5モル、6モル、8モル、
10モル付加させたアクリレートを使用した以外は合成
例1と同様な方法で合成を行い、それぞれオリゴマー
H、J、K、L、M、Nを得た。
【0031】実施例1〜15および比較例1〜5 合成したオリゴマーを使用し表1〜3に示す組成でその
硬化性能を調べた。評価用試料はスライドガラス上に上
記組成物を5ミクロンになるようにバーコータで塗布し
高圧水銀灯(ランプ入力120W/cm)にて、コンベ
ヤースピード30m/分にて紫外線を照射して、表面の
タックがなくなるまでの照射回数を測定した。
【0032】評価結果を表1に示す。
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の効果】本発明の光硬化性を有する光重合開始剤
は、単独あるいは他の多官能アクリレート化合物と組み
合わせることによって容易に光重合が可能であり、架橋
物の構造の中に光重合開始剤を組み込むことが可能であ
る。したがって、従来から使用されてきた非架橋性の光
重合開始剤と異なり、開始剤の分解物による塗膜の汚染
等を最小限に抑えることが可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式 《式中、Phはパラ位置に結合手を有するフェニル基、
    は水素原子または炭素数1〜15までのアルキル基
    を表し、Rは少なくとも水酸基一個を含む炭素数3〜
    6のアルキル基を表す》で表される化合物1モルに対し
    て、有機ジイソシアネート1モルを付加させてなるイソ
    シアネート末端のプレポリマーに対して、下記一般式 《式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは0ま
    たは1〜5の整数を表す》で表される化合物1モルを反
    応させることによって得られる光硬化性を有する光重合
    開始剤。
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