JPH06207170A - 白色有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

白色有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH06207170A
JPH06207170A JP5290207A JP29020793A JPH06207170A JP H06207170 A JPH06207170 A JP H06207170A JP 5290207 A JP5290207 A JP 5290207A JP 29020793 A JP29020793 A JP 29020793A JP H06207170 A JPH06207170 A JP H06207170A
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正英 松浦
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弘 東海林
Hisahiro Azuma
久洋 東
Tadashi Kusumoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光効率が高く、かつ発光安定性に優れる白
色有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。 【構成】 発光層が固体状態の蛍光ピーク波長が380
nm以上480nm未満である有機化合物を含有する第
一発光層と、固体状態の蛍光ピーク波長が480nm以
上580nm未満である有機化合物を含有する第二発光
層とが透明電極又は陽極側から順次積層された積層構造
からなり、かつ溶液状態での蛍光ピーク波長が580n
m以上650nm以下である有機化合物を、有機化合物
層の少なくとも一層に、その層を形成する有機化合物に
対して0.1〜10モル%の割合で含有させた白色有機エ
レクトロルミネッセンス素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な白色有機エレクト
ロルミネッセンス素子に関し、さらに詳しくは、発光効
率が高く、かつ発光安定性に優れた白色発光を呈する有
機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エレクトロルミネッセンス素子(EL素
子)は、自己発光のため視認性が高く、かつ完全固体素
子であるため、耐衝撃性に優れるという特徴を有してい
る。そのため、現在、無機又は有機化合物を用いた様々
なEL素子が提案され、かつ、実用化が試みられてい
る。これらの素子のうち、有機EL素子は印加電圧を大
幅に低下させることができるので、各種材料・素子の開
発が進められている。さらに、現在用いられているバッ
クライトやディスプレイなどの表示素子の軽量化にも有
効である。白色発光する有機EL素子については、従
来、次のような技術の開示がなされているが、以下のよ
うな問題点が多々あった。例えば、ヨーロッパ公開特許
第0390551号公報では、キャリアをキャリア界面
の蓄積によるトンネリング注入によって取り込むため白
色発光するための域値電圧が存在し、その域値以下にお
いては白色ではないため階調表示ができない。特開平3
−230584号公報では、二色の蛍光物の混合発光で
あるため良好な白色にはならない。特開平2−2203
90号公報では、白色発光を呈するが、印加電圧30V
で輝度110cd/m2 であり、駆動電圧が高い割りに
は発光効率が低い。特開平4−51491号公報では、
端面発光構造であり面全体としての用途には不適であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、従来の有機EL素子の特性を維持すると
ともに、発光効率が高く、かつ発光安定性に優れた白色
発光を呈する有機EL素子を提供することを目的として
なされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い発光
効率及び発光安定性を有する白色有機EL素子を開発す
べく鋭意研究を重ねた結果、正孔と電子との再結合領域
を第一発光層と第二発光層との界面領域として、第一発
光層及び第二発光層それぞれに、固体状態の蛍光ピーク
波長が異なる特定の範囲にある有機化合物を含有させ、
かつ第一発光層、第二発光層及びその他の有機化合物層
の中から選ばれた少なくとも一層に、溶液状態での蛍光
ピーク波長が特定の範囲にある有機化合物を含有させる
ことにより、従来の有機EL素子の特性を維持するとと
もに、発光効率が高く、かつ発光安定性に優れた白色発
光を呈する有機EL素子が得られることを見出した。本
発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。す
なわち、本発明は、少なくとも一方が透明もしくは半透
明な一対の電極間に発光層を少なくとも含む有機化合物
層を挟持してなる有機エレクトロルミネッセンス素子に
おいて、該発光層は固体状態の蛍光ピーク波長が380
nm以上480nm未満である有機化合物を含有する第
一発光層と、固体状態の蛍光ピーク波長が480nm以
上580nm未満である有機化合物を含有する第二発光
層とが透明電極又は陽極側から順次積層された積層構造
からなり、かつ溶液状態での蛍光ピーク波長が580n
m以上650nm以下である有機化合物を、上記第一発
光層、第二発光層及びその他の有機化合物層の中から選
ばれた少なくとも一層に、その層を形成する有機化合物
に対し、0.1〜10モル%の割合で含有させたことを特
徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子を提供
するものである。
【0005】本発明の白色有機EL素子は、第一発光層
と第二発光層の2層の発光層に特徴がある。この第一発
光層には、固体状態の蛍光ピーク波長が380nm以上
480nm未満(青色系)、好ましくは420nm以上
475nm未満である有機化合物が用いられ、第二発光
層には、固体状態の蛍光ピーク波長が480nm以上5
80nm未満(緑色系)、好ましくは490nm以上5
60nm未満である有機化合物が用いられる。さらに、
上記発光層及び他の有機化合物層の中から選ばれた少な
くとも一層に、溶液状態での蛍光ピーク波長が580n
m以上650nm以下(赤色系)、好ましくは585n
m以上620nm以下である有機化合物を、その層を形
成する有機化合物に対して0.1〜10モル%、好ましく
は0.5〜5モル%の割合で含有させたことを特徴とす
る。この0.1〜10モル%というのは、濃度消光を生じ
ないための濃度範囲である。なお、蛍光スペクトルにお
いて、ピークが複数ある化合物においては、上記のそれ
ぞれの波長全面域に少なくとも一つのピークをもってい
ればよい。
【0006】本発明の白色有機EL素子による白色光
は、上記第一発光層及び第二発光層及び混合成分からの
発光の重ね合わせ(すなわち、特定の蛍光ピーク波長を
有する3種類の上記有機化合物の3原色発光の重ね合わ
せ)により得ることができる。なお、図1に白色光の定
義をCIE座標にて示した。ここで、第一発光層に用い
る有機化合物は、特に限定されず、例えば特開平3−2
31970号公報あるいは国際公開特許WO92/05
131号公報、特願平5−170354号明細書、特願
平5−129438号明細書に記載されている有機化合
物の中で、上記第一発光層の蛍光条件を満足するものが
挙げられる。好ましいものとしては、特開平3−231
970号公報、国際公開特許WO92/05131号公
報、特願平5−170345号明細書に記載されている
上記第一発光層の蛍光条件を満たすものと、特願平5−
129438号明細書に記載されている適当な化合物と
の組合せ、さらには後述する正孔注入輸送層に用いる化
合物のなかで、上記第一発光層の蛍光条件を満足するも
のを挙げることができる。次に、特開平3−23197
0号公報、国際公開特許WO92/05131号公報に
記載されている上記第一発光層の蛍光条件を満たす化合
物としては、一般式(I)
【0007】
【化6】
【0008】〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原
子,炭素数1〜6のアルキル基,炭素数1〜6のアルコ
キシ基,炭素数7〜18のアラルキル基,置換もしくは
無置換の炭素数6〜18のアリール基,置換もしくは無
置換の芳香族複素環式基,置換もしくは無置換のシクロ
ヘキシル基,置換もしくは無置換の炭素数6〜18のア
リールオキシ基,置換もしくは無置換のピリジル基を示
す。ここで、置換基は炭素数1〜6のアルキル基,炭素
数1〜6のアルコキシ基,炭素数7〜18のアラルキル
基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,炭素数1〜6
のアシル基,炭素数1〜6のアシルオキシ基,カルボキ
シル基,スチリル基,炭素数6〜20のアリールカルボ
ニル基,炭素数6〜20のアリールオキシカルボニル
基,炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基,ビニル
基,アニリノカルボニル基,カルバモイル基,フェニル
基,ニトロ基,水酸基あるいはハロゲン原子を示す。こ
れらの置換基は単一でも複数でもよい。また、R1 〜R
4 は同一でも、また互いに異なっていてもよく、R1
2 及びR3 とR4 は互いに置換している基と結合し
て、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の五員環ある
いは置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の六員環を形
成してもよい。Arは置換もしくは無置換の炭素数6〜
20のアリーレン基を表わし、単一置換されていても、
複数置換されていてもよく、また結合部位は、オルト,
パラ,メタいずれでもよい。なお、置換基は前記と同じ
である。また、アリーレン基の置換基同士が結合して、
置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の五員環あるいは
置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の六員環を形成し
てもよい。但し、Arが無置換フェニレンの場合、R1
〜R4 は、それぞれ炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素
数7〜18のアラルキル基,置換もしくは無置換のナフ
チル基,ビフェニル基,シクロヘキシル基,アリールオ
キシ基より選ばれたものである。〕で表される芳香族メ
チリディン化合物,一般式(II) A−Q−B ・・・ (II) 〔式中、A及びBは、それぞれ上記一般式(I)で表さ
れる化合物から1つの水素原子を除いた一価基を示し、
同一であっても異なってもよい。また、Qは共役系を切
る二価基を示す。〕で表される芳香族メチリディン化合
物及び一般式(III)
【0009】
【化7】
【0010】〔式中、A1 は置換もしくは無置換の炭素
数6〜20のアリーレン基又は二価の芳香族複素環式基
を示す。結合位置はオルト,メタ,パラのいずれでもよ
い。A 2 は置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリ
ール基又は一価の芳香族複素環式基を示す。R5 及びR
6 は、それぞれ水素原子,置換もしくは無置換の炭素数
6〜20のアリール基,シクロヘキシル基,一価の芳香
族複素環式基,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数7
〜20のアラルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ
基を示す。なお、R5 ,R6 は同一でも異なってもよ
い。ここで、置換基とは、アルキル基,アリールオキシ
基,アミノ基又はこれらの基を有するもしくは有しない
フェニル基であり、該置換基は単一でも複数でもよい。
5 の各置換基はA1 と結合して、飽和もしくは不飽和
の五員環又は六員環を形成してもよく、同様にR6 の各
置換基はA2 と結合して、飽和もしくは不飽和の五員環
又は六員環を形成してもよい。また、Q1 は前記と同じ
である。〕で表される芳香族メチリディン化合物が挙げ
られる。
【0011】ここで、一般式(I)中のR1 〜R4 は、
前述の如く同一でも異なってもよく、それぞれ水素原
子,炭素数1〜6のアルキル基(メチル基,エチル基,
n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソ
ブチル基,sec −ブチル基,tert−ブチル基,イソペン
チル基,t-ペンチル基,ネオペンチル基,イソヘキシル
基),炭素数1〜6のアルコキシ基(メトキシ基,エト
キシ基,プロポキシ基,ブトキシ基等),炭素数7〜1
8のアラルキル基(ベンジル基,フェネチル基等),炭
素数6〜18のアリール基(フェニル基,ビフェニル
基,ナフチル基等),シクロヘキシル基,芳香族複素環
式基(ピリジル基,キノリル基),炭素数6〜18のア
リールオキシ基(フェノキシ基,ビフェニルオキシ基,
ナフチルオキシ基等)を示す。
【0012】また、R1 〜R4 は、これらに置換基の結
合したものでもよい。即ち、R1 〜R4 は、それぞれ置
換基含有フェニル基,置換基含有アラルキル基,置換基
含有シクロヘキシル基,置換基含有ビフェニル基,置換
基含有ナフチル基を示す。ここで、置換基は炭素数1〜
6のアルキル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数
7〜18のアラルキル基,炭素数6〜18のアリールオ
キシ基,炭素数1〜6のアシル基,炭素数1〜6のアシ
ルオキシ基,カルボキシル基,スチリル基,炭素数6〜
20のアリールカルボニル基,炭素数6〜20のアリー
ルオキシカルボニル基,炭素数1〜6のアルコキシカル
ボニル基,ビニル基,アニリノカルボニル基,カルバモ
イル基,フェニル基,ニトロ基,水酸基あるいはハロゲ
ン原子であり、複数置換されていてもよい。したがっ
て、例えば、置換基含有アラルキル基は、アルキル基置
換アラルキル基(メチルベンジル基,メチルフェネチル
基等),アルコキシ基置換アラルキル基(メトキシベン
ジル基,エトキシフェネチル基等),アリールオキシ基
置換アラルキル基(フェノキシベンジル基,ナフチルオ
キシフェネチル基等),フェニル基置換アラルキル基
(フェニルフェネチル基等)、上記置換基含有フェニル
基は、アルキル基置換フェニル基(トリル基,ジメチル
フェニル基,エチルフェニル基など),アルコキシ基置
換フェニル基(メトキシフェニル基,エトキシフェニル
基など)アリールオキシ基置換フェニル基(フェノキシ
フェニル基,ナフチルオキシフェニル基等)あるいはフ
ェニル基置換フェニル基(つまり、ビフェニリル基)で
ある。また、置換基含有シクロヘキシル基は、アルキル
基置換シクロヘキシル基(メチルシクロヘキシル基,ジ
メチルシクロヘキシル基,エチルシクロヘキシル基
等),アルコキシ基置換シクロヘキシル基(メトキシシ
クロヘキシル基,エトキシシクロヘキシル基等)あるい
はアリールオキシ基置換シクロヘキシル基(フェノキシ
シクロヘキシル基,ナフチルオキシシクロヘキシル
基),フェニル基置換シクロヘキシル基(フェニルシク
ロヘキシル基)である。置換基含有ナフチル基は、アル
キル基置換ナフチル基(メチルナフチル基,ジメチルナ
フチル基等),アルコキシ基置換ナフチル基(メトキシ
ナフチル基,エトキシナフチル基等)あるいはアリール
オキシ基置換ナフチル基(フェノキシナフチル基,ナフ
チルオキシナフチル基),フェニル基置換ナフチル基
(フェニルナフチル基)である。
【0013】上記R1 〜R4 としては、上述したものの
うち、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基,アリールオ
キシ基,フェニル基,ナフチル基,ビフェニル基,シク
ロヘキシル基が好ましい。これらは置換あるいは無置換
のいずれでもよい。また、R 1 〜R4 は同一でも、また
互いに異なっていてもよく、R1 とR2 及びR3 とR 4
は互いに置換している基と結合して、置換もしくは無置
換の飽和又は不飽和の五員環あるいは置換もしくは無置
換の飽和又は不飽和の六員環を形成してもよい。
【0014】一方、一般式(I)中のArは置換もしく
は無置換の炭素数6〜20のアリーレン基を表わし、置
換もしくは無置換のフェニレン基,ビフェニレン基,p
−テルフェニレン基,ナフチレン基,ターフェニレン
基,ナフタレンジイル基,アントラセンジイル基,フェ
ナントレンジイル基,フェナレンジイル基等のアリーレ
ン基であり、無置換でも置換されていてもよい。又、メ
チリディン(=C=CH−)の結合位置はオルト,メ
タ,パラ等どこでもよい。但し、Arが無置換フェニレ
ンの場合、R1 〜R4 は炭素数1〜6のアルコキシ基,
炭素数7〜18のアラルキル基,置換あるいは無置換の
ナフチル基,ビフェニル基,シクロヘキシル基,アリー
ルオキシ基より選ばれたものである。置換基はアルキル
基(メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec −ブチル基,
t−ブチル基,イソペンチル基,t−ペンチル基,ネオ
ペンチル基,イソヘキシル基等),アルコキシ基(メト
キシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロポキシ
基,ブチルオキシ基,イソブチルオキシ基,sec −ブチ
ルオキシ基,t−ブチルオキシ基,イソペンチルオキシ
基,t−ペンチルオキシ基),アリールオキシ基(フェ
ノキシ基,ナフチルオキシ基等),アシル基(ホルミル
基,アセチル基,プロピオニル基,ブチリル基等),ア
シルオキシ基,アラルキル基(ベンジル基,フェネチル
基等),フェニル基,水酸基,カルボキシル基,アニリ
ノカルボニル基,カルバモイル基,アリールオキシカル
ボニル基,メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル
基,ブトキシカルボニル基,ニトロ基,ハロゲン原子で
あり、単一置換でも複数置換されていてもよい。
【0015】前記一般式(I)で表わされるメチリディ
ン芳香族化合物は、1分子中に2つのメチリディン(=
C=CH−)基を有し、このメチリディン基の幾何異性
によって、4通りの組合わせ、すなわち、シス−シス,
トランス−シス,シス−トランス及びトランス−トラン
スの組合わせがある。本発明のEL素子における第一発
光層は、それらのいずれのものであってもよいし、幾何
異性体の混合したものでもよい。特に好ましくは、全て
トランス体のものである。また、上記置換基は、置換基
の間で結合し、置換、無置換の飽和もしくは不飽和の五
員環又は六員環を形成してもよい。
【0016】一般式(II)におけるA及びBは、それぞ
れ上記一般式(I)で表される化合物から1つの水素原
子を除いた一価基を示し、同一であっても異なってもよ
いものである。ここで、一般式(II)におけるQは共役
系を切る二価基を示す。ここで、共役とは、π電子の非
極在性によるもので、共役二重結合あるいは不対電子又
は孤立電子対によるものも含む。Qの具体例としては、
【0017】
【化8】
【0018】が挙げられる。このように共役系を切る二
価の基を用いる理由は、上記で示されるAあるいはB
(即ち、一般式(I)の化合物)を、単独で本発明の有
機EL素子として用いた場合に得られるEL発光色と、
一般式(II)で表わされる化合物を本発明の有機EL素
子として用いた場合に得られるEL発光色とが変わらぬ
ようにするためである。つまり、一般式(I)又は一般
式(II)で表わされる第一発光層が、短波長化あるいは
長波長化したりすることはないようにするためである。
また、共役系を切る二価基で接続するとガラス転移温度
(Tg)は、上昇することが確認でき、均一なピンホー
ルフリーの微結晶あるいはアモルファス性薄膜が得られ
ることができ、発光均一性を向上させている。更に、共
役系を切る二価基で結合していることにより、EL発光
が長波長化することなく、また、合成あるいは精製が容
易にできる長所を備えている。
【0019】また、一般式(III)中のA1 は置換もしく
は無置換の炭素数6〜20のアリーレン基又は二価の芳
香族複素環式基、A2 は置換もしくは無置換の炭素数6
〜20のアリール基(フェニル基,ビフェニル基,ナフ
チル基等)又は一価の芳香族複素環式基を示す。R5
びR6 は、それぞれ水素原子,置換もしくは無置換の炭
素数6〜20のアリール基,シクロヘキシル基,一価の
芳香族複素環式基,炭素数1〜10のアルキル基(メチ
ル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,sec −ブチル基,tert−ブ
チル基,イソペンチル基,t-ペンチル基,ネオペンチル
基,イソヘキシル基等),炭素数7〜20のアラルキル
基(ベンジル基,フェネチル基等)又は炭素数1〜10
のアルコキシ基(メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ
基,ブトキシ基等)を示す。なお、R5 ,R6 は同一で
も異なってもよい。ここで、置換基とは、アルキル基,
アリールオキシ基,アミノ基又はこれらの基を有するも
しくは有しないフェニル基であり、該置換基は単一でも
複数でもよい。R5 の各置換基はA1 と結合して、飽和
もしくは不飽和の五員環又は六員環を形成してもよく、
同様にR6 の各置換基はA2 と結合して、飽和もしくは
不飽和の五員環又は六員環を形成してもよい。また、Q
は、上記と同様に共役を切る二価基を表す。さらに、該
1 の結合はオルト,メタ,パラのいずれでもよい。さ
らに、本発明において、上記の一般式(I),一般式
(II)又は一般式(III)で表される有機化合物は、CI
E色度座標における青紫,紫青,青,緑青もしくは青緑
の発光を呈する化合物であることが必要である。具体的
には、
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】
【化18】
【0030】などである。他の有機化合物としては、
【0031】
【化19】
【0032】なども挙げられる。また、特願平5−17
0354号明細書に記載されている上記第一発光層の蛍
光条件を満たす化合物としては、一般式(XI)
【0033】
【化20】
【0034】〔式中、R37〜R48は、それぞれ独立に水
素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す。但し、R
37〜R48のうち少なくとも1つは炭素数1〜6のアルキ
ル基である。また、R38とR39,R40とR41,R44とR
45,R46とR47は、互いに結合して飽和もしくは不飽和
の五員環又は六員環を形成してもよい。X及びYはそれ
ぞれ独立に置換又は無置換の炭素数6〜20のアリール
基を示す。XとYは置換基と結合して置換もしくは無置
換の飽和又は不飽和の五員環あるいは六員環を形成して
もよい。ここで、置換基としては炭素数1〜6のアルキ
ル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数6〜18の
アリールオキシ基,フェニル基,アミノ基,シアノ基,
ニトロ基,水酸基あるいはハロゲン原子を示す。これら
の置換基は単一でも複数置換されていてもよい。〕で表
されるターフェニレン誘導体のスチリル化合物を挙げる
ことができる。
【0035】ここで、一般式(XI)において、R37〜R
48は、それぞれ独立に水素原子あるいはメチル基,エチ
ル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル
基,イソブチル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,
イソペンチル基,t−ペンチル基,ネオペンチル基,n
−ヘキシル基,イソヘキシル基などの炭素数1〜6のア
ルキル基を示す。但し、R37〜R48のうち少なくとも1
つは炭素数1〜6のアルキル基であり、特にメチル基又
はエチル基が好ましい。また、R38とR39,R40
41,R44とR45,R46とR47は、互いに結合して飽和
もしくは不飽和の五員環又は飽和もしくは不飽和の六員
環を形成してもよい。飽和もしくは不飽和の五員環又は
六員環を有するスチリル化合物の例としては、R38とR
39,及びR46とR47が飽和五員環を形成する場合は、
【0036】
【化21】
【0037】などが挙げられ、R46とR47で飽和六員環
を形成する場合には、
【0038】
【化22】
【0039】などが挙げられる。X及びYは、それぞれ
独立に置換または無置換のフェニル基,ナフチル基,ビ
フェニル基,ターフェニル基,アントラリル基,フェナ
ントリル基,ピレニル基,ペリレニル基など炭素数6〜
20のアリール基を示す。ここで、置換基としては、例
えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピ
ル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル
基,t−ブチル基,イソペンチル基,t−ペンチル基,
ネオペンチル基,n−ヘキシル基,イソヘキシル基など
の炭素数1〜6のアルキル基、メトキシ基,エトキシ
基,n−プロポキシ基,イソプロポキシ基,n−ブチル
オキシ基,イソブチルオキシ基,sec−ブチルオキシ
基,イソペンチルオキシ基,t−ペンチルオキシ基,n
−ヘキシルオキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ
基、フェノキシ基,ナフチルオキシ基など炭素数6〜1
8のアリールオキシ基、フェニル基、アミノ基、シアノ
基、ニトロ基、水酸基あるいはハロゲン原子が挙げられ
る。これらの置換基は単一でも複数置換されていてもよ
い。また、XとYは置換基と結合して置換もしくは無置
換の飽和又は不飽和の五員環あるいは飽和又は不飽和の
六員環を形成してもよい。飽和もしくは不飽和の五員環
又は六員環を有するスチリル化合物の例としては、Xと
Yが飽和五員環を形成する場合は、
【0040】
【化23】
【0041】などが挙げられ、XとYが飽和六員環形成
する場合は、
【0042】
【化24】
【0043】などが挙げられる。
【0044】上記一般式(XI)で表されるスチリル化合
物は、種々の公知の方法によって製造することができ
る。具体的には、次の2つの方法が挙げられる。 方法1 一般式(a)
【0045】
【化25】
【0046】〔式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基又
はフェニル基を示し、R37〜R48は前記と同じであ
る。〕で表されるホスホン酸エステルと、一般式(b)
【0047】
【化26】
【0048】〔式中、X,Yは前記と同じである。〕で
表されるカルボニル化合物を塩基存在下で縮合する方法
(Wittig反応又はWittig−Horner反
応)により合成することができる。 方法2 一般式(c)
【0049】
【化27】
【0050】〔式中、R37〜R48は前記と同じであ
る。〕で表されるジアルデヒド化合物と一般式(d)
【0051】
【化28】
【0052】〔式中、R,X,Yは前記と同じであ
る。〕で表されるホスホン酸エステルを塩基存在下で縮
合する方法(Wittig反応又はWittig−Ho
rner反応)により合成することができる。
【0053】この合成で用いる反応溶媒としては、炭化
水素,アルコール類,エーテル類が好ましい。具体的に
は、メタノール;エタノール;イソプロパノール;ブタ
ノール;2−メトキシエタノール;1,2−ジメトキシ
エタン;ビス(2−メトキシエチル)エーテル;ジオキ
サン;テトラヒドロフラン;トルエン;キシレン;ジメ
チルスルホキシド;N,N−ジメチルホルムアミド;N
−メチルピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノンなどが挙げられる。特に、テトラヒドロフラ
ン,ジメチルスルホキシドが好適である。また、縮合剤
としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,ナトリ
ウムアミド,水素化ナトリウム,n−ブチルリチウム,
ナトリウムメチラート,カリウム−t−ブトキシドなど
が好ましく、特にn−ブチルリチウム,カリウム−t−
ブトキシドが好ましい。反応温度は、用いる反応原料の
種類などにより異なり、一義的に定めることはできない
が、通常は0℃〜約100℃までの広範囲を指定でき
る。特に好ましくは0℃〜室温の範囲である。
【0054】以下に、本発明で用いられる上記スチリル
化合物の具体例(1)〜(26)を挙げるが、本発明は
それらに限定されるものではない。
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】一方、第二発光層に用いられる、固体状態
の蛍光ピーク波長が480nm以上580nm未満であ
る有機化合物については、特に制限はなく、例えばヨー
ロッパ公開特許第0281381号公報に記載されてい
るレーザー色素として用いられるクマリン誘導体が挙げ
られる。具体的には、
【0061】
【化34】
【0062】などである。さらに、特開平3−2319
70号公報あるいは特願平2−279304号明細書に
記載されている有機化合物中で上記第二発光層の蛍光条
件を満足するものが挙げられる。さらに、好ましいもの
として、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属
錯体を挙げることができる。具体的には、オキシン(一
般に8−キノリノールまたは8−ヒドロキシキノリン)
のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物であ
る。このような化合物は高水準の性能を示し、容易に薄
膜形態に成形される。オキシノイド化合物の例は下記構
造式を満たすものである。
【0063】
【化35】
【0064】〔式中、Mtは金属を表し、nは1〜3の
整数であり、且つ、Zはその各々の位置が独立であっ
て、少なくとも2以上の縮合芳香族環を完成させるため
に必要な原子を示す。〕ここで、Mtで表される金属
は、一価,二価又は三価の金属とすることができるもの
であり、例えばリチウム,ナトリウムまたはカリウム等
のアルカリ金属、マグネシウム又はカルシウム等のアル
カリ土類金属、ホウ素又はアルミニウム等の土類金属で
ある。一般に有用なキレート化合物であると知られてい
る一価,二価または三価の金属はいずれも使用すること
ができる。
【0065】また、Zは、少なくとも2以上の縮合芳香
族環の一方がアゾールまたはアジンからなる複素環を形
成させる原子を示す。ここで、もし必要であれば、上記
縮合芳香族環に他の異なる環を付加することが可能であ
る。また、機能上の改善が無いまま嵩ばった分子を付加
することを回避するため、Zで示される原子の数は18
以下に維持することが好ましい。
【0066】さらに、具体的にキレート化オキシノイド
化合物を例示すると、トリス(8−キノリノール)アル
ミニウム,ビス(8−キノリノール)マグネシウム,ビ
ス(8−キノリノール)亜鉛,ビス(2−メチル−8−
キノリノール)亜鉛,ビス(ベンゾ−8−キノリノー
ル)亜鉛,ビス(2−メチル−8−キノリラート)アル
ミニウムオキシド,トリス(8−キノリノール)インジ
ウム,トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミ
ニウム,8−キノリノールリチウム,トリス(5−クロ
ロ−8−キノリノール)ガリウム,トリス(2−メチル
−8−キノリノール)ガリウム,ビス(5−クロロ−8
−キノリノール)カルシウム,5,7−ジクロル−8−
キノリノールアルミニウム,トリス(5,7−ジブロモ
−8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム,トリス
(7−プロピル−8−キノリノール)アルミニウム,ビ
ス(8−キノリノール)ベリリウム,ビス(2−メチル
−8−キノリノール)ベリリウムなどがある。
【0067】本発明の白色有機EL素子においては、前
記第一発光層及び/又は第二発光層に、特願平5−12
9438号明細書に記載されているスチルベン誘導体,
ジスチリルアリーレン誘導体及びトリススチリルアリー
レン誘導体の中から選ばれた少なくとも一種を含有させ
るのが好ましい。該スチルベン誘導体とは、少なくとも
2つの芳香族環を有し、これら芳香族環をビニル基又は
置換されたビニル基により結合して構成され、かつ上記
芳香族環又はビニル基のいずれかに電子供与性基を有す
る化合物である。ジスチリルアリーレン誘導体とは、1
つのアリーレン基に2つの芳香族環がビニル基又は置換
ビニル基を介して結合し、かつ電子供与性基を有する化
合物である。トリススチリルアリーレン誘導体とは、1
つの3価の芳香族環基に3つの芳香族環がビニル基また
は置換ビニル基を介して結合し、かつ電子供与性基を有
する化合物である。電子供与性基を分子骨格に有する前
記誘導体において該電子供与性基とは、好ましくは炭素
数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜10のアリール
オキシ基および炭素数1〜30の炭化水素基を有するア
ミノ基を示す。上記誘導体において、特に好ましいもの
は下記一般式(IV)〜(X)で表される化合物であり、
(IV)及び(V)はスチルベン誘導体,(VI)及び(VI
I)はジスチリルアリーレン誘導体,(VIII)〜(X)は
トリススチリルアリーレン誘導体を表す。
【0068】
【化36】
【0069】〔式中、Ar1 は炭素数6〜20のアリー
ル基を示す。R7 〜R10は、それぞれ独立に水素原子又
は炭素数6〜20のアリール基を示す。D1 〜D3 は、
それぞれ独立に電子供与性基で置換された炭素数6〜2
0のアリール基又は炭素数10〜30の縮合多環族基を
示す。ここで、Ar1 ,R7 〜R10は、それぞれ独立に
無置換でもよいし、炭素数1〜10のアルキル基,炭素
数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜10のアリール
オキシ基,炭素数6〜10のアラルキル基又は炭素数1
〜20の炭化水素基を有するアミノ基で置換されていて
もよい。また、この置換基が互いに結合し飽和もしくは
不飽和の五員環ないし六員環を形成してもよい。〕
【0070】
【化37】
【0071】〔式中、Ar2 およびAr3 は、それぞれ
独立に炭素数6〜20のアリーレン基を示し、Ar4
炭素数6〜20のアリール基を示す。R11〜R18は、そ
れぞれ独立に水素原子又は炭素数6〜20のアリール基
を示す。ここで、Ar2 〜Ar 4 ,R11〜R18は、それ
ぞれ独立に無置換でもよいし、炭素数1〜10のアルキ
ル基,炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜10
のアリールオキシ基,炭素数6〜10のアラルキル基又
は炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基で置換
されていてもよい。また、これらの置換基が互いに結合
して飽和もしくは不飽和の五員環ないし六員環を形成し
てもよい。D4 〜D6 は、それぞれ独立に電子供与性基
で置換された炭素数6〜20のアリール基又は炭素数1
0〜30の縮合多環族基を示す。〕
【0072】
【化38】
【0073】〔式中、Ar5 〜Ar7 は、それぞれ独立
に炭素数6〜24の3価の芳香族環基を示し、Ar8
Ar10は、それぞれ独立に炭素数6〜20のアリール基
を示す。R19〜R36は、それぞれ独立に水素原子または
炭素数6〜20のアリール基を示す。D7 〜D12は、そ
れぞれ独立に電子供与性基で置換された炭素数6〜20
のアリール基又は炭素数10〜30の縮合多環族基を示
す。ここで、Ar5 〜Ar7 ,R19〜R36は、それぞれ
独立に無置換でもよいし、炭素数1〜10のアルキル
基,炭素数1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜10の
アラルキル基,炭素数6〜10のアリールアルキル基又
は炭素数1〜20の炭化水素基を有するアミノ基で置換
されていてもよい。また、これらの置換基が互いに結合
し飽和もしくは不飽和の五員環ないし六員環を形成して
もよい。〕上記一般式(IV)〜(X)におけるアリール
基としては、好ましくはフェニル基,ビフェニルイル
基,ナフチル基,ピレニル基,ターフェニルイル基,ア
ントラニル基,トリル基,キシリル基,スチルベニル
基,チエニル基,ビチエニル基,チオフェン基,ビチオ
フェン基,ターチオフェン基などが挙げられる。アリー
レン基としては、好ましくはフェニレン基,ビフェニレ
ン基,ナフチレン基,アントラニレン基,ターフェニレ
ン基,ピレニレン基,スチルベニレン基,チエニレン
基,ビチエニレン基などが挙げられる。3価の芳香族環
基とは、好ましくは
【0074】
【化39】
【0075】が挙げられる。また、上記置換基であるア
リールオキシ基としては、フェニルオキシ基,ビフェニ
ルオキシ基,ナフチルオキシ基,アントラニルオキシ
基,ターフェニルオキシ基,ピレニルオキシ基などが挙
げられ、アルキル基としては、メチル基,エチル基,イ
ソプロピル基,ターシャルブチル基,ペンチル基,ヘキ
シル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メト
キシ基,エトキシ基,イソプロポキシ基,ターシャルブ
トキシ基,ペンチルオキシ基などが挙げられ、炭化水素
基を有するアミノ基としては、ジメチルアミノ基,ジエ
チルアミノ基,ジフェニルアミノ基,フェニルエチルア
ミノ基,フェニルメチルアミノ基,ジトリルアミノ基,
エチルフェニルアミノ基,フェニルナフチルアミノ基,
フェニルビフェニルアミノ基などが挙げられる。前記一
般式(IV)〜(X)におけるD1 〜D12は、電子供与性
基で置換された炭素数1〜20のアリール基、又は炭素
数10〜30の縮合多環族基である。ここで、電子供与
性基とは、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基,
炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜30の
炭化水素基を有するアミノ基が挙げられ、特に好ましく
は炭素数1〜30の炭化水素基を有するアミノ基が挙げ
られる。このアミノ基としては、一般式(XII)
【0076】
【化40】
【0077】〔式中、X1 及びX2 は、それぞれ独立に
炭素数6〜20のアリール基,炭素数1〜10のアルキ
ル基又は炭素数6〜20のアラルキル基を示し、互いに
結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成してもよい。
また、X1 ,X2 には、炭素数1〜10のアルキル基,
炭素数7〜10のアラルキル基,炭素数6〜10のアリ
ールオキシ基又は炭素数6〜10のアルコキシ基が置換
してもよい。さらに、一般式(XII)で表されるアミノ基
に置換するアリール基としてのX1 とX2 が互いに結合
した含窒素芳香族環基となってもよい。〕で表されるも
のが挙げられる。上記電子供与性基としては、例えばフ
ェニルオキシ基,ビフェニルオキシ基,ナフチルオキシ
基,アントラニルオキシ基,ターフェニルイルオキシ基
などのアリールオキシ基、メトキシ基,エトキシ基,イ
ソプロポキシ基,ターシャルブチルオキシ基,ペンチル
オキシ基などのアルコキシ基、ジメチルアミノ基,ジエ
チルアミノ基,ジフェニルアミノ基,フェニルメチルア
ミノ基,フェニルエチルアミノ基,フェニルメチルエチ
ルアミノ基,ジトリルアミノ基,エチルフェニルアミノ
基,フェニルナフチルアミノ基,フェニルビフェニルイ
ルアミノ基などの炭化水素基を有するアミノ基などが挙
げられる。また、D1 〜D12の具体例としては、
【0078】
【化41】
【0079】
【化42】
【0080】
【化43】
【0081】
【化44】
【0082】などが挙げられる。上記一般式(IV)〜
(X)で表される化合物の具体例としては、
【0083】
【化45】
【0084】
【化46】
【0085】
【化47】
【0086】
【化48】
【0087】
【化49】
【0088】
【化50】
【0089】
【化51】
【0090】
【化52】
【0091】
【化53】
【0092】などを挙げることができる。
【0093】本発明の白色有機EL素子においては、溶
液状態での蛍光ピーク波長が580nm以上650nm
以下である有機化合物を、前記第一発光層,第二発光層
及びその他の有機化合物層の中から選ばれた少なくとも
一層に含有させることが必要である。この有機化合物と
しては、溶液状態でのピーク波長が580nm以上65
0nm以下であればよく、特に制限はないが、例えばヨ
ーロッパ公開特許第0281381号公報に記載されて
いる赤色発進レーザー色素として用いられるジシアノメ
チレンピラン誘導体,ジシアノメチレンチオピラン誘導
体,フルオレセイン誘導体,ペリレン誘導体などが挙げ
られる。具体的には
【0094】
【化54】
【0095】などが挙げられる。これらの有機化合物
は、層を形成する有機化合物に対して、0.1〜10モル
%、好ましくは0.5〜5モル%の割合で含有させること
が必要である。この0.1〜10%というのは、濃度消光
を生じないための濃度範囲である。
【0096】本発明の白色有機EL素子の構成は、発光
層の構成以外は限定されるものではなく任意の素子構成
を採ることができる。具体的に、陽極/正孔注入輸送層
/発光層/電子注入輸送層/陰極からなる有機EL素子
の各構成について説明する。
【0097】本発明の白色有機EL素子は、支持基板上
にて形成することが好ましい。用いられる支持基板は、
透明性を有するものが好ましく、一般にガラス,透明プ
ラスチック,石英などである。本発明の白色有機EL素
子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以
上)金属,合金,電気伝導性化合物及びこれらの混合物
を電極物質とするものが好ましく用いられる。このよう
な電極物質の具体例としては、Auなどの金属,Cu
I,ITO,SnO2 , ZnOなどの誘電性を有した透
明材料又は半透明材料が挙げられる。該陽極は、これら
の極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄
膜を形成させることにより作製することができる。この
電極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より
大きくすることが望ましく、また、電極としてのシート
抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料に
もよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜2
00nmの範囲で選ばれる。
【0098】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物及びこれ
らの混合物を電極物質とするものが用いられる。このよ
うな電極物質の具体例としては、ナトリウム,ナトリウ
ム−カリウム合金,マグネシウム,リチウム,マグネシ
ウム/銅混合物,Al/(Al2 3 ) ,インジウム,
希土類金属などが挙げられる。該陰極は、これらの電極
物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を
形成させることにより、作製することができる。また、
電極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、
膜厚は通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200
nmの範囲で選ばれる。なお、このEL素子において
は、該陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明で
あることが、発光を透過するため、発光の取出し効率が
よく好都合である。
【0099】このEL素子における発光層は、上記第一
発光層と第二発光層からなり、かつ第一発光層、第二発
光層の順に透明電極又は陽極側から順次積層された積層
構造を有している。特に、陰極側に近い発光層が遠い発
光層より電子輸送能力が大であることが好ましい。これ
は、二つの発光層界面で主たる発光が生じ、ここでの発
光もしくは励起状態のエネルギーを利用し、液体状態で
の蛍光ピークが580nm以上650nm以下である有
機化合物が発光し、透明電極から白色発光を取り出させ
る。第一発光層と第二発光層の積層順が逆になった場
合、第一発光層の発光が第二発光層に吸収され、良好な
白色が得られなくなる。液体状態での蛍光ピークが58
0nm以上650nm以下である有機化合物は、発光波
長では長波長成分であるので、他の成分により吸収され
ることはなく、有機化合物層のいかなる層に含有させて
もよい。そして、発光層の厚さは、好ましくは第二発光
層が第一発光層の膜厚以上であればよく、この範囲で適
宜状況に応じて選ぶことができる。上記発光層の形成方
法は、限定されることはなく、例えば蒸着法,スピンコ
ート法,キャスト法,LB法などの公知の方法により薄
膜化することにより形成することができるが、特に分子
堆積膜であることが好ましい。ここで、分子堆積膜と
は、該化合物の気相状態から沈着され形成された薄膜
や、該化合物の溶液状態又は液相状態から固体化され形
成された膜のことであり、通常この分子堆積膜はLB法
により形成された薄膜(分子累積膜)とは、凝集構造,
高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により
区分することができる。
【0100】このように本発明における発光層は、電界
印加時に、陽極又は正孔注入輸送層より正孔を注入する
ことができ、かつ陰極又は電子注入輸送層より電子を注
入することができる注入機能、注入した電荷(電子と正
孔)を電界の力で移動させる輸送機能、電子と正孔の再
結合の場を提供し、これを発光につなげる発光機能など
を有している。本発明の発光層とは、可視光を発光する
層のことである。なお、正孔の注入されやすさと、電子
の注入されやすさには違いがあっても構わない。また、
正孔と電子の移動度で表される輸送機能に大小があって
もよいが、どちらか一方を移動することが好ましい。さ
らに、本発明で用いられる発光材料は、他の有機化合物
層内において再結合した電荷による励起状態の供給をう
けて発光してもよい。次に、本発明のEL素子における
正孔注入輸送層は、必ずしも該素子に必要なものではな
いが、発光性能の向上のため用いた方が好ましいもので
ある。この正孔注入輸送層としては、より低い電界で正
孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の移
動度が104 〜106 ボルト/cmの電場で少なくとも
10-6cm2 /ボルト・秒であれば尚好ましい。例え
ば、従来、光導伝材料において、正孔の電荷注入輸送材
料として慣用されているものやEL素子の正孔注入輸送
層に使用される公知のものの中から任意のものを選択し
て用いることができる。
【0101】正孔注入輸送層としては、例えばトリアゾ
ール誘導体(米国特許第3,112,197号明細書等参照),
オキサジアゾール誘導体(米国特許第3,189,447 号明細
書等参照),イミダゾール誘導体(特公昭37−160
96号公報等参照),ポリアリールアルカン誘導体(米
国特許第3,615,402 号明細書,同3,820,989 号明細書,
同3,542,544 号明細書,特公昭45−555号公報,同
51−10983号公報,特開昭51−93224号公
報,同55−17105号公報,同56−4148号公
報,同55−108667号公報,同55−15695
3号公報,同56−36656号公報等参照),ピラゾ
リン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,72
9 号明細書,同4,278,746 号明細書,特開昭55−88
064号公報,同55−88065号公報,同49−1
05537号公報,同55−51086号公報,同56
−80051号公報,同56−88141号公報,同5
7−45545号公報,同54−112637号公報,
同55−74546号公報等参照),フェニレンジアミ
ン誘導体(米国特許第3,615,404 号明細書,特公昭51
−10105号公報,同46−3712号公報,同47
−25336号公報,特開昭54−53435号公報,
同54−110536号公報,同54−119925号
公報等参照),アリールアミン誘導体(米国特許第3,56
7,450 号明細書,同3,180,703 号明細書,同3,240,597
号明細書,同3,658,520 号明細書,同4,232,103 号明細
書,同4,175,961 号明細書,同4,012,376 号明細書,特
公昭49−35702号公報,同39−27577号公
報,特開昭55−144250号公報,同56−119
132号公報,同56−22437号公報,西独特許第
1,110,518 号明細書等参照),アミノ置換カルコン誘導
体(米国特許第3,526,501 号明細書等参照),オキサゾ
ール誘導体(米国特許第3,257,203 号明細書などに記載
のもの),スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−
46234号公報等参照),フルオレノン誘導体(特開
昭54−110837号公報等参照),ヒドラゾン誘導
体(米国特許第3,717,462 号明細書,特開昭54−59
143号公報,同55−52063号公報,同55−5
2064号公報,同55−46760号公報,同55−
85495号公報,同57−11350号公報,同57
−148749号公報,特開平2−311591号公報
等参照),スチルベン誘導体(特開昭61−21036
3号公報,同61−228451号公報,同61−14
642号公報,同61−72255号公報,同62−4
7646号公報,同62−36674号公報,同62−
10652号公報,同62−30255号公報,同60
−93445号公報,同60−94462号公報,同6
0−174749号公報,同60−175052号公報
等参照)などを挙げることができる。さらに、シラザン
誘導体(米国特許第4950950号明細書),ポリシ
ラン系(特開平2−204996号公報),アニリン系
共重合体(特開平2−282263号公報)、また特願
平1−211399号明細書で示された導電性高分子オ
リゴマー、特にチオフェンオリゴマーなどが挙げられ
る。
【0102】本発明においては、これらの化合物を正孔
注入輸送層の材料として使用することができるが、次に
示すポルフィリン化合物(特開昭63−2956965
号公報などに記載のもの)及び芳香族第三級アミン化合
物及びスチリルアミン化合物(米国特許第4,127,412 号
明細書,特開昭53−27033号公報,同54−58
445号公報,同54−149634号公報,同54−
64299号公報,同55−79450号公報,同55
−144250号公報,同56−119132号公報,
同61−295558号公報,同61−98353号公
報,同63−295695号公報等参照),特に該芳香
族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
【0103】該ポルフィリン化合物の代表例としては、
ポルフィン;1,10,15,20−テトラフェニル−
21H,23H−ポルフィン銅(II);1,10,1
5,20−テトラフェニル21H,23H−ポルフィン
亜鉛(II);5,10,15,20−テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィン;
シリコンフタロシアニンオキシド;アルミニウムフタロ
シアニンクロリド;フタロシアニン(無金属);ジリチ
ウムフタロシアニン;銅テトラメチルフタロシアニン;
銅フタロシアニン;クロムフタロシアニン;亜鉛フタロ
シアニン;鉛フタロシアニン;チタニウムフタロシアニ
ンオキシド;マグネシウムフタロシアニン;銅オクタメ
チルフタロシアニンなどが挙げられる。また、該芳香族
第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例
としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,
4’−ジアミノフェニル;N,N’−ジフェニル−N,
N’−ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノ
ビフェニル(TPDA);2,2−ビス(4−ジ−p−
トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−
ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,
N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジア
ミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルア
ミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス
(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニル
メタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フ
ェニルメタン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ
(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェ
ニル;N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフ
ェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ
(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)
−4’−〔4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチ
ルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェ
ニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−
ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバ
ゾール;芳香族ジメチリディン系化合物などが挙げられ
る。また、発光層の材料として示した芳香族メチリジン
化合物(特願平2−279304号明細書および特開平
3−231970号公報参照)も、正孔注入輸送層の材
料として用いることができる。さらに、p型−Si,p
型−SiCなどの無機化合物(国際公開特許WO90−
05998号公報参照)も、正孔注入輸送層の材料とし
て用いることができる。
【0104】本発明のEL素子における正孔注入輸送層
は、上記化合物を、例えば真空蒸着法,スピンコート
法,キャスト法,LB法等の公知の薄膜化法により製膜
して形成することができる。この正孔注入輸送層として
の膜厚は、特に制限はないが、通常は1nm〜10μ
m、好ましくは5nm〜5μmである。この正孔注入輸
送層は、これらの正孔注入輸送材料一種又は二種以上か
らなる一層で構成されてもよいし、あるいは、前記正孔
注入輸送層とは別種の化合物からなる正孔注入輸送層を
積層したものであってもよい。
【0105】本発明の白色有機EL素子においては、発
光層と陰極間の付着性を向上させるために、該電子注入
輸送層は、発光層及び陰極に対し付着性の高い材料を含
有するのが好ましい。この様な付着性の高い材料として
は、ニトロ置換フルオレノン誘導体,アントラキノジメ
タン誘導体,ジフェニルキノン誘導体,チオピランジオ
キシド誘導体,ナフタレンペリレン誘導体などの複素環
テトラカルボン酸無水物,カルボジイミド,フルオレニ
リデンメタン誘導体,アントラキノジメタン誘導体およ
びアントロン誘導体,オキサジアゾール誘導体,その他
特定の電子伝達性化合物などを挙げることができる。ま
た、8−ヒドロキシキノリン又はその誘導体の金属錯体
(Al,Zn,Li,Ga,Be,In,Mg,Cu,
Ca,SnまたはPb)を挙げることができる。具体的
には、オキシン(一般に8−キノリノールまたは8−ヒ
ドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキ
シノイド化合物である。このような化合物は高水準の性
能を示し、容易に薄膜形態に成形される。
【0106】さらに、具体的にキレート化オキシノイド
化合物を例示すると、トリス(8−キノリノール)アル
ミニウム;ビス(8−キノリノール)マグネシウム;ビ
ス(ベンゾ−8−キノリノール)亜鉛;ビス(2−メチ
ル−8−キノリラート)アルミニウムオキシド;トリス
(8−キノリノール)インジウム;トリス(5−メチル
−8−キノリノール)アルミニウム;8−キノリノール
リチウム;トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガ
リウム;ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシ
ウム;5,7−ジクロル−8−キノリノールアルミニウ
ム;トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリ
ノール)アルミニウム等がある。その他に、メタルフリ
ーあるいはメタルフタロシアニン、それらの末端がアル
キル基またはスルホン基で置換されているものも好まし
い。さらに、発光層の材料として前述したジスチリルピ
ラジン誘導体も電子注入輸送層の材料として用いること
ができる。さらに、p型−Si,p型−SiCなどの無
機化合物(国際公開特許WO90−05998号公報参
照)も、電子注入輸送層の材料として用いることができ
る。
【0107】本発明のEL素子における電子注入輸送層
は、上記化合物を、例えば真空蒸着法,スピンコート
法,キャスト法,LB法等の公知の薄膜化法により製膜
して形成することができる。この電子注入輸送層として
の膜厚は、特に制限はないが、通常は1nm〜10μ
m、好ましくは5nm〜5μmである。この電子注入輸
送層は、これらの電子注入輸送材料一種又は二種以上か
らなる一層で構成されてもよいし、あるいは、前記電子
注入輸送層とは別種の化合物からなる電子注入輸送層を
積層したものであってもよい。
【0108】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1〜3 25mm×75mm×1.1mmのガラス基板上にITO
を蒸着法にて100nmの膜厚で製造したものを透明電
極基板とした。この基板をイソプロピルアルコール中に
て10分間超音波洗浄を行い、浸漬した。この基板を乾
燥窒素中にて乾燥し、次いで、UVオゾン洗浄を(株)
サムコインターナショナル研究所製の装置(UV−30
0)にて行い、透明電極基板とした。この透明電極基板
を市販の蒸着装置(日本真空技術(株)製)の基板ホル
ダーに設置し、モリブデン製抵抗加熱ボートにN,N’
−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)
−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(T
PD)を200mg入れ、更に、別のモリブデン製抵抗
加熱ボートに4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビ
ニル)ビフェニル(DPVBi)を200mg入れ、さ
らに、別のモリブデン製抵抗加熱ボートに第1表に示す
化合物(A)を入れ、真空槽を1×10-4Paまで減圧
した。その後、TPD入りボートを215〜220℃ま
で加熱し、TPDを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明
支持基板上に蒸着して、膜厚60nmの正孔注入輸送層
を製膜した。このときの基板温度は室温であった。
【0109】次に、これを取り出すことなく、この正孔
注入輸送層の上に、DPVBiの入ったボートを加熱し
て第一発光層として40nm積層蒸着した。このとき、
同時に化合物(A)のボートを加熱し、第一発光層に化
合物(A)を第1表に示す(b)モル%の割合で含有さ
せた。その後、真空槽を大気圧に戻し、新たにモリブデ
ン製抵抗加熱ボートに8−ヒドロキシキノリン・アルミ
ニウム錯体(Alq)を200mg入れ、さらに別のモ
リブデン製抵抗加熱ボートに第1表に示す化合物(C)
を入れ、再度、真空槽を1×10-4Paまで減圧した。
次いでAlq入りのボートを加熱し、第二発光層とし
て、20nm製膜した。このとき、同時に化合物(C)
のボートも加熱し、化合物(C)を第1表に示す(d)
モル%の割合で、第二発光層に含有させた。その後、真
空槽を大気圧へ再度戻し、モリブデン製抵抗加熱ボート
にマグネシウムリボンを1g入れ、タングステンバスケ
ットに銀ワイヤーを500mg入れて、真空槽を1×1
-4Paまで減圧した。この後、マグネシウムを蒸着速
度1.4nm/秒、銀を蒸着速度0.1nm/秒で膜厚15
0nm同時蒸着し、混合金属からなる陰極とした。
【0110】
【表1】
【0111】なお、各有機化合物の蛍光ピーク波長は、
DPVBi(固体):465nm、PAVBi(固
体):463nm、PAVTP(固体):454nm、
Alq(固体):500nm、ルブレン(ジメチルホル
ムアミド0.1重量%溶液):585nm及びルモゲンF
(ジメチルホルムアミド0.1重量%溶液):595nm
であった。また、PAVBi及びPAVTPの構造式を
次に示す。
【0112】
【化55】
【0113】この素子の初期性能の代表値及び半減寿命
を求めた。その結果を第2表に示す。なお、半減寿命
は、初期輝度:100cd/m2 、直流定電流駆動及び
駆動環境:乾燥窒素雰囲気の条件で測定を行い、初期輝
度の1/2に達した時間で表した。
【0114】実施例4 実施例1〜3と同じ形状のITO付きガラス基板に同じ
洗浄工程を施し、透明電極基板とし、真空槽の基板ホル
ダーに設置した。モリブデン製抵抗加熱ボートにTPD
を200mg入れ、さらに、別のモリブデン製抵抗加熱
ボートにルブレンを入れ、真空槽を1×10-4Paまで
減圧した。その後、TPD入りボートを加熱し、TPD
を蒸着速度29〜30nm/秒で透明支持基板上に蒸着
して、膜厚60nmの正孔注入輸送層を製膜した。これ
と同時にルブレンの入ったボートを加熱し、0.5モル%
の割合で正孔注入輸送層にルブレンを含有させた。この
ときの基板温度は室温であった。この後、一度大気圧に
戻し、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにDPVBiを
200mg入れ、さらに、別のモリブデン製ボートに化
合物PAVBiを入れ、真空槽を1×10-4Paまで減
圧し、該正孔注入輸送層上に、第一発光層としてDPV
Biを40nm積層した。同時に、PAVBiの入った
ボートを加熱し、この第一発光層にPAVBiを3モル
%の割合で含有させた。この後、大気圧に戻し、新たに
モリブデン製抵抗加熱ボートにAlqを200mg入
れ、モリブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウムリボン
を1g入れ、さらにタングステンバスケットに銀ワイヤ
ーを500mg入れて、真空槽を1×10-4Paまで減
圧し、Alqを第二発光層として、40nm製膜した。
この後、マグネシウムを蒸着速度1.4nm/秒、銀を蒸
着速度0.1nm/秒で膜厚150nm同時蒸着し、混合
金属からなる陰極とした。この素子の初期性能の代表値
及び半減寿命を、実施例1〜3と同様に求めた。その結
果を第2表に示す。
【0115】実施例5 実施例1〜3と同じ形状のITO付きガラス基板に同じ
洗浄工程を施し、透明電極基板とし、真空槽の基板ホル
ダーに設置した。モリブデン製抵抗加熱ボートにTPD
を200mg入れ、さらに別のモリブデン製抵抗加熱ボ
ートにDPVBiを200mg入れて真空槽を1×10
-4Paまで減圧した。その後、TPD入りボートを21
5〜220℃に加熱し、TPDを蒸着速度0.1〜0.3n
m/秒で透明支持基板上に蒸着して、膜厚60nmの正
孔注入輸送層を製膜させた。この時の基板温度は室温で
あった。これを真空槽より取り出すことなく、正孔注入
輸送層の上に、DPVBiの入ったボートを245℃に
加熱し、第一発光層として40nm積層蒸着した。その
後、真空槽を大気圧に戻し、新たにモリブデン製の抵抗
加熱ボートにAlqを200mg入れて、さらに別のモ
リブデン製抵抗加熱ボートにルモゲンFレッド(バフス
社製)を入れ、再度真空槽を1×10-4Paまで減圧し
た。次いで、ルモゲンFレッド入りのモリブデン製抵抗
加熱ボートを330℃に加熱し、Alq入りのモリブデ
ン製ボートを250℃まで加熱し、ルモゲンFレッドの
含有量がAlqに対して3モル%になるように、第二発
光層40nmを製膜した。その後、真空槽を大気圧に戻
し、モリブデン製抵抗加熱ボートにマグネシウムを1g
入れ、タングステン製バスケットに銀ワイヤーを500
mg入れ、その後、真空槽を1×10-4Paまで減圧
し、マグネシウムを蒸着速度1.4nm/秒、銀を蒸着速
度0.1nm/秒で膜厚150nm同時蒸着し、混合金属
からなる陰極とした。この素子の初期性能の代表値及び
半減寿命を実施例1〜3と同様に求めた。その結果を第
2表に示す。
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】第2表から分かるように、実施例1〜4
は、実施例5に比べて発光色の白色化及び量子収率(輝
度/電流密度に相当)が向上しており、また発光安定性
も向上している。
【0119】
【発明の効果】本発明の白色有機EL素子は、発光効率
が高く、かつ発光安定性に優れた白色発光を呈し、各種
表示装置における発光素子として好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、CIE色度座標における白色光の定
義領域を表したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楠本 正 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明もしくは半透明な
    一対の電極間に発光層を少なくとも含む有機化合物層を
    挟持してなる有機エレクトロルミネッセンス素子におい
    て、該発光層は固体状態の蛍光ピーク波長が380nm
    以上480nm未満である有機化合物を含有する第一発
    光層と、固体状態の蛍光ピーク波長が480nm以上5
    80nm未満である有機化合物を含有する第二発光層と
    が透明電極又は陽極側から順次積層された積層構造から
    なり、かつ溶液状態での蛍光ピーク波長が580nm以
    上650nm以下である有機化合物を、上記第一発光
    層、第二発光層及びその他の有機化合物層の中から選ば
    れた少なくとも一層に、その層を形成する有機化合物に
    対し、0.1〜10モル%の割合で含有させたことを特徴
    とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】 固体状態の蛍光ピーク波長が380nm
    以上480nm未満である有機化合物が、一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原子,炭素数1〜
    6のアルキル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数
    7〜18のアラルキル基,置換もしくは無置換の炭素数
    6〜18のアリール基,置換もしくは無置換の芳香族複
    素環式基,置換もしくは無置換のシクロヘキシル基,置
    換もしくは無置換の炭素数6〜18のアリールオキシ基
    を示す。ここで、置換基は炭素数1〜6のアルキル基,
    炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数7〜18のアラル
    キル基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,炭素数1
    〜6のアシル基,炭素数1〜6のアシルオキシ基,カル
    ボキシル基,スチリル基,炭素数6〜20のアリールカ
    ルボニル基,炭素数6〜20のアリールオキシカルボニ
    ル基,炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基,ビニル
    基,アニリノカルボニル基,カルバモイル基,フェニル
    基,ニトロ基,水酸基あるいはハロゲン原子を示す。こ
    れらの置換基は単一でも複数でもよい。また、R1 〜R
    4 は同一でも、また互いに異なっていてもよく、R1
    2 及びR3 とR4 は互いに置換している基と結合し
    て、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の五員環ある
    いは置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の六員環を形
    成してもよい。Arは置換もしくは無置換の炭素数6〜
    20のアリーレン基を表わし、単一置換されていても、
    複数置換されていてもよく、また結合部位は、オルト,
    パラ,メタいずれでもよい。なお、置換基は前記と同じ
    である。また、アリーレン基の置換基同士が結合して、
    置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の五員環あるいは
    置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の六員環を形成し
    てもよい。但し、Arが無置換フェニレンの場合、R1
    〜R4 はそれぞれ炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数
    7〜18のアラルキル基,置換もしくは無置換のナフチ
    ル基,ビフェニル基,シクロヘキシル基,アリールオキ
    シ基より選ばれたものである。〕で表される芳香族メチ
    リディン化合物である請求項1記載の白色有機エレクト
    ロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 固体状態の蛍光ピーク波長が380nm
    以上480nm未満である有機化合物が、一般式(II) A−Q−B ・・・(II) 〔式中、A及びBは、それぞれ上記一般式(I)で表さ
    れる化合物から1つの水素原子を除いた一価基を示し、
    同一であっても異なってもよい。また、Qは共役系を切
    る二価基を示す。〕で表される芳香族メチリディン化合
    物である請求項1記載の白色有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  4. 【請求項4】 固体状態の蛍光ピーク波長が380nm
    以上480nm未満である有機化合物が、一般式(III) 【化2】 〔式中、A1 は置換もしくは無置換の炭素数6〜20の
    アリーレン基又は二価の芳香族複素環式基を示す。結合
    位置はオルト,メタ,パラのいずれでもよい。A 2 は置
    換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基又は一
    価の芳香族複素環式基を示す。R5 及びR6 は、それぞ
    れ水素原子,置換もしくは無置換の炭素数6〜20のア
    リール基,シクロヘキシル基,一価の芳香族複素環式
    基,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数7〜20のア
    ラルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す。
    なお、R5 ,R6 は同一でも異なってもよい。ここで、
    置換基とは、アルキル基,アリールオキシ基,アミノ基
    又はこれらの基を有するもしくは有しないフェニル基で
    あり、該置換基は単一でも複数でもよい。また、R5
    各置換基はA1 と結合して、飽和もしくは不飽和の五員
    環又は六員環を形成してもよく、同様にR6 の各置換基
    はA2 と結合して、飽和もしくは不飽和の五員環又は六
    員環を形成してもよい。また、Q1 は、共役を切る二価
    基を表す。〕で表される芳香族メチリディン化合物であ
    る請求項1記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
  5. 【請求項5】 固体状態の蛍光ピーク波長が480nm
    以上580nm未満である有機化合物が、8−ヒドロキ
    シキノリンまたはその誘導体の金属錯体である請求項1
    記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 第一発光層及び/又は第二発光層に、一
    般式(IV) 及び(V) 【化3】 〔式中、Ar1 は炭素数6〜20のアリール基を示す。
    7 〜R10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数6〜
    20のアリール基を示す。D1 〜D3 は、それぞれ独立
    に電子供与性基で置換された炭素数6〜20のアリール
    基又は炭素数10〜30の縮合多環族基を示す。ここ
    で、Ar1 ,R7 〜R10は、それぞれ独立に無置換でも
    よいし、炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10
    のアルコキシ基,炭素数6〜10のアリールオキシ基,
    炭素数6〜10のアラルキル基又は炭素数1〜20の炭
    化水素基を有するアミノ基で置換されていてもよい。〕
    で表されるスチルベン誘導体の中から選ばれた少なくと
    も一種を含有させてなる請求項1記載の白色有機エレク
    トロルミネッセンス素子。
  7. 【請求項7】 第一発光層及び/又は第二発光層に、一
    般式(VI)及び(VII) 【化4】 〔式中、Ar2 及びAr3 は、それぞれ独立に炭素数6
    〜20のアリーレン基を示し、Ar4 は炭素数6〜20
    のアリール基を示す。R11〜R18は、それぞれ独立に水
    素原子又は炭素数6〜20のアリール基を示す。ここ
    で、Ar2 〜Ar4,R11〜R18は、それぞれ独立に無
    置換でもよいし、炭素数1〜10のアルキル基,炭素数
    1〜10のアルコキシ基,炭素数6〜10のアリールオ
    キシ基,炭素数6〜10のアラリキル基又は炭素数1〜
    20の炭化水素基を有するアミノ基で置換されていても
    よい。D4 〜D6 は、それぞれ独立に電子供与性基で置
    換された炭素数6〜20のアリール基又は炭素数10〜
    30の縮合多環族基を示す。〕で表されるジスチルアリ
    ーレン誘導体の中から選ばれた少なくとも一種を含有さ
    せてなる請求項1記載の白色有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  8. 【請求項8】 第一発光層及び/又は第二発光層に、一
    般式(VIII)〜(X) 【化5】 〔式中、Ar5 〜Ar7 は、それぞれ独立に炭素数6〜
    24の3価の芳香族環基を示し、Ar8 〜Ar10は、そ
    れぞれ独立に炭素数6〜20のアリール基を示す。R19
    〜R36は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数6〜20
    のアリール基を示す。D7 〜D12はそれぞれ独立に電子
    供与性基で置換された炭素数6〜20のアリール基又は
    炭素数10〜30の縮合多環族基を示す。ここで、Ar
    5 〜Ar7,R19〜R36は、それぞれ独立に無置換でも
    よいし、炭素数1〜10のアルキル基,炭素数1〜10
    のアルコキシ基,炭素数6〜10のアリールオキシ基,
    炭素数6〜10のアラルキル基又は炭素数1〜20の炭
    化水素基を有するアミノ基で置換されていてもよい。〕
    で表されるトリススチリルアリーレン誘導体の中から選
    ばれた少なくとも一種を含有させてなる請求項1記載の
    白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 【請求項9】 第一発光層と第二発光層において、陰極
    側に近い発光層の方が、電子輸送能力が大である請求項
    1記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 【請求項10】 第二発光層の膜厚が、第一発光層の膜
    厚以上である請求項1記載の白色有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
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