JPH062089A - Di成形用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
Di成形用アルミニウム合金板の製造方法Info
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- JPH062089A JPH062089A JP18442792A JP18442792A JPH062089A JP H062089 A JPH062089 A JP H062089A JP 18442792 A JP18442792 A JP 18442792A JP 18442792 A JP18442792 A JP 18442792A JP H062089 A JPH062089 A JP H062089A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ビール缶、一般飲料缶等の胴材として使用さ
れるDI成形性、特にしごき加工性に優れたDI成形用
アルミニウム合金板の製造方法を提供する。 【構成】 Mn0.8〜1.5%、Mg0.7〜1.3
%、Cu0.15〜0.3%、Si0.25%未満、F
e0.45〜0.7%を含み、残部がAlと不可避的不
純物とからなるアルミニウム合金鋳塊に、580℃以
上、融点以下の温度で5時間以上の均質化処理を施した
後、400〜500℃の温度まで冷却し、この温度に1
時間以上保持し、通常の熱間圧延により厚さ1.5〜5
mmの熱延板とした後、直ちに、または冷間圧延を施し冷
間圧延の途中で300〜450℃の温度で1時間以上の
焼鈍を施し、その後の冷間圧延において材料温度を10
0℃未満に抑えることを特徴とするDI成形用アルミニ
ウム合金板の製造方法。
れるDI成形性、特にしごき加工性に優れたDI成形用
アルミニウム合金板の製造方法を提供する。 【構成】 Mn0.8〜1.5%、Mg0.7〜1.3
%、Cu0.15〜0.3%、Si0.25%未満、F
e0.45〜0.7%を含み、残部がAlと不可避的不
純物とからなるアルミニウム合金鋳塊に、580℃以
上、融点以下の温度で5時間以上の均質化処理を施した
後、400〜500℃の温度まで冷却し、この温度に1
時間以上保持し、通常の熱間圧延により厚さ1.5〜5
mmの熱延板とした後、直ちに、または冷間圧延を施し冷
間圧延の途中で300〜450℃の温度で1時間以上の
焼鈍を施し、その後の冷間圧延において材料温度を10
0℃未満に抑えることを特徴とするDI成形用アルミニ
ウム合金板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形用アルミニウム合金
板の製造方法に関するものであり、特にDI缶等しごき
加工を施して成形する用途に用いるDI成形用アルミニ
ウム合金板の製造方法に関するものである。
板の製造方法に関するものであり、特にDI缶等しごき
加工を施して成形する用途に用いるDI成形用アルミニ
ウム合金板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】アルミニウム製ビール缶ある
いは一般飲料缶の胴材としてこれまでAA3004合金
(Al−1.25wt%Mn−1.05wt%Mg合金)が
使用されている。本合金は本来高い加工度の冷間圧延に
よりある程度成形性に優れかつ胴材として必要な強度を
有しているために使用されているものである。しかしな
がら近年さらなるコストダウンを目的として材料の薄肉
化が求められており、これに対応して飲食缶の胴材に要
求される強度は従来よりも高くなって来ている。この強
度向上のために開発されたものとしては、特開昭52−
105509号公報のようにMg2 Siの析出を利用し
たもの、あるいは特開昭57−120648号公報のよ
うにAl−Cu−Mg系の析出物による析出硬化を利用
したアルミニウム合金板の製造方法が知られている。ま
た一方コストダウンの方法として成形工程での不具合を
低減することによる生産性の向上も大きな課題となって
いる。特に薄肉化かつ高強度化が進むことによりしごき
加工時の割れの発生が問題となる。このため析出物と冷
延との相互作用について検討した特公昭63−6574
5号公報が知られている。従来までの検討では強度の向
上と成形性の向上とが相反する結果をもたらし、高強度
が得られる材料は一般的に成形性が劣る結果となってお
り、充分な成果は得られていない。
いは一般飲料缶の胴材としてこれまでAA3004合金
(Al−1.25wt%Mn−1.05wt%Mg合金)が
使用されている。本合金は本来高い加工度の冷間圧延に
よりある程度成形性に優れかつ胴材として必要な強度を
有しているために使用されているものである。しかしな
がら近年さらなるコストダウンを目的として材料の薄肉
化が求められており、これに対応して飲食缶の胴材に要
求される強度は従来よりも高くなって来ている。この強
度向上のために開発されたものとしては、特開昭52−
105509号公報のようにMg2 Siの析出を利用し
たもの、あるいは特開昭57−120648号公報のよ
うにAl−Cu−Mg系の析出物による析出硬化を利用
したアルミニウム合金板の製造方法が知られている。ま
た一方コストダウンの方法として成形工程での不具合を
低減することによる生産性の向上も大きな課題となって
いる。特に薄肉化かつ高強度化が進むことによりしごき
加工時の割れの発生が問題となる。このため析出物と冷
延との相互作用について検討した特公昭63−6574
5号公報が知られている。従来までの検討では強度の向
上と成形性の向上とが相反する結果をもたらし、高強度
が得られる材料は一般的に成形性が劣る結果となってお
り、充分な成果は得られていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような状況
に鑑み強度および成形性にそれぞれ影響する分散相につ
いて検討を加えた結果、強度を高いレベルで維持しつつ
DI成形性、特にしごき加工性を改善したDI成形用ア
ルミニウム合金板の製造方法を開発したものである。
に鑑み強度および成形性にそれぞれ影響する分散相につ
いて検討を加えた結果、強度を高いレベルで維持しつつ
DI成形性、特にしごき加工性を改善したDI成形用ア
ルミニウム合金板の製造方法を開発したものである。
【0004】即ち本発明は、Mn0.8〜1.5%、M
g0.7〜1.3%、Cu0.15〜0.3%、Si
0.25%未満、Fe0.45〜0.7%を含み、残部
がAlと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に、5
80℃以上融点以下の温度で5時間以上の均質化処理を
施した後、400〜550℃の温度まで冷却し、この温
度に1時間以上保持し、通常の熱間圧延により厚さ1.
5〜5mmの熱延板とした後、直ちに、または冷間圧延を
施し冷間圧延の途中で300〜450℃の温度で1時間
以上の焼鈍を施し、その後の冷間圧延において材料温度
を100℃未満に抑えることを特徴とするDI成形用ア
ルミニウム合金板の製造方法である。
g0.7〜1.3%、Cu0.15〜0.3%、Si
0.25%未満、Fe0.45〜0.7%を含み、残部
がAlと不可避的不純物とからなるAl合金鋳塊に、5
80℃以上融点以下の温度で5時間以上の均質化処理を
施した後、400〜550℃の温度まで冷却し、この温
度に1時間以上保持し、通常の熱間圧延により厚さ1.
5〜5mmの熱延板とした後、直ちに、または冷間圧延を
施し冷間圧延の途中で300〜450℃の温度で1時間
以上の焼鈍を施し、その後の冷間圧延において材料温度
を100℃未満に抑えることを特徴とするDI成形用ア
ルミニウム合金板の製造方法である。
【0005】
【作用】本発明は種々ある分散相の中で特に成形性に悪
影響を及ぼす第2相の存在を見極め、これらを規制する
ことにより優れた特性を有するDI成形用アルミニウム
合金板の製造を可能としたものである。本系合金の場
合、微細な第2相としては主に板製造時あるいは製缶時
の材料の温度が高くなる工程において生じる析出物が上
げられる。析出物は通常微細高密度ほど強度向上の効果
が大きい、特に特開昭57−120648号公報に記載
されているような100〜200nmのサイズのAl−
Mg−Cu系析出物(S相の準安定相)は強度向上に大
きく貢献するとされる。しかし100nm以下のサイズ
のQ相(Al−Cu−Mg−Si系)の準安定相(Q′
相)は強度の向上にも貢献するが、一方成形性、特にし
ごき成形性を著しく低下させることが分かった。この析
出物の発生を抑えることにより強度を維持したままで、
成形性を向上させるという本発明の目的を達成できるも
のである。
影響を及ぼす第2相の存在を見極め、これらを規制する
ことにより優れた特性を有するDI成形用アルミニウム
合金板の製造を可能としたものである。本系合金の場
合、微細な第2相としては主に板製造時あるいは製缶時
の材料の温度が高くなる工程において生じる析出物が上
げられる。析出物は通常微細高密度ほど強度向上の効果
が大きい、特に特開昭57−120648号公報に記載
されているような100〜200nmのサイズのAl−
Mg−Cu系析出物(S相の準安定相)は強度向上に大
きく貢献するとされる。しかし100nm以下のサイズ
のQ相(Al−Cu−Mg−Si系)の準安定相(Q′
相)は強度の向上にも貢献するが、一方成形性、特にし
ごき成形性を著しく低下させることが分かった。この析
出物の発生を抑えることにより強度を維持したままで、
成形性を向上させるという本発明の目的を達成できるも
のである。
【0006】本化合物(S相及びQ相)は転位セル上あ
るいはアルミニウムの母相に生じる。前者は主に球状ま
たは塊状しており、後者は針状あるいは棒状を呈してい
る。ここでの析出物のサイズは針状析出物の場合、長手
方向の長さをさすものとした。また本析出物(Al−C
u−Mg−Si系)は化合物を形成する前段階として構
成元素であるCu、Mg、Siが特定の位置に集積する
クラスタ状態あるいはGPゾーンを形成する。DI成形
性には本系クラスタ状態あるいはGPゾーンから悪影響
を生じる。本系の析出物の初期状態か否かの判断方法と
して冷間圧延温度あるいは最終焼鈍を施す場合にはその
温度で長時間保持し、上記Q′相を生じるかにより容易
に判断できる。
るいはアルミニウムの母相に生じる。前者は主に球状ま
たは塊状しており、後者は針状あるいは棒状を呈してい
る。ここでの析出物のサイズは針状析出物の場合、長手
方向の長さをさすものとした。また本析出物(Al−C
u−Mg−Si系)は化合物を形成する前段階として構
成元素であるCu、Mg、Siが特定の位置に集積する
クラスタ状態あるいはGPゾーンを形成する。DI成形
性には本系クラスタ状態あるいはGPゾーンから悪影響
を生じる。本系の析出物の初期状態か否かの判断方法と
して冷間圧延温度あるいは最終焼鈍を施す場合にはその
温度で長時間保持し、上記Q′相を生じるかにより容易
に判断できる。
【0007】本発明における製造条件は上記Al−Cu
−Mg−Si系化合物あるいはそのクラスタ、GPゾー
ンをDI成形前に生じないような製造条件を設定するこ
とにより、高い強度と成形性を有する製造方法を提供す
るものである。
−Mg−Si系化合物あるいはそのクラスタ、GPゾー
ンをDI成形前に生じないような製造条件を設定するこ
とにより、高い強度と成形性を有する製造方法を提供す
るものである。
【0008】次に本発明における合金組成の限定理由に
ついて述べる。MnはFeおよびSiとともに金属間化
合物を形成し、しごき加工時のダイスへの焼き付きを防
止するために必要な元素である。0.8%未満ではこの
効果が少なく、長時間におよぶ成形には不向きとなる。
また1.5%を超えると通常の鋳造条件では巨大な化合
物を形成し易くなり、後述する成形時の亀裂発生の起点
となる大きな第2相となる可能性が高い。Feは上記効
果とともに後述する成形性を害する化合物を形成するS
iを取り込み、固定する効果を有する。後者の効果を生
じるためには0.45%以上の添加を必要とする。しか
し0.7%を超える添加ではMn元素と同様、巨大化合
物の形成をもたらす。ここで鋳造時の冷却速度が著しく
速い連続鋳造法等を行う場合には上記化合物の大きさを
小さく抑えることが可能になるためMn、Feの添加量
をさらに2倍まで多くすることができる。MgはCuと
同様、主に固溶することにより本系合金の強度を向上さ
せる重要な元素である。また溶体化処理および焼き入れ
により過飽和の固溶状態とすることにより缶成形後の塗
装焼き付けにおける200℃前後の熱処理時にMg2 S
iあるいはAl−Mg−Cu系析出物を形成し、さらに
強度向上を図ることができる。Mg添加量が0.7%未
満では必要な強度を維持できず、1.3%を超えるとス
コーリングが発生し易くなる。凝固速度の速い特別な鋳
造方法を用いることにより、耐焼き付き性の高いMn系
の析出物の密度を上げることで、さらにMg添加量を
2.5%まで増すことは可能である。CuはMgと同様
の効果が期待できる。そして0.15%未満では強度の
向上効果が期待できず、0.3%を超えると成形性を害
するとともに耐食性の点においても問題を生じる。Si
はそれ自体の固溶硬化性は低いが熱処理の初期段階にお
いて形成される微細化合物が他の元素の析出物の核生成
場所となることによって他の元素の析出を促進する。そ
のためSi添加はFe、Mnの固溶量を下げるとともに
析出硬化をもたらすAl−Mg−Cu系化合物の析出を
促進する。またさらに多いSiの添加によりさらに微細
なAl−Cu−Mg−Si系化合物(Al5 Cu2 Mg
8 Si6 のQ相の準安定相)を新たに生じる。これら析
出物は強度の向上に有効であるが後者の化合物は前者と
比較してより微細であり、成形性を著しく低下させる。
そのためSi添加量は0.25%未満とする必要があ
る。
ついて述べる。MnはFeおよびSiとともに金属間化
合物を形成し、しごき加工時のダイスへの焼き付きを防
止するために必要な元素である。0.8%未満ではこの
効果が少なく、長時間におよぶ成形には不向きとなる。
また1.5%を超えると通常の鋳造条件では巨大な化合
物を形成し易くなり、後述する成形時の亀裂発生の起点
となる大きな第2相となる可能性が高い。Feは上記効
果とともに後述する成形性を害する化合物を形成するS
iを取り込み、固定する効果を有する。後者の効果を生
じるためには0.45%以上の添加を必要とする。しか
し0.7%を超える添加ではMn元素と同様、巨大化合
物の形成をもたらす。ここで鋳造時の冷却速度が著しく
速い連続鋳造法等を行う場合には上記化合物の大きさを
小さく抑えることが可能になるためMn、Feの添加量
をさらに2倍まで多くすることができる。MgはCuと
同様、主に固溶することにより本系合金の強度を向上さ
せる重要な元素である。また溶体化処理および焼き入れ
により過飽和の固溶状態とすることにより缶成形後の塗
装焼き付けにおける200℃前後の熱処理時にMg2 S
iあるいはAl−Mg−Cu系析出物を形成し、さらに
強度向上を図ることができる。Mg添加量が0.7%未
満では必要な強度を維持できず、1.3%を超えるとス
コーリングが発生し易くなる。凝固速度の速い特別な鋳
造方法を用いることにより、耐焼き付き性の高いMn系
の析出物の密度を上げることで、さらにMg添加量を
2.5%まで増すことは可能である。CuはMgと同様
の効果が期待できる。そして0.15%未満では強度の
向上効果が期待できず、0.3%を超えると成形性を害
するとともに耐食性の点においても問題を生じる。Si
はそれ自体の固溶硬化性は低いが熱処理の初期段階にお
いて形成される微細化合物が他の元素の析出物の核生成
場所となることによって他の元素の析出を促進する。そ
のためSi添加はFe、Mnの固溶量を下げるとともに
析出硬化をもたらすAl−Mg−Cu系化合物の析出を
促進する。またさらに多いSiの添加によりさらに微細
なAl−Cu−Mg−Si系化合物(Al5 Cu2 Mg
8 Si6 のQ相の準安定相)を新たに生じる。これら析
出物は強度の向上に有効であるが後者の化合物は前者と
比較してより微細であり、成形性を著しく低下させる。
そのためSi添加量は0.25%未満とする必要があ
る。
【0009】本発明製造方法について述べるとまず合金
鋳塊を580℃以上融点以下の温度で5時間以上の均質
化処理するのは強制固溶したMn元素を析出させること
により、耳率の安定化を図るためである。これより低温
あるいは短時間ではMn元素の固溶量を十分下げられな
いために耳率が不安定となる。その後の400〜550
℃の温度まで冷却し、この温度で1時間以上保持する処
理は成形性に悪影響を及ぼすAl−Cu−Mg−Si系
析出に大きく影響するSi元素をAl−Mn−Fe−S
i系の析出物を形成させることにより除く為である。さ
らにここで形成される析出物は耐スコーリング性の向上
に役立つ。Al−Mn−Fe−Si系析出物は400〜
500℃において最も多く析出し、400℃未満あるい
は550℃より高い温度では効率的ではない。またこの
処理は析出が速い温度域において行うことにより処理時
間を短縮できるが1時間以上行うことが望ましい。均質
化処理後、通常の熱間圧延を行うが、1.5mm未満の板
厚で上げるとその後十分な冷間圧延加工が行えず、強度
が不足し、4mmを超えると耳率が若干悪化し、DI成形
体として不適当となることがあるが、引き続く冷間圧延
の圧延率とその後の焼鈍条件により耳率が改善できる組
み合わせを行う場合には熱延上りの板厚は5mmまで可能
である。焼鈍処理は均質化処理において残存する固溶S
iを晶出物(Al−Fe−Mn系、Al−Mn系等)あ
るいは粗大なAl−Mg−Cu系化合物のまわりに析出
させるために行う。そのため焼鈍処理の前に材料内部に
加工組織を残存させる条件を選ぶこと、例えば熱延温度
を低めとしたり、焼鈍前に冷間圧延を施す等は本焼鈍処
理の効果をより顕著とする作用を持つ。ここで焼鈍処理
の温度が300℃未満では十分な析出が生じず、450
℃より高い温度では熱延時に析出したSiが逆に固溶す
るため意味をなさない。焼鈍時間は1時間以上行うこと
により本目的は達せられるが2時間以上の焼鈍を施すこ
とにより性能のより安定した材料が製造可能となる。D
I成形性を害するQ′相は主に200℃以下の温度域に
おいて形成される。ここで冷間圧延等により多くの転位
が導入された場合にはその析出は促進される。そのため
100℃未満の温度にて冷間圧延を施さないとQ′相あ
るいはこの前段階のクラスタあるいはGPゾーンが形成
されてしまい、著しくDI成形性を害することとなる。
鋳塊を580℃以上融点以下の温度で5時間以上の均質
化処理するのは強制固溶したMn元素を析出させること
により、耳率の安定化を図るためである。これより低温
あるいは短時間ではMn元素の固溶量を十分下げられな
いために耳率が不安定となる。その後の400〜550
℃の温度まで冷却し、この温度で1時間以上保持する処
理は成形性に悪影響を及ぼすAl−Cu−Mg−Si系
析出に大きく影響するSi元素をAl−Mn−Fe−S
i系の析出物を形成させることにより除く為である。さ
らにここで形成される析出物は耐スコーリング性の向上
に役立つ。Al−Mn−Fe−Si系析出物は400〜
500℃において最も多く析出し、400℃未満あるい
は550℃より高い温度では効率的ではない。またこの
処理は析出が速い温度域において行うことにより処理時
間を短縮できるが1時間以上行うことが望ましい。均質
化処理後、通常の熱間圧延を行うが、1.5mm未満の板
厚で上げるとその後十分な冷間圧延加工が行えず、強度
が不足し、4mmを超えると耳率が若干悪化し、DI成形
体として不適当となることがあるが、引き続く冷間圧延
の圧延率とその後の焼鈍条件により耳率が改善できる組
み合わせを行う場合には熱延上りの板厚は5mmまで可能
である。焼鈍処理は均質化処理において残存する固溶S
iを晶出物(Al−Fe−Mn系、Al−Mn系等)あ
るいは粗大なAl−Mg−Cu系化合物のまわりに析出
させるために行う。そのため焼鈍処理の前に材料内部に
加工組織を残存させる条件を選ぶこと、例えば熱延温度
を低めとしたり、焼鈍前に冷間圧延を施す等は本焼鈍処
理の効果をより顕著とする作用を持つ。ここで焼鈍処理
の温度が300℃未満では十分な析出が生じず、450
℃より高い温度では熱延時に析出したSiが逆に固溶す
るため意味をなさない。焼鈍時間は1時間以上行うこと
により本目的は達せられるが2時間以上の焼鈍を施すこ
とにより性能のより安定した材料が製造可能となる。D
I成形性を害するQ′相は主に200℃以下の温度域に
おいて形成される。ここで冷間圧延等により多くの転位
が導入された場合にはその析出は促進される。そのため
100℃未満の温度にて冷間圧延を施さないとQ′相あ
るいはこの前段階のクラスタあるいはGPゾーンが形成
されてしまい、著しくDI成形性を害することとなる。
【0010】以上述べた合金組成、製造条件により10
0nm未満のAl−Cu−Mg−Si系析出物の生成が
抑えられ、成形性とくにしごき成形性のよいアルミニウ
ム合金板を得ることができる。
0nm未満のAl−Cu−Mg−Si系析出物の生成が
抑えられ、成形性とくにしごき成形性のよいアルミニウ
ム合金板を得ることができる。
【0011】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。表1に示す合金組成の500mm厚の水冷鋳造鋳塊を
用いて表2に示す各製造条件で製造実験を行った。すな
わち、均質化処理および析出処理を行い、通常の熱間圧
延により厚さ2〜6mmの板とした後、直ちに又は冷間圧
延した後焼鈍を施し、引き続いて圧延速度を変えること
により圧延時の温度を制御した冷間圧延により厚さ0.
30mmの圧延板としこれより供試材を得た。これら供試
材に対して以下の組織観察、機械的性能試験およびDI
加工における割れ発生率を測定した。組織観察としては
微細析出物について、透過型の電子顕微鏡を用いて1万
〜10万倍の倍率にて観察して析出物の平均長さを測定
するとともに、エネルギー分散型の元素分析および電子
線回折による析出物の同定を行った。また通常の成形体
の場合、塗装焼き付け処理を施された後の材料の耐力値
が特に問題となる。そこで供試材の機械的性能として焼
き付け処理に対応する200℃で15分間の熱処理後の
耐力値を測定した。また成形性の評価として、DI成形
性は板厚減少率を64%と一定にした条件にて内容量が
350mlの標準的な缶を1000缶連続成形し、この時
の割れ発生缶数により評価した。評価基準としては割れ
無し:優れる、1〜4缶割れ:現行並、5缶以上割れ:
劣るとした。表3にはこれら供試材の熱処理後の耐力
値、組織観察結果およびDI成形性試験結果を示す。
る。表1に示す合金組成の500mm厚の水冷鋳造鋳塊を
用いて表2に示す各製造条件で製造実験を行った。すな
わち、均質化処理および析出処理を行い、通常の熱間圧
延により厚さ2〜6mmの板とした後、直ちに又は冷間圧
延した後焼鈍を施し、引き続いて圧延速度を変えること
により圧延時の温度を制御した冷間圧延により厚さ0.
30mmの圧延板としこれより供試材を得た。これら供試
材に対して以下の組織観察、機械的性能試験およびDI
加工における割れ発生率を測定した。組織観察としては
微細析出物について、透過型の電子顕微鏡を用いて1万
〜10万倍の倍率にて観察して析出物の平均長さを測定
するとともに、エネルギー分散型の元素分析および電子
線回折による析出物の同定を行った。また通常の成形体
の場合、塗装焼き付け処理を施された後の材料の耐力値
が特に問題となる。そこで供試材の機械的性能として焼
き付け処理に対応する200℃で15分間の熱処理後の
耐力値を測定した。また成形性の評価として、DI成形
性は板厚減少率を64%と一定にした条件にて内容量が
350mlの標準的な缶を1000缶連続成形し、この時
の割れ発生缶数により評価した。評価基準としては割れ
無し:優れる、1〜4缶割れ:現行並、5缶以上割れ:
劣るとした。表3にはこれら供試材の熱処理後の耐力
値、組織観察結果およびDI成形性試験結果を示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】表3から明らかなように本発明法によった
本発明品No.1〜6は従来品No.11と比較してDI成
形性に優れるとともに強度も維持されている。これに対
し合金組成、各種製造条件のいずれかが本発明の範囲を
外れる比較例No.7〜10はDI成形性が劣ることが判
る。
本発明品No.1〜6は従来品No.11と比較してDI成
形性に優れるとともに強度も維持されている。これに対
し合金組成、各種製造条件のいずれかが本発明の範囲を
外れる比較例No.7〜10はDI成形性が劣ることが判
る。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明方法により得ら
れたDI成形用アルミニウム合金板は機械的強度を維持
したまま、DI成形性とくにしごき成形性が非常に優れ
る。そのため本材料を使用することにより成形体の生産
性が向上するとともに、最近の厳しい成形条件、コスト
の低減の要請に対応することが可能となり、工業上顕著
な効果を奏するものである。
れたDI成形用アルミニウム合金板は機械的強度を維持
したまま、DI成形性とくにしごき成形性が非常に優れ
る。そのため本材料を使用することにより成形体の生産
性が向上するとともに、最近の厳しい成形条件、コスト
の低減の要請に対応することが可能となり、工業上顕著
な効果を奏するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mn0.8〜1.5%(重量%以下同
じ)、Mg0.7〜1.3%、Cu0.15〜0.3
%、Si0.25%未満、Fe0.45〜0.7%を含
み、残部がAlと不可避的不純物とからなるAl合金鋳
塊に、580℃以上融点以下の温度で5時間以上の均質
化処理を施した後、400〜550℃の温度まで冷却
し、この温度に1時間以上保持し、通常の熱間圧延によ
り厚さ1.5〜5mmの熱延板とした後、直ちに300〜
450℃の温度で1時間以上の焼鈍を施し、その後の冷
間圧延において材料温度を100℃未満に抑えることを
特徴とするDI成形用アルミニウム合金板の製造方法。 - 【請求項2】 Mn0.8〜1.5%、Mg0.7〜
1.3%、Cu0.15〜0.3%、Si0.25%未
満、Fe0.45〜0.7%を含み、残部がAlと不可
避的不純物とからなるAl合金鋳塊に、580℃以上融
点以下の温度で5時間以上の均質化処理を施した後、4
00〜550℃の温度まで冷却し、この温度に1時間以
上保持し、通常の熱間圧延により厚さ1.5〜5mmの熱
延板とした後、冷間圧延を施し、この冷間圧延の途中で
300〜450℃で1時間以上の焼鈍を施し、その後の
冷間圧延において材料温度を100℃未満に抑えること
を特徴とするDI成形用アルミニウム合金板の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18442792A JPH062089A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | Di成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18442792A JPH062089A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | Di成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH062089A true JPH062089A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=16152967
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18442792A Pending JPH062089A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | Di成形用アルミニウム合金板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH062089A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006077278A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Furukawa Sky Kk | ボトル型缶用のアルミニウム合金板 |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP18442792A patent/JPH062089A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006077278A (ja) * | 2004-09-08 | 2006-03-23 | Furukawa Sky Kk | ボトル型缶用のアルミニウム合金板 |
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