JPH062132A - マグネトロン放電処理装置 - Google Patents

マグネトロン放電処理装置

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JPH062132A
JPH062132A JP18734092A JP18734092A JPH062132A JP H062132 A JPH062132 A JP H062132A JP 18734092 A JP18734092 A JP 18734092A JP 18734092 A JP18734092 A JP 18734092A JP H062132 A JPH062132 A JP H062132A
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anode
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JP18734092A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Asamaki
立男 麻蒔
Naokichi Hosokawa
直吉 細川
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TOKYO RIKA UNIV
Canon Anelva Corp
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TOKYO RIKA UNIV
Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被処理体の電位を自由に設定することができ
るようにし、被処理体に到達する荷電粒子の量や運動エ
ネルギーの制御を容易なものにする。 【構成】 真空容器1の内部に配置された陰極2及び陽
極4と、陰極2の一部から出て陽極4に接し陰極2の他
の部分に入る磁力線と陰極2の表面とによって囲まれた
閉領域から離れた位置において被処理体Sを保持する被
処理体ホルダ3とを具備している。放電用電源22は、
陰極2を陽極4に対して所定の負電位に保って陰極2と
陽極4との間でマグネトロン放電を行わせ、ホルダ用電
源32は、被処理体ホルダ3を所定の電位に保って被処
理体Sへ到達する荷電粒子の量やそのエネルギーを制御
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、マグネトロン放電
を利用した処理装置、例えばマグネトロンスパッタリン
グ装置やエッチング装置,表面改質装置等に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】直交電磁界中の電子のマグネトロン運動
を利用したマグネトロン放電は、半導体ウエハの表面処
理を始めとして、各種プロセスに多く利用されている。
図5は、従来のマグネトロン放電処理装置の模式図であ
る。図5に示すマグネトロン放電処理装置は、真空容器
1と、この真空容器1の内部に配置された陰極2と、同
様に真空容器1の内部に配置され、被処理体Sを陰極2
に対向させた状態で保持することが可能な被処理体ホル
ダ3と、陰極2と被処理体ホルダ3との間に電界を設定
してマグネトロン放電を生じさせるための電源6と、電
源6による電界に少なくとも一部が直交する磁界を発生
させる磁石5と、不要な部分での放電を防止するための
シールド7を備えている。磁石5は、図5に示すよう
に、中央に配置された円柱状の例えばN極と、このN極
を取り囲むようにして配置されたリング状のS極とから
構成されている。そして、この磁石5による磁力線は、
図5に示すように、陰極2の表面から出て放電空間にお
いて弧を描く。そして、その磁力線は、弧の頂部におい
て、平行に対面させた陰極2と被処理体ホルダ3との間
の電界に直交し、マグネトロン放電を実現させる。上記
マグネトロン放電処理装置において、例えばマグネトロ
ンスパッタを行う場合には、陰極2の放電空間を臨む面
にターゲットが配置されるし、エッチング等を行う場合
には、真空容器1に設けられたガス導入系12から反応
性ガスが導入される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなマグネト
ロン放電は、高密度プラズマが得られるため高速処理の
点で適しているものの、被処理体に流入する荷電粒子の
量やその運動エネルギーの制御が一般に困難である問題
があった。というのは、従来のマグネトロン放電におい
ては、前述したように陰極と被処理体ホルダとの間の電
界によりマグネトロン放電が行われるため、被処理体の
電位は、必要な放電強度及び陰極の電位によって決定さ
れ、自由に変えることはできなかった。このため、被処
理体の電位を所定の負の電位にして、電子や負イオンの
流入を防止したり、所定量の陽イオンを被処理体に衝突
させてそのエネルギーを利用したりということが困難で
あった。また逆に、被処理体を所定の正電位にして特定
の目的のために電子の被処理体への流入を多くしたりす
るようなことも困難であった。
【0004】本願の発明は、このような問題点を考慮し
てなされたものであり、被処理体の電位を自由に設定す
ることができるようにし、これによって、被処理体に到
達する荷電粒子の量やその運動エネルギーの制御を容易
なものにすることを目的としている。尚、本願で被処理
体に到達する荷電粒子の「制御」という場合、到達する
荷電粒子の量を零にする場合も含む。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明のマグネトロン放電処理装置は、真空容器
と、この真空容器の内部に配置された陰極と、真空容器
の内部に又は真空容器の一部として設けられ、陰極との
間でマグネトロン放電が行われる陽極と、真空容器の内
部に配置され、陰極と陽極との間の放電を利用して所定
の処理を行うことが可能な位置に被処理体を保持する被
処理体ホルダと、陰極と陽極との間に所定の電界を設定
してマグネトロン放電を行わせる放電用電源と、放電用
電源による電界に少なくとも一部が直交する磁界を発生
させる磁石とを備えたマグネトロン放電処理装置であっ
て、前記被処理体ホルダは、陰極の一部から出て前記陽
極に接し陰極の他の部分に入る磁力線と陰極の表面とに
よって囲まれた閉領域から離れた位置において被処理体
を保持するものである。上記構成に係るマグネトロン放
電装置では、陽極と陰極との間の電界によりマグネトロ
ン放電が行われる。放電により生じた電子は、磁力線に
捉えられながら閉領域に閉じこめられ、陽極に流入す
る。被処理体ホルダはマグネトロン放電の形成に関与し
なくなるから、陰極と陽極との間の放電を限度以上に妨
害しない限り自由な電位に保つことができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は、
本発明の実施例のマグネトロン放電処理装置の概略図で
ある。図1に示すマグネトロン放電装置は、真空容器1
と、この真空容器1の内部に配置された陰極2と、同様
に真空容器1の内部に配置され、被処理体Sを陰極2に
対向させた状態で保持することが可能な被処理体ホルダ
3と、真空容器の内部に設けられ、陰極との間でマグネ
トロン放電が行われる陽極4と、陰極2と陽極4との間
に所定の電界を設定する放電用電源22と、被処理体ホ
ルダ3を所定の電位に保つホルダ用電源32と、放電用
電源22による電界に少なくとも一部が直交する磁界を
発生させる磁石5と、真空容器1の内部を排気するため
の排気系11と、真空容器1の内部に所定のガスを導入
するガス導入系12等から主に構成されている。
【0007】図1に示すマグネトロン放電処理装置は、
一例としてスパッタリング装置として構成する場合の例
が示されている。即ち、陰極2の放電空間を臨む面に
は、平板状のターゲット20が配置されている。陰極2
及び磁石5の構造は、代表的な平板マグネトロン放電に
使用されるものとほぼ同様のものである。但し、磁石5
は、図5に示す従来のものと異なり、継鉄の上に配置し
た円柱状の中心磁石51のみから構成され、中心磁石5
1を取り囲むリング状の部材は、鉄等の金属から形成さ
れた磁化されていない磁極片52である。従って、中心
磁石51から出た磁力線は、図1に示すように、大きく
弧を描いて、磁極片52の側面部分等に達する。陰極2
は、中心磁石51及び磁極片52を内部に納めた円筒状
のものであり、その上部開口に前述のターゲット20が
固定され、底板部に固定された陰極導通管21を介して
真空容器1外の放電用電源22に接続されている。尚、
陰極導通管21と真空容器1の器壁との間には絶縁材1
0が介在されている。
【0008】被処理体Sを保持する被処理体ホルダ3
も、スパッタリング装置に使用される通常の被処理体ホ
ルダ3と同様の構成であり、不図示の保持機構により放
電空間を臨む位置で被処理体Sを保持するものである。
尚、被処理体ホルダ3は、ホルダ導通管31によって真
空容器1外のホルダ用電源32に接続されており、所定
の電位に保持されるようになっている。
【0009】次に、本実施例の特徴点の一つである陽極
4の構成について説明する。本実施例で使用された陽極
4は、短い長さの円筒状のものであり、図1に示すよう
に陰極2と被処理体ホルダ3との間の空間を取り囲むよ
うして真空容器1の内部に配置されている。この陽極4
は、陽極導通管41によって真空容器1外の陽極用電源
42に接続され、接地電位若しくは所定の正電位に保持
されるようになっている。陽極導通管41は、真空容器
1内部での陽極4の機械的な保持手段の役割も兼ねてお
り、数本の陽極導通管41が等間隔に放射状に配置され
て陽極4を保持している。尚、この陽極導通管41も真
空容器1の器壁との間に絶縁材10が介在されている。
また、陽極4は、内部が中空になっており冷媒の供給に
よって冷却されるようになっている。そして、陽極導通
管41は、陽極4への冷媒の導入の役割を兼ねており、
不図示の冷却系から供給される冷媒が陽極導通管41を
通って陽極4の内部に導入され、陽極4の冷却を行う。
このような冷却構造は、陰極導通管21やホルダ導通管
31でも同じである。
【0010】この陽極4の空間的位置が本実施例では重
要であるので、次に詳説する。従来の技術の項で説明し
たように、陰極2の表面からは被処理体ホルダ3に向け
て弧状の磁力線が幾つも出ている。陽極4の空間的位置
に関する必要条件は、これらの磁力線のうち、陽極4に
接する磁力線54が被処理体Sには接しないような位置
に配置されることである。つまり、図1において、陽極
4が無い場合には、図4と同様に被処理体接線磁力線5
3が閉領域を形成し、陰極2の表面と被処理体接線磁力
線53との間に電子が捉えられる。しかし、上述の位置
に陽極4を配置すると、陽極4に接する磁力線(以下、
陽極接線磁力線)54と陰極2の表面との間に電子が捉
えられるようになり、この領域に閉領域が限定される。
即ち、閉領域から離れた位置で被処理体Sが保持され
る。尚、この例では、ターゲット20が陰極2の一部と
して配置されており、実際にはターゲット20の表面が
閉領域を形成する。
【0011】このような位置に陽極4を配置すると、マ
グネトロン放電は専ら陽極4と陰極2との間で形成さ
れ、被処理体ホルダ3はマグネトロン放電の形成に積極
的に関与しなくなる。この結果、被処理体ホルダ3の電
位は、陰極2と陽極4との間の放電を妨害しない限り自
由な電位に保つことができるのである。尚、このような
陽極4としては、放電空間を取り囲む円筒状のものだけ
でなく他の種々の構成のものを採用し得る。例えば、図
1に二点破線で示すように、陰極2と被処理体Sの間に
小さな平板状の陽極4を配置するようにしても良い。こ
の場合にも、陰極2の一部から出てこの陽極4に接する
磁力線54が、被処理体Sに接触してしないような位置
関係になっており、前述の効果が得られる。
【0012】また一方、陽極4に接続された陽極用電源
42は、陰極2に対して陽極4を所定の正電位に保てる
ようになっている。前述の放電用電源22が印加する負
電位だけで充分にマグネトロン放電が達成される場合に
は、陽極4は単に接地電位に保持されるだけでよい。し
かし、電子や負イオンの捕集効果を高める等の特定の目
的のために、陽極4を所定の正電位に保って陽極4と被
処理体Sとの電位差を大きくする場合等が有り得る。
【0013】排気系11及びガス導入系12の構成は、
従来周知のものを使用できるので、詳細な説明は省略す
る。排気系11としては、拡散ポンプやロータリーポン
プ等を使用したものが採用でき、プロセス上の必要性に
応じて真空容器1の内部を所定の真空度まで排気する。
また、ガス導入系12としては、Ar等のガスを収納し
たタンクや可変コンダクタンスバルブ等から構成され
る。
【0014】次に、上記構成に係る本実施例のマグネト
ロン放電処理装置の動作について説明する。引き続き、
スパッタリング処理を行う場合の動作について説明す
る。被処理体S(具体的には、半導体ウエハ等)は、不
図示の搬入口から真空容器1の内部に搬入され、被処理
体ホルダ3に予め保持される。まず、排気系11が動作
して真空容器1の内部を所定の真空度まで排気し、その
後、ガス導入系12のコンダクタンスバルブが開いてガ
スが真空容器1内に導入される。コンダクタンスバルブ
の開き量が調節されて、真空容器1の内部が処理に必要
な所定の真空度に保たれる。そして、放電用電源22又
は陽極用電源42が動作して陰極2と陽極4の間に電界
を発生させ、マグネトロン放電が動作する。その際、陽
極4又は陰極2に流る電流がモニタされて電源の出力電
圧が制御され、放電の強さが所定の値に保たれる。マグ
ネトロン放電により、イオン化したガスがターゲット2
0をスパッタし、スパッタされたターゲット20の材料
は、放電空間を浮遊して被処理体Sに達して堆積する。
不図示の膜厚計により被処理体S表面の膜厚がモニタさ
れ、所定の膜厚に達すると、処理が終了する。
【0015】上記動作のマグネトロン放電処理装置にお
いて、放電空間には、強電界により陰極2から放出され
た電子やガス分子のイオン化により発生した電子、さら
にはスパッタの際にターゲット20から放出された電子
等が存在している。これらの電子は、陰極2と陽極4の
間の電界により陽極4に引っ張られるとともに磁石5が
発生する磁界に捉えられ、ローレンツ力により運動を行
っている。尚、直交電磁界における電子の運動について
は、例えば、「応用物理」41巻5号451頁以下に述
べられている。このように放電空間において磁界に捉え
られた電子は、ローレンツ力による運動を行いながら次
第に陽極4に近づき、ついには陽極4に流入する。尚、
放電空間の状態であるが、プラズマ状態になっていない
場合も有り得る。本願の発明者らの最近の研究による
と、高電界高磁場の平板マグネトロン放電の場合には、
10-1Pa以下の高真空において、放電空間の状態がプ
ラズマ状態から負空間電荷が支配的な状態に変化するこ
とが確認されている(「真空」第35巻第2号70〜7
5頁)。
【0016】次に、本実施例における被処理体ホルダ3
の電位の取扱いについて、以下に説明する。被処理体ホ
ルダ3の電位は、被処理体Sに到達する荷電粒子の制御
のために適宜変更される。この荷電粒子の制御を大別す
ると、(1)被処理体に到達する荷電粒子の量又はエネ
ルギーが零になるように制御する場合,(2)所定量又
はエネルギーの陽イオンが到達するように制御する場
合,(3)所定量又はエネルギーの電子又は負イオンが
到達するように制御する場合の、三つの場合に分けられ
る。以下の説明では、(1)の制御を採り上げて詳説す
る。
【0017】図5に示す従来の装置においては、これま
での説明から明かなように、被処理体Sに接する磁力線
(以下、被処理体接線磁力線という。)53が閉領域を
形成する磁力線となり、電子は、被処理体接線磁力線5
3が被処理体Sに接している付近において、被処理体S
に最もよく流入する。このような被処理体Sに対する局
部的な電子の流入があると、一般に被処理体Sを損傷さ
せる原因となる。例えば、マグネトロンスパッタ法によ
りAl配線用の薄膜を形成させる場合等には、予め形成
したMOS素子等の部分が流入電子によって損傷を受
け、回路不良の原因となることがある。このような被処
理体Sの損傷は電子に限らず、陰極2等から発生した負
イオンの被処理体Sへの衝突等によっても生じる。例え
ば、最近注目されるようになってきたITO等の導電性
光学薄膜を形成する場合には、酸素等の負イオンを発生
させる材料がターゲットとして使用されることが多く、
ターゲットから放出された負イオンが被処理体Sの接地
電位に引かれて被処理体Sに達し、被処理体Sに衝突し
たり流入したりすることがある。この場合、負イオンの
衝突により被処理体Sが損傷を受けたり、負イオンが薄
膜内に混入して導電率に影響を与えたりすることがあ
る。
【0018】本実施例の装置を使用すると、前述のよう
に陽極接線磁力線54によって閉領域が形成され、電子
は専ら陽極4に流入するから、被処理体Sに達して被処
理体Sを損傷させることがない。この場合でも、被処理
体Sの電位が接地電位であったりして陰極2の電位より
も高い場合には、陰極2と被処理体Sとの間に電界があ
ることになるから、弧状の陽極接線磁力線54の頂部付
近に達した電子が電界により被処理体Sに達する可能性
がある。そこで、本実施例において、被処理体ホルダ3
はホルダ用電源32により所定の負電位に保持するによ
うにする。この結果、閉領域を突破しての電子の被処理
体Sへの到達が抑制される。被処理体ホルダ3の電位を
陰極2の負電位と同じ電位にしておくと、被処理体ホル
ダ3と陰極2との間には電界が無いことになるので、最
も効果的である。但し、あまり深い負電位にすると、陽
イオンであるガス分子の被処理体Sへの衝突や混入が問
題となる場合があり、注意を要する。
【0019】(2)の所定量の陽イオンが到達するよう
に制御する場合としては、例えば、タンタル膜のスパッ
タの場合等が挙げられる。「薄膜作成の基礎」(1977
年,日刊工業新聞社発行)170〜173頁に述べられ
ているように、イオンボンバードしながらタンタル膜を
形成すると、形成される膜の抵抗値が改善される。そこ
で、本願の装置を使用して被処理体ホルダ3を所定の負
電位に保ち、所定量又はエネルギーの陽イオンを衝突さ
せながら薄膜形成を行えば、質の良いタンタル膜を得る
ことができる。
【0020】また、(3)の所定量の電子又は負イオン
が到達するように制御する例としては、例えば超伝導薄
膜のスパッタが挙げられる。超伝導薄膜材料としては酸
化物等が使用されることが多いが、スパッタ法により超
伝導薄膜を形成する場合、スパッタされた超伝導材料が
放電空間を浮遊するうちに分解し、酸素元素がイオンの
状態で失われてしまう場合がある。この場合、本願の装
置を用いて被処理体ホルダ3を所定の負電位にし、所定
量の酸素イオンが被処理体Sに到達するようにすると、
失われた酸素元素を補充しながら薄膜形成を行うことが
できるので、質の良い超伝導薄膜の形成が行える。
【0021】図2及び図3は、図1の装置における荷電
粒子制御効果を確かめるための実験の結果を示す図であ
る。両図とも、横軸が被処理体ホルダの電位,縦軸が電
流である。そして、Itが陰極電流,Isが被処理体ホ
ルダの電流(以下、ホルダ電流)を示している。まず、
図2に示した実験では、放電時の圧力が10-2Pa,陰
極電圧は−6kVの条件で、被処理体ホルダ3の電位を
+4〜−7kVの範囲で変化させ、陰極電流及びホルダ
電流を測定した。尚、陽極4は、接地電位に保持した。
また、図3に示した実験では、圧力が2×10-1Pa
で、その他の条件は図2の場合と同じ条件で測定した。
【0022】図2では、被処理体ホルダ3の電位が−3
kVの付近でホルダ電流が零になっている。従って、こ
の条件で被処理体に流入する荷電粒子を零にする制御を
行う場合には、被処理体ホルダ3の電位を−3kV程度
にしておけばよいことが分かる。また、図3では、−1
kVの付近でホルダ電流が零になっており、この条件で
は−3kV程度の電位にしておけばよいことが分かる。
尚、当然のことであるが、ホルダ電流が零ということ
は、被処理体ホルダ3に流入する荷電粒子の量が零であ
る場合の他、正電荷流入量と負電荷の流入量とが同じ場
合も含まれる。被処理体ホルダ3の最適電位は、上述の
ように実験的に予め求めておいてもよいし、ホルダ電源
32に制御回路を設けておいて被処理体ホルダ3に流れ
る電流を零にするような制御を行うようにしてもよい。
この実験からも明かなように、ホルダ用電源32は、直
流だけでなく交流(低周波からマイクロ波等の超高周波
を含む)で良い。尚、陰極電流It及びホルダ電流Is
は、図2と図3とで著しく異なる。これは、圧力の高い
図3の場合には、放電空間がプラズマ状態であるのに対
し、圧力の低い図2の状態では、前掲の「真空」の論文
で検討されている「負空間電荷放電」のような他の異質
な状態に放電空間が変化していることが原因であると考
えられる。
【0023】次に、この実施例の装置をエッチング等に
応用した場合に得られる処理の均一化の効果について説
明する。上記実施例のマグネトロン放電処理装置をエッ
チング等に応用する場合、フロン等の励起活性種を発生
させる反応性ガスをガス導入系12によって真空容器1
内に導入するようにする。この場合、前述の通り電子が
閉じ込められた閉領域から離れた位置に被処理体Sが配
置されるので、閉領域にある電子の被処理体Sへの局部
的な流入が抑制され、被処理体Sの表面での不均一な反
応が防止される。そして、被処理体ホルダ3の電位をホ
ルダ用電源32で調節すれば、被処理体Sに到達する荷
電粒子の量やエネルギーの制御が行えるので、マグネト
ロン放電により発生したプラズマを均一にかつ最適に利
用して被処理体Sの処理を行うことができるのである。
尚、上記実施例はスパッタリング装置へ応用するもので
あったため、被処理体Sは陰極2に対向させた状態で保
持されているが、エッチングや表面改質等に応用する場
合には、必ずしも対向させる必要はない。放電によるプ
ラズマを利用して処理できる位置で保持されていれば良
い。表面改質の例としては、例えば窒素プラズマを利用
したステンレス表面の硬化処理等が挙げられる。
【0024】次に、本発明のマグネトロン放電装置の他
の実施例について説明する。図4は、本発明のマグネト
ロン放電処理装置の他の実施例の概略図である。この例
は、前述の実施例とは異なり、磁極片52に代えて従来
と同様な周辺磁石55を使用し、強力な磁場を用いる例
である。この例では、図4に示すように、磁力線は真空
容器1の中心よりの位置に集まるようになるので、陽極
4の位置は、図1の場合よりも真空容器1の中心よりの
位置に配置する必要がある。また、この例では、陰極2
の側方に廻り込む磁力線が発生するので、従来と同様な
シールド7を設ける必要がある。陰極2の側面とシール
ド7との隙間を充分小さくしておけば、陰極2から出た
電子は放電ガスをイオン化することなく直ちにシールド
7に流入するので、この部分で不必要な放電が防止され
る。
【0025】以上説明した各実施例のマグネトロン放電
処理装置において、陽極4を真空容器1の一部で構成し
て兼用することもできる。この場合、真空容器1を小さ
くすることができるので、装置が簡略化されるメリット
がある。また、放電用電源22としては、誘電体ターゲ
ットのスパッタの場合やエッチング処理等で効率よくプ
ラズマを形成する必要がある場合等では、高周波放電が
採用される。尚、DC電源と高周波電源とを切り替えた
り重畳させたりできる電源が市販されているから、この
ようなものを採用すると好適である。尚、図1において
は、放電用電源22,ホルダ用電源32及び陽極用電源
42は別個の電源として図示されているが、実際の装置
としては、ある一つの電源の中の回路部分である場合も
ある。
【0026】また、上記各実施例において、陽極4の形
状としては前述のようなリング状に限られず、棒状や球
状等の各種のものを採用できる。さらに、液晶基板プロ
セスにおける処理等の場合には、方形の被処理体Sを処
理することになるから、方形の磁石を備えた方形の陰極
を採用すると好適である。また、前述の実施例では磁石
5としては永久磁石を使用したものが開示されている
が、電磁石を使用しても良い。さらに、磁石5は、真空
容器1の外に配置することもできるし、複数の磁石を使
用して望ましい結果を得ることもできる。即ち、例えば
特開昭2−254158号の第4図及び第6図に開示さ
れているように、陰極2に対向させるか又は陰極2の上
方の空間を取り囲むようにしてもう一つの磁石を配置す
るようにすれば、磁場強度を弱めることなく図1に示す
ような分布の磁場を容易に得ることができる。特に同公
報の第6図の場合、リング状の磁石86に本願の陽極4
の役割を兼用させることも可能である。
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1の
マグネトロン放電処理装置によれば、被処理体のホルダ
の電位を自由に変えることができるから、被処理体に到
達する荷電粒子の制御を自在に行うことができる。ま
た、被処理体への局部的な電子の流入が無くなるから、
エッチング等に応用した場合に均一な処理を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のマグネトロン放電処理装置の
概略図である。
【図2】図1の装置における荷電粒子制御効果を確かめ
るための実験の結果を示す図である。
【図3】図1の装置における荷電粒子制御効果を確かめ
るための実験の結果を示す図である。
【図4】本発明のマグネトロン放電処理装置の他の実施
例の概略図である。
【図5】従来のマグネトロン放電処理装置の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 真空容器 10 絶縁材 11 排気系 12 ガス導入系 2 陰極 20 ターゲット 21 陰極導通管 22 放電用電源 3 被処理体ホルダ 31 ホルダ導通管 32 ホルダ用電源 S 被処理体 4 陽極 41 陽極導通管 42 陽極用電源 5 磁石

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器と、この真空容器の内部に配置
    された陰極と、真空容器の内部に又は真空容器の一部と
    して設けられ、陰極との間でマグネトロン放電が行われ
    る陽極と、真空容器の内部に配置され、陰極と陽極との
    間の放電を利用して所定の処理を行うことが可能な位置
    に被処理体を保持する被処理体ホルダと、陰極と陽極と
    の間に所定の電界を設定してマグネトロン放電を行わせ
    る放電用電源と、放電用電源による電界に少なくとも一
    部が直交する磁界を発生させる磁石とを備えたマグネト
    ロン放電処理装置であって、前記被処理体ホルダは、陰
    極の一部から出て前記陽極に接し陰極の他の部分に入る
    磁力線と陰極の表面とによって囲まれた閉領域から離れ
    た位置において被処理体を保持するものであることを特
    徴とするマグネトロン放電処理装置。
JP18734092A 1992-06-23 1992-06-23 マグネトロン放電処理装置 Pending JPH062132A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014159623A (ja) * 2013-02-20 2014-09-04 Kyoritz Inc コーティング装置および方法

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JP2014159623A (ja) * 2013-02-20 2014-09-04 Kyoritz Inc コーティング装置および方法

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