JPH062168B2 - 難消火性危険物用消火剤及びこれを使用する消火方法 - Google Patents

難消火性危険物用消火剤及びこれを使用する消火方法

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JPH062168B2
JPH062168B2 JP5958588A JP5958588A JPH062168B2 JP H062168 B2 JPH062168 B2 JP H062168B2 JP 5958588 A JP5958588 A JP 5958588A JP 5958588 A JP5958588 A JP 5958588A JP H062168 B2 JPH062168 B2 JP H062168B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、難消火性危険物の消火剤及びこれを使用する
消火方法に関するものである。
(従来の技術とその問題点) 難消火性危険物には大別して次のような物質がある。
金属粉・・・Mg粉、Al粉、Zn粉、Ti粉、Zr粉、Fe粉等 アルカリ金属・・・Na、K、Li等 禁水物質・・・炭化カルシウム、りん化石灰、生石灰
等 可燃性固体・・・赤りん、黄りん、硫黄、硫化りん、
マグネシウム等 難消火性液体・・・アルキルアルミニウム、アルキル
リチウム、塩化シラン、ジケテン等 まずのMg、Al、Ti等の金属粉は可燃性で、しばしば火災
および重大な爆発を起こすことがある。これらの金属粉
は高温において水と反応して、水素を発生し、注水する
と水蒸気爆発を起こし、燃焼金属粉を飛散させることも
あるので、注水は絶対に避けなければならない。従来よ
く使われる炭酸ガス、ハロン及び粉末消火剤では消火が
不可能で、わずかに乾燥砂や塩化ナトリウム、炭酸ナト
リウムのような特殊粉末を散布して火勢を抑制する方法
ぐらいしか手段がなかった。しかしこれらの方法では多
量の消火剤を消費し、またこれらの特殊粉末を散布して
も内部には高温になった金属の燠が残り、長時間、時と
して30分〜60分間もそのまま放置しておかねばなら
ず、また条件によっては再燃焼するという危険があっ
た。
つぎにのナトリウム、カリウム等のアルカリ金属は、
水と作用して発熱し、水素を発生して自然発火する危険
性がある。したがってこの場合も注水は不可であり、し
かも水以外の公知の消火剤、炭酸ガス、ハロン及び粉末
消火剤でも消火は不可能である。わずかに乾燥砂か塩化
ナトリウム、炭酸ナトリウム等の特殊粉末を散布する方
法もあるが、これらは緩慢な窒息、冷却作用による消火
であるため、完全消火に長時間を要するほか多量の消火
剤を消費する等の難点があった。
の炭化カルシウム、生石灰などの禁水物質の固体は水
と作用して発熱したり、可燃性ガスを発生して燃焼す
る。これらのものは、禁水物質といわれる危険物であ
り、また水以外の他の公知の消火剤とも反応するので適
応不可であり、とくに効果のある消火方法がなかった。
僅かに乾燥砂による窒息消火が適応可となっていたが、
実際的には多量の乾燥砂を必要とする上に中々消火が困
難であった。
の可燃性固体である黄りん、赤りん、硫黄は比較的低
温で着火し易い危険物である。しかも燃焼速度が早い固
体であり、有毒なもの、あるいは燃焼のとき有毒ガスを
発生するものもある。そのため消火が面倒である。
の難消火性液体のうち、アルキルアルミニウム、塩化
シランは水と接触すると爆発的に反応するので、これら
危険物の消火に注水は絶対に避けなければならない。ま
た炭酸ガス、ハロンや従来の粉末消火剤では消火が困難
ないし不可能であった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者は、かかる消火困難な難消火性危険物の消火に
ついて種々検討を重ねた結果、前記金属粉およびアルカ
リ金属の金属火災には、酸化ほう素粉末の散布がきわめ
て効果的であり、従来の金属火災用消火剤の欠点を解消
できることを見出しこれについて特許出願したが(昭和
62年12月28日付、特願昭62-335445)、さらに種
々検討を重ねた結果、金属以外の難消火性危険物の消火
にも酸化ほう素粉末が適用可能であり、多種類を対象と
する難消火性危険物の消火効果が更に改善されることを
見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、B2O3含有量90重量%以上、水分含有
量2重量%以下で、かつ粒子直径5〜1000μmの酸化ほ
う素粉末を主成分とし、燃焼物体に該主成分と共融し融
点を低下させて窒息、冷却作用を発揮する第1成分、該
物体上に強度の大なる窒息遮断層を形成する第2成分お
よび液状の該物体を吸液して除去、窒息作用を発揮する
第3成分のいずれか一種もしくはそれらの任意組合せを
副成分としてなる難消火性危険物消火剤を要旨とし、さ
らにこれを使用する消火方法に関するものである。
以下本発明をさらに詳しく説明する。
本発明における消火剤の主成分はB2O3の含有量90重量
%以上でかつ水分含有量は2重量%以下、好ましくは0.
5重量%以下の酸化ほう素であることが必要である。今
日市販されている酸化ほう素は、試薬一級品でB2O3の含
有量85重量%、水分含有量(ほう酸の形で含有)10
重量%程度であるが、この程度の品位の酸化ほう素は本
発明の消火剤としては不適当である。試薬一級品の酸化
ほう素をさらに精製した試薬特級品は、B2O3含有量97
重量%、水分含有量2重量%程度となる。このような品
位になると、本発明の消火剤としてなんとか使用するこ
とが可能となるがまだ充分ではない。この試薬特級品を
さらに160℃で2時間程度加熱すると水分含有量が0.
5%以下となり、消火性能がいちじるしく改善される。
本発明で用いる酸化ほう素粉末の粒子径は5μm〜10
00μmである。粒子径が5〜200μmの微粉末は消化
器への充填に適し、200〜1000μmのものは、ス
コップ、バケツ等で散布するのに適している。粒子径が
5μm未満の微粉末は散布時に周囲へ飛散し易いので本
発明の難消火性危険物の消火剤としては不向きである。
また粒子径が1000μmより大きいものは、融解に時
間がかかるほか、消火に多量の粉末を消費するので好ま
しくない。
つぎに上記主成分に添加する副成分とそれらがもつ作用
を述べる。
(1)比較的低融点のため、酸化ほう素と共融して、窒息
作用と冷却作用を発揮する第1成分。
:塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸マグネシウム、四ほう酸ナトリウム(無水)。
(2)酸化ほう素と共融して、強度の大きな空気遮断層を
形成して消火作用を完全にする第2成分。
:けい砂、けい石粉、石英粉、弗化カルシウム (3)液状の燃焼高温物体に対し吸液、除去作用と溶融酸
化ほう素の窒息、冷却作用を併用する第3成分。
:シリカ系多孔質体・シリカ・アルミナ系、多孔質体、
カオリン、炭酸カルシウム、パーライト 第1成分は何れも融点が700〜900℃の範囲で、比
較的低く、燃焼中の高温物体に触れて融解しやすく、酸
化ほう素と混合していると共融点が上記融点よりも下が
って、燃焼表面をよく覆う作用を示す。またこれら成分
は融解熱が比較的大きいので、融解時に周囲から、融解
熱を吸収して、冷却効果も発揮して消火作用を行う。
適応する難消火性危険物:金属粉、アルカリ金属、可燃
性固体、 第2成分のうちシリカ系のけい砂、けい石粉、石英粉は
いずれもSiO2を主成分とし、公知のように耐熱ガラスの
重要原料であるが、酸化ほう素にこれらの粉末を添加し
たものは、燃焼中の高温物体に触れてシリカの融点(1
680℃)よりも低い温度で融解して、燃焼表面にガラ
ス状の強固な空気遮断層を形成し消火を確実なものとす
る作用がある。
また弗化カルシウムも耐熱性が高く、金属製錬の際の融
剤として知られ、酸化ほう素と混合し溶融温度を下げる
ことができる。
適応する難消火性危険物:金属粉、マグネシウム固体、 特にタンクその他の複雑な構造物で垂直壁を有するもの
が下部から発火した場合、消火剤は低温で溶融して垂直
壁に付着し、しかも粘度が高いため強固な空気遮断層と
なって壁を覆い効果的な消火能力をもつ。したがってマ
グネシウムやマグネシウム合金を多量に使っている航空
機の立体火災の消火にきわめてすぐれた効果を発揮す
る。
第3成分のような耐熱性の高い多孔質粉末および耐熱性
の高い微粉末は、難消火性液状危険物もしくは、低融点
可燃性固体の火災に散布すると、燃焼している液状物質
を吸収し、可燃物の除去効果が発揮される。さらに高温
度になると主成分である酸化ほう素が溶融して窒息、冷
却作用が発揮される。
また、水と接触して発熱発火する炭化カルシウムのよう
な禁水性危険物の火災は水分が原因となっているので、
これら多孔質粉末および耐熱性微粉末を散布すると水分
を吸収し、結果として火勢を弱める効果も発揮される。
適応する難消火性危険物 禁水物質・・・炭化カルシウム、生石灰等 可燃性固体・・・赤りん、硫黄、硫化りん等(融点が
低いので、融けた状態で燃焼する) 難消火性液体・・・アルキルアルミニウム、塩化シラ
ン、ジケテン等 これら副成分粉末の具備すべき要件はつぎのとおりであ
る。
シリカ系多孔質体 SiO2を80重量%以上含み、細孔直径0.1〜100μm、
嵩比重0.2〜0.5、粒子径5μm〜1000μmのシリカ系
多孔質体。
シリカ・アルミナ系多孔質体 SiO2およびAl2O3の両成分の和を90重量%以上含み、
細孔直径0.1〜1000μm、嵩比重0.3〜0.7、粒子径5
μm〜1000μmのシリカ・アルミナ系多孔質体。真珠
岩から作られるパーライトもこれに含まれる。
けい砂 SiO290重量%以上を含み、真比重2.5〜2.7粒子径1μ
m〜500μmの天然けい砂及びその加工品。
けい石粉 SiO293重量%以上を含み、真比重2.5〜2.65粒子径1
μm〜500μmのけい石粉。
石英粉 SiO295重量%以上を含み、真比重2.6〜2.65粒子径1
μm〜500μmの石英粉で、石英(水晶)を人工的に粉
砕加工して得られる。
カオリン 耐火度が高く、真比重2.55〜2.65、平均粒子径0.3μm〜
5μmのものが適する。
塩化ナトリウム NaCl分98重量%以上で、Mg塩分を極力少なくして吸湿
性を防ぐことが望ましく、防湿のための加工をして固化
防止をしたものが好ましいが、有機物を添加したもの
は、本発明の用途には不適当である。粒子径は5μm〜
500μmの範囲のものが適当である。融点は801
℃。
塩化カリウム KCl分98重量%以上で、Mg塩分を極力少なくしたもの
が、吸湿、固化防止の点で好ましい。又固化防止剤を少
量添加することもできる。粒子径は5μm〜500μmの
範囲のものが適当である。融点は776℃。
炭酸ナトリウム 無水物でNa2CO3分99重量%以上、粒子径5μm〜50
0μmのものが用いられる。
炭酸カルシウム CaCO3分98重量%以上、粒子径1μm〜200μmの範
囲のものが用いられる。
炭酸マグネシウム MgCO3分97重量%以上、粒子径は1μm〜200μmの
範囲のものが用いられる。
弗化カルシウム 蛍石の主成分であり、CaF2分98重量%以上、粒子径1
μm〜500μm、融点1360℃で極めて安定である。
四ほう酸ナトリウム(無水) 無水物Na2B4O7分99%以上、粒子径5μm〜1000μ
m、真比重2.36、融点741℃のもの。
これらは不活性で耐熱性のある粉体中の含有水分は5重
量%以下好ましくは2重量%以下であることが、本発明
の目的達成に必要な条件である。
従来、粉末消火剤の防湿性(疎水性)付与と、流動性改
善のために用いられているシリコーン油などの表面処
理、あるいはステアリン酸マグネシウムなどの有機物の
添加は難消火性危険物の消火性能をいちじるしく阻害す
るもので避けなければならない。
(作用) 一般に消火のために必要な作用効果として、 (1)除去効果(可燃物を燃焼の原系から除去する) (2)窒息効果(酸素供給源を遮断する) (3)冷却効果(燃焼熱を吸収冷却して着火温度以に下げ
て燃焼を抑制する) (4)抑制効果(燃焼の連鎖反応を抑制阻止する) の四つが知られている。これらの効果は単独よりもむし
ろ相乗的に作用することが多い。
本発明による消火剤を適用する難消火性危険物のうち固
体状の燃焼部に本発明の消火剤の主成分である水分の少
ない高純度酸化ほう素粉末を散布すると、燃焼している
高温の固体危険物の表面近傍で軟化が始まり(B2O3の軟
化温度約320℃)、粒子と粒子がたがいに付着し始め
てアイスバーン状になり、ついで融解し(B2O3の融点は
450℃で耐熱物質としては著しく低い)、粉末はたが
いに融合し、ついにガラス状となり透明化する。しかも
酸化ほう素は1100℃あるいはそれ以上の温度におい
ても高い粘度を保つ特異な性質であるので流れ出すよう
なこともなく、また水飴状であって粘着力が著しく強い
ので、燃焼部の表面を完全に覆って空気を遮断し、窒息
効果が最大限に発揮されて完全消火にいたるのである。
さらに酸化ほう素の沸点は2250℃と極めて高いの
で、これら難消火性危険物の消火時に蒸気化することも
ないので、きわめて優れた消火能力を発揮する。
金属酸化物を高温、真空又は不活性雰囲気中で還元する
ような場合を除き、これら難消火性危険物の火災は、酸
化性雰囲気(通常は空気中)で起こるので、燃焼部が著
しく高温であっても、酸化ほう素が還元されて、かえっ
て高熱を発生するようなおそれはない。
また、酸化ほう素の融解熱は75.7cal/gと氷の融解熱(7
9.7cal/g)に匹敵するほど大きいので、固体の燃焼部に
散布された消火剤が融解する際に、周囲から融解熱を吸
収し、大きな冷却効果があらわれ、火勢を弱める方向に
作用する。
(実施例1) 直径30cmのステンレス製の浅い更に、代表的な可燃性
固体危険物である赤りんおよび硫黄をそれぞれ20g載
せ、ガストーチで点火して、全体を20秒間予備燃焼さ
せる。この時本発明の消火剤を散布した結果を第1表に
示す。
赤りん、硫黄のような低融点可燃性物質は燃焼に先立ち
一たん融解し液状になってから燃焼する性質があり、水
分の少ない高純度酸化ほう素に少量のシリカ系多孔質体
を添加すると、消火性能が改善され、10〜20%消火
時間が短縮される。シリカ系多孔質体の代りにシリカ・
アルミナ系多孔質体を添加しても同じ効果が得られる。
(実施例2) 直径10cm、深さ6cmのステンレス容器に、炭化カルシ
ウム20gをとり水10mlを加えてアセチレンガスを発
生させて点火、予備燃焼20秒経過後に本発明の消火剤
を散布した結果を第2表に示す。
このように水分の少ない高純度酸化ほう素の粉末に少量
のシリカ系多孔質体を添加すると消火性能が改善され
る。このように多孔質粉末を併用すると炭化カルシウム
の火災の原因となっている水分を吸収し、結果として火
勢を弱め消火時間も短かくなる。
(実施例3) 直径30cmのステンレス製の浅い皿にMg粉末20gを載
せ、ガストーチで点火、Mg粉の全表面に火が着いたと
き、燃焼部分をかき混ぜるとMg粉は白く輝く炎を伴い、
強い熱を出しながら、激しく燃焼した。この時点で本発
明の副成分として比較的低融点の粉末(第1成分)を低
水分高純度酸化ほう素粉末に点火した消火剤を散布した
結果を第3表に示す。
このように高純度酸化ほう素粉末に、比較的低融点の不
活性無機物の粉末を少量添加したものは、高純度酸化ほ
う素粉末単独の場合と比較し、金属火災の燃焼部分に散
布すると更に高温部にとどまらず、半融状態となって燃
焼表面の比較的低温部にまで広がり、消火をより完全に
する。
(実施例4) 直径30cmのステンレス製の浅い皿にMg粉末20gを載
せ、ガストーチで点火、Mg粉の全表面に火が着いたと
き、燃焼部分をかき混ぜるとMg粉は白く輝く炎を伴い、
強い熱を出しながら激しく燃焼した。
この時点で本発明の副成分として、比較的高融点の不活
性、耐熱性のある粉末(第2成分)を低水分高純度酸化
ほう素粉末に添加した消火剤を散布した結果を第4表に
示す。
このように酸化ほう素よりもはるかに融点の高いシリカ
(融点1680℃)粉および弗化カルシウム(融点13
60℃)粉を少量添加した消火剤は金属火災の高温部に
触れると半融もしくは溶融状態となって、酸化ほう素を
単独に用いた場合に較べ燃焼表面を覆うより強固な殻を
形成し、空気を完全に遮断して、容易に鎮火に至らしめ
る。
(実施例5) 直径10cm、深さ6cmのステンレス容器に、難消火性液
状危険物の代表的な物質アルキルアルミニウム20mlお
よびトリクロロシラン50mlをそれぞれとり、点火して
30秒予備燃焼させた後、本発明の副成分であるシリカ
系多孔質体(第3成分)を低水分高純度酸化ほう素粉末
に添加した消火剤を散布した結果を第5表に示す。
このように難消火性の液状危険物についても、高純度酸
化ほう素粉末とシリカ系多孔質体の粉末を混合した消火
剤を散布して、消火することができる。
なおアルキルアルミニウムのように燃焼熱の大きな液状
危険物の消火では、まず、シリカ系多孔質体のような不
活性固体粉末を散布して、液体を吸収させ、散布された
シリカ系多孔質体の表面が高温になった後に、低水分高
純度酸化ほう素粉末を散布して表層部に溶融酸化ほう素
の空気遮断層を形成させると容易に完全鎮火させること
ができる。
(実施例6) 厚さ5mm、幅10cm、高さ30cmのマグネシウム板を耐
火れんがの側面にほぼ垂直に立てかけ、ガストーチでマ
グネシウム板に点火し、マグネシウム板の面積の約半分
が激しく燃焼するようになってから消火剤を散布した結
果を第6表に示す。
このように、ほぼ垂直な面における金属火災では、従来
法の金属火災用消火剤の粉末は殆んど燃焼面に付着する
ことなく落下してしまい、消火が不能であったのに対
し、本発明による消火剤粉末はほぼ垂直な燃焼面にも付
着し、高温部の熱によって速やかに溶融して空気遮断層
を形成し、短時間に消火することができた。
これは本発明法による消火剤の主成分である低水分高純
度酸化ほう素の見掛け固有抵抗(25℃の固有抵抗2.6
×1016Ωcm)および粒子径が適切であるために、空気中
での散布もしくは密閉容器から空気中への噴射によって
容易に帯電して、燃焼金属面に付着し、加えてその低融
点(450℃)のために少しの加熱によって、溶融しガ
ラス化するものと説明できる。しかも高純度酸化ほう素
は1100℃以上の高温度においても高い粘性を保つた
め、高温の燃焼金属表面(実質的には酸化物となってい
る)に粘着し、消火活動中及び鎮火後に剥離又は落下す
るようなことは全く認められなかった。
本発明の消火剤は、このように優れた特性があるので、
今日マグネシウム又はマグネシウム合金を多量に使って
いる航空機の立体火災の消火にも適用することが可能で
ある。
(実施例7) 直径50cmのステンレス製の浅い皿に、Mg粉末1.0kgを
広げ、ガストーチで点火し、Mg粉の全表面に火がまわた
ったとき、全体をかき混ぜるとMg粉は、白く輝く炎を伴
ない激しく燃焼した。この時点で酸化ほう素の主成分に
第2成分の副成分を添加した消火剤を充填した携帯型消
化器(20型)を用いて消火した結果と従来法の市販の
金属火災用消火剤で消火した結果を第7表に示す。
また、同時に行なわれた実験で、酸化ほう素単独のケー
スと比較されたが、消火に20秒を要し、天然シリカの
効果が認められた。
(発明の効果) 以上詳細に述べたように本発明によれば、 (1)難消火性危険物の火災を容易かつ速やかに抑制し、
短時間に鎮火することができる。
(2)従来の乾燥砂や塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等
の特殊粉末消火剤に比べて、粉末散布時に音や煙の発生
も殆んどなく、又臭いや粉末の周囲への飛散も皆無で、
消火活動が容易である。
(3)従来の消火剤に比べて、消火効果が確実でしかも消
火剤の所要量も少なくて済む。
(4)本発明の消火剤は、水平面火災はもちろんのこと、
垂直面火災にも卓越した効果をもつので立体的な金属火
災にも有効である。
(5)難消火性危険物の燃焼表面を強固な層で完全に被覆
するので、鎮火後の後処理が容易で、周囲を汚染するこ
ともない。
(6)本発明の消火剤粉末は、消化器に充填して使用する
ことも、また容器に収容してバケツ、スコップ等で散布
することもできる等種々の卓越した効果を有する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】B含有量90重量%以上、水分含有量
    2重量%以下で、かつ粒子直径5〜1000μmの酸化ほう
    素粉末を主成分とし、燃焼物体に該主成分と共融し融点
    を低下させて窒息、冷却作用を発揮する第1成分、該物
    体上に強度の大なる窒息遮断層を形成する第2成分およ
    び液状の該物体を吸液して除去、窒息作用を発揮する第
    3の成分のいずれか一種もしくはそれらの任意組合せを
    副成分としてなる難消火性危険物用消火剤。
  2. 【請求項2】前記第1成分が、塩化ナトリウム、塩化カ
    リウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、四ほう酸
    ナトリウム(無水)からなる群より選ばれる少なくとも
    一種である請求項1記載の消火剤。
  3. 【請求項3】前記第2成分が、けい砂、けい石粉、石英
    粉、弗化カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも
    一種である請求項1記載の消火剤。
  4. 【請求項4】前記第3成分が、シリカ系多孔質体、シリ
    カ・アルミナ系多孔質体、カオリン、炭酸カルシウム、
    パーライトからなる群より選ばれる少なくとも一種であ
    る請求項1記載の消火剤。
  5. 【請求項5】B含有量90重量%以上、水分含有量
    2重量%以下で、かつ粒子直径5〜1000μmの酸化ほう
    素粉末を主成分とし、燃焼物体に該主成分と共融し融点
    を低下させて窒息、冷却作用を発揮する第1成分、該物
    体上に強度の大なる窒息遮断層を形成する第2成分およ
    び液状の該物体を吸液して除去、窒息作用を発揮する第
    3成分のいずれか一種もしくはそれらの任意組合せを副
    成分としてなる消火剤を燃焼物体の消火に使用すること
    を特徴とする難消火性危険物の消火方法。
  6. 【請求項6】前記燃焼物体が地面に対し急傾斜側面をも
    つか、または地面に対峙する底面を有する請求項5記載
    の消火方法。
JP5958588A 1987-12-28 1988-03-14 難消火性危険物用消火剤及びこれを使用する消火方法 Expired - Lifetime JPH062168B2 (ja)

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WO2020089245A1 (de) * 2018-10-30 2020-05-07 Franz Wilhelm Cremer Schutzmittel für elektrochemische energiespeicher, insbesondere für energiespeicher, die lithium enthalten

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