JPH06217636A - 植物育生用シート及びその製造法 - Google Patents

植物育生用シート及びその製造法

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JPH06217636A
JPH06217636A JP43A JP33951692A JPH06217636A JP H06217636 A JPH06217636 A JP H06217636A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 33951692 A JP33951692 A JP 33951692A JP H06217636 A JPH06217636 A JP H06217636A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は優れた植物育生適性と十分な強度の両
立を図るとともに体積がかさばらず輸送、保管に有利で
育苗等の作業性にも優れた植物育生用シ−トと、熱成形
や切断、組直しなどの工程を必要としない合理的かつ簡
便な植物育生用シ−トの製造法を提供することを目的と
するものである。 【構成】本発明に係る植物育生用シ−トは、セルロ−ス
繊維と高吸水性樹脂を含有し、該高吸水性樹脂が吸水時
に吸水膨張して繊維間結合を破断または弛緩せしめる如
く該高吸水性樹脂を繊維間隙に散在せしめたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水稲の育苗、野菜や果樹
の栽培、芝生、ポットあるいはプランタ−による家庭栽
園などに利用される植物育生用シ−ト及びその製造法に
関し、さらに詳しくは優れた植物育生適性と十分な強度
を併せもち、かつ体積がかさばらず流通時の輸送保管に
有利で育苗等の作業性にも優れた植物育生用シ−トと、
その合理的かつ簡便な植物育生用シ−トの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、農園芸作業の機械化の進展と、天
然床土の不足により、各種合成土壌あるいは合成培地マ
ット等が次第に使用されるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在使用されている合
成培地マットとしては、繊維素系マットと無機繊維マッ
トが主であるが、いずれも乾式法で製造されるものであ
り、形状保持のために含有される樹脂類に起因する熱成
形や、繊維の配向方向を垂直にするための切断組直しな
どの工程を必要とすること、またこの種の既存合成培地
マットの場合、根の貫通性を確保するためにはマットを
著しくかさ高にする必要があり結果的に体積がかさば
り、輸送、保管に不利であるばかりか、諸強度、特に吸
水させた時の強度が弱く育苗作業時にマットが壊れやす
いなど作業性が悪い等の難点を有していた。
【0004】よって、優れた植物育生適性と十分な強度
を併せ持ち、かつ体積がかさばらず輸送、保管に有利で
育苗等の作業性にも優れた植物育生用シ−トとその合理
的かつ簡便な製造法の開発が急がれていた。本発明は上
記の課題を解決するためになされたもので、優れた植物
育生適性と十分な強度の両立を図るとともに体積がかさ
ばらず輸送、保管に有利で育苗等の作業性にも優れた植
物育生用シ−トと、熱成形や切断、組直しなどの工程を
必要としない合理的かつ簡便な植物育生用シ−トの製造
法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を最
も合理的かつ効果的に解消するために、鋭意研究を進め
た結果、従来の繊維素系マットあるいは無機繊維マット
のごとき乾式成形マットとは全く異なる湿式抄紙技術を
応用し、セルロ−ス繊維と高吸水性樹脂あるいはセルロ
−ス繊維と無機繊維と高吸水性樹脂を用い、かつ該高吸
水性樹脂のもつ吸水膨張力を有効利用して繊維間結合を
破断または弛緩せしめることにより課題を解決できるこ
とを多数次の実験によってつきとめ本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明に係る植物育生用シ−ト
は、セルロ−ス繊維と高吸水性樹脂を含有し、該高吸水
性樹脂が吸水時に吸水膨張して繊維間結合を破断または
弛緩せしめる如く該高吸水性樹脂を繊維間隙に散在せし
めたものである。また、セルロ−ス繊維と無機繊維と高
吸水性樹脂を含有し、該無機繊維がセルロ−ス繊維と無
機繊維の合計重量に占める割合が10〜95重量部で、かつ
前記高吸水性樹脂が吸水時に吸水膨張して繊維間結合を
破断または弛緩せしめる如く該高吸水性樹脂を繊維間隙
に散在せしめたものである。
【0007】本発明の植物育成用シ−トはセルロ−ス繊
維/高吸水性樹脂を含有するという構成で吸水時に十分
な厚さ膨張性を有し優れた植物育生適性を具備する。し
かし、セルロ−ス繊維として化学処理を受けたセルロ−
ス繊維たとえば化学パルプ等を用いた場合、一般に強い
繊維間結合を生じやすく、シ−ト全体としては十分な吸
水膨張性を有するにもかかわらず局所的に繊維間結合が
強すぎ根の慣通しにくい部分が発生することがある。こ
の場合、局所的に根上りを生じる可能性を残すことにな
る。そこで前記した局所的な強固な繊維間結合の発生を
押えるために、本発明はセルロ−ス繊維/無機繊維/高
吸水性樹脂を含有するという構成にすることで局所的な
強固な繊維間結合の発生を押え、より優れた根の慣通性
すなわち植物育生適性を得ることができる。
【0008】上記したセルロ−ス繊維としては、針葉樹
系あるいは広葉樹系の化学パルプ、機械パルプ、セミケ
ミカルパルプ等の木材パルプあるいは各種古紙、パガ
ス、ワラ、リンタ−、のこくず、ピ−トモス、もみがら
などの中から選ばれる1種類あるいは2種類以上を併用
して使用することができる。本発明のセルロ−ス繊維シ
−トは特にセルロ−ス繊維の種類を特定しなくとも後述
する吸水時厚さ膨張性を有し、優れた根の慣通性すなわ
ち植物育生適性を具備するが、セルロ−ス繊維の一部あ
るいは全部を機械パルプのごとき化学処理を受けていな
いものを選定することで一層優れた根の慣通適性すなわ
ち植物育生適性を得ることができる。
【0009】本発明で使用する高吸水性樹脂としては、
ポリアクリル酸塩系、デンプン・アクリル酸グラフト重
合体系、セルロ−ス系、アクリル酸・ビニルアルコ−ル
共重合体系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレ
ン系等を挙げることができる。これらの高吸水性樹脂は
いずれも水溶性高分子をわずかに架橋し不溶化した構造
を有し、高分子の浸透圧によって吸水するという点で全
く共通しており繊維間隙に散在せしめたときに吸水時に
吸水膨張して繊維間結合を破断または弛緩せしめる機能
を有するものであれば前記した高吸水性樹脂のいずれを
用いてもよい。
【0010】本発明で使用する高吸水性樹脂はその吸水
前の粒径が 100μm 以上のものが特に有効である。この
ように吸水前の粒径が 100μm 以上の高吸水性樹脂を使
用した場合、高吸水性樹脂の吸水膨張力が容易にセルロ
−ス繊維の繊維間結合力に打ち勝ち、結果的に繊維間結
合は一段と破断あるいは弛緩されやすくなりシ−ト全体
としての厚さも吸水前の 2〜10数倍に達するまでに膨張
することとなり隣接する繊維同志が大きく引きはなさ
れ、優れた根の慣通性が得られることになる。高吸水性
樹脂の含有量は、セルロ−ス繊維と高吸水性樹脂を含有
する場合にはセルロ−ス繊維に対し0.5 〜20重量部と
し、セルロ−ス繊維と無機繊維と高吸水性樹脂を含有す
る場合にはセルロ−ス繊維と無機繊維の合計重量に対し
0.5 〜20重量部好ましくは 1〜15重量部である。高吸水
性樹脂の含有量が0.5 重量部未満ではシ−トの吸水厚
さ、膨張性が十分に得られず根の慣通性も悪くなり根上
りを生じやすくなり不適である。また20重量部を超えた
場合には抄紙性が悪化するとともにシ−トの吸水時の膨
張性がはなはだしくなりシ−トとしての形状保持が困難
となり育苗作業性が悪化し不適である。
【0011】本発明で使用する無機繊維としては、ガラ
ス繊維、ロックウ−ル繊維、炭素繊維、セラミック繊維
などの中から選ばれる1種類あるいは2種類以上を併用
して使用することができる。無機繊維のセルロ−ス繊維
と無機繊維の合計重量に占める割合は10〜95重量部好ま
しくは20〜70重量部である。10重量部未満では局所的な
強固な繊維間結合の発生防止効果が不十分であり、95重
量部を超えると抄紙性が悪化するとともに強度が弱くな
りすぎ輸送等の扱いに不便をきたすばかりか育苗等の作
業性も悪化し不適である。
【0012】本発明の植物育生用シ−トは上記配合量の
下にセルロ−ス繊維/高吸水性樹脂あるいはセルロ−ス
繊維/無機繊維/高吸水性樹脂を含有するという構成で
あるがクレ−、タルクなどの無機てん料を配合すること
により、さらに繊維間の結合が弱められ、根の慣通性等
を向上せしめることができる。また無機繊維を多量に配
合する場合等においては、必要に応じて各種合成樹脂、
ラテックス等のバインダ−の類を配合してもよいが、こ
の場合、根の慣通性等を阻害しないようその添加量は少
量に押えるべきことは当然である。さらに必要に応じ硫
安、塩安、硝安、尿素等の窒素肥料、あるいは硫酸カ
リ、塩化カリ等のカリ肥料もしくは過リン酸石灰、リン
安等のリン酸肥料などを配合してもよい。
【0013】本発明に係る植物育生用シ−トの製造法
は、セルロ−ス繊維と、吸水前の粒径が100 μm 以上の
高吸水性樹脂とを含有せしめ、該高吸水性樹脂の含有量
がセルロ−ス繊維に対し0.5 〜20重量部であるスラリ−
を調成し、該スラリ−を抄紙して植物育生用シ−トを得
るようにしたものである。また、セルロ−ス繊維と、無
機繊維と、吸水前の粒径が 100μm 以上の高吸水性樹脂
とを含有せしめ、無機繊維がセルロ−ス繊維と無機繊維
の合計重量に占める割合が10〜95重量部で、かつ該高吸
水性樹脂の含有量がセルロ−ス繊維と無機繊維の合計重
量に対し0.5 〜20重量部であるスラリ−を調成し、該ス
ラリ−を抄紙して植物育生用シ−トを得るようにしたも
のである。
【0014】本発明の植物育生用シ−トの製造法は、セ
ルロ−ス繊維スラリ−あるいはセルロ−ス繊維と無機繊
維の混合スラリ−に吸水前の粒径が 100μm 以上の高吸
水性樹脂の所定量を添加した後、通常の抄造法により植
物育生用シ−トを得るようにすればよい。必要に応じ叩
解処理等を施してもよい。高吸水性樹脂の添加場所は抄
造網上に供給される手前であればストックインレット内
あるいは各種チェスト等任意に選ぶことができる。抄造
については通常の長網、丸網あるいは傾斜網等の抄造網
上に高吸水性樹脂を含有した原料スラリ−を供給し濾
過、脱水した後、圧搾、乾燥すればよい。また必要に応
じ各種コンビネ−ション網や、多槽丸網あるいは各種ラ
ミネ−タなどにより紙層を2層以上重ね合わせてもよ
い。
【0015】
【作用】本発明における根の慣通適性等の植物育生適性
の発現機構の詳細については未だ不明であるが、セルロ
−ス繊維/高吸水性樹脂あるいはセルロ−ス繊維/無機
繊維/高吸水性樹脂を含有する構成のシ−トにおいて、
高吸水性樹脂が繊維間隙に散在している場合、該シ−ト
を水中に浸漬したり水を散布するなどすることによりシ
−ト中の高吸水性樹脂が繊維間結合による拘束力に打ち
勝って吸水膨張し、繊維間結合は破断または弛緩され根
が慣通できるようになる。
【0016】この際、高吸水性樹脂の大きさがあまり小
さすぎると、セルロ−ス繊維の3次元網状結合構造の中
にある高吸水性樹脂の吸水膨張力が弱くなり繊維間結合
の破断または弛緩が生じにくくなりシ−ト全体としての
厚さ膨張効果も減少するので、好ましくは高吸水性樹脂
の大きさは吸水前の粒径で 100μm 以上とするのが望ま
しい。高吸水性樹脂の吸水前の粒径を 100μm 以上とし
た場合、高吸水性樹脂の吸水膨張力が容易にセルロ−ス
繊維の繊維間結合力に打ち勝ち、結果的に繊維間結合は
一段と破断または弛緩されやすくなりシ−ト全体として
の厚さも吸水前の 3〜10数倍に達するまでに膨張するこ
ととなり隣接する繊維同志が大きく引きはなされ、優れ
た根の慣通性が得られる。また高吸水性樹脂の保水効果
により、シ−ト全体としての保水能も高まり植物育生
上、非常に好ましい状態を保持できることになる。
【0017】
【実施例】次に本発明を以下の実施例に基づいてさらに
具体的に説明する。本実施例中の各項目の測定は次の方
法により行った。 吸水前のシ−トの厚さ:JIS P−8118によ
る。 吸水後のシ−トの厚さ:シ−トを希硫酸にてpH
4.5〜5 になるように調整した水道水中に1hr浸漬し
た後にゲ−ジで測定した。 根の慣通性1:シ−トを希硫酸にてpH 4.5〜5 に
なるように調整した水道水中に1hr浸漬した後に15c
m×10cmの枠の中に入れ水稲催芽籾20gを播種後0.1
リットルの覆土し、十分に散水した後、常法に順じて出
芽、緑化し根上り発生状況を観察した。 根の慣通性2:乳苗時マット保形性、稚苗時マット
保形性、田植適性。57.5 cm×27.5cmに断裁したシ
−トを希硫酸にてpH 4.5〜5 になるように調整した水
道水中に1hr浸漬した後に、水稲用育苗箱につめこれ
に水稲催芽籾 200gを播種後1リットルの覆土を行い、
十分に散水した後、常法により出芽、緑化し、値上りの
発生状況を観察した。また、乳苗まで成育した時点及び
稚苗まで成育した時点で育苗箱からマットを取り上げマ
ットの保形性を調べた。また稚苗まで成育後に、通常の
田植機により本田への移植を行い、田植適性を評価し
た。
【0018】なお、根の慣通性1、根の慣通性2、乳苗
時マット保形性、稚苗時マット保形性及び田植適性の評
価は下記の評価基準に基づいて行った。 根の慣通性1、根の慣通性2。 ◎ :ほとんど根上りの発生がなく、かつ局所的な根
上りも見られない。(平均的根上り発生率≒0%) ○〜◎:ほとんど根上りの発生がないがわずかに局所的
な根上りが見られる。(平均的根上り発生率5%未満) ○ :ほとんど根上りの発生がないが、局所的な根上
りがある。(平均的根上り発生率5%以上10%未満) × :部分的に根のくい込みが認められるが全体に根
上りが多発し不可。 ×× :ほとんど根のくい込む余地はなく全く不可。 乳苗時マット保形性、稚苗時マット保形性。 ◎ :マットがしっかりした強度をもっており形くず
れ等を起こさない。 ○ :マットはかなりしっかりしておりほとんど形く
ずれ等を起こさない。 △ :マットはある程度保形性あるものの、ていねい
に扱わないと形くずれすることがある。 ×〜△:マットはまだ保形性に乏しく熟練者でないと扱
えない。 × :マットとしての保形性はほとんどなく、取り上
げようとするとくずれてしまう。 田植適性。 ◎ :欠株の発生も少なく田植機上でのマットのすべ
り性も良好で問題なく田植作業を進めることができる。
【0019】実施例1 新聞古紙を離解機にて離解して得たセルロ−ス繊維分散
液の所定量を取り、これに吸水前の平均粒子径が 470μ
m のポリアクリル酸塩系高吸水性樹脂(以下高吸水性樹
脂αと言う)を添加し撹拌機にて十分に分散混合後、角
形手抄機にて手抄を行いシ−トAを得た。シ−トAにつ
いて、各成分の含有率を表1に示した。また吸水前の厚
さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1をそれぞれ測定し、
その結果を表1にあわせて示した。
【0020】実施例2 実施例1において、吸水前の平均粒子径が 320μm のポ
リアクリル酸塩系高吸水性樹脂(以下高吸水性樹脂βと
いう)を用いた以外は実施例1と同様にしてシ−トBを
得た。シ−トBについて、各成分の含有率を表1に示し
た。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1
をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわせて示した。
【0021】実施例3 実施例1において、手抄を3回行い、得られた紙層を湿
潤状態にて重ね合わせた以外は実施例1と同様にしてシ
−トCを得た。シ−トCについて、各成分の含有率を表
1に示した。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の
慣通性1をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわせて
示した。
【0022】実施例4 実施例2において、手抄を3回行い、得られた紙層を湿
潤状態で重ね合わせた以外は実施例2と同様にしてシ−
トDを得た。シ−トDについて、各成分の含有率を表1
に示した。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の慣
通性1をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわせて示
した。
【0023】実施例5 新聞古紙と機械パルプを離解機にて混合離解して得た重
量比で新聞古紙:機械パルプ=60:40のセルロ−ス繊維
分散液の所定量を取り、これに吸水前の平均粒子径が 6
80μm のデンプン・アクリル酸グラフト重合体系高吸水
性樹脂(以下高吸水性樹脂γという)を添加し撹拌機に
て十分に分散混合した後、角型手抄機にて手抄を行いシ
−トEを得た。シ−トEについて、各成分の含有率を表
1に示した。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の
慣通性1をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわせて
示した。
【0024】実施例6 実施例5において、セルロ−ス繊維分散液中の新聞古紙
と機械パルプの割合を新聞古紙:機械パルプ=20:80と
し、高吸水性樹脂γに代えて高吸水性樹脂βを用い、か
つ手抄を2回行い得られた紙層を湿潤状態で重ね合わせ
た以外は実施例5と同様にしてシ−トFを得た。シ−ト
Fについて、各成分の含有率を表1に示した。また吸水
前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1をそれぞれ測
定し、その結果を表1にあわせて示した。
【0025】実施例7 新聞古紙とロックウ−ル繊維(繊維長 7mmである。以下
同じ)を離解機にて混合離解して得た重量比で新聞古
紙:ロックウ−ル=10:90のセルロ−ス繊維と無機繊維
の混合分散液の所定量を取り、これに吸水前の平均粒子
径が 120μm のポリアクリル酸塩系高吸水性樹脂(以下
高吸水性樹脂δという)を添加し、撹拌機にて十分に分
散混合した後、角型手抄機にて手抄を行いシ−トGを得
た。シ−トGについて、各成分の含有率を表1に示し
た。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1
をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわせて示した。
【0026】実施例8 新聞古紙と機械パルプとロックウ−ル繊維を離解機にて
混合離解して得た重量比で新聞古紙:機械パルプ:ロッ
クウ−ル繊維=10:30:60のセルロ−ス繊維と無機繊維
の混合分散液の所定量を取り、これに高吸水性樹脂βを
添加し撹拌機にて十分に分散混合した後、角型手抄機に
て手抄を2回行い、得られた紙層を湿潤状態にて重ね合
わせてシ−トHを得た。シ−トHについて、各成分の含
有率を表1に示した。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ
及び根の慣通性1をそれぞれ測定し、その結果を表1に
あわせて示した。
【0027】実施例9 実施例8において、セルロ−ス繊維と無機繊維の混合分
散液中の新聞古紙と機械パルプとロックウ−ル繊維の割
合が重量比で新聞古紙:機械パルプ:ロックウ−ル繊維
=30:50:20とした以外は実施例8と同様にしてシ−ト
Iを得た。シ−トIについて、各成分の含有率を表1に
示した。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の慣通
性1をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわせて示し
た。
【0028】実施例10 実施例7において、ロックウ−ル繊維に代えてガラス繊
維(繊維長 5mmである。以下同じ)を用い、高吸水性樹
脂γを用いた以外は実施例7と同様にしてシ−トJを得
た。シ−トJについて、各成分の含有率を表1に示し
た。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1
をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわせて示した。
【0029】比較例1 実施例1において、高吸水性樹脂を添加しない以外は実
施例1と同様にしてシ−トKを得た。シ−トKについ
て、各成分の含有率を表1に示した。また吸水前の厚
さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1をそれぞれ測定し、
その結果を表1にあわせて示した。
【0030】比較例2 実施例6において、高吸水性樹脂を添加しない以外は実
施例6と同様にしてシ−トLを得た。シ−トLについ
て、各成分の含有率を表1に示した。また吸水前の厚
さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1をそれぞれ測定し、
その結果を表1にあわせて示した。
【0031】比較例3 実施例1において、高吸水性樹脂の添加量を少なくし本
発明で特定した範囲外とした以外は実施例1と同様にし
てシ−トMを得た。シ−トMについて、各成分の含有率
を表1に示した。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ及び
根の慣通性1をそれぞれ測定し、その結果を表1にあわ
せて示した。
【0032】比較例4 実施例1において、高吸水性樹脂の添加量を多くし本発
明で特定した範囲外とした以外は実施例1と同様にして
手抄を行ったところ、高吸水性樹脂の過多により湿潤状
態での紙層の保形性が乏しく圧搾、乾燥することができ
ずシ−トを得ることができなっかった。
【0033】比較例5 実施の例6において、吸水前の平均粒子径が40μm のポ
リアクリル酸塩系高吸水性樹脂を用いた以外は実施例6
と同様にしてシ−トNを得た。シ−トNについて、各成
分の含有率を表1に示した。また吸水前の厚さ、吸水後
の厚さ及び根の慣通性1をそれぞれ測定し、その結果を
表1にあわせて示した。
【0034】比較例6 実施例9において、吸水前の平均粒子径が60μm のアク
リル酸ビニルアルコ−ル共重合体系高吸水性樹脂を用い
た以外は実施例9と同様にしてシ−トOを得た。シ−ト
Oについて、各成分の含有率を表1に示した。また吸水
前の厚さ、吸水後の厚さ及び根の慣通性1をそれぞれ測
定し、その結果を表1にあわせて示した。
【0035】比較例7 実施例3において、高吸水性樹脂αをセルロ−ス繊維分
散液に添加しないで、湿潤状態の紙層と紙層の間に散布
した後、3枚の紙層を湿潤状態で重ね合わせた以外は実
施例3と同様にしてシ−トPを得た。シ−トPについ
て、各成分の含有率及び吸水前の厚さを表1に示した。
シ−トPをpH 4.5〜5 に調整した水道水中に浸漬した
ところ高吸水性樹脂の吸水膨張にともない3枚の紙層が
バラバラにはく離してしまい所望の目的を達することが
できなっかた。
【0036】
【表1】
【0037】実施例11 新聞古紙をパルパ−にて離解し、ストックインレット中
にて高吸水性樹脂を添加し撹拌機で十分に混合しながら
長網抄造網上に供給しワインドアップロ−ルにて所定厚
さになるまで巻き付けた後、切断し圧搾、乾燥し、シ−
トQを得た。シ−トQについて、各成分の含有率を表2
に示した。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ、根の慣通
性2、乳苗時のマットの保形性、稚苗時のマットの保形
性、及び田植適正をそれぞれ測定し、その結果を表2に
あわせて示した。
【0038】実施例12 実施例11において、重量比で新聞古紙:機械プルプ=
60:40の配合でパルパ−にて新聞古紙と機械パルプを混
合離解しストックインレット直前の原料移送配管内に高
吸水性樹脂αを水とともに圧入した以外は実施例11と
同様にしてシ−トRを得た。シ−トRについて、各成分
の含有率を表2に示した。また吸水前の厚さ、吸水後の
厚さ、根の慣通性2、乳苗時のマットの保形性、稚苗時
のマットの保形性、及び田植適正をそれぞれ測定し、そ
の結果を表2にあわせて示した。
【0039】実施例13 実施例12で新聞古紙:機械パルプ=30:70高吸水性樹
脂αに代えて高吸水性樹脂βを用いた以外は実施例12
と同様にしてシ−トSを得た。シ−トSについて、各成
分の含有率を表2にしめした。また吸水前の厚さ、吸水
後の厚さ、根の慣通性2、乳苗時のマットの保形性、稚
苗時のマットの保形性、及び田植適正をそれぞれ測定
し、その結果を表2にあわせて示した。
【0040】実施例14 実施例11において、重量比で新聞古紙:機械パルプ:
ロックウ−ル繊維=10:30:60の配合でパルパ−にて新
聞古紙と機械パルプとロックウ−ル繊維を混合離解し、
原料チェスト内にて高吸水性樹脂βを添加し十分に撹拌
混合した以外は実施例11と同様にしてシ−トTを得
た。シ−トTについて、各成分の含有率を表2に示し
た。また吸水前の厚さ、吸水後の厚さ、根の慣通性2、
乳苗時のマットの保形性、稚苗時のマットの保形性、及
び田植適正をそれぞれ測定し、その結果を表2にあわせ
て示した。
【0041】実施例15 実施例14において、重量比で新聞古紙:機械パルプ:
ガラス繊維=30:30:40の配合でパルパ−にて新聞古紙
と機械パルプとガラス繊維を混合離解した以外は実施例
14と同様にしてシ−トUを得た。シ−トUについて、
各成分の含有率を表2に示した。また吸水前の厚さ、吸
水後の厚さ、根の慣通性2、乳苗時のマットの保形性、
稚苗時のマットの保形性、及び田植適正をそれぞれ測定
し、その結果を表2にあわせて示した。
【0042】比較例8 通常の培土を用いた場合の吸水前厚さ、十分に散水した
後の厚さ、根の慣通性2、乳苗時のマットの保形性、稚
苗時のマットの保形性及び田植適性をそれぞれ測定し、
表2に示した。
【0043】比較例9 市販の無機繊維系合成培地マットを用いた場合の吸水前
厚さ、吸水後厚さ、根の慣通性2、乳苗時のマットの保
形性、稚苗時のマットの保形性及び田植適性を測定し表
2に示した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明の植物育生用シ−トは上記、実施
例 1〜15、比較例 1〜8 、表1〜表2からわかるように
セルロ−ス繊維/高吸水性樹脂を構成成分とするか、あ
るいはセルロ−ス繊維/無機繊維/高吸水性樹脂を構成
成分とし、かつ該高吸水性樹脂が吸水時に吸水膨張して
繊維間結合を破断または弛緩せしめる如く該高吸水性樹
脂を繊維間隙に散在せしめた結果、植物育生適性に優れ
育苗等の作業適性にも優れた植物育生用シ−トを得るこ
とことができた。特に通常の培土あるいは無機繊維マッ
ト等では難点のある乳苗時のマット保形性に優れてい
る。また流通時のシ−トの体積は通常の培土あるいは既
存の合成培地マットの 1/2〜 1/10数以下であるので
体積がかさばらず輸送、保管にきわめて有利である。さ
らにセルロ−ス繊維の一部あるいは全部を機械パルプの
ごとき化学処理を受けていないものを使用することによ
り一層優れた根の慣通適性すなわち植物育生適性を得る
ことができる。
【0046】本発明の植物育生用シ−トはセルロ−ス繊
維/高吸水性樹脂を含有するという構成で吸水時に十分
な厚さ膨張性を有し優れた植物育生適性を具備するが、
セルロ−ス繊維として化学処理を受けたセルロ−ス繊維
たとえば化学パルプ等を用いた場合、一般に強い繊維間
結合を生じやすく、シ−ト全体としては十分な吸水膨張
性を有するにもかかわらず局所的に繊維間結合が強すぎ
根の慣通しにくい部分が発生することがあり、局所的に
根上りを生じる可能性を残すことになるので、前記した
局所的な強固な繊維間結合の発生を押えるために、本発
明はセルロ−ス繊維/無機繊維/高吸水性樹脂を含有す
るという構成にすることで局所的な強固な繊維間結合の
発生を押え、より優れた根の慣通性すなわち植物育生適
性を得ることができる。さらにまた本発明の植物育生用
シ−トの製造法によれば繊維素系マットあるいは無機繊
維マットのごとき従来の合成培地マットの製造において
避けられなっかった熱成形や切断・組直しなどの工程が
不要になりきわめて合理的かつ簡便に植物育生用シ−ト
を製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロ−ス繊維と高吸水性樹脂を含有
    し、該高吸水性樹脂が吸水時に吸水膨張して繊維間結合
    を破断または弛緩せしめる如く該高吸水性樹脂を繊維間
    隙に散在せしめたことを特徴とする植物育生用シ−ト。
  2. 【請求項2】 セルロ−ス繊維と無機繊維と高吸水性樹
    脂を含有し、該無機繊維がセルロ−ス繊維と無機繊維の
    合計重量に占める割合が10〜95重量部で、かつ前記高吸
    水性樹脂が吸水時に吸水膨張して繊維間結合を破断また
    は弛緩せしめる如く該高吸水性樹脂を繊維間隙に散在せ
    しめたことを特徴とする植物育生用シ−ト。
  3. 【請求項3】 高吸水性樹脂の吸水前の粒径が 100μm
    以上である請求項1または2記載の植物育生用シ−ト。
  4. 【請求項4】 高吸水性樹脂の含有量が請求項1のセル
    ロ−ス繊維に対し、または請求項2のセルロ−ス繊維と
    無機繊維の合計重量に対し0.5 〜20重量部であることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の植物育生用シ−
    ト。
  5. 【請求項5】 セルロ−ス繊維の一部または全部が化学
    処理を受けていないものであることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載の植物育生用シ−ト。
  6. 【請求項6】 セルロ−ス繊維と、吸水前の粒径が 100
    μm 以上の高吸水性樹脂とを含有せしめ、該高吸水性樹
    脂の含有量がセルロ−ス繊維に対し0.5 〜20重量部であ
    るスラリ−を調成し、該スラリ−を抄紙して植物育生用
    シ−トを得ることを特徴とする植物育生用シ−トの製造
    法。
  7. 【請求項7】 セルロ−ス繊維と、無機繊維と、吸水前
    の粒径が 100μm 以上の高吸水性樹脂とを含有せしめ、
    無機繊維がセルロ−ス繊維と無機繊維の合計重量に占め
    る割合が10〜95重量部で、かつ該高吸水性樹脂の含有量
    がセルロ−ス繊維と無機繊維の合計重量に対し0.5 〜20
    重量部であるスラリ−を調成し、該スラリ−を抄紙して
    植物育生用シ−トを得ることを特徴とする植物育生用シ
    −トの製造法。
  8. 【請求項8】 セルロ−ス繊維の一部または全部が化学
    処理を受けていないものを使用したことを特徴とする請
    求項6または7記載の植物育生用シ−トの製造法。
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