JPH06219960A - 生理活性ポリペプチド含有組成物の製造法 - Google Patents

生理活性ポリペプチド含有組成物の製造法

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JPH06219960A
JPH06219960A JP5010018A JP1001893A JPH06219960A JP H06219960 A JPH06219960 A JP H06219960A JP 5010018 A JP5010018 A JP 5010018A JP 1001893 A JP1001893 A JP 1001893A JP H06219960 A JPH06219960 A JP H06219960A
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fatty acid
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polypeptide
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JP5010018A
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Yutaka Yamagake
豊 山懸
Katsumi Iga
勝美 伊賀
Tairyo Ogawa
泰亮 小川
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生理活性ポリペプチドの安定な持続放出が得ら
れる非経口投与用医薬組成物の製造法を提供する。 【構成】分子量2,000ダルトン以上の生理活性ポリ
ペプチドを含むポリグリセリン脂肪酸エステルの水分散
液から水を除去し、固形物を成型する非経口投与用組成
物の製造法。 【効果】製造時にポリペプチドの変性を受けることな
く、投与時に初期の過大な放出のない安定な持続放出す
る非経口投与用医薬組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生理活性ポリペプチドを
ポリグリセリン脂肪酸エステルの常温で固形状のマトリ
クス中に均一に分散せしめ、生体内に投与されたとき該
生理活性ポリペプチドが持続放出するのに適した非経口
投与用組成物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、治療用薬物の投与には経口による
投与方法が、広く用いられてきた。しかし、生理活性ポ
リペプチドの場合、消化酵素によってペプチドが加水分
解を受けたり、消化管からの吸収率が悪い、といった問
題があるため、そのような投与形態をとることが一般に
困難である。生理活性ポリペプチド治療薬の投与に最も
普通に用いられる方法は、筋肉内、皮下に反復して注射
するか、または静脈内に点滴注入する方法である。これ
らの方法は、ごく限られた回数の注射で治療目的を達す
る状況の場合は容認しえるが、慢性患者に投与する場合
においては肉体的負担と時間的拘束を長期間与えること
になり好ましくない。特にC型肝炎の治療に用いられる
インターフェロン−αは連日投与を4週間以上継続する
治療が行われる(医学の歩み、第161巻第5号359
−363頁(1992年)参照)が、その期間中患者は
大きな拘束を余儀なくされる。
【0003】従って生理活性ポリペプチドの有効かつ経
済的な投与システムの開発が望まれる。この問題を解決
する手段として特開昭第63−2930号には、ポリラ
クチドにポリペプチドを分散させたシステムが開示され
ている。また、リポソームを用いた製剤(特公昭63−
502117号、特開平4−234820号)、および
生理活性ポリペプチド含有リポソームをゲルに分散させ
た製剤(特公平3−502574号)も報告されてい
る。しかし、これらの製剤を用いた場合に血液中に検出
される薬物濃度推移は薬物によって投与初期に予想外に
大きな放出があったり、放出速度が一定でないといった
問題を含んでいる。またそれらは製造過程で有機溶媒を
用いるためポリペプチドの変性が生じるといった問題も
含んでいる。これらとは別の方法として、生理活性ポリ
ペプチドと脂質またはロウのマトリクスによりポリペプ
チドの徐放をコントロールしようとする系(特開平4−
221319号)があるが、これらは基剤の脂溶性が高
いため、限られた種類のポリペプチド(水溶性)の徐放
するためにしか有効でない。またそれらの基剤は親水性
・疎水性バランス(HLB)の選択幅が狭いため(低い
HLBしかない)、ポリペプチドの放出コントロールに
限界がある。
【0004】一方、アテロコラーゲン・マトリクスに生
理活性ポリペプチドを分散し徐放する系が特開昭63−
2930号に開示されている。しかし、基剤として用い
るアテロコラーゲンが異種動物のものであるため、抗原
性を示すという懸念がある。生理活性ポリペプチドを非
経口投与して徐放化する製剤としては、水に不溶性のマ
トリクス中にポリペプチドを分散し圧縮成形した系が開
示されている(昭63−22012号)。ここではマト
リクスが生体内で侵食されることによって生理活性ポリ
ペプチドの放出をコントロールしているため、ポリペプ
チドの酵素分解が生じ、生物学的利用度が低いという問
題点がある。生理活性ポリペプチドとポリグリセリン脂
肪酸エステルの組成物の例が特開昭61−85328号
に開示されているが、この発明ではポリグリセリン脂肪
酸エステルは製剤中で水に分散された形で存在してお
り、固形状マトリクスは形成されていない。また本製剤
においてはポリグリセリン脂肪酸エステルは皮膚からの
生理活性ポリペプチドの吸収を促進するため利用されて
おり、薬物を持続放出する目的はかなえられていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、生理活性ポリペ
プチドは熱を加えると変性するものが多く、製剤化にあ
たっては注意すべき点である。従って、ポリグリセリン
脂肪酸エステルと薬物の混合マトリクスを得る場合に
も、いかにこの変性を防ぐかが重要な課題である。上記
状況に鑑み、本発明においては生理活性ポリペプチドを
投与初期における大きな放出を抑え、その高次構造を保
持したまま血液中に一定に徐放するための非経口組成物
の開発およびその製造法の確立をしようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)分子量
2,000ダルトン以上の生理活性ポリペプチドを含む
ポリグリセリン脂肪酸エステルの水分散液から水を除去
し、固形物を成型することを特徴とする非経口投与用組
成物の製造法,(2)生理活性ポリペプチドが免疫調整
因子、リンホカイン、モノカイン、サイトカイン、成長
促進因子、成長抑制因子、ホルモン、ワクチンまたは血
液凝固因子である(1)記載の製造法,(3)生理活性
ポリペプチドがインターフェロンである(1)記載の製
造法,(4)ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリ
ン重合度が2〜30である(1)記載の製造法,(5)
ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸が炭素数8〜4
0の飽和もしくは不飽和高級脂肪酸である(1)記載の
製造法,(6)粉末状無晶物である(1)記載の製造
法,(7)移植用ペレットに成型された(1)記載の製
造法,(8)注射投与用円柱状固形物に成型された
(1)記載の製造法,および(9)注射投与用微粒子に
成型された(1)記載の製造法に関する。
【0007】本発明における生理活性ポリペプチドとし
ては分子量2,000ダルトン以上のものが好ましく、
さらに好ましくは5,000〜1,000,000ダルト
ン、最も好ましくは10,000〜500,000ダルト
ンの範囲の生化学の分野で高次構造を持つといわれるタ
ンパク質に分類される分子である。一般に、生理活性ポ
リペプチド、とりわけタンパク質は、酵素、核タンパク
質、糖タンパク質、リポタンパク質、ホルモン様活性ポ
リペプチド、およびこれらの分子のアゴニスト及び拮抗
物質を含む合成類似体等に例示的に類別できる。本発明
の使用に適した生理活性ポリペプチドを以下に例示する
が、これらに限定されるものではない。本発明に適する
ポリペプチドは、例えば、免疫調節因子、リンホカイン
類、モノカイン類、サイトカイン類、酵素類、抗体、成
長促進因子、成長抑制因子、ホルモン類、ワクチン(ウ
イルス、細菌、寄生虫類、リケッチャ類の抗原を含
む)、血液凝固因子等、および種々の前駆タンパク質、
突然変異タンパク質、その他の類似体等が挙げられる。
【0008】さらに具体的な生理活性ポリペプチドの例
としては、以下に示すような生物活性を有する高分子お
よび突然変異タンパク質およびそれらの類似体があげら
れる。すなわち、インターフェロン類(α−、β−、γ
−等)、インターロイキン類(IL−1、IL−2、I
L−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、I
L−8、IL−9、IL−10、IL−11)、アレル
ギー抑制性因子、サプレッサー因子、細胞障害性糖タン
パク質、免疫細胞障害因子、免疫毒素類、リンホトキシ
ン類、腫瘍壊死因子(TNF−α、−β等)、カケクチ
ン、オンコスタチン類、形質転換増殖因子(TGF−
α、−β)、あるいは造血因子、例えばエリスロポイエ
チン、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球
−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、
マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、マク
ロファージペプチド類、B細胞因子(B細胞増殖因子
等)、T細胞因子類、等が挙げられる。また、該ポリペ
プチドとしては天然由来あるいは遺伝子組換えにより製
造された成長因子類、例えば神経成長因子(NGF)、
神経栄養因子(NTF)、脳神経細胞に作用を持つポリ
ペプチド類、上皮細胞成長因子(EGF)、インスリン
様成長因子(IGF)、成長ホルモン(GH)、繊維芽
細胞増殖因子(FGF)、血小板由来成長因子(EDG
F)、骨形成原成長因子、心房性ナトリウム利尿因子
(ANP)、軟骨誘導因子等が挙げられる。また、該ポ
リペプチドとしては、副甲状腺ホルモン(PTH)、エ
ンドセリン等が挙げられる。また、該ポリペプチドとし
ては糖鎖を有するもの、糖鎖構造の異なる活性を持つこ
れらの因子、または糖鎖を含まないこれらの因子、また
はこれらの突然変異体、またはこれらの誘導体、類縁
体、またはこれらの活性フラグメント等が挙げられる。
【0009】また、該ポリペプチドが酵素作用を持つも
の、例えば、第VIII因子、第IX因子、フィブリン溶解因
子、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ウロ
キナーゼ、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、リ
ポコルチン、リボモジュリン、マクロコルチン、肺表面
活性化タンパク質、プロテインC、C反応性タンパク
質、レニン阻害剤、メタロプロテアーゼ類、組織メタロ
プロテアーゼ抑制因子(TIMP)、スーパーオキシド
ジスムターゼ(SOD)等が挙げられる。また、該ポリ
ペプチドがホルモン様作用を持つものとして、例えば、
インスリン、セクレチン、成長ホルモン放出因子(GR
F)、グルカゴン、ガストリン、プロラクチン、副腎皮
質刺激ホルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(T
SH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン
(FSHG)、コレシストキニン、ヒト絨毛性ゴナドト
ロピン(HGC)、ロイコキニン、サイモシン、モチリ
ン、カリクレインまたはこれらの突然変異体、誘導体、
類縁体、活性フラグメント等が挙げられる。
【0010】さらに、該ポリペプチドがワクチン抗原と
して作用するものとして、例えば、HTLV−I、−I
I、エイズ・ウイルス群(HTLV−III/LAV/HI
VおよびHIV−2等)、サイトメガロウイルス、肝炎
A型、B型、ノン−A/ノン−B型ウイルス、単純ヘル
ペス−Iウイルス、単純ヘルペス−IIウイルス、マラリ
ア、仮性狂犬病レトロウイルス、伝染性胃腸炎ウイル
ス、パラインフルエンザ、インフルエンザ、ロタウイル
ス群、レスピレートリー・シンシシアルウイルス、水痘
・帯状ヘルペスウイルス、エプスタイン・バールウイル
ス、百日咳等の抗原、およびグラム陰性細菌、シュード
モナス、内毒素、破傷風毒素等が挙げられる。該ポリペ
プチドは単独あるいはパプテンに結合、あるいはアジヴ
ァントとともに投与されてもよい。該ポリペプチドは天
然由来あるいは遺伝子組換えにより製造されたものでも
よく、糖鎖が有ってもなくてもよく、また糖鎖構造の異
なるものでもよく、またこれらの突然変異タンパク質、
または誘導体、または活性フラグメントでもよい。
【0011】本発明において、生理活性ポリペプチドは
単独に用いられてもよいが、その活性を賦活する物質お
よび/またはその物質と相加または相乗的効果を有する
他の成分(例えば、ポリペプチドがインターフェロン−
αの場合には、インターロイキン類、レンチナン、新強
力ミノファーゲン等)の1種類以上との組合せであって
もよい。生理活性ポリペプチドの好ましい添加量は、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルの重量に対し0.0001
〜20重量%であり、さらに好ましくは0.001〜1
0重量%である。
【0012】本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エス
テルとはポリグリセリンと脂肪のエステルであり、モノ
エステル、ジエステルまたはポリエステルのいずれであ
ってもよい。ここでいうポリグリセリンとは、「1分子
中にn個(環状の場合)の〜n+2個(直鎖・分枝状の
場合)の水酸基と、n−1個の(直鎖・分枝状)のエー
テル結合を有する多価アルコール」(“ポリグリセリン
エステル”坂本薬品工業株式会社編集、発行(1986
年5月2日)第12頁)である。ポリグリセリンの好ま
しい重合度は2〜30、さらに好ましくは2〜20、最
も好ましくは2〜10である。このようなポリグリセリ
ンの具体例としては、例えば、ジグリセリン、トリグリ
セリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサ
グリセリン、ヘプタグリセリン、オクタグリセリン、ノ
ナグリセリン、デカグリセリン、ペンタデカグリセリ
ン、エイコサグリセリン、トリラグリセリン、トリアコ
ンタグリセリンなどが挙げられる。また、脂肪酸には例
えば、炭素数8〜40、好ましくは12〜22の飽和ま
たは不飽和高級脂肪酸が含まれる。このような脂肪酸と
しては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレイン酸、ミリスチン酸、ラウ
リン酸、リシノール酸、カプリル酸、カプリン酸、ベヘ
ニン酸などが挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステ
ルの具体例としては、例えば、カプリル酸モノ(デカ)
グリセリド、カプリル酸ジ(トリ)グリセリド、カプリ
ン酸ジ(トリ)グリセリド、ラウリン酸モノ(テトラ)
グリセリド、ラウリン酸モノ(ヘキサ)グリセリド、ラ
ウリン酸モノ(デカ)グリセリド、オレイン酸モノ(テ
トラ)グリセリド、オレイン酸モノ(ヘキサ)グリセリ
ド、オレイン酸モノ(デカ)グリセリド、オレイン酸ジ
(トリ)グリセリド、オレイン酸ジ(テトラ)グリセリ
ド、オレイン酸セスキ(デカ)グリセリド、オレイン酸
ペンタ(テトラ)グリセリド、オレイン酸ペンタ(ヘキ
サ)グリセリド、オレイン酸デカ(デカ)グリセリド、
リノール酸モノ(ヘプタ)グリセリド、リノール酸ジ
(トリ)グリセリド、リノール酸ジ(テトラ)グリセリ
ド、リノール酸ジ(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸
モノ(ジ)グリセリド、ステアリン酸モノ(トリ)グリ
セリド、ステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド、ステ
アリン酸モノ(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸モノ
(デカ)グリセリド、ステアリン酸ジ(ジ)グリセリ
ド、ステアリン酸トリ(テトラ)グリセリド、ステアリ
ン酸トリ(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸セスキ
(ヘキサ)グリセリド、ステアリン酸ペンタ(テトラ)
グリセリド、ステアリン酸ペンタ(ヘキサ)グリセリ
ド、ステアリン酸デカ(デカ)グリセリド、パルミチン
酸モノ(ジ)グリセリド、パルミチン酸モノ(テトラ)
グリセリド、パルミチン酸モノ(ヘキサ)グリセリド、
パルミチン酸モノ(デカ)グリセリド、パルミチン酸ジ
(ジ)グリセリド、パルミチン酸トリ(テトラ)グリセ
リド、パルミチン酸トリ(ヘキサ)グリセリド、パルミ
チン酸セスキ(ヘキサ)グリセリド、パルミチン酸ペン
タ(テトラ)グリセリド、パルミチン酸ペンタ(ヘキ
サ)グリセリド、パルミチン酸デカ(デカ)グリセリド
などが挙げられる。
【0013】好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルと
しては、例えば、ステアリン酸モノ(ジ)グリセリド、
(例えば、理研ビタミン(株)製、商品名J−2081な
ど)、ステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド、(例え
ば、坂本薬品工業(株)製、商品名MS−310など)な
どが挙げられる。種々のポリグリセリン脂肪酸エステル
の中から適宜のものを選択することで生理活性ポリペプ
チドの血液中への放出を制御することが可能である。す
なわち、ポリグリセリン脂肪酸エステルは広い親水性・
親油性バランス(HLB)の種類を持っているのでポリ
ペプチドの放出を自由にコントロールすることが可能で
ある。該ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましいHL
Bの範囲は1〜20、さらに好ましくは2〜15、最も
好ましくは5〜13である。ポリグリセリン脂肪酸エス
テルはその中の1種類に限らず、複数種のものを組み合
わせて用いてもよい。
【0014】生理活性ポリペプチドの血液中の持続時間
としては、それが単独で皮下もしくは筋肉中に投与され
たときよりも長くなることが当然望まれるが、具体的に
は本発明においては24時間以上、さらに好ましくは3
日以上、最も好ましくは7日以上持続し得る組成物が調
製される。本発明の組成物の製造においては、安定化剤
および保存剤を加えてもよい。これらの安定化剤として
は、例えばゼラチン、アルブミン、グロブミン、プロタ
ミン、トレハロース、D−グルコース、デキストラン等
があり、保存剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エ
ステル類(例、メチルパラペン、プロピルパラペンな
ど)、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチロ
サールなどが挙げられる。
【0015】本発明の非経口投与用組成物の製造は、例
えば溶媒にポリグリセリン脂肪酸エステルを加え、超音
波を照射して溶媒中に分散させる。次に生理活性ポリペ
プチドを添加し、撹拌下に均一に溶解させる。該混合溶
液から溶媒を除去して粉末を得るが、通常溶媒の除去は
凍結乾燥によりなされる。乾燥粉末を圧縮成型し、注射
投与用粒子や移植用ペレットとする。またこれら成型物
を、ジエットミルなどで処理し、注射用微粒子とするこ
ともできる。超音波による分散は、ポリグリセリン脂肪
酸エステルに対して1〜100倍量(W/W)、好まし
くは5〜30倍量(W/W)の溶媒を用いて、10℃〜
80℃、好ましくは30〜60℃で10分〜60分間行
う。溶媒としては水、メタノール,エタノール、アセト
ニトリル,アセトンが挙げられるが、蒸留水を用いるの
が好ましく、上記の有機溶媒との混合液でもよい。
【0016】本発明の組成物の投与法としては、移植ま
たは注射による投与が行われるが、特に皮下注射による
投与が好ましく、用途によっては他の注射ルート、例え
ば筋肉内投与、関節腔内投与、眼内投与、さらには組織
内投与も行われる。本発明の組成物の投与量、投与対
象、投与対象疾患などは、主薬である生理活性ポリペプ
チドのそれらを基準に定められるが、好ましくは0.0
01〜10000mg、さらに好ましくは0.001〜1
000mg、最も好ましくは、0.01〜10mgである。
本発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エステルは食品添
加用乳化剤であり、これらの生体内での安全性はすでに
詳しく調べられている。さらに、本発明で得られる組成
物は薬物が分子レベルで非常に高度にポリグリセリン脂
肪酸エステルマトリックス中で分散している。従って以
下の特徴を有する。 ・生理活性ポリペプチドの高次構造を変性させることな
く持続放出が可能 ・血液中への生理活性ポリペプチドの放出パターンは初
期の過大な放出がない ・生理活性ポリペプチドの1週間以上の持続が可能 ・ポリグリセリン脂肪酸エステルは最終的に生体内に吸
収され抗原性を示さない等の優れた特徴を持っている。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はかかる実施
例に限定されるものではない。 実施例1 蒸留水2ml中にステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド
(商品名グリスターMS−310、坂本薬品工業
(株):HLB=8.4)を添加し50℃で30分間超
音波照射することで水中に分散させた。次にインターフ
ェロン−α凍乾末を0.5mg加えボルテックスミキサー
にて混合した後、スピードバックコンセントレータTM
(サバン社製)を用いて乾燥させた。得られた乾燥粉末
60mgを圧縮成形して、移植用ペレットとした。
【0018】実施例2 蒸留水2mlにステアリン酸モノ(デカ)グリセリド(H
LB=13)を300mg添加し40℃で20分間超音波
照射することで水中に分散させた。次にインターフェロ
ン−α凍乾末を0.5mg加えボルテックスミキサーにて
混合した後、凍結乾燥した。得られた乾燥粉末60mgを
圧縮成形して、移植用ペレットとした。
【0019】実施例3 蒸留水2ml中にステアリン酸テトラ(テトラ)グリセリ
ド(商品名グリスターTS−310、坂本薬品工業
(株):HLB=5)を300mg添加し50℃で30分
間超音波照射することで水中に分散させた。次にインタ
ーフェロン−α凍乾末を0.5mg加えボルテックスミキ
サーにて混合した後、スピードバックコンセントレータ
TM(サバン社製)を用いて乾燥させた。得られた乾燥
粉末60mgを圧縮成形して、移植用ペレットとした。
【0020】実施例4 蒸留水2ml中にステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド
(商品名グリスターMS−310、坂本薬品工業
(株):HLB=8.4)を添加し50℃で30分間超
音波照射することで水中に分散させた。次に上記混合溶
液を4℃に冷却した後、顆粒球コロニー刺激因子(アム
ジェン)150μg を加えボルテックスミキサーにて混
合した後、スピードバックコンセントレータTM(サバ
ン社製)を用いて乾燥させた。得られた乾燥粉末60mg
を圧縮成形して、移植用ペレットとした。
【0021】実施例5 蒸留水2ml中にステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド
(商品名グリスターMS−310、坂本薬品工業
(株):HLB=8.4)を添加し50℃で30分間超
音波照射することで水中に分散させた。次にインスリン
(和光純薬(株))1mgを加えボルテックスミキサーに
て混合した後、スピードバックコンセントレータTM
(サバン社製)を用いて乾燥させた。得られた乾燥粉末
60mgを圧縮成形して、移植用ペレットとした。
【0022】実施例6 蒸留水2ml中にステアリン酸モノ(テトラ)グリセリド
(商品名グリスターMS−310、坂本薬品工業
(株):HLB=8.4)を添加し50℃で30分間超
音波照射することで水中に分散させた。次にエリスロポ
エチン(三共製薬(株))1000単位(約10μg に
相当)を加えボルテックスミキサーにて混合した後、ス
ピードバックコンセントレータTM(サバン社製)を用
いて乾燥させた。得られた乾燥粉末60mgを圧縮成形し
て、移植用ペレットとした。
【0023】実験例1 日本クレアーより購入した雄性SDラット(6週齢)の
背部皮下に実施例1、2および3で得た移植用ペレット
60mg(インターフェロン−αを2×107国際単位
(IU)含む)をエーテル麻酔下にて移植した。移植後
経時的に尾静脈より0.6mlの血液を採取し、これより
血清サンプルを得た。各血清中のインターフェロン−α
濃度を2種類の抗インターフェロン−α抗体を用いたサ
ンドイッチELISAにて測定した。標準インターフェ
ロン−αの単位としてキャンフェロンTM(武田薬品工
業(株))を用いた。〔図1〕に各時間における血清中
インターフェロン−αの平均とスタンダードエラーを示
す(各サンプルには各々3匹のラットを用いた)。この
結果、いずれのペレットとも皮下投与後、速やかに血清
中にインターフェロン−αが放出され、その後各サンプ
ルに特徴的な安定した血清中濃度を維持することがわか
った。これらの薬物放出パターンはいずれも、参考に表
示した同投与量のインターフェロン−α溶液(2×10
7IU)の血清中濃度変化に比べ延長していることが認
められた〔図1〕。実施例1のペレットは7日間、実施
例2のペレットは3日間、実施例3のペレットは3日間
にわたりインターフェロン−αを持続放出した。これら
の放出パターンにおいて、いずれも初期におけるポリペ
プチドの大きな放出がまったくないことが本発明の最も
注目すべき点である。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法で製造された非経口投与用
組成物はポリペプチドの生理活性を失うことなく、投与
後は安定に持続放出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実験例1の結果を示すグラフである。実施例
1のペレット(○)、実施例2のペレット(●)、実施
例3のペレット(△)、対照としてのインターフェロン
−α水溶液(×)投与後、血清中のインターフェロン−
αの濃度変化を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/44 E 7433−4C

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量2,000ダルトン以上の生理活性
    ポリペプチドを含むポリグリセリン脂肪酸エステルの水
    分散液から水を除去し、固形物を成型することを特徴と
    する非経口投与用組成物の製造法。
  2. 【請求項2】生理活性ポリペプチドが免疫調整因子、リ
    ンホカイン、モノカイン、サイトカイン、成長促進因
    子、成長抑制因子、ホルモン、ワクチンまたは血液凝固
    因子である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】生理活性ポリペプチドがインターフェロン
    である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】ポリグリセリン脂肪酸エステルのグリセリ
    ン重合度が2〜30である請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸が
    炭素数8〜40の飽和もしくは不飽和高級脂肪酸である
    請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】粉末状無晶物である請求項1記載の製造
    法。
  7. 【請求項7】移植用ペレットに成型された請求項1記載
    の製造法。
  8. 【請求項8】注射投与用円柱状固形物に成型された請求
    項1記載の製造法。
  9. 【請求項9】注射投与用微粒子に成型された請求項1記
    載の製造法。
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