JPH06220524A - 高温鋼材搬送用ロール - Google Patents
高温鋼材搬送用ロールInfo
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Abstract
の密着性を向上させることができると共に、一層良好な
断熱性を有する高温鋼材搬送用ロールを開発すること。 【構成】 ロール基材の外周に粗化面を設け、このロー
ル粗化面上には、基材側に形成された耐熱合金溶射層と
その上層に形成されたジルコニア溶射層とからなる二層
下地溶射被覆層を設け、そしてこの下地溶射被覆層上に
は被削性を有するサーメット溶射被覆層を設けてなる高
温鋼材搬送用ロール。
Description
に関し、特に、高い温度での処理が必要とされるステン
レス鋼板用熱処理炉内に設置されるロールに、耐熱性と
断熱性とを付与するために溶射被覆層を形成してなる搬
送用ロールについての提案である。
る高温のステンレス鋼板などを搬送するための熱処理炉
用ハースロールとしては、表面に耐熱性材料を被覆した
ロールが用いられている。ところで、このような熱処理
炉用ハースロール(搬送用ロール), とくに温度が1200
℃を超えるような熱処理炉内の加熱帯後半部や均熱帯に
設置されている搬送用ロールというのは、搬送すべき材
料(ステンレス鋼板) が軟化しているために、ロール表
面のわずかな変化でも、それが原因となって、かかる搬
送材(ステンレス鋼板)に疵を発生させやすいという傾
向がある。それゆえに表面の状態が長期にわたって安定
していることが重要である。
搬送用ロールの本体部分は、高温の雰囲気下で使用され
るものであるから、その中心部分が水冷されているのが
普通である。したがって、通板面となるこのロール表面
は、断熱材料などで被覆されることが必要であり、この
断熱材料によって搬送材の温度低下を防ぐようにしてい
る。しかも、このような目的の下に使用される断熱被覆
材料は、ロールに上述した疵をつけない物質であること
が必要である。例えば、アスベストとかシリカ・アルミ
ナ繊維などが代表的な被覆材料であった。このような搬
送用被覆ロールの例としては、従来、特開平1−290712
号公報や特開平1−301818号公報に開示されているよう
なものがある。これらの従来ロールは、いわゆるロール
軸芯のまわりに、円板状の耐熱性断熱シートを軸方向に
積層して断熱層とし、この断熱層の構造を工夫すること
により、耐久性や耐ビルドアップ特性を改善することと
したものである。しかしながら、上記の従来搬送用ロー
ルは、以下に説明するような各種の問題点を抱えてい
た。
水冷ロールのロール軸芯まわりに装着する耐熱性断熱部
材の被覆層が、ドーナツ状のアスベストや耐熱性無機質
繊維をロールの軸方向に嵌め入れて積層し、かつ圧縮し
て所定の外径寸法に仕上げたもので構成されている。と
ころが、このようなドーナツ状シート状物をロールに嵌
挿する作業は、多大の労力と時間とが必要であった。し
かも、この従来搬送ロールを、実際の熱処理炉で使用し
た結果によれば、ロール表面を形造る被覆層がシート状
物の積層構造であるために、被覆構成物であるアスベス
トや無機質繊維の劣化や硬化が激しく、短期間のうちに
ロールから脱落する現象が見られ、そのため短時間で使
用不能になって操業を停止しなければならないという問
題点があった。さらに、この従来搬送ロールについて
は、ステンレス鋼板の表面に発生するスケールがロール
の表面に付着し、そのロール表面への付着スケールによ
って、後続の搬送材料(ステンレス鋼板)の表面が傷つ
けられるという、いわゆるビルドアップの弊害が、依然
として解消されていないという課題も残していた。
は、かつて特願平2−211691号(特開平4−99813 号公
報) において、ロール被覆層として、従来の無機質繊維
を主材とするシート材を積層していく構造のものに代
え、被削性のよいサーメットを溶射被覆する技術を提案
した。
鋼材搬送用ロールは、ロール表面性状が長期間に亘って
常に安定していてビルドアップが発生しにくいという優
れた特性を有しているが、時として溶射被覆層の剥離が
起こるという、なお解決を必要とする課題を残してい
た。
上記従来技術が抱えていた解決課題を有利に克服するこ
とにある。即ち、搬送用水冷ロール外周に形成する溶射
被覆層の密着性を向上させることができると共に、一層
良好な断熱性を有する高温鋼材搬送用ロールを開発し提
案することにある。
ている課題の解決について鋭意研究した結果、下記の如
き構成のロールにすることが有効であることが判った。
すなわち、本発明は、外周に耐熱性断熱材料の溶射被覆
層を形成してなる水冷ロールにおいて、このロール基材
の外周に粗化面を設け、このロール粗化面上には、基材
側に形成された耐熱合金溶射層とその上層に形成された
ジルコニア溶射層とからなる二層下地溶射被覆層を設
け、そしてこの下地溶射被覆層上には被削性を有するサ
ーメット溶射被覆層を設けてなる高温鋼材搬送用ロール
である。
(ハース)ロールというのは、中空水冷構造とした耐熱
鋼製ロールの外周に、耐熱性と断熱性とに優れると共
に、被削性(被覆した前記溶射皮膜が接触する相手材
(搬送材)によって容易に摩滅していく性質を具えてい
ること)を具えるサーメット材料を溶射被覆して被削性
に優れた溶射被覆層を設けた構造を有するものである。
構造の耐熱鋼製ロール基材の表面をブラスト処理して粗
化面とし、このロール粗化面に熱の衝撃に強く熱膨張,
収縮に追随できる耐熱合金(下層)と断熱性に優れたセ
ラミックスとして高温で熱的に安定したジルコニア(上
層)とを順次溶射被覆してなる二重構造の下地(アンダ
ーコート)層を形成し、このアンダーコート層上に被削
性に優れたサーメット材料を溶射被覆した多層被覆層と
した点の構造にある。
記耐熱合金の例としては、“MCrAlY”と呼ばれるNi−
Cr−Al−Y合金, Co−Cr−Al−Y合金, Co−Ni−Cr−Al
−Y合金などがよく適合し、一方、アンダーコートの上
層を形成する上記ジルコニアの例としては、ZrO2−Y2O3
やZrO2−CeOなどの部分安定化ジルコニアがよく適合す
る。
成する溶射被覆層としては、耐熱性と断熱特性に優れ、
かつ搬送ステンレスのかじりを起こさないように被削性
に優れたサーメット溶射被覆層が好適であり、そのよう
なサーメット溶射被覆層としては、BNを4〜10wt%含
み残部がNi, Co, Cr, Fe, Alを含む各種の耐熱合金より
なる溶射材料、あるいは焼成ベントナイトを15〜30wt%
含み残部が同じく耐熱合金からなる溶射材料が好適であ
り、そしてそのサーメット溶射被覆層の厚さは0.5〜5m
mの層厚にすることが好適であると言える。なお、サー
メット中に混合する耐熱合金としては、上記アンダーコ
ート層の耐熱合金と共金のものを用いることも有効な手
段の1つである。
搬送用ロールは、 ロール基材表面がブラストによる粗化処理がされてい
るから、アンダーコート層の特に下層の耐熱合金層との
密着強度が高い。 アンダーコート層の下層を構成する耐熱合金の存在
は、その上層を構成する断熱皮膜(部分安定化ジルコニ
ア)との結合力に優れており、それ故にこのアンダーコ
ート層が上層であっても密着強度の向上は却って向上す
る。 アンダーコート層を二重構造とすることにより、ロー
ル基材と被削性を具える溶射被覆層との両方に対する密
着性を向上させると同時に、断熱性をより一層向上させ
るという効果を発揮する。
理により粗さRa:10〜30μm程度にする。この粗さRa:
10μm未満ではアンカー効果が劣り、密着性が低下して
剥離する危険があり、一方Ra:30μmを超えると皮膜に
切り欠き作用を起こしクラックの発生がある。
いずれもプラズマ方式による溶射によって被覆形成する
が、それぞれの溶射被覆層の厚みは、下層の耐熱合金層
の場合、0.05〜0.5 mmとし、上層のジルコニア層の場合
0.2〜2.5 mmとする。これらの厚みはそれぞれの下限を
下回ると緩衝効果, 断熱効果が劣り、また、それぞれの
上限値を上回ると皮膜内応力が強くなり剥離するので、
上記のように限定した。
式溶射被覆によって形成する。その被覆の厚さは 0.5〜
5mmとする。0.5 mm未満では摩滅期間が短く、寿命延長
が図れないし、5mmを超えると皮膜内応力が強くなり剥
離することから、上記範囲内の厚みに限定した。
ついては、さらに表面粗度Ra:10μm以内となるように
研磨することが望ましい。
熱処理炉に、本発明にかかる図1に示すような搬送用ロ
ールを適用設置し、主として寿命についての試験を行っ
た。その結果を表1にまとめて示す。
ル(No.1) は、生産量が6000トンになると、表面を覆う
アスベストが脱落した。また、シリカ・アルミナ繊維の
被覆ロール(No.2)も、6000トンを処理した段階でビルド
アップが発生し、ステンレス鋼板の疵が心配されたの
で、取り外した。
コートの下層としてNiCoCrAlY 合金を、そしてその上層
としてZrO2−Y2O部分安定化ジルコニアを溶射被覆し、
またトップコート層としてBNと耐熱合金(Ni Cr Fe
Al合金)とからなるサーメットを溶射被覆したロール
(No.3)の例では、27,000トン処理した段階(約1カ月
使用した段階)で摩耗してしまったので取り外したが、
それでも従来ロールよりも著しく寿命延長が達成でき
た。また、アンダーコート中の下層としてNiCrAlY 合金
を、そしてその上層としてZrO2−CeO部分安定化ジルコ
ニアを溶射被覆し、またトップコート層としてベントナ
イトと耐熱合金(Ni Cr Al合金)とからなるサーメッ
トを溶射被覆したロール(No.4)は、36,000トン処理し
た段階(約1.3カ月使用した段階)で摩耗してしまった
ので取り外したが、それでも従来ロールよりも大幅な寿
命延長を達成した。
単にNiCrAlY 耐熱合金のみを溶射被覆し、そしてすぐそ
の上にトップコートとして上記と同じベントナイト系サ
ーメットを被覆したロール(No.5)は、18,000トン処理し
た段階でロール曲がりによる偏摩耗が大きくなったので
取り外したが、それでも従来ロールよりも寿命が延びた
が、供試材No.3, 4 ほどではなかった。
温鋼材搬送用ロールは、その表面に形成した溶射皮膜の
特性から断熱性に優れるために過冷却現象がなく、それ
故にビルドアップが自動的に消滅するので搬送されるス
テンレス鋼板に疵をつけることもなく、しかも初期状態
のまま長時間安定した表面状態を維持して使用すること
ができる。しかも、アンダーコート層を下層の耐熱合金
と上層のジルコニア層との2層構造とし、かつロール基
材の表面を粗化したことにより、溶射皮膜の密着性が大
きくなり、そのために寿命が著しく向上する。
図である。
ート) 4 サーメット溶射被覆層 5 冷却水
Claims (1)
- 【請求項1】 外周に耐熱性断熱材料の溶射被覆層を形
成してなる水冷ロールにおいて、このロール基材の外周
に粗化面を設け、このロール粗化面上には、基材側に形
成された耐熱合金溶射層とその上層に形成されたジルコ
ニア溶射層とからなる二層下地溶射被覆層を設け、そし
てこの下地溶射被覆層上には被削性を有するサーメット
溶射被覆層を設けてなる高温鋼材搬送用ロール。
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-
1993
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