JPH0622189B2 - フィルムコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

フィルムコンデンサおよびその製造方法

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JPH0622189B2 JP63326628A JP32662888A JPH0622189B2 JP H0622189 B2 JPH0622189 B2 JP H0622189B2 JP 63326628 A JP63326628 A JP 63326628A JP 32662888 A JP32662888 A JP 32662888A JP H0622189 B2 JPH0622189 B2 JP H0622189B2
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稔 菊地
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、通信機器,電気機器等に用いられるフィルム
コンデンサに関するものである。
従来の技術 近年のエレクトロニクス技術の進歩は著しく、エレクト
ロニクス機器の小型化,軽量化,高密度実装化,高信頼
性化にあわせて、それらに使われる抵抗器,コンデン
サ,コイル等の受動部品も小型化,軽量化と共に高密度
実装化技術の進歩を背景にこれらの受動部品のチップ化
が要望されてきた。しかも品種の高信頼性化が進んでい
る。従来、チップ化されたコンデンサとしては、チップ
セラミックコンデンサ,チップアルミ電解コンデンサ等
と共にチップフィルムコンデンサが知られている。ポリ
プロピレン(PP)フィルムやポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム等を誘電体として用いたフィル
ムコンデンサは、小型で周波数特性が優れていることが
知られている。また、ポリフェニレンサルファイド(P
PS)フィルム,ポリイミド(PI)フィルム等の温度
特性に優れたフィルムを用いて、耐ハンダ浸漬特性の優
れたフィルムコンデンサを得ることが知られている。こ
れらのフィルムコンデンサを作るための金属化フィルム
を得る方法としては、10-4(torr)程度に減圧された
真空層内で、誘導加熱等の方法でアルミニウム(Al)
や、亜鉛(Zn),銅(Cu),錫(Sn)等の金属を加熱蒸
発させてフィルム表面に蒸着することが従来から知られ
ている。
発明が解決しようとする課題 PPSフィルムを誘電体としたフィルムコンデンサは、
周波数特性等の電気特性に優れると共に、耐熱性にも優
れた特性を示すフィルムコンデンサとして知られてい
る。
近年、エレクトロニクス機器の小型化,軽量化,高密度
実装化,高信頼性化にあわせて、回路の小型,軽量化や
受動部品の高密度実装、実装速度・効率の向上のために
これらのチップ化が進んでいる。同時に周波数特性等の
電気特性の優れたフィルムコンデンサも小型化,チップ
化が進んでいる。チップ化されたフィルムコンデンサは
回路に接続するために回路基板と共にハンダ浴中に浸さ
れる。従ってチップ化されたフィルムコンデンサもハン
ダの溶解温度までの高温に上昇するためハンダ浴中下の
高温での、静電容量変化,絶縁抵抗変化等に対する信頼
性の確保や、エレクトロニクス機器の使用条件下での耐
温度,耐湿度,耐腐食性ガス等の条件下で、コンデンサ
としての特性を維持しなければならない。従来より知ら
れているPPやPETフィルムを誘電体に使用したフィ
ルムコンデンサは、耐温度,耐湿度等の耐候性は優れて
いるが、ハンダ浴中下の高温での信頼性が確保できなか
った。一方ハンダ浴中下の高温での信頼性に優れた特性
を示すポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム
を誘電体としたフィルムコンデンサはさらに長時間の高
温度,高湿度条件下での高信頼性が要求されている。
本発明は、フィルムコンデンサをチップ化した場合の、
長時間の耐候性、また、ハンダ浴中下の高温での信頼性
の両方の特性を備えたフィルムコンデンサおよびその製
造方法を提供するものである。
課題を解決するための手段 本発明は、これらの目的を達成するために、誘電体にポ
リフェニレンサルファイド(PPS)フィルムを使用
し、このPPSフィルム表面にアルミニウム薄膜層で形
成した金属化フィルムを巻回、もしくは積層したフィル
ムコンデンサであって、アルミニウム薄膜層の膜厚t
が、300〜1000(Å)で、表面抵抗値Rが、1.5
×103÷t(Å)(Ω/□)である金属化フィルムを用い
た構成となっており、また、電極となるアルミニウム薄
膜層の形成に際しては、電子ビーム加熱,連続巻取式真
空蒸着方法を用いると共に、アルミニウム薄膜層形成中
にアルミニウムが蒸着されるPPSフィルムの表面近傍
に酸素を供給したものである。
作用 本発明は上記した構成方法により、チップ化されたフィ
ルムコンデンサのハンダ浴中での優れた耐熱性と、電気
特性を得ると共に、合わせて、長時間の高温度,高湿度
条件下での高信頼性を得ることができる。
実施例 以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明す
る。
第1図に本発明の一実施例の金属化フィルムコンデンサ
の電極であるアルミニウム(Al)薄膜層の形成に用いる
連続巻取式の真空蒸着機を示す。真空室1は仕切り板4
により、フィルム6の巻出のための巻出ロール5、巻取
のための巻取ロール11を設置した上室20とアルミニ
ウム(Al)16を加熱,蒸着するための蒸着室である下室
21に分離されている。
フィルム6は、幅300(mm)、厚さ2(μm)、長さ
3000(m)のポリフェニレンサルファイド(PP
S)フィルムを使用している。PPSフィルムは、耐熱
性,耐薬品性に優れると共に、温度,周波数の変化に対
する安定した誘電率を持ち、誘電正接は誘電率の割に極
小で、体積固有抵抗も高い等、フィルムコンデンサの誘
電体としては優れた特性を持つフィルムである。
排気管2により10-3(torr)以下に減圧された上室2
0内の巻出ロール5より100m/分で出たフィルム6
はフリーローラ7を経て、内部が5℃の水により冷却さ
れているクーリングキャン8の外周に添ってクーリング
キャン8と同期して走行(矢印の方向に走行)した後、
フリーローラ9を経て巻取ローラ11に巻取られる。1
0はアルミニウム蒸着されたフィルムである。蒸着は排
気管3により10-4(torr)以下に減圧された下室2で
行う。クーリングキャン8の下方に通常は閉まっている
蒸発原子を遮蔽するためのシャッター12がある。さら
にシャッター12の下方には、アルミナ(Al2O3)ルツ
ボ15内に純度99.99%のアルミニウム16を入
れ、電子銃13より放出される電子ビーム14をアルミ
ニウム16に照射して、アルミニウム16を加熱溶解さ
せ、アルミニウム原子17を蒸発させる。蒸着はアルミ
ニウム原子17を蒸発させながらシャッター12を開け
クーリングキャン8と同期して走行しているフィルム6
の表面に500(Å)のアルミニウム薄膜層を連続して2
500(m)蒸着した。
アルミニウム薄膜層の層厚はアルミニウムの蒸発量とフ
ィルムの走行速度を制御することで任意に変えられる
が、フィルムコンデンサの特徴である自己回復機能(Se
lf healing action)を考慮した場合、最大膜厚は10
00(Å)、また、電極としてのアルミニウム薄膜層の表
面抵抗を考慮した場合、最低300(Å)とすることが適
当であった。
さらに、アルミニウムの蒸着中にノズル18より酸素ガ
ス(O2)19をフィルムに向けて0.3(/分)供給
した。酸素ガス19の供給は、蒸着レートにあわせて一
定になるようにした。
本実施例ではアルミニウム薄膜層の膜厚を一定にしてフ
ィルム6,10の走行速度を変えたときに酸素ガス19
の量を変えた。酸素ガス19の量は蒸着レート,排気系
能力,電極となるアルミニウム薄膜層の表面抵抗から上
限を1.0(/分)とした。アルミニウムの蒸着中に
酸素ガスを供給することによりアルミニウムの一部を酸
化アルミニウム(Al2O3)にする。
特に本実施例の如く電子ビーム加熱の場合、供給した酸
素ガスは電子ビーム照射によりイオン化されてアルミニ
ウム原子と強く結合して安定した酸化アルミニウムを形
成する。このように一部が酸化アルミニウムを含んだア
ルミニウム薄膜層は高温,高湿に対する耐候性に優れた
アルミニウム薄膜層を得ることができる。アルミニウム
の蒸着中に酸素ガスを供給することでアルミニウム薄膜
層の表面抵抗値が増加するが、蒸着膜厚,酸素ガス供給
量の制御により表面抵抗値が決められる。
尚、蒸着中のアルミニウム蒸着膜厚の測定は図示されて
いない透過率計で行った。酸素ガス19を0.3(/
分)供給しながら形成した500(Å)のアルミニウム薄
膜層の表面抵抗は、四端子法による測定で3.1(Ω/
□)であった。
第2図aにPPSフィルム30にアルミニウム薄膜層の
31を形成した概略図を示す。幅30cmのPPSフィル
ム30上にアルミニウム薄膜層31を幅方向に幅10m
m、次にアルミニウム薄膜層を形成しない部分であるマ
ージン32を幅1.0mmで設けアルミニウム薄膜層31
とマージン32を交互に全幅、又、長手方向は2500
mの長さにアルミニウム薄膜層31、マージン32を形
成した。マージン32の形成はアルミニウムの真空蒸着
中に通常のオイル蒸気噴射法による方法で得た。第2図
bは第2図aの円Aの拡大図である。
このようにしてPPSフィルム上に、アルミニウム薄膜
層とマージンを形成した金属化PPSフィルム2枚を、
互いのマージンがアルミニウム薄膜層の中央になるよう
に、また、アルミニウム薄膜層とポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)が接するようにして積層し、圧縮,加
圧した後、各マージン部の中央を切断し、この切断部分
にメタリコンをした後、再び長手方向で切断をした。
第3図にコンデンサの断面概略図を示す。第3図におい
て、コンデンサ40は、誘電体である幅6mmのポリフェ
ニレンサルファイド41とポリフェニレンサルファイド
41の表面に形成された電極となる幅5mmのアルミニウ
ム薄膜層42を積層した構造であり、アルミニウム薄膜
層のない幅0.5mmのマージン43は左右の端に、各々
交互に1枚おきに設けてあり、左右のポリフェニレンサ
ルファイド41、及びアルミニウム薄膜層42の断面に
電極の外部引き出し用のメタリコンがしてある。尚、前
後の長さは3mmであり前後の断面は耐熱樹脂により絶縁
をしてある。
表−1に本発明の実施例によるアルミニウム薄膜層電極
のポリフェニレンサルファイドを誘電体に使用したチッ
プフィルムコンデンサと、通常の真空蒸着によるアルミ
ニウム薄膜層電極のポリフェニレンサルファイドを誘電
体に使用したチップフィルムコンデンサの例を示す。静
電容量は、金属化フィルムの積層数によって任意に変化
させることができるが、本実施例では10nFとした。
このようにして作られた各10nFのチップフィルムコ
ンデンサの信頼性試験を行った。
尚、各信頼性試験における電気特性の試験条件は以下の
条件で行った。
温度:25(℃) 湿度:60(%) 容量測定:1(KHz)・自動キャパシタンスブリッジ (1) ハンダ浴中20秒間浸漬テスト 実施例1、比較例2,3とも容量変化ΔC/C、誘電正
接tanδの変化は極めて小さかった。
(2) 耐候性試験 条件 温度:60(℃) 湿度:90(%) 印加電圧:D.C 25(V) 第4図aに耐候性試験に対する容量変化ΔC/Cを示
す。比較例3では500時間で約4%の容量減少、比較
例2では2%の容量減少となるのに対し、本実施例1で
は1000時間後でも容量の変化はほとんど無かった。
第4図bに耐候性試験に対する誘電正接tanδを示す。
初期値0.05%に対し、比較例2及び3では500時
間後に約0.5%となるが、本実施例1では1000時
間後でも0.1%であった。
尚、本実施例において、形状,寸法,静電容量等は本実
施例のみに限定されるものではない。
発明の効果 以上のように誘電体にポリフェニレンサルファイドフィ
ルムを使い、電極となるアルミニウム薄膜層の形成条件
を本発明の如くすることにより、 (1) フィルムコンデンサの持つ優れた電気特性と、ハ
ンダ浴中浸漬にも耐え得る高い耐熱性の両者を兼ね備え
たチップフィルムコンデンサとなる。
(2) 高温,高湿での長時間耐候性において電気特性の
劣化がほとんど無く、高い信頼性のチップフィルムコン
デンサとなる。
(3) 優れた電気特性、高い耐熱性、優れた耐候性等の
高い信頼性を兼ね備え、尚かつ小型軽量のチップフィル
ムコンデンサを提供することができる。
(4) フィルム表面への本発明アルミニウムによる電極
の形成は、生産性が大であり、従ってコストの低減が図
れ、安価なチップフィルムコンデンサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるフィルムコンデンサ
を製造するためのアルミニウム薄膜層形成に用いる連続
巻取式真空蒸着機の概略図、第2図はPPSフィルム表
面にマージン部を残してアルミニウム薄膜層を形成した
金属化フィルムの概略図、第3図はチップフィルムコン
デンサの概略断面図、第4図は耐候特性等を示す特性図
である。 1……真空室、6……フィルム、13……電子銃、14
……電子ビーム、16……アルミニウム、17……アル
ミニウム原子、18……ノズル、19……酸素ガス、2
0……上室、21……下室。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体としてポリフェニレンサルファイド
    フィルムを用い、このポリフェニレンサルファイドフィ
    ルム表面にアルミニウム薄膜層を形成した金属化フィル
    ムを巻回、もしくは積層して成るフィルムコンデンサで
    あって、前記アルミニウム薄膜層の膜厚tが300(Å)
    〜1000(Å)で、表面抵抗値Rが、1.5×103÷
    t(Ω/□)(t:(Å))である金属化フィルムを用い
    たことを特徴とするフィルムコンデンサ。
  2. 【請求項2】請求項1のフィルムコンデンサのアルミニ
    ウム薄膜層を形成するに際し、ポリフェニレンサルファ
    イドフィルムを真空槽内に設けられた走行系に添って連
    続走行させながら、電子ビームにより加熱、蒸発したア
    ルミニウムを前記ポリフェニレンサルファイドフィルム
    の表面に蒸着し、アルミニウム薄膜層を形成することを
    特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】ポリフェニレンサルファイドフィルムにア
    ルミニウムを真空蒸着中に蒸着雰囲気ガスとして、蒸着
    室に酸素ガスを供給することを特徴とする請求項2記載
    のフィルムコンデンサの製造方法。
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