JPH0622461B2 - 水中油型乳化食品の製造方法 - Google Patents

水中油型乳化食品の製造方法

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JPH0622461B2 JP60169119A JP16911985A JPH0622461B2 JP H0622461 B2 JPH0622461 B2 JP H0622461B2 JP 60169119 A JP60169119 A JP 60169119A JP 16911985 A JP16911985 A JP 16911985A JP H0622461 B2 JPH0622461 B2 JP H0622461B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水中油型乳化食品の製造に関し、より詳しくは
乳化安定度の高い水中油型乳化食品の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来から、マヨネーズとかサラダドレッシングなどの水
中油型乳化食品を製造するに際して、乳化剤として卵黄
を用いるのが一般的である。この卵黄の使用により、他
の乳化剤、例えば卵白、カゼイン、大豆たんぱく等を使
用する場合に比べ、乳化状態が比較的安定した乳化食品
とすることができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、卵黄を使用するときの使用量は、乳化の安定度
を高める上からは一般に全原料の6〜15%ぐらいが適
当とされているが、このような使用量では最終の水中油
型乳化食品中に卵黄特有の風味が強く現われるようにな
り、また、この風味を軽減させるために卵黄の使用量を
減ずると乳化食品の乳化が不安定となり油が分離し易く
なる、という問題がある。更にまた、卵黄の使用量が多
いとこれを使用した乳化食品を加熱したりまたは冷却し
たりすると卵黄が変性を起こして同様の油の分離を生じ
易くする、という問題も認められている。
本発明の目的は、このような問題の生じにくい水中油型
乳化食品の製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成しうる本発明の水中油型乳化食品の製造
方法は、食塩9〜13%添加卵黄を酵素で分解したもの
を、乳化剤として用いることを特徴とするものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明において水中油型乳化食品とは、水相中に油相が
微細な油滴粒子として分散している食品をいう。代表的
には、マヨネーズあるいは各種の乳化タイプのドレッシ
ング類があげられるが、上記した定義に当てはまるもの
であれば一般的にソースと呼ばれるもの、例えばウスタ
ーソース、であっても差し支えない。
水相と油相との割合は何ら制限を受けるものではない
が、一般的には前者10〜95%に対して後者が90〜
5%である。またこの水相に使用する原料としては、一
般的には、食酢、水、その他これらに溶解又は分散しう
る副原料があげられる。
この副原料を例示すると、食塩、グルタミン酸ソーダ、
砂糖、グルコース、デンプン、デキストリン、醤油、ケ
チャップ、トマトピューレ、ミソ、酒、ワイン、みり
ん、果汁、有機酸、辛子粉、各種ビタミン(ビタミン
C、Eなど)、各種野菜又は果実、スパイス類、ガム質
(キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガ
ム、トラガンドガム、タマリントガム、寒天カラギーナ
ンなど)、微結晶セルロース、ピクルス、乳製品(牛
乳、チーズ、ヨーグルトなど)、各種リン酸塩、EDT
A、卵白、分解していない卵黄などがあげられ、これら
は最終的に所望する水中油型乳化食品の風味、その他の
特性などを考慮して適宜選定される。
また油相に使用する原料としては、代表的には常温で液
状のサラダ油が用いられ、そのサラダ油の種類として
は、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、ゴマ油、綿実油、
なたね油、サフラワー油、パーム油(通常分別油)、オ
リーブオイル、グレープシードオイルなどがあげられ
る。またそれらはエステル交換しているものでも差し支
えない。油相原料としては前記の基本原料の他に、各種
スパイスオイル、例えば、オレオレジンカプシカム、パ
プリカオイル、マスタードオイルなどの使用も任意であ
る。
更に、水相又は油相に使用しうる原料として、前記した
もの以外、着色料(ニンジンオイル、β−カロチン、ク
チナシ色素など)、着香料、風味付与料(動物エキスな
ど)等もあげられ、これらは必要に応じて任意に用いる
ことができる。
本発明の方法は、水中油型乳化食品を製造するに際して
乳化剤として食塩を9〜13%添加した卵黄を酵素で分
解したものを用いるところに大きな特徴があり、それ以
外は従来の方法に準ずるものである。
分解に用いる酵素としては、一般的にはプロテアーゼと
リパーゼがあげられる。プロテアーゼの種類としては、
例えば、パパイン、フィシン、プロナーゼ、ペプシン、
トリプシンなどがあるが、これらの中ではトリプシンの
使用が卵黄の分解に際して苦味を生じ難い点から特に好
ましい。又一方、リパーゼの種類としては、例えば、ト
リアシルグリセロールリパーゼ(リシナスリパーゼ、膵
リパーゼなど)、ホスフォリパーゼ(ホスフォリパーゼ
A、B、およびCなど)、リゾホスフォリパーゼ等があ
げられ、この中ではホスフォリパーゼが好ましく、又ホ
スフォリパーゼの中もホスフォリパーゼAが特に好まし
い。
酵素で分解する卵黄の分解の程度は、分解前の卵黄中の
ホスファチジルコリンに対する分解後の卵黄中のリゾホ
スファチジルコリンの割合(これを以後分解率と称す
る)が、10%以上、好ましくは50%以上、より好ま
しくは80%以上である。
各酵素の分解条件は、上記の分解率になるように適宜定
めればよいが、一般的には、プロテアーゼの場合は液状
の卵黄に対する添加割合が0.05〜0.5%であっ
て、25〜60℃で3〜50時間、リパーゼの場合はそ
の添加割合が0.002〜0.05%であって、25〜
65℃で1〜17時間程度でよい。
水中油型乳化食品が食塩を含む場合、例えばマヨネーズ
あるいはドレッシングなどの場合には、卵黄を酵素で分
解するに際してその卵黄中に予め食塩をある割合で添加
しておくことが好ましい。一つには酵素で分解を進めて
いる工程中での雑菌の増殖を抑制できる利点があるが一
般的には酵素の作用を促進させることができるからであ
る。プロテアーゼの場合トリプシンを例にあげると、卵
黄液に対して0.4%の酵素を添加して40℃で20時
間作用させると分解率が約60%に達するが、他の条件
を同じにしたときでも食塩を10%添加すると分解率が
約60%に達するまでに要する酵素の添加量は前記の約
1/4に相当する0.1%にまで引き下げることができ
る。また、リパーゼの場合ホスフォリパーゼAを例にあ
げて酵素の添加割合を0.003%、作用温度を40
℃、作用時間を6時間としたときの食塩の添加割合と卵
黄の分解率とを測定したところ、その結果は下記の第1
表の通りであった。
上記の表より食塩の添加により分解率が高まり、特に9
〜13%の添加割合のときに分解率が90%以上になる
ことがわかる。したがって、プロテアーゼで分解する場
合も含め卵黄の保存上の容易さも考慮し、卵黄液は食塩
濃度が9〜13%のものを使用するのが好ましい。
酵素で分解した卵黄は、水中油型乳化食品に使用するに
先立ち、例えば62〜70℃の温度に10〜20分間保
持するなどの加熱処理により含有酵素を失活させること
が好ましい。残存酵素による製品保存中における製品の
変質を起きにくくするためである。もっとも至適PHが中
性から弱アルカリ側にある酵素、例えば、ホスフォリパ
ーゼで分解した卵黄を用いてPHが3〜4ぐらいの酸性の
水中油型乳化食品を製造する場合には、製品中その酵素
は不活性状態にあるので加熱による失活は格別必要とし
ない。
本発明によれば、水中油型乳化食品を製造する際の酵素
で分解した卵黄の使用割合は、液体基準で一般的には全
原料の1%以上、好ましくは2〜5%ぐらいでよい。こ
の使用割合は、他に乳化剤、例えば各種のガム質(キサ
ンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、カラギーナ
ンなど)、でんぷん、デキストリン、微結晶セルロース
などを併用するときには前記した割合より減ずることが
できる。
なお、酵素で卵黄を分解するときは卵黄液に酵素を作用
させるのが一般的であるが、酵素としてリパーゼを用い
しかも製品である水中油型乳化食品が原料の一つとして
卵白をも含むものである場合には、卵白も混っている全
卵液ないし卵白混入卵黄液に酵素を作用させて分解卵黄
を調製することもできる。
また、分解卵黄を調製するに際して酵素を添加するとき
酵素はそのまま卵黄液に添加しても差し支えないが、添
加後の分散を容易にするための一つの方法として、酵素
は水中油型乳化食品の原料として使用する予定の他の粉
末原料の適当量と予め混合しておくと便利である。粉末
原料としては水易溶性の塩及び糖、例えば食塩、砂糖、
グルコース、グルタミン酸ソーダなどが特に好ましい。
これらの粉末原料の適当量中に酵素の含有割合が0.5
〜15%ぐらいとなるように混合分散させておくと、こ
の混合物を卵黄液に添加したときに直ちに吸水されるの
で酵素の溶解、分散が容易となる。粉末原料としては、
前記した塩及び糖以外に、たんぱく質又は炭水化物を主
体とする原料、例えば卵白粉、粉乳、デキストリンなど
を使用しても差し支えない。これらも酵素の均一な分散
を助けるからである。これらは塩又は糖と一緒に用いる
とよい。その理由は、これらは一般的に比重の比較的重
い塩又は糖の中において、比重の比較的軽い酵素を均一
に混ぜるのを助けるからである。この場合の好ましい混
合割合は混合物全体を100%として酵素0.15〜1
5%、塩又は糖40〜80%、たんぱく質又は炭水化物
を主体とする原料10〜30%である。
更に、本発滅の水中油型乳化食品は、水相の中に油滴粒
子が分散しているものであるので一般的には油滴粒子中
には水溶性の原料は包含されていないが、所望する最終
製品に応じて油滴粒子がその中に水相を含んだ形態のも
の、したがって水中油型乳化食品が水中油中水型となっ
ているものであっても差し支えない。
〔作 用〕
本発明の方法において用いる酵素で分解した卵黄は、卵
黄中に含まれているホスファチジルコリンが加水分解を
受けて乳化力が一段と高いリゾホスファチジルコリンに
変化しており、更に卵黄タンパク(リポプロテイン)自
体が酵素の作用により乳化力が高まる方向へ何らかの分
解を受けているものと考えられる。
〔発明の効果〕
このように、本発明の方法において用いる酵素で分解し
た卵黄は未分解の卵黄に比べて水と油との乳化力が一段
と高いものである。その結果、本発明の方法によれば従
来法による未分解の卵黄を用いた場合に比べ、より少な
い卵黄の使用量でもって水中油型乳化食品を製造するこ
とができる。また、加熱、冷却、振動などで分離がしに
くいつまり耐熱性、耐寒性、耐振動性等のより高い水中
油型乳化食品を製造することができる。更に、本発明の
方法によれば、卵黄を酵素で分解する際には予め卵黄中
に食塩を9〜13%添加しておくが、それにより酵素の
作用を促進することができる。
なお、本発明において%は全て重量%を示す。
〔実施例〕
実施例1 食塩濃度10%の卵黄液にトリプシンを0.1%添加し
て40℃で20時間保持し酵素分解卵黄(分解率55
%)を得た。これを70℃で15分間保持して含有酵素
を失活させた後室温迄冷却し、次いでこの分解卵黄を用
い下記の配合割合でマヨネーズを製造した。
このマヨネーズは100℃で20分間加熱したが油の分
離は見られなかった。なお対照として、前記の分解卵黄
に代えて同量の酵素未処理卵黄液(食塩濃度10%)を
使用し、その他はすべて上記と同じ条件下でマヨネーズ
を製造しようとしたところ乳化が困難でありかろうじて
乳化はできたものの24時間室温で保存したときには油
が浮上分離していた。そこで卵黄の使用量を8.5%に
増し、代って清水の使用量をゼロとした他は全く同じ配
合割合でもって乳化してマヨネーズを製造し、得られた
製品を100℃で20分間加熱したところ油の浮上分離
が見られた。
また、上記のマヨネーズ(実施例及び対照品共)を−1
5℃で保存したところ、分解卵黄を用いたものは3日間
経過して常温に戻しても油の分離が見られなかったが、
対照のものは24時間経過して常温に戻したところすで
に油の浮上分離が見られた。
実施例2 実施例1においてトリプシンを用いる代りにパパインを
用いた他は全て実施例1と同じ条件下でマヨネーズを製
造した。なおこの場合の卵黄の分解率は50%であっ
た。
実施例3 実施例1においてトリプシンで分解した卵黄を用いる代
りに、ホスフォリパーゼAで分解した卵黄(食塩濃度1
0%の卵黄液にホスフォリパーゼAを0.03%添加
し、40℃で8時間保持したもの;分解率95%;なお
分解処理後の加熱による失活処理は施さず)を用いた他
は全て実施例1と同じ条件下でマヨネーズを製造した。
実施例4 実施例3においてホスフォリパーゼAに代って膵リパー
ゼを用いた他は全て実施例3と同じ条件下でマヨネーズ
を製造した。なおこの場合の卵黄の分解率は70%であ
った。
実施例5 実施例3において、ホスフォリパーゼAを卵黄液に添加
する際予めその7倍量の食塩及び2倍量の卵白粉とよく
混和しておいてから卵黄液に添加し、以下は実施例3と
同様にしてマヨネーズを製造した。なおホスフォリパー
ゼAの卵黄液への分散溶解は容易であった。
実施例6 食塩10%入りの全卵液に、ホスフォリパーゼA0.0
04%を予めその酵素の5倍量の食塩、3倍量の脱脂粉
乳及び2倍量のデキストリンとよく混和してから添加
し、40℃で8時間保持した。次いでこの酵素処理した
全卵液(分解率92%)を用いて下記の配合割合で水中
油型のドレッシングを製造した。
なお、上記の実施例1〜6においてはいずれも酵素処理
に先立ち卵黄液はリン酸三ナトリウムにより、トリプシ
ン使用の場合はPH7.0に、他の酵素使用の場合は全て
PH6.5に調整した。また、水中油型に乳化するに際し
てはミキサーで粗乳化した後、コロイドミルで仕上げ乳
化をした。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】食塩9〜13%添加卵黄を酵素で分解した
    ものを、乳化剤として使用することを特徴とする水中油
    型乳化食品の製造方法。
  2. 【請求項2】酵素がリパーゼまたはプロテアーゼであ
    る、特許請求の範囲第1項記載の水中油型乳化食品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】卵黄を分解する程度が、分解前の卵黄中の
    ホスファチジルコリンに対する分解後の卵黄中のリゾホ
    スファチジルコリンの割合が10%以上である、特許請
    求の範囲第1項又は第2項に記載の水中油型乳化食品の
    製造方法。
JP60169119A 1985-07-31 1985-07-31 水中油型乳化食品の製造方法 Expired - Lifetime JPH0622461B2 (ja)

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