JPH06227200A - 転写紙、転写部材及び転写法 - Google Patents

転写紙、転写部材及び転写法

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JPH06227200A
JPH06227200A JP5039571A JP3957193A JPH06227200A JP H06227200 A JPH06227200 A JP H06227200A JP 5039571 A JP5039571 A JP 5039571A JP 3957193 A JP3957193 A JP 3957193A JP H06227200 A JPH06227200 A JP H06227200A
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Shunichi Sato
俊一 佐藤
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INTER TECHNICAL INDASUTORII KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水系塗料からなる画像及び/又はコピーにより
複写された画像を洗濯堅牢な転写画像とすること。 【構成】支持体1上に、熱再活性接着剤層2、親水性皮
膜層4を有し、かつ親水性皮膜層に画像5、6が設けら
れた第1転写部材Aと、支持体7上に高熱流動性樹脂層
8、低熱流動性樹脂層9、10を有する第2転写部材B
とを、第1転写部材Aの画像5、6上に第2転写部材B
の低熱流動性樹脂層9、10を重ねた状態での熱圧着に
より接合させて得られる転写紙Cであって、前記画像
5、6が静電気式トナー着色方式の乾式電子複写機を用
いて所定の原稿から複写された正像及び/又は水系塗料
により描写された正像よりなること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は熱転写に関し、例えば
水系塗料で手描きした正像画像を布地等の被転写体に転
写することができる転写紙、転写部材及び転写法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷によらない熱転写を用いる製
品の市場は、個性や流行性を強く要求されるアパレル、
ホビー等の業界でますますその必要性が増大し、特にカ
ラーコピーの性能向上と普及の加速によりカラーコピー
を転写に利用する産業は急激に発展しつつある。一般に
転写とは、製品に画像を直接印刷するかわりに、一旦転
写支持体に画像を印刷してから製品に転移させる手段を
いう。したがって、この転写支持体(一般には転写紙)
に形成された画像を布地等の被転写体に当てて転写する
のであれば、転写紙には鏡像(逆像)の画像を形成する
必要がある。かかる鏡像を形成する手段としては、特殊
なコピー機に備えられた鏡像複写機能を用いることにな
る。
【0003】ここに、本発明者は既に特許第16938
46号において、特にコピーの鏡像複写機能を利用しな
くても、一旦正像として複写された画像を他方の転写紙
に逆像として転移させることにより、この他方の転写紙
を被転写体に当てることにより正像として転写可能とす
る方法を開示している。この方法によれば、汎用のコピ
ー機を利用して簡単に作成者が転写紙を調製することが
でき、また鉛筆、クレヨン等により描いた転写紙をも調
製することができ、少量多品種の製品や、ホビー用の製
品に使用する方法として有用である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では、手軽に使用できかつ独特の表現が可能な水彩絵
の具等の水系塗料により描いた画像を他方の転写紙に転
移させることは不可能であった。また、コピーにより複
写された画像と、水系塗料等による画像とを組み合わせ
てなる画像を、一体の画像として他方の転写紙に転移さ
せることも不可能であった。したがって、複写あるいは
クレヨン等で手描きされたされた正像を被転写体に転写
することはできても、使用できる塗料が限定されること
により、デザイン等の多様性や転写法としての利用性に
欠けるという問題点があった。さらに、水系塗料による
転写画像の洗濯堅牢性を確保することが非常に困難な問
題であった。
【0005】そこで、本発明では、水系塗料からなる画
像及び/又はコピーにより複写された画像を洗濯堅牢な
転写画像とすることができる転写紙と転写部材を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、上記した転写紙
を使用する転写法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ための本発明の転写紙は、界面剥離剤を塗布したシート
状の支持体上に、第1層として熱再活性接着剤層、第2
層として親水性皮膜層を有し、かつ親水性皮膜層に画像
が設けられた第1転写部材と、シート状の支持体上に第
1層として高熱流動性樹脂層、第2層として低熱流動性
樹脂層を有する第2転写部材を第1転写部材の画像上に
第2転写部材の低熱流動性樹脂層を重ねた状態での熱圧
着により接合させて得られる転写紙であって、前記画像
は静電気式トナー着色方式の乾式電子複写機を用いて所
定の原稿から複写された正像及び/又は水系塗料により
描写された正像よりなり、熱圧着により固定されてい
て、かつ第1転写部材の支持体を剥離した際には、熱再
活性接着剤層が被転写体に接着可能な接着面として露出
可能に形成されてなることを特徴とする。上記した課題
を解決するための本発明の転写部材は、界面剥離剤を塗
布したシート状の支持体上に、第1層として熱再活性接
着剤層、第2層として静電気式トナー着色方式の乾式電
子複写機による画像及び/又は水系塗料による画像を形
成可能な親水性皮膜層を有していることを特徴とする。
そして、本発明の転写部材は、親水性皮膜層が乳化アク
リル樹脂及び/又は乳化ポリエステル樹脂、あるいは親
水性活性剤と、粉体合成樹脂とを含ませた組成よりなる
ことをを特徴とする。
【0007】また、上記した課題を解決するための本発
明の転写法は、界面剥離剤を塗布したシート状の支持体
上に、第1層として熱再活性接着剤層、第2層として親
水性皮膜層を有する第1転写部材と、シート状の支持体
上に第1層として高熱流動性樹脂層、第2層として低熱
流動性樹脂層を有する第2転写部材とを用意し、静電気
式トナー着色方式の乾式電子複写機を用いて複写された
正像及び/又は水系塗料により描写された正像を第1転
写部材の親水性皮膜層に形成する工程と、この第1転写
部材の前記画像が形成された親水性皮膜層に前記第2転
写部材の低熱流動性樹脂層を重ねて熱圧着して一体化し
て前記画像を前記親水性皮膜層に前記低熱流動性樹脂層
により固定した転写紙とする工程と、しかる後この転写
紙を構成する第1転写部材の支持体を剥離して第1転写
部材の熱再活性接着剤層を露出させる工程と、この転写
紙の前記熱再活性接着剤層を被転写体の表面に配して被
転写体と転写紙とを熱圧着した後、第2転写部材の高熱
流動性樹脂層とともに支持体を剥離して、第1転写部材
の親水性皮膜層と第2転写部材の熱再活性接着剤層とと
もに画像を前記被転写体に転写する工程とからなること
を特徴とする。
【0008】以下に本発明につき、詳細に説明する。本
発明における第1転写部材は、シート状の支持体に、熱
再活性接着剤層、親水性皮膜層等が形成され、その表面
に画像を形成・固定するための部材である。この第1転
写部材のシート状の支持体としては、所定の耐熱性を有
するシート体をいい、コピーによる複写画像を形成する
場合にはコピー用紙としても適当であるシート体を含む
ものとする。一般には上質紙が使用され、他には白色の
紙で、やや長繊維からなる、折れに対して復元性の高い
用紙が望ましい。例えば、平米50gから120gのパ
ルプを主原料とした普通紙や、耐熱性のプラスチックフ
ィルムも使用できる。また、このシート状の支持体の表
面に塗布される界面剥離剤としては、主としてシリコン
樹脂であるが、その他、ポリビニルアルコール、ステア
リン酸塩類等も使用でき、特に限定されない。
【0009】この界面剥離剤が塗布された支持体には第
1層として、熱可塑性合成樹脂を主とする熱再活性接着
剤層が形成されている。熱再活性接着剤は、被接着面に
塗布後、乾燥すると固化するが、加熱すると溶融して液
状となり、放冷によって固化することにより接着力を発
揮する性質を有する接着剤をいう。この接着剤の組成は
被転写体や支持体の種類により適宜設定するものであ
り、架橋剤やキャタリストにより接着強度を増加するこ
とができる。第1層は熱再活性接着剤がグラビアコータ
ー、リバースコーターまたはスクリーン印刷にて塗布さ
れ、乾燥後の皮膜にて平米20gから60gの塗布膜の
形成が望ましい。
【0010】さらに第2層の親水性皮膜層は、水彩絵の
具やアクリル絵の具等の水系塗料によって画像を形成で
きるように親水性・吸水性の性質を有するとともに、コ
ピーによる画像が複写可能に形成されるものである。例
えば、乳化アクリル樹脂、乳化ポリエステル樹脂、乳化
ポリウレタン樹脂を含めたり、ポリエチレンアルキルア
リルジスルホスクシネート等の界面活性剤を親水性活性
剤として含めることにより親水性とすることができる。
この場合、各種乳化樹脂の配合量は合計で10重量%以
上が望ましく、親水性活性剤の配合量は1重量%以上が
望ましい。また、合成樹脂粉末を添加することにより、
この接着剤層の表面に微視的なレベルにおいて凹凸が形
成され表面積が拡大される。このため、接着剤層に吸水
性を付与することができ、水系塗料がはじかれることな
く塗布されて所望の画像を形成できるようになってい
る。合成樹脂粉末としては、ポリエチレン樹脂、ポリア
ミド樹脂あるいはポリエステル樹脂の粉末が望ましい。
これらは単体でも、又は2種以上組み合わされていても
よい。配合量としては、粉末樹脂として5重量%以上が
望ましい。なお、親水性皮膜の組成は、画像形成に使用
する水系塗料等の種類や、第2転写部材の低熱流動性樹
脂層の組成によって適宜調整される。
【0011】なお、この第2層の形成前に、第1層の表
面に隠蔽性層を形成することもできる。隠蔽性層は、着
色された布地等の被転写体へ画像を転写する場合に、被
転写体の色を隠蔽して画像の鮮明さを確保するためのも
のである。この隠蔽性層は、酸化チタンのような白色顔
料や、雲母または合成樹脂の鱗片等を隠蔽性顔料とし
て、合成樹脂を固着料として配合したものを塗布するこ
とにより形成される。隠蔽性顔料の配合量としては顔料
の種類や被転写体の着色の程度にもよるが、20〜50
重量%が望ましい。また、被転写体が布地等の軟質の場
合には、合成ゴム系の固着料を使用し、硬質の被転写体
の場合は、ポリエステル樹脂の他、塩化ビニル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリウレタン樹脂等の硬質の固着料を使用
する。
【0012】一方、第2転写部材は、第1転写部材の親
水性皮膜層に形成された画像を熱圧着により固定するも
のであり、基本的にはシート状の支持体に低熱流動性、
高熱流動性の2種の接着剤層を重ねることにより形成さ
れている。まず、シート状の支持体としては、耐熱性を
有するシート体をいい、普通紙等が使用でき、特に限定
されない。この支持体の表面には第1層として高熱流動
性樹脂層が形成されている。この層は、熱可塑性合成樹
脂を主成分として、熱流動性が高く加熱下において極め
て流れやすく把握力を弱く調製された接着剤からなって
いる。例えば、メルトインデックス(規格はASTMに
よる)が300以上の接着剤である。さらに、第2層と
して低熱流動性樹脂層が形成されている。この層は、転
写熱がかかっている間、被接体に対して十分な把握力を
有するような接着剤からなっている。例えば、メルトイ
ンデックスが50以下の接着剤である。この2層のそれ
ぞれの組成は、相互の流動性、画像の種類及び洗濯堅牢
性の設定強度等により適宜調整される。
【0013】このように加熱時の流動性の差が大きい2
層を重ねることにより、この2層間において熱力学的な
剥離が可能となる。これは、加熱時の低熱流動性樹脂と
高熱流動性樹脂との接着仕事量の差が大きいからであ
る。すなわち、圧着後に依然として接着剤が熱い間は高
熱流動性樹脂層は未だ溶融状態であるため低い接着力し
か生じないが、低熱流動性樹脂層は固化して強い接着力
は発生しているからである。また、所定条件下での加熱
において、流動性の差が大きいために層構造の維持が可
能となる。この結果、低熱流動性樹脂層から高熱流動性
樹脂層を支持体とともに剥離することが可能となる。
【0014】この第2層の上には必要に応じて、さらに
第3層を形成することもできる。第3層は、転写後の画
像の堅牢性または画像固定の安易性の向上を目的として
設けることができる。この層も低熱流動性樹脂から形成
されている。
【0015】このように形成された第1転写部材の親水
性皮膜層には、静電気式トナー着色方式の乾式電子複写
機による複写あるいは水系塗料によって直接正像が描写
される。静電気式トナー着色方式の乾式電子複写手段と
しては、一般に使用されている公知のトナー着色式の複
写機が使用される。この複写機は書籍、文書などを複写
する事務用の機種、あるいは意匠家が画像、写真等を複
写するのに用いる機種の他、カラーコピー機を含むもの
である。なお静電気式トナー着色方式とは、トナーを電
気的ショックで複写紙に固着する方式をいう。
【0016】また、水系塗料とは、水を溶媒とする塗料
をいい、ラテックスペイントと水溶性樹脂塗料とがあ
る。例えば、パステルカラー、アクリルカラー(ターナ
ー社製、商品名リキテックス、米国製)等の合成樹脂絵
の具、水性ペイント(カンペ株式会社等の市販品)、さ
らには6B以上の鉛筆などがそのまま使える。また、一
般の水彩絵の具の場合は、顔料の固着料が水溶性である
ため、転写可能であっても転写後の転写画像の洗濯堅牢
性に欠ける。したがって、乳化された固着料を添加混合
して固着料が10重量%以上となるように調製した水系
塗料とすれば、本発明に適用可能であり、洗濯堅牢性の
強い画像を転写可能となる。なお、水系塗料は、コピー
手段により複写された画像と一体転写可能にコピートナ
ーとの親和性を有するものであることが必要であるとと
もに、画像が描写される第1転写部材の親水性皮膜層を
傷めないことが必要である。
【0017】このように形成された第1転写部材の親水
性皮膜層に合成樹脂絵の具で画像を描写する。さらに、
画像が乾燥後、親水性皮膜層にコピー手段により画像を
複写することもできる。なお、水系塗料による画像の描
写とコピーによる画像複写の前後は問わない。
【0018】次に、この第1転写部材の親水性皮膜層に
第2転写部材の低熱流動性樹脂層を重ねる。両転写部材
が重ね合わされた状態は、図4に示すように、最下層に
第1転写部材の支持体が位置され、その第1層、第2層
及び第3層、そして第2転写部材の第3層、第2層、第
1層及び支持体の順に積層されている。この積層状態の
両者を120℃または適合する温度にて所定時間熱圧着
する。この際、第2転写部材の低流動性樹脂層が熱によ
り溶融して親水性皮膜層上の画像を被覆・把握し、放冷
後固化することにより、第1転写部材の親水性皮膜層と
ともに画像を低熱流動性樹脂層に固定することができ
る。両転写部材は常温に戻るまで密着状態で放置される
ことにより、転写するための画像が層間に完全に固定さ
れた一体の転写紙が形成される。したがって、図柄は全
く完全かつ確実に保持される。
【0019】さらに、放冷された転写紙の第1転写部材
の支持体のみが剥離され、転写紙の最下層には、第1転
写部材の熱再活性接着剤層が露出される。すなわち、こ
の状態にあっては、画像とともに親水性皮膜層と熱再活
性接着剤層が第2転写部材側に移行されたともいえる。
このように、両転写部材の熱圧着後、第1転写部材の支
持体のみを用意に剥離することができるのは、支持体と
第1層の接着剤層との間には剥離剤が塗布されているた
めである。すなわち、第1層の接着剤は加熱によって支
持体側に含浸しないため、熱圧着後接着剤が放冷により
固化すれば、剥離剤の塗布された支持体が剥離される。
【0020】さらに、この転写紙の上記露出した熱再活
性接着剤層を被転写体の所定の表面に当接させて、所定
の条件で熱圧着する。この際、高熱流動性層は濡れ勾配
の低い支持体側に流れを指向し、含浸される。また、被
転写体に接触する熱再活性接着剤は被転写体に含浸して
接着力を発揮する。
【0021】そして、所定の条件下での熱圧着後、未だ
温度が低下しない間においては、高熱流動性樹脂層はい
まだ溶融状態で極めて流れやすく把握力が発生しえな
い。一方、低熱流動性樹脂層はすでに固化しているた
め、この時点で、第2転写部材の支持体を剥離すれば、
支持体に含浸され溶融状態の高熱流動性樹脂層が低熱流
動性樹脂層から容易に剥離される。この結果、親水性皮
膜層と低熱流動性樹脂層によって固定された画像は確実
に被転写体上に転写される。
【0022】
【作用】上記構成としたことにより、第1転写部材の親
水性皮膜層に描写した水系塗料による画像等を第2転写
部材の低熱流動性樹脂層が圧着されて画像とともに親水
性皮膜層をも把握・密着することにより第2転写部材側
に画像を移行させ、確実に描かれたままの画像を保有す
る転写紙を形成することができる。このため、被転写体
への熱圧着による転写において図柄は確実に転写され
る。また、描写した画像は親水性皮膜層と低熱流動性樹
脂層とによって固定され、これらが一体となってさらに
下層に形成した接着剤層を介して被転写体に接着される
ことによって被転写体上の転写画像を形成するため、洗
濯堅牢性の高い転写画像となっている。さらに、この第
1転写部材の親水性皮膜層に描写した図柄をそのまま保
持する構成としたので、被転写体表面の隠蔽性層をこの
第1転写部材に設けることもできる。また、親水性皮膜
層に合成樹脂粉末を添加することにより、特に水系塗料
と親水性皮膜層との親和性が向上して、鮮明な画像を描
写することが可能となる。
【0023】
【実施例】次に本発明を具現化した実施例を図1ないし
図6にしたがって説明する。なお、以下の表に示す数値
は全て重量部を示すものとする。
【0024】〔実施例1〕本実施例は、木綿生地の黒色
のトレーナー11にエマルジョン絵の具による画像6及
びカラーコピーにより複写された画像5を組み合わせて
一つの画像としたものを転写するのに本発明を適用した
場合である。図1には、第1転写部材Aの断面図が示さ
れている。第1転写部材Aの支持体1として、104g
/m2 の上質紙に、表1に示す剥離剤を巻き取り式に含
浸塗布する。 尚、ラウリン酸バリウムは、老劣化防止剤として添加さ
れている。
【0025】つぎにリバースコーティング機にて表2に
示す組成の接着剤を表1の剥離剤を塗布した支持体1に
塗布して第1層として熱再活性接着剤層(以下、接着剤
層という。)2を形成する。乾燥膜厚は8〜10ミクロ
ンとした。
【0026】第1層2を形成した支持シート1をJIS
規格A2の大きさに裁断し、表3に示す組成の隠蔽性層
3を形成する。隠蔽性層3は全自動スクリーン印刷機に
て塗布し、乾燥膜厚で12〜15ミクロンとした。 *ミネラルスピリットとは脂肪族炭化水素(沸点150
〜160℃)
【0027】さらに、この隠蔽性層3の上に表4に示す
組成の親水性皮膜層(以下、親水性層という。)4を形
成する。塗布はスクリーン印刷機にて、乾燥膜厚8〜1
0ミクロンとした。この親水性層は、水系塗料にて描写
できるように、乳化アクリル樹脂及びポリエステル粉末
が加えられている。
【0028】以上のように、上質紙1に、剥離剤が塗布
され、接着剤層2、隠蔽性層3、親水性層4が形成され
て第1転写部材Aが形成されている。
【0029】次に、第2転写部材Bについて説明する。
図3には、第2転写部材Bの断面図が示されている。第
2転写部材Bの支持体7としては、104g/m2 の上
質紙に石油パラフィンを塗布したものを使用する。そし
て、表5に示す組成の高熱流動性樹脂層(以下、高熱流
動性層という。)8をリバースコーティング塗布した。
乾燥膜厚は8ミクロンに調製した。この組成によれば、
この高熱流動性層8は熱圧着時に高い熱流動を起こす。
【0030】この第2転写部材Bの第1層である高熱流
動性層8の上には、表6に示す組成の低熱流動性樹脂層
(以下、低熱流動性層という。)9が第2層として形成
されている。この層9は加熱時の流動性が低く、熱圧着
時に第1転写部材Aに対して強い把握力を生じる。ま
た、転写後の画像を保護する働きもある。
【0031】さらに、本例では、転写の容易性及び転写
後の画像の洗濯堅牢性を向上させることを目的として、
この低熱流動性層9にさらに第3層10を重ねる。この
層10も同様に低熱流動性樹脂から形成される。 これらの第2、第3の低熱流動性層9、10は併せて乾
燥膜厚で25ミクロンであった。
【0032】以上のように上質紙7に第1層として高熱
流動性層8、第2層及び第3層として低熱流動性層9、
10を重ねて形成して第2転写部材Bが形成されてい
る。
【0033】このように形成した第1転写部材A及び第
2転写部材Bを用いて、以下の手順により、黒色トレー
ナー11に転写を行った。まず、第1転写部材Aの親水
性層4に、キャノンカラーコピーDIO−500にて花
柄5をカラーコピーした。次いで、市販の2種類のエマ
ルジョン絵の具によりカラーコピーされた花柄5に一部
重ねて蜂の画像6と、これらの画像の周囲にぼかしを入
れ、さらに花の名を英名6にて書き加えた。この際、絵
の具を露出した親水性層4の表面にはじかれることなく
描くことができ、カラーコピーされた花柄5上にも同様
に鮮明に描くことができた。この結果、コピーとエマル
ジョン絵の具によって一体の画像(正像)を構成するこ
とができた(図2参照)。
【0034】つぎに、図4に示すように画像5、6が乾
燥後、画像5、6が描かれた第1転写部材Aの親水性層
4を上にして転写機の上に載せた後、第2転写部材Bの
低熱流動性層9、10を前記親水性層4に向けて重ね
る。この後、転写機温度を120℃として5秒間圧着し
た。この結果、親水性層4上に描写された図柄5、6
は、低熱流動性層9、10が親水性層4側に把握力を発
揮して図柄5、6を覆うことにより、親水性層4と低熱
流動性層9、10とによって固定され、転写紙Cが形成
される。図5に示すように、転写紙Cを常温まで放冷し
た後、第1転写部材Aの支持体1を剥離した。これによ
り、第1転写部材Aの接着剤層2が露出される。
【0035】次に、転写機上に載置された黒色トレーナ
ー11の所定の位置に、この露出した接着剤層2を当て
る。この際、画像5、6は描写されたままの正像図で被
転写体11上に位置されることになる。さらに、この転
写紙Cの最上層を構成する第2転写部材Bの支持体1上
から180℃で8秒間、圧着面にて250g/m2 程度
で熱圧着する。この圧着により、第1転写部材Aの接着
剤層2の樹脂は、溶融するとともに黒色トレーナ−11
の生地に含浸する。また、一方、高熱流動性層8の樹脂
は、著しく流動して第2転写部材Bの支持体7側に十分
に含浸され、支持体7と低熱流動性層9、10との間は
非常に緩んだ状態となる。
【0036】このような状態の熱圧着後、直ぐに支持体
7を剥離する。これは、熱圧着直後は高熱流動性層8が
依然として流動しており、かつ前述のように支持体7に
含浸しているためである。支持体7が剥離された状態に
おいて、黒色トレーナー11上の画像5、6は、隠蔽性
層3によりトレーナー11の生地の黒色が隠蔽され、白
地の背面上の蝶、蜂の画像5、6が被転写体11上にく
っきりと転写されている。一方、黒色トレーナー11に
直接接する接着剤層2においては、放冷により、接着剤
が黒色トレーナー11の生地内に含浸した状態で固化す
るため、転写紙Cと黒色トレーナー11とを強固に接着
している。
【0037】この転写された画像5、6につき、JIS
規格による洗濯テストを行ったところ、全てに一般の捺
染印刷と同等がそれ以上の強度が確認された。特に、J
IS−L−0844 A2号法による洗濯連続30回テ
ストで試験前の状態と全く外観変化が観察されなかっ
た。この実施例と同様の手順により、黒色及び種々の単
色コピーで第1転写部材Aに図柄を複写して試した結果
についても、本実施例と同様の結果が得られている。
【0038】〔実施例2〕実施例1の第1転写部材Aの
隠蔽性層3のみを排除したものを本例の第1転写部材と
して使用し、親水性層4にはエマルジョン絵の具のみに
て所定の画像6を描写し、実施例1と同様の手順により
転写紙Dを調製し、白色のTシャツ12に転写した(図
7参照)。この場合も、エマルジョン絵の具による画像
6は第1転写部材の親水性層4に明確に描写され、描写
した画像6そのままにはっきりと白地のTシャツ12に
転写された。また、本転写画像6につき、実施例1と同
様の洗濯テストを行った結果、実施例1と同等の洗濯堅
牢性を有していた。
【0039】〔実施例3〕本例においては、図8に示す
ように、第1転写部材Eの支持体13としてプラスチッ
ク製のシートを用い、その一面に剥離剤を塗布し、その
上に表8に示す架橋型熱再活性接着剤を塗布して第1層
である熱接着剤層14を形成した。
【0040】さらにこの熱接着剤層14の上に隠蔽性層
15として表9の組成の硬質インキからなる第2層を形
成した。なお、隠蔽性を必要としない場合は、本層15
は省略できる。
【0041】次に、画像を形成するための親水性層16
を第3層として形成した。本例における親水性層16の
組成は表10に示す通りである。
【0042】以上のようにして得られた第1転写部材E
の親水性層16に山の風景写真のカラーコピー5を施し
た後、山の名前をエマルジョン絵の具にて描写6して転
写要の画像(正像)とした。一方、被転写体17である
木製品の所定の表面を予め水で濡らした。
【0043】図9に示すように、支持体13を剥離剤に
より簡単に転写部材Eから剥離して、露出した熱接着剤
層14を濡れた木製品17の所定の表面に当て位置決め
し、位置決めされたその木製品17の表面に温風を当て
て乾燥した。なお、木製品17の表面を水で濡らしたの
は、位置決めを容易にするためである。そして、乾燥し
た木製品17の表面に第1転写部材Eの熱接着剤層14
を当てて120℃で2分間加熱接着した。さらに仕上げ
に透明のアクリルラッカーを塗布し、遠赤外線照射にて
ラッカーを硬化させた。
【0044】この結果、プラスチックのシート上に施し
た山の画像5と名前6を正像の図柄として有する木製品
17を得ることができた。本例の場合は、洗濯に対する
堅牢性を考慮しなくてもよいため、第1転写部材Eのみ
でも、十分に画像を被転写体表面に保持できる転写が可
能となっている。なお、その他の被転写体として金属、
陶器、プラスチック、ガラス等、多少の曲面や凹凸があ
るものにも適用できることが確認できた。また、支持体
13として実施例1に支持体として使用した上質紙でも
同様に転写可能であった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水系塗料を用いて描写した図柄及びコピーによる複写に
よって得られた図柄の双方を一体の図柄として第1転写
部材の親水性接着剤層に形成し、この図柄を第2転写部
材で覆うことにより固定して一体の図柄に対応する転写
紙とすることにより、水系塗料で描かれた図柄をそのま
ま保持して転写することができる。すなわち、この転写
紙によれば水系塗料による図柄の鮮明さがそのまま保持
されて、かつ洗濯堅牢性の高い転写画像を容易に得るこ
とができる転写紙となっている。また、この転写部材に
よれば、隠蔽性層を予め転写紙中に介在させることがで
きるため、着色した被転写体への転写が手順良く達成さ
れるとともに、親水性層の表面に水系塗料により容易に
画像を形成することもできる。さらに、本転写方法によ
れば、作成者自らの水系塗料を使用して描いた図柄を簡
単に被転写体に転写可能であるため、ホビー的使用に最
適であるとともに、コピーによる複写を使用すれば、大
量の転写が容易に行え、工業的にも価値が高い方法とな
っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の第1転写部材の構造を示す断面図で
ある。
【図2】第1転写部材の親水性層に画像を施した状態の
断面図である。
【図3】第2転写部材の構造を示す断面図である。
【図4】画像を形成した第1転写部材と第2転写部材と
の熱圧着状態を示す図である。
【図5】図4の熱圧着により形成した転写紙の第1転写
部材側の支持体を剥離して接着剤層を露出させた状態を
示す図である。
【図6】接着剤層の露出した転写紙を被転写体に熱圧着
して被転写体上に転写画像を得た状態の断面図である。
【図7】実施例2の隠蔽性層のない第2転写部材を使用
した場合の転写画像を示す断面図である。
【図8】実施例3における第1転写部材の親水性層に画
像を形成した状態の断面図である。
【図9】図8の第1転写部材の画像が被転写体である木
製品に転写された状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…第1転写部材の支持体 2、14…第1転写部材の熱再活性接着剤層 3、15…第1転写部材の隠蔽性層 4、16…第1転写部材の親水性皮膜層 5、6…画像 7…第2転写部材の支持体 8…第2転写部材の高熱流動性樹脂層 9、10…第2転写部材の低熱流動性接着剤層 11、12、17…被転写体 A、E…第1転写部材 B…第2転写部材 C、D…転写紙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】界面剥離剤を塗布したシート状の支持体上
    に、第1層として熱再活性接着剤層、第2層として親水
    性皮膜層を有し、かつ親水性皮膜層に画像が設けられた
    第1転写部材と、シート状の支持体上に第1層として高
    熱流動性樹脂層、第2層として低熱流動性樹脂層を有す
    る第2転写部材とを、第1転写部材の画像上に第2転写
    部材の低熱流動性樹脂層を重ねた状態での熱圧着により
    接合させて得られる転写紙であって、 前記画像は静電気式トナー着色方式の乾式電子複写機を
    用いて所定の原稿から複写された正像及び/又は水系塗
    料により描写された正像よりなり、熱圧着により固定さ
    れていて、かつ第1転写部材の支持体を剥離した際に
    は、熱再活性接着剤層が被転写体に接着可能な接着面と
    して露出可能に形成されてなることを特徴とする転写
    紙。
  2. 【請求項2】界面剥離剤を塗布したシート状の支持体上
    に、第1層として熱再活性接着剤層、第2層として静電
    気式トナー着色方式の乾式電子複写機による画像及び/
    又は水系塗料による画像を形成可能な親水性皮膜層を有
    していることを特徴とする転写部材。
  3. 【請求項3】親水性皮膜層が乳化アクリル樹脂及び/又
    は乳化ポリエステル樹脂、あるいは親水性活性剤と、粉
    体合成樹脂とを含ませた組成よりなることをを特徴とす
    る請求項2に記載の転写部材。
  4. 【請求項4】界面剥離剤を塗布したシート状の支持体上
    に、第1層として熱再活性接着剤層、第2層として親水
    性皮膜層を有する第1転写部材と、シート状の支持体上
    に第1層として高熱流動性樹脂層、第2層として低熱流
    動性樹脂層を有する第2転写部材とを用意し、 静電気式トナー着色方式の乾式電子複写機を用いて複写
    された正像及び/又は水系塗料により描写された正像を
    第1転写部材の親水性皮膜層に形成する工程と、 この第1転写部材の前記画像が形成された親水性皮膜層
    に前記第2転写部材の低熱流動性樹脂層を重ねて熱圧着
    して一体化して前記画像を前記親水性皮膜層に前記低熱
    流動性樹脂層により固定した転写紙とする工程と、 しかる後この転写紙を構成する第1転写部材の支持体を
    剥離して第1転写部材の熱再活性接着剤層を露出させる
    工程と、 この転写紙の前記熱再活性接着剤層を被転写体の表面に
    配して被転写体と転写紙とを熱圧着した後、第2転写部
    材の高熱流動性樹脂層とともに支持体を剥離して、第1
    転写部材の親水性皮膜層と第2転写部材の熱再活性接着
    剤層とともに画像を前記被転写体に転写する工程とから
    なることを特徴とする転写法。
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