JPH06228683A - 装飾合金 - Google Patents

装飾合金

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JPH06228683A
JPH06228683A JP4055093A JP4055093A JPH06228683A JP H06228683 A JPH06228683 A JP H06228683A JP 4055093 A JP4055093 A JP 4055093A JP 4055093 A JP4055093 A JP 4055093A JP H06228683 A JPH06228683 A JP H06228683A
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JP
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alloy
decorative
corrosion resistance
metal
mechanical strength
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JP4055093A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Nakamura
恭之 中村
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Proterial Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の装飾用Cu系合金が有する耐食性をよ
り一層向上させ、かつ一層色彩に富んだ装飾性を有し、
さらに高機械的強度を有する装飾合金の提供。 【構成】 結晶粒が500μm以上の組織を有する金属
または合金の表面を、所要の溶液でエッチング処理する
ことにより、該金属または合金の表面に美麗かつ装飾的
で幾何学的な結晶粒模様を現出させたのち、該表面を無
色または有色の樹脂またはガラスによる透明被膜を被覆
することにより、金属または合金が有する素材の耐食性
及び機械的強度と、透明被膜による耐食性及び機械的強
度との相乗効果により、極めて強固な耐食性並び高機械
的強度が実現でき、さらに、合金組成の操作による色調
に加え、透明被膜の色彩をも付与できることから、幾何
学的な結晶粒模様に各種の色彩を重ね合わせたあらゆる
要求に対応できる多彩な装飾性を実現した装飾合金を提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属または合金の表
面に結晶粒模様を現出させ、かつ無色または有色の透明
被膜を被覆した、美しい色調、すぐれた耐食性並びにす
ぐれた機械的強度を有する装飾合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、Cu系合金は、その使用目的に
より美術装飾的用途と工業的用途に大別される。Cu系
合金は、その組成により赤銅色から黄金色の特徴ある色
調を有し、また特殊な化学処理を施すことにより、褐
色、青色あるいは緑色などの種々深みのある美しい色調
が得られるため、美術装飾的用途として、美術工芸品、
食器類、装身具などとして使用される。一方、機械的強
度が高く、耐食性にすぐれ、電気伝導度がよいことか
ら、機械用あるいは電気用などの工業用材料としても使
用されている。
【0003】例えば、Cu−Al系合金においては、C
uにAlを添加しAl量が増すにつれて色調は黄金色を
増し、5〜12%でアルミ金とよばれる美しい黄金色に
なるとともに、機械的強度、耐食性および長期間にわた
る耐変色性が増すが、結晶粒が著しく粗大となり、塑性
加工性および耐食性が悪化し、強度も低下することが知
られている。従って、工業的に使用されているCu−A
l系合金は、Fe,Ni,Mnなどを添加することによ
り、結晶粒の粗大化を抑制し、組織を微細化することを
必須の条件としていた。つまり、従来よりCu系合金を
使用するにあたって、美術・装飾用品としては、その色
調と耐食性のみを、また機械部品材料あるいは電気部品
材料としては、機械的強度、耐食性、電気伝導度および
塑性加工性つまり組織を微細化することが重視されてき
た。
【0004】本発明者らは、先に、美術・装飾用品とし
てのCu系装飾合金に係り、装飾合金が有する美しい色
調と耐食性に加え、さらにすぐれた機械的強度を付加す
るため、Al9〜20%、Ni1〜10%、残部Cuか
らなる装飾用銅合金(特公昭51−5814号)、Al
1〜9%、Ni1〜10%、残部Cuからなる装飾用銅
合金(特公昭56−15464号)を提案した。本発明
者らによる上記の装飾用銅合金は、合金を鋳造する際に
晶出される鋳造組織や、800〜1000℃の温度で所
要時間焼鈍して得られる肉眼的に鑑賞される程度まで成
長粗大化した金属組織あるいは鋳造後、鋳造塊を圧延な
どにより所要形状に加工した後、熱処理を施した金属組
織をエッチングすることにより、幾何学的な結晶粒模様
を合金表面に現出させるとともに、合金が含有するAl
とNiの相互作用により、耐食性と強度を高めたもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、身の回りのあら
ゆる物品に装飾が施されるようになり、上記装飾用Cu
系合金の美術装飾的用途が拡大されつつあるが、一方
で、厳しい自然環境に長期間耐えうることができる強固
な耐食性、並びにさらに色彩に富んだ装飾性などが求め
られており、上記の装飾用Cu系合金が有する色調、耐
食性では近年の要求を満足することができなかった。
【0006】この発明は、近年の要求を満たすべく、従
来の装飾用Cu系合金が有する耐食性をより一層向上さ
せ、かつ一層色彩に富んだ装飾性を有し、さらに高機械
的強度を有する装飾合金の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、金属または
合金の表面に結晶粒模様を現出させ、かつ該金属または
合金の表面に透明被膜を被覆したことを特徴とする装飾
合金である。この発明は、金属または合金の表面を、所
要の溶液でエッチング処理することにより、該金属また
は合金の表面に美麗かつ装飾的で幾何学的な結晶粒模様
を現出させたのち、該表面を透明樹脂膜やガラス被膜な
どの透明被膜で被覆することにより、金属または合金が
本来有する素材の耐食性及び機械的強度と、透明被膜に
よる耐食性及び機械的強度との相乗効果により、極めて
強固な耐食性並びに高機械的強度が実現でき、さらに、
合金組成の操作による色調に加え、透明被膜の色彩をも
付与できることから、幾何学的な結晶粒模様に各種の色
彩を重ね合わせたあらゆる要求に対応できる多彩な装飾
性を実現することができる。
【0008】特に、合金がAl1〜20%、残部Cu及
び不可避的不純物からなるCu−Al系合金の場合に
は、結晶粒界の描く美麗かつ装飾的な幾何学的模様を現
出できるのはもちろんのこと、Alの添加量によって、
無色の透明被膜でも色調が赤色から黄金色に変化し、さ
らにエッチング処理を施すことにより褐色、青色あるい
は緑色など種々深みのある美しい色調を与えることがで
き、すぐれた色彩、高耐食性、高強度を有する装飾合金
が得られるうえ、さらにその表面に有色の透明被膜の色
彩を重ね合わせることにより、通常の着色では予期でき
ない、深みのある美しい色彩を醸し出すことができる。
【0009】この発明において、素材となる金属または
合金は、合金溶湯を砂型あるいは金型、または予め所要
形状に加工したロストワックス鋳型に鋳造し、合金が凝
固する際に晶出される樹状晶、柱状晶、チル晶、自由晶
よりなる、いわゆる鋳造組織を有する金属または合金、
あるいは鋳造後に800℃〜1000℃の温度で所要時
間の焼鈍処理を施した金属組織を有する金属または合
金、また、所要組成の金属または合金からなる溶湯を所
要の鋳型へ鋳造後、鋳造塊を熱間圧延、冷間圧延または
熱間鍛造にて所要形状に加工した後、熱処理を施した金
属組織を有する金属または合金、さらには、所要組成の
金属または合金を溶解後、粉砕して粉末化したのち、該
粉末を射出成形や圧縮成形にて所要形状に成形した成形
体を焼結して得られる金属または合金などである。
【0010】この発明おける金属または合金の製造方法
は、その用途により異なるが、例えばゴルフ用パターや
各種アクセサリー類などの立体物を作製する場合は、所
要組成の金属または合金を溶解し、該溶湯を砂型あるい
は金型または予め所要形状に加工したロストワックス鋳
型に鋳造し、直接目的とする形状を得るか、あるいは鋳
造後機械加工などを施すことにより目的とする形状を得
ることができる。また、内壁材や時計の文字板などの板
状品を作製する場合には、上記と同様に所要組成からな
る金属または合金溶湯を砂型あるいは金型などに鋳造し
た後、該鋳造塊を熱間圧延や冷間圧延などにより所要厚
みの板材にし、さらに切断やプレス加工により目的とす
る形状を得ることができ、さらに複雑な形状の場合に
は、曲げ加工や絞り加工など公知の加工技術を適用して
目的の形状を得ることができる。また、上記の如く熱間
圧延や冷間圧延などの圧延によってこの発明の装飾合金
を得る場合には、金属または合金と、それらと組成が異
なる金属または合金とをクラッドした金属または合金板
としてもよい。
【0011】この発明において、金属または合金の表
面、すなわち結晶粒模様を現出させ、かつ透明被膜を被
覆する面における金属または合金の結晶粒は500μm
以上であることが好ましい。すなわち、一般に肉眼的に
鑑賞でき装飾的に見える限界が500μm程度であり、
結晶粒が500μm未満では、結晶が小さすぎて肉眼で
はその装飾性を鑑賞することが困難となるからである。
【0012】この発明において、金属または合金には、
結晶粒模様を現出することができ、かつ鋳造組織ないし
は焼鈍後の金属組織における個々の結晶粒が肉眼的に鑑
賞できる程度に粗大化できるものであればその組成は問
わないが、金属または合金そのものの機械的強度にすぐ
れるものが好ましく、例えばFe、Ni、Al、Cu、
Cu−Al合金、Cu−Al−Ni合金、Fe−Ni合
金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Cr合金などが挙げ
られ、特に好ましくはAl1〜20%、残部Cu及び不
可避的不純物からなるCu−Al系合金である。上記C
u−Al系合金においては、Alは、色調、耐食性、機
械的強度並びに結晶粒の粗大化のために添加するが、1
%未満ではその効果が得られず、また20%を超えると
合金にβ相が出現し、鋳造後のインゴットを板形状など
に加工する際の冷間加工性が悪くなるため好ましくな
い。また、上記のCu−Al系合金にNiを添加するこ
とも、機械的強度の向上、耐食性の向上及び色調に深み
を与えるため有効であるが、必要以上に添加すると合金
が黄金色を失い白銀色に変わってしまうため10%以下
の添加が好ましい。
【0013】この発明による装飾合金において、特に鋳
造により得られた金属または合金の場合は、エッチング
により現出する結晶粒模様を感覚的にすぐれたものとす
るための仕上品の形状の大小、あるいは用途に応じて鋳
型の形状、大きさおよび温度、鋳造時の鋳込温度、鋳込
速度などの造塊条件、もしくは焼鈍温度、焼鈍時間など
の焼鈍条件を選定し、さらに通常の切断方法により平面
あるいは曲面を得るか、または熱歪により結晶粒界に沿
って破断させるかなど、切断面と鋳塊の切断個所を任意
に公知の製造法によって選ぶことにより、結晶粒の大き
さとそれらが描く幾何学的な結晶粒模様に種々な変化を
与えることができる。また、圧延を施したものの場合
は、上記鋳造の場合の選定条件に加え、さらに圧延温
度、圧延率、圧延後の加工条件、加工後の熱処理条件な
どを選定することにより、結晶粒の大きさとそれらが描
く幾何学的な結晶粒模様に種々な変化を与えることがで
きる。
【0014】この発明において、結晶粒が500μm以
上の組織を有するCu系合金にエッチング処理を施して
結晶粒模様を現出させた後、該合金表面に故意に任意な
疵をつけ、さらに耐食性加速試験器などにより該合金を
腐食させることにより、該合金につけた疵の腐食によっ
て緑青が発生するが、その緑青が人工的には描けないよ
うな不均一な模様を醸し出して、極めてすぐれた装飾効
果を得ることができ、さらにその表面に透明被膜を被覆
することにより、緑青による人的影響の問題が解消さ
れ、また緑青の発生がそれ以上進行しないので美しい模
様を半永久的に保存することができる。
【0015】この発明において、金属または合金、ある
いは上述したAl1〜20%、残部Cu及び不可避的不
純物からなるCu−Al系合金表面に被覆する透明被膜
は、高耐食性及び高表面硬度を有し、無色または着色で
きかつ透明度が高いものが好ましく、また合金によって
は所定温度以上の熱履歴をつけると強度などの特性が劣
化するものもあるので、なるべく低温度で処理できるも
のが好ましく、透明被膜としては、例えば、アクリル樹
脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレ
タン樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ビニル樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などの合成樹脂
あるいはこれらの複合樹脂、さらにガラスなどの無機物
などが好ましい。また、被覆方法としては、電着塗装
(アニオン電着、カチオン電着)、スプレー塗装、ハケ
塗り法、浸漬法などにより被覆するか、あるいは被覆後
焼付する方法など、公知の被覆方法が採用できる。
【0016】この発明の装飾合金、例えばCuであれ
ば、被覆前はいわゆる銅色であったものが、緑色や青色
や薄紫色などに着色した透明被膜を被覆することによ
り、より結晶粒模様がより深みのある色彩に変化し、ま
たFeやNiであれば、白っぽい金属光沢を種々の色彩
に変化させることができ、素材の質感を残しながら種々
の色彩による装飾効果を得ることができる。また、Cu
であれば、AlやNiなどの添加元素を添加することに
より、任意の色調を選択することができるとともに耐食
性や機械的強度も向上でき、さらに有色の透明被膜を被
覆することにより、通常の装飾品ではとても実現できな
い、幾何学的な結晶粒模様と深みのある美しい色彩とが
混合された、極めて美麗かつ装飾的な合金を得ることが
できる。この発明による装飾合金の用途としては、美術
工芸品、食器類、装身具をはじめとし、ゴルフ用パター
やアイアンのヘッド部並びにボールマーカーなどの各種
ゴルフ用品、結婚式場やパーティー会場などの内壁材や
外壁材、時計の文字盤、各種アクセサリー類やボタン、
賞などに使うカップ(優勝カップ)や、近年盛んである
アートやオブジェなどの利用へ好適である。
【0017】
【作用】この発明は、結晶粒が500μm以上の組織を
有する金属または合金の表面を、所要の溶液でエッチン
グ処理することにより、該金属または合金の表面に美麗
かつ装飾的で幾何学的な結晶粒模様を現出させたのち、
該表面を無色または有色の透明被膜を被覆することによ
り、金属または合金が有する素材の耐食性及び機械的強
度と、透明被膜による耐食性及び機械的強度との相乗効
果により、極めて強固な耐食性並び高機械的強度が実現
でき、さらに、合金組成の操作による色調に加え、透明
被膜の色彩をも付与できることから、幾何学的な結晶粒
模様に各種の色彩を重ね合わせたあらゆる要求に対応で
きる多彩な装飾性を実現した装飾合金を提供することが
できる。特に、前記の金属または合金がAl1〜20
%、残部Cu及び不可避的不純物からなるCu−Al系
合金の場合には、結晶粒界の描く美麗かつ装飾的な幾何
学的模様を現出できるのはもちろんのこと、被覆Alの
添加量によって、透明被膜の色彩なしでも色調が赤色か
ら黄金色に変化し、さらに特殊な化学処理を施すことに
より褐色、青色あるいは緑色など種々深みのある美しい
色調を与えることができ、無色の透明被膜だけでもすぐ
れた色彩、高耐食性、高強度を有する装飾合金が得られ
るうえ、さらにその表面に着色された透明被膜の色彩を
重ね合わせることにより、通常の着色では予期できな
い、深みのある美しい色彩を醸し出した装飾合金を提供
することができる。
【0018】
【実施例】
実施例1 表1に示す種々組成の合金を用い、それぞれの合金を溶
解してゴルフパターのヘッド形状を得るように加工した
ロストワックス鋳型へ鋳造し、合金表面の結晶粒が5〜
50mmからなる合金を得た。次に、該合金を加工して
最終製品形状にした後、該合金を硝酸と氷酢酸を1対1
に配合したエッチング溶液に10秒浸して結晶粒模様を
現出させた。次に、それぞれの合金表面に、透明被膜と
して無色の低温硬化型アクリル樹脂(シミズ社製エレコ
ートCMEX)をカチオン電着塗装法により20μm被
覆した。 電着条件 :浴温=22℃、電圧=50V、処理時間=
2時間、乾燥・焼付条件:予備乾燥=100℃×10
分、焼付=145℃×30分。 得られたこの発明による透明被膜を被覆した合金と、比
較例として透明被膜を被覆しない合金との塩水噴霧試験
による耐食性の評価を表1に示す。評価は、○=変色ま
たは錆びは全く認められない、△=部分的に変色または
錆びが見られる、×=全体に変色または錆びが見られる
で評価した。なお、塩水噴霧試験は、液温35℃の塩化
ナトリウム5%水溶液を継続して吹きつける試験を、4
8時間、192時間、336時間の各時間行なった。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、透明被膜を被覆
しない合金は、336時間の塩水噴霧試験を行なうと、
部分的あるいは全体的に変色または錆びが見られたが、
それに比べて透明被膜を被覆したこの発明による装飾合
金は、336時間の塩水噴霧試験を行なっても、変色や
錆びは全く見られず、すぐれた耐食性を有していること
がわかる。また、この発明による装飾合金表面の硬度を
測定(JIS三菱Hi−Uni)したが、いづれも3〜
4Hの硬度を有していた。実施例1で得られたゴルフパ
ターヘッドを用いてゴルフパターを作製し、実際使用し
てみたが、数千回の使用においても、ゴルフボールとの
接触面及び地表との接触面の被膜に疵やハガレが発生に
難く、さらに見た目に大変美しい幾何学的な結晶粒模様
を有しているので、他のゴルフパターに比べて大変装飾
的であった。
【0021】実施例2 表1の試料番号6に示す組成の合金を溶解後鋳型ヘ鋳造
した。次に合金インゴットを冷間圧延により板厚1.5
mmの合金板に加工した後、1000℃の温度で3時間
の熱処理を施した。該合金板の結晶粒を測定したとこ
ろ、結晶粒は2〜10mmであった。該合金板をプレス
で打ち抜きして幅50mm、高さ50mm、厚み1.5
mmのプレート状に加工したのち、硝酸と氷酢酸を1対
1に配合したエッチング溶液に10秒間浸して結晶粒模
様を現出させ、さらにエッチングを施した該合金板表面
に、透明被膜として無色、緑色、青色、桃色の低温硬化
型アクリル樹脂(シミズ社製エレコートCMEX)をカ
チオン電着塗装法により15μm被覆した。電着条件
:浴温=22℃、電圧=50V、処理時間=2時間、
乾燥・焼付条件:予備乾燥=100℃×10分、焼付=
145℃×30分。得られた本発明による装飾合金板
を、式場の内壁材として用いるため、既存の900mm
×1800mmの壁材の所定位置に上記プレート状装飾
合金が収まるように穴を開けて埋めこんでみたところ、
幾何学的な結晶粒模様が美しく、特に着色した透明被膜
を被覆したものは深みのある美しい色彩が得られ、さら
に角度を変えて見ることにより、種々に色調が変化し、
極めて装飾的な内壁材になった。
【0022】実施例3 表2に示す種々組成の合金を用い、それぞれの合金を溶
解、鋳造後、鋳造インゴットを冷間圧延して合金板を得
た。該合金板の硬さ、引張強さ、伸び率の測定結果をそ
の組成とともに表2に示す。次に該合金板に1000℃
の温度で3時間の熱処理を施した後、絞り加工して、大
きさの異なる椀状合金板を2つ作り、各々の椀底同士を
銀ロウ付けして優勝カップの形状にした。本実施例にて
用いた合金は、表2に示す如くすぐれた伸び率を有する
ため、絞り加工を容易に行なうことができた。上記優勝
カップ成形品を硝酸と氷酢酸を1対1に配合したエッチ
ング溶液に10秒間浸して結晶粒模様を現出させ、さら
にエッチングを施した優勝カップ成形品の全面に、透明
被膜として、無色の低温硬化型アクリル樹脂(シミズ社
製エレコートCMEX)をカチオン電着塗装法により1
5μm被覆した。 電着条件 :浴温=22℃、電圧=50V、処理時間=
2時間、乾燥・焼付条件:予備乾燥=100℃×10
分、焼付=145℃×30分。 さらに上記により得られた優勝カップ成形品の所要部分
に文字などを印刷して、また優勝カップの底部分に台板
を取りつけて本発明による装飾合金を用いた優勝カップ
を得た。得られたこの発明による装飾合金を用いた優勝
カップは、幾何学的な結晶粒模様が美しく、深みのある
美しい色彩が得られ、さらに角度を変えて見ることによ
り、種々に色調が変化し、極めて装飾的なものであっ
た。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】この発明により、金属または合金が有す
る素材の耐食性及び機械的強度と、透明被膜による耐食
性及び機械的強度との相乗効果により、極めて強固な耐
食性並び高機械的強度が実現でき、さらに、合金組成の
操作による色調に加え、透明被膜の色彩をも付与できる
ことから、幾何学的な結晶粒模様に各種の色彩を重ね合
わせたあらゆる要求に対応できる多彩な装飾性を実現し
た装飾合金を提供することができる。また、前記金属ま
たは合金がAl1〜20%、残部Cu及び不可避的不純
物からなるCu系合金の場合には、結晶粒界の描く美麗
かつ装飾的な幾何学的模様を現出できるうえ、被覆Al
の添加量によって、透明被膜の色彩なしでも色調が赤色
から黄金色に変化し、さらに特殊な化学処理を施すこと
により褐色、青色あるいは緑色など種々深みのある美し
い色調を与えることができ、無色の透明被膜だけでもす
ぐれた色彩、高耐食性、高強度を有する装飾合金が得ら
れるうえ、さらにその表面に着色された透明被膜の色彩
を重ね合わせることにより、通常の着色では予期できな
い、深みのある美しい色彩を醸し出す装飾合金を提供す
ることができる。さらに、鋳造、圧延、鍛造、焼結な
ど、金属または合金の製造方法を選定することにより、
種々の形状の装飾合金を得ることができ、あらゆる用途
に対応できる装飾合金を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属または合金の表面に結晶粒模様を現
    出させ、かつ該金属または合金の表面に透明被膜を被覆
    したことを特徴とする装飾合金。
JP4055093A 1993-02-03 1993-02-03 装飾合金 Pending JPH06228683A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4055093A JPH06228683A (ja) 1993-02-03 1993-02-03 装飾合金

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064433A (ja) * 2001-08-20 2003-03-05 Hohoemi Brains Inc 装飾用銅合金
WO2010067422A1 (ja) * 2008-12-09 2010-06-17 株式会社ジュエリー・ミウラ Au-Alの金属化合物を主とする合金及びこれを用いた装飾品

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WO2010067422A1 (ja) * 2008-12-09 2010-06-17 株式会社ジュエリー・ミウラ Au-Alの金属化合物を主とする合金及びこれを用いた装飾品

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