JPH06228696A - Di缶胴用アルミニウム合金板 - Google Patents
Di缶胴用アルミニウム合金板Info
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Abstract
同時に、DI成形−塗装焼付−ネッキング加工後のフラ
ンジ成形におけるフランジ成形性が優れた缶胴用Al合
金板を提供する。 【構成】 請求項1:Mn0.5〜1.8%、Fe0.
1〜0.7%、Si0.05〜0.5%、Cu0.05
〜0.5%、さらにTi0.005〜0.20%を単独
もしくはB0.0001〜0.05%と組合せて含有
し、その他必要に応じてCrおよび/またはZnを含有
し、30%伸びから70%伸びまでのN値が0.1未
満、5μm以上の晶出物が500個/mm2 以上、DI成
形−塗装焼付後の状態で0.5μm以上の亜結晶粒が1
0,000個/mm2 以上存在する。 請求項2:前記成
分のほか、さらにMg1.5%以下を含有する。
Description
ム缶の缶胴、すなわちDI缶胴に用いられるAl−Mn
系のアルミニウム合金板に関するものであり、特にDI
成形時のしごき加工性に優れると同時に、塗装焼付処理
およびネッキング加工後のフランジ成形性が優れたDI
缶胴用アルミニウム合金板に関するものである。
製造工程としては、DI成形によって缶胴を成形した
後、トリミングを施し、さらに塗装焼付を行なった後、
ネッキング成形およびフランジ成形を行なうのが通常で
ある。ここで、DI成形工程は、深絞りおよび再絞り
後、しごき加工を行なう工程であり、また塗装焼付に
は、一般に180〜250℃で1〜20分程度の加熱が
含まれ、この加熱によって材料は回復状態となる。さら
にネッキングは、缶胴の縁部を口絞りする加工であっ
て、それに続くフランジ成形は、口絞りされた部分の先
端を口拡げ加工していわゆるつば出しを行なうものであ
る。なおフランジ成形後には、缶蓋(缶エンド)を合わ
せるシーミング加工(巻締め)を行なって密封缶体とす
る。
Al−Mg−Mn系合金であるJIS 3004合金硬
質板が広く用いられている。この3004合金は、しご
き加工性に優れており、強度を高めるために高圧延率で
冷間圧延を施した場合でも、良好な成形性を示すところ
から、DI缶胴材に最適であるとされている。このよう
な3004合金硬質板の製造にあたっては、一般に均質
化処理を行なった後、常法に従って熱間圧延を施し、次
いで冷間圧延を施してから、または冷間圧延を施さずに
中間焼鈍を行ない、その後最終の冷間圧延を行なう工程
を適用するのが一般的である。
缶については、より薄肉化を図って材料コストの低減を
図ることが強く望まれている。そのためDI缶胴材につ
いては、より高強度化することが要求されているが、薄
肉化に伴なって材料剛性が低下し、また薄肉化のために
高い冷間圧延率を適用すれば成形性が低下する問題が生
じ、そのため現行の材料レベルと比較して大幅な向上は
望めなかったのが実情である。
れば、缶蓋径が小さくなって缶蓋材料が少なくて済むば
かりでなく、同一強度の材料を用いてもDI缶の耐圧が
増し、そのため従来と同等の材料を用いても、より薄肉
化を図ることが可能となる。
しごき加工性が良好でDI成形性が良好であっても、塗
装焼付後のネッキング加工時の絞り込みが大きくなれ
ば、冷間加工度が大きくなることによりフランジ部が硬
くなって、伸びが小さくなってしまい、その結果フラン
ジ成形性が悪くなり、またシーミング加工での成形性も
悪くなる。したがって従来の缶胴材では、実際上はDI
成形後のネッキング加工における縁部(フランジ部)の
口絞り率を余り大きくすることはできなかったのであ
る。したがって口絞り率を大きくすることによってDI
缶の耐圧を高め、薄肉化を図ることは、フランジ成形性
の点から限界があり、従来材の場合、口絞り率を10%
程度以上にすることは実用上難しいとされていた。
たもので、優れたしごき加工性を有するばかりでなく、
フランジ部の口絞り率を大きくしても良好なフランジ成
形性が得られるようにし、特に10%以上の大きな口絞
り率でも優れたフランジ成形性が得られるようにしたD
I缶胴用アルミニウム合金板を提供することを目的とす
るものである。
を解決するべく鋭意実験・検討を重ねた結果、基本的に
は、アルミニウム合金の成分組成を適切に設定すると同
時に、加工硬化指数(N値)と、金属組織条件、特に晶
出物の分散状態およびDI成形−塗装焼付処理後の亜結
晶粒分散状態を適切に設定することによって、単にしご
き加工性に優れるばかりでなく、DI缶胴としてネッキ
ング加工後のフランジ成形性が優れ、特に10%以上の
口絞り率とした場合でも優れたフランジ成形性が得られ
ることを見出し、この発明をなすに至った。
ニウム合金板は、Mn0.5〜1.8%、Fe0.1〜
0.7%、Si0.05〜0.5%、Cu0.05〜
0.5%を含有し、かつTi0.005〜0.20%を
単独でもしくはB0.0001〜0.05%と組合せて
含有し、さらに必要に応じてCr0.05〜0.3%、
Zn0.1〜0.5%のうちの1種以上を含有し、残部
がAlおよび不可避的不純物よりなり、しかも30%伸
びから70%伸びまでの加工硬化指数(N値)が0.1
未満であり、板表面に5μm以上の径の晶出物が500
個/mm2 以上の密度で分散し、さらにDI成形されかつ
塗装焼付が施された後の状態で0.5μm以上の亜結晶
粒が10,000個/mm2 以上存在することを特徴とす
るものである。
合金板は、Mn0.5〜1.8%、Mg1.5%以下、
Fe0.1〜0.7%、Si0.05〜0.5%、Cu
0.05〜0.5%を含有し、かつTi0.005〜
0.20%を単独でもしくはB0.0001〜0.05
%と組合せて含有し、さらに必要に応じてCr0.05
〜0.3%、Zn0.1〜0.5%のうちの1種以上を
含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、し
かも30%伸びから70%伸びまでの加工硬化指数(N
値)が0.1未満であり、板表面に5μm以上の径の晶
出物が500個/mm2 以上の密度で分散し、さらにDI
成形されかつ塗装焼付が施された後の状態で0.5μm
以上の亜結晶粒が10,000個/mm2 以上存在するこ
とを特徴とするものである。
金属組織状態および加工硬化指数(N値)が重要であ
り、これらが所定の範囲内にあることによってはじめて
しごき加工性、フランジ成形性、そのほかDI缶胴材に
求められる諸要求を満たすことができる。そこで先ず合
金成分組成の限定理由について説明する。
成形性向上に有効な元素である。特にこの発明で目的と
している用途である缶胴材では、DI成形時にしごき加
工されるため、とりわけMnは重要となる。アルミニウ
ム板のしごき加工においては、通常エマルジョンタイプ
の潤滑剤が用いられているが、Mn系晶出物が少ない場
合には、同程度の強度を有していてもエマルジョンタイ
プ潤滑剤だけでは潤滑能が不足し、ゴーリングと呼ばれ
る擦り疵や焼付きなどの外観不良が発生するおそれがあ
る。Mn系晶出物はしごき加工時において固体潤滑剤的
な効果をもたらして、しごき成形後の外観不良の発生を
防止するに有効であるが、その効果は、Mn系晶出物の
大きさ、量に影響されることが知られており、本発明者
等の実験によれば、合金板表面において、5μm以上の
Mn系晶出物が500個/mm2 以上存在すれば、上述の
効果が得られることが判明している。このようにMn系
晶出物を適切に生成させるためにMnは不可欠な元素で
ある。さらに、本発明材のようにN値の小さい材料にお
いては、積層欠陥エネルギが高い状態で、粗大な晶出物
近傍において加工時に転位が集中しやすく、加工が進め
ば転位が整理される現象、すなわちいわゆる加工軟化現
象を引き起こす。この意味からもMn添加は重要であ
る。Mn量が1.8%を越えれば、MnAl6 の初晶巨
大金属間化合物が発生し、著しく成形性を損なう。一方
Mn量が0.5%未満では、Mn化合物による前述の効
果が得られない。そこでMnの範囲は0.5〜1.8%
とした。
アルミニウム基地中のMn固溶量やMn系不溶性化合物
の分散状態を制御するために必要な元素である。適切な
化合物分散状態を得るめたには、Mn添加量に応じてF
eを添加することが必要である。Fe量が0.1%未満
では適切な化合物分散状態を得ることが困難であり、一
方Fe量が0.7%以上では、Mn添加に伴なって初晶
巨大化合物が発生しやすくなり、成形性を著しく損な
う。そこでFeの範囲は0.1〜0.7%とした。
出や析出を促進し、アルミニウム基地中のMn固溶量や
Mn−Fe系不溶性化合物の分散状態を制御するために
必要な元素である。適切な化合物分散状態を得るために
は、Mn,Fe添加量に応じてSiを添加することが必
要である。またMgが添加されておりしかも中間焼鈍に
おいて溶体化効果が期待できる場合には、SiはMgと
ともにMg2 Si系化合物の析出による時効硬化に寄与
する。Si量が0.05%未満ではその効果が得られ
ず、一方Si量が0.5%を越えれば、不溶性化合物の
分散状態を制御する効果が飽和し、またMgと同時添加
の場合には、時効硬化は容易に得られる反面、材料が硬
くなりすぎて成形性を阻害する。そこでSiの範囲は
0.05〜0.5%とした。
体化効果を期待することができる場合、Cuは、塗装焼
付処理時のAl−CuまたはAl−Cu−Mg系析出物
の析出過程で起る時効硬化を利用した強度向上に寄与す
る。Cu量が0.05%未満ではその効果が得られず、
一方Cuを0.5%を越えて添加した場合には、時効硬
化は容易に得られるものの、硬くなりすぎて成形性を阻
害する。そこでCuの範囲は0.05〜0.5%とし
た。
ては、鋳塊結晶粒微細化のためにTi、あるいはTiお
よびBを微量添加することが行なわれており、この発明
においても微量のTi、もしくはTiおよびBを添加す
る。但し、Ti量が0.005%未満ではその効果が得
られず、0.20%を越えれば初晶TiAl3 が晶出し
て成形性を阻害する。そこでTi量は0.005〜0.
20%の範囲とした。またTiとともにBを添加すれ
ば、鋳塊結晶粒微細化の効果が向上する。但しTiと併
せてBを添加する場合、B量が0.0001%未満では
その効果がなく、0.05%を越えればTiB2 の粗大
粒子が混入して成形性を阻害することから、Bは0.0
001〜0.05%の範囲とした。
よび不可避的不純物とすれば良いが、請求項2の発明の
場合には、そのほかMgを積極添加する。また請求項
1,2のいずれの発明の場合も、必要に応じてCr,M
nのうちの1種または2種を添加しても良い。これらの
元素についてさらに説明する。
あり、そのためネッキング加工時の加工硬化を大きくし
てフランジ成形性を劣化させるから、Mgの添加量はフ
ランジ成形性の点からは少ない方がよい。しかしなが
ら、連続焼鈍のように溶体化効果を持たせた中間焼鈍を
施す場合には、MgはSiやCuとの共存によってMg
2 SiあるいはAl−Cu−Mg相の析出による時効硬
化を期待することができ、特に塗装焼付処理時の時効硬
化によって塗装焼付処理後の強度低下を抑えるのに有効
である。さらにMgは、単独でも固溶強化に効果がある
元素である。そこで請求項2の発明の場合には、特に強
度を必要とする用途向けの缶胴用アルミニウム合金板と
して、Mgを添加することとした。但しMg量を1.5
%を越えて添加した場合には、DI成形上は問題がない
が、製造方法その他の条件で調整しても、フランジ成形
性の向上は望めないから、Mgの添加量は1.5%以下
とした。
るが、0.05%未満ではその効果が少なく、0.3%
を越えれば巨大晶出物生成によって成形性の低下を招く
ため、好ましくない。そこでCrを添加する場合のCr
量範囲は0.05〜0.3%とした。
Mg2 Zn3 Al2 の時効析出による強度向上に寄与す
る。またZnは、単独でも若干の固溶強化が期待でき
る。Znを添加する場合のZn量は、0.1%未満では
その効果が得られず、0.5%を越えれば強度への寄与
については問題ないが、耐食性を劣化させる。そこでZ
nの範囲は0.1〜0.5%とした。
る金属組織条件について説明する。
状態に関して、5μm以上の晶出物が500個/mm2 以
上存在する必要がある。既に述べたように、金属間化合
物晶出物は、しごき加工性を向上させて、ゴーリングに
よる外観不良の発生を防止するに有効であるが、5μm
未満の微細な晶出物はしごき加工性の向上にさほど寄与
せず、また5μm以上の晶出物の分布密度が500個/
mm2 未満では充分なしごき加工性向上効果が得られな
い。
れさらに塗装焼付が施された後の状態で、0.5μm以
上の亜結晶粒が10,000個/mm2 以上の分布密度で
存在するような組織状態であることを必要とする。一般
に冷間での加工によって歪(転位の蓄積エネルギ)が導
入されたアルミニウム合金板に対して等温焼なましに相
当する熱処理を行なえば、転位密度の減少とともに、方
位差の小さいセル壁が小角粒界(亜粒界)へ変化して、
亜結晶粒(サブグレイン)が生じ、さらに時間とともに
亜結晶粒の粗大化が生じ、この過程における亜結晶粒の
異常成長粒が核となって再結晶粒が生じ、再結晶組織が
生成される。この発明の場合、上述のような過程のう
ち、亜結晶粒が生じた段階の組織としておくことによっ
て、ネッキング加工における口絞り率が10%以上と大
きくても、優れたフランジ成形性を得ることができる。
ここで、0.5μm未満の微小な亜結晶粒は前述のよう
なフランジ成形性の向上にほとんど寄与せず、またその
0.5μm以上の亜結晶粒の密度が10,000個/mm
2 未満でも充分なフランジ成形性の向上は認められな
い。なおこの発明では、亜結晶粒に関する条件は、飽く
までDI加工を施しさらに焼付塗装処理を施した後の状
態で定めておく必要がある。すなわち、板の製造過程に
おける再結晶後の冷間圧延と、その後のDI成形におけ
るしごき加工とによって冷間加工がなされて冷間加工歪
(転位)が導入され、その後に180〜250℃程度で
1〜20分程度の塗装焼付処理を施したときに前述のよ
うな亜結晶粒が生成され、その亜結晶粒がネッキング加
工後のフランジ加工においてフランジ成形性を向上させ
るに寄与するからである。なおまた、この場合に塗装焼
付処理によって前述のような亜結晶粒を生成させるため
には、DI成形のしごき加工における加工率が40%以
上であることが望ましい。
30%伸びから70%伸びまでの間における加工硬化指
数(N値)が0.1未満であることが必要である。この
ような30%伸びから70%伸びに至るまでの間のN値
とは、荷重最大点の伸び(破断伸び)の30%、70%
間の加工硬化指数を意味する。具体的には、図1の荷重
−伸び曲線について示しているように、荷重最大点に相
当する伸びすなわち最大荷重点伸びをeとし、その最大
荷重点伸びeの30%に相当する伸びを30%伸びe1
(=0.3e)、最大荷重点伸びeの70%に相当する
伸びを70%伸びe2 (=0.7e)とし、e1 ,e2
に対応する荷重をP1 ,P2 とすれば、N値は次式で与
えられる。
伸びに至るまでの間の応力−歪曲線(S−Sカーブ)の
傾きに相関し、N値が小さいほど30%伸びから70%
伸びまでの間の傾きが小さくなる。そしてこの傾きは、
見掛けの加工硬化に相当し、深絞りや缶胴の縁部に対す
るフランジ加工の如き強加工の場合に、上記のN値を
0.1未満として30%から70%までの間のS−Sカ
ーブの傾きを小さくすることが成形荷重を小さくするに
有効である。
を製造する方法について説明する。
板の製造と同様に、鋳造後に均熱(均質化処理)を行な
ってから、あるいはさらに熱間圧延前予備加熱を行なっ
てから熱間圧延を施し、熱間圧延後ただちに、あるいは
必要に応じて所定の中間板厚まで冷間圧延を施してから
中間焼鈍を行ない、さらに最終板厚まで最終冷間圧延を
行なえば良いが、以下にこれらの工程についての望まし
い条件を説明する。
固界面の移動速度が10m/min 以下となるような条件
であれば、この発明で規定している成分組成範囲内の合
金について、最終的に前述のような晶出物分散状態を得
ることが可能となる。具体的な鋳造方法としては、DC
鋳造法(半連続鋳造法)、連続鋳造法のいずれを適用し
ても良い。
後に熱間圧延前予備加熱を行なうか、または均質化処理
を兼ねた熱間圧延前予備加熱を施し、引続き熱間圧延を
行なう。これらの均質化処理もしくは均質化処理を兼ね
た熱間圧延前予備加熱は、500〜620℃にて行なえ
ば、その後の圧延には支障なく、またMn等の遷移元素
のアルミニウム基地中への固溶量やMn−Fe系不溶性
化合物の分散状態を制御できる。
を考慮すれば、200〜600℃で行なわれることが望
ましく、また上り板厚は6mm以下が好ましい。
か、あるいは所要の中間板厚まで冷間圧延を施してか
ら、中間焼鈍を行なう。この中間焼鈍には、箱型焼鈍炉
を用いたバッチタイプの焼鈍、あるいは連続焼鈍炉を用
いた連続焼鈍のいずれを適用しても良いが、溶体化効果
を期待する場合には、高温から急冷する連続焼鈍炉を用
いることが適当である。この中間焼鈍は、冷間圧延時の
エッジ部の耳割れ防止や最終板の深絞り耳率等を考慮し
て、冷間圧延を間に挟んで2回以上行なっても良いが、
いずれにしても少なくとも1回以上は材料が再結晶する
条件で中間焼鈍を行なう必要がある。
期の目的を達成するするためには、冷間圧延率を大きく
することが好ましい。そして最終板のN値を小さくする
ためには、合金成分との兼ね合いから、60%以上の冷
間圧延率とすることが望ましい。また、DI成形、焼付
塗装後の状態で前述のように亜結晶粒を存在させるため
には、再結晶処理に相当する最終の中間焼鈍後(最終冷
間圧延前)の板厚からDI成形を経た後の缶胴縁部の板
厚までの減厚率が75%以上であることが好ましく、し
たがって最終冷間圧延後のDI成形工程における減厚率
を考慮して最終冷間圧延率を定めることが適当である。
るために最終焼鈍を行なっても良いが、溶体化効果を期
待した焼鈍の場合には、最終焼鈍によってDI成形後の
フランジ部の加工硬化性を高めてしまうから、150℃
より低い温度で行なうことが好ましい。また、250℃
を越える温度で最終焼鈍を行なえば、部分再結晶が生じ
てN値を高めてしまい、またその後の塗装焼付処理によ
って亜結晶粒が生成され難くなるから、最終焼鈍は高く
ても250℃以下の温度で行なうことが好ましい。
ウム合金板を実際に缶胴に用いるにあたっては、DI成
形を施して缶胴形状とし、さらに塗装焼付処理を行なっ
てから、缶胴の縁部に対してネッキング加工、フランジ
加工を行なう。そしてその後、缶蓋材(缶エンド)と合
わせてシーミング加工を行ない、飲料缶等とする。
ごき加工によって行なわれるが、しごき加工は加工率
(減厚率)を40%以上とすることが、その後の塗装焼
付処理によって前述のような亜結晶粒存在状態とするた
めに有利である。そして、しごき加工率を40%とし、
かつ再結晶焼鈍に相当する最終中間焼鈍後の板厚からD
I成形終了後の缶胴縁部の板厚までの減厚率を75%以
上に設定しておけば、この発明の成分組成範囲内の合金
であれば、通常の塗装焼付処理条件(180〜250℃
×1〜20分程度)で、前述のような亜結晶粒存在状態
を得ることができる。
発明で目的とする金属組織条件、N値条件を満たすアル
ミニウム合金板を得ることができる。
常法に従ってDC鋳造し、2,500mm厚の鋳塊を得、
その後表2に示すような条件で処理した。すなわち鋳塊
に対し先ず表2中に示す条件で均質化処理を施し、50
0℃で熱間圧延を開始して、表2中に示す板厚の熱延板
を得た。次いで熱延板に対し、表2中に示すように、一
次冷間圧延を施してから、あるいは一次冷間圧延を施さ
ずに、中間焼鈍を施した。ここで、表2中における中間
焼鈍の方式についての「CAL」は連続焼鈍をあらわ
し、この場合の加熱・冷却速度は約20℃/秒である。
また「バッチ」は箱型焼鈍炉によるバッチ焼鈍をあらわ
し、この場合の加熱・冷却速度は約30℃/時間であ
る。このようにして中間焼鈍を行なった後、再び表2中
に示す条件で最終の冷間圧延を行ない、さらに一部のも
のについては表2中に示す条件で最終焼鈍を施した。
ついて、得られた機械的特性および成形性を調べるとと
もに、表面の晶出物分布および亜結晶粒存在状態につい
て調べたので、その結果を表3、表4に示した。機械的
特性としては、元板(すなわち塗装焼付相当処理を行な
わない状態のもの)について測定するとともに、200
℃×20分の加熱による塗装焼付(ベーキング)相当処
理を行なった後の板について測定した。元板について
は、30%伸びから70%伸びまでの間の加工硬化指数
(N値)も調べた。ここでN値は、伸びとして測定幅5
0mmに対する伸びの値を用い、前述の式に示した方法で
算出した。また表面の晶出物分布については、表面研磨
後、画像解析装置により2値化して、5μm以上の晶出
物の個数を調べた。さらに成形性のうち、「DI成形
性」については、実際にDI成形を行なってゴーリング
(縦疵)の発生を調べ、ゴーリングの発生のない場合に
○印を、発生したものに×印を付した。さらにフランジ
成形性の指標としては、13%口絞り後の限界フランジ
伸びの値を調べた。具体的には、板厚0.3mmの缶胴材
に対して、フランジ部板厚0.168μmとなるまでし
ごき加工を行なった後(しごき率44%)、200×2
0分の塗装焼付処理を行ない、その後13%のネッキン
グ(口絞り)成形を行ない、図2に示すように4段ネッ
クの缶胴材1の縁部2にコーン(テーパーパンチ)3を
押込んで、破断に至るまでの穴拡がり長さ(限界フラン
ジ伸び)について測定して、フランジ成形性の指標とし
た。この場合の数値は、大きい方が良好なフランジ成形
性を示す。また表4中のフランジ部の0.5μm以上の
亜結晶粒の存在状態については、前記同様に0.3mmの
缶胴材について、しごき率44%のしごき加工を行なっ
た後、200℃×20分の塗装焼付処理を行なってか
ら、透過電子顕微鏡により観察した。
記号A〜Fの各合金はこの発明で規定する成分組成条件
を満たす発明合金、合金記号Gの合金は、従来の505
2合金に相当するものであって、Mn,Mgがこの発明
で規定する範囲を外れている。そして発明合金A〜Fに
ついての製造番号1〜8のうち、製造番号1〜5,7に
ついては、晶出物分布状態、亜結晶粒存在状態、N値条
件のいずれもがこの発明で規定する範囲を満たしてお
り、これらの場合にはいずれもDI成形時のゴーリング
の発生がなく、かつフランジ加工性が後述する製造番号
6の比較例よりも優れていることが判明した。ちなみ
に、亜結晶粒存在状態については、直径0.8μm程度
の亜結晶粒が10,000個/mm2 以上の分布密度で分
散していることが判明した。
布状態はこの発明の範囲を満たしているため、DI成形
については特に問題ないが、N値が高く、また亜結晶粒
の存在が確認されないため、フランジ成形性に劣る結果
となった。
(合金記号G)を用いたものであり、この場合には、M
n添加量が少ないため充分な晶出物分布が得られず、そ
のためDI成形時にゴーリングが発生して、頻繁に缶切
れが生じた。またこの場合、Mgの添加量も過剰である
ため、N値を下げるべく中間焼鈍後の冷間圧延率を大き
くしたが、それでもN値が大きく、かつ亜結晶粒の存在
もないため、フランジ成形性に劣る結果となった。
は、合金成分組成を適切に設定すると同時に、N値と晶
出物分布状態および亜結晶粒存在状態を適切に設定する
ことによって、DI成形における良好なしごき加工性が
得られるばかりでなく、フランジ加工時におけるフラン
ジ成形性が優れ、特に口絞り率10%以上のネッキング
加工を施した後のフランジ加工においても良好なフラン
ジ成形性を示すことができる。したがってこの発明のア
ルミニウム合金板を用いてDI缶を製造するにあたって
は、DI缶胴の口絞り率を10%以上に大きくすること
ができるため、同じ強度の材料を用いても缶の耐圧を大
きくすることができ、したがって従来よりもさらに薄肉
化を図ることが可能となる。
図である。
示す略解図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mn0.5〜1.8%(重量%、以下同
じ)、Fe0.1〜0.7%、Si0.05〜0.5
%、Cu0.05〜0.5%を含有し、かつTi0.0
05〜0.20%を単独でもしくはB0.0001〜
0.05%と組合せて含有し、さらに必要に応じてCr
0.05〜0.3%、Zn0.1〜0.5%のうちの1
種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物より
なり、しかも30%伸びから70%伸びまでの加工硬化
指数(N値)が0.1未満であり、板表面に5μm以上
の径の晶出物が500個/mm2 以上の密度で分散し、さ
らにDI成形されかつ塗装焼付が施された後の状態で
0.5μm以上の亜結晶粒が10,000個/mm2 以上
存在することを特徴とする、しごき加工性に優れかつネ
ッキング加工後のフランジ成形性に優れたDI缶胴用ア
ルミニウム合金板。 - 【請求項2】 Mn0.5〜1.8%、Mg1.5%以
下、Fe0.1〜0.7%、Si0.05〜0.5%、
Cu0.05〜0.5%を含有し、かつTi0.005
〜0.20%を単独でもしくはB0.0001〜0.0
5%と組合せて含有し、さらに必要に応じてCr0.0
5〜0.3%、Zn0.1〜0.5%のうちの1種以上
を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなり、
しかも30%伸びから70%伸びまでの加工硬化指数
(N値)が0.1未満であり、板表面に5μm以上の径
の晶出物が500個/mm2 以上の密度で分散し、さらに
DI成形されかつ塗装焼付が施された後の状態で0.5
μm以上の亜結晶粒が10,000個/mm2 以上存在す
ることを特徴とする、しごき加工性に優れかつネッキン
グ加工後のフランジ成形性に優れたDI缶胴用アルミニ
ウム合金板。
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|---|---|---|---|
| JP4214193A JP2862198B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | Di缶胴用アルミニウム合金板 |
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|---|---|---|---|
| JP4214193A JP2862198B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | Di缶胴用アルミニウム合金板 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06228696A true JPH06228696A (ja) | 1994-08-16 |
| JP2862198B2 JP2862198B2 (ja) | 1999-02-24 |
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|---|---|---|---|
| JP4214193A Expired - Fee Related JP2862198B2 (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | Di缶胴用アルミニウム合金板 |
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| JP (1) | JP2862198B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004183035A (ja) * | 2002-12-02 | 2004-07-02 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | ネジ付アルミ缶胴用アルミニウム合金板 |
| CN103160718A (zh) * | 2011-12-16 | 2013-06-19 | 株式会社三崎产业 | 铝合金、铝合金制坯、热辊以及热辊的制造方法 |
| JP2014208905A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-11-06 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金ブレージングシート |
| CN104480353A (zh) * | 2014-12-12 | 2015-04-01 | 李树青 | 可阳极氧化的压力铸造铝合金配方 |
| JP2018510967A (ja) * | 2015-03-13 | 2018-04-19 | ノベリス・インコーポレイテッドNovelis Inc. | 高度に成形された包装製品用アルミニウム合金及びその作製方法 |
| WO2022234745A1 (ja) * | 2021-05-07 | 2022-11-10 | 株式会社Uacj | 飲料缶胴用アルミニウム合金板 |
-
1993
- 1993-02-05 JP JP4214193A patent/JP2862198B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2862198B2 (ja) | 1999-02-24 |
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