JPH0623143B2 - アルギニンの分離精製法 - Google Patents

アルギニンの分離精製法

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JPH0623143B2
JPH0623143B2 JP61135517A JP13551786A JPH0623143B2 JP H0623143 B2 JPH0623143 B2 JP H0623143B2 JP 61135517 A JP61135517 A JP 61135517A JP 13551786 A JP13551786 A JP 13551786A JP H0623143 B2 JPH0623143 B2 JP H0623143B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アルギニンの分離精製法に関し、更に詳しく
は、少なくともリジン、オルニチン、チトルリン、ヒス
チジン、硫酸根、塩素イオン及び色素の1または2以上
を主体とする不純物を含有するアルギニン水溶液を強酸
性カチオン交換樹脂を用いるイオン排除クロマトグラフ
ィーに付して、そのようなアルギニン水溶液からそのよ
うな不純物を除去して高純度のアルギニンを高収率で分
離精製する方法に関するものである。
アルギニンは通常発酵法により製造されるが、その一方
法としてグルコースを主原料とする発酵法がある。この
方法で得られるアルギニン発酵液は数種の副生アミノ酸
を含んでいるが、その中でもアルギニンと挙動が類似し
ているリジン、オルニチン、チトルリン、ヒスチジンは
除去しにくいアミノ酸である。又、その他にも硫酸根、
塩素イオン、色素等の不純物を含んでいる。このような
発酵液は、後述のように、本発明で処理されるべきアル
ギニン水溶液の典型例である。なお、その他の方法によ
り得られるアルギニンについても同様のことが云える。
アルギニン発酵液中のアルギニンの分離精製方法として
は、アンモニウム型の強酸性陽イオン交換樹脂と接触さ
せてアルギニンを吸着させた後これをアンモニアと塩化
アンモニウムの混合水溶液を使用して溶離させる方法
(特開昭50-6778)がある。この場合、菌体及び色素の
一部は吸着工程で貫流する。しかしイオン交換を主体と
した樹脂法の場合、pHの変動によりアルギニンが樹脂と
イオン交換せずに貫流したりして、収率低下をひきおこ
す点、樹脂の再生のためにアンモニアと塩化アンモニウ
ムを使用する点、及び操作が複雑である点で問題があ
る。また、この方法では、リジン、オルニチン、チトル
リン、ヒスチジンはアルギニンと挙動を共にするため、
アルギニンを分離することはできない。
本発明者は、鋭意研究の結果、リジン、オルニチン、チ
トルリン、ヒスジン、硫酸根、塩素イオン及び色素の1
または2以上を主体とする不純物が夾雑するアルギニン
発酵液から純度の極めて高いアルギニンを分離精製する
方法において、その一工程として、強酸性カチオン交換
樹脂を用いるイオン排除クロマトグラフィーで処理する
ことにより極めて簡単な操作で、収率よく高純度のアル
ギニンを取得しうることを見いだし本発明を完成した。
もっとも本発明の適用は、後述のように、そのようなア
ルギニン発酵液の処理に限定されるものではない。
一般に非電解質あるいは弱電解質の化合物は強電解質の
化合物からイオン排除クロマトグラフィーによって分離
することができる。これは電荷を有するイオン交換基の
ために強電解質の化合物はドナン電位によって排除され
るので、イオン交換樹脂の内部へは浸透できないが、非
電解質あるいは弱電解質の化合物は自由に浸透できるか
らである。本発明はこの法則に基づく。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明に云う少なくともリジン、オルニチン、チトルリ
ン、ヒスチジン、硫酸根、塩素イオン及び色素の1また
は2以上を主体とする不純物を含有するアルギニン水溶
液とは、除菌したまたは除菌しないアルギニン発酵液、
その発酵液より取得したアルギニン粗結晶の溶解液、ア
ルギニン晶析母液などを挙げることができる。この他に
もリジン、オルニチン、チトルリン、ヒスチジン、硫酸
根、塩素イオン及び色素の1または2以上を主体とする
不純物が夾雑したアルギニンを含む水溶液であれば、い
かなるものでも本発明を適用できる。このような水溶液
のアルギニン濃度に特に制限はなく、アルギニンが溶解
している状態であれば良い。
不純物を含有するアルギニン水溶液をイオン排除クロマ
トグラフィーに付するに際し、先ずアルギニン水溶液を
アルギニンの等電点(pH=11.15)又はその近傍のpHに
調整することによりアルギニンの大部分を非電荷の状態
とする。リジン、オルニチン、チトルリン、ヒスチジ
ン、硫酸根及び塩素イオンはそのpHではアニオンとして
存在する。
一方、強酸性カチオン交換樹脂は、そのようなアニオン
の対イオンとなっているカチオンの型にする。
因みに、イオン排除クロマトグラフィーに付すべき水溶
液に含まれるカチオンが複数種の場合、分離性が低下す
る。そこで、分離性を低下させない為にあらかじめカチ
オン交換樹脂におけるイオン交換等の前処理を行ない夾
雑カチオンを除いておくとよい。イオン排除クロマトグ
ラフィーはアニオン交換樹脂を使用しても成り立つが、
本発明の対象たるアルギニンの場合、アルギニンの等電
点ではリジン、オルニチン、チトルリン、ヒスチジン、
硫酸根及び塩素イオンはアニオンの形で存在するので、
即ちアニオン種が多いので、分離性が低下し、実用的で
ない。
本発明に用いる強酸性カチオン交換樹脂は、ダイヤイオ
ンSK-102,SK-104,SK-106,SK1B,SK-104S,SKIBS及びUBK-1
01L(三菱化成社製)、XFS-43279,XFS-43280,XFS-4328
1,HCR-W2及びTG8500A(ダウケミカル社製)、C−2
0,C−25D,ES−26及びC−3(デュオライト社
製)、S−100,S−109,SP-112及びSP−1
20(レバチット社製)並びにIR-116,IR-118,IR-120B,
IR-122,IR-124,IR-252,IR200C及びIR-200CT(アンバー
ライト社製)等の主にスチレン系の樹脂が利用できる。
これらの中でも特に架橋度4−8%の樹脂の分離性能が
最も良い。
使用する強酸性カチオン交換樹脂量は、アルギニン濃度
が10%程度で、不純物濃度が1%程度の水溶液の場
合、その水溶液量の4−5倍量程度で充分である。水溶
液のアルギニン及び不純物全体の濃度が小さくなれば、
樹脂量は更に少なくて良い。適当な樹脂量は、当業者で
あれば事前実験により容易に定め得る。
操作温度には特に制限はなく、強酸性カチオン交換樹脂
の耐熱温度内であればよい。温度を上げれば夾雑物とア
ルギニンとの分離速度は増すが、アルギニンの分解が促
進される為、その溶液に応じた最適の温度でおこなうと
よい。
被処理液に含まれるカチオンに応じた型にした強酸性カ
チオン交換樹脂をカラムに充填し、カラム上部に上述の
目安で被処理液を注入する。例えば、アルギニン発酵液
に含まれる夾雑物がナトリウム塩として存在する場合、
ナトリウム型の強酸性カチオン交換樹脂をカラムに充填
し、その上部にpHをアルギニンの等電点又はその近傍に
調整したアルギニン発酵液を適当量注入する。
次いで溶離液として水を通液すると、まず前記の夾雑不
純物が溶離した後にアルギニンが溶離してくるが、アル
ギニン画分が溶出している間に、pHが低下したアルギニ
ンがわずかにカチオンとして存在する為実施例1に示し
たように、樹脂とイオン交換してしまう。そこで溶離液
としてNaOHでpHをアルギニンの等電点又はそれ以上に調
整した水を通液すると、まず前記の夾雑不純物が溶離し
た後アルギニンが溶離してくる。そこで本発明では、Na
OHでpH調整した溶離液を用いることによりアルギニンを
樹脂に吸着させることなくアルギニンをほぼ100%回
収出来ることを見いだした(実施例2)。
因みに本発明のイオン排除クロマトグラフィーに付すべ
きアルギニン発酵液に菌体及び/又は色素が含まれてい
ても、これらはリジン、オルニチン、チトルリン、ヒス
チジン、硫酸根及び塩素イオンのナトリウム塩と挙動を
共にするので通常は問題とならないが、必要に応じて樹
脂層の閉塞を防止するため事前にアルギニン発酵液より
菌体を除去しておく。
水の通液速度(SV)については特に制限はなく、通常の0.
5−4程度であればよい。pH,屈折率などで溶離液の成
分の時間的変化を追跡して目的物の画分を得る。目的物
含有画分から目的物を単離するのは常法でよい。
このように不純物を含むアルギニンの精製において、イ
オン排除クロマトグラフィーでは不純物を含むアルギニ
ン水溶液のpHを該アミノ酸の等電点付近に調整し、不純
物のアニオンと対イオンになっているカチオンの型の強
酸性陽イオン交換樹脂にフィードすれば、以後は樹脂の
カチオンと同一のカチオンを有する希アルカリ水のみの
処理でよいため、再生、洗浄等のための酸、アルカリの
使用が不要で経済性に優れ、操作製も極めて簡単なもの
となる。
実施例1 L−アルギニン100g/及びリジンナトリウム塩10
g/を含むL−アルギニン水溶液40ml(pH=11.3)を
XFS-43279(架橋度4%)のNa型を200ml充填したカ
ラム(φ3.2cm×H25cm)の上部に注入した。45℃,S
V=1.0の条件下で水を通液して溶離をおこなった。
先にリジンナトリウム塩が溶出され、続いてL-アルギニ
ンが溶出された。溶出液量80−360mlの分画部を採
取し、そのうち80−160mlを副分画部、170−3
60mlを主分画部とした。主分画部はL−アルギニンの
みであり、リジンナトリウム塩は100%除去され、L
−アルギニンの回収率は70%であった。副分画部には
リジンナトリウム塩が100%回収されていた。pHの変
化を測定したところ、主分画部ではpHが下がる傾向がみ
られ、アルギニンがカチオンとして存在したため樹脂に
吸着したと考えられた。
因みに、この実施例から理解されるように、本発明の名
称はアルギニンの分離精製法となっているが、アルギニ
ンとリジンの相互分離法も本発明に含まれる。
実施例2 L−アルギニン100g/及びリジンナトリウム塩10
g/を含むL−アルギニン水溶液40ml(pH=12.0)を
XFS-43279のNa型を200ml充填したカラム(φ3.2cm×
H25cm)の上部に注入した。45℃,SV=1の条件下で
NaOHによりpHを13程度に調整した水を通液して溶離を
おこなった。
先にリジンナトリウム塩が溶出され、続いてL-アルギニ
ンが溶出された。溶出液量80−360mlの分画部を採
取し、そのうち80−160mlを副分画部、170−3
60mlを主分画部とした。主分画部はL−アルギニンの
みであり、リジンナトリウム塩は100%除去され、L
−アルギニンの回収率は99%であった。
実施例3 L−アルギニン80g/、リジンナトリウム塩4g/、
オルニチンナトリウム塩3g/、チトルリンナトリウム
塩8g/、ヒスチジンナトリウム塩0.4g/、塩化ナト
リウム8.5g/及び硫酸ナトリウム0.3g/を含みpH=1
1.32に調整した除菌L−アルギニン発酵液40mlをXFS-
43279のNa型を200ml充填したカラム(φ3.2cm×H25
cm)の上部に注入した。45℃,SV=1の条件下でNaOH
によりpHを13程度に調整した水を通液して溶離をおこ
なった。
先にリジンナトリウム塩、オルニチンナトリウム塩、チ
トルリンナトリウム塩、ヒスチジンナトリウム塩、塩化
ナトリウム及び硫酸ナトリウムが溶出され、続いてL−
アルギニンが溶出された。溶出液量80−350mlの分
画部を採取し、そのうち80−150mlを副分画部、1
60−350mlを主分画部とした。主分画部はL−アル
ギニンが大部分でありリジンナトリウム塩、オルニチン
ナトリウム塩及びヒスチジンナトリウム塩、塩化ナトリ
ウム及び硫酸ナトリウムの除去率はそれぞれ99%,9
8%,98%,97%,98%,99%であり、L−ア
ルギニンの回収率は100%であった。尚、最初のアル
ギニン水溶液の着色度は1.42(分光光度計400nm)であ
ったが、主分画部のそれは平均で0.024であり色の除去
率は92%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともリジン、オルニチン、チトルリ
    ン、ヒスチジン、硫酸根、塩素イオン及び色素の1また
    は2以上を主体とする不純物を含有するアルギニン水溶
    液のpHをアルギニンの等電点付近に調整し、不純物ア
    ニオンの対イオンとなっているカチオンの型に調整した
    強酸性陽イオン交換樹脂にフィードし、しかる後、強酸
    性陽イオン交換樹脂と同一のカチオンを有するpH11
    以上に調整された希アルカリ水で溶出することを特徴と
    するイオン排除クロマトグラフィーによるアルギニンの
    分離精製法。
JP61135517A 1986-04-28 1986-06-11 アルギニンの分離精製法 Expired - Lifetime JPH0623143B2 (ja)

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