JPH06233568A - 光アクチュエータ - Google Patents

光アクチュエータ

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JPH06233568A
JPH06233568A JP1426193A JP1426193A JPH06233568A JP H06233568 A JPH06233568 A JP H06233568A JP 1426193 A JP1426193 A JP 1426193A JP 1426193 A JP1426193 A JP 1426193A JP H06233568 A JPH06233568 A JP H06233568A
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JP
Japan
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light
driven body
magnetic
magnet
optical
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Pending
Application number
JP1426193A
Other languages
English (en)
Inventor
Iwao Hatakeyama
巌 畠山
Hironori Yamazaki
裕基 山崎
Yoshimitsu Otani
佳光 大谷
Yasuyuki Sugiyama
泰之 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Inc
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】微小な物体を3次元的に自由に移動することを
可能とする、光アクチュエータを提供する。 【構成】温度の上昇により磁化が大きくなる磁性体を取
付けられた被駆動体7と、液体中に浮遊する当該被駆動
体7へ磁場を印加できる位置に配置される磁石と、当該
磁石を任意の位置に動かすことのできる動力部と、前記
被駆動体7を加熱するための光源17と、当該光源17
からの光を位相共役鏡13機構により前記被駆動体へ導
く光学系8とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体中で微小な物体を
遠隔操作で駆動する必要のある分野、例えば医療機器,
投薬,治療,ロボットの分野或いは配線を嫌う電気や光
のスイッチを利用する電子,光学機器の分野に適用され
る光アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクチュエータは各種提案されて
きた。まず、熱膨張や光音響効果を用いて気体や液体を
動かすアクチュエータ、次に、温度により磁化の方向が
変化する磁性体をロータとして用い光照射により磁化方
向変化を起こすことにより固定磁石をステータとして回
転する光アクチュエータ等である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、まず、第1の
方法によるアクチュエータでは固体の駆動体を3次元的
に自由に駆動することは不可能である。また、第2の方
法による光アクチュエータでは、光照射により回転とい
う単一動作は可能であるものの、光によって任意の方向
へ動作させることは不可能である。
【0004】また、医療分野において、投薬を患部にだ
け集中して行う方法として、磁性フェライトを薬剤とと
もにカプセルにいれ、患部に磁場を集中させることが行
われている。この場合、磁場は人体の外部から印加する
ため、人体内部の特定の場所のみに磁場を印加させるこ
とは不可能である。
【0005】更に、光の圧力(=光圧)により、気体や
液体中の微小物体を任意の方向に移動する方法も既に知
られている。しかし、光圧は非常に微小であるため、浮
力と釣り合っている10μm程度の微小なポリスチレン
ラテックス球のトラッピングしか成功していない。
【0006】このように、mmオーダの物体を3次元的
に自由に移動させる技術は、過去に存在していなかっ
た。ここにおいて本発明は、前記従来の技術の課題に鑑
み、微小な物体を3次元的に自由に移動することを可能
とする、光アクチュエータを提供せんとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本発
明の次に列挙する新規な特徴的構成手段を採用すること
により達成される。即ち、本発明の第1の特徴は、温度
の上昇により磁化が大きくなる磁性体を取付けられた被
駆動体と、流体に浮遊する当該被駆動体へ磁場を印加で
きる位置に配置される磁石と、当該磁石を任意の位置に
動かすことのできる動力部と、前記被駆動体を照射する
ための光を放出する光源と、当該光源からの光を位相共
役鏡機構により前記被駆動体へ導く光学系とからなる光
アクチュエータである。
【0008】本発明の第2の特徴は、前記第1の特徴に
おける磁性体が、Rhを48〜54at%含むRhFe
合金である光アクチュエータである。
【0009】本発明の第3の特徴は、前記第1又は第2
の特徴における磁石が、永久磁石或いは電磁石であり、
被駆動体の駆動方向に対して平行に直進退自在、及び当
該被駆動体の駆動方向を軸として回転自在としてなる光
アクチュエータである。
【0010】本発明の第4の特徴は、前記第1,第2又
は第3の特徴における磁場が、被駆動体の駆動方向に垂
直の面で一軸性の異方的な分布を示してなる光アクチュ
エータである。
【0011】本発明の第5の特徴は、前記第1,第2,
第3又は第4の特徴における磁性体が、板状或いは板状
に近い回転楕円体、又は外形が回転楕円体の表面部の形
状をなす光アクチュエータである。
【0012】本発明の第6の特徴は、前記第1,第2,
第3,第4又は第5の特徴における磁性体が、被駆動体
の駆動方向と平行な方向が磁化容易軸とする一軸磁気異
方性を付与されてなる光アクチュエータである。
【0013】本発明の第7の特徴は、前記第1,第2,
第3,第4,第5又は第6の特徴における流体が、被駆
動体を構成する主な材料の比重と同等以上の比重を持っ
てなる光アクチュエータである。
【0014】本発明の第8の特徴は、前記第1,第2,
第3,第4,第5,第6又は第7の特徴における光源
が、波長の異なる加熱光と位置検出光をそれぞれ放出す
る一対のレーザー光源である光アクチュエータである。
【0015】本発明の第9の特徴は、前記第1,第2,
第3,第7又は第8の特徴における光学系が、位置検出
光を双方向から入射し被駆動体の直進反射光を入射した
時位相共役光を出射する位相共役鏡と、当該位相共役光
を透過直進しかつ反射光を前記位相共役鏡の前記直進反
射光と屈折反射光に二分岐するとともに加熱光を不透過
屈折するハーフミラーと、当該屈折反射光の内前記位相
共役光成分波長のみ濾過するフィルターと、当該フィル
ターを透過した当該屈折反射光の照射位置を検出し、前
記ハーフミラーを前記被駆動体に追従回転制御するため
のディテクタアレイとを具備してなる光アクチュエータ
である。
【0016】
【作用】本発明はこのような手段を講じるので、磁性体
の磁化を光による熱で制御し、しかも光を磁性体の動き
に合わせて自動的に追尾できるように位相共役鏡機構を
用いて、更に磁場と光を連動させて動かすようにしたた
め、mmオーダの被駆動体を3次元的に自由に動かすこ
とが可能となる。
【0017】即ち、具体的には、被駆動体上の磁性体は
常温では反強磁性かあるいは磁化が小さい強磁性であ
り、この状態では磁場によって引き付けられる力は殆ど
ない。ここに被駆動体上の磁性体に光を照射し、その光
が磁性体に吸収されると磁性体の温度が上昇し、磁気的
相転移が起こるため、磁化が大きい強磁性となる。この
結果、被駆動体は磁場勾配に従って駆動される。この場
合、被駆動体は液体の中にあることが基本である。但
し、空気中のゴミの様に空中を漂っている状況でもよ
い。
【0018】また、被駆動体の移動にともない光の方向
も、常に光が被駆動体に当たるように光学系を制御す
る。この場合、被駆動体からの反射光を3次元的にモニ
ターして光の照射方向を制御し、常に光を物体に照射す
ることは可能であるが、光学系が複雑となる。
【0019】この光学系の一部に位相共役鏡を用いるこ
とにより、自動的に光が被駆動体を追尾するため、複雑
な光学系を用いる必要がない。磁性体としてRhを48
〜54at%含むRhFe合金を用いるので、この材料
は70℃付近で反強磁性から強磁性への相転移を示す。
転移温度が比較的低いので、制御が容易である。
【0020】磁石として永久磁石あるいは電磁石を用い
ることと、磁石を被駆動体の駆動方向に平行に移動でき
る機構と駆動方向を軸とした回転できる機構を有するこ
ととして、固定した永久磁石でも光駆動は可能である
が、より駆動の自由度を増すためである。
【0021】即ち、動く方向は最大の磁場勾配の方向で
あるので、望む方向に最大磁場勾配を形成するように磁
石の位置を制御する。また、ある特定の場所に制止させ
るためには、磁場を交流的に振らす必要があり、そのた
めには電磁石が必要である。ある系における被駆動体の
固有振動振幅が被駆動体のサイズよりも十分小さけれ
ば、被駆動体は見かけ上静止して見える。
【0022】磁場の分布は、駆動方向に垂直の面で一軸
性の異方的な分布を持ち、また、磁性体の形状が板状、
あるいは板状に近い回転楕円体であることである。板状
の磁性体は、垂直磁気異方性を持たない限り、板と垂直
方向の反磁界係数が大きいので磁化は板面内に寝ており
立つ事が出来ない。また、磁性体が磁場の中に置かれた
場合、磁気的なエネルギーを下げるために、磁力線に沿
って磁化が並ぶ。
【0023】この結果、板状磁性体の板面が等磁束面に
平行になるため、磁性体面と磁場の位置関係が定まる。
従って、磁石と光学系の位置関係を固定して両方一緒に
動かすことにより、被駆動体の受光面を常に光学系の方
向に向けることが出来る。
【0024】また、被駆動体の形状を回転楕円体とし
て、その周囲を板状(あるいは薄膜状)の磁性体で表皮
状に覆ってもよい。これによって、被駆動体が液体の中
で自由に回転しても、光の反射がほぼ入射方向となる。
【0025】被駆動体に取り付ける磁性体に、被駆動体
の駆動方向と平行方向を磁化容易軸とする一軸磁気異方
性を付与するが、通常一軸磁気異方性を付与しなけれ
ば、磁性体の磁化を揃えるために大きな磁場を必要とす
る。異方性の付与により、磁化の方向を予め揃えておく
ことができるため、小さな磁場で大きな駆動力を得るこ
とができる。被駆動体を、それと同等以上の比重を持つ
液体に入れることにより、被駆動体の浮力が増し、より
駆動しやすくなる。
【0026】
【実施例】(実施例1)本発明の第1実施例を図面につ
き説明する。図1は本実施例の光アクチュエータの全体
構成を示す斜視図、図2は図1中II矢視図、図3は本実
施例の光アクチュエータの被駆動体の構成を示す図で、
(a)は磁性体を含む部分の構成を示す図,(b)は
(a)に示す磁性体を含む部分を2枚張り合わせて被駆
動体の構成を示す斜視図、図4及び図5は本実施例の光
アクチュエータに用いられる光源部の構成及び動作状態
を示す図である。
【0027】図中、Aは本実施例の光アクチュエータ、
1a,1aは上下並行ガイド杆フレーム1b,1bの円
端に取り付けた輪形ガイドフレーム、2は上下並行ガイ
ド杆フレーム1b,1bに亙り直進退自在かつ回転自在
に捲装したスライド磁石フレーム、3は駆動棒、4は動
力部、5は磁石、6は中に水αを満たし水の出入口6a
を有する横倒し円筒形透明水槽、7は被駆動体、8は光
学系、Lは光学系8より発せられる被駆動体7を駆動す
るための光線である。
【0028】9は厚さ0.1mmのガラス基板、10a
はガラス基板9上にスパッタリングで作製された厚さ
0.15μmのSiN膜、10bはスパッタリングで作
製された厚さ0.2μmのSiN膜、11はSiN膜1
0a上にスパッタリングで作製された50at%のRh
を含む厚さ0.1μmの磁性体たるRhFe磁性合金薄
膜、12は厚さ0.5mmのポリカーボネート基板であ
る。
【0029】13は面を光学研磨して更に各面に反射防
止膜をつけたBaTiO3 の単結晶よりなる位相共役
鏡、14は波長523nmの位置検出用のレーザ光L0
を発生するSHG−YLFレーザ装置、15a,15
b,15cはハーフミラー、16a,16b,16cは
ミラー、17は波長830nmのレーザ光を発生する半
導体レーザ装置、18は2次元状に配列したディテクタ
アレイである。
【0030】19は830nm波長の光を通さず523
nm波長の光を通すフィルタ、L1はBaTiO3 の4
光波混合で生じた位相共役光、L2は被駆動体7からの
プローブ光たる反射光、L2′は直進反射光、L2″は
屈折反射光、L3は半導体レーザ装置17からの加熱用
レーザ光である。
【0031】本実施例仕様の光アクチュエータAはこの
ような具体的実施態様を呈するが、次にその動作につき
説明する。まず、磁石5は輪形スライドフレーム2と一
体に動力部4と駆動棒3によって、上下並行ガイド杆フ
レーム1b,1bに沿って回転運動と直線移動が可能な
ようにしてある。
【0032】図3(a)及び(b)に示す被駆動体7の
SiN膜10a,10bの厚さは、ガラス基板9の方向
から見て830nmの光に対して反射率が最小になるよ
うに決めた。被駆動体7のサイズは、例えば、長さ0.
8mm,高さ0.3mm,厚さ0.7mmとする。
【0033】被駆動体7上のRhFe磁性合金膜11
は、常温では非磁性であり、磁場による力は受けない。
しかし、一旦光線LがRhFe磁性合金薄膜11に照射
されて80℃以上の高温になると、RhFe磁性合金薄
膜11は磁気相転移を起こし、反強磁性から強磁性に転
移し、自発磁化が起こる。この結果、被駆動体7は磁場
勾配に従って磁場の大きい方向に引きつけられる。被駆
動体7は水の中で浮力とほぼ釣合ながら浮かんでおり、
緩やかに磁場の大きい方向へ移動する。
【0034】この場合、光アクチュエータAの磁石5を
任意に回転運動と直進移動をさせることにより、被駆動
体7を3次元的に任意に移動させることが可能となる。
ところで、被駆動体7の移動とともに光線Lも被駆動体
7に常に照射できるように移動させる必要がある。この
ために、図4に示すよう光学系8に位相共役鏡13を取
り付けて用いた。
【0035】位置検出光L1は被駆動体7を自動的に追
尾するが、その原理を図4及び図5を用いて以下に説明
する。まず、位置検出光L0を互いに対向させて双方向
からのポンプ光La,LbをBaTiO3 結晶の位相共
役鏡13に入射させると、位相共役鏡13からはファニ
ングにより散乱光が四方八方に散乱する。その中の1点
に被駆動体7が反射点として存在すると、その反射光L
2がプローブ光となって4光波混合が起こり、反射光L
2であるプローブ光が来た方向に位相共役光L1が発生
する。
【0036】この状態で反射点である被駆動体7が移動
したとしても、ファニングによる散乱光が到達している
範囲β内であれば、次々に位相共役鏡13内で4光波混
合が起こり、反射光L2との間に4光波混合を起こし位
相共役光L1を生じていく。この結果、位相共役光L1
は被駆動体7の移動に伴って、自動的に追尾していくこ
ととなる(図5参照)。
【0037】一方、被駆動体7の加熱用レーザ光L3は
位相共役光L1だけでは弱いため、別途加えることとす
る。それが波長830nmのレーザ光を発する半導体レ
ーザ装置17であり、出力は1000mWのものを用い
た。ただし図示しないアッテネータにより光学系8から
の出力合計は100mWとした。さらに、図示しないレ
ンズ等の絞り装置により、被駆動体7の照射面上で80
μm径のスポットとなるようにした。
【0038】被駆動体7からの反射光L2の一部を反射
屈折光L2″としてハーフミラー15b及び15cでデ
ィテクタアレイ18に導く。反射光L2は被駆動体7の
動きにつれて常に方向が変わり、反射屈折光L2″の位
相共役光L1成分波長が到達するディテクタアレイ18
上の光到達位置も変化する。従って、ディテクタアレイ
18上の光到達位置を検出することにより、被駆動体7
の位置がわかる。
【0039】ディテクタアレイ18の前には、830n
m波長の光を遮断するフィルタ19を置き、830nm
波長の光がノイズとなることを防いだ。この位置情報に
より電動式のハーフミラー15bを2次元的にコンピュ
ータ制御で動かすことにより、熱エネルギー源となる半
導体レーザ装置17からの光を常に被駆動体7に照射す
ることが可能となる。
【0040】さらにここで、被駆動体7に光を常に追随
させるもう一つの工夫がある。それは、磁石5による磁
場分布を磁力線に直交する断面でみて一軸性の異方的な
分布にすることと磁性体の形状を板状にすることであ
る。このことを図6を用いて以下に説明する。
【0041】図6は磁極の等磁位面と被駆動体7の関係
を示す断面図である。図中、20は磁極を示したもの、
21a,21b,21c,21dは等磁位面の断面であ
る。加熱により磁場方向に磁化された被駆動体7中の磁
性体たるRhFe磁性合金薄膜11は、そのN極とS極
を磁力線に平行にして揃う。
【0042】即ち、図5に示したように被駆動体7中の
平板状の磁性体たるRhFe磁性合金薄膜11は、その
形状磁気異方性のため、磁化はその膜面から立ち上がる
ことが出来ないので、膜面と等磁位面とが平行になる。
【0043】従って、磁場の分布を楕円状にすることに
より、被駆動体7中の磁性体たるRhFe磁性合金薄膜
11のトラップする位置を楕円の長軸に平行の面に平行
にすることが可能となる。この結果、光の照射方向と、
被駆動体7中の磁性体面とをほぼ直角にすることが可能
となる。
【0044】(実験例1)ここで、本実施例を用いた実
験結果を示す。まず、磁場は磁極をいれた電磁石5で印
加する。この場合、磁極中心で最大5koeの直流磁場
が出た。1kHzの交流電流の場合には、最大で1ko
eであった。加熱用の半導体レーザ装置17によるレー
ザ光L3は、100msecのパルス幅で間隔50ms
ecに変調して被駆動体7に照射した。
【0045】以上のような準備の結果、光照射と磁場の
移動により、被駆動体7を水の中で5cm/sec程度
の速度で任意の方向に駆動することが出来た。途中で方
向を曲げることや、水の中での静止状態とすることもで
きた。静止状態にするときには、電磁石への電流を1k
Hzの交流として交流磁場を発生させる。
【0046】(実験例2)次に、光アクチュエータを生
体の中で用いることを想定した場合の、本実施例の実験
例を示す。図1における光学系8と水槽6の間に、厚さ
3cmの豚の皮付肉を挿入し、当該皮付肉を通して光を
照射した。3cmの皮付肉透過後の光パワーは、830
nm波長の光において入射の5%であった。523nm
波長の光では殆ど透過しなかったので、自動追尾は不可
能であった。
【0047】ただし、加熱用の830nm波長のレーザ
光L3による加熱は可能であり、光学系8からの出射光
全体のパワーを300mWとし、被駆動体7面に30μ
m径に絞り、CWで被駆動体7に照射した。直流磁場5
koeの印加により一瞬であるが、豚の皮を通しての光
駆動が確認された。
【0048】生体を透過できる波長での位相共役波L1
を用いた自動追尾の確認はここでは行っていないが、生
体の透過率が大きい1060nm波長での位相共役波L
1の発生は、既にGaAsを用いて行われており、N
d:YAGレーザと、GaAsにより、前記第1の実験
例と同様の駆動は可能である。
【0049】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
を図面につき説明する。図7(a)及び(b)は本実施
例の光アクチュエータの被駆動体の磁性体の様子を示す
それぞれ正面図とスパッタリングで作製したRhFe磁
性合金薄膜の上にSiN膜をスパッタリングする前の状
態の側面図、図8は本実施例の光アクチュエータの内部
に備わる被駆動体の斜視図である。
【0050】図中、7′は被駆動体、9′はガラス基
板、10a′,10b′はスパッタリングで作製された
SiN膜、11′はスパッタリングで作製されてストラ
イプ状に加工された50at%のRhを含む磁性体たる
RhFe磁性合金薄膜、12′はポリカーボネート基板
である。本実施例の光アクチュエータの全体構成は、前
記第1実施例とほぼ同一であるため、省略する。
【0051】本実施例の特徴は被駆動体7′の構成にあ
るが、被駆動体7′の作製方法を次に説明する。まず、
ガラス基板9′上にSiN膜10a′を挟んでRhFe
磁性合金薄膜11′をスパッタリングにより0.1μm
厚に形成した後、被駆動体7に張り付けて動作させると
きに動作する方向に沿って、細いストライプ状にエッチ
ングにより加工を施した。RhFe磁性合金薄膜11′
のストライプの幅は30μm,間隔を10μmとした。
【0052】この結果、RhFe磁性合金薄膜11′
に、ストライプの方向を磁化容易軸とする一軸磁気異方
性が生成された。このストライプ状のRhFe磁性合金
薄膜11′の上に、更にスパッタリングによりSiN膜
10b′を作製する。これを、前記第1実施例と同様
に、ポリカーボネート基板12′に張り付け、駆動実験
をおこなったところ、一軸磁気異方性を付与しないとき
と比較して、1/10の大きさの磁界で駆動することが
可能であった。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、液体中
或いは空中に浮遊しているmmオーダの物体を光と磁場
を用いて、遠隔的に3次元的に自由に移動させることが
可能となる。従って、液体中で微小な物体を遠隔操作で
駆動する必要のある分野、例えば医療機器,投薬,治
療,ロボットの分野、或いは配線を嫌う電気や光のスイ
ッチを利用する電子,光学機器の分野において、優れた
有用性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である光アクチュエータ
の全体構成を示す斜視図である。
【図2】同上、図1中II矢視図である。
【図3】同上、(a)は磁性体の部分図、(b)は被駆
動体の構成を示す図である。
【図4】同上、光学系の構成を示す図である。
【図5】同上、光学系の動作状態を示す図である。
【図6】同上において磁極の等磁位面と被駆動体の関係
を示す断面図である。
【図7】(a),(b)は本発明の第2の実施例におけ
る被駆動体を構成する磁性体の正面図及び側面図であ
る。
【図8】同上、被駆動体の斜視図である。
【符号の説明】
α…液体 β…範囲 A…光アクチュエータ L…光線 L0…位置検出光 L1…位相共役光 L2…反射波 L2′…直進反射光 L2″…屈折反射光 L3…加熱用レーザ光 1a…輪形ガイドフレーム 1b…上下並行ガイド杆フレーム 2…スライド磁石フレーム 3…駆動棒 4…動力部 5…磁石 6…水槽 6a…出入口 7,7′…被駆動体 8…光学系 9,9′…ガラス基板 10a,10b,10a′,10b′…SiN膜 11,11′…RhFe磁性合金薄膜 12,12′…ポリカーボネート基板 13…位相共役鏡 14…SHG−YLFレーザ装置 15a,15b,15c…ハーフミラー 16a,16b,16c…ミラー 17…半導体レーザ装置 18…ディテクタアレイ 19…フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 泰之 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度の上昇により磁化が大きくなる磁性体
    を取付けられた被駆動体と、 流体に浮遊する当該被駆動体へ磁場を印加できる位置に
    配置される磁石と、 当該磁石を任意の位置に動かすことのできる動力部と、 前記被駆動体を照射するための光を放出する光源と、 当該光源からの光を位相共役鏡機構により前記被駆動体
    へ導く光学系と、 からなることを特徴とする光アクチュエータ。
  2. 【請求項2】磁性体は、Rhを48〜54at%含むR
    hFe合金であることを特徴とする請求項1記載の光ア
    クチュエータ。
  3. 【請求項3】磁石は、永久磁石或いは電磁石であり、 被駆動体の駆動方向に対して平行に直進退自在、及び当
    該被駆動体の駆動方向を軸として回転自在であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の光アクチュエータ。
  4. 【請求項4】磁場は、被駆動体の駆動方向に垂直の面で
    一軸性の異方的な分布を示すことを特徴とする請求項
    1,2又は3記載の光アクチュエータ。
  5. 【請求項5】磁性体は、板状或いは板状に近い回転楕円
    体、又は外形が回転楕円体の表面部の形状をなすことを
    特徴とする請求項1,2,3又は4記載の光アクチュエ
    ータ。
  6. 【請求項6】磁性体は、被駆動体の駆動方向と平行な方
    向が磁化容易軸とする一軸磁気異方性を付与されたこと
    を特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の光アク
    チュエータ。
  7. 【請求項7】流体は、被駆動体を構成する主な材料の比
    重と同等以上の比重を持つことを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5又は6記載の光アクチュエータ。
  8. 【請求項8】光源は、波長の異なる加熱光と位置検出光
    をそれぞれ放出する一対のレーザー光源であることを特
    徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7記載の光
    アクチュエータ。
  9. 【請求項9】光学系は、位置検出光を双方向から入射し
    被駆動体の直進反射光を入射した時位相共役光を出射す
    る位相共役鏡と、当該位相共役光を透過直進しかつ反射
    光を前記位相共役鏡の前記直進反射光と屈折反射光に二
    分岐するとともに加熱光を不透過屈折するハーフミラー
    と、当該屈折反射光の内前記位相共役光成分波長のみ濾
    過するフィルターと、当該フィルターを透過した当該屈
    折反射光の照射位置を検出し、前記ハーフミラーを前記
    被駆動体に追従回転制御するためのディテクタアレイと
    を具備したことを特徴とする請求項1,2,3,7又は
    8記載の光アクチュエータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006523079A (ja) * 2003-03-19 2006-10-05 スペースデザイン コーポレイション 放射圧を変換またはそれ以外に利用して機械的仕事を発生させる方法及び装置
JP2013231981A (ja) * 2006-07-26 2013-11-14 Spacedesign Corp 光波によって生じる放射圧を伝達する方法及び装置

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