JPH0623408A - 熱間圧延材の潤滑方法 - Google Patents

熱間圧延材の潤滑方法

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JPH0623408A
JPH0623408A JP20598292A JP20598292A JPH0623408A JP H0623408 A JPH0623408 A JP H0623408A JP 20598292 A JP20598292 A JP 20598292A JP 20598292 A JP20598292 A JP 20598292A JP H0623408 A JPH0623408 A JP H0623408A
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哲也 中西
Katsuji Sato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉状の潤滑主剤を含む液状の潤滑剤を被圧延
材表面にむらなく安定に固着させる。 【構成】 圧延機3の入側で被圧延材1の表面に潤滑剤
を塗布する。潤滑剤の塗布直後に被圧延材1の表面を軽
圧擦することにより、潤滑剤を均一化する。均一化後1
0秒以上60秒以下放置して後に、圧延機3による圧延
を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、傾斜穿孔圧延等の熱間
圧延における圧延材の潤滑方法に関し、特に粉末の潤滑
主剤を含む液状の潤滑剤を使用した潤滑方法に関する。
【0002】
【従来の技術】傾斜穿孔圧延等の熱間圧延における圧延
材の潤滑方法として、圧延直前の高温の被圧延材表面に
液状の潤滑剤を直接塗布する方法がある(特開昭60−
184410号公報)。ここで使用される液状の潤滑剤
は、例えば潤滑主剤として金属酸化物粉末を水ガラスに
混合して水溶液の状態とした金属酸化物−水ガラス系潤
滑剤であり、潤滑剤自体の濡れ性や、高温の被圧延材表
面と反応することによる焼結反応および溶融反応等によ
り、被圧延材表面に固着される。潤滑剤を塗布された被
圧延材は速やかに圧延に供される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような粉末の潤滑
主剤を含む液状の潤滑剤を圧延直前の被圧延表面に塗布
する熱間圧延材の潤滑では、被圧延材が圧延を受ける時
点で、その表面に充分な量の潤滑剤が充分な付着力で保
持されている必要がある。ところが、従来の方法では、
潤滑剤自体の付着性が優れるにもかかわらず、その付着
性が充分に発揮されず、付着量や付着力を不足させるお
それがあった。
【0004】例えば、圧延直前における潤滑剤の塗布
は、特開昭60−184410号公報にも示されている
ように、エアスプレーで行うのが一般的である。しか
し、エアスプレーで塗布された潤滑剤は、直径0.01〜
4.0mmの液滴状になり、単位面積あたりの塗布密度が
充分に確保されない上に、ノズルの状況によっては局部
的に密集して不均一な付着分布となる場合が多い。
【0005】また、潤滑剤の塗布直後に被圧延材が圧延
に供されると、潤滑剤が溶融反応や焼結反応、更には表
面スケールとの反応を充分に完了させることができない
ため、潤滑剤が被圧延材表面で安定しない。その結果、
特にCr,Niなどの合金成分を多く含有するステンレ
ス鋼、Ni基合金等の高合金に対する圧延のような大加
工度、大すべり摩擦速度、大面圧等の圧延条件が厳しい
場合は、潤滑性能が充分に発揮されず、焼付き疵が発生
しやすくなる。
【0006】本発明の目的は、粉末の潤滑主剤を含む充
分な量の液状潤滑剤を被圧延材表面にむらなく安定に固
着させることができる熱間圧延材の潤滑方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の熱間圧延材の潤
滑方法は、粉末の潤滑主剤を含む液状の潤滑剤を、圧延
機入側で被圧延材表面に塗布した後、直ちにその被圧延
材表面を軽圧擦することにより、塗布された潤滑剤を均
一化処理し、その処理後10秒以上60秒以下放置して
から、当該圧延機による圧延を実施することを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明の熱間圧延材の潤滑方法においては、圧
延機入側で高温の被圧延材表面に潤滑剤が塗布される。
潤滑剤を塗布された被圧延材は、塗布後直ちに軽圧擦に
より潤滑剤を均一化され、更に潤滑剤の付着反応時間を
確保するために10秒以上60秒以下放置された後に圧
延に供される。
【0009】圧延機は、種類を問わず、例えば傾斜ロー
ル式の2ロールピアサー、2ロールエロンゲーター、3
ロールエロンゲーター、アッセルミル、プラグミル、マ
ンドレル、レジューサー等の管圧機、ユニバーサルミル
等の型鋼圧延機、ホットストリップミル等の板圧延機を
使用することができる。
【0010】潤滑剤は、粉末の潤滑主剤を含む液状潤滑
剤とする。潤滑主剤は、特にその種類を限定せず、熱間
圧延用潤滑剤として一般的な黒鉛粉末を使用することも
できるが、望ましくは浸炭の危険がない金属酸化物粉末
や、雲母、マイカ等が推奨される。金属酸化物として
は、アルミナ(Al2 3 )、シリカ(SiO2
酸)、酸化鉄(Fe2 3 またはFe3 4 )、クロム
酸化物(Cr2 3 )等を挙げることができる。潤滑主
剤の量は10〜60重量%が望ましく、粒径は2mm以
下が望ましい。
【0011】潤滑主剤を液状とするためのバインダーと
しては通常水ガラスを使用する。水ガラスの量は固形分
としてのケイ酸ナトリウムの量で表わして10〜50重
量%が望ましく、その水量は粘度で表わして200〜5
000cpが望ましい。潤滑主剤以外にも、分散剤や増
粘剤を必要に応じて添加することができる。潤滑剤の塗
布法としてはエアスプレーが望ましい。
【0012】このような潤滑剤が被圧延材表面にスプレ
ー塗布されると、前述したように、塗布領域が不均一に
なり、かつスプレーされた液滴が直径0.01〜4.0mm
とばらつき、付着面積分布のばらつきも大きい。この状
態を均一化するために本発明の方法では、潤滑剤塗布直
後の被圧延材表面を軽圧擦する。
【0013】軽圧擦とは、被圧延材表面を耐熱性のロー
ラあるいはブラシ等で軽圧下しつつ擦ることであり、例
えば圧延機入側に設けた耐熱性のスキューローラ間に材
料を挟み込んで搬送する方法がある。
【0014】更に具体的には、例えばマンネスマン式継
目無管製造ラインにおけるエロンゲータ用の外面潤滑に
対して本発明の方法を適用する場合は、前工程であるピ
アサーの出側で被圧延材が回転しているときに被圧延材
外面に潤滑剤をスプレー塗布し、その後、シュルの振動
を抑えるためにピアサー出側に設けたローラー式のシェ
ルステディア内で、ローラーの内接円直径と被圧延材の
外径とのクリアランスを通常より小さくして軽圧下加工
を実施する。これにより、潤滑剤塗布直後の被圧延材外
面が軽圧擦され、その潤滑剤が均一化処理される。
【0015】ここで、圧擦を加工度の大きい圧延で行う
と、その圧延自体で潤滑剤が消費され、圧延工具による
焼付き疵が発生しやすい。また、単にコンベア上で潤滑
剤塗布直後の被圧延材を転送するだけでは、塗布された
潤滑剤が摺動により被圧延材表面から剥離脱落しやす
い。軽圧擦ではこのような懸念なく潤滑剤が均一化され
る。
【0016】軽圧擦の条件としては、被圧延材の当該軽
圧擦時点における変形抵抗をkfとすると、被圧延材表
面に作用させる面圧が0.6kf〜1.1kfとなるように
圧下するのが望ましい。即ち、前記面圧が0.6kf未満
では被圧延材表面に対する塗付潤滑剤の均一化効果が得
られず、また1.1kfを超えると軽圧擦治具自体が焼き
付くからである。なお、SUS316鋼製中空被圧延材
(温度1180℃)の場合を例にとって前記面圧1.1k
fを縮径率に換算して示すと約0.2%となる。
【0017】なお、塗布直後とは、被圧延材表面に塗布
された潤滑剤が焼結などの固着反応を開始するより前を
意味し、塗布後10秒以内が望ましい。
【0018】被圧延材表面に塗布され均一化処理された
潤滑剤は通常そのバインダーが焼結溶融し、更に材料表
面のスケールと反応して被圧延材表面に固着する。しか
し、均一化処理の直後に被圧延材を圧延に供すると、こ
の固着反応が充分に進行する前に、潤滑剤が圧延の苛酷
な加工を受け剥離脱落する。そこで、本発明の方法で
は、軽圧擦による均一化処理から圧延までの間に、10
秒以上60秒以下の固着反応のための放置時間を確保す
る。
【0019】圧延ライン内では、潤滑剤の焼結反応、溶
融反応を補助するために、被圧延材の高温化などの温度
制御を行うことは困難であり、本発明の方法では時間を
制御する。
【0020】潤滑剤の焼結反応、溶融反応を進行させる
ためには、被圧延材からその表面上に塗布された潤滑剤
への熱伝導が必要である。被圧延材である金属の熱伝導
率は、例えば鉄で0.1〜0.2cal/cm・deg であるが、被
圧延材表面の酸化スケールや潤滑剤における金属酸化物
等の潤滑主剤といった無機化合物の熱伝導率は、例えば
酸化鉄で0.001〜0.003cal/cm・deg というよう
に、金属に比して極端に大きい。そのため、潤滑剤が反
応に必要な温度に加熱されるまでには相当の時間を要
し、更に反応時間を考慮すると、軽圧擦から圧延開始ま
でに10秒以上の放置時間が必要となる。
【0021】即ち、この放置時間が10秒未満では、被
圧延材上で均一化された潤滑剤の焼結反応、溶融反応が
不足し、潤滑剤が充分に安定化されない。ただし、60
秒を超えて放置されると、被圧延材の温度が低下しすぎ
て圧延作業性が阻害されると共に、変形抵抗が上昇する
ことによりかえって焼付き疵が発生しやすくなる。ま
た、被圧延材が普通鋼の場合は、被圧延材の表面に発生
するスケールと共に、塗布された潤滑剤が剥離脱落しや
すくなり、生産性も低下する。従って、60秒を放置時
間の上限とする。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0023】マンネスマン−プラグミル製管ラインの傾
斜ロール式延伸機、即ちエロンゲーターでの圧延を例に
とって、本発明の有効性を調査した。
【0024】エロンゲーター近傍の機器配置を図1に示
す。被圧延材1は、ピアサー2で穿孔圧延された後、エ
ロンゲーター3に転送されて延伸圧延される。ピアーサ
ー2から回転しながら進出する材料は、ピアサー出口の
3ローラー式シェルスティデアの3ローラーにより外面
側から拘束されて振れを抑えられる。ピアサー2から抜
け出た材料は、リング状ノズル内を通過してエロンゲー
ター3に進入し、再び回転を始める。エロンゲーター3
に回転しながら進入する材料は、エロンゲーター本体入
口のガイドシューにて保持される。
【0025】本実施例では、エロンゲーター3に供給さ
れる材料の外面に潤滑剤を塗布して、エロンゲーター本
体入口のガイドシューでの焼付き疵の発生状況により潤
滑性を調査した。
【0026】被圧延材はSUS316オーステナイト系
ステンレス鋼からなり、寸法は延伸圧延前が外径242
mm、肉厚20mm、長さ6000mmで、延伸圧延後
が外径278mm、肉厚9mmであり、延伸比は1.83
である。被圧延材の外面温度は穿孔圧延直後で1160
〜1180℃である。また、ガイドシューの材質は36
重量%Cr−33重量%Niの高合金である。
【0027】潤滑剤は酸化鉄40重量%−ケイ酸ナトリ
ウム40重量%で粘度2000cpの酸化鉄−水ガラス
系潤滑剤と、アルミナ40重量%−ケイ酸ナトリウム4
0重量%で粘度2000cpのアルミナ−水ガラス系潤
滑剤の2種類とし、いずれもエアスプレーにより延伸圧
延前の材料外面に塗布した。
【0028】潤滑剤の塗布位置は、ピアサー出口A、転
送中Bまたはエロンゲーター入口Cとした。Aではピア
サー圧延中被圧延材が回転しているとき、Bでは転送中
リング状ノズルを被圧延材が通過するとき、Cではエロ
ンゲーター入口で被圧延材が回転しているときに、それ
ぞれ潤滑剤を塗布した。被圧延材の穿孔後塗布までの時
間はA,B,Cでそれぞれ0.5秒、6.0秒、12.5秒と
なる。均一化処理はAのみピアサー出口のシェルステデ
ィアで実施され、シェルステディアの3ローラーの内接
円直径と被圧延材の外径とのクリアランスを変化させる
ことにより圧下力を調節した。潤滑剤塗布から均一化処
理までの時間は0.5秒である。
【0029】潤滑性は、被圧延材がサイザーまで至り更
に溶体化処理後酸洗された製品の外面目視検査の成績で
評価し、疵深さ0.05mm以上の疵が存在する場合を不
合格、疵発生率20%以上を×、10%以下を○、10
%超え20%未満を△とした。
【0030】表1には酸化鉄−水ガラス系潤滑剤による
調査を24の条件で実施した結果を示す。いくつかの条
件では潤滑剤の塗布、均一化処理後圧延前の被圧延材
(ホローシェル)を払い出し、1本につき5箇以上の1
00mm×100mmのサンプルを切り出し顕微鏡観察
などにより潤滑剤の付着面積率を調査した。
【0031】No. 1〜14がA地点、No. 15〜20が
B地点、No. 21〜24がC地点での潤滑剤の塗布であ
る。
【0032】No. 1〜5,8,13,14ではA地点で
潤滑剤を塗布し、かつシェルステディアでローラーによ
る均一化処理を実施し、均一化時のローラー内接円直径
と被圧延材ホローシェルの外径とのクリアランス(間
隙)を変化させた。クリアランスの小さいものほど、ま
たNo. 13,14のように被圧延材をローラーで完全拘
束したものほど焼付き疵は少なくなる。
【0033】No. 6〜12では塗布・均一化処理後被圧
延材が圧延されるまでの時間、即ち潤滑剤が被圧延材外
面で固着反応を起こす時間を変化させた。No. 6のよう
に短いものは反応不足で付着性が落ち疵発生が抑制され
ない。No. 12のように反応時間を長く取りすぎると被
圧延材の温度低下(延伸圧延前で1050℃まで低下)
により焼付き疵がかえって増加する。
【0034】No. 15〜20のBの場合は、設備上均一
化処理が困難なため、反応時間を変更したのみである。
Aの場合と同様に時間による有意差はあるが、疵の発生
率は高い。
【0035】No. 21〜24のCの場合も、設備上均一
化処理が困難なため、反応時間を変更したのみである。
Aの場合と同様に時間による有意差はあるが、疵の発生
率は高い。
【0036】表2にはアルミナー水ガラス系潤滑剤によ
る調査を24の条件で同様に実施した結果を示す。No.
31〜44がA地点、No. 45〜50がB地点、No. 5
1〜54がC地点での潤滑剤の塗布である。
【0037】No. 31〜35,38,43,44はA地
点で潤滑剤を塗布し、かつシェルステディアでローラー
による均一化処理を実施し、均一化時のローラー内接円
直径と被圧延材ホローシェルの外径とのクリアランス
(間隙)を変化させたものである。この場合もクリアラ
ンスの小さいものほど、またNo. 43,44のように被
圧延材をローラーで完全拘束するほど焼付き疵は少なく
なる。
【0038】No. 36〜42では塗布・均一化処理後被
圧延材が圧延されるまでの時間、即ち潤滑剤が被圧延材
外面で固着反応を進行させて付着が安定化する時間を変
化させた。No. 36のように時間の短いものは反応不足
で付着性が落ち疵発生が抑制されない。No. 42のよう
に反応時間を長く取りすぎると被圧延材の温度低下(延
伸圧延前で1040℃まで低下)により焼付き疵が返っ
て増大する。
【0039】No. 45〜50の場合は設備上均一化処理
が困難なため反応時間を変更したのみである。Aの場合
と同様に時間による有意差はあるが、疵の発生率は高
い。
【0040】No. 51〜54の場合も設備上均一化処理
が困難なため反応時間を変更したのみである。Aの場合
と同様に時間による有意差はあるが、疵の発生率は高
い。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の熱間圧延材の潤滑方法は、粉末の潤滑主剤を含む液状
の潤滑剤を被圧延材表面にむらなく安定に固着させ、そ
の潤滑剤の性能を生した高度の潤滑を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】潤滑剤の塗布位置を示すピアサー〜エロンゲー
ターの配置図である。
【符号の説明】
1 被圧延材 2 ピアサー 3 エロンゲーター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末の潤滑主剤を含む液状の潤滑剤を、
    圧延機入側で被圧延材表面に塗布した後、直ちにその被
    圧延材表面を軽圧擦することにより、塗布された潤滑剤
    を均一化処理し、その処理後10秒以上60秒以下放置
    してから、当該圧延機による圧延を実施することを特徴
    とする熱間圧延材の潤滑方法。
JP4205982A 1992-07-08 1992-07-08 熱間圧延材の潤滑方法 Expired - Lifetime JP2586280B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07256328A (ja) * 1994-03-16 1995-10-09 Sumitomo Metal Ind Ltd 継目無管製造における外面潤滑方法
CN117798191A (zh) * 2024-02-28 2024-04-02 常州市力俊机械有限公司 一种可调控黑色金属压延定位工装及使用方法

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