JPH0623711A - 木 材 - Google Patents

木 材

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JPH0623711A
JPH0623711A JP6494493A JP6494493A JPH0623711A JP H0623711 A JPH0623711 A JP H0623711A JP 6494493 A JP6494493 A JP 6494493A JP 6494493 A JP6494493 A JP 6494493A JP H0623711 A JPH0623711 A JP H0623711A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木材に付与させるべき防虫性能を従来とは異
なる殺虫メカニズムによって生じさせ、防虫性能の長期
化を図るとともに殺虫物質の蒸散による居住環境の悪化
を軽減する。 【構成】 板材31の表面のすくなくとも一部に、防虫
効果を有する固形物質である防虫材料の微粒からなる防
虫材8を所要の密度で離脱可能に付着させて防虫層33
を形成するとともに、その微粒状の防虫材8には防虫対
象とする害虫の体毛間隔より粒径の小さい細粒分を含有
させてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、防虫性能を付与され
た木材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、木材に防虫性能を付与する場合、
防虫のために用いる殺虫物質が液体あるいは気体である
ので、その殺虫物質を木材に含浸させることが一般的で
ある。
【0003】このような従来の木材においては、木材中
に含浸させた殺虫物質を、設置された空間中に所定以上
の濃度で蒸散することにより防虫性能を発揮するもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そのため、従来のこの
種の木材においては、防虫性能の発揮に伴う殺虫物質の
蒸散により殺虫物質の残量が減少して防虫性能が低下す
る宿命を負っており、その防虫性能については比較的短
期の有効期間が定められている。
【0005】また、木材は住宅や家具等のように居住空
間に広く用いられるものであるので、その木材が殺虫物
質を蒸散し続けることは、居住環境の面で好ましいもの
ではない。
【0006】この発明は、このような従来の防虫性能を
有する木材の問題点に鑑みてなされたもので、木材に付
与させるべき防虫性能を従来とは異なる殺虫メカニズム
によって生じさせ、防虫性能の長期化を図るとともに居
住環境の悪化を軽減することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、木材の表面のすくなくとも
一部に、防虫効果を有する固形物質である防虫材料の微
粒からなる防虫材を所要の密度で離脱可能に付着させて
防虫層を形成するとともに、その微粒状の防虫材には防
虫対象とする害虫の体毛間隔より粒径の小さい細粒分を
含有させてあることを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明によれば、木材の表面に
は、防虫効果を有する固形物質からなる微粒状の防虫材
が離脱可能に付着された防虫層が形成され、その微粒状
の防虫材は防虫対象とする害虫の体毛間隔より粒径の小
さい細粒分を含有させてあるので、防虫材が害虫の体毛
に妨げられずに害虫の体表面に付着しやすく、防虫材が
害虫の体表面への接触によって害虫を確実に死亡させる
ことができる。
【0009】そして、この防虫層の防虫材は、害虫の体
表面への接触により害虫を死亡させるものであるので、
従来の木材のように殺虫成分を設置された空間内へ高濃
度で蒸散せずとも十分に防虫効果を発揮することがで
き、防虫性能の長期化と居住環境の悪化の軽減とを図る
ことができる。
【0010】
【実施例】次に、実施例について説明するが、以下にお
いてはまず、図5から図7により本願で基本的に期待さ
れる殺虫メカニズムの概要を説明し、この後、実施例の
木材の製造方法とその木材の構造等に関して詳細に説明
する。
【0011】殺虫メカニズムに関する,本願発明者の研
究によれば、次の3つのメカニズムのいくつかが複合し
て機能することにより生じるものと考えられるので以下
にそれらを説明する。
【0012】まず、第1のメカニズムを図5により説明
する。
【0013】図5は、害虫の体表面の平面模式図であっ
て、1は害虫、2は害虫の体表面の皮膚、3は害虫の体
毛であり、41,42,43,44は例えば粉状のゼオ
ライトからなる防虫材である。
【0014】かかる害虫1は、気門あるいは皮膚2を通
じて体内に酸素を取入れており、体外への炭酸ガスの排
出は直接皮膚2を通じて行なっている。
【0015】そして、このように炭酸ガスの排出を行な
う皮膚2には、散点状に複数の体毛3が形成されてい
る。
【0016】このような体毛3は、害虫1の種類に応じ
てそれぞれ所定の位置に形成されており、これらの体毛
3の間隔寸法も異なるものとなっているが、各種の害虫
を勘案して標準的に模式化すると、害虫1の皮膚2上で
の体毛3の配列は図5のようであり、以下の説明の単純
化のため各体毛3の間隔寸法Pは一律であるものとす
る。
【0017】また、防虫材41,42,43,44は現
実には当然種々の形状のものであるが、以下のメカニズ
ムの説明を単純化するために図面においては円形として
表示し、それぞれはその粒径のみが異なるものとする。
【0018】このように体毛3が形成されている皮膚2
上への防虫材41,42,43,44の付着の状況は次
のようである。
【0019】すなわち、防虫材41は、その粒径D1
体毛3の間隔寸法Pより若干小さいがほぼ同等のもので
ある。
【0020】そのため、防虫材41は、体毛3の間隙を
経て害虫1の皮膚2に到達することができる。
【0021】そして、害虫1の皮膚2上に達した防虫材
41は皮膚2上の脂質や水分等により皮膚2上に付着す
ることとなる。
【0022】これによって、防虫材41の下方に位置す
る部分の皮膚2は、その表面からの炭酸ガスの排出作用
が妨げられる。なお、皮膚2から酸素の取入れを行なう
害虫の場合には、この防虫材41により、当該部位の皮
膚2からの酸素の取入れも同時に妨げられる。
【0023】防虫材42はその粒径D2が、前記防虫材
41より小さく、防虫材43は前記防虫材42の粒径D
2より一層その粒径が小さいものである。
【0024】前記防虫材41よりその粒径が小さい,防
虫材42,43は、図5からもあきらかなように前記体
毛3に妨げられずに、害虫1の皮膚2に到達することが
でき、前記防虫材41と同様に、皮膚2上に付着し,害
虫1の炭酸ガスの排出作用等を妨げる。
【0025】なお、防虫材44はこの説明の例において
は比較例であって、その粒径D4が、前記体毛3の間隔
寸法Pより大きいものである。かかる粒径の防虫材44
は、図5からあきらかなように、いずれかの体毛3がそ
の付着を妨げることとなるので前記防虫材41,42,
43のように害虫1の皮膚2からの炭酸ガスの排出作用
等を妨げることはできないものである。
【0026】前記防虫材41,42,43の付着によ
り、その部分の皮膚2からの炭酸ガスの排出が妨げられ
ている場合、害虫1の呼吸作用は概ねその付着した部分
の面積に応じて機能が低下し、その部分の面積が許容範
囲を越えると呼吸不全となり、ついには害虫1が死亡す
ることとなる。
【0027】したがって、このような防虫材を用いて、
害虫の駆除を行なう場合には、皮膚2への防虫材41,
42,43の付着した面積の拡大が極めて重要であり、
防虫材の粒径を害虫に応じて適宜選定することにより、
前記付着面積の拡大を通じて防虫性能を発揮する。
【0028】次に、図6により第2のメカニズムを説明
するが、この第2のメカニズムは駆除対象の害虫が気門
を有するものである場合に限られる。
【0029】図6は害虫の気門での断面を模式的に示し
たもので、1は気門を有する害虫、2は害虫の体表面の
皮膚、3は害虫の体毛である。
【0030】気門を有する害虫1においては、その害虫
1の体内から延びる気管4が皮膚2に開口して気門5を
形成しており、これらの気管4および気門5は、害虫1
の気管系6を構成するものであって、気管系6は害虫1
が体内に取り入れる酸素を体内に導く通路としての機能
を有するものである。
【0031】このような気門5を有する害虫1におい
て、気門5の近傍で体毛3の間隔寸法をPとし、気門5
の開口寸法(直径)をWとする。
【0032】そして、図6において、81,82,8
3,84はそれぞれ例えば粉状のゼオライトからなる防
虫材であり、これらの防虫材81,82,83,84は
現実には当然種々の形状のものであるが、以下のメカニ
ズムの説明を単純化するために図面においては球形とし
て表示し、それぞれはその粒径のみが異なるものとす
る。
【0033】害虫1の気門5近傍においては、防虫材8
1,82,83,84はその粒径の如何によりその挙動
が異なり、以下の説明において防虫材81,82,83
は有効成分として機能し、防虫材84は比較例として位
置づけられるものである。
【0034】すなわち、防虫材81はその粒径D5が、
体毛3の間隔寸法Pより小さく,かつ気門5の開口寸法
Wより大きいものである。
【0035】そのため、防虫材81は、体毛3の間隙を
経て害虫1の皮膚2に到達し、気門5の表面側に位置す
ることができる。そして、害虫1の皮膚2上に達した防
虫材81は皮膚2上の脂質や水分等により皮膚2上に付
着することとなり、気門5は前記防虫材81で覆われて
閉塞され、その気門5からの酸素の取り込みが阻害され
る。
【0036】防虫材82はその粒径D6が、体毛3の間
隔寸法Pおよび気門5の開口寸法Wよりやや小さいもの
である。
【0037】そのため、防虫材82は、前記防虫材81
と同様に害虫1の皮膚2に到達するが、さらに気門5か
ら気管4内に侵入することができる。
【0038】防虫材82が気管4中に侵入すると、気管
4の通気面積が大幅に小さくなるので、害虫1の酸素の
取入れが損なわれ、かつ侵入した防虫材82が気管4か
ら容易には脱落しないので、害虫1は長時間の酸素欠乏
によって最終的には確実に死亡する。
【0039】前記防虫材82より粒径がさらに小さい防
虫材83においては、前記体毛3は防虫材83が害虫1
の皮膚2へ到達するうえでの支障となることがほとんど
なく、そのうえ、気門5も防虫材83よりかなり大きい
寸法であるので、防虫材83は比較的高い確率で気管4
内に侵入することができる。
【0040】このようにして気管4内に侵入した防虫材
83は、単一の粒子のみでは前記防虫材82のように気
管4を閉塞することは困難であるが、前記のように比較
的高い確率で気管4内に侵入するので、複数個の防虫材
83が付着し蓄積されることによって、気管4の通気断
面積が小さくなり、害虫1は酸素欠乏状態となる。
【0041】防虫材84は前記害虫1の場合には比較例
となるものであって、その粒径D7は前記体毛3の間隔
寸法Pよりも大きいものである。
【0042】このような場合、防虫材84は体毛3によ
って害虫1の皮膚2に到達し得ないので、気門5に対す
る閉塞機能を期待することができない。しかし、前記体
毛3の間隔寸法Pおよび気門5の開口寸法Wは、害虫の
種類により異なる値をとるので、害虫の種類によっては
この防虫材84が前記した防虫材81〜83に相当する
ものとして作用することができる。
【0043】このように、防虫材81,82,83は、
害虫1の気管系6に付着して、害虫1の気門5からの酸
素の取入れを妨げるので、害虫1は酸素欠乏により死亡
し、防虫性能を発揮する。
【0044】次に、図7により第3のメカニズムを説明
するが、この第3のメカニズムは例えばゼオライト等の
固形物質が本来的に有する調湿性あるいは吸湿性を利用
した物理的なメカニズムである。
【0045】ゼオライトには、天然ゼオライトおよび人
工ゼオライトが存在するが、いずれのゼオライトも一般
に概ね50meq/100gより大きなイオン交換容量を有してお
り、以下に述べる第3のメカニズムが機能するために要
する調湿性等を有するものである。
【0046】害虫1は、一般に、その皮膚2や体毛3に
異物が付着した場合には、その異物を自ら振り払おうと
する挙動を行ない、この挙動にともなって害虫1の皮膚
2に擦過傷7が生じ、害虫1の体液が皮膚2ににじみ出
すものとされている。
【0047】したがって、このようにして形成された擦
過傷7の部位に、前記ゼオライトからなる防虫材51を
接触させると、害虫1の体液は防虫材51の調湿性ある
いは吸湿性により吹い出され、害虫1は脱水により死亡
することとなる。
【0048】このようなメカニズムが機能するために
は、防虫材51が皮膚2上の前記擦過傷7の部位にまで
到達することが必要であるが、前記のように、害虫1の
皮膚2には、一般に体毛3が存在し,これが前記防虫材
51の接触を妨げるので、この体毛3による障害を回避
して防虫材51を皮膚2上の擦過傷7の部位に到達させ
ることが重要である。
【0049】そのため、ゼオライトを粉状とし、その粉
状のゼオライトからなる防虫材51の粒径D8が害虫1
の体毛3の間隔寸法Pより小さいものとすることによ
り、防虫材51の擦過傷7の部分への接触する確率をた
かめ、これによって害虫を確実に死亡させることができ
る。
【0050】なお、防虫材52は、その粒径D9が前記
体毛3の間隔寸法Pより大きいものを示し、この防虫材
52は体毛3が存在していることにより擦過傷7の部位
に接触することが妨げられる状況を図示したものであ
る。また、図8においては、第3のメカニズムの理解を
容易とするため、防虫材51,52を球状として簡便に
表示したが、現実には種々の異形形状であることはいう
までもない。
【0051】以上説明した第1ないし第3のメカニズム
に共通する利点は、従来の化学的殺虫剤による殺虫とは
異なり害虫を駆除すべき空間内に急性毒性の強い化学物
質を高濃度に蒸散させずに害虫を駆除できることであ
り、このことに起因して人畜に対する化学的殺虫剤の影
響や環境汚染を回避できるとともに害虫が抵抗性を次第
に備えることもなく、粉状の固形物の物理的性質により
行なわれるので、長期に渡って害虫を駆除することがで
きることである。
【0052】このような利点を有する殺虫メカニズムを
利用した木材は、図2に示すように、例えばフロック加
工装置11を用いて,いわゆる静電植毛技術により次の
ように製造される。
【0053】フロック加工装置11は、バインダ塗布機
14と,フロック加工機15と,加熱乾燥器16とを順
に配置してライン構成を行なった公知のものである。
【0054】そして、本願発明の木材としての板材31
の製造に際して、板素材32はまずバインダ塗布機14
に供給される。
【0055】バインダ塗布機14は、バインダタンク1
4aと塗布ロール14bとを有し、塗布ロール14bに
引き込まれる前記板素材32の下面にバインダタンク1
4aに貯溜したバインダ18を適宜の厚さで塗布するこ
とができる。
【0056】この実施例で用いるバインダ18は、酢酸
ビニル合成糊を用い、その塗布厚さは、例えば0.1mm以
下のきわめて薄い厚さであり、この実施例では概ね0.05
mm程度である。
【0057】なお、この実施例では、板素材32は材木
から板取りしたままの単板であるが、各種の合板や積層
板あるいは集成板であってもよい。また、板材に限らず
角材等であっても概ね以下と同様に実施することができ
る。
【0058】また、この実施例のようにフロック加工装
置11により木材を製造する場合には、バインダ18と
しては、前記に限らず、エマルジョン型あるいは水溶液
型接着剤から適宜のものを用いることができ、その場合
前記塗布厚さは使用する接着剤による接着力に応じて適
宜調整すればよい。
【0059】このようにして、下面にバインダ18が所
要の厚さに塗布された板素材32は、次にフロック加工
機15に送られる。
【0060】フロック加工機15は、板素材32の両側
に電極21を配置して構成した処理部22と、この処理
部22に微粒状の防虫材8を供給する粉体供給部23と
を有し、この実施例において前記粉体供給部23から供
給される防虫材8はマイナスに帯電され、プラスの電極
21側に位置する板素材32に向けて所要の電圧で加速
され、前記バインダ18の塗布された板素材32下面に
所要の密度で分散して付着するようになっている。
【0061】この実施例で用いる防虫材8は、前記した
第1〜第3の殺虫メカニズムにおいて説明した,防虫材
41,42,43,44,81,82,83,84,5
1,52に該当するものであり、防虫材料としての天然
ゼオライトを破砕して所要の粒径の微粒状に形成したも
ので、この天然ゼオライトのイオン交換容量を地力増進
施工令のゼオライト試験方法に準拠して測定すると、13
0〜170meq/100gであり、十分大きな吸湿性あるいは調湿
性を有するものである。
【0062】そして、この防虫材8の粒度分布は、図8
(a)に示すとおりであり、粒径が60μm以下の細粒分
は、重量でその40%を占めている。
【0063】かかる防虫材8の粒形状を顕微鏡で観察す
ると、例えば、図9に示すようであり、各防虫材8は非
球形で概ね多面体形状に形成されており、各防虫材8の
ほとんどには図10に拡大して示すように尖った端部
(以下、尖端部)24が形成されている。
【0064】このように防虫材8として用いる防虫材料
は、天然ゼオライトのほか、微粉炭ボイラの煙道ガスか
ら回収されるフライアッシュを水酸化ナトリウム水溶液
で煮沸処理して得られる人工ゼオライトや、その他人工
的に製造される合成ゼオライトを用いることができる。
【0065】また、これらのゼオライトに限らず、例え
ば、セピオライト,シリカゲル,ベントナイト,タル
ク,無水けい酸,珪藻土等の適度な吸湿性あるいは調湿
性を有する固形材料を防虫材料として用いることもでき
る。
【0066】なお、前記のゼオライトや各固形材料中の
二以上を混合して用いることも可能である。
【0067】そして、これらのいずれかを用いて得た微
粒状の防虫材8に、例えば微紛状のシラス(火山灰)等
の固形材料を添加材として混合し、これを前記粉体供給
機23から供給させることとしてもよい。
【0068】シラスは、防虫材料としての吸湿性や調湿
性を有するものではないので前記第3の殺虫メカニズム
を期待できないが、前記第1および第2の殺虫メカニズ
ムを期待することができるので本願の防虫材8に該当す
る。
【0069】また、シラスは、その粒形状に先の尖った
尖端部24が多数存在し、これにより害虫1の体表面2
での擦過傷7の形成が促進されるので、前記したゼオラ
イトや固形材料と混合して使用する場合には前記第3の
殺虫メカニズムを強化するものとなる。このような目的
での添加材としてはシラスに限られないことはいうまで
もない。
【0070】さらに、前記のごとき防虫材料等で形成さ
れた防虫材8に、例えば、ほう酸等の弱い薬効の薬剤を
添加して混合し、これを前記粉体供給機23から供給す
ることとしてもよい。この場合には、その薬剤の薬効と
ともに前述の殺虫メカニズムが同時に害虫に作用するの
で、その薬効が従来より弱いものであっても十分に効果
がある。
【0071】このようにして、板素材32に防虫材8が
付着された板材31は、この後、電熱等による加熱乾燥
機16内で乾燥された後、製品として機外の排出され
る。
【0072】なお、加熱乾燥機16においては、板素材
32や使用する防虫材料あるいは薬剤の耐熱性を考慮し
て乾燥温度および加熱時間を設定することはいうまでも
ない。
【0073】このようにして製造された板材31を模式
図で示すと図1のようである。
【0074】すなわち、この実施例の板材31は、板素
材32と、その一側面に防虫層33が形成されている。
なお、防虫層33は板材31の両側側面に形成すること
としてもよく、また一側面の一部分のみに形成してもよ
い。
【0075】防虫層33は、微粒状の前記防虫材8と、
これを前記基材32上に付着させる薄いバインダ層34
とで形成され、前記防虫材8はバインダ層34の表面上
に所要の密度に分布させて付着されている。なお、この
バインダ層34は、本願発明でいう接着剤層に該当する
ものである。
【0076】このようにバインダ層34で板材31の表
面に保持された前記防虫材8は、例えば0.3kgf/cm2以下
の弱い付着力で保持されており、害虫1の運動により防
虫材8の離脱が可能である。
【0077】この実施例においては、前記のように防虫
材8にはその粒径が60μm以下の細粒分を含有するもの
としてあるが、これは防虫の対象とする害虫1として白
蟻を考慮したためである。
【0078】すなわち、前記の第1〜第3の殺虫メカニ
ズムにおいては、害虫1の体表面2上に形成された体毛
3の存在にかかわらず、防虫材8を害虫1の体表面2上
に、確実に到達させることが十分な防虫性能を発揮させ
るうえで重要である。
【0079】このために、この実施例において対象とす
る害虫1が白蟻で,その体毛3の間隔寸法Pが60μmで
あるので、防虫層33中に粒径60μm以下の防虫材8を
含有させたもので、この粒径60μm以下の防虫材8によ
って白蟻の体表面2上への到達の確率が高められ、害虫
1としての白蟻を確実に死亡させることができるのであ
る。
【0080】なお、前記防虫層33中の,粒径が60μm
を越える防虫材は、白蟻より体毛間隔Pの大きい別種の
害虫に対しては前記と同様の防虫材としての機能を発揮
する。
【0081】また、防虫材8の防虫材料として前記ゼオ
ライト等のように調湿性等を有するものを用いた場合に
は、粒径が60μmを越える防虫材は、その板材31の直
近の設置空間内での湿度を乾燥側に調整して害虫1の活
力を低下させる機能を発揮する。
【0082】そして、前記のように防虫材8が離脱可能
であるので、この板材31上に害虫1として例えば白蟻
が存在する場合、白蟻の動作により、板材31上に保持
されている防虫材8が離脱し、この離脱した防虫材8に
よって前記の第1〜第3の殺虫メカニズムが機能して白
蟻を死亡させることができる。
【0083】なお、前記防虫材8の付着力は0.2kgf/cm2
以下とすれば害虫1の運動による離脱の頻度が一層高く
なり殺虫メカニズムの確率が高まる。
【0084】このように、前記した板材31による殺虫
メカニズムは、防虫材8の粒径と駆除対象とする害虫1
の体毛3の間隔寸法Pや気門5の開口寸法Wとの関係で
物理的に成立するものであるので、各種の害虫に対して
使用することが可能である。
【0085】本願発明の板材31を用いて駆除対象とす
ることのできる害虫を挙げると、例えば、その他のシロ
アリ類や家ダニ類のツメダニ,チリダニ,コナダニある
いはチャタテムシ,ゴキブリ類はもちろんのこと、カ
類,ハエ類,ノミ類,シラミ類,ヒラタキクイムシ,シ
バンムシ類,ヒメマルカツオブシムシ,ヒメカツオブシ
ムシ,ユスリカ類,チョウバエ類,カメムシ類,アブ
類,マダニ類,サシバエ,カイガラムシ類,マツノマダ
ラカミキリ,キクイムシ類等である。
【0086】なお、前記の害虫のうち、家ダニ類のチリ
ダニやコナダニは、気門を有さず,皮膚2からの酸素の
取入れを行なうものであるので、前記第2のメカニズム
は機能しないが、第1のメカニズムにより皮膚に付着し
た天然ゼオライトは、炭酸ガスの排出のみならず酸素の
取入れをも阻害することによりその駆除を行なうととも
に、前記第3のメカニズムによって擦過傷からの脱水に
より確実に駆除することができる。
【0087】そして、シロアリとは異なる前記の害虫を
対象とする場合、前記した第1ないし第3のメカニズム
から明らかなように、その対象とする害虫の体毛の間隔
寸法P等に応じて、防虫材の有効成分となるものの粒径
が定まるので、使用する防虫材の粒度分布を適宜調整す
ることが好ましく、駆除対象を特定種類の害虫とする防
虫材の場合には、その害虫の体毛の間隔Pより小さい粒
径のもののみを分別して、これを防虫材として用いるこ
とが効率的である。
【0088】例えば、家ダニ類のツメダニを駆除対象の
害虫とする場合、その体毛の間隔寸法は概ね30μmであ
る。
【0089】この場合に、例えば図8(a)の粒度分布
の防虫材8を用いると、重量%で概ね30%弱のものがツ
メダニの皮膚に到達し得る有効成分として機能する。
【0090】しかし、ツメダニの気門の開口寸法Wは概
ね1μmであるので、前記第2のメカニズムにおいて、
防虫材82,83として機能し得る有効成分は、きわめ
てわずかである。
【0091】したがって、この場合には、用いる防虫材
5の粒度分布を例えば図8(b)に示すように、粒径30
μm以下の細粒分の含有割合を例えば70%まで増加させ
ることが好ましく、これによって防虫材82,83とし
て機能し得る有効成分も増加している。
【0092】なお、このように粒径30μm以下の細粒分
の含有割合を増加しても、だにより体毛間隔Pの大きい
白蟻等の害虫に対する殺虫メカニズムには何等の支障を
も生じず、かえって、防虫材8の粒径を体毛間隔に対し
て小さくすれば、体表面2へ接触するうえで体毛3が妨
げとなることが低減するので、確実な殺虫効果を期待す
ることができる。
【0093】このように、板材31がツメダニを対象と
する場合には、ツメダニの体長が小さいので、前記バイ
ンダ層34等による防虫材8の付着力を例えば0.15kgf/
cm2以下とすれば、小さなだに等の害虫に対する有効性
が高まる。
【0094】以上説明した板材31は、板素材32上に
バインダ層34を形成し、このバインダ層34上にフロ
ック加工機15を用いて防虫材8を分散付着させて板素
材32に保持させたものであるが、フロック加工装置1
1を用いず、板素材32の表面に接着剤層を形成しこの
表面上に防虫材8を適宜方法により散布することとして
もよい。
【0095】前記のようにして製造された板材31や角
材は、住宅建築用材や家具用材等として用いることがで
き、例えば図3あるいは図4のように使用する。
【0096】図3は、とびらわく61の一部断面を示
し、角材62を2枚の板材63の間に挟み込んで接着剤
64で接着して形成し、角材62と2枚の板材63とで
囲まれた空間65がとびらわく61の内部に形成された
ものである。
【0097】そして、この実施例においては、前記角材
62の内向き面および前記板材63の裏面にそれぞれ前
記の防虫層33が形成され、防虫層33が空間65の全
周面を覆っている。
【0098】これは、前記空間65のように板材63等
により囲まれた部位においては、通常白蟻等の害虫が集
団発生しがちだからであり、前記空間65内に白蟻等の
害虫が侵入した場合、前記の殺虫メカニズムが機能して
ここでの害虫の集団発生が防止される。
【0099】なお、このとびらわく61において、角材
62と板材63との接着剤64による接着領域には、前
記防虫層33が形成されていない。これは角材62と板
材63とを接着剤64で互いに強固に固着するためであ
る。
【0100】図4は、住宅の床の断面であって、71は
床板,72は根太,73は床下空間を示す。この場合に
床板71の下面には全面にわたって前記防虫層33が形
成されており、角材からなる根太72はその周面全体に
わたって前記防虫層33が形成されている。
【0101】そのため、このような床においては、白蟻
等の害虫が集団発生しがちの床下空間73に害虫が侵入
しても、これらの防虫層33により前記殺虫メカニズム
が作用して防虫することができる。
【0102】そして、前記図3,図4のいずれの場合に
おいても、前述したように防虫層33は殺虫成分を蒸散
するものでないため、防虫性能が長期であり、人間の居
住環境を悪化させることが少ないものである。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、木材の表面には、防虫効果を有する固形物
質からなる微粒状の防虫材が離脱可能に付着された防虫
層が形成され、その微粒状の防虫材は防虫対象とする害
虫の体毛間隔より粒径の小さい細粒分を含有させてある
ので、防虫材が害虫の体毛に妨げられずに害虫の体表面
に付着しやすく、防虫材が害虫の体表面への接触によっ
て害虫を確実に死亡させることができる。
【0104】そして、この防虫層の防虫材は、害虫の体
表面への接触により害虫を死亡させるものであるので、
従来の木材のように殺虫成分を設置された空間内へ高濃
度で蒸散せずとも十分に防虫効果を発揮することがで
き、防虫性能の長期化と居住環境の悪化の軽減とを図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材の模式断面図である。
【図2】フロック加工装置による木材の製造過程の説明
図である。
【図3】実施例の木材を用いたとびらわくの一部断面図
である。
【図4】実施例の木材を用いた住宅の床の断面図であ
る。
【図5】第1の殺虫メカニズムの説明図である。
【図6】第2の殺虫メカニズムの説明図である。
【図7】第3の殺虫メカニズムの説明図である。
【図8】(a)および(b)は、それぞれ防虫材の粒度
分布図である。
【図9】顕微鏡で見た防虫材の粒形状スケッチである。
【図10】防虫材の形状説明図である。
【符号の説明】
P 体毛間隔 D1〜D8 粒径 1 害虫 3 体毛 8 防虫材 11 フロック加工装置 24 尖端部 31 板材(木材) 32 板素材 33 防虫層 34 バインダ層(接着剤層)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材の表面のすくなくとも一部に、防虫
    効果を有する固形物質である防虫材料の微粒からなる防
    虫材を所要の密度で離脱可能に付着させて防虫層を形成
    するとともに、その微粒状の防虫材には防虫対象とする
    害虫の体毛間隔より粒径の小さい細粒分を含有させてあ
    ることを特徴とする木材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の木材において、前記防虫
    材料として、人工ゼオライト,天然ゼオライト,セピオ
    ライト,シリカゲル,ベントナイト,タルク,無水けい
    酸,珪藻土からなる一群の固形材料中の一または二以上
    を用いることを特徴とする木材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の木材において、
    前記防虫材は多面体形状でその表面に尖端部を形成して
    あることを特徴とする木材。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の木材において、
    前記防虫材とほぼ同程度の微粒状の固形物質であってそ
    の形状が多面体形状でその表面に尖端部を有するものを
    前記防虫層に含有させてあることを特徴とする木材。
  5. 【請求項5】 請求項1から4に記載した木材のいずれ
    かにおいて、殺虫効果を有する薬剤を前記防虫層に添加
    したことを特徴とする木材。
  6. 【請求項6】 請求項1から5に記載した木材のいずれ
    かにおいて、前記木材の表面に接着剤層を形成し、この
    接着剤層を介して前記微粒状の防虫材を付着させてある
    ことを特徴とする木材。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載した木材において、前記
    防虫材をフロック加工法により基材の表面上に分布させ
    たことを特徴とする木材。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の木材において、前記接着
    剤をエマルジョン型あるいは水溶液型接着剤として接着
    剤層を形成するとともに、この接着剤層の表面側にフロ
    ック加工により防虫材を分布してあることを特徴とする
    木材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101528453B1 (ko) * 2015-03-24 2015-06-11 주식회사 토홍 목조 건축물의 흰개미 검출 및 퇴치방법

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