JPH06240399A - 切欠き疲労強度の優れた耐熱アルミニウム合金 - Google Patents

切欠き疲労強度の優れた耐熱アルミニウム合金

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JPH06240399A
JPH06240399A JP5050035A JP5003593A JPH06240399A JP H06240399 A JPH06240399 A JP H06240399A JP 5050035 A JP5050035 A JP 5050035A JP 5003593 A JP5003593 A JP 5003593A JP H06240399 A JPH06240399 A JP H06240399A
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aluminum alloy
notch fatigue
less
heat
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JP5050035A
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Haruo Shiina
治男 椎名
Fumito Usuzaka
史人 臼坂
Yoshimasa Okubo
喜正 大久保
Shinichi Tani
真一 谷
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Honda Motor Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Honda Motor Co Ltd
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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    • C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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    • C22C21/00—Alloys based on aluminium
    • C22C21/02—Alloys based on aluminium with silicon as the next major constituent
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Si7.0 〜12.0%( 重量%、以下同じ)、C
u3.0 〜6.0 %、Mg0.20〜1.0 %、Mn0.30〜1.5
%、Ti+V0.40〜2.0 %、Zr0.05〜0.5 %を含み、
残部Alと不可避不純物からなるAl−Si系合金であ
って、平均粒子径が0.5 μm 以下のTi、V、Zrを含
む金属間化合物が分散してなる。好ましくは急冷凝固粉
末冶金法、より好ましくはスプレイフォーミング法によ
り製造される。加工硬化係数を0.20以下とすることによ
り優れた転造加工性が与えられる。 【効果】 切欠き疲労強度が優れ、高剛性、低熱膨張性
を有し、コンロッドなど内燃機関の回転部材用として有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切欠き疲労強度の優れ
た耐熱性アルミニウム合金、特に、コンロッド等内燃機
関の運動部材用として好適で、ネジ転造性にも優れた切
欠き疲労強度に優れた耐熱性アルミニウム合金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題を発端として、自動
車の燃費向上が重要視されてきている。燃費向上を達成
するには、車両を軽量化することが最も効果的な手法の
一つであり、軽量材料の開発が進んでいる。自動車用内
燃機関についても、出力性能の向上、省燃費の観点から
内燃機関運動部材の軽量化が強く要求されている。例え
ば、コンロッドは、高温、高負荷状態で使用されるた
め、高い耐熱疲労強度、剛性、低熱膨張性が要求されて
おり、これらの要求特性を軽量材料としてアルミニウム
材料の使用が試みられている。
【0003】アルミニウム材料のうち急冷凝固粉末冶金
法により成形されるアルミニウム合金は、合金成分を高
濃度に添加することが可能であり、従来のインゴット冶
金法によるアルミニウム合金に比べ疲労強度、剛性、熱
膨張性が著しく改良されるため、コンロッド等自動車内
燃機関の運動部材用に耐熱性、耐クリープ性、耐摩耗性
に優れた種々の急冷凝固アルミニウム合金が開発されて
いる。
【0004】これらの急冷凝固アルミニウム合金のう
ち、多くは5 〜30%程度のSi、1 〜15%程度のFeを
含有するもので(例えば、特開平2-61021 号公報、特開
平3-177530公報) 、通常のインゴット冶金法により製造
されたアルミニウム合金に比べ、剛性、疲労強度等に優
れた特性を有するが、この急冷凝固Al−Si−Fe合
金は、ネジ底のような切欠きを有しているときの疲労強
度が十分でないことに起因して、当該合金によりコンロ
ッドを製作した場合、図1に示すように、コンロッド1
の大端部においてロッド部2とキャップ部3を締結する
ボルト4を挿通するために、ロッド部2に切削タップに
より加工形成したネジ孔部5のネジ底やボルト頭座面部
の隅角部6のような切欠き部に疲労亀裂が生じ易く、コ
ンロッドなど内燃機関の運動部材として実用化する場合
の問題点となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、内燃機関の
運動部材として適用される急冷凝固アルミニウム合金に
おける上記従来の問題を解消するためになされたもので
あり、その目的は、コンロッド等内燃機関用運動部材の
使用条件下において十分な切欠き疲労強度を有するとと
もに、高剛性、低熱膨張性を備えた耐熱性アルミニウム
合金を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による耐熱性アルミニウム合金は、Si7.0
〜12.0%(重量%、以下同じ)、Cu3.0 〜6.0 %、M
g0.20〜1.0 %、Mn0.30〜1.5 %、Zr0.05〜0.5 %
を含み、TiおよびVのうちの1種以上を合計0.40〜2.
0 %含有し、残部Alおよび不可避不純物からなるAl
−Si系合金であって、平均粒子径が0.5 μm 以下のT
i、V、Zrを含む金属間化合物が分散していることを
構成上の基本的特徴とし、加工硬化係数N値が0.20以下
であることを構成上の第2の特徴とする。さらに、当該
合金が、溶湯を非酸化性ガスで噴霧して急冷凝固させな
がら堆積させることにより形成されるビレットの成形体
を押出加工して成形されることを発明構成上の第3の特
徴とする。
【0007】必須成分として含まれるSiは、Si粒子
として分散し、切欠き疲労強度を高め、材料に高弾性係
数、低熱膨張係数を付与するのに寄与する。但し、Si
粒子それ自体は脆く、マトリックスとの界面強度も高く
ないので、Siの含有量が多過ぎたり、Si粒子が粗大
になった場合は、Si粒子の破壊や界面の剥離などによ
り靭性が低下して疲労亀裂の発生、進行にたいする抵抗
が弱くなり、切欠き疲労強度は低下する。Siの好まし
い含有量は7.0 〜12.0%の範囲で、7.0 %未満ではその
効果が小さく、12.0%を越えると、Si粒子の量が過剰
になるとともにSi粒子の微細晶出組織が得難くなり、
それ以上の切欠き疲労強度の向上が期待できなくなる。
加工硬化係数N値も増大して、転造加工性、鍛造加工
性、切削加工性が劣化する。
【0008】Cuは、Mgと共存し、マトリックス中に
固溶して、材料に時効硬化性を付与し、高温強度、切欠
き疲労強度を高める。好ましい含有範囲は3.0 〜6.0 %
であり、3.0 %未満ではその効果が小さく、6.0 %を越
えると効果が飽和するとともに、N値の増大、すなわち
延性の低下を招き、転造加工性、鍛造加工性、切削加工
性を低下させる。Mgは、Cuと共存して材料に時効硬
化性を付与し、高温強度、切欠き疲労強度を向上させ
る。好ましい含有量は0.20〜1.0 %の範囲であり、0.20
%未満ではその効果が小さく、1.0 %を越えると効果が
飽和する。
【0009】Mnは、マトリックス中に固溶して高温強
度を高める。好ましい含有量は0.30〜1.5 %の範囲であ
り、0.30%未満ではその効果が十分でなく、1.5 %を越
えると、未固溶MnがAl−Cu−Mn系化合物を形成
し、マトリックス中のCu濃度を低下させるため、高温
強度、切欠き疲労強度が劣化する。
【0010】Ti、Vは、初晶としてAl−Ti系、A
l−V系化合物を晶出させ、晶出したこれらの金属間化
合物が凝固核として機能するため、凝固時の結晶粒を微
細にする。さらに、これらの化合物が微細に分散するこ
とによって材料の溶体化処理中に起こる再結晶を抑制し
て材料組織を繊維状組織や微細な再結晶組織とし、微細
分散化合物は分散強化粒子としても機能する。Ti、V
の上記の作用によって、コンロッド等内燃機関用材料に
必要な高温強度、切欠き強度の向上効果が得られる。T
i、Vの好ましい含有範囲は、Ti、Vの合計量で0.40
〜2.0 %であり、含有量が0.40%未満ではその効果が十
分でなく、2.0 %を越えると効果が飽和するとともに、
凝固時に粗大に晶出し易く、転造加工性、鍛造加工性、
切削加工性が低下する。
【0011】Zrは、初晶としてAl−Zr系化合物を
晶出し、Ti、Vと同様、凝固時および再結晶時におい
て結晶組織を微細にし、晶出した化合物は分散強化粒子
としても機能する。Zrは、さらに、わずかにマトリッ
クス中に固溶して、Al−Cu−Mg系GPゾ−ンおよ
びθ´中間相をより微細に形成するよう作用し、時効硬
化性を高める。好ましい含有量は0.05〜0.5 %の範囲で
ある。0.05%未満ではその効果が小さく、0.5 %を越え
ると効果が飽和するとともに、凝固時に粗大晶出物を生
じ易く、転造加工性、鍛造加工性、切削加工性が低下す
る。
【0012】本発明の合金においては、前記のように、
Ti、V、Zrを含むAl−Ti系、Al−V系、Al
−Zr系の金属間化合物が微細に分散することによっ
て、高温強度、切欠き疲労強度が向上するが、その効果
を確実に達成するためには、これらの金属間化合物が平
均径0.5 μm 以下のサイズで分散していることが重要で
あり、平均粒子径が0.5 μm を越えると、再結晶抑制効
果が小さくなり、分散強化粒子としての機能も低下す
る。
【0013】本発明のアルミニウム合金を得るために、
種々の製造手法を採用することができるが、前記のよう
な金属間化合物の微細晶出を得るためには、急冷凝固粉
末冶金法、あるいは、例えば英国の OSPREY METALS社に
より開発された溶湯を急冷凝固させながらコレクタ上に
堆積させることにより予備成形体を得るスプレイフォー
ミング法( 特開昭62-1849 号公報) がより好ましい製造
方法として適用されることができる。
【0014】急冷凝固粉末冶金法は、合金溶湯をアトマ
イズ法、単ロール法、噴霧ロール法などを利用して、10
0 K/秒以上の冷却速度で凝固させるものであり、冷却
速度の調整によって0.5 μm 以下の微細な金属間化合物
を晶出させることが可能となる。スプレイフォーミング
は、溶湯流をアルゴン、窒素などの非酸化性ガスにより
微粒化し、直ちにコレクタ上に堆積させ102 〜104
℃/秒の冷却速度で急冷凝固させてビレットとするもの
であり、溶湯温度、ガス流速などを調整することにより
0.5 μm 以下の金属間化合物を晶出させることができ
る。
【0015】急冷凝固粉末冶金法により得られた粉末あ
るいはフレーク状凝固物は、容器封入−脱ガス−熱間押
出、容器封入−脱ガス−ホットプレス−熱間押出など公
知の方法によって固化、成形し、溶体化処理−高温時効
処理からなる熱処理を行う。スプレイフォーミングによ
り得られたビレットは、直接熱間で押出成形した後、熱
処理を行う。晶出した金属間化合物は、熱間押出加工に
よりさらに分断され、合金の強度および疲労特性を向上
させる。
【0016】従来、内燃機関の運動部材、例えばコンロ
ッド用に開発された急冷凝固粉末成形アルミニウム合金
は加工性が劣るため、コンロッドのロッド部とキャップ
部とを締結するボルトを挿通するためのボルト孔を加工
する場合、切削加工によらざる得ず、従ってネジ底など
切欠き部の疲労強度に問題を残していたが、本発明の合
金においては、加工硬化係数N値を0.20以下とすること
によって、前記ボルト孔の転造加工が可能となり、切欠
き部の疲労強度をさらに増大させることができる。
【0017】加工硬化係数N値は、材料の真応力ー真歪
線図において、0.2 %耐力を示す真応力をσ1 、そのと
きの真歪をε1 、破断時の真応力をσ2 、真歪をσ2 と
したとき、n=log(σ1 /σ2 )/log(ε1 /
ε2 )の式によって与えられる。この式より、同一の耐
力および引張強度を示す2つの合金においては、真歪が
大きい合金の方が小さいN値を示すことがわかる。すな
わち、N値が小さい合金は伸びが大きく、転造加工性が
優れている。ネジ孔部の転造加工のように、同一下孔径
の加工、すなわち同一歪が与えられる場合においては、
N値が大きいことは、σ1 とσ2 との差が大きいことを
意味し、転造加工中に変形抵抗が徐々に増加して加工性
がわるくなり、転造工具の寿命にも悪影響を与える。本
発明において、N値を0.20以下に低くする最大の理由
は、ネジ孔部の転造加工時に大きな残留圧縮応力を付与
できることである。ネジ孔部に残留する圧縮応力はネジ
底など切欠き部の疲労強度を向上させ、ネジ部に対する
強度特性をさらに信頼性の高いものとすることができ
る。N値が0.20を越えると、耐力、引張強度に対して歪
量、すなわち伸び量が小さいため、十分な転造加工性が
得られず、残留圧縮応力も小さくなる。さらに好ましく
はN値を0.12以下にするのがよく、この場合には、加工
速度の速い機械加工ラインを使用したとき、転造工具の
交換回数を許容される範囲で満たすことができる。
【0018】
【作用】本発明の切欠き疲労強度に優れた耐熱性アルミ
ニウム合金は上記の構成を具え、特定の合金組成と合金
組織の組み合わせにより、高剛性、低熱膨張性を与える
とともに、加工成形されるネジ孔部のネジ底など切欠き
部の疲労強度を高め、さらに、N値を0.20以下にするこ
とにより、ネジ孔部の転造加工を可能としてネジ底など
切欠き部の強度特性を一層向上させて、ボルト結合のた
めのネジ孔部の加工を必須とするコンロッドなど内燃機
関用運動部材の素材として好適なものとなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。なお、本実施例においては、最も確実に微細金
属間化合物を得るために、急冷凝固粉末冶金法およびス
プレーフォーミング法を適用した。 実施例1 表1のNo.1〜No.12 に示すAl−Si系合金を溶解し、
窒素ガス雰囲気中において溶湯流を窒素ガスで噴霧し
て、円柱状のコレクタ上に急冷凝固させながら堆積させ
るスプレイフォーミングを行い、直径が約260mm 、長さ
が600mm の円柱状ビレットを作製した。次にこのビレッ
トを450 ℃の温度で押出加工し、50mm径の棒材とした
後、溶体化処理(500℃×1h) −水冷−高温時効処理(18
0 ℃×5h- 空冷) のT6処理を行い、得られたT6材に
ついて、金属間化合物の平均粒径、熱膨張率( 線膨張係
数、室温〜200 ℃) を測定し、室温でのN値、150 ℃で
の引張特性の測定を行った。測定結果を表2に示す。
【0020】さらに、図2に示すように、コンロッド大
端部のボルト結合部に相当する試験片7を作製し、試験
温度150 ℃、応力比R=0.1 、繰り返し速度30Hzで荷
重を負荷し、疲労寿命が106 サイクルになる応力( 変動
の最大応力で、試験片に負荷した荷重を断面積- ネジ部
はネジ有効径を使用- で除したもの) を測定することに
より切欠き疲労強度を求めた。結果を表2に示す。な
お、試験片7は、ロッド部8、キャップ部9を鋼製ボル
ト10およびナット11で締結してなるもので、ロッド
部8に形成されたネジ孔12は転造加工により成形し
た。転造加工条件は、引掛かり率70%以上を狙いとして
下孔径を設定した。引掛かり率はネジ面の陥没を防止す
る意味からも70%以上が望ましく、このような強加工に
耐えるためには材料のN値を0.20以下にすることが必須
となる。
【0021】実施例2 表1のNo.13 、14に示す合金を溶解し、エアアトマイズ
法により急冷凝固粉末を作製して300 μm 以下に分級し
た。この粉末をアルミニウム缶に充填し、500℃×1h真
空引きの脱ガス処理を行った後、450 ℃で押出成形し50
mm径の押出棒材とした。得られた押出棒材を、実施例1
と同一の条件でT6処理し、実施例1と同様、金属間化
合物の平均粒径、熱膨張率、室温でのN値、150 ℃での
引張性能、150 ℃での切欠き疲労強度を測定した。なお
切欠き疲労試験片7は、実施例1と同様にロッド部8の
ネジ孔12を転造加工により成形したものと、ネジ孔1
2を切削加工により成形したものの2種類とし、切削加
工により形成したネジ孔は転造加工により形成したネジ
孔と同一形状、寸法とした。測定結果を表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表2に示されるように、本発明の実施例1
および実施例2に従って作製された合金は、いずれも熱
膨張係数が低く、高温において優れた引張特性および切
欠き疲労強度を示した。
【0024】
【表2】
【0025】比較例1 表3のNo.1〜No.11 に示すAl−Si系合金を溶解し、
実施例1と同様、スプレイフォーミングを行って実施例
1と同一寸法の円柱状ビレットを作製した。このビレッ
トを実施例1と同一の条件で押出加工−T6処理し、得
られたT6処理棒材について、実施例1と同様、諸特性
値を測定した。結果を表4に示す。なお切欠き疲労強度
試験片は、実施例1と同様にロッド部のネジ孔を転造加
工により成形し、転造不可の試料についてのみネジ孔を
切削加工により成形した。
【0026】比較例2 表3のNo.12 に示す合金を溶解し、金型鋳造法により直
径260mm 、長さ600mmのビレットを作製した。このビレ
ットを490 ℃×5hrsの均熱処理後空冷し、450℃で押出
加工して50mm径の棒材としたのち、実施例1と同様のT
6処理を行い、諸特性値を測定した。測定結果を表4に
示す。切欠き疲労試験片のネジ孔は転造加工により成形
した。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】表4によれば、比較合金No1 は、Si量が
低いため熱膨張率が高く、切欠き疲労強度も十分でな
い。No.2は、Si含有量が本発明の範囲を越えているた
め、N値が高くネジ部の転造加工ができず、切削加工に
よってネジ部を成形した試料も切欠き疲労強度が十分で
なかった。No.3は、Cu量が低いため引張強度、疲労強
度ともに劣っている。No.4は、Cu含有量が高いためN
値が大きく、ネジ部の転造加工ができず、切削加工によ
りネジ部を成形した試料も切欠き疲労強度が不十分であ
った。No.5は、本発明合金必須のMnを含まないため、
高温強度、疲労強度が低い。No.6はMg量が低く、No.7
はZrを含有せず、No.8はTi+Vの合計量が少ないた
め、No.5と同様、引張強度、疲労強度ともに劣る。No.9
は、Ti+Vの量が本発明の上限2.0 %を越えているた
め、N値が増大して転造加工性が低下し、ネジ部の転造
ができなかった。ネジ部を切削加工により成形した試料
においても切欠き疲労強度は十分でなかった。No.10 お
よびNo.11 の合金は、それぞれFeおよびNiを含有す
るため、これらの元素がCuと化合物を形成してマトリ
ックス中のCu濃度を低下させる結果、Cuの効果を弱
め、引張強度、疲労強度を低下させている。No.12 は、
通常の金型鋳造−均熱処理−熱間押出−T6処理により
作製されたものであるため、形成される金属間化合物の
粒径が大きくなり、引張強度、疲労強度が劣る。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、切欠き
疲労強度に優れ、高剛性、低熱膨張性を有する耐熱性ア
ルミニウム合金が提供され、切欠き部の強度特性を向上
させることができるから、コンロッドなど内燃機関の運
動部材への適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンロッドの概略を示す斜視図である。
【図2】切欠き疲労試験片の一部切欠き正面図である。
【符号の説明】
1 コンロッド 2 ロッド部 3 キャップ部 4 ボルト 5 ネジ孔部 6 ボルト頭座面部の隅角部 7 疲労試験片 8 ロッド部 9 キャップ部 10 ボルト 11 ナット 12 ネジ孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 喜正 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内 (72)発明者 谷 真一 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友軽金 属工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si7.0 〜12.0%(重量%、以下同
    じ)、Cu3.0 〜6.0 %、Mg0.20〜1.0 %、Mn0.30
    〜1.5 %、Zr0.05〜0.5 %を含み、さらにTi、Vの
    うちの1種以上を合計0.40〜2.0 %含有し、残部がAl
    および不可避不純物からなるAl−Si系合金であっ
    て、平均粒子径が0.5 μm 以下のTi、V、Zrを含む
    金属間化合物が分散していることを特徴とする切欠き疲
    労強度の優れた耐熱性アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 加工硬化係数N値が0.20以下であること
    を特徴とする請求項1記載の切欠き疲労強度の優れた耐
    熱性アルミニウム合金。
  3. 【請求項3】 溶湯を非酸化性ガスで噴霧して急冷凝固
    させながら堆積させることにより形成されるビレットの
    成形体を押出加工して成形される請求項1〜2記載の切
    欠き疲労強度の優れた耐熱性アルミニウム合金。
JP5050035A 1993-02-16 1993-02-16 切欠き疲労強度の優れた耐熱アルミニウム合金 Pending JPH06240399A (ja)

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