JPH06242109A - コラーゲンの測定方法 - Google Patents

コラーゲンの測定方法

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JPH06242109A
JPH06242109A JP8089191A JP8089191A JPH06242109A JP H06242109 A JPH06242109 A JP H06242109A JP 8089191 A JP8089191 A JP 8089191A JP 8089191 A JP8089191 A JP 8089191A JP H06242109 A JPH06242109 A JP H06242109A
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Satoshi Amano
聡 天野
Yoshiko Masuda
嘉子 増田
Shigeki Ito
重喜 伊藤
Mieko Fujio
美恵子 藤尾
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Nippon Shoji Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 コラーゲン、特にヒトIV型コラーゲンをサン
ドイッチ法で測定するに際し、前記検体を摂氏39〜6
0度で処理することを特徴とするコラーゲンの測定方
法。 【効果】 抗体とコラーゲンとの反応性を向上させるこ
とが可能となり、コラーゲンの測定感度が大幅に上昇す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコラーゲンの測定方法、
特に免疫反応を用いたコラーゲンの測定方法の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】血清中に存在する各種コラーゲンを測定
すると、健常人における測定値と比較して各種疾患者の
測定値が有意に高く、疾患の診断の予知に有効であるこ
とが知られており、コラーゲン測定の意義が高まってい
る。従来、血中ヒトIII型コラーゲンN末端ペプチド、
ヒトIV型コラーゲンN末端ペプチド7−Sドメイン及び
同C末端ペプチドNC1ドメインの各ポリクローナル抗
体を用いて放射性免疫学的測定を行ったという報告がな
されている(Rohdeら、Eur.J.Clin.Invest.,9,451-459.1
979,Hogemannら、Clin,Chim.Acta,144,1-10,1984、Schup
panら、J.Clin.Invest.78.244-248.1986)。
【0003】一方、各種病理組織について、モノクロー
ナル抗体を用いて組織化学的に疾患の解析を行うことが
検討されており、例えば血中ヒトIV型コラーゲンについ
て、2種のモノクロナール抗体を用いて酵素免疫学的測
定を行ったという報告がなされている(Obaraら、Clin,C
him.Acta,181,293-303,1989)。このように、血清中に存
在する各種コラーゲンの測定が疾患の診断に用いられつ
つある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、正常人
検体の測定値の平均値に対する原発性肝癌疾患者の検体
の測定値の平均値は約4倍、また肝硬変患者の検体測定
値の平均値は約3倍と、差が小さく、且つ測定値が患者
間で大きく異なることにより正常値との比較だけでは診
断の判断が困難な場合があることが知られており、より
疾患の程度を感度良く反映する測定方法の開発が期待さ
れていた。
【0005】本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされ
たものであり、その目的は肝疾患の判断が容易なコラー
ゲンの測定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討した結果、予めまたは免疫反応
中に検体を熱処理することによって、血中ヒトIV型コラ
ーゲンが変化して抗体との反応性が亢進することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本出願の請求項1記載のコラー
ゲンの測定方法は、コラーゲンに対するモノクローナル
抗体を用い、検体中のコラーゲンと結合させることによ
り、検体中のコラーゲンを測定するコラーゲンの測定方
法において、前記検体を摂氏39〜60度で処理するこ
とを特徴とする。
【0008】また、測定対象のコラーゲンはヒトIV型コ
ラーゲンであることが好適である(請求項2)。
【0009】また、固相担体に結合させる抗体及び標識
を付与する抗体としてコラーゲンに対するモノクローナ
ル抗体を用い、検体中のコラーゲンを前記固相側抗体及
び標識抗体によりサンドイッチ状に保持し、固相と液相
を分離し、固相または液相中の標識物質を測定すること
により検体中のコラーゲンを測定するコラーゲンの測定
方法において、前記検体を摂氏39〜60度で処理する
ことが好適である(請求項3)。
【0010】以下、本発明の構成を詳述する。本発明に
かかる測定方法において、固相担体に結合させる抗体及
び各種標識を付与する抗体は、抗体含有物を硫安分画
後、プロテインAアフィニティーカラムにより精製した
IgG画分を一般に用いるが、不純物の少ない抗体含有
物の場合にはプロテインAアフィニティーカラムにより
精製したIgG画分を用いることもできる。また、本発
明にかかる測定方法において、使用するモノクロナール
抗体は、それら抗体における特異的結合部分F(a
b')2、あるいはFab'そのものを使用する態様も含
まれるものである。また、本発明におけるIV型コラーゲ
ンとは、ヒト基底膜関連コラーゲンであり、コラーゲン
複合体である血管基底膜コラーゲン複合体を含む。ま
た、本発明において検体の熱処理温度は摂氏39度以上
であることが必要であり、一方温度が摂氏65度を越え
ると抗体との反応性が低下するため、摂氏40〜55度
好ましくは45〜50度程度が望ましい。
【0011】
【作用】本発明の作用については必ずしも明確ではない
が、高温処理によりコラーゲンの構造に変化が生じ、抗
体との反応性が向上するものと考えられる。
【0012】
【実施例】温度の影響 本発明にかかる測定方法において、検体の熱処理温度
と、コラーゲン及び抗体間の反応性との関係を図1,
2,3に示す。すなわち、通常検体はその変性を防止す
るため低温下に保存されることが多く、また、測定は酵
素活性等の生体反応性が最も高いと考えられる摂氏37
度程度で行なわれるのが一般的である。しかし、本発明
者らがさらに検討を進めたところ、検体をあらかじめ熱
処理すること(方法は実施例2…参照、但し温度は摂氏
37〜65度である)、及び免疫反応中に熱処理するこ
と(方法は実施例3…参照、但し温度は摂氏30〜56
度である)により、コラーゲンと抗体との反応性が向上
し、より正確なコラーゲン測定が可能となることを見出
した。図1,2,3に結果を示す。処理温度が摂氏39
度から急激に測定感度が向上し、摂氏60度程度まで該
感度が維持されることが判る。
【0013】なお、温度が高すぎると抗体との反応性が
低下するため、摂氏40〜55度好ましくは45〜50
度が望ましい。また、熱処理は検体を希釈した後行なう
のが望ましいが、免疫反応前の処理、あるいは免疫反応
中の処理のいずれでもよい。免疫反応前に高温処理を行
うことでも測定感度が向上することから、単に化学反応
が温度上昇に伴って早くなるのではなく、コラーゲンの
構造変化により免疫反応性が向上することが示唆され
る。
【0014】実施例1 抗ヒトIV型コラーゲンに対する
モノクローナル抗体の作製 (a)抗原−ペプシン可溶化ヒトIV型コラーゲンの調製 新鮮なヒト胎盤2750gを裁断し洗浄、ポジトロンホ
モジナイザーでホモジネートした後、冷凍遠心(10,
000×g,40分間)して、沈殿物を集め0.02M
リン酸ナトリウム液に懸濁後、冷凍遠心を3回繰返し
た。得られた沈殿物を0.5Mの酢酸4lに懸濁し、塩
酸でpH3とし、ペプシンを加え摂氏4度で7日間反応
させた。遠心(10,000×g,1時間)して上澄み
を集め、ペプシンを失活させるためにトリスと水酸化ナ
トリウムを加えてpH8.5に調製し、2日間放置し
た。中和後塩化ナトリウムを4Mになるように加え、さ
らに氷酢酸を加えてpH3とし、一晩放置した。遠心後
(10,000×g,1時間)上澄みを回収し、沈殿に
0.5M酢酸を加えて5時間攪拌した。遠心後(10,
000×g,1時間)上澄みに塩化ナトリウムを1.2
Mになるように加え、一晩放置した。遠心後(10,0
00×g,1時間)沈殿を集め、0.5M酢酸を加えて
溶かし、溶けている部分(上澄み)のみを集める。上澄
みを水に対して透析し、遠心によって沈殿を除いた。得
られた上澄みにトリス−塩化ナトリウム溶液を加えてい
き、最終的にトリスが0.1M、塩化ナトリウムが1.
0Mになるようにした。溶けていない部分は遠心で除
き、上澄みを0.005Mトリス−1.5M塩化ナトリ
ウムに対して塩析した。遠心により沈殿物を集め、0.
05Mトリス−1.5M塩化ナトリウムに溶解した。こ
れをフォスフォセルロースカラムクロマトグラフィーで
精製し、235mgのヒトIV型コラーゲンを得た。
【0015】(b)免疫した脾細胞の調製 ヒトIV型コラーゲン100μgを含む0.1mlのリン酸
緩衝液を調製し、BALB/Cマウスに腹腔内注射を行
った。一週間後に同様の処置で2回目の免疫を行った。
1回目と2回目の免疫時にはBACTO−Adjuva
nt(DIFCO社製)を0.1mlづつ同時に腹腔内注
射した。さらに1週間後、上記ヒトIV型コラーゲン溶液
で追加免疫を行った。最終追加免疫後、72時間目にこ
のマウスより脾臓を無菌的に抽出し、はさみで切片とし
てメッシュを通してリンパ球の懸濁液を得た。赤血球の
混在を除くために溶血用バッファーに浮遊後1500r
pmで5分間遠沈させ、RPMI−1640培養液で2
回洗浄した。一方融合細胞としてのマウスミエローマ細
胞(SP2/0)は、融合の前々日より10%牛胎児血
清(FCS)を含むRPMI−1640培養液中で10
%CO2、37度の条件で増殖させた。脾細胞100×
106個と、ミエローマ細胞100×106個を含む培養
液を混合し、1500rpmで30分間遠心後、上清を
捨て、50%ポリエチレングリコール4000(メルク
社製)1mlを1滴づつ滴下しながらゆっくりと細胞をほ
ぐした。1分後、FCS含有RPMI−1640培養液
を1mlゆっくりと滴下しながら細胞を混合させ、同様の
操作を1分間繰返した。さらにFCSを含むRPHI−
1640培養液7mlを3分間かけてゆっくりと遠心管を
回転させながら加えた。この時点で培養液をさらに加
え、200×106個の細胞が50mlの培養液に含まれ
るように調製し、この細胞懸濁液0.1mlづつを96穴
マイクロプレートに分注し、10%CO2下で摂氏37
度(100%相対湿度)で培養した。なお、マイクロプ
レートには予めマウスの貪食細胞を104個/ウェルの
割合で加えておき、またウシ血清を含むRPMI−16
40培養液には分注時にすでにHAT(ヒポキサンチ
ン、アミノブテリン、チミジン)を含むものを用いた。
この改良法によると少なくとも5日間まで培養液を換え
る必要がなく、バクテリアの混在の危険も少なくするこ
とができ、5日前後までにはハイブリドーマのコロニー
が認められた。10〜25日後にこの培養液上清を0.
2mlとり目的抗体のスクリーニングに用いた。スクリー
ニングはコラーゲン実験法(講談社496頁)の方法に
従った。すなわち、ヒトIV型コラーゲンの100μg/m
l、リン酸緩衝溶液を塩化ビニル製マイクロプレートの
各ウェルに1滴づつ加え、一晩摂氏4度で放置した。ヒ
トIV型コラーゲン溶液を除去した後に10%ウシ血清−
リン酸緩衝溶液をピペットで3滴各ウェルに加え、1時
間ブロッキングを行った。ブロッキング溶液を除去した
後、各ハイブリドーマコロニーの上清を1滴づつ別々の
所定のウェルに加えた。1時間反応させた後、上清を除
去しリン酸緩衝溶液で3回洗浄した。
【0016】二次抗体としてFITC(フルオレッセン
イソチオシアネート)で標識した抗マウスIgG(F
(AB)2フラグメント)溶液を加え、30分間放置
し、二次抗体溶液を除去して充分洗浄した。上記検体上
清の中から蛍光を発するものを選び、これに対応するハ
イブリドーマ3種を得、これらハイブリドーマを制限希
釈法によりクローニングした。まず、ハイブリドーマが
1ウェルあたり0.3個、1.0個、3個となるように
培養液で希釈した。このとき、1ウェルあたり100万
個の胸腺細胞を加えて正確に希釈できるようにした。マ
イクロプレートは摂氏37度で10%CO2 100%
相対湿度の条件で培養した。5日目に検鏡し、1ウェル
中に1個のコロニーを含むものをチェックしておき、2
週間成育したところで同様の制限希釈を繰り返した。こ
の操作を3回繰り返して最終的に1種類のコロニーを選
択し、該コロニーを通常の培養器にうつしかえ、それぞ
れ5mlの培養液で5×106個/mlになるまで培養し
た。コロニーの培養液を遠心管に移し、1500rpmで
5分間遠沈させ、上清と細胞を分離し、細胞にはRPM
I−1640培養液をあらたに0.5ml加えゆっくり懸
濁させた。この細胞懸濁液に4.5mlのFCSを含むR
PMI−1640培養液を加え継代培養した。すなわ
ち、細胞1×106個を、5mlのウシ血清を含むRPM
I培養液に懸濁させ、5%CO2 摂氏37度 100
%相対湿度の条件で培養する。60時間後5×106
に増殖し、この操作で1代の培養となる。この細胞を遠
心分離機で培養液と分離し、新しい培養液を加えて希釈
する。1×106個/mlに希釈された細胞培養液1mlに
4mlの培養液を加えるという操作で継代培養される。1
0代継代培養された50mlの培養液から遠心分離により
5×107個の細胞を得、5lの培養液に懸濁させた。
これを回転培養ビン10本に分注し、5%CO2 摂氏
37度 100%相対湿度1rpmの条件で5日間培養し
た。5×106/mlに達した培養液から遠心分離で細胞
を除き、吸引濾過し、濾液に硫酸アンモニウムを加え4
5%として沈殿物を得た。沈殿物はさらにプロテインA
により精製した。計15lの培養液から73mgの抗ヒト
IV型コラーゲンモノクローナル抗体を粉末として得た。
この抗ヒトIV型コラーゲンモノクローナル抗体はSDS
−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一のバンドであ
り、JK199と名付けた
【0017】又、同方法により計15lの培養液から9
2mgの抗ヒトIV型コラーゲンモノクローナル抗体を粉末
として得た。この抗ヒトIV型コラーゲンモノクローナル
抗体は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単
一のバンドであり、JK132と名付けた。
【0018】(c)JK199抗体及びJK132抗体
の免疫グロブリンサブクラス JK199抗体及びJK132抗体の免疫グロブリンサ
ブクラスはオクタロニー二重免疫拡散法により行い、両
抗体ともにIgG2aであると判明した。
【0019】(d)JK199抗体及びJK132抗体
の反応特異性 各種抗原を1μg/mlになるようにリン酸緩衝液に溶解
し、これらの溶液を0.1ml正確に塩化ビニル製マイク
ロプレートの各ウェルに滴下し摂氏4度で一晩放置し
た。抗原溶液を除去した後、10%ウシ胎児血清を0.
5ml各ウェルに加え、1時間ブロッキングした。ブロッ
キング溶液を除去した後、10μg/mlに調整したJK1
99 0.1mlを各ウェルに滴下し、1時間反応させ
た。リン酸緩衝液でよく洗浄した後、二次抗体としてペ
ルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(Cappel
社製)を0.2mlづつ各ウェルに加え、1時間反応させ
た。二次抗体溶液を除いた後、リン酸緩衝液で4回洗浄
し、0.001%過酸化水素を含む基質溶液を0.1ml
各ウェルに加えた。基質溶液はo−フェニレンジアミン
を使用直前に0.1Mクエン酸−0.2Mリン酸緩衝液
(pH4.8)に溶解し、0.4mg/mlとしたものを用
いた。10分後、各ウェルに20μlの8M硫酸溶液を
加え反応を停止させ、マイクロプレート光度計で492
nmの吸光度を測定した。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】 ──────────────────────────────────── SP2/0 JK199 JK132 ──────────────────────────────────── ヒトI型コラーゲン 0.01 0.07 0.03 ヒトIII型コラーゲン 0.01 0.07 0.02 ヒトV型コラーゲン 0.01 0.09 0.04 ヒトIV型コラーゲン 0.03 1.28 1.07 ウシIV型コラーゲン 0.04 0.05 0.07 ヒトフィブロネクチン 0.01 0.02 0.03 マウスラミニン 0.08 0.07 0.07 ヒトラミニン 0.10 0.09 0.10 ──────────────────────────────────── *数値は使用したリン酸緩衝液の492nmの吸光度を
0.00とした場合の各サンプルの吸光度 *SP2/0は対照としてミエローマ細胞の培養液をサ
ンプルとしたもの
【0021】表1から明らかなようにJK199及びJ
K132はヒト基底膜由来のコラーゲン画分であるIV型
コラーゲンを特異的に認識し、他の型のコラーゲン画
分、すなわちヒトI型コラーゲン画分、ヒトIII型コラ
ーゲン画分や、ウシIV型コラーゲン画分は認識せず、ヒ
トフィブロネクチン、ヒトラミニン、マウスラミニンも
認識しなかった。
【0022】実施例2 熱処理血清を用いたヒトIV型
コラーゲンの定量 次に熱処理した血清を用いるヒトIV型コラーゲンの定量
方法について説明する。なお、本実施例においてはいわ
ゆる3ステップのサンドイッチ法を用いた。すなわち、
図4(A)に示すように、ウェル壁10に抗体12を結
合させる。この抗体に対し、検体中のコラーゲン14を
結合させ、さらにビオチン化抗体16をコラーゲン14
に結合させる(図4(B))。そして、固相と液相を分
離し、固相のビオチン化抗体16にアビジン−POD1
8を結合させ(図4(C))、アビジン−POD18の
酵素活性部位により化学反応を進行させ、その化学反応
量によりコラーゲン量を測定するものである(図4
(D))。次に、このサンドイッチ法の詳細を説明す
る。
【0023】(a)ビオチン標識モノクローナル抗体の
調製法 実施例1(b)で得られた精製モノクロナール抗体(JK
132)を0.1M炭酸水素ナトリウム溶液に1mg/ml
となるように溶解させた。この溶液1mlに対して、N−
ヒドロキシサクシイミドビオチンを1mg/mlの濃度にジ
メチルスルオキサイドに溶解させた溶液を0.06ml加
え、攪拌しながら室温で4時間反応させた。反応液をリ
ン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)に対して十分に透析
後、冷蔵又は凍結保存した。
【0024】(b)血清の熱処理法 標準試料として実施例1(a)で得られた精製ペプシン可
溶化ヒトIV型コラーゲンを、ゼラチン水解物4.5%及
びヘパリンナトリウム1000U/mlを含むリン酸緩衝生
理食塩液(pH7.4 GH緩衝液)で1000ng/ml
に調整し、これを段階希釈したものを各試験管あたりそ
れぞれ70μl用い、それぞれの試験管に更に正常者血
清より調整した標準血清を各試験管あたり70μl、G
H緩衝液を各試験管あたりそれぞれ140μl加えた。
一方、血清試料として正常者(NOR)、肝癌(HC
C)、肝硬変(LC)、慢性肝炎(CH)の患者のそれ
ぞれの血清を各試験管あたりそれぞれ70μl用い、そ
れぞれの試験管にさらにGH緩衝液を各試験管あたり2
10μl加えた。これらの溶液を45度の水浴中に1時
間静置した(表2参照)。
【0025】
【表2】
【0026】(c)固相担体としてポリスチレン製マイ
クロプレート(Flow Laboratories
製)を用いた3段階サンドイッチ法 実施例1(b)で得られたヒトIV型コラーゲンに対する精
製モノクローナル抗体(JK199)をリン酸緩衝生理
食塩液(pH7.4)に溶解し、その濃度を14.5μ
g/mlに調製した。この抗体溶液を固体担体としてのポリ
スチレン製マイクロプレートにコートするために1ウェ
ル当り100μl添加し、摂氏37度、24時間処理後
ブロックエース(大日本製薬)をリン酸緩衝生理食塩液
(pH7.4)で1/4希釈したブロッキング緩衝液を
1ウェル当たり350μl添加し、摂氏37度、1時間
処理してブロックし、よく水分を切った後に冷凍保存す
る。使用時に予め室温に戻してアッセイに使用する(図
4(A))。
【0027】次に、熱処理した試料を1ウェル当り10
0μl添加し、摂氏37度、2時間インキュベーション
(免疫反応)後、0.05%Tween20含有リン酸
緩衝生理食塩液(pH7.4 洗浄緩衝液)にて洗浄す
る。そして、実施例2(a)で得られたビオチン化したヒ
トIV型コラーゲンに対する精製モノクローナル抗体(ビ
オチン化JK132)を0.2μg/ml、マウスIgGを
2μg/ml含む洗浄緩衝液(ビオチン化抗体液)を1ウェ
ル当り100μl添加し、摂氏37度、1時間インキュ
ベーション(免疫反応)後、洗浄緩衝液にて洗浄する
(図4(B))。
【0028】次にアビジン化西洋ワサビ由来ペルオキシ
ダーゼ(Vector Laboratories)を0.5μg/ml含む洗浄
緩衝液(av-POV液)を1ウェル当り100μl添加し、摂
氏37度、0.5時間インキュベーション(免疫反応)
後、洗浄緩衝液にて洗浄する(図4(C))。次に2,2'
-azino-di[3-ethyl-benzthiazoline] sulfonate(ABTS)
を基質とするペルオキシダーゼ基質システム(Kirkegaar
d & Perry Laboratories)を1ウェル当り100μl添
加し、室温にて30分間インキュベーション(発色反
応)後、マイクロプレートリーダーで波長405nmの吸
光度を測定し、盲検と試料の吸光度の差を求める(図4
(D))。標準試料より作成した検量線より検体の吸光
度に相当するIV型コラーゲン量を求めた(表3参照)。
【0029】図5にペプシン可溶化コラーゲンの検量線
を示した。同図より明らかなごとく、定量感度は0.3
91ng/0.1mlであり、定量範囲は0.391〜125ng
/0.1mlであった。また、同一検体を測定した時の同時再
現性及び日差再現性はいずれも良好な結果が得られた。
【0030】
【表3】 測定条件 ──────────────────────────────────── 検体 検量線標準液 ──────────────────────────────────── 熱処理サンプル 100μl 100μl 抗体結合マイクロプレート 2ウェル 2ウェル 第1次免疫反応 混和後37度2時間静置 洗浄 洗浄緩衝液350μlで3回洗浄 ビオチン化抗体液 100μl 100μl 第2次免疫反応 混和後37度1時間静置 洗浄 洗浄緩衝液350μlで3回洗浄 av−POD液 100μl 100μl 洗浄 洗浄緩衝液350μlで3回洗浄 基質液 100μl 100μl 発色反応 室温で30分静置 比色 波長405nmで吸光度測定 ────────────────────────────────────
【0031】また、図6に表2に示した血清中のヒトIV
型コラーゲンの測定結果を示した。同図より明らかなよ
うに、血中ヒトIV型コラーゲンを定量すると、肝線維化
の程度を反映する測定値の上昇が認められた。
【0032】実施例3 熱処理法によるヒトIV型コラー
ゲンの定量 次に免疫反応中に熱処理をするヒトIV型コラーゲンの定
量方法について説明する。なお、本実施例においてはい
わゆる1ステップのサンドイッチ法を用いた。すなわ
ち、図7(A)に示すようにウェル壁10にアビジン1
2を介して結合したビオチン化抗体とPOD−抗体18
を、検体中のコラーゲン16に同時に反応させる。つい
で、固相と液相を分離し、固相上のビオチン化抗体14
に対し、検体中のコラーゲン16を結合させ、さらにP
OD−抗体18をコラーゲン16に結合させた複合体を
得る(図7(B))。そして、POD−抗体18の酵素
活性部位により化学反応を進行させ、その化学反応量よ
りコラーゲン量を測定するものである(図7(C))。
次に、このサンドイツチ法の詳細を説明する。
【0033】(a)ビオチン抗体(ビオチン−Fa
b’)の調製 モノクローナル抗体(JK199;10mg/2ml)
液を0.1M酢酸緩衝液(pH4.2)にて透析し、こ
れにペプシン溶液(ベーリンガー・マンハイム社製;2
0mg/ml 0.1M酢酸緩衝液;50μl)を加
え、37℃で60分間反応させた。反応液を遠心分離
し、上清をセファクリル−S−200カラム(直径1.
5cm×50cm,溶出液:0.1Mリン酸緩衝液 p
H6.0)にかけ、F(ab’)2分画を得た。このF
(ab’)2分画にジチオスレイトールを濃度が20ミ
リモル/lになるように加え、37℃で1時間反応させ
た。反応液を遠心分離し、上清をセファクリル−S−2
00カラム(直径1.5cm×50cm,溶出液:0.
1Mリン酸緩衝液 pH6.0)にかけ、Fab’分画
を得た。Anal.Biochem.149,529〜536(1985)記載の方法
に従い、3−(N−マレイミドブチリル)−ビオシチン
(MBB)を合成し、Fab’(1.66mg/1.3m
l)にMBB溶液(0.5mg/ml 0.1Mリン酸緩衝液
pH6.0 0.5ml)を加え、室温で2時間反応さ
せた。反応液を遠心分離し、上清をセファデックス−G
−25カラム(直径1.5cm×30cm、溶出液:0.1
Mリン酸緩衝液pH6.0)にかけ、ビオチン−Fa
b’を得た。
【0034】(b)固相の調製 BSA(オリエンタル社製、F−V;30mg)を0.
1Mリン酸緩衝液(pH7.0,0.1ml)に溶解
し、これにNHS−SS−ビオチン溶液(ピアス社製、
16.8mg/ml 0.1Mリン酸緩衝液 pH
7.0;1ml)を加え、30℃で1時間反応させた。
反応液を遠心分離し、上清をセファデックス−G−25
カラム(直径1.5cm×30cm,溶出液:50mM
炭酸緩衝液pH9.6)にかけ、ビオチン−BSA分画
を得た。上記工程で得たビオチン−BSAを50mM炭
酸緩衝液(pH9.6)で希釈し、ビオチン−BSA濃
度を10μg/mlに調製した。この液(150μl)
をプレート(ヌンク社製,イムノプレートI,96穴)
のウェルに分注し、室温にて1時間反応させて固定化し
た。ウェルを生理食塩水で数回洗浄した後、ブロック溶
液(0.5%BSA;300μl)をウェルに分注し、
室温にて1時間静置した。次いで、ウェルを生理食塩水
で数回洗浄後、アビジン溶液(ベクター社製,アビジン
D,50μg/ml 0.1Mリン酸緩衝液 pH7.
0;150μl)をウェルに分注し、室温にて2時間反
応させた。ウェルを生理食塩水で数回洗浄した後、前記
(a)で調製したビオチン−Fab’液[1.6μg/
ml(10mM リン酸緩衝液 pH7.0 0.15
M NaCl,0.5%BSA);150μl]を加
え、室温にて1夜(18〜22時間)反応させ処理し、
固相を得た。
【0035】(c)POD−Fab’の調製 モノクローナル抗体(JK132)を用い、前記(a)
のJK199と同様の方法でFab’を得た(但し、ペ
プシン消化の時間を30分とした)。POD(ベーリン
ガー・マンハイム社製;6mg)を0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0; 0.8ml)に溶解し、これにN−
(γ−マレイミドブチリルオキシ)サクシンイミド(同
仁化学(株)製)液(80mg/ml N,N’ジメチ
ルホルムアミド;50μl)を加え、30℃で1時間反
応させた。反応液を遠心分離し、上清をセファデックス
−G−25カラム(直径1.5cm×30cm,溶出
液:0.1Mリン酸緩衝液 pH6.0)にかけ、PO
D−マレイミド分画を得た。Fab’(1mg)に対し
てPOD−マレイミド(1mg)を加え、冷所にて20
時間反応させた。反応液を遠心分離し、上清をセファク
リル−S−200カラム(直径1.5cmx50cm,
溶出液:0.1Mリン酸緩衝液 pH6.5)にかけ、
POD−Fab’分画を得た。
【0036】(d)IV型コラーゲンの定量法 IV型コラーゲン(シグマ社製)をIV型コラーゲンを含ま
ないヒト血清に溶解し、コラーゲン濃度0〜1000n
g/mlの試料を調製した。固相のウェルに試料20μ
lを入れ、さらに、酵素標識抗体液[POD−Fab’
(約20IU)に0.01Mリン酸緩衝液(pH7.
0,0.3M塩化ナトリウム,0.5%BSA含有)を
加え、全量を10mlとしたもの;100μl]を加
え、45℃で3時間加温した。反応後、反応液を吸引除
去し、洗浄液(生理食塩水)を加え、洗浄液を吸引除去
した。この洗浄操作をさらに4回繰り返した。洗浄後、
基質液[ABTS1mg/ml,0.01%過酸化水
素,0.1Mクエン酸緩衝液pH4.2;150μl]
を加え、37℃で30分間反応させた後、この液の吸光
度を415nm(主波長)及び650nm(副波長)又
は405nmで測定し、検量線を作成した(図8)。
【0037】この検量線を用いて、正常:20例,慢性
肝炎:20例,肝硬変:21例の血中IV型コラーゲンを
同様の方法により測定し、疾患別分布について調べた。
結果を図9に示す。平均は正常対照者で15ng/m
l、慢性肝炎で55ng/ml、肝硬変で93ng/m
lと肝線維化の進行が進むに従い、IV型コラーゲンの値
が上昇した。
【0038】図6及び図9に見られるように、本発明に
かかる方法で測定した肝疾患者血清中のヒトIV型コラー
ゲンの濃度の測定値は、正常人血清中の測定値よりも明
らかに高い値を示す。従って、本発明の測定方法を用い
れば、血中ヒトIV型コラーゲンの濃度を測定することに
より、患者に負担のかかるバイオプシーを実施すること
なく、肝疾患、特に肝線維化、肝癌及び肝転移消化器癌
を予知することができる。
【0039】従来の肝機能判定法として用いられるZT
T(硫酸亜鉛混濁反応)、GOT(グルタミンオキザロ
酢酸トランスアミナーゼ)、GPT(グルタミンピルビ
ン酸トランスアミナーゼ)、ALP(アルカリフォスフ
ァターゼ)、LDH(乳酸脱水素酵素)、γ−GTP
(γ−グルタミルトランスペプチダーゼ)等の測定で
は、肝組織の線維化、肝癌及び肝転位消化器癌を判定す
ることが困難であることが知られており、本発明にかか
る測定方法により血中ヒトIV型コラーゲンの濃度を測定
することにより、この種の疾患の早期発見も可能となる
ことが期待される。本発明にかかる測定方法によりヒト
IV型コラーゲンの濃度測定に基づく肝組織の線維化、肝
癌及び肝転移消化器癌の診断を行うことができるので、
本発明は著しい有用性を有するものである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるコ
ラーゲンの測定方法によれば、検体を摂氏39〜60度
で処理することとしたので、抗体とコラーゲンとの反応
性を向上させることが可能となり、コラーゲンの測定感
度が大幅に上昇する。また、測定対象のコラーゲンがヒ
トIV型コラーゲンであることで、特に肝疾患の診断を容
易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】,
【図2】,
【図3】検体を熱処理した場合の、抗体とコラーゲンの
反応性を示す説明図である。
【図4】実施例2で用いるコラーゲン測定方法の概念を
示す説明図である。
【図5】実施例2の方法によるコラーゲンの検量線図で
ある。
【図6】実施例2による疾患別ヒトIV型コラーゲンの血
中濃度の測定例の説明図である。
【図7】実施例3で用いるコラーゲン測定方法の概念を
示す説明図である。
【図8】実施例3にかかるコラーゲンの測定法によるコ
ラーゲンの検量線図である。
【図9】実施例3による疾患別IV型コラーゲンの血中濃
度の測定例の説明図である。
【手続補正書】
【提出日】平成6年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 重喜 大阪府三島郡島本町若山台2丁目2番22− 202号 (72)発明者 藤尾 美恵子 大阪府茨木市新中条町10−5 サンフォレ スト新中条207

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コラーゲンに対するモノクローナル抗体
    を用い、検体中のコラーゲンと結合させることにより、
    該検体中のコラーゲンを測定するコラーゲンの測定方法
    において、前記検体を摂氏39〜60度で処理すること
    を特徴とするコラーゲンの測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、測定対象
    のコラーゲンはヒトIV型コラーゲンであることを特徴と
    するコラーゲンの測定方法。
  3. 【請求項3】 固相担体に結合させる抗体及び標識を付
    与する抗体としてコラーゲンに対するモノクローナル抗
    体を用い、検体中のコラーゲンと結合させることにより
    前記固相側抗体及び標識抗体によりサンドイッチ状に保
    持し、固相と液相を分離し、固相または液相中の標識物
    質を測定することにより検体中のコラーゲンを測定する
    コラーゲンの測定方法において、前記検体を摂氏39〜
    60度で処理することを特徴とするコラーゲンの測定方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004108914A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Kudo Norio コラーゲンの測定方法
JPWO2021193763A1 (ja) * 2020-03-25 2021-09-30

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CN115280146A (zh) * 2020-03-25 2022-11-01 富士瑞必欧株式会社 包含人iv型胶原7s结构域的片段的测定方法以及用于该测定方法的试剂盒

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