JPH06247862A - 白血球除去フィルター材料、白血球除去装置および白血球除去方法 - Google Patents

白血球除去フィルター材料、白血球除去装置および白血球除去方法

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JPH06247862A
JPH06247862A JP5346979A JP34697993A JPH06247862A JP H06247862 A JPH06247862 A JP H06247862A JP 5346979 A JP5346979 A JP 5346979A JP 34697993 A JP34697993 A JP 34697993A JP H06247862 A JPH06247862 A JP H06247862A
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秀一郎 稲留
Shinichiro Oka
慎一郎 岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の第1の目的は、赤血球製剤もしくは
全血製剤を輸血する際に用いられる白血球除去用フィル
ター装置に好適に用いることのできる、白血球除去能力
の高いフィルター材料を提供すること、より詳しくはフ
ィルター材料表面に一定の化学的性質を与えることによ
って、高い白血球除去能力を持った優れたフィルター材
料、フィルター装置及び方法を提供することにある。 【構成】 表面に塩基性官能基と非イオン性親水基とを
有し、該表面における塩基性官能基の非イオン性親水基
に対するモル比が0.6〜6であり、かつ該表面の塩基
性官能基密度が5×10-5〜0.1meq/m2 である
繊維または連続気孔を有する高分子多孔質体からなる白
血球除去用フィルター材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は白血球除去用のフィルタ
ー材料、白血球除去フィルター装置および白血球除去方
法に関する。詳しくは、輸血用全血製剤または赤血球製
剤から副作用の原因となる混入白血球を除去するための
フィルター材料、フィルター装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】輸血分野においては、供血者から採血し
た血液に抗凝固剤を添加した全血製剤を輸血するいわゆ
る全血輸血に加え、全血製剤から授血者の必要とする血
液成分を分離しこれを輸注するいわゆる成分輸血が一般
的に行われている。成分輸血には、授血者が必要とする
血液成分によって赤血球輸血、血小板輸血、血漿輸血な
どがあり、これらに用いられる血液成分製剤には赤血球
製剤、血小板製剤、血漿製剤、などがある。また近年こ
れら全血輸血及び成分輸血において、血液製剤中に含ま
れる混入白血球を除去して輸血する、いわゆる白血球除
去輸血が行われるようになってきている。これは製剤中
に混入している白血球が、輸血に伴う頭痛、吐き気、悪
寒、非溶血性発熱反応、アロ抗原感作、輸血後GVH
D、ウィルス感染などの副作用を誘発させることが明ら
かになったためである。
【0003】頭痛、吐き気、悪寒、発熱などの比較的軽
微な副作用を防止するためには、1回の輸血で授血者に
注入される白血球数を1億個程度以下に抑える必要があ
るとされており、このためには血液製剤中の混入白血球
数を10-1〜10-2以下になるまで除去する必要があ
る。また重篤な副作用の1つであるアロ抗原感作を予防
するには、1回の輸血で注入される白血球数を500万
個ないしは100万個以下に抑える必要があるとされ、
このためには製剤中の白血球数を10-4以下になるまで
除去することが必要である。輸血後GVHDやウィルス
感染については、いまだ定説はないが、輸血後GVHD
及びサイトメガロウィルスや成人T細胞白血病ウィルス
のように、白血球内にのみ存在すると考えられているウ
ィルスについては、製剤中の混入白血球数を10-4〜1
0-6以下にまで除去することで、その発症及び感染を予
防できると期待されている。
【0004】血液製剤から白血球を除去する方法には大
別して、血液成分の比重差を利用した遠心分離法と、繊
維素材や連続気孔を有する多孔質体を濾材とするフィル
ター法の2種類があるが、白血球除去能力の高いこと、
操作が簡便であること、コストが低いことなどの理由に
よりフィルター法が広く用いられている。
【0005】上記の繊維素材または多孔質体を用いたフ
ィルター装置による白血球除去の主たる機序は、繊維或
いは多孔質体の表面と接触した白血球がそれら材料表面
に吸着されることによると考えられている。従来の白血
球除去フィルター装置における高性能化の検討は、主に
フィルター材料表面と白血球との接触頻度を高めること
即ち平均繊維径を小さくすること、繊維状素材の充填密
度を高めること、或いはより均一な繊維径分布を有する
不織布を用いること(特開平2−203909号)など
に集中している。しかしながら、赤血球製剤或いは全血
製剤の様に、製剤中に高い割合で赤血球を含む製剤にお
いて、上に挙げられるような手段のみを用いて高性能化
を行うには限界がある。即ち、上記方法のようなフィル
ター材料の物理的構造をもって白血球の材料への接触頻
度を高めるに伴い、製剤中に高濃度で存在する赤血球の
フィルター材料表面への接触頻度および通過抵抗も高ま
り、処理時間の著しい延長や赤血球膜の破壊に伴う溶血
が生じる等の問題があった。従って、上に挙げた高性能
化手法を採用する場合には、赤血球の通過抵抗を考慮す
ると、おのずと許容し得るフィルター材料の物理的構造
の範囲が存在し、またそれに伴って得られる白血球除去
性能にも限界が存在する。従って、アロ抗原感作、輸血
後GVHD、ウィルス感染などの重篤な副作用を予防す
るために製造中の混入白血球数を10-4〜10-6以下に
まで除去しようとすると、良好な処理時間の範囲内で濾
過することが困難であった。
【0006】一方、前述のような白血球除去機構(吸
着)を考えれば、フィルター材料表面に適切な化学的性
状を付与することによって、白血球のフィルター材料に
対する吸着確率を高めることも可能であろうと考えられ
る。しかしながら、これまで輸血用の白血球除去フィル
ター材料の研究において、材料表面の化学的性状に着目
して白血球除去率を高めようとしたものはほとんど無か
った。
【0007】材料表面の化学的性状に着目した検討例と
しては、特開平1−249063、WO87/0581
2、EP0500472A2、特公表3−502094
(WO89/03717)などがある。しかしながら、
特開平1−249063で開示されている技術は、輸血
用の血小板製剤から白血球を選択的に除去するのが目的
であって、一般に吸着性の高い細胞として知られる血小
板の通過率を向上させつつ、白血球の吸着性を維持する
ために適した材料表面の化学的性状として、親水性且つ
不電荷を有するものが有用であることを開示しているに
過ぎない。またWO87/05812も同様に、白血球
を選択的に吸着除去し、血小板は除去せずに通過させる
「白血球の選択除去」技術を開示したものであるが、明
細書中に「塩基性含窒素官能基を有する材料は、細胞を
浮遊させるような生理的液体中で材料表面が正荷電を有
するようになり、負荷電を有する血小板および白血球を
ともによく粘着させるというのが一般的な現象であっ
た」との記載があり、この記載内容を裏付けるように、
表面改質不織布を用いた実施例および比較例において、
繊維の周囲表面部分を構成する材料の組成に占める塩基
性含窒素官能基の割合が増すに従って白血球が10-2弱
まで除去されたことが、新鮮全血を処理した実験によっ
て示されている。更にWO87/05812の発明者ら
による発表文献(Advanced methods
for leucocyte removal by
blood filtration.In:Brozo
vic B,ed.The Role of Leuc
ocyte Depletion in Blood
Transfusion Practice.oxfo
rd:Blackwell Scientific P
ublication.1989:35−40.)にも
同様の内容の実験結果が開示されている。しかしなが
ら、これらの公報および文献に記載されているフィルタ
ー材料を作成し、実際に血液製剤を濾過してみると、本
願の比較例2および比較例5に示すごとく、赤血球製剤
では期待される白血球除去率改善効果が得られなかっ
た。また全血製剤、赤血球製剤いずれの場合にも、製剤
中の混入白血球数を10-4〜10-6以下にまで除去する
ことが出来なかった。更に、必ずしも該官能基の割合に
比例して白血球除去率が高まるわけではなく、該官能基
を高含有率で有するにもかかわらず、該官能基を有しな
い材料に比べてむしろ白血球除去率が低下する場合さえ
あった。
【0008】またEPO500472A2は、赤血球製
剤から白血球及び血小板を除去するに際し、ゼータ電位
がプラスのフィルター材料を用いることによって良好な
赤血球の通過性を維持しつつ血小板の除去率を高めるこ
とを目的とした技術であり、白血球の除去率を高めるこ
とを目的としたものではない。明細書中には、ここで開
示されている表面改質技術を適用せずとも、白血球は良
好に除去される旨の記載があり、当然ながら白血球除去
率を高めるための具体的要件(例えば本願によって開示
される塩基性官能基の非イオン性官能基に対する比率や
塩基性官能基の密度など)についての具体的な記載はな
い。実際、実施例と比較例とを対比しても、該技術によ
って白血球除去率が高まることを明確に示すものはな
く、逆に白血球除去率が低下している例も見られる。実
施例6において、4級アンモニウム塩を有するコーティ
ング材を被覆したポリウレタン製のスポンジによって、
赤血球製剤中の白血球が10-3.7まで除去されたことが
示されているが、10-4〜10-6以下にまで除去した例
はない。またフィルター材料用の基材についても、エジ
プト綿、ポリビニルホルマール多孔質体、ポリウレタン
多孔質体について開示しているのみであり、好適なフィ
ルター材料もしくはフィルター材料用の基材として広く
用いられている、合成繊維からなる不織布をはじめ上記
以外の素材及び形態を有するものに付いての具体的詳細
な記載はない。また4級アンモニウム塩は抗菌性を有す
ることが広く知られているが、その作用は4級アンモニ
ウム塩が細菌の細胞膜を破壊することによってもたらさ
れると考えられている(池田富樹(いけだとみき)他、
「抗菌性ポリカチオン」。竹本喜一他編、高分子と医
療、459〜496ページ、三田出版会、1989
年)。従って赤血球膜に対してもダメージを与える恐れ
がきわめて強く、輸血用フィルターとしての安全性、有
効性に問題があった。
【0009】また特公表3−502094(WO89/
03717)は、フィルター材料に親水性を付与して血
液によるプライミングを容易にするのが目的であり、白
血球除去率を高めるのが目的ではない。実際ここで開示
されている表面改質技術によって白血球の吸着確率が向
上したという記載もない。これらの公知技術には、フィ
ルター材料表面に適切な化学的性状を付与することによ
って、白血球のフィルター材料に対する吸着確率を高め
ようという観点はなく、従って、白血球除去率を高める
ための材料として具備すべき化学的性状についての記載
もなかった。更にこれらの技術によって白血球除去率が
改善したことを示す記載もほとんど見あたらなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、輸血用
の白血球除去フィルター材料において、白血球の吸着力
向上に顕著な効果を持ち、全血及び赤血球製剤を通じて
混入白血球数を10-4〜10-6以下にまで除去するため
に必要且つ十分な材料表面の化学的性状について、本格
的に言及したものはなく、上記の目標を達成しようとす
れば多量のフィルター材料を用いることが必要であっ
た。従って濾過時の流速を良好に維持しようとすれば、
フィルター材料の密度を下げざるを得ないためにフィル
ター装置の容積が大きくなって、一般にフィルター装置
と共に廃棄する血液量が増えて赤血球回収率が低く、ま
た、赤血球回収率を90%以上にしようとすれば、フィ
ルター装置内におけるフィルター材料の充填密度を高め
ざるを得ず、このために血液処理時の低い流速及びその
経時的な著明な低下を容認せざるを得なかった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
赤血球製剤もしくは全血製剤を輸血する際に用いられる
白血球除去用フィルター装置に好適に用いることのでき
る、白血球除去能力の高いフィルター材料を提供するこ
と、より詳しくはフィルター材料表面に一定の化学的性
質を与えることによって、白血球を10-4〜10-6以下
にまで除去出来ると同時に、90%以上の赤血球回収率
と良好なる処理時間を達成できる優れたフィルター材料
を提供することにある。また本発明の第2の目的は、赤
血球製剤もしくは全血製剤用の白血球除去能力の高い白
血球除去用フィルター装置を提供すること、より詳しく
は一定の化学的性質を付与したフィルター材料を適切に
フィルター装置内に配置する事によって、白血球を10
-4〜10-6以下にまで除去出来る優れたフィルター装置
を提供することにある。また本発明の第3の目的は、赤
血球製剤もしくは全血製剤を輸血する際に高い白血球除
去率を達成出来る、白血球除去方法を提供すること、よ
り詳しくは一定の化学的性質を付与したフィルター材料
を用いて上記血液製剤を濾過する事によって、白血球を
10-4〜10-6以下にまで除去出来る白血球除去方法を
提供することにある。
【0012】本発明者らは上記の目的に従い、フィルタ
ー材料表面への荷電の導入による白血球吸着力の向上を
考え、導入する荷電の種類、またその導入量について鋭
意検討を進めてきた。正の荷電を有する種々の塩基性官
能基を持つ重合性モノマーを、放射線グラフト法によっ
て繊維表面に直接重合させた不織布及び高分子多孔質
体、または該モノマーを重合して得たポリマーを繊維表
面にコーティングした不織布及び高分子多孔質体を用
い、これらの白血球除去性能を検討したが、意外なこと
に、これらの不織布または高分子多孔質体がその表面部
分に高含有率で塩基性窒素原子を持つにも関わらず白血
球除去性能が改善されないか、むしろ低下する場合もあ
ることを見いだした。そこで、塩基性官能基が白血球の
吸着に顕著なか改善効果を持ち得る材料表面の化学的性
質とは何かという観点から更に検討を行った結果、驚く
べきことに、塩基性官能基を有する材料表面が高い白血
球除去性能を持つには、材料表面が塩基性官能基と非イ
オン性親水基とを至適範囲の比率で含有する必要があ
り、且つ材料表面の塩基性官能基密度が好適な範囲に制
御されている必要があることを見いだし本発明を完成さ
せるに至った。
【0013】即ち、本発明は表面に塩基性官能基と非イ
オン性親水基とを有し、該表面における塩基性官能基の
非イオン性親水基にたいするモル比が0.6〜6の範囲
にあり、且つ塩基性官能基が5×10-5〜0.1meq
/m2 の密度で該表面に存在することを特徴とする、繊
維または連続気孔を有する高分子多孔質体からなる、全
血または赤血球製剤から白血球を除去するためのフィル
ター材料、血液の入口及び出口を有する容器内に、繊維
及び/または連続気孔を有する高分子多孔質体からなる
白血球除去フィルター材料を充填し、該材料によって前
記血液の入口及び出口が隔てられてなる白血球除去フィ
ルター装置において、該材料の一部もしくは全部が、表
面に塩基性官能基と非イオン性親水基とを有し、該表面
における塩基性官能基の非イオン性親水基に対するモル
比が0.6〜6の範囲にあり、且つ塩基性官能基が5×
10-5〜0.1meq/m2 の密度で該表面に存在する
フィルター材料であることを特徴とする白血球除去フィ
ルター装置及び輸血用全血製剤または赤血球製剤から白
血球を除去するに際し、これらの製剤を、表面に塩基性
官能基と非イオン性親水基とを有し、該表面における塩
基性官能基の非イオン性親水基に対するモル比が0.6
〜6の範囲にあり、且つ塩基性官能基が5×10-5〜
0.1meq/m2 の密度で該表面に存在する、繊維ま
たは連続気孔を有する高分子多孔質体からなるフィルタ
ー材料を用いて濾過することを特徴とする白血球の除去
方法である。
【0014】本発明のフィルター材料においては、材料
の表面が塩基性官能基と非イオン性親水基とを有してお
り、該表面部分に含有される塩基性官能基の非イオン性
親水基にたいするモル比が0.6〜6であることが必要
である。塩基性官能基含量が非イオン性親水基含量の
0.6倍モル未満であると十分な白血球除去性能の向上
効果が得られず、また塩基性官能基含量が非イオン性親
水基含量の6倍モルを越える場合にも、理由は必ずしも
明らかではないが、十分な白血球除去性能の向上効果が
得られないことがあるため不適である。より好ましい塩
基性官能基含量の非イオン性親水基に対する比は0.6
〜4.0であり、さらに好ましくは0.7〜2.5であ
る。本発明において塩基性官能基とは、第1級アミノ
基、第2級アミノ基、第3級アミノ基などのアミノ基、
ピリジル基、イミダゾリル基などの含窒素芳香環基をい
う。この中でも、医療用具としての安全性が高いという
点でアミノ基は好ましい官能基であり、第3級アミノ基
がより好ましい。
【0015】また本発明において非イオン性親水基と
は、ヒドロキシル基、アミド基、エーテル基、ニトロ
基、ニトロソ基、スルホキシド基、スルホニル基、ホス
ホリル基、ホスホ基、カルボキサミド、スルホンアミ
ド、チオ酸アミド、シアノ基、シアナート、チオシアナ
ート、イソシアナート、イソチオシアナート、チオカル
ボン酸などを言うが、親水性の高いヒドロキシル基、ア
ミド基、エーテルのうちエチレンオキシド単位の繰り返
しからなるポリエチレンオキシド鎖が好ましい。ただし
ポリエチレンオキシド鎖については、そのエチレンオキ
シド単位の繰り返し数によらず、即ちポリエチレンオキ
シド鎖の長さに関わらず、ポリエチレンオキシド鎖1本
を1官能基と数える。材料に含まれるポリエチレンオキ
シド鎖の鎖長が一律でない場合には、ポリエチレンオキ
シド鎖の数平均鎖長を求め、該平均鎖長に含まれるエチ
レンオキシド単位数相当を1官能基と数える。
【0016】また本発明において、フィルター材料表面
に含有される塩基性官能基の密度は、5×10-5〜0.
1meq/m2 であることが必要である。フィルター材
料表面の塩基性官能基の密度が10-5未満の場合には、
塩基性官能基と非イオン性親水基との比率が至適範囲内
にある場合でも十分な白血球除去率改善効果が得られな
いため不適である。また0.1meq/m2 を越える
と、赤血球に対して損傷を与える傾向が出てくるため不
適である。材料表面の好ましい塩基性官能基密度は10
-4〜5×10-2meq/m2 であり、より好ましくは5
×10-4〜1×10-2meq/m2 である。
【0017】なお、材料表面に含有される塩基性官能基
の非イオン性親水基に対する比率はX線光電子分光法
(XPS)、オージュ電子分光法(AES)、2次イオ
ン質量分析法(SIMS)、多重全反射フーリエ変換赤
外線分光法(ATR−FTIR)などの公知の方法によ
り測定することが出来る。また、材料表面を適当な方法
を用いて抽出し、その抽出物質の該官能基の比率を上記
の公知の手法や核磁気共鳴スペクトル法(NMR)など
を用いて分析してもよい。また塩基性官能基の量は、ト
リパンブルーなどの酸性色素の吸着量や、酸塩基滴定か
ら求めることも出来る。また、本発明における材料表面
の塩基性官能基密度は以下の方法で求められる値を言
う。まず、上記の手法の何れかを用いて該フィルター材
料単位重量当たりの表面塩基性官能基量を測定する。次
に単位重量当たりの全細孔表面積を水銀圧入法を用いて
測定し、この値をもって材料単位重量当たりの表面塩基
性官能基量を除し、材料単位表面積当たりの表面塩基性
官能基量、即ち塩基性官能基表面密度を算出する。
【0018】フィルター材料の単位重量当たりの全細孔
表面積の水銀圧入法による測定は、以下の方法で行う。
フィルター材料の一部をサンプリングし、その重量
(W)を測定する。該サンプルについて水銀ポロシメー
ター(ポアサイザー9310 PC2A形、株式会社島
津製作所、京都、日本または同等の機種)で0.1〜1
80psiaの圧力範囲で全細孔表面積(A)を測定
し、次式から単位重量当たりの全細孔表面積を求める。 単位重量当たりの全細孔表面積=A/W なお、単位重量当たりの全細孔表面積を求めるに当たっ
ては、フィルター材料の3箇所以上をサンプリングし、
その平均値を求めるのが好ましいが、複数箇所を測定し
た結果、その一部箇所が本発明で規定する範囲に入り、
残る箇所が該範囲を逸脱している場合、このような材料
も本特許の権利範囲内に含まれると考えるべきである。
【0019】本発明における塩基性官能基及び非イオン
性親水基は、フィルター材料を構成する高分子自身が持
つ塩基性官能基及び非イオン性親水基であっても、また
本来塩基性官能基もしくは非イオン性親水基或いは両官
能基を持たないフィルター用の材料(以下フィルター材
料用の基材もしくは単に基材と称す)に塩基性官能基及
び非イオン性親水基を有するモノマー、ポリマーなどを
共有結合、イオン結合、物理吸着、包埋或いは材料の基
材表面への沈澱不溶化などのあらゆる公知の方法を用い
て固定することによって導入してもよいが、放射線グラ
フトやプラズマグラフトなどのグラフト重合法によっ
て、塩基性官能基を有するモノマー及び非イオン性親水
基を有するモノマーを基材表面へ直接グラフト重合させ
る方法及び、塩基性官能基と非イオン性親水基とを有す
るポリマーを基材表面にコーティングする方法が比較的
簡便に製造可能であること、且つ性能の安定性にも優れ
るため好ましい。なおポリマーコーティングをする場合
には、ポリマーの基材からの脱落を防ぐため、コーティ
ング後にポリマーを架橋しても良い。
【0020】これら好ましい方法によりフィルター材料
用の基材の表面に固定化出来る物質の例を挙げるなら
ば、グラフト重合法により固定化出来る塩基性官能基を
有する物質としては、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3
−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレートなどの(メタ)アクリル酸の誘導体、p−ジ
メチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチ
ルスチレンなどのスチレン誘導体、2−ビニルピリジ
ン、4−ビニルピリジン、4−ビニルイミダソールなど
の含窒素芳香族化合物のビニル誘導体などがあげられ
る。以上の物質の中でも、入手のしやすい、グラフト重
合時の扱いやすさなどから、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレートなどの(メタ)アクリル酸の誘導体が好まし
く用いられる。
【0021】またグラフト重合法により固定化出来る非
イオン性親水基を有する物質の例としては、2−ヒドロ
キシルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)
アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の誘導体や酢酸
ビニル(重合後、加水分解させてビニルアルコールとす
る)などのヒドロキシル基を有するもの、(メタ)アク
リルアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基を有
するもの、またポリエチレングリコール鎖を有するモノ
マーとしてメトキシトリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)
アクリレート、オクタエチレングリコール(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。更に非イオン性親水基と塩
基性官能基とを共に有する物質の例としては、エポキシ
環を有する物質例えばグリシジル(メタ)アクリレート
などにジメチルアミンなどの第1級もしくは第2級アミ
ノ基を有する物質を反応させた誘導体、などが挙げられ
る。
【0022】またコーティングによって固定化できる物
質としては、上記の塩基性官能基を有するモノマー(以
下、単に塩基性モノマーと称す)1種以上と非イオン性
親水基を有するモノマー(以下、単に親水性モノマーと
称す)1種以上とを重合して得られる共重合体、及びこ
れらの塩基性モノマー1種以上と親水性モノマー1種以
上に加え、イオン的に中性で非イオン性親水基を持たな
い重合性モノマー(以下単に中性モノマーと称す)1種
以上及び/または酸性官能基を有する重合性モノマー
(以下、単に酸性モノマーと称す)1種以上とを重合し
て得られる共重合体などが挙げられる。更には非イオン
性親水基と塩基性官能基とを共に有するモノマー(以
下、単に親水且つ塩基性モノマーと称す)の単独重合体
または2種以上の親水且つ塩基性モノマーを重合して得
られる共重合体、もしくは1種以上の親水且つ塩基性モ
ノマーと、塩基性モノマー、親水性モノマー、中性モノ
マー、酸性モノマーの中から任意に選択した1種以上の
モノマーとを重合して得られる共重合体などがある。こ
れらのモノマーを重合する際には、ランダム共重合法、
ブロック共重合法、、交互共重合法や、モノマーの一部
をあらかじめ重合してマクロモノマー化した後、該マク
ロモノマーとモノマーとを共重合するなどあらゆる公知
の方法を用いることができるが、重合のしやすさからラ
ンダム共重合法が特に好ましい。
【0023】ここで用いられる中性モノマーの例として
はスチレン、メチル(メタ)アクリレートなどのビニル
基を有するもの、アセチレン基を有するものなどがあ
り、また酸性モノマーとしてはメタクリル酸などのカル
ボキシル基を有するもの、スチレンスルホン酸、などの
スルオン酸基を有するもの、モノ(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2
−(メタ)アクリロイルオキシブチル)アシッドホスフ
ェートなどのリン酸基を有するものなどが挙げられる。
【0024】また、上記の塩基性モノマーを重合して得
られる(共)重合体と、親水性モノマーを重合して得ら
れる(共)重合体とをブレンドしコーティングする方法
を採用しても良い。更に、エポキシ環を有する物質、例
えばグリシジル(メタ)アクリレートを重合して得た重
合体をフィルター材料用の基材にコーティングし、これ
にジメチルアミンなどの第1級もしくは第2級アミノ基
を有する物質を反応させ塩基性官能基と非イオン性親水
基を誘導させる方法を採用しても良い。
【0025】本発明におけるフィルター材料ないしフィ
ルター材料用の基材は、メルトブロー法やフラッシュ紡
糸法或いは抄造法などにより作成された不織布の他、
紙、織布、メッシュ及び多孔質体などの公知のフィルタ
ー材料の何れの形態であってもよいが、不織布は特に好
適な形態である。なおここで不織布とは、編織によらず
に繊維或いは繊維の集合体が、化学的、熱的、または機
械的に結合された布状のものをいう。繊維と繊維とが互
いに接触することによる摩擦により、或いは互いにもつ
れ合うことなどにより一定の形状を保っている場合、機
械的に結合されたことに含める。
【0026】フィルター材料用の基材が繊維よりなる場
合、その繊維素材の例を挙げるならば、ポリアミド、芳
香族ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリメチルメタ
アクリレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどの合成繊維や、セルロースアセテート、キュ
プラアンモニウムレーヨン、ビスコースレーヨンなどの
再生繊維、麻、綿、絹、毛繊維などの天然繊維である
が、次に述べる本発明に好ましい特性をもつ繊維を形成
させる際の製造のし易さなどから合成繊維はより好まし
い素材である。また、この中でもポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレンはより好ましい。
【0027】本発明においてフィルター材料が繊維より
なる場合には、これらの繊維からなる繊維フィルター素
子の平均繊維直径が0.3〜5μmであることが好まし
く、0.3〜3.5μmであることがより好ましく、更
に0.5〜2.5μmであることがより好ましい。これ
は、平均繊維直径が0.3μm未満の場合には、赤血球
製剤や全血製剤を濾過する際の圧力損失が高まりすぎて
実用的でなく赤血球を破壊する恐れがあり、一方平均繊
維径が5μmを越えると繊維表面と白血球の接触頻度が
低すぎるために発明の効果が十分に発揮されない恐れが
あるためである。
【0028】本発明でいう平均繊維直径とは以下の手順
で求められる値をいう。即ちフィルター材料を構成する
1枚または複数枚の不織布、織布、紙、メッシュから実
質的に均一と認められる繊維フィルター素子の一部分を
サンプリングし、走査型電子顕微鏡などを用いて写真撮
影する。サンプリングに際しては、繊維フィルター素子
を1辺が0.5cmの正方形によって区分し、その中か
ら6箇所をランダムサンプリングする。このサンプリン
グした6区分の内、3区分はフィルター装置内に充填す
る場合に血液の入口側に配置されると想定される面(便
宜上、以下a面と呼ぶ)を、また残りの3区分は血液の
出口側に配置されると想定される面(便宜上、以下b面
と呼ぶ)について中央部分を拡大倍率2500倍で写真
にとる。サンプリングした各区分につき写真を撮影して
いき、その写真にとられた繊維の合計本数が100本を
越えるところで撮影を終了する。こうして得た写真につ
いて、写っている全ての繊維の直径を測定する。ここで
いう直径とは、繊維軸に対して垂直方向の繊維の幅をい
う。測定した全ての繊維直径の和を、測定した繊維の数
で割った値を平均直径とする。但し複数の繊維が重なり
あっており、他の繊維の陰になってその幅が測定できな
い場合、また複数の繊維が溶融するなどして太い繊維に
なっている場合、更に著しく繊維直径の異なる繊維が混
在している場合、等々の場合には、これらのデータは削
除する。また測定を行った繊維フィルター素子におい
て、a面、b面の繊維径の間に統計的有意差があった場
合には、もはやこれを同一の繊維フィルター素子とは認
めない。この場合、このa面側とb面側とを異なる繊維
フィルター素子とする。なおここで繊維フィルター素子
とは、不織布、織布、紙及びメッシュなどよりなる繊維
布層の1層または複数層から構成され、該繊維布層の各
平均繊維直径が該複数繊維布層全体の平均繊維直径と実
質的に同一である繊維布構造体である。また、繊維フィ
ルター素子のF値は、1.6〜10g/秒/mであるこ
とが好ましく、2.6〜8g/秒/mであることがより
好ましく、2.4〜6g/秒/mであることが更に好ま
しい。ここでF値とは、日本工業規格JISL−109
6に規定されている試験によって測定した繊維フィルタ
ー素子の通気量、即ち、20℃において繊維フィルター
素子の表裏面に差圧12.7mmAqを設けた際に該素
子を1秒間に通過する空気の量を該素子1cm2 当たり
に換算した値(単位=L/秒/cm2 )、と該素子の1
cm2 当たりの重量即ち目付(単位=g/cm2 )をか
けた値の100 の を言う。F値が1.6を下回ると
血液の通過抵抗が高まって十分な流速が得られなかった
り、血液処理に伴う経時的な流速の低下が大きく実用に
適さない傾向が強まるため好ましくない。またF値が1
0を越えると、白血球とフィルター材料との接触頻度が
少なく、白血球除去率が低くなる傾向があり好ましくな
い。
【0029】繊維より成る本発明のフィルター材料を容
器内に充填し白血球除去フィルター装置として用いる場
合には、その充填密度は、0.08〜0.4g/cm3
であることが好ましく、0.1〜0.35g/cm3 で
あることがより好ましく、更に0.15〜0.3g/c
m3 であることがより好ましい。0.08g/cm3未
満の場合には繊維間の間隙が大きすぎるため、白血球の
繊維表面への接触頻度が低下し本発明の効果が十分に得
られない恐れがあるため好ましくなく、また0.4g/
cm3 を越えると繊維間の間隙が小さくなりすぎ赤血球
通過の際の圧力損失が高まり実用的でないため好ましく
ない。なおここで充填密度とは、容器内に納められた状
態での有効濾過面積部分についてのフィルター材料の重
量を、その(有効濾過面積×厚み)で割った値である。
また、白血球除去フィルター装置のP値は、3〜50m
mAq/gであることが好ましく、7〜40mmAq/
gであることがより好ましく、13〜30mmAq/g
であることが更に好ましい。ここでP値とは、白血球除
去フィルター装置の通気圧損を、該装置に充填されてい
る平均繊維直径0.3〜5μmのフィルター材料の有効
濾過断面部分における重量で割った値である。なお、通
気圧損は以下の方法によって測定される値を言う。フィ
ルター装置の血液入口側から血液出口側に向かって、室
温下、3L/分の一定流速で乾燥空気を流し、該フィル
ター装置における圧力損失を測定する。P値が3を下回
る場合には、白血球除去率が低下する傾向があり、また
50を越える場合には、処理時間が延長する傾向が強ま
るため好ましくない。
【0030】フィルター材料もしくはフィルター材料用
の基材が連続気孔を有する高分子多孔質体である場合、
その多孔質体基材の素材の例としては、ポリアクリロニ
トリル、ポリスルホン、セルロース、セルロースアセテ
ート、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリ(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。
【0031】また本発明におけるフィルター材料として
用いられる高分子多孔質体は、平均孔径が1〜60μm
であることが好ましく、1〜30μmであることがより
好ましく、更に1〜20μmであることがより好まし
い。平均孔径が1μm未満では、赤血球の通過が困難に
なる恐れがあるため好ましくなく、逆に60μmを越え
ると多孔質体表面と白血球の接触頻度が低すぎるため
に、本発明の効果が十分発揮されない恐れがあるため好
ましくない。
【0032】また高分子多孔質体の平均空隙率は、45
〜95%であることが好ましく、70〜95%であるこ
とがより好ましく、更に80〜95%であることがより
好ましい。平均空隙率が45%未満では、赤血球を通過
させる空間を十分に提供できない恐れがあるため、また
逆に95%を越える場合には、フィルター材料としての
機械的強度が不足する傾向があるため好ましくない。
【0033】なお、本発明において、平均空隙率及び平
均孔径とは以下に示す水銀圧入法によって求められる。
フィルター材料を構成する多孔質フィルター素子からラ
ンダムに3箇所を一定面積(S)サンプリングし、それ
ぞれの厚み(t)をピーコック厚み計を用いて測定し、
これらの値から各サンプルの見かけの体積(V1 =S×
T)を求める。各サンプルについて0.1〜180ps
iaの圧力範囲で測定される全細孔容積(V2 )及び全
細孔表面積(A)を求める。これらの値を用いて下記の
式から空隙率を、式から平均孔径を求める。 空隙率=(V2 /V1 )×100(%) ……… 3箇所の空隙率の平均値を求め、これを多孔質体の平均
空隙率とする。 平均孔径=(4×V2 )/A ……… 3箇所の平均孔径の平均値を求め、これを多孔質体の平
均孔径とする。なお、ここで多孔質体素子とは、連続気
孔を有する高分子多孔質体の1層または複数層から構成
され、該多孔質体層の各平均孔径及び平均空隙率が該複
数多孔質体層全体の平均気孔率及び平均空隙率と実質的
に同一である多孔質構造体である。
【0034】本発明において、繊維または連続気孔を有
する高分子多孔質体からなるフィルター材料の純水湿潤
時間は、40秒未満であることが好ましく、30秒未満
であることがより好ましく、10秒以下であることが更
に好ましい。純水湿潤時間が40秒以上の場合、純水と
ほぼ同じ表面張力を持つ血漿に対してフィルター材料の
湿潤性が低いため、本発明の材料を用いた白血球除去フ
ィルターで血液製剤を濾過する際に血液の流れが阻害さ
れる恐れがあり好ましくない。なおここで言う純水湿潤
時間とは以下の手順により求められる値である。即ち、
蒸留水10μlを測定する材料表面上に滴下し、滴下直
後からこの水滴が材料に湿潤吸収されるまでの時間を計
測する。この試験を5回繰り返して行い、これら測定値
の平均値を求め、材料の純水湿潤時間とする。
【0035】また繊維及び/または連続気孔を有する高
分子多孔質体からなるフィルター材料を容器内に充填し
白血球除去フィルター装置として用いる場合には、平均
繊維直径が0.3〜5μmである繊維よりなるフィルタ
ー材料及び/または平均孔径が1〜60μmである多孔
質体よりなるフィルター材料の合計の厚みが、1〜10
mmであることが好ましく、2〜8mmがより好まし
く、3〜6mmが更に好ましい。1mm未満では十分な
白血球除去率を得られない傾向があり、また10mmを
超えると処理時間が延長する傾向が強まる。
【0036】繊維よりなる本発明のフィルター装置は、
血液の入口側から出口側にかけて、順次平均繊維直径後
の小さい繊維フィルター素子が配置されていることが好
ましく、特に平均繊維直径の最も小さい素子よりも血液
の入口に近い位置に、該素子の1.2倍以上且つ5μm
以下の平均繊維直径を有するフィルター素子が配置され
ていることが好ましい。平均繊維直径の最も小さい素子
は、最も白血球吸着効率に優れた素子であるが、それ故
に吸着した白血球によって目詰まりを起こしやすく、血
液製剤がここに至る前に、比較的平均繊維直径の大きな
フィルター素子によって、白血球を粗く除去しておくこ
とが好ましい。
【0037】本発明のフィルター装置は、有効濾過面積
/フィルター厚みが、50〜300であることが好まし
く、70〜250であることがより好ましく、90〜2
00であることが更に好ましい。ここでフィルター厚み
とは、平均繊維直径が0.3〜5μmの繊維からなるフ
ィルター材料及び/または平均孔径が1〜30μmの高
分子多孔質体からなるフィルター材料のフィルター装置
内における厚み、即ちフィルター材料内を血液が流れる
際の最短距離を言う。有効濾過面積/厚みが50を下回
ると、血液処理に際しての経時的な流速低下及び白血球
除去率の低下が大きく、微小凝集物数や白血球数の異な
る種々の血液製剤を処理する場合に、安定した性能を発
揮する事が難しくなる傾向が強まるため好ましくない。
また有効濾過面積/厚みが300を越えると、赤血球回
収率90%以上を達成しようとした場合に許容されるフ
ィルター厚みが小さすぎて、白血球残存率10-4〜10
-6を達成するために必要な量のフィルター材料を充填す
ることが難しくなり、安定的に製造する事が困難になる
傾向が強まるため好ましくない。
【0038】本発明の白血球除去フィルター装置及び白
血球除去方法は、平均繊維直径が0.3〜5μmの繊維
からなるフィルター材料及び/または平均孔径が1〜3
0μmの高分子多孔質体からなるフィルター材料の重量
1g当たりの処理血液量が、0.1〜0.5単位である
ことが好ましく、0.15〜0.45単位であることが
より好ましい。ここで処理血液量1単位とは、500m
Lの血液に抗凝固剤を必要量添加して得た全血製剤、も
しくは該全血製剤から遠心分離などの方法によって貧血
小板血漿、多血小板血漿、バフィーコート等を除去して
得た赤血球製剤、更には全血製剤から遠心分離などの方
法によって貧血小板血漿、多血小板血漿、バフィーコー
ト等を除去した後、SAGM、Adsol、Neutr
icell、MAP等の赤血球保存液を添加して得た赤
血球製剤を言う。0.1単位を下回る場合には、フィル
ター材料またはフィルター装置とともに廃棄される血液
が多いために赤血球回収率が低下する傾向があり、0.
5単位を越える場合には白血球除去率及び流速が低い傾
向が強まるため好ましくない。
【0039】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をより詳細に説
明する。なお、処理時間は全ての実施例で25分以下で
あり、良好な流速を維持することができた。
【0040】
【実施例1】特級エタノール中に、ジメチルアミノエチ
ルメタアクリレート(以下DMと略す)を0.4モル/
L、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート(以下HE
MAと略す)を0.6モル/Lの濃度になるように加
え、全量を250mlとした。重合開始剤としてV−6
5を0.01モル/Lの濃度になるように加え、窒素雰
囲気下、45℃にて4.5時間重合させた後、蒸留水に
滴下して析出した物質を集めて凍結乾燥し、DMとHE
MAとの共重合体を得た。平均繊維直径1.8μmのメ
ルトブロー法により製造されたポリエステル不織布を充
填密度0.18g/cm3 、厚み1.5mmに、その下
層に平均繊維直径1.2μmのポリエステル不織布を充
填密度0.2g/cm3 、厚み3mmになるように、有
効濾過面積67mm×67mmの容器に充填した後、上
記の共重合体を特級エタノールに0.01g/dlの濃
度になるように溶解した共重合体液を上記容器に充填し
1分間静置した。ついで窒素ガスによって充填した共重
合体液を追い出した後、更に10分間窒素ガスを5L/
分で流し続け、更に70℃で7時間真空乾燥させること
により、上記共重合体をポリエステル不織布にコーティ
ングした白血球除去フィルター材料及び該材料からなる
白血球除去フィルター装置を作成した。400mlの血
液に56mlのCPDを加えて調製した全血456ml
から、採血後8時間以内に遠心分離によって多血小板血
漿200mlを除去して調製し、4℃で3日保存した赤
血球濃厚液(ヘマトクリット69%)320mlを、2
5℃になるまで室温(26℃)に放置した後、上記フィ
ルター装置にて濾過した。濾過を開始する際、フィルタ
ー装置を血液回路を介して赤血球製剤が入っている血液
バッグに接続した後、血液バッグを手でつかんで加圧し
強制的にフィルター装置内に血液を満たした。かくして
フィルター装置内に血液が満たされた後、落差1.0m
で血液を流し、血液バッグ内に血液が無くなるまで濾過
を行い濾過した血液を回収した(以下、回収された赤血
球製剤を回収液という)。
【0041】濾過前の赤血球製剤(以下、濾過前液とい
う)及び回収液の体積、白血球数を測定し白血球残存率
を求めた。 白血球残存率=(回収液中の白血球数)/(濾過前液中
の白血球数) なお、濾過前液及び回収液の体積は、それぞれの重量を
血液の比重(1.075)で割った値とした。また濾過
前液の白血球濃度の測定は次の方法で行った。濾過前液
の白血球濃度の測定:チュルク液によって、10倍希釈
した濾過前液をバーガーチュルク型の血球計算盤に注入
し、光学顕微鏡を用いて大区画4区画中に存在する白血
球をカウントし、この値をn1 とした。 濾過前液白血球濃度=n1 ×(1/4)×105 個/m
l 濾過前液中の白血球数=(濾過前液白血球濃度)×{濾
過前液体積(ml)}
【0042】また、回収液の白血球数の測定は、以下に
示す方法によって行った。回収液の白血球数の測定:回
収液100mlに5%フィコール400DLのEBSS
溶液(以下フィコール液という)100mlを振とう混
和しながら加えた後、40分間静置した。静置後、沈降
している赤血球層を乱さないように注意深く上澄を回収
した後、再び100mlのフィコール液を加え、同様の
操作を繰り返した。2回の操作により回収された上澄を
コーニング25350遠心チューブに分注し、840×
g、15分間遠心し、沈査を吸い上げぬように注意しな
がら、上澄をアスピレータで廃棄した。各遠心チューブ
に200mlの溶血液(1.145%しゅう酸アンモニ
ウム生理食塩液)を加えて振とう混和し、ただちに46
8×g、10分間遠心し、沈査を吸い上げぬように注意
しながら、上澄をアスピレータで廃棄した。沈査を容量
15mlの遠心チューブに集め、溶血液を加えて全量を
15mlとした後、10分間室温に静置した。静置後、
468×g、10分間遠心し、沈査を含む0.5mlを
残して、上澄を慎重に廃棄した。沈査を含む液を十分に
攪拌して単一細胞浮遊液とした後、蛍光染色液(69.
9mg/Lアクリジンオレンジ液)50μlを加え、更
に攪拌した。この液を、改良型ノイバウエル式血球計算
盤6枚に注入し、落射式蛍光顕微鏡を用いて大区画10
8区画中に存在する白血球をカウントした。このカウン
ト値n2 から次式によって、回収液白血球数を算出し
た。 回収液白血球数=n2 ×(1/108)×104 ×0.
55×(1/0.55)×{回収液体積(ml)}/1
00 下線部が回収液100mlからフィコール液を用いて最
終的に0.55mlまで濃縮した液(以下濃縮液とい
う)中の白血球濃度(個/ml)であり、これに濃縮液
の体積0.55mlを乗じて白血球数を算出する。更に
0.55で割るのは、フィコール液を用いて白血球を回
収する際の回収率が55%であるためである。以上の結
果、白血球残存率は10-4.8であった。なお、本実験で
用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性親水
基に対する比は0.67、塩基性官能基の表面密度は
9.5×10-4meq/m2 であった。また、F値は平
均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.6g
/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素
子が3.3g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、
平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料
ともに16秒であった。また、フィルター装置のP値
は、13.8mmAq/gであった。
【0043】
【比較例1】平均繊維直径1.8μmのポリエステル不
織布を充填密度0.18g/cm3、厚み1.5mm
に、その下層に平均繊維直径1.2μmのポリエステル
不織布を充填密度0.2g/cm3 、厚み3mmになる
ように、有効濾過面積67mm×67mmの容器に充填
した。このようにして作成したフィルター装置に、実施
例1と同一の条件、方法で血液を流し実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-3.7であった。なお、本実
験の不織布繊維表面の塩基性官能基、非イオン性親水基
の比を測定しようとしたが、両官能基を検出することは
できなかった。又、F値は平均繊維直径1.8μmの繊
維フィルター素子が5.7g/秒/m、平均繊維直径
1.2μmの繊維フィルター素子が3.2g/秒/mで
あった。また、各不織布の純水湿潤時間を測定したとこ
ろ、平均繊維直径1.8μm、1.2μmの不織布とも
に1分以上であった。また、フィルター装置のP値は、
14.7mmAq/gであった。
【0044】
【実施例2】特級エタノール中に加えるDM濃度、HE
MA濃度をそれぞれ0.5モル/L、0.5モル/Lに
した以外は、実施例1と同一の条件で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-5であった。なお、本実験
で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性親
水基に対する比は0.97、塩基性官能基の表面密度は
1.2×10-3meq/m2 であった。又、F値は平均
繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.5g/
秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素子
が3.3g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、平
均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料と
もに19秒であった。また、フィルター装置のP値は、
14.2mmAq/gであった。
【0045】
【実施例3】特級エタノール中に加えるDM濃度、HE
MA濃度をそれぞれ0.6モル/L、0.4モル/Lに
した以外は、実施例1と同一の条件で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-5.2であった。なお、本実
験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性
親水基に対する比は1.49、塩基性官能基の表面密度
は1.4×10-3meq/m2 であった。又、F値は平
均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.4g
/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素
子が3.0g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、
平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料
ともに20秒であった。また、フィルター装置のP値
は、15.1mmAq/gであった。
【0046】
【実施例4】特級エタノール中に加えるDM濃度、HE
MA濃度をそれぞれ0.7モル/L、0.3モル/Lに
した以外は、実施例1と同一の条件で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-5.2であった。なお、本実
験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性
親水基に対する比は2.31、塩基性官能基の表面密度
は1.6×10-3meq/m2 であった。又、F値は平
均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.4g
/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素
子が3.1g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、
平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料
ともに22秒であった。また、フィルター装置のP値
は、14.3mmAq/gであった。
【0047】
【実施例5】特級エタノール中に加えるDM濃度、HE
MA濃度をそれぞれ0.8モル/L、0.2モル/Lに
した以外は、実施例1と同一の条件で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-5.0であった。なお、本実
験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性
親水基に対する比は3.98、塩基性官能基の表面密度
は1.8×10-3meq/m2 であった。又、F値は平
均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.6g
/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素
子が3.5g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、
平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料
ともに22秒であった。また、フィルター装置のP値
は、13.9mmAq/gであった。
【0048】
【比較例2】DMの代わりにジエチルアミノエチルメタ
アクリレート(以下DEと略す)を用い、特級エタノー
ル中に加えるDE濃度、HEMA濃度をそれぞれ0.2
モル/L、0.8モル/Lにした以外は、実施例1と同
一の条件で実験を行った。その結果、白血球残存率は1
0-3.8であった。なお、本実験で用いたフィルター材料
の塩基性官能基の非イオン性親水基に対する比は0.2
5、塩基性官能基の表面密度は4.7×10-4meq/
m2 であった。又、F値は平均繊維直径1.8μmの繊
維フィルター素子が5.3g/秒/m、平均繊維直径
1.2μmの繊維フィルター素子が3.3g/秒/mで
あった。また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8μ
m、1.2μmのフィルター材料ともに11秒であっ
た。また、フィルター装置のP値は、14.9mmAq
/gであった。
【0049】
【比較例3】特級エタノール中に加えるDM濃度、HE
MA濃度をそれぞれ0.3モル/L、0.7モル/Lに
した以外は、実施例1と同一の条件で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-3.9であった。なお、本実
験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性
親水基に対する比は0.43、塩基性官能基の表面密度
は7.2×10-4meq/m2 であった。又、F値は平
均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.6g
/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素
子が3.6g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、
平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料
ともに13秒であった。また、フィルター装置のP値
は、15.3mmAq/gであった。
【0050】
【比較例4】特級エタノール中に加えるDM濃度、HE
MA濃度をそれぞれ0.9モル/L、0.1モル/Lに
した以外は、実施例1と同一の条件で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-3.9であった。なお、本実
験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性
親水基に対する比は8.94、塩基性官能基の表面密度
は2.0×10-3meq/m2 であった。又、F値は平
均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.8g
/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素
子が3.4g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、
平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料
ともに38秒であった。また、フィルター装置のP値
は、14.2mmAq/gであった。
【0051】
【比較例5】特級エタノール中にDEを1モル/Lにな
るように加えた以外は、実施例1と同一の条件で実験を
行った。その結果、白血球残存率は10-3.8であった。
なお、本実験で用いたフィルター材料の表面には非イオ
ン性親水基は検出されなかった。塩基性官能基の表面密
度は1.8×10-3meq/m2 であった。又、F値は
平均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.5
g/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター
素子が3.4g/秒/mであった。また純水湿潤時間
は、平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター
材料ともに45秒であった。また、フィルター装置のP
値は、14.7mmAq/gであった。
【0052】
【比較例6】実施例2で用いた共重合体をコーティング
する際に、用いる共重合体溶解液の共重合体濃度を0.
0003g/dlにする以外は、実施例2と同一の条件
で実験を行った。その結果、白血球残存率は10-3.8で
あった。なお、本実験で用いたフィルター材料の塩基性
官能基の非イオン性親水基に対する比は0.97、塩基
性官能基の表面密度は3.5×10-5meq/m2 であ
った。又、F値は平均繊維直径1.8μmの繊維フィル
ター素子が6.0g/秒/m、平均繊維直径1.2μm
の繊維フィルター素子が3.5g/秒/mであった。ま
た純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8μm、1.2μ
mのフィルター材料ともに19秒であった。また、フィ
ルター装置のP値は、14.5mmAq/gであった。
【0053】
【比較例7】実施例2で用いた共重合体をコーティング
する際に、用いる共重合体溶解液の共重合体濃度を1g
/dlにする以外は、実施例2と同一の条件で実験を行
った。しかしながら、本実験においては、赤血球濃厚液
のフィルター濾過時の処理流速の低下が著しく、実験に
用いた320mlの赤血球濃厚液の内、フィルター濾過
処理できたのは僅か60mlのみであり、従って白血球
残存率を測定することが出来なかった。またこの濾過処
理後の赤血球濃厚液において、顕著な赤血球の溶血が観
察された。なお、本実験で用いたフィルター材料の塩基
性官能基の非イオン性親水基に対する比は0.97、塩
基性官能基の表面密度は1.2×10-1meq/m2 で
あった。又、F値は平均繊維直径1.8μmの繊維フィ
ルター素子が2.5g/秒/m、平均繊維直径1.2μ
mの繊維フィルター素子が1.3g/秒/mであった。
また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8μm、1.2
μmのフィルター材料ともに23秒であった。また、フ
ィルター装置のP値は、15.4mmAq/gであっ
た。以上の実施例1〜5及び比較例1〜7の結果を表1
にまとめて示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【実施例6】特級エタノール中に、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート(以下DMAと略す)を0.4モル/
L、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下HEAと
略す)を0.6モル/Lの濃度になるように加え、全量
を250mlとした。重合開始剤としてV−65を0.
01モル/Lの濃度になるように加え、窒素雰囲気下、
45℃にて4.5時間重合させた後、ノルマルヘキサン
に滴下して析出した物質を集めて凍結乾燥し、DMAと
HEAとの共重合体を得た。ゲル及び凝集物除去用フィ
ルターとしてスパンボンド法により製造された、平均繊
維直径32μm、19μm及び13μmのポリエステル
不織布を、平均充填密度0.28g/cm3 、厚み0.
9mmになるように、更に微小凝集物除去用フィルター
としてパネロンPF860及び抄造法により製造された
平均繊維直径5.1μmの不織布を平均充填密度0.2
0g/cm3 、厚み0.7mmになるように、有効濾過
断面積67mm×67mmの容器に容器下流側に向かっ
て順次充填し、更に同一容器内下流側に白血球除去用フ
ィルターとして、メルトブロー法により製造された平均
繊維直径1.8μmのポリエステル不織布を充填密度
0.18g/cm3 、厚み1.5mmになるように、更
にその下流側に同じくメルトブロー法により製造された
平均繊維直径1.2μmのポリエステル不織布を充填密
度0.20g/cm3 、厚み3.0mmになるように充
填した。これに、上記の共重合体を特級エタノール溶液
に0.01g/dlの濃度になるように溶解した共重合
体液を上記容器に充填し1分間静置した。ついで窒素ガ
スによって充填した共重合体液を追い出した後、更に1
0分間5L/分で窒素ガスを流し続け、更に70℃で7
時間真空乾燥させることにより、上記共重合体をポリエ
ステル不織布にコーティングした白血球除去フィルター
材料及び該材料からなる白血球除去フィルター装置を作
成した。400mlの血液に56mlのCPDを加えて
調製した全血456mlから、採血後8時間以内に遠心
分離によって多血小板血漿200mlを除去して調製
し、4℃で14日保存した赤血球濃厚液(ヘマトクリッ
ト70%)320mlを、25℃になるまで室温(26
℃)に放置した後、上記フィルター装置にて濾過した。
濾過を開始する際、フィルター装置を血液回路を介して
赤血球製剤が入っている血液バッグに接続した後、血液
バッグを手でつかんで加圧し強制的にフィルター装置内
に血液を満たした。かくしてフィルター装置内に血液が
満たされた後、落差1.0mで血液を流し、血液バッグ
内に血液が無くなるまで濾過を行った。その結果、白血
球残存率は10-4.3であった。なお、本実験で用いたフ
ィルター材料の塩基性官能基の非イオン性親水基に対す
る比は0.66、塩基性官能基の表面密度は1.1×1
0-3meq/m2 であった。又、F値は平均繊維直径
1.8μmの繊維フィルター素子が5.5g/秒/m、
平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素子も3.3
g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、平均繊維直
径1.8μm、1.2μmのフィルター材料ともに1秒
以内であった。また、フィルター装置のP値は、14.
3mmAq/gであった。
【0056】
【実施例7】特級エタノール中に加えるDMA濃度、H
EA濃度をそれぞれ0.7モル/L、0.3モル/Lに
した以外は、実施例6と同一の条件で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-4.3であった。なお、本実
験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性
親水基に対する比は2.3、塩基性官能基の表面密度は
1.7×10-3meq/m2 であった。又、F値は平均
繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.6g/
秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素子
が3.3g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、平
均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料と
もに8秒であった。また、フィルター装置のP値は、1
4.7mmAq/gであった。
【0057】
【実施例8】特級エタノール中に加えるDMA濃度、H
EA濃度をそれぞれ0.85モル/L、0.15モル/
Lにした以外は、実施例6と同一の条件、方法で実験を
行った。その結果、白血球残存率は10-4.0であった。
なお、本実験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の
非イオン性親水基に対する比は5.7、塩基性官能基の
表面密度は2.0×10-3meq/m2 であった。又、
F値は平均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が
5.6g/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィ
ルター素子が3.5g/秒/mであった。また純水湿潤
時間は、平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィル
ター材料ともに15秒であった。また、フィルター装置
のP値は、15.0mmAq/gであった。
【0058】
【比較例8】不織布にコーティングを行わずに、ポリエ
ステル不織布をそのままフィルター材料として用いた以
外は、実施例6と同一の条件、方法で実験を行った。そ
の結果、白血球残存率は10-3.4であった。なお、本実
験の不織布繊維表面のの塩基性官能基、非イオン性親水
基の比を測定しようとしたが、両官能基を検出すること
はできなかった。又、F値は平均繊維直径1.8μmの
繊維フィルター素子が5.6g/秒/m、平均繊維直径
1.2μmの繊維フィルター素子が3.6g/秒/mで
あった。また各不織布の純水湿潤時間を測定したとこ
ろ、平均繊維直径1.8μm、1.2μmの不織布とも
に1分以上であった。また、フィルター装置のP値は、
15.1mmAq/gであった。
【0059】
【比較例9】特級エタノール中に加えるDMA濃度、H
EA濃度をそれぞれ0.3モル/L、0.7モル/Lに
した以外は、実施例6と同一の条件、方法で実験を行っ
た。その結果、白血球残存率は10-3.6であった。な
お、本実験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非
イオン性親水基に対する比は0.43、塩基性官能基の
表面密度は8.0×10-4meq/m2 であった。又、
F値は平均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が
5.5g/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィ
ルター素子が3.7g/秒/mであった。また純水湿潤
時間は、平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィル
ター材料ともに1秒以内であった。また、フィルター装
置のP値は、13.9mmAq/gであった。
【0060】
【比較例10】特級エタノール中に加えるDMA濃度、
HEA濃度をそれぞれ0.9モル/L、0.1モル/L
にした以外は、実施例6と同一の条件、方法で実験を行
った。その結果、白血球残存率は10-3.6であった。な
お、本実験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非
イオン性親水基に対する比は7.7、塩基性官能基の表
面密度は2.2×10-3meq/m2 であった。又、F
値は平均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が
5.7g/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィ
ルター素子が3.5g/秒/mであった。また純水湿潤
時間は、平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィル
ター材料ともに16秒であった。また、フィルター装置
のP値は、14.8mmAq/gであった。
【0061】
【比較例11】実施例6で用いた共重合体をコーティン
グする際に、用いる共重合体溶解液の共重合体濃度を
0.0003g/dlにする以外は、実施例6と同一の
条件で実験を行った。その結果、白血球残存率は10
-3.7であった。なお、本実験で用いたフィルター材料の
塩基性官能基の非イオン性親水基に対する比は0.6
6、塩基性官能基の表面密度は3.2×10-5meq/
m2 であった。又、F値は平均繊維直径1.8μmの繊
維フィルター素子が5.4g/秒/m、平均繊維直径
1.2μmの繊維フィルター素子が3.4g/秒/mで
あった。また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8μ
m、1.2μmのフィルター材料ともに1秒以内であっ
た。また、フィルター装置のP値は、13.8mmAq
/gであった。
【0062】
【比較例12】実施例6で用いた共重合体をコーティン
グする際に、用いる共重合体溶解液の共重合体濃度を
1.5g/dlにする以外は、実施例6と同一の条件で
実験を行った。しかしながら、本実験においては、赤血
球濃厚液のフィルター濾過時の処理流速の低下が著し
く、実験に用いた320mlの赤血球濃厚液の内、フィ
ルター濾過処理できたのは僅か30mlのみであり、従
って白血球残存率を測定することが出来なかった。また
この濾過処理後の赤血球濃厚液において、顕著な赤血球
の溶血が観察された。なお、本実験で用いたフィルター
材料の塩基性官能基の非イオン性親水基に対する比は
0.66、塩基性官能基の表面密度は1.6×10-1m
eq/m2 であった。又、F値は平均繊維直径1.8μ
mの繊維フィルター素子が2.0g/秒/m、平均繊維
直径1.2μmの繊維フィルター素子が1.0g/秒/
mであった。また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8
μm、1.2μmのフィルター材料ともに1秒以内であ
った。また、フィルター装置のP値は、16.8mmA
q/gであった。以上の実施例6〜8及び比較例8〜1
2の結果を表2にまとめて示す。
【0063】
【表2】
【0064】
【実施例9】ゲル及び凝集物除去用フィルターとしてス
パンボンド法により製造された、平均繊維直径32μ
m、19μm及び13μmのポリエステル不織布を、平
均充填密度0.27g/cm3 、厚み1.8mmになる
ように、有効濾過断面積67mm×67mmの容器に容
器下流側に向かって順次充填し、更に同一容器内下流側
に白血球除去用フィルターとして、メルトブロー法によ
り製造された平均繊維直径1.7μmのポリエステル不
織布を充填密度0.21g/cm3 、厚み0.6mmに
なるように、更にその下流側に同じくメルトブロー法に
より製造された平均繊維直径1.2μmのポリエステル
不織布を、充填密度0.24g/cm3 、厚み3.7m
mになるように充填し、実施例6で用いた共重合体をコ
ーティングする際に、用いる共重合体溶解液の共重合体
濃度を0.1g/dlにし、保存3日の血液製剤を用い
た以外は、実施例6と同一の条件で実験を行った。その
結果、白血球残存率は10-5.9であった。なお、本実験
で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性親
水基に対する比は0.66、塩基性官能基の表面密度は
1.1×10-2meq/m2 であった。又、F値は平均
繊維直径1.7μmの繊維フィルター素子が5.2g/
秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素子
が2.8g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、平
均繊維直径1.7μm、1.2μmのフィルター材料と
もに3秒以内であった。また、フィルター装置のP値
は、16.8mmAq/gであった。
【0065】
【実施例10】ゲル及び凝集物除去用フィルターとして
スパンボンド法により製造された、平均繊維直径32μ
m、19μm及び13μmのポリエステル不織布を、平
均充填密度0.26g/cm3 、厚み1.9mmになる
ように、有効濾過断面積67mm×67mmの容器に容
器下流側に向かって順次充填し、更に同一容器内下流側
に白血球除去用フィルターとして、メルトブロー法によ
り製造された平均繊維直径1.7μmのポリエステル不
織布を充填密度0.2g/cm3 、厚み0.6mmにな
るように、更にその下流側に同じくメルトブロー法によ
り製造された平均繊維直径1.2μmのポリエステル不
織布を、充填密度0.25g/cm3 、厚み3.6mm
になるように充填し、実施例6で用いた共重合体をコー
ティングする際に、用いる共重合体溶解液の共重合体濃
度を0.3g/dlにする以外は、実施例9と同一の条
件で実験を行った。その結果、白血球残存率は10-6.2
であった。なお、本実験で用いたフィルター材料の塩基
性官能基の非イオン性親水基に対する比は0.66、塩
基性官能基の表面密度は3.2×10-2meq/m2 で
あった。又、F値は平均繊維直径1.7μmの繊維フィ
ルター素子が5.0g/秒/m、平均繊維直径1.2μ
mの繊維フィルター素子が2.6g/秒/mであった。
また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.7μm、1.2
μmのフィルター材料ともに3秒であった。また、フィ
ルター装置のP値は、17.6mmAq/gであった。
【0066】
【実施例11】ゲル及び凝集物除去用フィルターとして
スパンボンド法により製造された、平均繊維直径32μ
m、19μm及び13μmのポリエステル不織布を、平
均充填密度0.27g/cm3 、厚み1.5mmになる
ように、有効濾過断面積67mm×67mmの容器に容
器下流側に向かって順次充填し、更に同一容器内下流側
に白血球除去用フィルターとして、メルトブロー法によ
り製造された平均繊維直径1.7μmのポリエステル不
織布を充填密度0.22g/cm3 、厚み0.6mmに
なるように、更にその下流側に同じくメルトブロー法に
より製造された平均繊維直径1.2μmのポリエステル
不織布を、充填密度0.28g/cm3 、厚み4.0m
mになるように充填し、実施例2で用いた共重合体をコ
ーティングする際に、用いる共重合体溶解液の共重合体
濃度を0.1g/dlにする以外は、実施例2と同一の
条件で実験を行った。その結果、白血球残存率は10
-6.3であった。なお、本実験で用いたフィルター材料の
塩基性官能基の非イオン性親水基に対する比は0.9
7、塩基性官能基の表面密度は1.2×10-2meq/
m2 であった。又、F値は平均繊維直径1.7μmの繊
維フィルター素子が5.2g/秒/m、平均繊維直径
1.2μmの繊維フィルター素子が2.5g/秒/mで
あった。また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.7μ
m、1.2μmのフィルター材料ともに25秒であっ
た。また、フィルター装置のP値は、23.4mmAq
/gであった。
【0067】
【実施例12】ゲル及び凝集物除去用フィルターとして
スパンボンド法により製造された、平均繊維直径32μ
m、19μm及び13μmのポリエステル不織布を、平
均充填密度0.24g/cm3 、厚み2.0mmになる
ように、有効濾過断面積67mm×67mmの容器に容
器下流側に向かって順次充填し、更に同一容器内下流側
に白血球除去用フィルターとして、メルトブロー法によ
り製造された平均繊維直径1.7μmのポリエステル不
織布を充填密度0.21g/cm3 、厚み0.6mmに
なるように、更にその下流側に同じくメルトブロー法に
より製造された平均繊維直径1.2μmのポリエステル
不織布を、充填密度0.32g/cm3 、厚み3.5m
mになるように充填し、実施例2で用いた共重合体をコ
ーティングする際に、用いる共重合体溶解液の共重合体
濃度を0.3g/dlにする以外は、実施例11と同一
の条件で実験を行った。その結果、白血球残存率は10
-6.7であった。なお、本実験で用いたフィルター材料の
塩基性官能基の非イオン性親水基に対する比は0.9
7、塩基性官能基の表面密度は3.5×10-2meq/
m2 であった。又、F値は平均繊維直径1.7μmの繊
維フィルター素子が5.0g/秒/m、平均繊維直径
1.2μmの繊維フィルター素子が2.4g/秒/mで
あった。また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.7μ
m、1.2μmのフィルター材料ともに28秒であっ
た。また、フィルター装置のP値は、25.8mmAq
/gであった。
【0068】
【実施例13】特級エタノール中に、ジメチルアミノメ
チルメタアクリレート(以下DMと略す)を0.6モル
/L、グリセリンモノメタアクリレート(以下GMMA
と略す)を0.4モル/Lの濃度になるように加え、全
量を250mlとした。重合開始剤としてV−65を
0.05モル/Lの濃度になるように加え、窒素雰囲気
下、45℃にて4.0時間重合させた後、ノルマルヘキ
サンに滴下して析出した物質を集めて凍結乾燥し、DM
とGMMAとの共重合体を得た。平均繊維直径1.8μ
mのポリエステル不織布を充填密度0.18g/c
m3、厚み1.5mmに、その下層に平均繊維直径1.
2μmのポリエステル不織布を充填密度0.2g/cm
3 、厚み3mmになるように、有効濾過面積65mm×
65mmの容器に充填した後、上記の共重合体を特級エ
タノール溶液に0.01g/dlの濃度になるように溶
解した共重合体液を上記容器に充填し1分間静置した。
ついで窒素ガスによって充填した共重合体液を追い出し
た後、更に10分間窒素ガスを5L/分で流し続け、更
に70℃で7時間真空乾燥させることにより、上記共重
合体をポリエステル不織布にコーティングした白血球除
去フィルター材料及び該材料からなる白血球除去フィル
ター装置を作成した。400mlの血液に56mlのC
PDを加えて調製した全血456mlから、採血後8時
間以内に遠心分離によって多血小板血漿200mlを除
去して調製し、4℃で3日保存した赤血球濃厚液(ヘマ
トクリット69%)320mlを、25℃になるまで室
温(26℃)に放置した後、上記フィルター装置にて濾
過した。濾過を開始する際、フィルター装置を血液回路
を介して赤血球製剤が入っている血液バッグに接続した
後、血液バッグを手でつかんで加圧し強制的にフィルタ
ー装置内に血液を満たした。かくしてフィルター装置内
に血液が満たされた後、落差1.0mで血液を流し、血
液バッグ内に血液が無くなるまで濾過を行った。その結
果、白血球残存率は10-4.5であった。なお、本実験で
用いたフィルター材料の塩基性官能基の非イオン性親水
基に対する比は0.75、塩基性官能基の表面密度は
1.1×10-3meq/m2 であった。又、F値は平均
繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が5.8g/
秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィルター素子
が2.0g/秒/mであった。また純水湿潤時間は、平
均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィルター材料と
もに1秒以内であった。また、フィルター装置のP値
は、13.7mmAq/gであった。
【0069】
【実施例14】特級エタノール中に、DMを0.6モル
/L、メトキシトリエチレングリコールメタアクリレー
ト(以下MTGと略す)を0.4モル/Lの濃度になる
ように加え、全量を250mlとした。重合開始剤とし
てV−65を0.05モル/Lの濃度になるように加
え、窒素雰囲気下、45℃にて4.0時間重合させた
後、ノルマルヘキサンに滴下して析出した物質を集めて
凍結乾燥し、DMとMTGとの共重合体を得た。この共
重合体を用いた以外は実施例13と同一の方法、条件で
実験を行った。その結果、白血球残存率は10-4.7であ
った。なお、本実験で用いたフィルター材料の塩基性官
能基の非イオン性親水基に対する比は1.6、塩基性官
能基量の表面密度は1.1×10-3meq/m2 であっ
た。又、F値は平均繊維直径1.8μmの繊維フィルタ
ー素子が5.7g/秒/m、平均繊維直径1.2μmの
繊維フィルター素子が2.3g/秒/mであった。また
純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8μm、1.2μm
のフィルター材料ともに4秒であった。また、フィルタ
ー装置のP値は、14.2mmAq/gであった。
【0070】
【実施例15】特級エタノール中に、DMを0.4モル
/L、MTGを0.4モル/L更にメチルメタアクリレ
ート(以下MMAと略す)を0.2モル/Lの濃度にな
るように加え、全量を250mlとした。重合開始剤と
してV−65を0.05モル/Lの濃度になるように加
え、窒素雰囲気下、45℃にて4.0時間重合させた
後、ノルマルヘキサンに滴下して析出した物質を集めて
凍結乾燥し、DMとMTGとMMAの共重合体を得た。
この共重合体を用いた以外は実施例13と同一の方法、
条件で実験を行った。その結果、白血球残存率は10
-4.8であった。なお、本実験で用いたフィルター材料の
塩基性官能基の非イオン性親水基に対する比は1.2、
塩基性官能基の表面密度は7.6×10-4meq/m2
であった。又、F値は平均繊維直径1.8μmの繊維フ
ィルター素子が5.9g/秒/m、平均繊維直径1.2
μmの繊維フィルター素子が2.0g/秒/mであっ
た。また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8μm、
1.2μmのフィルター材料ともに18秒であった。ま
た、フィルター装置のP値は、14.0mmAq/gで
あった。
【0071】
【実施例16】特級エタノール中に、DMを0.6モル
/L、オクタエチレングリコールメタアクリレート(以
下OEMと略す)を0.4モル/Lの濃度になるように
加え、全量を250mlとした。重合開始剤としてV−
65を0.05モル/Lの濃度になるように加え、窒素
雰囲気下、45℃にて4.0時間重合させた後、ノルマ
ルヘキサンに滴下して析出した物質を集めて凍結乾燥
し、DMとOEMの共重合体を得た。この共重合体を用
いた以外は実施例13と同一の方法、条件で実験を行っ
た。その結果、白血球残存率は10-4.5であった。な
お、本実験で用いたフィルター材料の塩基性官能基の非
イオン性親水基に対する比は0.77、塩基性官能基の
表面密度は7.3×10-4meq/m2 であった。又、
F値は平均繊維直径1.8μmの繊維フィルター素子が
5.7g/秒/m、平均繊維直径1.2μmの繊維フィ
ルター素子が2.6g/秒/mであった。また純水湿潤
時間は、平均繊維直径1.8μm、1.2μmのフィル
ター材料ともに1秒以内であった。また、フィルター装
置のP値は、14.5mmAq/gであった。
【0072】
【実施例17】特級エタノール中に、DMAを0.4モ
ル/L、オキシエチレンの繰り返し数が30のメトキシ
ポリエチレングリコールメタアクリレート(以下MPG
と略す)を0.6モル/Lの濃度になるように加え、全
量を250mlとした。重合開始剤としてV−65を
0.05モル/Lの濃度になるように加え、窒素雰囲気
下、45℃にて2.5時間重合させた後、ノルマルヘキ
サンに滴下して析出した物質を集めて凍結乾燥し、DM
AとMPGとの共重合体を得た。ゲル及び凝集物除去用
フィルターとしてスパンボンド法により製造された平均
繊維直径32μm、19μm及び13μmのポリエステ
ル不織布を平均充填密度0.28g/cm3 、厚み0.
9mmになるように、更に微小凝集物除去用フィルター
としてパネロンPF860及びスパンレース法により製
造された平均繊維直径5.1μmのポリエステル不織布
を充填密度0.20g/cm3 、厚み0.7mmになる
ように有効濾過断面積67mm×67mmの容器に容器
下流側に向かって順次充填し、更に同一容器内下流側に
白血球除去用フィルターとして、メルトブロー法により
製造された平均繊維直径1.8μmのポリエステル不織
布を充填密度0.18g/cm3 、厚み1.5mmにな
るように、更にその下流側に同じくメルトブロー法によ
り製造された平均繊維直径1.2μmのポリエステル不
織布を充填密度0.20g/cm3 、厚み3.0mmに
なるように充填した。次に、上記の共重合体を特級エタ
ノール溶液に0.01g/dlの濃度になるように溶解
し、上記容器に充填し1分間静置した。ついで窒素ガス
によって充填した共重合体液を追い出した後、更に10
分間窒素ガスを5L/分で流し続け、更に70℃で7時
間真空乾燥させることにより、上記共重合体をポリエス
テル不織布にコーティングした白血球除去フィルター材
料及び該材料からなる白血球除去フィルター装置を作成
した。400mlの血液に56mlのCPDを加えて調
製した全血456mlから、採血後8時間以内に遠心分
離によって多血小板血漿200mlを除去して調製し、
4℃で12日保存した赤血球濃厚液(ヘマトクリット6
5%)320mlを、25℃になるまで室温(26℃)
に放置した後、上記フィルターにて濾過した。濾過を開
始する際、フィルター装置を血液回路を介して赤血球製
剤が入っている血液バッグに接続した後、血液バッグを
手でつかんで加圧し強制的にフィルター装置内に血液を
満たした。かくしてフィルター装置内に血液が満たされ
た後、落差1.2mで血液を流し、血液バッグ内に血液
が無くなるまで濾過を行った。その結果、白血球残存率
は10-4.0であった。なお、本実験で用いたフィルター
材料の塩基性官能基の非イオン性親水基に対する比は
0.7、塩基性官能基の表面密度は1.5×10-4me
q/m2 であった。又、F値は平均繊維直径1.8μm
の繊維フィルター素子が5.5g/秒/m、平均繊維直
径1.2μmの繊維フィルター素子も2.9g/秒/m
であった。また純水湿潤時間は、平均繊維直径1.8μ
m、1.2μmのフィルター材料ともに9秒であった。
また、フィルター装置のP値は、13.9mmAq/g
であった。以上の実施例13〜17の結果を表3にまと
めて示す。
【0073】
【表3】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に塩基性官能基と非イオン性親水基
    とを有し、該表面における塩基性官能基の非イオン性親
    水基に対するモル比が0.6〜6の範囲にあり、かつ塩
    基性官能基が5×10-5〜0.1meq/m2 の密度で
    該表面に存在することを特徴とする、繊維または連続気
    孔を有する高分子多孔質体からなる、全血または赤血球
    製剤から白血球を除去するためのフィルター材料。
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