JPH06248232A - 熱交換器用アルカリ珪酸塩系親水性皮膜の下地処理剤 - Google Patents

熱交換器用アルカリ珪酸塩系親水性皮膜の下地処理剤

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JPH06248232A
JPH06248232A JP3345993A JP3345993A JPH06248232A JP H06248232 A JPH06248232 A JP H06248232A JP 3345993 A JP3345993 A JP 3345993A JP 3345993 A JP3345993 A JP 3345993A JP H06248232 A JPH06248232 A JP H06248232A
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acid
film
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alkali silicate
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JP3345993A
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Ryosuke Sako
良輔 迫
Mitsuru Nakamura
充 中村
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器用金属材料(例えばアルミニウム金
属材料)上に形成される珪酸塩系親水性皮膜に対し、す
ぐれた密着性および耐食性を有する下地皮膜を形成する
下地処理剤を提供する。 【構成】 (A)下記一般式(I): 【化1】 〔但し、R1 =−H又は−CH3 ,R2 ,R3 =−H,
1 4 アルキル基,ベンジル基又はヒドロキシアルキ
ル基〕のモノマーを重合成分として含むホモポリマーお
よびコポリマーから選ばれた少なくとも1種からなる重
合体成分、(B)上記重合体成分(A)を架橋し、水不
溶化する1種以上の金属化合物からなる架橋剤成分、お
よび(C)リン含有酸基を有する無機酸および有機酸、
並びに上記酸のアンモニウム塩および酸性塩から選ばれ
た1種以上からなる酸性成分を含む下地処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱交換器用アルカリ珪
酸塩系親水性皮膜の下地処理剤に関するものである。更
に、詳しく述べるならば、本発明は、アルミニウム金属
材料製熱交換器用フィン材の表面上にアルカリ珪酸塩系
親水性皮膜を形成する際、その下地層を形成するために
用いられる下地処理剤に関するものである。本願明細書
において、アルミニウム金属材料とは、アルミニウム材
料およびアルミニウム合金(例えば、アルミニウム−マ
ンガン合金、アルミニウム−マグネシウム合金)材料を
包含するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム金属材料製熱交換器用フィ
ン材の親水性処理方法において、アルカリ珪酸塩を用い
る従来方法としては、特開昭50−38645号公報に
開示されている「アルカリ金属炭酸塩とアルカリ金属ク
ロム酸塩の溶液を用いて浸漬処理されたアルミニウム表
面に、アルカリ珪酸塩を適用する方法」、特開昭54−
57264号公報に開示された「アルミニウム製熱交換
器をアルカリ金属珪酸塩を含む水溶液で処理した後、ア
ルカリ土類金属化合物を含む水溶液で処理する方法」、
特開昭56−27895号公報に開示された「アルミニ
ウム材をアルカリ金属、もしくはアルカリ土類金属の塩
を含有する処理液で処理し、ついで珪酸塩、タンニン
酸、もしくはその塩で処理する方法、特開昭59−20
2398号公報に開示されている「アルミニウム板の表
面に化学皮膜が形成され、この表面にアルカリ珪酸塩等
の親水性無機材料と特定の親水性有機材料よりなる親水
性被覆層を形成させる方法」、特開昭60−10115
6号公報に開示されている「アルカリ珪酸塩とカルボニ
ル基を有する低分子有機化合物、及び水溶性有機化合物
を含むことを特徴とするアルミニウムの親水性皮膜形成
剤」、特開昭62−235477号公報に開示されてい
る「アルカリ珪酸塩と無機硬化剤と水溶性有機高分子化
合物を含む親水性皮膜形成剤、および特開昭62−27
2099号公報に開示されている「アルカリ珪酸塩等の
シラノール基を有する化合物と、ポリビニルピロリドン
とを含む皮膜を有する熱交換器」などが開示されてい
る。
【0003】上述のような、アルカリ珪酸塩を用いる親
水性皮膜の形成において、その下地を形成する技術は、
未だ確立されておらず、下地なしで上記親水性皮膜を形
成するか、或は、下地層形成のために、クロム酸クロメ
ート、又はリン酸クロメートなどによる化成皮膜の形
成、或は、ベーマイト法のような酸化皮膜の形成などが
行われ、これらはすべて無機系下地皮膜を形成するもの
であった。
【0004】アルカリ珪酸塩により親水性皮膜を、アル
ミニウム金属材料上に形成する方法においてその下地皮
膜形成方法として、特開昭58−106397号の「次
亜ハロゲン酸塩処理による酸化皮膜を用いる方法」、お
よび特開昭59−205596号の「有機高分子樹脂に
より被覆する方法」などが知られている。また、親水性
皮膜の種類は特定されていないが、アルミニウムフィン
材の下地処理方法としては特開昭62−247866号
に「下地皮膜形成能を有する合成樹脂と、該合成樹脂と
キレートを形成する金属酸化物などの金属化合物を含む
処理剤を用いてフィン材を下地処理する方法」が提案さ
れている。
【0005】アルカリ珪酸塩を含む親水性処理剤を用い
てアルミニウム金属材料の表面を処理する場合、従来用
いられているクロメート等の無機系の化成処理を下地処
理に適用すると、優れた耐食性、親水性、および下地皮
膜と親水性皮膜との密着性が得られる。しかしながら、
これら無機系皮膜を形成する処理剤を用いて下地処理さ
れたフィン材をプレス成型加工して熱交換器を製造する
際、下地皮膜が硬質であるため、金型が摩耗し易くなっ
たり、ドローレス加工などの過酷なしごき加工をうける
と、皮膜自体が割れたり、焼き付きを生じ易い等の欠点
があった。また、化成処理においては処理後に水洗工程
が必要であり、さらにクロム系化成処理については6価
クロムの排水処理を行う手間が必要であるため生産性が
劣る欠点があった。
【0006】前記特開昭58−106397号の方法で
は、耐食性、密着性が十分でない。また前記特開昭59
−205596号、および特開昭62−247866号
のような有機高分子樹脂を主成分とする下地皮膜を用い
る場合、アルカリ珪酸塩皮膜との密着性(特に耐水密着
性)が不十分であり、プレス加工後に溶剤洗浄工程、も
しくは揮発性プレス油を用いる場合、プレス油の加熱除
去工程の後、余剰のプレス油を高圧のスチームで洗浄す
る工程のように高温高湿度環境に曝され、またプレス加
工において皮膜に外力がかかる場合、皮膜の脱落、剥が
れが発生し、熱交換器の外観不良、親水性の劣化の問題
が生ずるという問題があった。さらに、脱落した皮膜に
よるプレス金型の摩耗を引き起こす等の問題もあった。
【0007】本発明者らは、先にアクリルアミド系ポリ
マーを用いた親水性皮膜について、特開昭63−171
683号、特開昭63−171684号に開示した。こ
れらの方法の一態様として、アクリルアミド系ポリマー
とこれを非水溶化させる水溶性架橋剤の混合水溶液をア
ルミニウム金属材料表面に塗布し、これを乾燥架橋させ
て皮膜を形成させ、その上にさらに水ガラスなどの無機
親水性皮膜を形成させる方法がある。上記水溶性架橋剤
として、ブロック化イソシアネートプレポリマー、トリ
メチロールメラミン、又はトリエチレングリコールグリ
シジルエーテル等の有機架橋剤を用いた場合、耐食性は
あまり高くなく、十分な耐食性を得るためにはクロメー
ト等の下地処理を併用する必要があった。また無水クロ
ム酸等の金属架橋剤を用いた場合、クロメート等の下地
処理を併用しなくとも耐食性は優れているが、水ガラス
系親水性処理剤との耐水密着性は不十分であって、特
に、高湿度環境においては、皮膜に外力がかけられる
と、この皮膜が剥離しやすいという問題点を有してい
た。
【0008】特開昭63−171683号の実施例(表
1)のNo.1,5,6,7,12,および特開昭63
−171684号の実施例(表1)のNo.2に示して
あるような有機架橋剤を用いたときは、耐食性が不十分
であり、予めアルミニウム金属材料表面にクロメート等
の下地処理を施す必要があった。また特開昭63−17
1683号の実施例(表1)のNo.1,5,7,特開
昭63−171684号の実施例(表1)のNo.2に
は、リン酸、或はリン酸塩が用いられているが、これ
は、用いられた有機架橋剤、或は混合処理液の増粘、ゲ
ル化等を防ぐためのものであり、これらと有機架橋剤と
の併用では上塗りのアルカリ珪酸塩系親水性処理皮膜と
の密着性向上効果はみられなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解決し、アルカリ珪酸塩を含む親水性皮膜
との密着性に優れ、より緻密な親水性皮膜の形成を促進
する作用を持ち、耐食性、耐プレス成型性、耐薬品性、
耐溶剤性に優れたアルミニウム金属材料製熱交換器用ア
ルカリ珪酸塩系親水性皮膜の下地処理剤を提供しようと
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは以上に述べ
た先願発明のアクリルアミド系水溶性ポリマーを用いる
有機皮膜について、親水性皮膜としてでなくアルカリ珪
酸塩系親水性皮膜の下地処理皮膜としての機能について
追求し、特定のアクリルアミド系水溶性ポリマーとこれ
を架橋し非水溶化し得る金属化合物、及びリンを含有す
る酸基を有する無機酸、有機酸、これらのアンモニウム
塩、もしくは酸性塩を含有させた混合水溶液をアルミニ
ウム金属材料に塗布し、架橋乾燥を行うことにより、耐
食性にすぐれ、かつアルカリ珪酸塩系親水性皮膜との密
着性に優れた下地皮膜を得ることに成功した。
【0011】すなわち、本発明に係る熱交換器用アルカ
リ珪酸塩系親水性皮膜の下地処理剤は、下記成分: (A)下記一般式(I):
【化2】 〔但し、上式(I)中、R1 は水素原子又はメチル基を
表わし、R2 およびR3は、それぞれ互に独立に、水素
原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ベンジ
ル基、又はヒドロキシアルキル基を表わす〕で表わされ
るモノマーを重合成分として含むホモポリマーおよびコ
ポリマーから選ばれた少なくとも1種からなる重合体成
分、 (B)上記重合体成分(A)の重合体を架橋し、これを
水不溶化する少なくとも1種の金属化合物からなる架橋
剤成分、および (C)リン含有酸基を有する無機酸および有機酸、並び
に前記無機酸および有機酸のアンモニウム塩および酸性
塩から選ばれた少なくとも1種を含む酸性成分、を含む
ことを特徴とするものである。
【0012】本発明に用いられる重合体成分(A)は、
式(I)のモノマーを重合成分として含むホモポリマー
およびコポリマーから選ばれた1種以上からなるもので
ある。上記式(I)において、R2 又はR3 により表わ
されるヒドロキシアルキル基は、好ましくは1〜4個の
炭素原子を有するもので、例えば、ヒドロキシメチル
基、ヒドロキシエチル基などから選ばれる。ホモポリマ
ーおよびコポリマーは、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N−メチルアクリルアミド、N−ジメチルアクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのホモポ
リマー、およびコポリマー並びに、これらのホフマン反
応生成物、およびマンニッヒ反応生成物を包含する。
【0013】式(I)のモノマーと共重合するコモノマ
ーは、アニオニックエチレン性不飽和モノマー、カチオ
ニックエチレン性不飽和モノマー、ノニオニックエチレ
ン性不飽和モノマーなどから選ぶことができる。
【0014】アニオニック不飽和モノマーとしては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエ
チルアクリレート、スルホエチルメタアクリレート、ス
チレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸、およびビニルホスホン酸等のように
分子中にカルボキシル基、スルホン酸基、又はホスホン
酸基等のアニオン性基を有するモノマー、またはそれら
の塩が使用可能である。
【0015】カチオニック不飽和モノマーとしては、エ
チレンイミン、アミノアルキルアクリレート、アミノア
ルキルメタクリレート、アミノアルキルアクリルアミ
ド、N−メチルアミノアルキルアクリレート、N−メチ
ルアミノアルキルメタクリレート、N−メチルアミノア
ルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノアルキ
ルアクリレート、N,N−ジメチルアミノアルキルメタ
クリレート、N,N−ジメチルアミノアルキルアクリル
アミド、N,N−ジアリルアミン、N,N−ジアルキル
−N,およびN−ジアリルアンモニウム塩等のように分
子中に1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アン
モニウム塩等のカチオン性基を有するモノマーが使用可
能である。
【0016】ノニオニック不飽和モノマーとしては、2
−ヒドロキシアルキルアクリレート等のアクリルエステ
ル、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート等のメタク
リルエステル、アリルアルコール、酢酸ビニル、アクロ
イルモルホリン、アクリロニトリル、およびスチレン等
が使用可能である。
【0017】本発明に用いられる重合体成分(A)の重
合体の分子量、および重合度などに格別の制限はない
が、一般に5,000〜1,000,000の平均分子
量を有することが好ましい。
【0018】本発明に用いられる架橋剤成分(B)は、
重合体成分(A)中の重合体を架橋し、これを水不溶化
することができる少なくとも1種の金属化合物からなる
ものである。このような架橋剤金属化合物としては、4
配位数以上の金属化合物があげられ、特にCr,Ti,
Zr,およびAl化合物を用いることができる。これら
の金属化合物のうち特に水溶性の高い化合物、すなわち
クロム酸、重クロム酸、及びその塩類、重リン酸クロ
ム、フッ化クロム、硝酸クロム、酢酸クロム、ジイソプ
ロポキシチタニウムビスセチルアセトン、乳酸とチタニ
ウムアルコキシドとの反応物、硝酸ジルコニル、酢酸ジ
ルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム、ジルコニウム
フッ化水素酸及びその塩、並びに硝酸アルミニウム等が
有用である。
【0019】本発明に用いられる酸性成分(C)はリン
含有酸基を有する無機酸および有機酸、前記無機酸およ
び有機酸のアンモニウム塩および酸性塩から選ばれた少
なくとも1種からなるものである。リン含有酸基を有す
る無機酸および有機酸としては、オルトリン酸、メタリ
ン酸、ピロリン酸やトリポリリン酸等の縮合リン酸、亜
リン酸、次亜リン酸、フィチン酸、1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸、およびアミノトリメチ
レンホスホン酸などをあげることができる。またこれら
の酸のアンモニウム塩および酸性塩等を用いることがで
きる。
【0020】本発明の下地処理剤において、その成分
(A),(B)および(C)の合計固形分重量に対し、
重合体成分(A)の含有量は、3〜90重量%であるこ
とが好ましく、20〜80重量%であることがより好ま
しく、また架橋剤成分(B)の含有量は、2〜70重量
%であることが好ましく、5〜50重量%であることが
より好ましく、さらに、酸性成分(C)の含有量は、5
〜95重量%であることが好ましく、10〜80重量%
であることが好ましい。
【0021】本発明の下地処理剤は、金属材料例えばア
ルミニウム金属材料の表面に塗布される。この塗布方法
には格別の制限はなく、例えば浸漬法、噴霧法、刷毛
法、ロール法、およびフローコート法など適宜の塗布方
法を用いることができる。下地処理剤の濃度、粘度など
についても何の制限もなく、使用される塗布方法、塗布
皮膜の厚さなどに応じて適宜設定することができる。ま
た下地皮膜の厚さについても、格別の制限はないが、一
般に、0.02μm〜10μmであることが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の下地処理剤の塗布により形成された下
地皮膜は、この下地皮膜上に施されるアルカリ珪酸塩を
含む親水性皮膜との密着性に優れ、より緻密な親水性皮
膜の形成を促進する作用を有し、かつ優れた耐食性、耐
プレス成型性、耐薬品性、および耐溶剤性を有するもの
である。
【0023】本発明者らは本下地処理剤の塗布により形
成された下地皮膜の化学分析などを行った結果、下地処
理剤の作用効果について、下記のように考えている。本
発明の下地処理剤は、脱脂洗浄された金属材料、例えば
アルミニウム、またはアルミニウム合金材料上に塗布さ
れ、次に加熱により乾燥工程に供されたとき、重合体成
分(A)は、架橋剤成分(B)(金属化合物)の一部と
反応し、高度に架橋した網目構造を形成する。
【0024】架橋剤成分(B)の金属化合物の一部は、
金属材料の表面に配向し、あるいはこれと反応して不働
態層を形成する。本発明の下地皮膜が優れた耐食性、耐
薬品性、耐溶剤性を示すのは、上記の皮膜構造に由来す
るものと考えられる。本発明の下地皮膜が耐プレス加工
性に優れているのは、重合体成分(A)により、この下
地皮膜が、クロメート等の無機化成処理皮膜に比べすぐ
れた柔軟性を有するためと考えられる。また、リンを含
有する酸基を有する無機酸、または有機酸或はその塩か
らなる酸性成分(C)は、架橋剤成分(B)の金属化合
物と不溶性塩を形成し易く、従って、架橋剤成分(B)
の一部と結合して下地皮膜中に固定化されるが、その酸
基の一部が残留し、これらが下地皮膜表面に配向し、こ
の表面を活性化するものと考えられる。
【0025】上記のようにして形成された下地皮膜上
に、アルカリ珪酸塩を含有する親水性処理液を塗布した
際、アルカリ珪酸塩中のアルカリ金属イオンは、下地皮
膜中に固定化され、その表面に存在する酸性成分(C)
の化合物の酸基に引き寄せられて塩を形成し、それによ
って親水性処理液のpHが低下し、珪酸のゲル化、および
加熱乾燥時の縮合反応が促進されると考えられる。この
作用によって、下地皮膜上の親水性皮膜はより緻密化さ
れる。本発明の下地皮膜と親水性皮膜との密着性が優れ
ているのは、皮膜間の界面において、珪酸イオンと、架
橋剤成分(B)の金属化合物との反応によるものと考え
られる。
【0026】上記に述べたように、本発明の下地処理剤
の塗布によって形成された下地皮膜は、その上にアルカ
リ珪酸塩を含有する親水性皮膜が形成されたとき、特に
すぐれた下地機能を発揮するものであるが、アルカリ珪
酸塩を含まない親水性皮膜、例えば親水性の有機高分子
を主成分とする有機系親水性皮膜を上層とした場合にも
優れた機能を発揮する。従って、本発明の下地処理剤は
有機系親水性皮膜の下地処理剤としても適用できること
は言うまでもない。
【0027】
【実施例】下記実施例により、本発明をさらに説明す
る。実施例1 アルカリ性脱脂剤(商標:ファインクリーナー315、
日本パーカライジング社製)を30g/リットルの濃度
で用いて、アルミニウム板(A1100H24材、厚
さ:0.11mm)を60秒間脱脂洗浄し、これを水洗
し、80℃で60秒間の水切り乾燥を施した。このアル
ミニウム板に、下記組成の水性下地処理液: 成 分 アクリルアミド(AAM)ホモポリマー 33.3g/リットル (平均分子量:約80万) 無水クロム酸 3.3g/リットル フッ化クロム三水塩 6.7g/リットル オルトリン酸 16.7g/リットル を、バーコーダーを用いて塗布し、220℃で約20秒
間乾燥し、厚さ約0.3μmの下地皮膜を形成した。
【0028】上記下地皮膜上に、下記組成の親水性皮膜
用水性塗布液: 成 分 3号珪酸ナトリウム(日本化学工業社製) 25g/リットル (固形分) アクリルアミド(AAM)とアクリル酸 25g/リットル ナトリウム(AANa)との共重合体 (AAM/AANaモル比=50:50、 平均分子量:約10万) グリオキザール 10g/リットル を塗布し、これを200℃で約20秒間加熱乾燥して、
乾燥膜厚:0.3μmの親水性皮膜を形成した。
【0029】実施例2 実施例1と同じ処理操作を行って下地皮膜および親水性
皮膜を形成した。但し、下地処理液において、オルトリ
ン酸の代りに、ピロリン酸を用いた。
【0030】実施例3 実施例1と同じ処理操作を行って下地皮膜および親水性
皮膜を形成した。但し、下地処理液において、オルトリ
ン酸の代りに、フィチン酸を用いた。
【0031】比較例1 実施例1と同じ処理操作を行って、下地皮膜および親水
性皮膜を形成した。但し、下地処理液において、オルト
リン酸を用いなかった。
【0032】比較例2 実施例1と同じ処理操作を行って、下地皮膜および親水
性皮膜を形成した。但し、下地処理液において、無水ク
ロム酸およびフッ化クロム三水塩を用いなかった。
【0033】実施例4 下記事項を除き実施例1と同じ処理操作を行った。 (1)水性下地処理液の組成 成 分 アクリルアミド(AAM)と2−アクリルアミド 120g/リットル −2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム (AMPS)との共重合体(AAM/AMPS モル比=60:40,平均分子量:約75,000) 硝酸クロム 45g/リットル トリポリリン酸 35g/リットル 乾燥:220℃,約20秒間 下地皮膜の厚さ:約1μm
【0034】 (2)親水性皮膜用水性塗布液 成 分 アルカリ珪酸塩含有処理液 200g/リットル (商標:パーレン−4534, 日本パーカライジング社製) 脱イオン水 残 部 塗布法:浸漬法 乾燥:180℃,約60秒間 親水性皮膜の厚さ:0.5μm
【0035】比較例3 実施例4と同じ処理操作を行って、下地皮膜および親水
性皮膜を形成した。但し、下地処理液において、トリポ
リリン酸の代りに、硝酸を用いた。
【0036】実施例5 下記事項を除き、実施例1と同じ処理操作を行って、下
地皮膜および親水性皮膜を形成した。 (1)水性下地処理液 成 分 アクリルアミド(AAM)とジメチルアミノエチル 50g/リットル メタクリレート四級化物(DAM)との共重 合体(AAM/DAMモル比=60:40, 平均分子量:約95万) 無水クロム酸 5g/リットル 炭酸ジルコニウムアンモニウム 15g/リットル (固形分) アミノトリメチルホスホン酸アンモニウム 30g/リットル 塗布法:バーコーダー法 乾燥:220℃,約20秒間 下地皮膜の厚さ:0.5μm
【0037】 (2)親水性皮膜形成用水性塗布液 成 分 3号珪酸ナトリウム(日本化学工業社製) 30g/リットル (固形分) ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量:約10万) 30g/リットル 塗布法:バーコーダー法 乾燥:200℃,約20秒間 親水性皮膜の厚さ:0.3μm
【0038】比較例4 実施例5と同じ処理操作を行って、下地皮膜および親水
性皮膜を形成した。但し、下地処理液において、アミノ
トリメチルホスホン酸アンモニウムを用いなかった。
【0039】比較例5 下記事項を除き、実施例1と同じ処理操作を行って、下
地皮膜および親水性皮膜を形成した。 (1)水性下地処理液 成 分 ポリアクリルアミド(平均分子量:約80万) 40g/リットル 水溶性ブロック化イソシアネートプレポリマー 10g/リットル (商標:エラストロンA−42,第一工業社製) (固形分) オルトリン酸 30g/リットル 塗布法:バーコーダー法 乾燥:180℃,約3分間 下地皮膜の厚さ:0.5μm
【0040】 (2)親水性皮膜形成用水性塗布液 成 分 3号珪酸ナトリウム(日本化学工業社製) 50g/リットル (固形分) 塗布法:バーコーダー法 乾燥:160℃,約30秒間 親水性皮膜の厚さ:0.3μm
【0041】試験評価 以上の実施例、比較例に示した内容で作製した処理板試
料について、下記方法に基づいて試験を行い評価した。 (1)耐食性 塩水噴霧試験法JIS−Z−23
71に基づく白錆発生面積が5%に達するまでの時間
【0042】(2)耐水密着性 試料表面に0.2ml
の脱イオン水を滴下し、キムワイプ(十條キンバリー
(株)製、商標:ワイパーS−200)で軽く5回擦っ
た後の表面を観察した。評価は以下の基準に従った。 剥がれが無いもの −−−○ 一部剥がれるもの −−−△ 殆ど全部剥がれるもの−−−×
【0043】(3)耐沸水性 沸騰させた脱イオン
水中に試料を5分間浸漬し、試料表面を上記キムワイプ
で軽く5回擦った後の表面を観察した。評価は以下の基
準に従った。 剥がれが無いもの −−−○ 一部剥がれるもの −−−△ 殆ど全部剥がれるもの−−−×
【0044】上記試験評価の結果を表1に示す。
【表1】
【0045】表1から明らかなように、比較例1,3お
よび4においては、得られた製品の耐食性は良好であっ
たが、その下地処理液が、本発明の特定酸性成分(C)
を含んでいないため、得られた製品の耐水密着性、およ
び耐沸水性が不良であった。また、比較例2において
は、その下地処理液か、本発明の特定架橋剤成分(B)
(金属化合物)を含んでいないため、また比較例5にお
いては、その下地処理液が、本発明の特定架橋剤成分
(B)(金属化合物)の代りに有機架橋剤を含んでいた
ため、それぞれ得られた製品の耐食性、耐水密着性、お
よび耐沸水性が、いずれも不良であった。これに対し
て、本発明に係る、実施例1〜5の製品は、すべて、良
好な耐食性、耐水密着性および耐沸水性を有し、実用上
すぐれたものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の下地処理剤の塗布により形成さ
れた下地皮膜は、この下地皮膜上に施されるアルカリ珪
酸塩を含む親水性皮膜との密着性に優れ、優れた耐食性
を示すものである。このため、本発明の下地処理剤は、
金属製、例えばアルミニウム金属材料製の熱交換器の親
水性皮膜に対し、実用上すぐれた性能を有するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分: (A)下記一般式(I): 【化1】 〔但し、上式(I)中、R1 は水素原子又はメチル基を
    表わし、R2 およびR3は、それぞれ互に独立に、水素
    原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ベンジ
    ル基、又はヒドロキシアルキル基を表わす〕で表わされ
    るモノマーを重合成分として含むホモポリマーおよびコ
    ポリマーから選ばれた少なくとも1種からなる重合体成
    分、(B)上記重合体成分(A)の重合体を架橋し、こ
    れを水不溶化する少なくとも1種の金属化合物からなる
    架橋剤成分、および(C)リン含有酸基を有する無機酸
    および有機酸、並びに前記無機酸および有機酸のアンモ
    ニウム塩および酸性塩から選ばれた少なくとも1種を含
    む酸性成分、を含むことを特徴とする、熱交換器用アル
    カリ珪酸塩系親水性皮膜の下地処理剤。
JP3345993A 1993-02-23 1993-02-23 熱交換器用アルカリ珪酸塩系親水性皮膜の下地処理剤 Pending JPH06248232A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6338876B1 (en) * 1999-02-26 2002-01-15 Nippon Light Metal Company, Ltd Process for hydrophilic treatment of aluminum materials and primers therefor and hydrophilic coatings
US10113070B2 (en) 2015-11-04 2018-10-30 Ppg Industries Ohio, Inc. Pretreatment compositions and methods of treating a substrate

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6338876B1 (en) * 1999-02-26 2002-01-15 Nippon Light Metal Company, Ltd Process for hydrophilic treatment of aluminum materials and primers therefor and hydrophilic coatings
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