JPH0624994A - 骨形成促進剤,その製造方法及びそれを用いた組成物 - Google Patents

骨形成促進剤,その製造方法及びそれを用いた組成物

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JPH0624994A
JPH0624994A JP4182388A JP18238892A JPH0624994A JP H0624994 A JPH0624994 A JP H0624994A JP 4182388 A JP4182388 A JP 4182388A JP 18238892 A JP18238892 A JP 18238892A JP H0624994 A JPH0624994 A JP H0624994A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨形成を促進するとともに骨形成に有用であ
るばかりでなく,歯髄障害や炎症をも防止することがで
きる骨形成促進剤,その製造方法,それを用いた組成物
を提供することにある。 【構成】 骨形成促進剤は,動物の骨から抽出された生
成物であって,MgSi,S,Ca,Naを必須成分と
して含む。この骨形成促進剤を製造するには,獣皮又は
酸浸漬した動物の骨を石灰漬けとし,中和し,加熱抽出
し,濃縮して乾燥し,得られたゼラチンを加熱して抽出
する。生成物は,ハイドロキシアパタイト粉末と混合さ
れて,硬化性中性骨形成物を作り,また,キトサンゾル
と混合されて骨形成促進用シートを作ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,骨形成促進剤と,その
製造方法及び骨形成促進剤を含む組成物に関し,詳しく
は,歯科治療用に用いられる新生骨形成促進剤と,その
製造方法及び骨形成促進剤を用いた組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近,切除された歯骨部分に人口的に骨
形成剤を装填することによって,骨の再生を促す試みが
行われている。
【0003】また,歯科の分野において,根管充填,修
復物の合着を行うために,歯科セメントが使用されてい
る。この種の歯科セメントとしては,リン酸亜鉛,亜鉛
/コージノール,カルボキシレート等が知られている。
この歯科セメントは,使用の際,粉末と液とを混合して
使用するものであり,硬化時間は4〜10分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した骨形成剤とし
て,通常,人口的に合成されたアパタイトを含むものが
使用されているが,この骨形成剤は,骨形成が極めて遅
く,実用化の点で疑問視されている。また,この骨形成
剤が歯科用骨充填剤として使用された場合には,アパタ
イトが最初の充填位置から移動してしまい,例えば,歯
肉と骨との間に入り,咬合圧によって歯肉が炎症を生じ
るという問題がある。
【0005】一方,上記した歯科セメントは,セメント
粉末と液体とを混合して調整されてペースト状になる
と,pHが2〜4の酸性を示し,生体内に施された場合
には,歯髄障害や,炎症を引き起こしたり,骨形成に有
効に働かないという欠点を有している。
【0006】また,本発明者等は先に,牛骨等の動物の
骨を焼成粉砕し,この動物粉にキトサン及びII族金属酸
化物を混合した骨形成促進剤を提案した(特願平4−2
4106号)。この骨形成促進剤は処理に適した硬化時
間を有し,硬化した後,中性骨形成物となることが確認
された。この骨形成物を使用した場合,通常のアパタイ
トのみを含む骨形成促進剤に比較して,骨の形成が著し
いことも確認された。
【0007】しかしながら,上の示した出願では,硬化
性骨形成物として利用することのみが考慮されており,
用途等において限られるという問題がある。
【0008】そこで,本発明の技術的課題は,骨形成を
促進するとともに骨形成に有用であるばかりでなく,歯
髄障害や炎症等をも防止することができる骨形成促進
剤,その製造方法,それを用いた組成物を提供すること
にある。
【0009】本発明の他の技術的課題は,単に硬化型骨
形成物としてだけでなく,シート状等にしても使用する
ことができ,これによって,広範囲の用途に供すること
ができる骨形成促進剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,酸浸漬
した動物の骨を石灰漬けとし,中和し,加熱抽出し,濃
縮して乾燥し,得られたゼラチンを予め定められた温度
範囲内で加熱して生成物を抽出することを特徴とする骨
形成促進剤の製造方法が得られる。ここで,本発明にお
いて,予め定められた温度範囲内とは,600〜100
0℃の温度範囲であり,その際の加熱時間は,骨によっ
て異なるが,1〜8時間が好ましい。
【0011】このようにして得られた生成物は,MgC
O3 ,Ca2 SiO4 ,CaO,Ca(OH)2 を必須
成分として含有し,選択成分としてMgO及びNaOを
含有していることが判明した。
【0012】また,本発明によれば,前記骨形成促進剤
とハイドロキシアパタイト粉末とを含む骨形成促進組成
物が得られ,硬化性中性骨形成物を生成できる。
【0013】ここで,本発明においては,前記骨形成促
進剤の混合量は,前記ハイドロキシアパタイト粉末量に
対する重量比が0.05〜35wt%となるように添加
することが好ましい。
【0014】更に,本発明によれば,前記骨形成促進剤
とキトサンとを含む骨形成促進組成物が得られ,この組
成物はシート状にして用いることができる。
【0015】
【作用】本発明においては,少量の骨形成促進剤,キト
サンゾル,及びハイドロキシアパタイトとを混合して,
組成物を形成すること,単に硬化性骨形成物として利用
できるだけでなく,骨形成用シートとしても利用でき
る。
【0016】
【実施例】以下,本発明の実施例について,図面を参照
して説明する。
【0017】図1は本発明の実施例に係る骨形成促進剤
の抽出方法を示す図である。図1に示すように,動物の
骨をリンゴ酸又はマロン酸等に浸漬して,水洗して,2
〜3か月放置したものを石灰づけにする。次に,水洗し
て,水溶性物質とケラチンと脂肪とを除去して原料を作
る。更に,この原料をリンゴ酸,マロン酸,希塩酸等で
中和して,水洗いした後,40〜90℃で,8時間加熱
する。このようにして,抽出された抽出物を濾過して母
液を集める。この母液を減圧濃縮して,10℃で冷却し
凝固させる。凝固したものを切断して,28℃で乾燥す
るとゼラチンが得られる。このゼラチンの歩留りは,牛
骨では10〜12%である。次にゼラチンを600〜1
000℃,1〜2時間加熱して,残渣として収率5wt
%でpH12.5の生成物を得た。
【0018】このようにして得られた生成物の組成を調
べるために,ICP光分光法により定性および含有量の
推定を行った。この結果,生成物中にはMg,Si,
S,Ca及びNaが含まれていることが判明した。次
に,ICP光分光法によりMg,Si,S,Ca及びN
aの含有量を推定した。なお,この測定には,ICP光
分光装置(島津ICPV−1000)を使用した。
【0019】具体的に述べると,上記生成物の試料0.
2gを塩酸で加熱分解し濾過した後,濾液を純水で50
ミリリットルに調整した。濾過の残渣を灰化し,アルカ
リ融解した後,塩酸に溶解し,融解液を純水で50ミリ
リットルに定容した。このようにして得られた融解液を
ICP装置に導入した。測定の結果,波長,383.2
3nm(Mg),251.61nm(Si),180.
73nm(S),317.93nm(Ca),589.
55nm(Na)でピークが発生し,生成物には,M
g,Si,S,Ca,及びNaが含まれていることが確
認された。ICP光分光法により定性および含有量の推
定は,定性された元素について,ICPのピーク強度と
バックグラウンド強度との比から含有量を推定した。そ
の結果を表1に示した。
【0020】
【表1】
【0021】上記したMg,Si及びCaはMgC
O3 ,Ca2 SiO4 ,CaO,Ca(OH)2 で存在
するものと推定される。
【0022】次に,上記した生成物の使用例は,キトサ
ンゾルをゲル化する効果を有していることが判明した。
このため,この生成物は単に,硬化性骨形成物としてだ
けではなく,キトサン膜へ添加することにより,骨形成
促進用シートをも作成できる。まず,この生成物の使用
例として,キトサン膜に対して前記生成物を混合した骨
形成促進用シートを作成する場合について説明する。
【0023】(実施例1)キトサンゾル(キトサン0.
5g,マロン酸0.4g,生理食塩水8cc)に生成物
0.05g,及びハイドロキシアパタイト1.5gを混
合して,生成物含有のキトサン膜,即ち,骨形成促進用
シートを作った。このキトサン膜の硬化時間は,1分2
0秒,硬化体のpHは7.3,引張りの強さは1200
g/cm2 ,伸び40%であった。
【0024】(実施例2)実施例1と同様にキトサンゾ
ル(キトサン0.5g,マロン酸0.4g,生理食塩水
8cc)に対して生成物0.03g及びハイドロキシア
パタイト1.5gを混合して,生成物含有のキトサン膜
を作った。このキトサン膜の硬化時間は,2分50秒,
硬化体のpHは7.1,引張りの強さは1030g/cm
2 ,伸び38%であった。
【0025】(実施例3)実施例1及び2と同様にキト
サンゾル(キトサン0.5g,マロン酸0.4g,生理
食塩水8cc)に対して生成物0.02g及びハイドロ
キシアパタイト1.5gを混合して,キトサン膜を作っ
た。硬化時間は,3分10秒,硬化体のpHは6.8,
引張りの強さは970g/cm2 ,伸び32%であった。
【0026】実施例1〜3のキトサン膜を穿孔された骨
部分に貼付けることにより,骨成長が促進されることが
判明した。
【0027】次に,生成物の更に他の使用例として,硬
化型中性骨形成物へ生成物を混合した場合について説明
する。
【0028】(実施例4)リンゴ酸0.125g,キト
サン0.125g,生理食塩水2ccにて,キトサゾル
とし,CaO 0.02g, ZnO 0.02g,ハ
イドロアパタイト0.4g,生成物を0.02g添加し
て組成物を得た。この組成物の硬化時間は,25秒29
秒であり,この硬化体のPHは,7.7であった。ま
た,硬化した組成物の圧縮強さは,14kg/cm2 であ
った。
【0029】(実施例5)リンゴ酸0.125g,キト
サン0.125g,生理食塩水2ccにて,キトサゾル
とし,CaO 0.02g, ZnO 0.03g,ハ
イドロアパタイト0.4g,及び生成物を0.02g添
加して組成物を得た。この組成物の硬化時間は,7分で
あり,この硬化体のPHは,7.9であった。また,硬
化した組成物の圧縮強さは,22kg/cm2 であった。
【0030】(実施例6)マロン酸0.1g,キトサン
0.125g,生理食塩水2ccにて,キトサゾルと
し,CaO 0.01g, ZnO 0.01g,ハイ
ドロアパタイト0.4g,及び生成物を0.03g添加
して組成物を得た。この組成物の硬化時間は5分であ
り,硬化体のPHは,7.2であった。硬化した組成物
の圧縮強さは,15kg/cm2 であった。
【0031】次に,上記した生成物は単独あるいは各種
アパタイトと混合することによっても,骨形成促進剤と
して有効であることが判った。以下の実施例7では,上
記生成物をハイドロオキシアパタイト粉末と混合した場
合について説明する。
【0032】(実施例7)実験動物は,体重約110g
の4週齢のSD系の雌ラットを用い,頭蓋骨に直径2m
m,深さ0.3mmに注水下で,骨バーにて穿孔した。
この穿孔部にハイドロアパタイト粉末単体と,図1によ
って抽出した抽出物0.5gと,ハイドロキシアパタイ
ト粉末5gを混合して埋入した。術後,2週間と4週間
にて屠殺し,脱灰後,Hematoxyline-eosinにて染色し
た。観察の結果,ハイドロキシアパタイト粉末単体の場
合には,骨形成は2週間及び4週間の双方のラットとも
骨形成は,認められなかったが,生成物を混合した場合
の実験群では,幼若な新生骨と一部には成熟した骨が,
Hematoxyline-eosinに赤く染まった状態で確認された。
また,4週目のラットでは,かなり成熟した骨組織を確
認することができた。
【0033】
【発明の効果】上述した実験結果からも明らかなとお
り,図1の製造方法により得られた生成物はアパタイト
に少量添加しても,新生骨の生成に有効である。このこ
とは,生成物単独あるいは生成物を各種アパタイトとキ
トサンとの混合により,根管充填剤が得られることを示
している。
【0034】また,生成物はキトサンゾルをゲル化する
性質を有しているため,骨形成促進用シートを制作する
ことができ,キトサン等と混合することにより,硬化性
中性骨成形物に比較して,CaO及びZnOの添加量を
減少させ得ることも確認された。なお,牛骨を用いた場
合について説明したが動物の骨としては,他の動物の
骨,例えば魚の骨でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る骨形成促進剤の抽出方法
を示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物の骨から抽出された生成物であっ
    て,MgCO3 ,Ca2 SiO4 ,CaO,Ca(O
    H)2 を含むことを特徴とする骨形成促進剤。
  2. 【請求項2】 請求項1又は2記載の骨形成促進剤にお
    いて,前記生成物は,更に,MgO及びNaOの内の少
    なくとも一種を含むことを特徴とする骨形成促進剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の骨形成促進剤とハ
    イドロキシアパタイト粉末とを含むことを特徴とする骨
    形成促進組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の骨形成促進剤とキトサン
    とを含むことを特徴とする皮膜形成促進組成物。
  5. 【請求項5】 酸浸漬した動物の骨を石灰漬けとし,中
    和し,加熱抽出し,濃縮して乾燥し,得られたゼラチン
    を予め定められた温度範囲内で加熱して生成物を抽出す
    ることを特徴とする骨形成促進剤の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11302183A (ja) * 1998-04-17 1999-11-02 Fancl Corp キトサン組成物およびその製造方法
CN1304063C (zh) * 2004-10-22 2007-03-14 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种原位自固化生物活性材料、制备及应用

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