JPH06256802A - 粉末冶金用鉄鋼粉および液体ジェットによる溶融金属のアトマイズ法 - Google Patents

粉末冶金用鉄鋼粉および液体ジェットによる溶融金属のアトマイズ法

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JPH06256802A
JPH06256802A JP5041092A JP4109293A JPH06256802A JP H06256802 A JPH06256802 A JP H06256802A JP 5041092 A JP5041092 A JP 5041092A JP 4109293 A JP4109293 A JP 4109293A JP H06256802 A JPH06256802 A JP H06256802A
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liquid jet
less
powder
liquid
jet
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JP5041092A
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Minoru Nitta
稔 新田
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体アトマイズ法で製造された粉末冶金用金
属粉において、粒度分布の狭く圧縮性と圧粉体強度の優
れた金属粉、およびその製造方法を提供する。 【構成】 噴射スリット幅を0.20mm以上、噴射集中角度
の精度を±0.10°以下として空洞と欠けのない液体ジェ
ットとし、アトマイズする製造方法、およびこのように
して得られた積算ふるい下84wt% 粒子径(D84) と積算ふ
るいした50wt% 粒子径(D50) との比、σg=D84/D50 が1.
80以下の粒度の生鉄鋼粉あるいは、それを還元焼鈍後σ
g が1.80以下とした焼きなまし鉄鋼粉。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の溶融金属注入流
の周囲から高速の液体ジェットを噴射し、溶融金属注入
流の引き込み点に液体ジェットを集中させて効率よく金
属粉末に噴射する液体アトマイズ方法、およびこの液体
アトマイズ法で製造された粉末冶金に用いる圧縮性およ
び圧粉体強度に優れた鉄鋼粉末に関するものである。こ
こでいう鉄鋼粉とは、純鉄粉および機械構造用低合金粉
である。
【0002】
【従来の技術】合金を含めた各種の金属粉末の製造方法
として、水、油、液体窒素などを加圧して噴射した液体
ジェットをたがいに衝突させ、その集中・合流点に溶融
金属を注入して噴霧する液体アトマイズ法が工業的規模
で広く採用されている。一般に、液体アトマイズ法で溶
融金属注入流を効率よく噴霧するためには、噴射した液
体ジェットの膜の安定性と集中性を高めることが必要で
ある。
【0003】その噴霧効率の評価は、噴霧条件と金属粉
末の平均粒径、または粒度分布の広がりとを比較するこ
とにより行われる。一方、鉄鋼粉などの金属粉を原料に
用いて粉末冶金法により、電磁用の圧粉成形材とその焼
結材や、機械構造用の焼結材と鍛造材などが製造されて
いる。その製造工程は、鉄鋼粉に潤滑材として金属石鹸
粉末など、機械的特性強化剤として黒鉛粉末、Cu粉末、
Ni粉末、Mo粉末など、切削改善剤としてMnS 粉末、石膏
粉末、タルク粉末、BN粉末などの混合、金型内への充填
とプレス成形、焼結、サイジング、コイニングおよび鍛
造などからなっている。このように粉末冶金法で品物を
製造するためには、プレス成形を行う工程があり、圧縮
性と圧粉体強度の優れている鉄鋼粉が必要である。
【0004】高速の液体ジェットで溶鋼流を噴霧する液
体アトマイズ法で製造した液体アトマイズ鉄鋼粉は、粒
子内に空孔がなく緻密質であり、かつ粒子表面は大小の
凹凸があって複雑形状をしているためプレス成形時の圧
縮性と圧粉体強度に優れていることから、粉末冶金の原
料として用いられているが、複雑形状部品および複雑形
状薄肉部品になればなるほど、圧縮性と圧粉体強度の向
上が必要となる。
【0005】ここでは、高速の水、油、液体窒素などの
液体ジェットで溶鋼を噴射し、脱液乾燥した状態の鉄鋼
粉を以下「生鉄鋼粉」と呼び、この生鉄鋼粉を真空中
や、N2、Ar、H2、COなどの還元性および非酸化性雰囲気
中で脱炭、脱酸、還元および焼鈍し解粒した状態の鉄鋼
粉を「焼きなまし鉄鋼粉」と呼ぶ。従来の液体アトマイ
ズ法で製造した鉄鋼粉は、積算ふるい下84.13 wt% 粒子
径(D84.13)と積算ふるい下50wt% 粒子径(D50)との
比、すなわちσg=D84.13/ D50( 以下σg と記す) が
1.80を越えた粒度分布が広い生鉄鋼粉を還元焼鈍したも
のである。この従来の純鉄粉に関するものとしては特公
昭49-28101号公報および特公昭62-29482号公報がある。
また、Mn、Cr、Moなどを最大6 wt% まで含む低合金鋼粉
に関するものとしては特公昭49-28827号公報がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】噴射した液体ジェット
の膜の安定性と液体ジェットの衝突部分の集中性を高
め、金属粉末の微粒化を促進する技術として; (1) 液体噴射ノズルヘッダー内で液体の流れを均一
化することを技術内容とする特公昭62-278208 号公報に
開示された技術、(2) 噴射した液体ジェットに沿面
ガイドを添えることを技術内容とする特開昭54-32162号
公報に開示された技術、(3) 衝突部分を筒や箱で囲
むことを技術内容とする特開平1-246305号公報および特
開平2-159302号公報に開示された技術、がある。しか
し、これらの公知技術の液体ジェットの合流状態は、空
洞があったり、部分的に欠けがあったりすると溶融金属
注入流を効率よく噴霧できないという問題点がある。
【0007】また、噴射条件を因子とし、金属粉末の平
均粒径または粒度分布を数式で表現する技術として; (4) Jounal of Metals, vol.22,No2,1970,p.45〜49
および特開平4-83813 号公報がある。しかし、これらの
公知の数式は、溶融金属の物性( 動粘度、表面張力、密
度) や溶融金属注入流量、液体ジェットの物性( 動粘
度、表面張力、密度) 、噴射流量、噴射ジェット径、噴
射集中角度、噴射スリット幅、および噴射圧力などをた
だ単純に因子とする技術内容であり、液体ジェットが互
いに衝突しあい、集中し合流した液体ジェット中に発生
する空洞や欠けの存在が噴霧効率を低下させるという問
題点を考慮していない。
【0008】そして従来公知の特公昭49-28101号公報、
特公昭62-29482号公報および特公昭49-28827号公報に記
載の焼きなまし鉄鋼粉は、そのσg が1.80を越えた粒度
分布の広い、かつ幾分凹凸の少ない球状粒子を含む鉄鋼
粉であるため、圧縮性を向上させると圧粉体強度が低下
するという相反する特性をもつという問題がある。この
ように、σg が大きく粒子形状が不揃いの生鉄鋼粉が生
成されるのは、溶鋼注入流を噴霧する液体ジェットの場
所場所でその速度と冷却能が不均一なためである。
【0009】本発明は、液体ジェットが互いに衝突しあ
い、集中して形成する合流ジェット中に空洞や欠けを全
くなくし、溶融金属注入流を効率良く噴射してσg が小
さく、凹凸が多い粒子形状のみの生鉄鋼粉を製造する方
法を提供し、またこの方法により製造されたσg が小さ
い生鉄鋼粉を焼きなますことによって圧縮性を大幅に低
下させることなく圧粉体強度が著しく向上した新規な粉
末冶金用の液体アトマイズ鉄鋼粉を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体ジェット
が互いに衝突し合い、集中して合流した部分に発生する
水流ジェット中の空洞や欠けが、溶融金属注入流の微細
化を阻害し、噴霧した金属粉末の粒度分布を広げる原因
になるという知見にもとずいている。本発明は、水ジェ
ットの噴射厚さを0.20mm以上とし、噴射した水ジェット
の集中角度の精度を±1.0degとして高精度で集中合流さ
せることにより、合流ジェット中の空洞や欠けを排除し
て、その液体速度分布の均一性を増大させてσg が1.80
以下の生鉄鋼粉を製造し、これを焼きなまし解粒してσ
g が1.80以下の焼きなまし鉄鋼粉としたものである。
【0011】なお噴射集中角度の精度は、高精度CNC 三
次元座標測定機を用い、プローブで水ジェットの上面の
全表面をスキャンニングして測定した。したがって本発
明は、まずσg が1.80以下の液体アトマイズした生鉄鋼
粉を製造し、これを還元焼鈍してσg が1.80以下に解粒
することによって、圧縮性を大幅に低下させることな
く、圧粉体強度が一段と優れた特性の焼きなまし鉄鋼粉
を得ることができるという知見にもとづいている。
【0012】さらに本発明は、圧縮性が急に低下するよ
うになるO 、C + N + B 、S + Si +Al、 P、Mn、Cr +
V、Ni + Cu + Mo + Sn 、Coの不純物元素および合金元
素の含有量を限定したものである。すなわち本発明は、
本発明は液体によりアトマイズしたままの粉末冶金用生
鉄鋼粉であって、積算ふるい下84.13wt%粒子径(D
84.13)と積算ふるい下50wt% 粒子径(D50)との比、す
なわちD84.13 / D50が1.80以下であることを特徴とす
る粉末冶金用生鉄鋼粉であり、また本発明は液体により
アトマイズしたままの生鉄鋼粉を還元または焼鈍、また
は還元と焼鈍をして解粒した、積算ふるい下84.13 wt%
粒子径(D84.13)と積算ふるい下50wt% 粒子径(D50
との比、すなわちD84.13 / D50が1.80以下で、しかも
加圧力5ton/cm2、1 wt% ステアリン酸亜鉛添加で成形し
た圧粉体の強度が120kgf/cm2以上である粉末冶金用鉄鋼
粉であり、また本発明の前記鉄鋼粉はwt% 表示で、O が
1.20% 以下、C + N + B が0.0080%以下、S + Si + Al
が0.30% 以下、P が0.10% 以下、Mnが1.00% 以下、Cr +
Vが1.20% 以下、Ni + Cu + Mo + Sn が4.0%以下、Coが
8.0%以下を含有できる。また本発明は、溶融金属注入流
の引き込み点で集中し、合流する液体ジェットを噴射し
て金属粉末を製造する方法において、噴射スリット幅を
0.20mm以上、噴射集中角度精度を±1.0deg以下として引
き込み点以降の合流軸上の任意位置の水平断面に空洞と
欠けのない液体ジェット中で溶融金属注入流を噴霧し固
化する液体ジェットによる溶融金属のアトマイズ方法で
あり、また本発明では、溶融金属注入流と液体ジェット
との引き込み点以前で該液体ジェットの上面または下面
のいずれか一方、または上面と下面とに、同種または異
種の液体を該液体ジェットの最大速度以下で加えること
もでき、また本発明はジェットの噴射口から溶融金属注
入流との引き込み点までは噴射した液体ジェットの下面
の外縁に沿った筒と、引き込み点以降は合流した液体ジ
ェットの外縁に沿って接した筒とで系外の気体を吸い込
むとともに液体ジェットを拘束して通過させる前記のア
トマイズ方法である。
【0013】
【作用】本発明は、水ジェットの噴射スリット幅を0.20
mm以上、噴射集中角度精度を±1.0deg以下として高精度
で集中し合うようにして溶融金属流の引き込み点以降の
合流ジェット部分に空洞や欠けを生じないようにした。
なお、本発明でいう空洞とは中心部に部分的に水がない
状態であり、欠けとは水平断面ににおいて円周部に凹み
のある状態である。
【0014】このため本発明方法で噴射した液体の合流
ジェットは、引き込み点を含む合流軸上が最大液体圧力
または最大液体速度をもち、その任意位置の水平断面は
周囲に向かって液体圧力または液体速度が漸減する軸対
称性の良い状態となり、引き込み点に注湯した溶融金属
を液体ジェットの合流軸上に引き込み、最大液体圧力ま
たは最大流体速度部分で微粒化し、冷却固化して効率の
良い噴霧ができ、粒度分布の狭い金属粉末を製造するこ
とができる。
【0015】また、引き込み点以前の液体ジェットに、
同種または異種の液体を該液体ジェットの最大速度以下
で加えることにより、引き込み点を含む合流軸上の任意
の位置における水平断面の液体圧力または液体速度の均
等性を一層増大し、噴霧した金属粉末の粒度を狭くでき
る。さらに、液体ジェットの噴射口から引き込み点まで
は噴射した液体ジェットの下面の外縁に沿って接した筒
と、引き込み点以降は合流ジェット中に空洞や欠けのな
い液体ジェットの外縁に沿って接した同一寸法形状の筒
とを設けることにより、系外の気体を吸い込むとともに
液体ジェットを拘束して通過させることができ、引き込
み点を含む合流軸上の任意の位置における水平断面の液
体圧力または液体速度の均等性をさらに一層増大し、噴
霧した金属粉末の粒度分布を狭くできる。
【0016】なお、液体ジェットの合流部分の最大流速
は、噴射圧力、噴射水量、スリット幅( 噴射断面積) お
よび合流点までの飛行距離を因子として決まるので、本
発明方法ではその数値を限定する必要はない。本発明に
おける液体アトマイズした鉄鋼粉のσg および化学組成
を限定した理由を以下に記述する。 (1) 液体アトマイズした生鉄鋼粉のσg が1.80以下であ
り、その焼きなまし鉄鋼粉のσg が1.80以下の圧粉体強
度について、σg が1.80以下の生鉄鋼粉であってもその
焼きなまし鉄鋼粉のσg が1.80を越えるように解粒する
と、2 段以上の異形の薄肉厚部品を金型プレス成形する
さいに、外径が大きい部品ほどすべり剪断力がかかるコ
ーナー部分にクラックが発生する。これを生鉄鋼粉およ
び焼きなまし鉄鋼粉のσg と圧粉体抗折力の関係を整理
すると、生鉄鋼粉のσg が1.80以下で焼きなまし鉄鋼粉
のσg が1.80以下のとき、圧縮性は同等であるが、加圧
力 5t/cm2、 1wt% ステアリン酸亜鉛添加で成形した圧
粉体の圧粉体抗折力強度が120kgf/mm2以上に向上し、上
記のコーナー部分でクラックを生じなくなる。
【0017】よって、液体アトマイズした生鉄鋼粉のσ
g は1.80以下、その焼きなまし鉄鋼粉のσg は1.80以下
に限定する。なお、本発明の方法によらない液体アトマ
イズで得られた生鉄鋼粉を適当にふるい分けし、あるい
はそれらを適当に混合することによってもσg を1.80以
下にすることは可能であるが、このような鉄鋼粉を用い
ても、本発明で得られるような圧粉体強度を得ることは
できない。 (2) 化学組成について σg が1.80の生鉄鋼粉をH2雰囲気中900 ℃で還元焼鈍し
て解粒したσg が1.80の焼きなまし鉄鋼粉は、金型でプ
レス成形したとき、単一元素および複数組合元素の含有
量が特定量を越えると、急に圧粉密度が低下するように
なるので、wt%表示で、O が1.20% 以下、C + N + B が
0.0080% 以下、S + Si + Al が0.30% 以下、P が0.10%
以下、Mnが1.00% 以下、Cr + Vが1.20% 以下、Ni + Cu
+ Mo + Sn が4.0%以下、Coが8.0%以下、残部がその他の
不可避的不純物とFeと限定した。
【0018】
【実施例】本発明を、実施例を用いて説明する。先ず、
本発明方法を実施する装置と液体ジェットで溶融金属注
入流を噴霧する態様例を説明する。図 1は、溶融金属注
入流の引き込み点以降の液体ジェット合流軸上の任意位
置での水平断面に空洞や欠けがない液体ジェットを噴射
し、溶融金属注入流を噴霧し固化する本発明方法の説明
図である。図 1において、溶融金属注入流7を取り囲む
噴射ノズルチップ1の噴射口2から、溶融金属注入流7
の注入軸と一致させた液体ジェットの合流軸aの引き込
み点fに向けて液体ジェットを噴射する。噴射ノズルヘ
ッダー3はノズルチップ1を交換することによって、円
環形、V形およびペンシル形の液体ジェットを自在に噴
射できる構造とすることができる。液体ジェットが互い
に衝突し合い、集中して合流する溶融金属注入流7の引
き込み点fおよび合流軸a上の任意位置jにおける水平
断面Pf 、Pj の空洞や欠けの有無は、ピトー管を差し
込んで液体ジェットの圧力と液量を測定することにより
確認する。空洞や欠けのない液体の合流ジェットは、水
平断面Pf 、Pj 上の任意の水平方向に対して、合流軸
上が最大液体圧力または最大液体速度であり、水平方向
の周囲に向かって漸減する軸対称性の良い液体圧力また
は液体速度を示す。
【0019】これらの引き込み点fおよび引き込み点以
降の液体の合流ジェットの全体にわたって空洞や欠けが
存在しない液体ジェットは、ノズルチップ1の加工と組
立てを高精密化し、噴射スリット幅SN を0.2mm 以上、
噴射集中角αを±1.0 deg以下に高精度で調整すること
によって得ることができる。なお、噴射スリット間距離
jNはV形ジェットでは、平板状スリットの間隔距離を
意味し、円環形ジェットと、ペンシル形ジェットでは噴
射する直径を意味する。
【0020】図2は、溶融金属注入流の引き込み点以前
の液体ジェットの上面または下面、および上面と下面
に、同種または異種の液体を該液体ジェットの最大速度
以下で加える本発明の方法の説明図である。図2におい
て、噴射ノズルヘッダー3の上と下に、引き込み点f以
前の液体ジェットの上面または下面、および上面と下面
に液体ジェットと同種または異種の液体を加える上部補
助ノズルヘッダー4と下部補助ノズルヘッダー5をそれ
ぞれ設ける。これらの上部および下部の補助ノズルヘッ
ダー4、5から、同種または異種の液体を液体ジェット
に加える増水作用により、引き込み点f以降の合流ジェ
ットへの空洞や欠けの発生を確実に防止し、合流軸a上
の任意位置での水平断面の水平方向の液体圧力または液
体速度分布をより均一化する。また、噴射ノズルヘッダ
ー3と噴射ノズルチップ1の熱歪みも防止する。
【0021】図3は、溶融金属注入流の引き込み点以前
の液体ジェットの上面または下面、および上面と下面
に、同種または異種の液体を加え、液体ジェットの外縁
に沿って接した寸法形状の管で液体ジェットを拘束する
本発明方法の説明図である。図3において、噴射ノズル
ヘッダー3 または下部補助ノズルヘッダー5 の下部に、
引き込み点f 以降は拡大する液体ジェットの外縁に沿っ
て接した寸法形状の拘束管6を設け、系外の気体を吸い
込むとともに液体ジェットを拘束して通過させることに
より、引き込み点f以降の液体ジェットへの空洞や欠け
の発生を完全に防止する。
【0022】これにたいし、図4は比較例を示す図であ
る。図4において、上下の噴射ノズルチップ1で構成す
る噴射口2の噴射スリット幅SN が0.2mm 未満で、噴射
集中角度精度αが±1.0 deg を越えると、液体ジェット
の厚さが不均一になり、かつ衝突し合わない部分が生
じ、合流軸a上の引き込み点fおよび任意位置に空洞や
欠けが発生する。
【0023】次に、図1および図3に示した装置を用
い、溶融金属として1600℃のリムド鋼相当の化学組成の
溶鋼( wt% でC:0.010%、Si: 0.005%、Mn:0.12%、P:0.01
0%、S:0.010%、Ni:0.010% 、Cr:0.020% 、Mo:0.010% 、
Cu:0.010% で残部が不可避不純物とFe) を直径6mm の溶
湯ノズルから注湯し、噴射集中角度が30deg の円環形ま
たはV形の液体ジェットで200l/minおよび400l/minの水
を噴射して鉄粉を製造した際の本発明方法の実施例を表
1に示す。ここでは、水ジェットの合流軸上の引き込み
点および引き込み点から2mm 下方の位置での水平断面の
鉛直方向の水圧を歪みゲージ内蔵の圧力センサー付のピ
トー管で測定し、空洞と欠けの有無を確認した。表1に
示すように、合流軸上の任意位置で空洞と欠けのない水
ジェットで溶鋼注入流を噴霧する本発明方法は、空洞と
欠けがある場合に対し、鉄粉の平均粒径が小さく、かつ
粒度分布の広がり(σg =積算ふるい下84.13 wt% 粒子
径/積算ふるい下50wt% 粒子径) が狭く、噴霧効率が良
い。またこのような生鉄鋼粉のσg が1.80以下で、かつ
焼きなまし後のσg が1.80以下の場合はその圧粉体抗折
力は120kgf/cm2以上で、そうでない場合よりも高い強度
を示す。
【0024】なお、圧粉体抗折力は、JSPM標準B-312-64
に従って、潤滑剤として1 wt% のステアリン酸亜鉛粉末
を添加混合し、成形圧力が5ton/cm2で成形した圧粉体抗
折力値で示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表 2は、円環形水ノズルのスリット幅を0.
18〜0.81mmの範囲で変えて水ジェットを噴射し、リムド
鋼組成の溶鋼( wt% で、C:0.010%、Si:0.005% 、Mn:0.1
2%、P:0.010%、S:0.010%、Ni:0.010% 、Cr:0.020% 、M
o:0.010% 、Cu:0.010% で残部が不可避的不純物とFe)
を水アトマイズした生鉄鋼粉の平均粒径( メジアン径で
以下「d50 」と記す) とσg 、およびこの生鉄鋼粉をH2
中900 ℃で還元焼鈍した後に該生鉄鋼粉と同一のσg
解粒した焼きなまし鉄鋼粉の圧粉体の密度比と圧粉体抗
折力を示す。
【0028】
【表3】
【0029】圧粉体の密度比は、JSPM標準1-64に従
って成形圧力が5ton/cm2の圧粉体密度を鉄の真密度で除
した値である。表 2に示すように、円環型水ノズルのス
リット幅が0.20mm以上で、かつ水ジェット噴射角の精度
が±1.0degのとき、σg が1.80以下の生鉄鋼粉が得られ
る。また、生鉄鋼粉のd50 が28μm または62μm の場
合、いずれも生鉄鋼粉のσg が1.80 以下で圧粉体の密
度比はやや低下するが、圧粉体抗折力が120 kgf/cm2
上に顕著に向上する。
【0030】表 3および表4 は前記と同じリムド鋼組成
の溶鋼をσg は1.60または1.80と一定でd50 が28、62お
よび96μm の生鉄鋼粉に水アトマイズし、還元焼鈍後解
粒した焼きなまし鉄鋼粉のσg は1.60〜2.00に変化させ
たときの圧粉体の密度比と圧粉体抗折力を示す。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】表 3および表 4に示すように、生鉄鋼粉の
σg を1.60または1.80と一定とし、還元焼鈍と解粒条件
を変えて焼きなまし鉄鋼粉のσg を調整すると、焼きな
まし鉄鋼粉のσg が大きくなるとその圧粉体の密度比で
表す圧縮性は高くなる。これに対し、焼きなまし鉄鋼粉
のσg が1.80を超えると圧粉体抗折力が120 kgf/cm2
満に顕著に低下する。
【0034】表 5は本発明の比較例であり、前記と同じ
リムド鋼組成の溶鋼をσg は2.00と一定でd50 が62μm
の生鉄鋼粉に水アトマイズし、還元焼鈍後解粒した焼き
なまし鉄鋼粉のσg を1.60〜2.00に変化させたときの圧
粉体の密度比と圧粉体抗折力を示す。生鉄鋼粉のσg
2.00と高いため粒度分布が広がったぶん圧縮性はやや高
いが、圧粉体抗折力は本発明範囲の120 kgf/cm2 に到達
しない。
【0035】
【表6】
【0036】表 6は、不純物元素の全含有量が0.0030wt
% 以下の電解鉄に各合金元素を添加してAr雰囲気中で溶
解した溶鋼を、d50 が60〜66μm 、σg が1.70〜1.75の
生鉄鋼粉に水アトマイズし、還元焼鈍後に生鉄鋼粉と同
一のd50 とσg に解粒した焼きなまし鉄鋼粉についての
合金元素含有量または不純物含有量と密度比を示す。
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】表 6に示すように、O が1.20wt% 、C + N
+ B が0.0080wt% 、S + Si + Al が0.30wt% 、P が0.10
wt% 、Mnが1.00wt% 、Cr + V が1.20wt% 、Ni + Cu +
Mo +Snが4.0 wt% 、Coが8.0 wt% を越えると、圧縮性が
急に低下することがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明は、溶融金属注入流の引き込み点
を含む全域で空洞や欠けがない液体ジェット中で、溶融
金属注入流を噴霧し、固化するようにしたから、溶融金
属注入流は、もっとも液体ジェットの圧力が高く液体ジ
ェットの速度が速い引き込み点を含む液体ジェットの合
流軸上に引き込まれて最大運動エネルギーを受け、効率
の良い噴霧ができるようになった。
【0044】このようして得られる本発明のσg が1.80
以下の液体アトマイズした生鉄鋼粉を用い、これを還元
焼鈍後にσg が1.80以下に解粒した焼きなまし鉄鋼粉
は、微粒から粗粒までの全粒度について丸い突起が多数
あるブドウの房状の凹凸のある粒子からなり、稠密な粒
子充填構成となっているため、圧縮性を大幅に低下させ
ることなく、圧粉体強度が顕著に向上した圧粉体を製造
できる。したがって、圧縮性が急に低下するようになる
不純物含有量および合金元素含有量の限界が広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置
【図2】本発明の方法を実施する装置
【図3】本発明の方法を実施する装置
【図4】比較例の方法を実施する装置
【符号の説明】
1 噴射ノズルチップ 2 噴射口 3 噴射ノズルヘッダー 4 上部補助ノズルヘッダー 5 下部補助ノズルヘッダー 6 拘束管 7 溶融金属注入流 a 合流軸 f 引き込み点 j 引き込み点以降の合流軸上の任意位置 Pa 引き込み点での液体ジェットの水平断面 Pj 引き込み点以降の合流軸上の任意位置の液体ジェッ
トの水平断面 D N 噴射スリット間距離 S N 噴射スリット幅 α 噴射集中角度

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体によりアトマイズしたままの粉末冶
    金用生鉄鋼粉であって、積算ふるい下84.13wt%粒子径
    (D84.13)と積算ふるい下50wt% 粒子径(D50)との
    比、すなわちD84.13 / D50が1.80以下であることを特
    徴とする粉末冶金用生鉄鋼粉。
  2. 【請求項2】 アトマイズしたままの生鉄鋼粉を還元ま
    たは焼鈍、または還元および焼鈍して解粒した鉄鋼粉で
    あって、積算ふるい下84.13 wt% 粒子径(D 84.13)と積
    算ふるい下50wt% 粒子径(D50)との比、すなわちD
    84.13 / D50が1.80以下で、しかも加圧力5ton/cm2、1
    wt% ステアリン酸亜鉛添加で成形した圧粉体の強度が12
    0kgf/cm2以上であることを特徴とする粉末冶金用鉄鋼
    粉。
  3. 【請求項3】 wt% 表示で、O が1.20% 以下、C + N +
    B が0.0080% 以下、S + Si + Al が0.30% 以下、P が0.
    10% 以下、Mnが1.00% 以下、Cr + Vが1.20%以下、Ni +
    Cu + Mo + Sn が4.0%以下、Coが8.0%以下、残部がその
    他の不可避的不純物とFeとからなることを特徴とする請
    求項 2記載の粉末冶金用鉄鋼粉。
  4. 【請求項4】 溶融金属注入流の引き込み点で集中し、
    合流する液体ジェットを噴射して金属粉末を製造する方
    法において、噴射スリット幅を0.20mm以上、噴射集中角
    度精度を±1.0deg以下として引き込み点以降の合流軸上
    の任意位置の水平断面に空洞と欠けのない液体ジェット
    をつくり、該液体ジェット中で溶融金属注入流を噴霧し
    固化することを特徴とする液体ジェットによる溶融金属
    のアトマイズ方法。
  5. 【請求項5】 溶融金属注入流と液体ジェットとの引き
    込み点以前で該液体ジェットの上面または下面のいずれ
    か一方、または上面と下面とに、同種または異種の液体
    を該液体ジェットの最大速度以下で加えることを特徴と
    する請求項4記載の液体ジェットによる溶融金属のアト
    マイズ方法。
  6. 【請求項6】 液体ジェットの噴射口から溶融金属注入
    流との引き込み点までは噴射した液体ジェットの下面の
    外縁に沿った筒と、引き込み点以降は合流した液体ジェ
    ットの外縁に沿って接した筒とで系外の気体を吸い込む
    とともに液体ジェットを拘束して通過させることを特徴
    とする請求項4または5記載の液体ジェットによる溶融
    金属のアトマイズ方法。
JP5041092A 1993-03-02 1993-03-02 粉末冶金用鉄鋼粉および液体ジェットによる溶融金属のアトマイズ法 Pending JPH06256802A (ja)

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