JPH06257068A - 炭素繊維の表面処理方法 - Google Patents

炭素繊維の表面処理方法

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JPH06257068A
JPH06257068A JP6343693A JP6343693A JPH06257068A JP H06257068 A JPH06257068 A JP H06257068A JP 6343693 A JP6343693 A JP 6343693A JP 6343693 A JP6343693 A JP 6343693A JP H06257068 A JPH06257068 A JP H06257068A
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carbon fiber
organic peroxide
peroxide
organic
carbon
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JP6343693A
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Tokugen Shiyuu
徳元 周
Takeshi Yo
武 楊
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Obayashi Corp
Osaka Gas Co Ltd
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Obayashi Corp
Osaka Gas Co Ltd
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温和な条件で炭素繊維を効率よく酸化処理
し、親水性を高める。 【構成】 有機過酸化物の有機溶媒溶液で炭素繊維の表
面を処理し、乾燥して加熱処理することにより、表面活
性及び親水性の高い炭素繊維を得る。有機過酸化物に
は、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサンなどが含まれる。加熱温度は90〜140
℃程度である。得られた炭素繊維は、プラスチックやコ
ンクリートなどの各種のマトリックスの補強材として使
用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親水性を高める上で有
用な炭素繊維の表面処理方法に関する。
【0002】
【従来技術】炭素繊維は、機械的強度、耐熱性、導電性
などに優れているため、プラスチック、セメントやコン
クリートなどのマトリックスの補強材として使用されて
いる。また、近年、繊維強化複合材料の分野において、
炭素繊維とマトリックス材料との界面接着性の向上を有
効に発現させるため、炭素繊維の表面を酸化処理し、親
水性の極性基を導入することが検討されている。
【0003】前記酸化処理として、湿式法と乾式法とが
知られている。湿式法では、発煙硝酸などの高濃度の酸
化剤を用い、数時間から数十時間に亘り加熱処理する。
また、硝酸以外に、過マンガン酸カリウム−硫酸、重ク
ロム酸カリウム−硫酸、次亜塩素酸アルカリなどの強い
酸化剤が使用されている[D. W. McKee, Chemistry and
Physics on Carbon, 8, 202(1973)、およびI. N. Brmo
lenko, I. P. Lyubliner, N. V. Gulko, Chemically Mo
dified Carbon Fibers, 160, VCH(1990)]。
【0004】しかし、湿式酸化法では、危険な高濃度の
酸化剤を大量に扱う必要があるだけでなく、重クロム酸
などの公害原因物質を使用するので、排水処理する必要
があるなどの問題点がある。また、加熱処理を数十時間
という長時間行なう必要があるので、生産性が低い。
【0005】一方、乾式法では、酸素、オゾン、酸化窒
素などの酸化性気体中で加熱処理することにより、炭素
繊維表面を酸化処理している[D. Clark, et al., Proc
eeding of 2nd Carbon Fibers Conference, No.7(197
4)]しかし、乾式酸化法では、酸化性気体中で400℃
程度の高温で数十時間という長時間に亘り処理する必要
がある。そのため、大量のエネルギーが消費され、高価
な処理方法となる。また、反応の制御が困難であり、過
度な酸化処理により表面に孔などの欠陥部が炭素繊維に
生成し易く、炭素繊維そのものの強度が低下するなどの
問題がある。
【0006】
【解決しようとする課題】本発明の目的は、生産性が高
く、温和な条件で炭素繊維表面を効率よく親水化できる
炭素繊維の表面処理方法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、乾式酸化方法によ
り、温和な条件で炭素繊維表面を効率よく親水化できる
炭素繊維の表面処理方法を提供することにある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、プラスチッ
ク、セメント、コクリートなどのマトリックス材料との
界面接着性の高い炭素繊維を簡便に製造できる炭素繊維
の表面処理方法を提供することにある。
【0009】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するため
鋭意研究したところ、炭素繊維を有機過酸化物で酸化処
理すると、炭素繊維の親水性が効率よく、しかも著しく
向上することを見いだし、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の方法では、有機過酸化
物で炭素繊維を処理し、加熱することにより、炭素繊維
を表面処理する。
【0011】本発明を適用できる炭素繊維の種類は制限
されない。炭素繊維としては、例えば、ポリアクリロニ
トリル系、レーヨン系、フェノール樹脂系、ピッチ系な
どの炭素繊維が挙げられる。炭素繊維は一種又は二種以
上使用できる。炭素繊維の繊維径は、特に制限されない
が、例えば、5〜30μm程度である。
【0012】処理効率を高めるため、炭素繊維は、炭素
繊維集合体、例えば、織布やフェルトとして使用でき
る。炭素繊維集合体の嵩密度は、均一な処理が損われな
い範囲であれば特に制限されず、例えば、0.01〜
0.2g/cm3 、好ましくは0.03〜0.1g/c
3 程度である。
【0013】本発明の特色は、有機過酸化物により炭素
繊維を酸化処理する点にある。有機過酸化物を用いる
と、一般に不活性である炭素繊維の表面を効率よく酸化
処理できる。
【0014】有機過酸化物としては、慣用の化合物、例
えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキ
サノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類;
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;クメ
ンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサ
イドなどのハイドロパーオキサイド類;ジt−ブチルパ
ーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジク
ミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)バレレートなどのジアルキルパーオキ
サイド類;過酸化ジベンゾイル、p−クロロベンゾイル
パーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキ
サイド、過酸化ナフトイル、過酸化ジデカノイル、過酸
化ラウロイルなどのジアシルパーオキサイド類;ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカルボネー
トなどのパーオキシジカーボネート類;過ギ酸、過酢
酸、過安息香酸、過安息香酸t−ブチル、クミルパーオ
キシネオデカノエートなどのパーオキシ酸やエステル類
などが例示できる。
【0015】有機過酸化物は一種又は二種以上混合して
使用できる。また、有機過酸化物の使用に代えて、有機
過酸化物に対応する前駆体有機化合物の溶液に、過酸化
水素、過酸化ナトリウムなどの過酸化物を添加して使用
し、有機過酸化物を生成させてもよい。
【0016】これらの有機過酸化物の中で、脂肪族、脂
環族又は芳香族化合物が好ましい。特に、ジクミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンな
どの脂肪族基、脂環族環又は芳香族環を有するジアルキ
ルパーオキサイド類は、親水性の向上により大きな効果
を発揮するので好ましい。
【0017】有機過酸化物の活性酸素量は、例えば、3
〜18%、好ましくは5.5〜11.5%程度である。
活性酸素量が3%未満であると炭素繊維の表面酸化効率
が低下する場合があり、18%を越えると炭素繊維が過
度に酸化され強度が著しく低下する場合がある。
【0018】なお、有機過酸化物による酸化処理に際し
ては、必要に応じて、促進剤、例えば、ジメチルアニリ
ンなどのアミン類、コバルトナフテネートなどの脂肪酸
の金属塩などを用いてもよい。
【0019】有機過酸化物による炭素繊維の酸化処理
は、炭素繊維を有機過酸化物で処理し、加熱することに
より行なうことができる。炭素繊維の処理に際して、液
状有機過酸化物はそのまま使用できる。好ましい方法
は、有機過酸化物の有機溶媒溶液で炭素繊維の表面を処
理し、乾燥した後、加熱する方法である。この方法によ
ると、乾式酸化方法により、炭素繊維の親水性及び表面
活性を効率よく、しかも著しく向上させることができ
る。
【0020】有機溶媒は、有機過酸化物を溶解するもの
であればよい。有機溶媒の具体例としては、炭化水素類
(例えば、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素
類、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭化水素
類、石油エーテルなどの他の炭化水素類)、ハロゲン化
炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭
素、クロロベンゼンなど)、アルコール又はフェノール
類(例えば、2−プロパノール、ブタノール、ヘキサノ
ール、オクタノール、フェノール、クレゾールなど)、
エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエ
ーテル、テトラヒドロフランなど)、エステル類(例え
ば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルフ
タレート、ジエチルフタレートなど)、ケトン類(例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノンなど)、有機酸類(例えば、
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸など)などが例示でき
る。これらの有機溶媒は混合して使用してもよい。
【0021】これらの有機溶媒のうち、表面が疎水性の
炭素繊維に有機過酸化物を均一に付着させるため、疎水
性溶媒、例えば、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、
疎水性高級アルコール、フェノール類、疎水性エーテル
類、疎水性エステル類、疎水性ケトン類、疎水性有機酸
などが好ましい。特に、炭化水素類(例えば、ベンゼ
ン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、脂環族又は脂肪
族炭化水素類、石油エーテルなど)が好ましい。
【0022】有機溶媒溶液における有機過酸化物の濃度
は、特に限定されないが、5重量%以上、好ましくは1
0〜90重量%(例えば25〜75重量%)程度であ
る。濃度が5重量%未満であると、前記有機溶媒溶液に
よる炭素繊維の処理回数が一回である場合、炭素繊維の
表面処理効果が不十分となる場合がある。なお、有機過
酸化物による炭素繊維の処理は複数回行なってもよい。
【0023】有機過酸化物による炭素繊維表面の処理方
法は、特に制限されず、例えば、炭素繊維を有機過酸化
物の溶液に浸漬する浸漬法、有機過酸化物の溶液をスプ
レーで炭素繊維に噴霧する噴霧法などの慣用の方法が採
用できる。
【0024】乾燥方法も特に限定されない。通常、空気
中に静置して風乾するか、有機過酸化物の分解温度以下
の温度で、常圧又は減圧下で乾燥する場合が多い。
【0025】炭素繊維表面を酸化処理するための加熱温
度は、有機過酸化物の熱分解温度および熱処理効率に応
じて、通常、大気中又は不活性雰囲気中、75〜160
℃、好ましくは90〜150℃、さらに好ましくは10
0〜140℃程度の範囲から選択できる。
【0026】加熱により有機過酸化物が分解して10時
間で半減する半減期の熱分解温度をT℃とすると、加熱
温度は、(T±30)℃、好ましくは(T±25)℃程
度である。特に好ましい加熱温度は、(T−25)℃〜
(T+10)℃、中でも(T−20)℃〜(T+5)℃
程度である。加熱温度が(T−30)℃未満では、有機
過酸化物の分解速度が遅く熱処理に長時間を要し、加熱
温度が(T+30)℃を越えると、有機過酸化物が短時
間内に分解して、失活し、炭素繊維表面との反応効率お
よび処理効率が低下する場合がある。また、加熱温度
を、有機過酸化物が急速に分解する開始温度、すなわち
キックオフ温度以下とすると、有機過酸化物の急速な失
活を抑制しつつ、炭素繊維を高い効率で親水化できる。
有機過酸化物の発泡分解温度以下で加熱するのも好まし
い。
【0027】より具体的には、ジクミルパーオキサイド
[日本油脂(株)製、パークミルD;キックオフ温度1
21℃、発泡分解温度129℃]を用いる場合、117
℃で10時間加熱すると約50%が分解する(すなわ
ち、10時間の熱処理による半減期の温度が117℃で
ある)。そのため、ジクミルパーオキサイドを使用する
場合、加熱温度は、例えば、90〜140℃、好ましく
は100〜125℃程度である。
【0028】加熱時間は、炭素繊維の処理効率などを考
慮して選択できるが、通常、30分〜36時間、好まし
くは1〜24時間、さらに好ましくは5〜20時間程度
である。加熱処理には、例えば、加熱炉、乾燥炉や電気
炉などの種々の加熱手段が利用できる。
【0029】親水性が高くなる理由の詳細は不明である
が、このような酸化処理により、炭素繊維表面での有機
過酸化物による水素引抜き反応、水素が引き抜かれた反
応活性の高い部位での酸素や水などとの反応などによ
り、カルボキシル基、水酸基、オキソ基などの親水性官
能基が生成するためと推測される。なお、官能基の生成
は、ESCA(Electron spectroscopy for chemical a
nalysis )により観察できる。また、ESCAで観察す
ると、酸素/炭素=O/C(モル比)が0.06程度の
未処理の炭素繊維を本発明の方法により処理すると、O
/C(モル比)が0.1〜0.5程度に増加する。
【0030】このような方法により得られた炭素繊維
は、炭素繊維の表面だけが酸化処理されるためか、前記
酸化処理による強度低下が殆どない。そのため、炭素繊
維は、そのまま各種複合材料に利用することができる。
好ましくは、溶媒による洗浄などにより、炭素繊維に残
存する有機過酸化物やその分解物は除去される。洗浄溶
媒としては、前記有機過酸化物溶液の有機溶媒が使用で
きる。
【0031】本発明の方法によると、炭素繊維の表面を
均一かつ効率よく酸化することができ、表面活性および
親水性の高い炭素繊維が得られる。得られた炭素繊維の
親水性をグリセリンに対する接触角により評価すると、
未処理の炭素繊維の接触角は60゜程度であるのに対し
て、本発明の方法により処理した炭素繊維の接触角は、
有機過酸化物の種類、加熱温度や加熱時間などにより変
化するが、7〜55゜、好ましくは10〜45゜程度で
ある。特に好ましい炭素繊維は、接触角が7〜25゜程
度であり、親水性が極めて高い。
【0032】このように、本発明の方法により得られた
炭素繊維は従来の炭素繊維に比べて親水性、表面活性が
高く、各種のマトリックスとの濡れ性および界面接着性
が高い。そのため、炭素繊維は、種々のマトリックスの
補強材として有用である。補強材として使用する場合、
前記炭素繊維は、長繊維、短繊維のいずれであってもよ
く、ストランド状であってもよい。また、格子状などの
適当な形状に編成してもよい。
【0033】マトリックスとしては、例えば、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン共重合体、ポリブチレンテレフタレー
ト、ナイロン、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂;エポキ
シ樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、ポ
リイミドなどの熱硬化性樹脂などのプラスチック;炭素
材;アルミナなどのセラミックス;アルミニウムなどの
金属などが挙げられる。
【0034】前記マトリックスと炭素繊維との割合は適
当に選択できるが、通常、マトリックス/炭素繊維=9
9〜40/1〜60(重量部)、好ましくは92〜65
/8〜35(重量部)程度である。
【0035】本発明の炭素繊維は、表面活性および親水
性が高いので、コンクリート複合材に好適に使用され
る。コンクリート複合材は、通常、前記炭素繊維、セメ
ント、骨材及び水を含むセメントモルタルを用いて形成
できる。セメントの種類は特に制限されず慣用のセメン
ト、例えば、ポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント、超早強ポルトランドセメント、アルミナセメ
ント、急硬性セメントなどの自硬性セメント;高炉セメ
ントなどの水硬性セメント;混合セメントなどの種々の
セメントが使用できる。これらのセメントのなかで早強
ポルトランドセメントなどが繁用される。
【0036】骨材としては、例えば、砕砂、通常のコン
クリート砂、ケイ砂、人工軽量骨材などが挙げられる。
骨材は、コンクリート複合材の緻密性を損わない範囲で
粗骨材を含んでいてもよい。骨材の使用量は、前記セメ
ント100重量部に対して50〜300重量部程度であ
る。
【0037】モルタルにおける炭素繊維の含有量は、単
位容積当り0.5〜5容積%、特に1〜3容積%程度で
ある。また、水の含有量は、セメント100重量部に対
して25〜50重量部程度である。
【0038】セメントモルタルは、膨脹材、収縮低減
剤、鉱物質微粉末、減水剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、
凝固剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、弾性付与剤、防錆
剤、着色剤などを含有していてもよい。
【0039】コンクリート複合材は、前記モルタルを所
定の型枠に打設し、硬化させることにより得ることがで
きる。前記モルタルの養生方法は特に制限されず、例え
ば、オートクレーブ養生、蒸気養生のいずれであっても
よい。
【0040】
【発明の効果】本発明の表面処理方法によれば、温和な
条件で、表面活性及び親水性の高い炭素繊維を効率よく
得ることができる。そのため、本発明の方法では、マト
リックス材料との界面接着性が高く、高い補強性を付与
できる炭素繊維を簡便に製造できる。
【0041】また、炭素繊維を有機過酸化物の溶液で処
理し、乾燥した後、加熱する方法では、乾式酸化方法に
より、温和な条件で炭素繊維表面を効率よく親水化でき
る。
【0042】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0043】比較例 炭素繊維として、未処理のピッチ系炭素繊維[(株)ド
ナック製、商品名S−223]を用い、炭素繊維フェル
トの表面をESCAで観察したところ、表に示す結果を
得た。
【0044】また、上記炭素繊維にグリセリンを滴下
し、液滴の写真を撮り、炭素繊維とグリセリンとの接触
角を測定したところ、表に示す結果を得た。
【0045】実施例1 有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド[日本油脂
(株)製、商品名パークミルD、キックオフ温度121
℃、発泡分解温度129℃]40重量部をベンゼン10
0重量部に溶解した溶液(有機過酸化物の濃度28.6
重量%)を調製した。得られた溶液にピッチ系炭素繊維
[(株)ドナック製、商品名S−223]を浸漬した
後、取り出して風乾することにより、炭素繊維の表面を
有機過酸化物で処理した。有機過酸化物で処理した炭素
繊維を100℃で18時間加熱処理した後、ベンゼンで
炭素繊維を洗浄し、さらに真空乾燥することによって炭
素繊維を得た。得られた炭素繊維の特性を表に示す。
【0046】得られた炭素繊維の赤外線吸収スペクトル
を測定したところ、未処理の炭素繊維(比較例)と同様
なスペクトルを示した。また、未処理の炭素繊維の強度
が63kgf/mm2 であるのに対して、実施例1で得
られた炭素繊維の強度は58kgf/mm2 であり、炭
素繊維の強度が維持された。このことは、炭素繊維の表
面だけが変質されたことに起因すると思われる。
【0047】さらに、グリセリンに対する接触角を測定
したところ、未処理の炭素繊維(比較例)の接触角は6
0゜であるのに対して、実施例1で処理された炭素繊維
の接触角は11.5゜であり、親水性が著しく向上し
た。
【0048】実施例2及び3 有機過酸化物溶液中の有機過酸化物の濃度を37.5重
量%(実施例2)及び44.4重量%(実施例3)とす
る以外、実施例1と同様にして、炭素繊維を表面処理し
た。
【0049】実施例4〜6 熱処理温度を120℃(実施例4)、130℃(実施例
5)および140℃(実施例6)とし、加熱時間を10
時間とする以外、実施例1と同様にして、炭素繊維を表
面処理した。
【0050】実施例7 有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン[日本油脂(株)製、商
品名パーヘキサ25B、発泡分解温度142℃]の2
8.6重量%ベンゼン溶液を用いる以外、実施例1と同
様にして、炭素繊維を表面処理した。
【0051】実施例8 有機過酸化物として1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン[日本油
脂(株)製、商品名パーヘキサ3M、発泡分解温度11
4℃]の28.6重量%ベンゼン溶液を用いる以外、実
施例1と同様にして、炭素繊維を表面処理した。
【0052】実施例9 有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン[日本油脂(株)製、商
品名パーヘキサ25B]の28.6重量%ベンゼン溶液
を用い、130℃で10時間加熱処理する以外、実施例
1と同様にして、炭素繊維を表面処理した。
【0053】そして、実施例2〜9で得られた炭素繊維
を、ESCAによる表面分析に供するとともに、グリセ
リンとの接触角を測定した。結果を表に示す。
【0054】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機過酸化物で炭素繊維を処理し、加熱
    する炭素繊維の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 有機過酸化物の溶液で炭素繊維の表面を
    処理し、溶媒を除去した後、加熱する請求項1記載の炭
    素繊維の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 有機過酸化物が、脂肪族、脂環族又は芳
    香族化合物である請求項1記載の炭素繊維の表面処理方
    法。
  4. 【請求項4】 有機過酸化物が、ジクミルパーオキサイ
    ド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
    5−トリメチルシクロヘキサンおよび2,5−ジメチル
    −2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンから選
    ばれた少なくとも一種である請求項1記載の炭素繊維の
    表面処理方法。
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