JPH0625737A - 一様伸びに優れた調質ht590鋼の製造方法 - Google Patents
一様伸びに優れた調質ht590鋼の製造方法Info
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- JPH0625737A JPH0625737A JP4184199A JP18419992A JPH0625737A JP H0625737 A JPH0625737 A JP H0625737A JP 4184199 A JP4184199 A JP 4184199A JP 18419992 A JP18419992 A JP 18419992A JP H0625737 A JPH0625737 A JP H0625737A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大型構造物の崩壊防止のため、鋼材の塑性変
形能向上が求められている。従来から低YR鋼の開発が
行なわれて来たが、本発明は一様伸びに優れた調質HT
590鋼の提供を可能とすることである。 【構成】 C:0.03〜0.20%、Si:0.05
〜0.60%、Mn:0.80〜2.00%、P:0.
025%以下、S:0.015%以下、Cu:0.10
〜1.0%、Ni:0.10〜1.5%、Mo:0.0
5〜0.30%、Sol.Al:0.010〜0.10
%を基本成分とする鋼を厚板圧延に引き続いて、焼入れ
焼戻しの調質熱処理を行なうに際して、焼入れ停止温度
を450℃以上とすることを特徴とする一様伸びに優れ
た調質HT590鋼の製造方法。
形能向上が求められている。従来から低YR鋼の開発が
行なわれて来たが、本発明は一様伸びに優れた調質HT
590鋼の提供を可能とすることである。 【構成】 C:0.03〜0.20%、Si:0.05
〜0.60%、Mn:0.80〜2.00%、P:0.
025%以下、S:0.015%以下、Cu:0.10
〜1.0%、Ni:0.10〜1.5%、Mo:0.0
5〜0.30%、Sol.Al:0.010〜0.10
%を基本成分とする鋼を厚板圧延に引き続いて、焼入れ
焼戻しの調質熱処理を行なうに際して、焼入れ停止温度
を450℃以上とすることを特徴とする一様伸びに優れ
た調質HT590鋼の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築・橋梁・海洋構造物
向け溶接構造用鋼、圧力容器用鋼等の強度部材として安
全設計上優れた一様伸び特性が要求される調質HT59
0鋼の製造方法に関するものである。
向け溶接構造用鋼、圧力容器用鋼等の強度部材として安
全設計上優れた一様伸び特性が要求される調質HT59
0鋼の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の構造物の大型化に伴い、従来より
上記した用途に使用される鋼材には、地震・台風等によ
る構造物の崩壊防止が重要な課題となっている。安全設
計上、使用鋼材には巨大な自然エネルギーを吸収しうる
塑性変形能が必要になってくる。
上記した用途に使用される鋼材には、地震・台風等によ
る構造物の崩壊防止が重要な課題となっている。安全設
計上、使用鋼材には巨大な自然エネルギーを吸収しうる
塑性変形能が必要になってくる。
【0003】そのため、降伏比(低YR)、硬化勾配
(N値)、更には一様伸び等の要求値を厳格化しようと
する動きがあるが、近年のTMCP鋼又は調質熱処理技
術の開発によりSM490から590クラスの低YR鋼
のみがやっと実用化されたところである。
(N値)、更には一様伸び等の要求値を厳格化しようと
する動きがあるが、近年のTMCP鋼又は調質熱処理技
術の開発によりSM490から590クラスの低YR鋼
のみがやっと実用化されたところである。
【0004】例えば建設省総合技術開発プロジェクトで
は、鉄鋼メーカーとともに高性能鋼WGにおいてSM4
90鋼について建築分野での一般使用を目指した検討が
進められている。従って、一様伸びに就いては設計上の
配慮に頼り厳しい鋼材仕様に応えられていないのが実状
である。
は、鉄鋼メーカーとともに高性能鋼WGにおいてSM4
90鋼について建築分野での一般使用を目指した検討が
進められている。従って、一様伸びに就いては設計上の
配慮に頼り厳しい鋼材仕様に応えられていないのが実状
である。
【0005】一方、本発明が対象とするような調質HT
590鋼には種々の熱処理が加えられるのが通常であ
り、鋳片鋳造後の圧延又は加熱・圧延(制御圧延を含
む)に引き続く熱処理には焼入れ(Q,DQ)及び焼戻
し(T)の組合わせが一般的である。更に、大型構造物
用に使用される極厚HT590鋼には加熱前又は熱処理
の前後で脱水素を目的とした徐冷又は保温(T)が組合
わされる場合がある。
590鋼には種々の熱処理が加えられるのが通常であ
り、鋳片鋳造後の圧延又は加熱・圧延(制御圧延を含
む)に引き続く熱処理には焼入れ(Q,DQ)及び焼戻
し(T)の組合わせが一般的である。更に、大型構造物
用に使用される極厚HT590鋼には加熱前又は熱処理
の前後で脱水素を目的とした徐冷又は保温(T)が組合
わされる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、
TMCP鋼の開発又は調質熱処理技術の開発により鋼材
の低YR化を達成したが、鋼材の一様伸びの向上には結
びつかず設計上の配慮に頼るため、施工上の損失は多大
なものがあった。
TMCP鋼の開発又は調質熱処理技術の開発により鋼材
の低YR化を達成したが、鋼材の一様伸びの向上には結
びつかず設計上の配慮に頼るため、施工上の損失は多大
なものがあった。
【0007】一方、鋼材の一様伸びは強度に逆比例する
というのが一般的な常識であったが、鉄と鋼CAMP−
ISIJ,Vol.4(1991)P774にあるよう
に、上記の調質熱処理に二相域からの急冷熱処理を導入
する所謂、三段熱処理により一様伸びを改善する技術が
新しく報告されているが、三段熱処理化による経済的損
失は無視できないものであった。
というのが一般的な常識であったが、鉄と鋼CAMP−
ISIJ,Vol.4(1991)P774にあるよう
に、上記の調質熱処理に二相域からの急冷熱処理を導入
する所謂、三段熱処理により一様伸びを改善する技術が
新しく報告されているが、三段熱処理化による経済的損
失は無視できないものであった。
【0008】本発明者が調質HT590鋼の一様伸びに
関して仔細に調査したところ、引張り試験における均一
塑性歪領域の加工硬化、即ちフェライト、パーライト
(冷速によってはベイナイト)中のセメンタイトの存在
状態と一様伸びとの間に密接な関係があることを見い出
した。その結果、調質鋼の焼入れに際してその焼入れ停
止温度を450℃以上とした後に焼戻しを行うことが、
一様伸び向上に極めて効果的であることを新たに知見す
るに至った。
関して仔細に調査したところ、引張り試験における均一
塑性歪領域の加工硬化、即ちフェライト、パーライト
(冷速によってはベイナイト)中のセメンタイトの存在
状態と一様伸びとの間に密接な関係があることを見い出
した。その結果、調質鋼の焼入れに際してその焼入れ停
止温度を450℃以上とした後に焼戻しを行うことが、
一様伸び向上に極めて効果的であることを新たに知見す
るに至った。
【0009】又、脱水素という観点からは、通常の調質
熱処理や三段熱処理も焼入れ時に常温まで冷却するため
に、熱処理(焼入れ焼戻し)前後に脱水素を目的とした
保温(T)を組合わせたり、加熱圧延前に脱水素効率を
犠牲にした長時間のスラブ徐冷を実施せざるを得なかっ
た。
熱処理や三段熱処理も焼入れ時に常温まで冷却するため
に、熱処理(焼入れ焼戻し)前後に脱水素を目的とした
保温(T)を組合わせたり、加熱圧延前に脱水素効率を
犠牲にした長時間のスラブ徐冷を実施せざるを得なかっ
た。
【0010】一方、特開平4−52225号公報、低降
伏比高張力鋼板の製造法には80キロHTの直接焼入れ
に際して350〜500℃で焼入れ停止し200℃迄空
冷又は徐冷してマルテンサイト量を95%以下にコント
ロールすると共に、放冷による水素性UST欠陥の解決
を狙う技術が開示されている。
伏比高張力鋼板の製造法には80キロHTの直接焼入れ
に際して350〜500℃で焼入れ停止し200℃迄空
冷又は徐冷してマルテンサイト量を95%以下にコント
ロールすると共に、放冷による水素性UST欠陥の解決
を狙う技術が開示されている。
【0011】本発明は一様伸びの改善を主目的に焼入れ
停止温度の更なる高温化をはかり、その冷却に際して脱
水素をより合理的に行うことも本発明が解決しようとす
る副次的課題である。
停止温度の更なる高温化をはかり、その冷却に際して脱
水素をより合理的に行うことも本発明が解決しようとす
る副次的課題である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は焼入れ停止温度
を特定して一様伸びに優れた調質HT590鋼の製造方
法を提供することにより、大型構造物の塑性変形能を向
上して安全設計と経済設計を両立させて、工期面かつ施
工面での競争力を強化するものである。更に、圧延に引
き続いて行う焼入れ時の焼入れ停止温度の高温化により
脱水素効率も併せて向上させるものである。
を特定して一様伸びに優れた調質HT590鋼の製造方
法を提供することにより、大型構造物の塑性変形能を向
上して安全設計と経済設計を両立させて、工期面かつ施
工面での競争力を強化するものである。更に、圧延に引
き続いて行う焼入れ時の焼入れ停止温度の高温化により
脱水素効率も併せて向上させるものである。
【0013】本発明の要旨とするところは次の通りであ
る。 (1)重量%でC:0.03〜0.20%、Si:0.
05〜0.60%、Mn:0.80〜2.00%、P:
0.025%以下、S:0.015%以下、Cu:0.
10〜1.0%、Ni:0.10〜1.5%、Mo:
0.05〜0.30%、Nb:0.005〜0.03
%、V:0.01〜0.09%、Ti:0.005〜
0.03%、Sol.Al:0.010〜0.10%を
含み残部鉄及び不可避的不純物からなる鋳片を鋳造後直
ちに又はAc3 点以上に再加熱後厚板圧延に引き続い
て、焼入れ焼戻しの調質熱処理を行うに際して焼入れ停
止温度を450℃以上とすることを特徴とする一様伸び
に優れた調質HT590鋼の製造方法。
る。 (1)重量%でC:0.03〜0.20%、Si:0.
05〜0.60%、Mn:0.80〜2.00%、P:
0.025%以下、S:0.015%以下、Cu:0.
10〜1.0%、Ni:0.10〜1.5%、Mo:
0.05〜0.30%、Nb:0.005〜0.03
%、V:0.01〜0.09%、Ti:0.005〜
0.03%、Sol.Al:0.010〜0.10%を
含み残部鉄及び不可避的不純物からなる鋳片を鋳造後直
ちに又はAc3 点以上に再加熱後厚板圧延に引き続い
て、焼入れ焼戻しの調質熱処理を行うに際して焼入れ停
止温度を450℃以上とすることを特徴とする一様伸び
に優れた調質HT590鋼の製造方法。
【0014】(2)重量%でCr:0.50%以下、
B:0.0015%以下、Ca:0.0080%以下、
REM:0.0050%以下を一種又は二種を鋳片に含
有せしめたことを特徴とする一様伸びに優れた調質HT
590鋼の製造方法。
B:0.0015%以下、Ca:0.0080%以下、
REM:0.0050%以下を一種又は二種を鋳片に含
有せしめたことを特徴とする一様伸びに優れた調質HT
590鋼の製造方法。
【0015】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。Cは0.20
%を超えると低温靭性及び溶接性を損ない、0.03%
未満では必要な強度が確保できないため0.03〜0.
20%と限定した。
%を超えると低温靭性及び溶接性を損ない、0.03%
未満では必要な強度が確保できないため0.03〜0.
20%と限定した。
【0016】Siは脱酸上及び強度上から0.05%以
上必要で、0.60%超の添加は低温靭性及び溶接性を
著しく損なうために0.05〜0.60%に限定した。
上必要で、0.60%超の添加は低温靭性及び溶接性を
著しく損なうために0.05〜0.60%に限定した。
【0017】Mnは強度上0.80%以上必要で、2.
00%超の添加は低温靭性、溶接性が共に劣化するので
0.80〜2.00%と制約した。
00%超の添加は低温靭性、溶接性が共に劣化するので
0.80〜2.00%と制約した。
【0018】Pは溶接性、低温靭性から0.025%以
下に限定したが、大型構造物や高層建築物の大入熱溶接
時の溶接欠陥防止の観点からはできるだけ低い方が好ま
しい。
下に限定したが、大型構造物や高層建築物の大入熱溶接
時の溶接欠陥防止の観点からはできるだけ低い方が好ま
しい。
【0019】Sは低温靭性から0.015%以下に限定
したが、低いほど好ましく更には必要に応じてMnSの
形態制御のためにCa,REMを添加すれば一層有利と
なる。構造物の形状から耐ラメラーテア性が要求される
場合には、Sは0.003%以下に限定され、CaやR
EMによるMnSの形態制御が必要となる。
したが、低いほど好ましく更には必要に応じてMnSの
形態制御のためにCa,REMを添加すれば一層有利と
なる。構造物の形状から耐ラメラーテア性が要求される
場合には、Sは0.003%以下に限定され、CaやR
EMによるMnSの形態制御が必要となる。
【0020】C,Si,Mnの含有量は所定の熱処理で
の必要特性(強度及び低温靭性)から調質HT590鋼
の板厚を考慮して成分設計される。大型構造物や高層建
築用の極厚調質HT590鋼製造の場合には、上記五元
素の他にCu,Ni,Mo,Nb,V,Tiの必要量を
適宜決定して成分設計されるが、以下にその限定理由を
述べる。
の必要特性(強度及び低温靭性)から調質HT590鋼
の板厚を考慮して成分設計される。大型構造物や高層建
築用の極厚調質HT590鋼製造の場合には、上記五元
素の他にCu,Ni,Mo,Nb,V,Tiの必要量を
適宜決定して成分設計されるが、以下にその限定理由を
述べる。
【0021】Cuは低温靭性向上のためCeq低減を目
的としてC,Si,Mnに置換して添加し強度確保を計
るために0.10%以上とし、1.0%超では熱間脆性
を助長すると共に溶接性が劣化するために0.10〜
1.0%に限定した。
的としてC,Si,Mnに置換して添加し強度確保を計
るために0.10%以上とし、1.0%超では熱間脆性
を助長すると共に溶接性が劣化するために0.10〜
1.0%に限定した。
【0022】Niは低温靭性向上のためCeq低減を目
的としてC,Si,Mnに置換して添加し強度確保を計
るために0.10%以上とし、1.5%超ではその効果
が飽和するために0.10〜1.5%に限定した。
的としてC,Si,Mnに置換して添加し強度確保を計
るために0.10%以上とし、1.5%超ではその効果
が飽和するために0.10〜1.5%に限定した。
【0023】Moは焼入れ性向上による強度確保のため
に0.05%以上添加され、0.30%超では低YR
性、一様伸び確保が困難となるために0.05〜0.3
0%に限定した。
に0.05%以上添加され、0.30%超では低YR
性、一様伸び確保が困難となるために0.05〜0.3
0%に限定した。
【0024】Nbは強度向上及び結晶粒制御のために
0.005%以上添加されるが、0.03%超の添加は
溶接性、低温靭性及び低YR性が劣化するために0.0
05〜0.03%に限定した。
0.005%以上添加されるが、0.03%超の添加は
溶接性、低温靭性及び低YR性が劣化するために0.0
05〜0.03%に限定した。
【0025】Vは強度向上のために0.01%以上添加
され、0.09%超では溶接性や低温靭性が劣化するた
めに、0.01〜0.09%に限定した。
され、0.09%超では溶接性や低温靭性が劣化するた
めに、0.01〜0.09%に限定した。
【0026】Tiは鋳片鋳造時の割れ防止、大入熱溶接
時の継手靭性向上のために0.005%以上添加される
が、0.03%超の添加は低温靭性、溶接性、低YR性
確保が困難となるために0.005〜0.03%に限定
した。TiはNに対して原子数で等量(N×3.4)に
なるように添加するのが最も好ましい。
時の継手靭性向上のために0.005%以上添加される
が、0.03%超の添加は低温靭性、溶接性、低YR性
確保が困難となるために0.005〜0.03%に限定
した。TiはNに対して原子数で等量(N×3.4)に
なるように添加するのが最も好ましい。
【0027】Sol.Alは脱酸上、粒度調整上0.0
10%以上必要で、溶接性の観点から0.10%以下と
する必要があり、0.010〜0.10%に制約した。
なお、B,Ca,REMが添加される場合はSol.A
lを0.030%以上添加することが好ましい。
10%以上必要で、溶接性の観点から0.10%以下と
する必要があり、0.010〜0.10%に制約した。
なお、B,Ca,REMが添加される場合はSol.A
lを0.030%以上添加することが好ましい。
【0028】上記基本成分の鋼に他の元素(Cr,B,
Ca,REM)を必要特性(強度、低温靭性、耐ラメラ
ーテア性)向上のために一種又は二種複合して添加して
も本発明の効果はいささかも損なわれない。
Ca,REM)を必要特性(強度、低温靭性、耐ラメラ
ーテア性)向上のために一種又は二種複合して添加して
も本発明の効果はいささかも損なわれない。
【0029】Crは焼入れ性向上による強度確保のため
に添加され、0.50%超では低YR性、一様伸び確保
が困難となるために0.50%以下に限定した。
に添加され、0.50%超では低YR性、一様伸び確保
が困難となるために0.50%以下に限定した。
【0030】Bは強度、低温靭性向上のため必要に応じ
て添加され、0.0015%超では低温靭性が損なわれ
るために0.0015%以下に限定した。
て添加され、0.0015%超では低温靭性が損なわれ
るために0.0015%以下に限定した。
【0031】Caは低温靭性、耐ラメラーテア性から添
加されるが、0.0080%超の添加では介在物が増加
するために0.0080%以下に限定した。
加されるが、0.0080%超の添加では介在物が増加
するために0.0080%以下に限定した。
【0032】REMは低温靭性、耐ラメラーテア性、大
入熱溶接時の継手靭性向上から必要に応じてCaに代わ
って添加され、0.0050%超の添加では介在物が増
加するために0.0050%以下に限定した。
入熱溶接時の継手靭性向上から必要に応じてCaに代わ
って添加され、0.0050%超の添加では介在物が増
加するために0.0050%以下に限定した。
【0033】次に本発明の最も重要な技術思想である焼
入れ停止温度の限定理由について述べる。焼入れ停止温
度は、強度−靭性バランスを最適にするように決定され
るが、常温まで焼入れ(DQ,Q)された場合に鋼中に
過飽和に存在する固溶炭素を、本発明では高温で焼入れ
停止後の冷却中にマトリクス中から排出し、安定したカ
ーバイド(セメンタイト)に成長凝集せしめて、15%
以上の一様伸びを安定して得るためには450℃以上が
必要である。
入れ停止温度の限定理由について述べる。焼入れ停止温
度は、強度−靭性バランスを最適にするように決定され
るが、常温まで焼入れ(DQ,Q)された場合に鋼中に
過飽和に存在する固溶炭素を、本発明では高温で焼入れ
停止後の冷却中にマトリクス中から排出し、安定したカ
ーバイド(セメンタイト)に成長凝集せしめて、15%
以上の一様伸びを安定して得るためには450℃以上が
必要である。
【0034】又、焼入れ停止温度が500℃以上では一
様伸びは更に向上するものの、強度確保が困難になる場
合には650℃以下が好ましい。従って、強度さえ確保
できれば650℃以下に制約する理由は一様伸び向上の
観点からは全く存在しない。又、焼入れ停止温度上昇に
伴う強度低下は、成分設計で補償することは言うまでも
ない。
様伸びは更に向上するものの、強度確保が困難になる場
合には650℃以下が好ましい。従って、強度さえ確保
できれば650℃以下に制約する理由は一様伸び向上の
観点からは全く存在しない。又、焼入れ停止温度上昇に
伴う強度低下は、成分設計で補償することは言うまでも
ない。
【0035】
【実施例】本発明の実施例を比較例とともに表1及び表
2に示す。表1は本発明例(鋼A,B,D)及び比較例
(鋼C)の化学成分であり、鋼AとDには耐ラメラーテ
ア性向上のためCa又はREMが添加されている。鋼C
はCrとMoが本発明の成分範囲上限を超えている。
2に示す。表1は本発明例(鋼A,B,D)及び比較例
(鋼C)の化学成分であり、鋼AとDには耐ラメラーテ
ア性向上のためCa又はREMが添加されている。鋼C
はCrとMoが本発明の成分範囲上限を超えている。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】引張り試験及び衝撃試験をともにJIS4
号試験片で行った本発明例と比較例の製造実績を表2に
示す。本発明例(鋼A,B,D)では一様伸びが焼入れ
停止温度の上昇と共に向上する。又、500℃以上の焼
入れ停止温度では一様伸びの一層の向上が認められる。
尚、強度は焼入れ停止温度が650℃を超えると急激に
低下する傾向が認められる。
号試験片で行った本発明例と比較例の製造実績を表2に
示す。本発明例(鋼A,B,D)では一様伸びが焼入れ
停止温度の上昇と共に向上する。又、500℃以上の焼
入れ停止温度では一様伸びの一層の向上が認められる。
尚、強度は焼入れ停止温度が650℃を超えると急激に
低下する傾向が認められる。
【0039】従って、一様伸びを15%以上確保する観
点から焼入れ停止温度は450℃以上に限定される。
又、強度確保の観点から焼入れ停止温度が650℃以上
では注意を要する。
点から焼入れ停止温度は450℃以上に限定される。
又、強度確保の観点から焼入れ停止温度が650℃以上
では注意を要する。
【0040】一方、比較例(鋼C)では焼入れ停止温度
が本発明例の範囲内であるにも拘らずYR及び一様伸び
の特性が本発明例に比較して劣っている。
が本発明例の範囲内であるにも拘らずYR及び一様伸び
の特性が本発明例に比較して劣っている。
【0041】尚、塑性変形能としてもう一つの重要な評
価指標である降伏比(YR)も最近の厳しい要求値であ
る80%以下を本発明例はいずれも満足しているが、特
に焼入れ停止温度590℃以上でのYR改善効果が著し
い。
価指標である降伏比(YR)も最近の厳しい要求値であ
る80%以下を本発明例はいずれも満足しているが、特
に焼入れ停止温度590℃以上でのYR改善効果が著し
い。
【0042】
【発明の効果】本発明鋼は焼入れ時の焼入れ停止温度を
従来一般的な常温ではなく、450℃以上の高温に特定
することにより、調質HT590鋼の一様伸びを改善可
能ならしめた。更に、焼入れ停止温度を狭い範囲に管理
すれば塑性変形能の二大要素である低YR化と共に一様
伸びに優れた調質HT590鋼の製造方法をも提供する
ものである。
従来一般的な常温ではなく、450℃以上の高温に特定
することにより、調質HT590鋼の一様伸びを改善可
能ならしめた。更に、焼入れ停止温度を狭い範囲に管理
すれば塑性変形能の二大要素である低YR化と共に一様
伸びに優れた調質HT590鋼の製造方法をも提供する
ものである。
【0043】これにより、大型構造物の安全設計を施工
面だけでなく鋼材面からも可能とするばかりでなく、三
段熱処理及び従来の調質熱処理に代わる高い一様伸びを
有する調質590鋼の製造において、脱水素をより合理
的に行うものである。従って、本発明により産業界が享
受可能な安全設計と経済設計の両立はもとより工期的、
経済的利益は多大なものがあるものと思料される。
面だけでなく鋼材面からも可能とするばかりでなく、三
段熱処理及び従来の調質熱処理に代わる高い一様伸びを
有する調質590鋼の製造において、脱水素をより合理
的に行うものである。従って、本発明により産業界が享
受可能な安全設計と経済設計の両立はもとより工期的、
経済的利益は多大なものがあるものと思料される。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で C :0.03〜0.20%、 Si:0.05〜0.60%、 Mn:0.80〜2.00%、 P :0.025%以下、 S :0.015%以下、 Cu:0.10〜1.0%、 Ni:0.10〜1.5%、 Mo:0.05〜0.30%、 Nb:0.005〜0.03%、 V :0.01〜0.09%、 Ti:0.005〜0.03%、 Sol.Al:0.010〜0.10%、 残部鉄及び不可避的不純物からなる鋳片を鋳造後直ちに
又はAc3 点以上に再加熱後厚板圧延に引き続いて、焼
入れ焼戻しの調質熱処理を行うに際して、焼入れ停止温
度を450℃以上とすることを特徴とする一様伸びに優
れた調質HT590鋼の製造方法。 - 【請求項2】 重量%で Cr:0.50%以下、 B :0.0015%以下、 Ca:0.0080%以下、 REM:0.0050%以下 を一種又は二種を鋳片に含有せしめたことを特徴とする
請求項1記載の一様伸びに優れた調質HT590鋼の製
造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4184199A JPH0625737A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | 一様伸びに優れた調質ht590鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4184199A JPH0625737A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | 一様伸びに優れた調質ht590鋼の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0625737A true JPH0625737A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16149094
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4184199A Pending JPH0625737A (ja) | 1992-07-10 | 1992-07-10 | 一様伸びに優れた調質ht590鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0625737A (ja) |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6468421A (en) * | 1987-09-10 | 1989-03-14 | Sumitomo Metal Ind | Production of high-tensile steel plate for construction |
| JPH0452225A (ja) * | 1990-06-19 | 1992-02-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 低降伏比高張力鋼板の製造法 |
-
1992
- 1992-07-10 JP JP4184199A patent/JPH0625737A/ja active Pending
Patent Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6468421A (en) * | 1987-09-10 | 1989-03-14 | Sumitomo Metal Ind | Production of high-tensile steel plate for construction |
| JPH0452225A (ja) * | 1990-06-19 | 1992-02-20 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 低降伏比高張力鋼板の製造法 |
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Legal Events
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| A02 | Decision of refusal |
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