JPH0625746A - 高Cr含有鋼油井管の製造方法 - Google Patents

高Cr含有鋼油井管の製造方法

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JPH0625746A
JPH0625746A JP18418092A JP18418092A JPH0625746A JP H0625746 A JPH0625746 A JP H0625746A JP 18418092 A JP18418092 A JP 18418092A JP 18418092 A JP18418092 A JP 18418092A JP H0625746 A JPH0625746 A JP H0625746A
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JP
Japan
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less
steel
temperature
cooling
electric resistance
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Withdrawn
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JP18418092A
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English (en)
Inventor
Akihiro Miyasaka
明博 宮坂
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高Cr含有油井管の製造方法に係
り、さらに詳しくは例えば石油・天然ガスの堀削と生産
に使われる油井管として優れた耐食性を有する鋼管に関
する。 【構成】 C0.08%超、Cr7.5%以上、を含有
する高Cr鋼片を熱延終了温度800℃以上、巻き取り
温度780℃以上、少なくとも600℃までの冷却速度
が0.1℃/秒以下、の条件でホットコイルとし、所定
の工程で電縫鋼管とした後に熱処理するか、あるいは電
縫溶接直後に電縫部を含んで熱処理する。必要に応じて
限定された成分を含有する高Cr含有鋼を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高Cr含有鋼油井管の製
造方法に係り、さらに詳しくは例えば石油・天然ガスの
堀削と生産に使われる油井管として、湿潤炭酸ガスや微
量の湿潤硫化水素を含む環境中で優れた耐食性を有する
鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年生産される石油・天然ガスは湿潤な
炭酸ガスや硫化水素を含有するものが増加している。こ
うした環境中で炭素鋼や低合金鋼が著しく腐食すること
は周知の事実である。従って、かかる腐食性の石油・天
然ガスの輸送に際しては油井管の防食対策として、腐食
抑制剤の添加が従来から一般的であった。しかし、腐食
抑制剤は、海洋油井ではその添加・回収処理に要する費
用が膨大なものとなり、また海洋汚染の問題もあって使
用が困難になりつつある。従って、腐食抑制剤を添加す
る必要がない耐食材料に対するニーズが最近大きくなっ
ている。
【0003】炭酸ガスを多く含有する石油・天然ガス用
の耐食材料としては、ステンレス鋼の適用がまず検討さ
れ、例えばコロージョン(Corrosion)’8
4,ペーパーナンバー211(L.J.クライン)にあ
るように、高強度で比較的コストの安い鋼としてAIS
I 420鋼に代表されるような0.2%程度のCと1
2〜13%程度のCrを含有するマルテンサイト系ステ
ンレス鋼が広く使用されている。AISI 420鋼を
含むマルテンサイト鋼油井管は、例えば特許公開公報6
3−134630号や特許公開公報63−238217
号にみられるように、従来はシームレス鋼管として製造
されているが、シームレス鋼管は歩留や生産性等が悪く
コストが高いという難点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑みて、炭酸ガス含有環境等で優れた耐食性を有する
高Cr含有油井管を安価に製造する方法を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく耐食性と製造性に優れる成分と製造プロセ
スを種々検討してきた結果、Crを7.5%以上含有し
Cを0.08%を超えて含有する高Cr鋼をまず鋼帯と
した後に、電縫溶接によって鋼管として造管するととも
にその後の熱処理条件を適正に選択すれば、油井管とし
ての必要特性を満足する高Cr油井管が製造できるこ
と、該鋼帯を製造するに際して圧延終了温度を800℃
以上とし、780℃以上の温度でホットコイルとして巻
き取った後に、少なくとも600℃までを0.1℃/秒
以下の冷却速度で冷却すれば、常温における鋼帯の強度
を大きく低下させることが可能であって電縫溶接・造管
が著しく容易になり、ホットコイルを焼鈍すること無く
寸法精度が優れた油井管を製造でき、従って低コストで
油井管を製造できることを見出した。
【0006】すなわち、本発明の要旨とするところは、 (1)重量%で、Cを0.08%を超えて含有し、かつ
Crを7.5%以上含有する高Cr含有鋼片を、下記の
工程で順次鋼管とし、処理することを特徴とする高Cr
含有鋼油井管の製造方法、 鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後に、
圧延終了温度が800℃以上で板厚が4.0mm以上2
5.4mm以下のホットストリップに熱間圧延し、780
℃以上の温度でホットコイルとして巻き取った後に、少
なくとも600℃までを0.1℃/秒以下の冷却速度で
冷却する工程、 上記工程で得たホットストリップを所定の幅に切断し
た後、連続的に円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接
して造管する工程、 上記電縫鋼管を880℃以上1020℃以下の温度範
囲に1分以上加熱・保持した後に、少なくとも300℃
以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して70容量%以
上がマルテンサイト組織で占められる組織とする工程、 さらに550℃以上Ac1 変態点以下の温度に再加熱
して1分以上保持した後、少なくとも300℃以下まで
を空冷以上の冷却速度で冷却する工程。 (2)重量%で、Cを0.08%を超えて含有し、Cr
を7.5%以上含有する高Cr含有鋼片を、下記の工程
で順次鋼管とし、処理することを特徴とする高Cr含有
鋼油井管の製造方法、 鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後に、
圧延終了温度が800℃以上で板厚が4.0mm以上2
5.4mm以下のホットストリップに熱間圧延し、780
℃以上の温度でホットコイルとして巻き取った後に、少
なくとも600℃までを0.1℃/秒以下の冷却速度で
冷却する工程、 上記工程で得たホットストリップを所定の幅に切断し
た後、連続的に円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接
して造管し、電縫部の温度を300℃以下まで冷却した
後、直ちに電縫部および少なくともその両側2mm以内の
部分を含んだ部分を500℃以上Ac1 変態点以下の温
度に再加熱する工程、 上記電縫鋼管を880℃以上1020℃以下の温度範
囲に1分以上加熱・保持した後に、少なくとも300℃
以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して70容量%以
上がマルテンサイト組織で占められる組織とする工程、 さらに550℃以上Ac1 変態点以下の温度に再加熱
して1分以上保持した後、少なくとも300℃以下まで
を空冷以上の冷却速度で冷却する工程。
【0007】
【作用】以下、本発明の必須成分であるCおよびCrの
範囲を限定した理由をまず説明する。なお、元素の含有
量はすべて重量%である。
【0008】C:0.08%超 本発明が対象とするCrを7.5%以上含有する高Cr
鋼において、C含有量が0.08%以下では、圧延終了
温度、ホットコイルの巻き取り温度、および巻き取り後
の冷却速度を如何に制御しても、冷却後のホットコイル
の強度を低下させることが困難であり、電縫溶接・造管
のためにはホットコイルを焼鈍しなければならず、著し
いコストの増加を生ずる。従って、Cは0.08%を超
えて含有しなければならない。
【0009】Cr:7.5%以上 Crは湿潤炭酸ガス含有環境における耐食性を付与する
ために必要な元素であって、含有量が7.5%未満では
耐食性が不充分であるから、耐食性確保のためには7.
5%以上を含有することが必要である。
【0010】次に、本発明の工程とその限定理由を説明
する。 鋼片加熱温度:鋼片をその中心部まで均一に加熱して熱
間圧延における熱間加工性を確保する必要がある。しか
し、1300℃を超えて加熱すると、酸化スケール生成
による材料損失が著しくなって歩留が低下するため好ま
しくない。一方、加熱温度が1050℃未満では、熱間
圧延における変形抵抗が大きくなりすぎるので好ましく
ない。従って、鋼片加熱温度は1050〜1300℃と
する。
【0011】熱間圧延:熱間圧延は通常の板圧延プロセ
スを用いることができる。油井管としての実用性から板
厚は4.0mm以上25.4mm以下とする。後続の電縫溶
接における生産性の観点から、板の形状はホットコイル
とする。
【0012】圧延終了温度および巻き取り温度:熱間圧
延後ホットコイルとして巻き取るに際して、巻き取り後
の冷却においてホットコイルの強度を後続の電縫溶接・
造管に支障がない程までに充分低下させるためには、圧
延終了温度は800℃以上、巻き取り温度は780℃以
上としなければならない。
【0013】冷却条件:780℃以上の温度で巻き取っ
たホットコイルを冷却するに際しては、少なくとも60
0℃までを0.1℃/秒以下の冷却速度で冷却しなけれ
ばならないが、これはホットコイルの強度を充分に低下
させ、後続の電縫溶接・造管における成形性を高め寸法
精度を良くするためである。即ち、冷却速度が0.1℃
/秒を超える速い冷却ではホットコイルが充分に軟化で
きず、また600℃以上の温度から冷却速度を高めた場
合にもやはりホットコイルの軟化が不充分になることに
よる。600℃までを0.1℃/秒以下の冷却速度で冷
却した場合には、既にホットコイルを充分軟化させられ
るので、その後の冷却においては、主として生産性の観
点から冷却速度を0.1℃/秒を超える速度に増加させ
ても何等問題はなく、600℃未満の低温側での冷却速
度を高めることは本発明の主旨に何ら反しない。
【0014】成形および電縫溶接:成形および電縫溶接
には通常の電縫鋼管製造プロセスが適用でき、油井管と
して必要な外径に応じて所定の幅に鋼帯を切断してか
ら、成形および電縫溶接して鋼管として造管すれば良
い。
【0015】熱処理:第1段目の熱処理(焼入)におい
ては、加熱温度が880℃未満ではオーステナイト化が
充分ではなく、従って必要な強度を安定して得ることが
難しいからであり、加熱温度が1020℃を超えるとオ
ーステナイト結晶粒が著しく粗大化して靭性および応力
腐食割れ抵抗を低下させるので、加熱温度は880〜1
020℃とすることが必要である。加熱時の保持時間が
1分未満ではオーステナイト化が不充分であり、その後
の冷却における冷却速度が空冷よりも遅いと、充分な量
のマルテンサイトが生成せず油井管として必要な強度が
確保できず、また鋼管の温度が300℃以下となるまで
この冷却速度を確保しないとやはり所定の強度を得るこ
とが困難であることから、第1段目の熱処理では電縫鋼
管を880℃以上1020℃以下の温度範囲に1分以上
加熱・保持した後に、少なくとも300℃以下までを空
冷以上の冷却速度で冷却することが必要であり、このと
き油井管として充分な強度を得るためには70容量%以
上がマルテンサイト組織で占められる組織とすることが
必要である。第2段目の熱処理(焼戻)において加熱温
度を550℃以上Ac1 温度以下としたのは、加熱温度
が550℃未満では充分な焼戻が行なわれず、加熱温度
がAc1 温度を超えると一部がオーステナイト化し、そ
の後の冷却時にフレッシュ・マルテンサイトを生成する
ために、いずれも充分に焼戻されていないマルテンサイ
トが残留して応力腐食割れ感受性を増大させるためであ
る。焼戻後の冷却における冷却速度を空冷以上としたの
は、空冷よりも遅い冷却速度では靭性が低下するためで
ある。本発明においては、必要に応じて上記の工程に加
えて、ホットコイル(鋼帯)を所定の幅に切断した後、
連続的に円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接して造
管し、電縫部の温度を300℃以下まで冷却した後、直
ちに電縫部を含んで少なくともその両側2mm以内の部分
を含んだ部分を500℃以上Ac1 変態点以下の温度に
再加熱する工程を付加しても良い。この工程の目的は電
縫溶接によって生成した硬化組織の硬さを低下させ、最
終熱処理までの間に割れが発生するのを防止することに
ある。この目的のためには、電縫部の温度が300℃以
下になる前に再加熱してもその効果は小さく、かつ再加
熱温度が500℃未満では硬化組織の軟化効果が顕著で
はない。また再加熱温度がAc1 温度を超えると一部が
オーステナイト化し、その後の冷却時にフレッシュ・マ
ルテンサイトを生成するためにかえって最終熱処理まで
の間に割れを発生する危険性を高めてしまう恐れがあ
る。従って、再加熱条件は上記の通りとする。また、か
かる硬化組織は電縫溶接部の両側2mm以内の部分に最も
顕著に生成するため、少なくともこの部分を再加熱する
必要があるが、この部分を含んで電縫鋼管の一部のみを
再加熱しても良く、あるいは電縫鋼管の全体を再加熱し
ても勿論構わない。いずれにしても電縫溶接後可及的速
やかに再加熱処理するほど電縫溶接部の割れを防止する
効果が大きい。
【0016】次に、本発明の対象として望ましい高Cr
含有鋼の標準的な成分と、含有量の選定理由を説明す
る。なお、元素の含有量はすべて重量%であり、かつ各
元素の含有範囲は好ましい範囲である。 C:0.08%超0.25%以下 前述の通り、Cの含有量は0.08%を超えていなけれ
ばならないが、0.25%を超えて含有すると耐食性を
著しく低下させるとともに電縫溶接性を低下させるの
で、Cの上限含有量は0.25%とする。
【0017】Si:1.0%以下 Siは脱酸のために有用な元素であるが、1.0%を超
えると高Cr鋼の靭性が著しく低下するので上限含有量
は1.0%とする。
【0018】Mn:2.0%以下 Mnは脱酸剤および強化元素として有効であるが、2.
0%を超えて添加してももはやその効果は飽和するのに
加えて、溶製時におけるMn蒸気の発生等、製造上の困
難が発生するので上限含有量は2.0%とする。
【0019】Cr:7.5〜15% 前述の通り、Crは7.5%以上を含有する必要がある
が、15%を超えて添加してもその効果が飽和するばか
りか、靭性低下が顕著であるから、上限含有量は15%
とする。
【0020】Al:0.005〜0.2% Alは脱酸元素として非常に有用であるが、含有量が
0.005%未満ではその効果が充分ではなく、0.2
%を超えて含有するとアルミナ系介在物が増加して靭性
が低下するので、含有量範囲は0.005〜0.2%と
する。
【0021】N:0.05%以下 NもCと同様に過剰に存在すると電縫溶接性を低下させ
るので、上限含有量を0.05%とするのがよい。
【0022】以上の成分の他に残部がFeおよび不可避
不純物からなる鋼が、本発明が対象とする鋼として最も
標準的なものであるが、これに加えて、必要に応じて下
記の各群から選択する少くとも1種の元素を単独あるい
は組合せて添加、もしくは低減した鋼を使用して油井管
を製造することもできる。 Mo:2.5%以下、W:4.0%以下の何れかあるい
は両方 Moは湿潤炭酸ガス環境における高Cr鋼の耐食性、特
に耐孔食性、をさらに改善するのに効果があるが、2.
5%を超えて添加してもその効果は飽和するばかりか、
いたずらにコストを上昇させ、かつ靭性を低下させるだ
けであるので上限含有量は2.5%とする。WはMoと
同様に湿潤炭酸ガス環境における高Cr鋼の耐食性、特
に耐孔食性、をさらに改善するのに効果があるが、4.
0%を超えて添加してもその効果は飽和するばかりか、
いたずらにコストを上昇させ、かつ靭性を低下させるだ
けなので上限含有量は4%とする。
【0023】Ni:2.5%以下、Cu:2.0%以
下、Co:4.0%以下の少くとも1種 Niは湿潤炭酸ガス環境における高Cr鋼の耐食性をさ
らに改善するのに効果があるが、2.5%を超えて添加
してもその効果は飽和するばかりか、いたずらにコスト
を上昇させるだけであるので上限含有量は2.5%とす
る。CuもNiと同様に湿潤炭酸ガス環境における高C
r鋼の耐食性をさらに改善するのに効果があるが、2.
0%を超えて添加してもその効果は飽和しコストを増加
させるだけであるので上限含有量は2.0%とする。C
oは湿潤炭酸ガス環境における高Cr鋼の耐食性をさら
に改善するのに効果があるが、4.0%を超えて添加し
てもその効果は飽和するばかりか、いたずらにコストを
上昇させるだけであるので上限含有量は4.0%とす
る。
【0024】P:0.02%以下、S:0.003%以
下の何れかあるいは両方 Pは多量に存在すると湿潤炭酸ガス環境における高Cr
鋼の耐食性を阻害するので、一段と優れた耐食性が必要
な場合にはPを0.02%以下とすると効果がある。S
は多量に存在すると湿潤炭酸ガス環境における高Cr鋼
の耐食性、特に耐孔食性、を阻害するので、一段と優れ
た耐食性が要求される場合にはSを0.003%以下と
すると効果が大きい。
【0025】V,Ti,Nb,Zr,Ta,Hf,Bの
少くとも1種 V,Ti,Nb,Zr,Ta,Hf,Bは耐食性を一段
と向上させるのに有効な元素であるが、Ti,Zr,T
a,Hfでは0.2%、V,Nbでは0.5%、Bでは
0.01%、をそれぞれ超えて添加すると、粗大な析出
物・介在物を生成して応力腐食割れ抵抗を低下させるよ
うになるので、上限含有量はTi,Zr,Ta,Hfで
は0.2%、V,Nbでは0.5%、Bでは0.01%
とする。
【0026】Ca,希土類元素 Caおよび希土類元素(REM)は熱間加工性の向上と
耐食性の向上に効果のある元素であるが、Caでは0.
01%を超えて、希土類元素では0.02%を超えて添
加すると、それぞれ粗大な非金属介在物を生成して逆に
熱間加工性および耐食性を低下させるので、上限含有量
はCaでは0.01%、希土類元素では0.02%とし
た。なお、本発明において希土類元素とは、原子番号が
57〜71番および89〜101番の元素およびYを指
す。
【0027】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。表
1に示す成分の高Cr鋼を溶製し、表2に示す条件で熱
間圧延によって板厚さ8.5mmの鋼帯のホットコイルと
した後、成形および電縫溶接して鋼管として造管し、同
じく表2に示す条件で熱処理を施していずれも降伏強度
が551N/mm2 以上の油井管用鋼管とした。また、N
o.4およびNo.8の鋼管は、高周波電縫溶接によって
造管した後に電縫部付近を水冷して電縫部の温度を25
0℃まで冷却し、その後直ちに電縫部の両側7mmをそれ
ぞれ650および670℃に再加熱した。焼入時の冷却
および焼戻後の冷却はいずれも室温まで空冷とした。
【0028】次に各鋼管から試験片を採取して、湿潤炭
酸ガス環境における腐食試験を行なった。湿潤炭酸ガス
環境における腐食試験としては、厚さ3mm、幅15mm、
長さ50mmの試験片を用い、試験温度100℃のオート
クレーブ中で炭酸ガス20気圧の条件で3%NaCl水
溶液中に30日間浸漬して、試験前後の重量変化から腐
食速度を算出した。腐食速度の単位はmm/yで表わした
が、一般にある環境におけるある材料の腐食速度が0.
1mm/y以下の場合、その材料はその環境で充分腐食的
であり、使用可能であると考えられている。試験結果を
表2に併せて示した。表2の腐食試験結果において、○
は腐食速度が0.1mm/y未満で耐食性が良好であった
ことを示している。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2から明らかなように、本発明例である
No.1〜8は本発明方法によって油井管として製造が可
能であること、特にホットコイルを焼鈍しなくても電縫
鋼管として造管できること、かつ各本発明方法に従って
製造された鋼管は湿潤炭酸ガス環境において優れた耐食
性を有している。これに対して比較例であるNo.9は巻
き取り温度が低すぎたために、No.10は圧延終了温度
と巻き取り温度が低すぎたために、No.11は巻き取り
後の冷却速度が大きすぎたために、No.12は600℃
を超える温度から冷却速度を増加させたために、それぞ
れホットコイルの強度が高すぎて円筒状の良好な形状に
成形することが困難であり、従って電縫鋼管として造管
することが困難であった。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は湿潤炭酸ガ
ス環境における優れた耐食性を有する油井管を安価に製
造する方法を提供することを可能としたものであり、産
業の発展に貢献するところ極めて大である。
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】Ca,希土類元素 Caおよび希土類元素(REM)は熱間加工性の向上と
耐食性の向上に効果のある元素であるが、Caでは0.
01%を超えて、希土類元素では0.02%を超えて添
加すると、それぞれ粗大な非金属介在物を生成して逆に
熱間加工性および耐食性を低下させるので、上限含有量
はCaでは0.01%、希土類元素では0.02%とし
た。なお、本発明において希土類元素とは、原子番号が
57〜71番および89〜104番の元素およびYを指
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/18 E21B 17/00 9229−2D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、Cを0.08%を超えて含有
    し、かつ、Crを7.5%以上含有する高Cr含有鋼片
    を、下記の工程で順次鋼管とし、処理することを特徴と
    する高Cr含有鋼油井管の製造方法。 鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後に、
    圧延終了温度が800℃以上で板厚が4.0mm以上2
    5.4mm以下のホットストリップに熱間圧延し、780
    ℃以上の温度でホットコイルとして巻き取った後に、少
    なくとも600℃までを0.1℃/秒以下の冷却速度で
    冷却する工程、 上記工程で得たホットストリップを所定の幅に切断し
    た後、連続的に円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接
    して造管する工程、 上記電縫鋼管を880℃以上1020℃以下の温度範
    囲に1分以上加熱・保持した後に、少なくとも300℃
    以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して70容量%以
    上がマルテンサイト組織で占められる組織とする工程、 さらに550℃以上Ac1 変態点以下の温度に再加熱
    して1分以上保持した後、少なくとも300℃以下まで
    を空冷以上の冷却速度で冷却する工程。
  2. 【請求項2】 重量%で、Cを0.08%を超えて含有
    し、かつ、Crを7.5%以上含有する高Cr含有鋼片
    を、下記の工程で順次鋼管とし、処理することを特徴と
    する高Cr含有鋼油井管の製造方法。 鋼片を1050〜1300℃の温度に加熱した後に、
    圧延終了温度が800℃以上で板厚が4.0mm以上2
    5.4mm以下のホットストリップに熱間圧延し、780
    ℃以上の温度でホットコイルとして巻き取った後に、少
    なくとも600℃までを0.1℃/秒以下の冷却速度で
    冷却する工程、 上記工程で得たホットストリップを所定の幅に切断し
    た後、連続的に円筒状に成形しつつ鋼帯両端を電縫溶接
    して造管し、電縫部の温度を300℃以下まで冷却した
    後、直ちに電縫部および少なくともその両側2mm以内の
    部分を含んだ部分を500℃以上Ac1 変態点以下の温
    度に再加熱する工程、 上記電縫鋼管を880℃以上1020℃以下の温度範
    囲に1分以上加熱・保持した後に、少なくとも300℃
    以下までを空冷以上の冷却速度で冷却して70容量%以
    上がマルテンサイト組織で占められる組織とする工程、 さらに550℃以上Ac1 変態点以下の温度に再加熱
    して1分以上保持した後、少なくとも300℃以下まで
    を空冷以上の冷却速度で冷却する工程。
  3. 【請求項3】 ホットコイルの成分が、重量%で、 C :0.08%超0.25%以下、 Si:1.0%
    以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:7.5〜
    15%、 Al:0.005〜0.2%、 N :0.05
    %以下、 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる高Cr
    含有鋼である請求項1あるいは2記載の高Cr含有鋼油
    井管の製造方法。
  4. 【請求項4】 ホットコイルの成分が、重量%で、 C :0.08%超0.25%以下、 Si:1.0%
    以下、 Mn:2.0%以下、 Cr:7.5〜
    15%、 Al:0.005〜0.2%、 N :0.05
    %以下、 含有することに加えて、下記した各群の1つまたは2つ
    以上から選択した元素を含有し、残部Feおよび不可避
    不純物からなる高Cr鋼である請求項1あるいは2記載
    の高Cr含有鋼油井管の製造方法。 Mo:2.5%以下、W:4.0%以下のうち1種ま
    たは2種、 Ni:2.5%以下、Cu:2.0%以下、Co:
    0.04%以下のうち1種または2種以上、 V:0.5%以下、Ti:0.2%以下、Nb:0.
    5%以下、Zr:0.2%以下、Ta:0.2%以下、
    Hf:0.2%以下、B:0.01%以下の1種または
    2種以上、 Ca:0.01%以下、希土類元素0.02%以下の
    1種または2種以上、 不純物元素のうちP,Sの何れかあるいは両方をP:
    0.02%以下、S:0.003%以下に低減。
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