JPH0625834A - 気相膜の形成方法 - Google Patents
気相膜の形成方法Info
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- JPH0625834A JPH0625834A JP20320192A JP20320192A JPH0625834A JP H0625834 A JPH0625834 A JP H0625834A JP 20320192 A JP20320192 A JP 20320192A JP 20320192 A JP20320192 A JP 20320192A JP H0625834 A JPH0625834 A JP H0625834A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の目的は、例えば高エネルギービー
ムによる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜の形成に
際して、粗大粒子の発生または粗大粒子の堆積を主体と
する膜形成によりピンホールなどの欠陥が形成されるの
を抑制し、気相膜を緻密化することにある。 【構成】 本発明に係る気相膜の形成方法は、高エネル
ギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜
の形成方法において、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着
する際に、ターゲットとして異なる構成成分の前記粗大
粒子が発生し易い物質及び完全に蒸気化する物質とを使
用することを特徴とする。
ムによる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜の形成に
際して、粗大粒子の発生または粗大粒子の堆積を主体と
する膜形成によりピンホールなどの欠陥が形成されるの
を抑制し、気相膜を緻密化することにある。 【構成】 本発明に係る気相膜の形成方法は、高エネル
ギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜
の形成方法において、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着
する際に、ターゲットとして異なる構成成分の前記粗大
粒子が発生し易い物質及び完全に蒸気化する物質とを使
用することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高エネルギービームに
よる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜の形成方法に
関するものである。
よる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜の形成方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタリング法や電子ビーム蒸
着法などの物理的蒸着法(PVD法)では、蒸発させるタ
ーゲット材は高純度が要求され、高純度パウダーなどの
焼結で作製されたものが一般に用いられている。このた
め、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
においても、ターゲット材には焼結材が一般に用いられ
ている。高エネルギービームとして、例えばレーザを用
いた場合にも、例えば特公昭62−230号公報に示される
ように焼結材がターゲットに用いられている。図4は、
このレーザ蒸着装置の概略構成図である。図において、
(1)はターゲット、(2)はレーザ光、(3)はレーザ光を集
光するレンズ、(4)は蒸発物を蒸着する基板、(5)はヒー
タである。なお、(3)はレンズ光を集光するミラーでも
よい。また、(8)はレーザの透過窓、(9)は真空チャン
バ、(10)はレーザの光路を変換・調整するミラー、(11)
はシャッターである。
着法などの物理的蒸着法(PVD法)では、蒸発させるタ
ーゲット材は高純度が要求され、高純度パウダーなどの
焼結で作製されたものが一般に用いられている。このた
め、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
においても、ターゲット材には焼結材が一般に用いられ
ている。高エネルギービームとして、例えばレーザを用
いた場合にも、例えば特公昭62−230号公報に示される
ように焼結材がターゲットに用いられている。図4は、
このレーザ蒸着装置の概略構成図である。図において、
(1)はターゲット、(2)はレーザ光、(3)はレーザ光を集
光するレンズ、(4)は蒸発物を蒸着する基板、(5)はヒー
タである。なお、(3)はレンズ光を集光するミラーでも
よい。また、(8)はレーザの透過窓、(9)は真空チャン
バ、(10)はレーザの光路を変換・調整するミラー、(11)
はシャッターである。
【0003】次に、動作について説明する。レーザ光
(2)は、レンズ(3)によって集光され、ターゲット(1)に
照射される。ターゲット(1)は、高エネルギービームで
あるレーザ光(2)により加熱され、ターゲット(1)からは
蒸発物が発生する。その結果、発生した蒸発物が基板
(4)に蒸着される。
(2)は、レンズ(3)によって集光され、ターゲット(1)に
照射される。ターゲット(1)は、高エネルギービームで
あるレーザ光(2)により加熱され、ターゲット(1)からは
蒸発物が発生する。その結果、発生した蒸発物が基板
(4)に蒸着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の高エネルギービ
ームを用いた真空蒸着法を以下に高エネルギービームと
してレーザ光を用いるレーザ蒸着法を例に説明する。従
来のレーザ蒸着法は以上のように構成されていおり、タ
ーゲットに焼結材が用いられている。しかし、ターゲッ
トとなる焼結材によっては、焼結材の焼結粒径と同等の
大きさ(1mm〜0.1μm)あるいは一桁〜二桁小さい
大きさ(0.01〜0.1μm)のいわゆる粗大粒子が発生
し易い。例えば焼結にバインダーを用いてない高純度の
SiC焼結材では、粒径1μm以下程度の微細粒(粗大
粒子)が発生する。この原因としては、高エネルギービ
ームの照射によって急速に蒸発粒子が発生したり分解し
てガスが発生したりすることで圧力が急速に高まるた
め、焼結強度が弱い焼結粒界が分断されて爆発的に焼結
粒子が飛散することなどが考えられている。このような
粗大粒子が発生し、膜に付着・堆積すると、膜表面の平
坦さが損なわれたり、膜に隙間(いわゆるピンホール)が
残存したポーラスな構造となり易くなるため膜の強度や
基板との付着力が損なわれたりする。
ームを用いた真空蒸着法を以下に高エネルギービームと
してレーザ光を用いるレーザ蒸着法を例に説明する。従
来のレーザ蒸着法は以上のように構成されていおり、タ
ーゲットに焼結材が用いられている。しかし、ターゲッ
トとなる焼結材によっては、焼結材の焼結粒径と同等の
大きさ(1mm〜0.1μm)あるいは一桁〜二桁小さい
大きさ(0.01〜0.1μm)のいわゆる粗大粒子が発生
し易い。例えば焼結にバインダーを用いてない高純度の
SiC焼結材では、粒径1μm以下程度の微細粒(粗大
粒子)が発生する。この原因としては、高エネルギービ
ームの照射によって急速に蒸発粒子が発生したり分解し
てガスが発生したりすることで圧力が急速に高まるた
め、焼結強度が弱い焼結粒界が分断されて爆発的に焼結
粒子が飛散することなどが考えられている。このような
粗大粒子が発生し、膜に付着・堆積すると、膜表面の平
坦さが損なわれたり、膜に隙間(いわゆるピンホール)が
残存したポーラスな構造となり易くなるため膜の強度や
基板との付着力が損なわれたりする。
【0005】このため、膜特性に影響を与えない組成の
バインダーを添加して焼結したターゲット材を用いたり
することなどで粗大粒子の発生を抑制するよう試みられ
ているが、粗大粒子発生を完全に抑制することはできな
い。これは、現在用いられているバインダーの材質や添
加量では発生を抑制するという考え方で粗大粒子を少な
くするのには限界があることを示している。
バインダーを添加して焼結したターゲット材を用いたり
することなどで粗大粒子の発生を抑制するよう試みられ
ているが、粗大粒子発生を完全に抑制することはできな
い。これは、現在用いられているバインダーの材質や添
加量では発生を抑制するという考え方で粗大粒子を少な
くするのには限界があることを示している。
【0006】本発明は、係る問題点を解決するためにな
されたもので、例えば高エネルギービームによる蒸発を
用いた真空蒸着法による気相膜の形成に際して、粗大粒
子の発生または粗大粒子の堆積を主体とする膜形成によ
りピンホールなどの欠陥が形成されるのを抑制し、気相
膜を緻密化することを目的とするものである。
されたもので、例えば高エネルギービームによる蒸発を
用いた真空蒸着法による気相膜の形成に際して、粗大粒
子の発生または粗大粒子の堆積を主体とする膜形成によ
りピンホールなどの欠陥が形成されるのを抑制し、気相
膜を緻密化することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る気相膜の形
成方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空
蒸着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発
生し易い物質を蒸着する際に、ターゲットとして異なる
構成成分の前記粗大粒子が発生し易い物質及び完全に蒸
気化する物質とを使用することを特徴とする。
成方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空
蒸着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発
生し易い物質を蒸着する際に、ターゲットとして異なる
構成成分の前記粗大粒子が発生し易い物質及び完全に蒸
気化する物質とを使用することを特徴とする。
【0008】更に、本発明に係る別の気相膜の形成方法
は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生し易
い物質を蒸着する際に、前記粗大粒子が発生し易い物質
と完全に蒸気化する物質とを混合して作製した蒸発用タ
ーゲットを使用することを特徴とする。
は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生し易
い物質を蒸着する際に、前記粗大粒子が発生し易い物質
と完全に蒸気化する物質とを混合して作製した蒸発用タ
ーゲットを使用することを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る更に別の気相膜の形成
方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸
着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを用いて蒸着
する際に、主に同じ物質で構成され、かつ完全に蒸気化
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを同時に蒸着
することを特徴とする。
方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸
着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを用いて蒸着
する際に、主に同じ物質で構成され、かつ完全に蒸気化
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを同時に蒸着
することを特徴とする。
【0010】
【作用】上記のように本発明により、高エネルギービー
ムの照射による粗大粒子の発生または粗大粒子の堆積を
主体とする気相膜の形成によりピンホールなどの欠陥が
形成されるのを抑制して膜を緻密化でき、気相膜の強度
や基板との付着力を向上できる。
ムの照射による粗大粒子の発生または粗大粒子の堆積を
主体とする気相膜の形成によりピンホールなどの欠陥が
形成されるのを抑制して膜を緻密化でき、気相膜の強度
や基板との付着力を向上できる。
【0011】更に、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着す
る際に、粗大粒子が発生し易い物質を完全に蒸気化する
物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用いれば、
蒸発用ターゲットを別々に容易して蒸発させる場合2本
必要な照射ビームが1本で済み、かつ蒸着する構成も簡
略化できるので、装置作製のコストやランニングコスト
が低減することもできる。
る際に、粗大粒子が発生し易い物質を完全に蒸気化する
物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用いれば、
蒸発用ターゲットを別々に容易して蒸発させる場合2本
必要な照射ビームが1本で済み、かつ蒸着する構成も簡
略化できるので、装置作製のコストやランニングコスト
が低減することもできる。
【0012】また、完全に蒸気化し易い状態の蒸発用タ
ーゲットを形成する製造コストが高い物質(例えばSi
C、CuO、TiO2、SrTiO3などの単結晶)を蒸
着する際に、製造コストが低い粗大粒子が発生し易い状
態に形成された蒸発用ターゲットを主に用い、かつ完全
に蒸気化し易い状態の蒸発用ターゲットを補助的に用い
ることができるので、気相膜の強度や基板との付着力の
高い気相膜をより安く製造できる。
ーゲットを形成する製造コストが高い物質(例えばSi
C、CuO、TiO2、SrTiO3などの単結晶)を蒸
着する際に、製造コストが低い粗大粒子が発生し易い状
態に形成された蒸発用ターゲットを主に用い、かつ完全
に蒸気化し易い状態の蒸発用ターゲットを補助的に用い
ることができるので、気相膜の強度や基板との付着力の
高い気相膜をより安く製造できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明方法を詳述する。 実施例1.図1は、本発明の一実施例を示す気相膜の形
成方法を示す図であり、即ち、高エネルギービームに例
えばレーザを用いた場合に、真空中でレーザを粗大粒子
が発生し易い物質の蒸発用ターゲットに照射して蒸発さ
せ蒸着する際に、前記ターゲットと異なる構成成分の完
全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットにも同時に照射
して同時に蒸着する方法の一例を示す図であり、(1-a)
は粗大粒子が発生し易い物質の蒸発用ターゲット、(1-
b)は完全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットを示す図
である。図において、(2-a)は蒸発用ターゲット(1-a)に
照射するレーザ光、(2-b)は蒸発用ターゲット(1-b)に照
射するレーザ光を示す。また、(12-a)はターゲット(1-
a)から発生する粗大粒子、(13-a)はターゲット(1-a)か
ら発生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子、(1
3-b)はターゲット(1-b)から発生する主に完全に蒸気化
した蒸発粒子を示す。なお、(14)は基板(4)上に形成さ
れる気相膜である。
成方法を示す図であり、即ち、高エネルギービームに例
えばレーザを用いた場合に、真空中でレーザを粗大粒子
が発生し易い物質の蒸発用ターゲットに照射して蒸発さ
せ蒸着する際に、前記ターゲットと異なる構成成分の完
全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットにも同時に照射
して同時に蒸着する方法の一例を示す図であり、(1-a)
は粗大粒子が発生し易い物質の蒸発用ターゲット、(1-
b)は完全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットを示す図
である。図において、(2-a)は蒸発用ターゲット(1-a)に
照射するレーザ光、(2-b)は蒸発用ターゲット(1-b)に照
射するレーザ光を示す。また、(12-a)はターゲット(1-
a)から発生する粗大粒子、(13-a)はターゲット(1-a)か
ら発生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子、(1
3-b)はターゲット(1-b)から発生する主に完全に蒸気化
した蒸発粒子を示す。なお、(14)は基板(4)上に形成さ
れる気相膜である。
【0014】図1に示すように、蒸発用ターゲット(1-
a)から発生した粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用
ターゲット(1-b)から発生する蒸気化した蒸発粒子を堆
積させるので、気相膜を緻密化することができる。
a)から発生した粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用
ターゲット(1-b)から発生する蒸気化した蒸発粒子を堆
積させるので、気相膜を緻密化することができる。
【0015】この場合、レーザ光(2-a)とレーザ光(2-b)
の照射条件は独立に設定できるので、膜の緻密度をより
最適化するために、それぞれの蒸発用ターゲット(1-
a)、(1-b)からの蒸発量や蒸発時間を任意に設定でき
る。この蒸発量や蒸発時間の設定は連続的でも間欠的で
もよい。この結果として、成膜初期のみ膜を緻密化して
膜の付着力を高め、膜の上層は粗大粒子を主体とするポ
ーラスな膜にすることも可能である。あるいは、その繰
り返しや逆の積み重ねにより、緻密度を多層化させた膜
や傾斜させた膜の形成も可能である。
の照射条件は独立に設定できるので、膜の緻密度をより
最適化するために、それぞれの蒸発用ターゲット(1-
a)、(1-b)からの蒸発量や蒸発時間を任意に設定でき
る。この蒸発量や蒸発時間の設定は連続的でも間欠的で
もよい。この結果として、成膜初期のみ膜を緻密化して
膜の付着力を高め、膜の上層は粗大粒子を主体とするポ
ーラスな膜にすることも可能である。あるいは、その繰
り返しや逆の積み重ねにより、緻密度を多層化させた膜
や傾斜させた膜の形成も可能である。
【0016】また、この方法によれば、緻密度だけでな
く膜の組成分布なども制御できるので、組成の傾斜膜の
形成も可能である。
く膜の組成分布なども制御できるので、組成の傾斜膜の
形成も可能である。
【0017】更に、レーザ光(2-a)とレーザ光(2-b)の種
類を変えてもよく、また、レーザ光以外の高エネルギー
ビーム、例えば電子ビームやイオンビームを用いること
もできる。
類を変えてもよく、また、レーザ光以外の高エネルギー
ビーム、例えば電子ビームやイオンビームを用いること
もできる。
【0018】なお、蒸発用ターゲット(1-a)の材質すな
わち粗大粒子の発生し易い物質としては、SiC、Si
3N4、AlN、TiNなどの分解・昇華性物質や酸化銅
(CuO)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化チタン(Ti
O2)などの分解時にガスを発生し易い物質(2CuO→
Cu2O+1/2O2など)が挙げられる。また、これら
の物質を主成分とする混合物あるいは多成分の化合物の
焼結体でも粗大粒子が発生し易い(例えばSrTiO3、
BaTiO3、PZTなど)。また、どのような物質で
も、焼結体でその結合強度が弱い場合、例えばバインダ
ーを混ぜない高純度の場合には粗大粒子が発生し易い。
また、焼結粒子が細かい場合にも粗大粒子が発生し易
い。
わち粗大粒子の発生し易い物質としては、SiC、Si
3N4、AlN、TiNなどの分解・昇華性物質や酸化銅
(CuO)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化チタン(Ti
O2)などの分解時にガスを発生し易い物質(2CuO→
Cu2O+1/2O2など)が挙げられる。また、これら
の物質を主成分とする混合物あるいは多成分の化合物の
焼結体でも粗大粒子が発生し易い(例えばSrTiO3、
BaTiO3、PZTなど)。また、どのような物質で
も、焼結体でその結合強度が弱い場合、例えばバインダ
ーを混ぜない高純度の場合には粗大粒子が発生し易い。
また、焼結粒子が細かい場合にも粗大粒子が発生し易
い。
【0019】また、蒸発用ターゲット(1-b)の材質すな
わち完全に蒸気化し易いものとしては、SiO2、Al2
O3、MgO、ZnOなどが挙げられる。特に、高エネ
ルギービームの照射を受けても結晶粒のない溶融体の状
態で安定に存在できるSiO2では完全に緻密な膜が形
成できる。また、金属単体または金属複組成物は、完全
に蒸気化し易い。
わち完全に蒸気化し易いものとしては、SiO2、Al2
O3、MgO、ZnOなどが挙げられる。特に、高エネ
ルギービームの照射を受けても結晶粒のない溶融体の状
態で安定に存在できるSiO2では完全に緻密な膜が形
成できる。また、金属単体または金属複組成物は、完全
に蒸気化し易い。
【0020】上述のような実施態様によれば、例えばS
iCとSiO2の組み合わせ、Si3N4とSiO2の組み
合わせ、CuOとAl2O3の組み合わせ、AlNとAl
2O3の組み合わせ、TiNとTiの組み合わせ、Bi2
O3とZnOの組み合わせ等、様々な組み合わせで緻密
な気相膜が形成できる。
iCとSiO2の組み合わせ、Si3N4とSiO2の組み
合わせ、CuOとAl2O3の組み合わせ、AlNとAl
2O3の組み合わせ、TiNとTiの組み合わせ、Bi2
O3とZnOの組み合わせ等、様々な組み合わせで緻密
な気相膜が形成できる。
【0021】更に、高エネルギービームに例えばレーザ
を用いた場合に、粗大粒子が発生し易い状態に形成され
た蒸発用ターゲット(1-a)と、主に蒸発用ターゲット(1-
a)と同じ物質で構成されかつ完全に蒸気化し易い状態に
形成された蒸発用ターゲット(1-b)とを同時に蒸着する
ことによっても、蒸発用ターゲット(1-a)から発生した
粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用ターゲット(1-
b)から発生する完全に蒸気化した蒸発粒子を堆積させる
ことができるので、得られる気相膜を緻密化することが
できる。
を用いた場合に、粗大粒子が発生し易い状態に形成され
た蒸発用ターゲット(1-a)と、主に蒸発用ターゲット(1-
a)と同じ物質で構成されかつ完全に蒸気化し易い状態に
形成された蒸発用ターゲット(1-b)とを同時に蒸着する
ことによっても、蒸発用ターゲット(1-a)から発生した
粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用ターゲット(1-
b)から発生する完全に蒸気化した蒸発粒子を堆積させる
ことができるので、得られる気相膜を緻密化することが
できる。
【0022】このため、蒸発用ターゲット(1-b)の製造
が難しい場合や製造コストの高い場合、蒸発用ターゲッ
ト(1-b)のみを用いなくても、蒸発用ターゲット(1-b)に
比べて製造が容易または製造コストの低い蒸発用ターゲ
ット(1-a)を主に用い、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的
に用いて成膜を行って気相膜を緻密化できるので、気相
膜の強度や基板との付着力の高い気相膜をより安く製造
できる。
が難しい場合や製造コストの高い場合、蒸発用ターゲッ
ト(1-b)のみを用いなくても、蒸発用ターゲット(1-b)に
比べて製造が容易または製造コストの低い蒸発用ターゲ
ット(1-a)を主に用い、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的
に用いて成膜を行って気相膜を緻密化できるので、気相
膜の強度や基板との付着力の高い気相膜をより安く製造
できる。
【0023】例えば、SiCの単結晶ターゲットであれ
ば、粗大粒子は発生しにくいが製造はきわめて困難であ
る。そこで、SiCの焼結ターゲットを蒸発用ターゲッ
ト(1-a)とし、SiCの単結晶を蒸発用ターゲット(1-b)
として併用し、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的に使用
することにより上記のような効果が得られる。
ば、粗大粒子は発生しにくいが製造はきわめて困難であ
る。そこで、SiCの焼結ターゲットを蒸発用ターゲッ
ト(1-a)とし、SiCの単結晶を蒸発用ターゲット(1-b)
として併用し、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的に使用
することにより上記のような効果が得られる。
【0024】更に、焼結ターゲットで比較的蒸気化し易
いAl2O3やMgOでも高価な単結晶ターゲットや溶融
凝固ターゲットを蒸発用ターゲット(1-b)として用いる
ことで、安価に気相膜の緻密化が実現できるなど上記の
ような効果が得られる。
いAl2O3やMgOでも高価な単結晶ターゲットや溶融
凝固ターゲットを蒸発用ターゲット(1-b)として用いる
ことで、安価に気相膜の緻密化が実現できるなど上記の
ような効果が得られる。
【0025】実施例2.図2は、本発明の更に他の実施
例を示す気相膜の形成方法を示す図であり、即ち、高エ
ネルギービームに例えばレーザ光を用いた場合に、粗大
粒子が発生し易い物質に完全に蒸気化する物質を混合し
て作製した蒸発用ターゲットを用いる方法の一例を示す
図である。図において、(1-c)は粗大粒子が発生し易い
物質に完全に蒸気化する物質を混合して作製した蒸発用
ターゲットを示す。また、(12-c)はターゲット(1-c)か
ら発生する粗大粒子、(13-c)はターゲット(1-c)から発
生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子を示す。
例を示す気相膜の形成方法を示す図であり、即ち、高エ
ネルギービームに例えばレーザ光を用いた場合に、粗大
粒子が発生し易い物質に完全に蒸気化する物質を混合し
て作製した蒸発用ターゲットを用いる方法の一例を示す
図である。図において、(1-c)は粗大粒子が発生し易い
物質に完全に蒸気化する物質を混合して作製した蒸発用
ターゲットを示す。また、(12-c)はターゲット(1-c)か
ら発生する粗大粒子、(13-c)はターゲット(1-c)から発
生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子を示す。
【0026】図2に示すように、蒸発用ターゲット(1-
c)からは、発生した粗大粒子が多い蒸発粒子(12-c)と同
時に、完全に蒸気化したものが多い蒸発粒子(13-c)を堆
積させるので、膜を緻密化することができる。
c)からは、発生した粗大粒子が多い蒸発粒子(12-c)と同
時に、完全に蒸気化したものが多い蒸発粒子(13-c)を堆
積させるので、膜を緻密化することができる。
【0027】また、例えば蒸気化し易い成分の比率が多
い場合や粗大粒子化し易い物質に対して蒸気化し易い成
分がバインダー的作用を有する場合など蒸発用ターゲッ
ト(1-c)の作製条件によっては、完全に蒸気化し易い成
分を混合していることで粗大粒子の発生を抑制する場合
があり、この場合には、ピンホールなどの欠陥が形成さ
れにくくなるので、膜をより一層緻密化することができ
る。
い場合や粗大粒子化し易い物質に対して蒸気化し易い成
分がバインダー的作用を有する場合など蒸発用ターゲッ
ト(1-c)の作製条件によっては、完全に蒸気化し易い成
分を混合していることで粗大粒子の発生を抑制する場合
があり、この場合には、ピンホールなどの欠陥が形成さ
れにくくなるので、膜をより一層緻密化することができ
る。
【0028】更に、粗大粒子が発生し易い物質のターゲ
ットは、焼結粒の焼結強度が低い場合が多いため、照射
する高エネルギービームのエネルギー密度が大きすぎる
と熱衝撃などによりターゲットが破壊してしまうことが
あった。しかし、本発明により蒸気化し易い物質を混合
したターゲットでは、例えば粒界の結合強度を上げるた
めに適温、適圧下で焼結する場合のように、蒸発用ター
ゲット(1-c)の作製条件によっては完全に蒸気化し易い
成分が混合していることでターゲットが破壊されにくく
なる場合があり、この場合にはより大きなエネルギー密
度の照射により蒸着速度を大きくでき、成膜の高速化が
可能となる。
ットは、焼結粒の焼結強度が低い場合が多いため、照射
する高エネルギービームのエネルギー密度が大きすぎる
と熱衝撃などによりターゲットが破壊してしまうことが
あった。しかし、本発明により蒸気化し易い物質を混合
したターゲットでは、例えば粒界の結合強度を上げるた
めに適温、適圧下で焼結する場合のように、蒸発用ター
ゲット(1-c)の作製条件によっては完全に蒸気化し易い
成分が混合していることでターゲットが破壊されにくく
なる場合があり、この場合にはより大きなエネルギー密
度の照射により蒸着速度を大きくでき、成膜の高速化が
可能となる。
【0029】図3(a)は、例えばSiCにSiO2を重
量パーセントでSiCとSiO2の比率が1:1になる
ように混合し、例えば1500〜1900℃の温度で例
えば常圧あるいは加圧しながら焼結した蒸発用ターゲッ
ト(1-c)として、CO2レーザ光を100Wの出力、0.
6mmのスポット径で集光照射して蒸着した場合に得ら
れる膜の断面(研磨面)の走査電子顕微鏡写真である。
量パーセントでSiCとSiO2の比率が1:1になる
ように混合し、例えば1500〜1900℃の温度で例
えば常圧あるいは加圧しながら焼結した蒸発用ターゲッ
ト(1-c)として、CO2レーザ光を100Wの出力、0.
6mmのスポット径で集光照射して蒸着した場合に得ら
れる膜の断面(研磨面)の走査電子顕微鏡写真である。
【0030】図3において、層Iが蒸着膜であり、下部
の領域IIは膜を形成した基板である。図3(b)は、例え
ばSiCのみの蒸発用ターゲットに、例えば図3(a)の
場合と同様の条件で蒸着した場合に得られる膜の断面
(研磨面)の走査電子顕微鏡写真の一例である。図におい
て、図3(b)の層IIIがSiCの蒸着膜で、この場合に
は膜の付着力を確保するために別の物質の層IVをバッフ
ァー膜として形成してある。下部の領域IIは膜を形成し
た基板である。更に、下部の領域IIは、図3(a)と同じ
く膜を形成した基板である。
の領域IIは膜を形成した基板である。図3(b)は、例え
ばSiCのみの蒸発用ターゲットに、例えば図3(a)の
場合と同様の条件で蒸着した場合に得られる膜の断面
(研磨面)の走査電子顕微鏡写真の一例である。図におい
て、図3(b)の層IIIがSiCの蒸着膜で、この場合に
は膜の付着力を確保するために別の物質の層IVをバッフ
ァー膜として形成してある。下部の領域IIは膜を形成し
た基板である。更に、下部の領域IIは、図3(a)と同じ
く膜を形成した基板である。
【0031】図3に示すように、粗大粒子の発生し易い
物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合し焼
結した蒸発用ターゲットを用いて膜を蒸着すれば[図3
(a)、層I]、粗大粒子の発生し易い物質SiCのみで
膜を蒸着した場合[図3(b)、層III]に比べて膜が緻
密にできる。
物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合し焼
結した蒸発用ターゲットを用いて膜を蒸着すれば[図3
(a)、層I]、粗大粒子の発生し易い物質SiCのみで
膜を蒸着した場合[図3(b)、層III]に比べて膜が緻
密にできる。
【0032】本実施例では、SiCとSiO2の比率が
1:1の場合の膜を一例に示したが、通常1:5〜5:
1の範囲内例えば1:5、1:2、2:1、5:1など
でも、同様の効果の傾向が得られる。この場合、比率に
よって膜の緻密さも異なるので、比率を変えることで所
望の緻密度を得ることもできる。なお、SiC:SiO
2=1:5に近い程蒸着速度は速くなり、膜強度は5:
1に近くなる程大きくなる。
1:1の場合の膜を一例に示したが、通常1:5〜5:
1の範囲内例えば1:5、1:2、2:1、5:1など
でも、同様の効果の傾向が得られる。この場合、比率に
よって膜の緻密さも異なるので、比率を変えることで所
望の緻密度を得ることもできる。なお、SiC:SiO
2=1:5に近い程蒸着速度は速くなり、膜強度は5:
1に近くなる程大きくなる。
【0033】更に、ここではSiCとSiO2の組み合
わせの一例のみを示したが、他の物質の組み合わせでも
同様の効果が得られる。例えばSi3N4とSiO2、T
iNとTi、AlNとAl2O3、MoS2とMoなど様
々な組み合わせで同様の効果が得られる。
わせの一例のみを示したが、他の物質の組み合わせでも
同様の効果が得られる。例えばSi3N4とSiO2、T
iNとTi、AlNとAl2O3、MoS2とMoなど様
々な組み合わせで同様の効果が得られる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を有する:高エ
ネルギービームの照射による蒸着では膜を緻密化できに
くい物質でも、膜を緻密化できるので、膜の強度や基板
との付着力を向上できる。更に、その場合に完全に蒸気
化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用い
れば、照射ビーム数が1本で済み、かつ蒸着する構成も
簡略化できるので、装置作製のコストやランニングコス
トが低減できる。また、完全に蒸気化し易い状態の蒸発
用ターゲットの製造コストが高い物質の場合に、製造コ
ストが低い粗大粒子が発生し易い状態に形成された蒸発
用ターゲットを主に用い、かつ完全に蒸気化し易い状態
の蒸発用ターゲットを補助的に用いても緻密な膜が形成
できるので、膜の強度や基板との付着力の高い膜をより
安く製造できる。
ているので、以下に記載するような効果を有する:高エ
ネルギービームの照射による蒸着では膜を緻密化できに
くい物質でも、膜を緻密化できるので、膜の強度や基板
との付着力を向上できる。更に、その場合に完全に蒸気
化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用い
れば、照射ビーム数が1本で済み、かつ蒸着する構成も
簡略化できるので、装置作製のコストやランニングコス
トが低減できる。また、完全に蒸気化し易い状態の蒸発
用ターゲットの製造コストが高い物質の場合に、製造コ
ストが低い粗大粒子が発生し易い状態に形成された蒸発
用ターゲットを主に用い、かつ完全に蒸気化し易い状態
の蒸発用ターゲットを補助的に用いても緻密な膜が形成
できるので、膜の強度や基板との付着力の高い膜をより
安く製造できる。
【図1】本発明の実施例1を示す気相膜の形成方法を示
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質を同時に蒸着することを示す図である。
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質を同時に蒸着することを示す図である。
【図2】本発明の実施例2を示す気相膜の形成方法を示
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを
用いることを示す図である。
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを
用いることを示す図である。
【図3】本発明の実施例2において、粗大粒子の発生し
易い物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合
し焼結したSiCとSiO2の比率が1:1の蒸発用タ
ーゲットを用いて蒸着した膜の断面(研磨面)の走査電子
顕微鏡写真の一例を示す図である。
易い物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合
し焼結したSiCとSiO2の比率が1:1の蒸発用タ
ーゲットを用いて蒸着した膜の断面(研磨面)の走査電子
顕微鏡写真の一例を示す図である。
【図4】従来の高エネルギービームを用いた蒸着法の一
例で、例えば高エネルギービームに例えばレーザ光を用
いたレーザ蒸着装置の概略構成図である。
例で、例えば高エネルギービームに例えばレーザ光を用
いたレーザ蒸着装置の概略構成図である。
1a、1b、1c 蒸発用ターゲット 2a、2b、2c レーザ光 4 基板 14 気相膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高エネルギービームに
よる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜の形成方法に
関するものである。
よる蒸発を用いた真空蒸着法による気相膜の形成方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタリング法や電子ビーム蒸
着法などの物理的蒸着法(PVD法)では、蒸発させるタ
ーゲット材は高純度が要求され、高純度パウダーなどの
焼結で作製されたものが一般に用いられている。このた
め、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
においても、ターゲット材には焼結材が一般に用いられ
ている。高エネルギービームとして、例えばレーザを用
いた場合にも、例えば特公昭62−230号公報に示される
ように焼結材がターゲットに用いられている。図4は、
このレーザ蒸着装置の概略構成図である。図において、
(1)はターゲット、(2)はレーザ光、(3)はレーザ光を集
光するレンズ、(4)は蒸発物を蒸着する基板、(5)はヒー
タである。なお、(3)はレンズ光を集光するミラーでも
よい。また、(8)はレーザの透過窓、(9)は真空チャン
バ、(10)はレーザの光路を変換・調整するミラー、(11)
はシャッターである。
着法などの物理的蒸着法(PVD法)では、蒸発させるタ
ーゲット材は高純度が要求され、高純度パウダーなどの
焼結で作製されたものが一般に用いられている。このた
め、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
においても、ターゲット材には焼結材が一般に用いられ
ている。高エネルギービームとして、例えばレーザを用
いた場合にも、例えば特公昭62−230号公報に示される
ように焼結材がターゲットに用いられている。図4は、
このレーザ蒸着装置の概略構成図である。図において、
(1)はターゲット、(2)はレーザ光、(3)はレーザ光を集
光するレンズ、(4)は蒸発物を蒸着する基板、(5)はヒー
タである。なお、(3)はレンズ光を集光するミラーでも
よい。また、(8)はレーザの透過窓、(9)は真空チャン
バ、(10)はレーザの光路を変換・調整するミラー、(11)
はシャッターである。
【0003】次に、動作について説明する。レーザ光
(2)は、レンズ(3)によって集光され、ターゲット(1)に
照射される。ターゲット(1)は、高エネルギービームで
あるレーザ光(2)により加熱され、ターゲット(1)からは
蒸発物が発生する。その結果、発生した蒸発物が基板
(4)に蒸着される。
(2)は、レンズ(3)によって集光され、ターゲット(1)に
照射される。ターゲット(1)は、高エネルギービームで
あるレーザ光(2)により加熱され、ターゲット(1)からは
蒸発物が発生する。その結果、発生した蒸発物が基板
(4)に蒸着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の高エネルギービ
ームを用いた真空蒸着法を以下に高エネルギービームと
してレーザ光を用いるレーザ蒸着法を例に説明する。従
来のレーザ蒸着法は以上のように構成されていおり、タ
ーゲットに焼結材が用いられている。しかし、ターゲッ
トとなる焼結材によっては、焼結材の焼結粒径と同等の
大きさ(1mm〜0.1μm)あるいは一桁〜二桁小さい
大きさ(0.01〜0.1μm)のいわゆる粗大粒子が発生
し易い。例えば焼結にバインダーを用いていない高純度
のSiC焼結材では、粒径1μm以下程度の微細粒(粗
大粒子)が発生する。この原因としては、高エネルギー
ビームの照射によって急速に蒸発粒子が発生したり分解
してガスが発生したりすることで圧力が急速に高まるた
め、焼結強度が弱い焼結粒界が分断されて爆発的に焼結
粒子が飛散することなどが考えられている。このような
粗大粒子が発生し、膜に付着・堆積すると、膜表面の平
坦さが損なわれたり、膜に隙間(いわゆるピンホール)が
残存したポーラスな構造となり易くなるため膜の強度や
基板との付着力が損なわれたりする。
ームを用いた真空蒸着法を以下に高エネルギービームと
してレーザ光を用いるレーザ蒸着法を例に説明する。従
来のレーザ蒸着法は以上のように構成されていおり、タ
ーゲットに焼結材が用いられている。しかし、ターゲッ
トとなる焼結材によっては、焼結材の焼結粒径と同等の
大きさ(1mm〜0.1μm)あるいは一桁〜二桁小さい
大きさ(0.01〜0.1μm)のいわゆる粗大粒子が発生
し易い。例えば焼結にバインダーを用いていない高純度
のSiC焼結材では、粒径1μm以下程度の微細粒(粗
大粒子)が発生する。この原因としては、高エネルギー
ビームの照射によって急速に蒸発粒子が発生したり分解
してガスが発生したりすることで圧力が急速に高まるた
め、焼結強度が弱い焼結粒界が分断されて爆発的に焼結
粒子が飛散することなどが考えられている。このような
粗大粒子が発生し、膜に付着・堆積すると、膜表面の平
坦さが損なわれたり、膜に隙間(いわゆるピンホール)が
残存したポーラスな構造となり易くなるため膜の強度や
基板との付着力が損なわれたりする。
【0005】このため、膜特性に影響を与えない組成の
バインダーを添加して焼結したターゲット材を用いたり
することなどで粗大粒子の発生を抑制するよう試みられ
ているが、粗大粒子発生を完全に抑制することはできな
い。これは、現在用いられているバインダーの材質や添
加量では発生を抑制するという考え方で粗大粒子を少な
くするのには限界があることを示している。
バインダーを添加して焼結したターゲット材を用いたり
することなどで粗大粒子の発生を抑制するよう試みられ
ているが、粗大粒子発生を完全に抑制することはできな
い。これは、現在用いられているバインダーの材質や添
加量では発生を抑制するという考え方で粗大粒子を少な
くするのには限界があることを示している。
【0006】本発明は、係る問題点を解決するためにな
されたもので、例えば高エネルギービームによる蒸発を
用いた真空蒸着法による気相膜の形成に際して、粗大粒
子の発生または粗大粒子の堆積を主体とする膜形成によ
りピンホールなどの欠陥が形成されるのを抑制し、気相
膜を緻密化することを目的とするものである。
されたもので、例えば高エネルギービームによる蒸発を
用いた真空蒸着法による気相膜の形成に際して、粗大粒
子の発生または粗大粒子の堆積を主体とする膜形成によ
りピンホールなどの欠陥が形成されるのを抑制し、気相
膜を緻密化することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る気相膜の形
成方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空
蒸着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発
生し易い物質を蒸着する際に、ターゲットとして異なる
構成成分の前記粗大粒子が発生し易い物質及び完全に蒸
気化する物質とを使用することを特徴とする。
成方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空
蒸着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発
生し易い物質を蒸着する際に、ターゲットとして異なる
構成成分の前記粗大粒子が発生し易い物質及び完全に蒸
気化する物質とを使用することを特徴とする。
【0008】更に、本発明に係る別の気相膜の形成方法
は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生し易
い物質を蒸着する際に、前記粗大粒子が発生し易い物質
と完全に蒸気化する物質とを混合して作製した蒸発用タ
ーゲットを使用することを特徴とする。
は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸着法
による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生し易
い物質を蒸着する際に、前記粗大粒子が発生し易い物質
と完全に蒸気化する物質とを混合して作製した蒸発用タ
ーゲットを使用することを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る更に別の気相膜の形成
方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸
着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを用いて蒸着
する際に、主に同じ物質で構成され、かつ完全に蒸気化
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを同時に蒸着
することを特徴とする。
方法は、高エネルギービームによる蒸発を用いた真空蒸
着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子が発生
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを用いて蒸着
する際に、主に同じ物質で構成され、かつ完全に蒸気化
し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを同時に蒸着
することを特徴とする。
【0010】
【作用】上記のように本発明により、高エネルギービー
ムの照射による粗大粒子の発生または粗大粒子の堆積を
主体とする気相膜の形成によりピンホールなどの欠陥が
形成されるのを抑制して膜を緻密化でき、気相膜の強度
や基板との付着力を向上できる。
ムの照射による粗大粒子の発生または粗大粒子の堆積を
主体とする気相膜の形成によりピンホールなどの欠陥が
形成されるのを抑制して膜を緻密化でき、気相膜の強度
や基板との付着力を向上できる。
【0011】更に、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着す
る際に、粗大粒子が発生し易い物質を完全に蒸気化する
物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用いれば、
蒸発用ターゲットを別々に容易して蒸発させる場合2本
必要な照射ビームが1本で済み、かつ蒸着する構成も簡
略化できるので、装置作製のコストやランニングコスト
を低減することもできる。
る際に、粗大粒子が発生し易い物質を完全に蒸気化する
物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用いれば、
蒸発用ターゲットを別々に容易して蒸発させる場合2本
必要な照射ビームが1本で済み、かつ蒸着する構成も簡
略化できるので、装置作製のコストやランニングコスト
を低減することもできる。
【0012】また、完全に蒸気化し易い状態の蒸発用タ
ーゲットを形成する製造コストが高い物質(例えばSi
C、CuO、TiO2、SrTiO3などの単結晶)を蒸
着する際に、製造コストが低い粗大粒子が発生し易い状
態に形成された蒸発用ターゲットを主に用い、かつ完全
に蒸気化し易い状態の蒸発用ターゲットを補助的に用い
ることができるので、気相膜の強度や基板との付着力の
高い気相膜をより安く製造できる。
ーゲットを形成する製造コストが高い物質(例えばSi
C、CuO、TiO2、SrTiO3などの単結晶)を蒸
着する際に、製造コストが低い粗大粒子が発生し易い状
態に形成された蒸発用ターゲットを主に用い、かつ完全
に蒸気化し易い状態の蒸発用ターゲットを補助的に用い
ることができるので、気相膜の強度や基板との付着力の
高い気相膜をより安く製造できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明方法を詳述する。 実施例1.図1は、本発明の一実施例を示す気相膜の形
成方法を示す図であり、即ち、高エネルギービームに例
えばレーザを用いた場合に、真空中でレーザを粗大粒子
が発生し易い物質の蒸発用ターゲットに照射して蒸発さ
せ蒸着する際に、前記ターゲットと異なる構成成分の完
全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットにも同時に照射
して同時に蒸着する方法の一例を示す図であり、(1-a)
は粗大粒子が発生し易い物質の蒸発用ターゲット、(1-
b)は完全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットを示す図
である。図において、(2-a)は蒸発用ターゲット(1-a)に
照射するレーザ光、(2-b)は蒸発用ターゲット(1-b)に照
射するレーザ光を示す。また、(12-a)はターゲット(1-
a)から発生する粗大粒子、(13-a)はターゲット(1-a)か
ら発生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子、(1
3-b)はターゲット(1-b)から発生する主に完全に蒸気化
した蒸発粒子を示す。なお、(14)は基板(4)上に形成さ
れる気相膜である。
成方法を示す図であり、即ち、高エネルギービームに例
えばレーザを用いた場合に、真空中でレーザを粗大粒子
が発生し易い物質の蒸発用ターゲットに照射して蒸発さ
せ蒸着する際に、前記ターゲットと異なる構成成分の完
全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットにも同時に照射
して同時に蒸着する方法の一例を示す図であり、(1-a)
は粗大粒子が発生し易い物質の蒸発用ターゲット、(1-
b)は完全に蒸気化する物質の蒸発用ターゲットを示す図
である。図において、(2-a)は蒸発用ターゲット(1-a)に
照射するレーザ光、(2-b)は蒸発用ターゲット(1-b)に照
射するレーザ光を示す。また、(12-a)はターゲット(1-
a)から発生する粗大粒子、(13-a)はターゲット(1-a)か
ら発生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子、(1
3-b)はターゲット(1-b)から発生する主に完全に蒸気化
した蒸発粒子を示す。なお、(14)は基板(4)上に形成さ
れる気相膜である。
【0014】図1に示すように、蒸発用ターゲット(1-
a)から発生した粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用
ターゲット(1-b)から発生する蒸気化した蒸発粒子を堆
積させるので、気相膜を緻密化することができる。
a)から発生した粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用
ターゲット(1-b)から発生する蒸気化した蒸発粒子を堆
積させるので、気相膜を緻密化することができる。
【0015】この場合、レーザ光(2-a)とレーザ光(2-b)
の照射条件は独立に設定できるので、膜の緻密度をより
最適化するために、それぞれの蒸発用ターゲット(1-
a)、(1-b)からの蒸発量や蒸発時間を任意に設定でき
る。この蒸発量や蒸発時間の設定は連続的でも間欠的で
もよい。この結果として、成膜初期のみ膜を緻密化して
膜の付着力を高め、膜の上層は粗大粒子を主体とするポ
ーラスな膜にすることも可能である。あるいは、その繰
り返しや逆の積み重ねにより、緻密度を多層化させた膜
や傾斜させた膜の形成も可能である。
の照射条件は独立に設定できるので、膜の緻密度をより
最適化するために、それぞれの蒸発用ターゲット(1-
a)、(1-b)からの蒸発量や蒸発時間を任意に設定でき
る。この蒸発量や蒸発時間の設定は連続的でも間欠的で
もよい。この結果として、成膜初期のみ膜を緻密化して
膜の付着力を高め、膜の上層は粗大粒子を主体とするポ
ーラスな膜にすることも可能である。あるいは、その繰
り返しや逆の積み重ねにより、緻密度を多層化させた膜
や傾斜させた膜の形成も可能である。
【0016】また、この方法によれば、緻密度だけでな
く膜の組成分布なども制御できるので、組成の傾斜膜の
形成も可能である。
く膜の組成分布なども制御できるので、組成の傾斜膜の
形成も可能である。
【0017】更に、レーザ光(2-a)とレーザ光(2-b)の種
類を変えてもよく、また、レーザ光以外の高エネルギー
ビーム、例えば電子ビームやイオンビームを用いること
もできる。
類を変えてもよく、また、レーザ光以外の高エネルギー
ビーム、例えば電子ビームやイオンビームを用いること
もできる。
【0018】なお、蒸発用ターゲット(1-a)の材質すな
わち粗大粒子の発生し易い物質としては、SiC、Si
3N4、AlN、TiNなどの分解・昇華性物質や酸化銅
(CuO)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化チタン(Ti
O2)などの分解時にガスを発生し易い物質(2CuO→
Cu2O+1/2O2など)が挙げられる。また、これら
の物質を主成分とする混合物あるいは多成分の化合物の
焼結体でも粗大粒子が発生し易い(例えばSrTiO3、
BaTiO3、PZTなど)。また、どのような物質で
も、焼結体でその結合強度が弱い場合、例えばバインダ
ーを混ぜない高純度の場合には粗大粒子が発生し易い。
また、焼結粒子が細かい場合にも粗大粒子が発生し易
い。
わち粗大粒子の発生し易い物質としては、SiC、Si
3N4、AlN、TiNなどの分解・昇華性物質や酸化銅
(CuO)、酸化ビスマス(Bi2O3)、酸化チタン(Ti
O2)などの分解時にガスを発生し易い物質(2CuO→
Cu2O+1/2O2など)が挙げられる。また、これら
の物質を主成分とする混合物あるいは多成分の化合物の
焼結体でも粗大粒子が発生し易い(例えばSrTiO3、
BaTiO3、PZTなど)。また、どのような物質で
も、焼結体でその結合強度が弱い場合、例えばバインダ
ーを混ぜない高純度の場合には粗大粒子が発生し易い。
また、焼結粒子が細かい場合にも粗大粒子が発生し易
い。
【0019】また、蒸発用ターゲット(1-b)の材質すな
わち完全に蒸気化し易いものとしては、SiO2、Al2
O3、MgO、ZnOなどが挙げられる。特に、高エネ
ルギービームの照射を受けても結晶粒のない溶融体の状
態で安定に存在できるSiO2では完全に緻密な膜が形
成できる。また、金属単体または金属複組成物例えばA
l−Si、Al−Ti、Si−Ti、Ti−Ptなど
は、完全に蒸気化し易い。
わち完全に蒸気化し易いものとしては、SiO2、Al2
O3、MgO、ZnOなどが挙げられる。特に、高エネ
ルギービームの照射を受けても結晶粒のない溶融体の状
態で安定に存在できるSiO2では完全に緻密な膜が形
成できる。また、金属単体または金属複組成物例えばA
l−Si、Al−Ti、Si−Ti、Ti−Ptなど
は、完全に蒸気化し易い。
【0020】上述のような実施態様によれば、例えばS
iCとSiO2の組み合わせ、Si3N4とSiO2の組み
合わせ、CuOとAl2O3の組み合わせ、AlNとAl
2O3の組み合わせ、TiNとTiの組み合わせ、Bi2
O3とZnOの組み合わせ等、様々な組み合わせで緻密
な気相膜が形成できる。
iCとSiO2の組み合わせ、Si3N4とSiO2の組み
合わせ、CuOとAl2O3の組み合わせ、AlNとAl
2O3の組み合わせ、TiNとTiの組み合わせ、Bi2
O3とZnOの組み合わせ等、様々な組み合わせで緻密
な気相膜が形成できる。
【0021】例えば、SiCとSiO2の組み合わせで
は、SiCに対してSiO2の重量比率(パーセント)が
0.2〜20倍の範囲になるように蒸発させて形成する
ことができる。
は、SiCに対してSiO2の重量比率(パーセント)が
0.2〜20倍の範囲になるように蒸発させて形成する
ことができる。
【0022】更に、高エネルギービームに例えばレーザ
を用いた場合に、粗大粒子が発生し易い状態に形成され
た蒸発用ターゲット(1-a)と、主に蒸発用ターゲット(1-
a)と同じ物質で構成されかつ完全に蒸気化し易い状態に
形成された蒸発用ターゲット(1-b)とを同時に蒸着する
ことによっても、蒸発用ターゲット(1-a)から発生した
粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用ターゲット(1-
b)から発生する完全に蒸気化した蒸発粒子を堆積させる
ことができるので、得られる気相膜を緻密化することが
できる。
を用いた場合に、粗大粒子が発生し易い状態に形成され
た蒸発用ターゲット(1-a)と、主に蒸発用ターゲット(1-
a)と同じ物質で構成されかつ完全に蒸気化し易い状態に
形成された蒸発用ターゲット(1-b)とを同時に蒸着する
ことによっても、蒸発用ターゲット(1-a)から発生した
粗大粒子が多い蒸発粒子と同時に蒸発用ターゲット(1-
b)から発生する完全に蒸気化した蒸発粒子を堆積させる
ことができるので、得られる気相膜を緻密化することが
できる。
【0023】このため、蒸発用ターゲット(1-b)の製造
が難しい場合や製造コストの高い場合、蒸発用ターゲッ
ト(1-b)のみを用いなくても、蒸発用ターゲット(1-b)に
比べて製造が容易または製造コストの低い蒸発用ターゲ
ット(1-a)を主に用い、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的
に用いて成膜を行って気相膜を緻密化できるので、気相
膜の強度や基板との付着力の高い気相膜をより安く製造
できる。ここで、補助的というのは、例えば膜の厚さや
組織などは蒸発用ターゲット(1-a)の蒸発物質で形成
し、その際形成される粗大粒子間の隙間などを蒸発用タ
ーゲット(1-b)の蒸発粒子で埋めて構成していくという
ことである。
が難しい場合や製造コストの高い場合、蒸発用ターゲッ
ト(1-b)のみを用いなくても、蒸発用ターゲット(1-b)に
比べて製造が容易または製造コストの低い蒸発用ターゲ
ット(1-a)を主に用い、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的
に用いて成膜を行って気相膜を緻密化できるので、気相
膜の強度や基板との付着力の高い気相膜をより安く製造
できる。ここで、補助的というのは、例えば膜の厚さや
組織などは蒸発用ターゲット(1-a)の蒸発物質で形成
し、その際形成される粗大粒子間の隙間などを蒸発用タ
ーゲット(1-b)の蒸発粒子で埋めて構成していくという
ことである。
【0024】例えば、SiCの単結晶ターゲットであれ
ば、粗大粒子は発生しにくいが製造はきわめて困難であ
る。そこで、SiCの焼結ターゲットを蒸発用ターゲッ
ト(1-a)とし、SiCの単結晶を蒸発用ターゲット(1-b)
として併用し、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的に使用
することにより上記のような効果が得られる。
ば、粗大粒子は発生しにくいが製造はきわめて困難であ
る。そこで、SiCの焼結ターゲットを蒸発用ターゲッ
ト(1-a)とし、SiCの単結晶を蒸発用ターゲット(1-b)
として併用し、蒸発用ターゲット(1-b)を補助的に使用
することにより上記のような効果が得られる。
【0025】更に、焼結ターゲットで比較的蒸気化し易
いAl2O3やMgOでも高価な単結晶ターゲットや溶融
凝固ターゲットを蒸発用ターゲット(1-b)として用いる
ことで、安価に気相膜の緻密化が実現できるなど上記の
ような効果が得られる。
いAl2O3やMgOでも高価な単結晶ターゲットや溶融
凝固ターゲットを蒸発用ターゲット(1-b)として用いる
ことで、安価に気相膜の緻密化が実現できるなど上記の
ような効果が得られる。
【0026】実施例2.図2は、本発明の更に他の実施
例を示す気相膜の形成方法を示す図であり、即ち、高エ
ネルギービームに例えばレーザ光を用いた場合に、粗大
粒子が発生し易い物質に完全に蒸気化する物質を混合し
て作製した蒸発用ターゲットを用いる方法の一例を示す
図である。図において、(1-c)は粗大粒子が発生し易い
物質に完全に蒸気化する物質を混合して作製した蒸発用
ターゲットを示す。また、(12-c)はターゲット(1-c)か
ら発生する粗大粒子、(13-c)はターゲット(1-c)から発
生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子を示す。
例を示す気相膜の形成方法を示す図であり、即ち、高エ
ネルギービームに例えばレーザ光を用いた場合に、粗大
粒子が発生し易い物質に完全に蒸気化する物質を混合し
て作製した蒸発用ターゲットを用いる方法の一例を示す
図である。図において、(1-c)は粗大粒子が発生し易い
物質に完全に蒸気化する物質を混合して作製した蒸発用
ターゲットを示す。また、(12-c)はターゲット(1-c)か
ら発生する粗大粒子、(13-c)はターゲット(1-c)から発
生する粗大粒子以外の主に蒸気化した蒸発粒子を示す。
【0027】図2に示すように、蒸発用ターゲット(1-
c)からは、発生した粗大粒子が多い蒸発粒子(12-c)と同
時に、完全に蒸気化したものが多い蒸発粒子(13-c)を堆
積させるので、膜を緻密化することができる。
c)からは、発生した粗大粒子が多い蒸発粒子(12-c)と同
時に、完全に蒸気化したものが多い蒸発粒子(13-c)を堆
積させるので、膜を緻密化することができる。
【0028】また、例えば蒸気化し易い成分の比率が多
い場合や粗大粒子化し易い物質に対して蒸気化し易い成
分がバインダー的作用を有する場合など蒸発用ターゲッ
ト(1-c)の作製条件によっては、完全に蒸気化し易い成
分を混合していることで粗大粒子の発生を抑制する場合
があり、この場合には、ピンホールなどの欠陥が形成さ
れにくくなるので、膜をより一層緻密化することができ
る。
い場合や粗大粒子化し易い物質に対して蒸気化し易い成
分がバインダー的作用を有する場合など蒸発用ターゲッ
ト(1-c)の作製条件によっては、完全に蒸気化し易い成
分を混合していることで粗大粒子の発生を抑制する場合
があり、この場合には、ピンホールなどの欠陥が形成さ
れにくくなるので、膜をより一層緻密化することができ
る。
【0029】更に、粗大粒子が発生し易い物質のターゲ
ットは、焼結粒の焼結強度が低い場合が多いため、照射
する高エネルギービームのエネルギー密度が大きすぎる
と熱衝撃などによりターゲットが破壊してしまうことが
あった。しかし、本発明により蒸気化し易い物質を混合
したターゲットでは、例えば粒界の結合強度を上げるた
めに適温、適圧下で焼結する場合のように、蒸発用ター
ゲット(1-c)の作製条件によっては完全に蒸気化し易い
成分が混合していることでターゲットが破壊されにくく
なる場合があり、この場合にはより大きなエネルギー密
度の照射により蒸着速度を大きくでき、成膜の高速化が
可能となる。
ットは、焼結粒の焼結強度が低い場合が多いため、照射
する高エネルギービームのエネルギー密度が大きすぎる
と熱衝撃などによりターゲットが破壊してしまうことが
あった。しかし、本発明により蒸気化し易い物質を混合
したターゲットでは、例えば粒界の結合強度を上げるた
めに適温、適圧下で焼結する場合のように、蒸発用ター
ゲット(1-c)の作製条件によっては完全に蒸気化し易い
成分が混合していることでターゲットが破壊されにくく
なる場合があり、この場合にはより大きなエネルギー密
度の照射により蒸着速度を大きくでき、成膜の高速化が
可能となる。
【0030】図3(a)は、例えばSiCにSiO2を重
量パーセントでSiCとSiO2の比率が1:1になる
ように混合し、例えば1500〜1900℃の温度で例
えば常圧あるいは加圧(例えば1気圧)しながら焼結した
蒸発用ターゲット(1-c)として、CO2レーザ光を100
Wの出力、0.6mmのスポット径で3分間集光照射し
て蒸着した場合に得られる膜の断面(研磨面)の走査電子
顕微鏡写真である。なお、基板としては黄銅板あるいは
Si板を使用し、基板の温度を250℃とし、得られた
気相膜の厚さは6μmであった。
量パーセントでSiCとSiO2の比率が1:1になる
ように混合し、例えば1500〜1900℃の温度で例
えば常圧あるいは加圧(例えば1気圧)しながら焼結した
蒸発用ターゲット(1-c)として、CO2レーザ光を100
Wの出力、0.6mmのスポット径で3分間集光照射し
て蒸着した場合に得られる膜の断面(研磨面)の走査電子
顕微鏡写真である。なお、基板としては黄銅板あるいは
Si板を使用し、基板の温度を250℃とし、得られた
気相膜の厚さは6μmであった。
【0031】図3において、層Iが蒸着膜であり、下部
の領域IIは膜を形成した基板である。図3(b)は、例え
ばSiCのみの蒸発用ターゲットに、例えば図3(a)の
場合と同様の条件で蒸着した場合に得られる膜の断面
(研磨面)の走査電子顕微鏡写真の一例である。図におい
て、図3(b)の層IIIがSiCの蒸着膜で、この場合に
は膜の付着力を確保するために別の物質の層IVをバッフ
ァー膜として形成してある。下部の領域IIは膜を形成し
た基板である。更に、下部の領域IIは、図3(a)と同じ
く膜を形成した基板である。
の領域IIは膜を形成した基板である。図3(b)は、例え
ばSiCのみの蒸発用ターゲットに、例えば図3(a)の
場合と同様の条件で蒸着した場合に得られる膜の断面
(研磨面)の走査電子顕微鏡写真の一例である。図におい
て、図3(b)の層IIIがSiCの蒸着膜で、この場合に
は膜の付着力を確保するために別の物質の層IVをバッフ
ァー膜として形成してある。下部の領域IIは膜を形成し
た基板である。更に、下部の領域IIは、図3(a)と同じ
く膜を形成した基板である。
【0032】図3に示すように、粗大粒子の発生し易い
物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合し焼
結した蒸発用ターゲットを用いて膜を蒸着すれば[図3
(a)、層I]、粗大粒子の発生し易い物質SiCのみで
膜を蒸着した場合[図3(b)、層III]に比べて膜が緻
密にできる。
物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合し焼
結した蒸発用ターゲットを用いて膜を蒸着すれば[図3
(a)、層I]、粗大粒子の発生し易い物質SiCのみで
膜を蒸着した場合[図3(b)、層III]に比べて膜が緻
密にできる。
【0033】本実施例では、SiCとSiO2の比率が
1:1の場合の膜を一例に示したが、通常1:5〜5:
1の範囲内例えば1:5、1:2、2:1、5:1など
でも、同様の効果の傾向が得られる。この場合、比率に
よって膜の緻密さも異なるので、比率を変えることで所
望の緻密度を得ることもできる。なお、SiC:SiO
2=1:5に近い程蒸着速度は速くなり、膜強度は5:
1に近くなる程大きくなる。
1:1の場合の膜を一例に示したが、通常1:5〜5:
1の範囲内例えば1:5、1:2、2:1、5:1など
でも、同様の効果の傾向が得られる。この場合、比率に
よって膜の緻密さも異なるので、比率を変えることで所
望の緻密度を得ることもできる。なお、SiC:SiO
2=1:5に近い程蒸着速度は速くなり、膜強度は5:
1に近くなる程大きくなる。
【0034】この実施態様において、蒸発用ターゲット
(1-c)として使用できる焼結体としてはSiCとSi
O2、SiN3とSiO2、TiNとTi、AlNとAl2
O3、MoS2とMoの組み合わせなどにより得られた焼
結体を例示することができる。例えば、SiCとSiO
2の組み合わせでは、SiCに対するSiO2の重量比率
(パーセント)が0.1〜10倍の範囲になるように焼結
体を作製することが好ましい。
(1-c)として使用できる焼結体としてはSiCとSi
O2、SiN3とSiO2、TiNとTi、AlNとAl2
O3、MoS2とMoの組み合わせなどにより得られた焼
結体を例示することができる。例えば、SiCとSiO
2の組み合わせでは、SiCに対するSiO2の重量比率
(パーセント)が0.1〜10倍の範囲になるように焼結
体を作製することが好ましい。
【0035】なお、実施例1においても、例えば次のよ
うな条件で膜を形成すると、図3(a)と同様の膜が得ら
れた。例えば、ターゲット(1-a)としてSiCを、ター
ゲット(1-b)としてSiO2を用い、ターゲット(1-a)に
はCO2レーザ光を100Wの出力で、ターゲット(1-b)
にはCO2レーザ光を50Wの出力でそれぞれスポット
径0.6mmと0.8mmで2分間集光照射して蒸着し
た。この場合、基板は黄銅板またはSi板で、基板温度
は250℃とした。得られた膜は7μmであり、様相は
図3(a)と同様であった。
うな条件で膜を形成すると、図3(a)と同様の膜が得ら
れた。例えば、ターゲット(1-a)としてSiCを、ター
ゲット(1-b)としてSiO2を用い、ターゲット(1-a)に
はCO2レーザ光を100Wの出力で、ターゲット(1-b)
にはCO2レーザ光を50Wの出力でそれぞれスポット
径0.6mmと0.8mmで2分間集光照射して蒸着し
た。この場合、基板は黄銅板またはSi板で、基板温度
は250℃とした。得られた膜は7μmであり、様相は
図3(a)と同様であった。
【0036】更に、ここではSiCとSiO2の組み合
わせの一例のみを示したが、他の物質の組み合わせでも
同様の効果が得られる。例えばSi3N4とSiO2、T
iNとTi、AlNとAl2O3、MoS2とMoなど様
々な組み合わせで同様の効果が得られる。
わせの一例のみを示したが、他の物質の組み合わせでも
同様の効果が得られる。例えばSi3N4とSiO2、T
iNとTi、AlNとAl2O3、MoS2とMoなど様
々な組み合わせで同様の効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を有する:高エ
ネルギービームの照射による蒸着では膜を緻密化できに
くい物質でも、膜を緻密化できるので、膜の強度や基板
との付着力を向上できる。更に、その場合に完全に蒸気
化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用い
れば、照射ビーム数が1本で済み、かつ蒸着する構成も
簡略化できるので、装置作製のコストやランニングコス
トが低減できる。また、完全に蒸気化し易い状態の蒸発
用ターゲットの製造コストが高い物質の場合に、製造コ
ストが低い粗大粒子が発生し易い状態に形成された蒸発
用ターゲットを主に用い、かつ完全に蒸気化し易い状態
の蒸発用ターゲットを補助的に用いても緻密な膜が形成
できるので、膜の強度や基板との付着力の高い膜をより
安く製造できる。 ─────────────────────────────────────────────────────
ているので、以下に記載するような効果を有する:高エ
ネルギービームの照射による蒸着では膜を緻密化できに
くい物質でも、膜を緻密化できるので、膜の強度や基板
との付着力を向上できる。更に、その場合に完全に蒸気
化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを用い
れば、照射ビーム数が1本で済み、かつ蒸着する構成も
簡略化できるので、装置作製のコストやランニングコス
トが低減できる。また、完全に蒸気化し易い状態の蒸発
用ターゲットの製造コストが高い物質の場合に、製造コ
ストが低い粗大粒子が発生し易い状態に形成された蒸発
用ターゲットを主に用い、かつ完全に蒸気化し易い状態
の蒸発用ターゲットを補助的に用いても緻密な膜が形成
できるので、膜の強度や基板との付着力の高い膜をより
安く製造できる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す気相膜の形成方法を示
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質を同時に蒸着することを示す図である。
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質を同時に蒸着することを示す図である。
【図2】本発明の実施例2を示す気相膜の形成方法を示
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを
用いることを示す図である。
す図であり、高エネルギービームに例えばレーザ光を用
い、粗大粒子が発生し易い物質を蒸着する際に、完全に
蒸気化する物質と混合して作製した蒸発用ターゲットを
用いることを示す図である。
【図3】本発明の実施例2において、粗大粒子の発生し
易い物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合
し焼結したSiCとSiO2の比率が1:1の蒸発用タ
ーゲットを用いて蒸着した膜の断面(研磨面)の粒子構造
を示す走査電子顕微鏡写真の一例を示す図である。
易い物質SiCに完全に蒸気化する物質SiO2を混合
し焼結したSiCとSiO2の比率が1:1の蒸発用タ
ーゲットを用いて蒸着した膜の断面(研磨面)の粒子構造
を示す走査電子顕微鏡写真の一例を示す図である。
【図4】従来の高エネルギービームを用いた蒸着法の一
例で、例えば高エネルギービームに例えばレーザ光を用
いたレーザ蒸着装置の概略構成図である。
例で、例えば高エネルギービームに例えばレーザ光を用
いたレーザ蒸着装置の概略構成図である。
【符号の説明】 1a、1b、1c 蒸発用ターゲット 2a、2b、2c レーザ光 4 基板 14 気相膜
Claims (3)
- 【請求項1】 高エネルギービームによる蒸発を用いた
真空蒸着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子
が発生し易い物質を蒸着する際に、ターゲットとして異
なる構成成分の前記粗大粒子が発生し易い物質及び完全
に蒸気化する物質とを使用することを特徴とする気相膜
の形成方法。 - 【請求項2】 高エネルギービームによる蒸発を用いた
真空蒸着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子
が発生し易い物質を蒸着する際に、前記粗大粒子が発生
し易い物質と完全に蒸気化する物質とを混合して作製し
た蒸発用ターゲットを使用することを特徴とする気相膜
の形成方法。 - 【請求項3】 高エネルギービームによる蒸発を用いた
真空蒸着法による気相膜の形成方法において、粗大粒子
が発生し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを用い
て蒸着する際に、主に同じ物質で構成され、かつ完全に
蒸気化し易い状態に形成された蒸発用ターゲットを同時
に蒸着することを特徴とする気相膜の形成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20320192A JPH0625834A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 気相膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20320192A JPH0625834A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 気相膜の形成方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0625834A true JPH0625834A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16470145
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20320192A Pending JPH0625834A (ja) | 1992-07-08 | 1992-07-08 | 気相膜の形成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0625834A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3704623A1 (de) * | 1986-02-14 | 1987-10-29 | Aisin Seiki | Antiblockiervorrichtung fuer ein kraftfahrzeug |
| US4834468A (en) * | 1986-09-22 | 1989-05-30 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Antiskid apparatus |
| US4846535A (en) * | 1986-09-24 | 1989-07-11 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Antiskid apparatus |
| US4874207A (en) * | 1987-06-27 | 1989-10-17 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Hydraulic braking system for an automotive vehicle |
-
1992
- 1992-07-08 JP JP20320192A patent/JPH0625834A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3704623A1 (de) * | 1986-02-14 | 1987-10-29 | Aisin Seiki | Antiblockiervorrichtung fuer ein kraftfahrzeug |
| US4834468A (en) * | 1986-09-22 | 1989-05-30 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Antiskid apparatus |
| US4846535A (en) * | 1986-09-24 | 1989-07-11 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Antiskid apparatus |
| US4874207A (en) * | 1987-06-27 | 1989-10-17 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Hydraulic braking system for an automotive vehicle |
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