JPH06258996A - ホログラム - Google Patents

ホログラム

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JPH06258996A
JPH06258996A JP7092493A JP7092493A JPH06258996A JP H06258996 A JPH06258996 A JP H06258996A JP 7092493 A JP7092493 A JP 7092493A JP 7092493 A JP7092493 A JP 7092493A JP H06258996 A JPH06258996 A JP H06258996A
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JP
Japan
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hologram
hologram layer
glass
substrate
room temperature
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JP7092493A
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English (en)
Inventor
Kazumasa Kurokawa
和雅 黒川
Hiroshi Ando
浩 安藤
Shinji Nanba
晋治 難波
Kazuma Matsui
数馬 松井
Toshitomo Morisane
敏倫 森実
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量で,耐湿性,耐溶剤性,耐摩耗性に優れ
たホログラムを提供すること。 【構成】 所望の像が記録されたホログラム層5の表面
が,加水分解,脱水縮合反応によりホログラム層の表面
と化学結合する常温ガラス1により被覆されている。上
記常温ガラスとは,加水分解可能な有機金属化合物を反
応液中において,B3+(ホウ素イオン)の存在下に,触
媒としてハロゲンイオンを添加し,加水分解,脱水縮合
させることによりガラス薄膜をつくるものである。ま
た,ホログラム層5を接着剤で基板92に接着した場
合,基板92の表面或いは接着剤の露出表面は常温ガラ
ス1により被覆することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,軽量で,耐湿性,耐溶
剤性,及び耐摩耗性に優れたホログラムに関する。
【0002】
【従来技術】ホログラムは,物体光と参照光とを干渉さ
せることにより,所望の像をホログラム層に記録したも
のである。上記ホログラムは,図13に示すごとく,ガ
ラス基板92と,該ガラス基板92の表面に接着固定さ
れたホログラム層5とよりなる。該ホログラム層5は,
重クロム酸ゼラチン,銀塩,フォトポリマー等を用い
る。重クロム酸ゼラチンや銀塩等は,ゼラチン等により
固形化する。フォトポリマー等は,有機高分子等により
固形化する。
【0003】ところで,ホログラム層5に記録された像
は,水分や大気中の湿気や有機溶剤などに接触すること
により,消失する性質がある。また,ホログラム層は,
薄層で損傷を受けやすいものである。そのため,ホログ
ラム層5の表面には光学接着剤7を介してカバーガラス
99が設けられている。
【0004】上記ホログラム9を製造するに当たって,
まず情報が記録されたホログラム層5を,光学接着剤7
によりガラス基板92に貼着する。次いで,これらをオ
ーブンにより加熱して,水分や有機溶剤を蒸発させる。
次に,上記ホログラム層5の表面を,光学接着剤7を用
いてカバーガラス99により被覆する。その後,光学接
着剤7を硬化させる。これにより,ホログラム9を得
る。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のホ
ログラム9には以下の問題点がある。即ち,上記カバー
ガラス99は,重く,加工が困難であり,割れやすい。
また,十分な物理的強度,使い易さを要求する点から,
カバーガラス99の厚みは,最低1mmは必要である。
そのため,ホログラム9全体の厚みが太厚となる。ま
た,カバーガラス99は,ホログラム層5と熱膨張係数
が異なるため,剥がれ易い。
【0006】そこで,上記ガラス基板92の代わりに,
ガラス基板よりも軽量の樹脂基板を用いることが考えら
れる。樹脂基板は,元来加工性が容易で割れにくいとい
う特性がある。上記樹脂基板には,ポリカーボン系,ア
クリル系等の樹脂材が用いられる。しかし,樹脂基板
は,ガラス基板に比べて,耐湿性,耐摩耗性,及び耐溶
剤性が低い。そのため,樹脂基板に貼着されたホログラ
ム層に,湿気や有機溶剤が浸透し,ホログラム層に記録
されたホログラムが消失してしまうおそれがある。
【0007】また,ホログラム層5をカバーガラス99
に貼着する際には,光学接着剤7を用い,これを加熱し
て,水分や有機溶剤を蒸発させる。そのため,ホログラ
ム層5とカバーガラス99との間に,気泡が入ることが
ある。この気泡は,ホログラム9に照射された光の進行
方向にズレを発生させる。
【0008】そのため,ホログラム9に光を照射した際
に,ホログラムの再生像に歪みが生じる。本発明はかか
る従来の問題点に鑑み,軽量で,耐湿性,耐溶剤性,耐
摩耗性に優れたホログラムを提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題の解決手段】本願にかかる第一発明は,所望の像
が記録されたホログラム層を有するホログラムにおい
て,上記ホログラム層の表面は,加水分解,脱水縮合反
応によりホログラム層の表面と化学結合する常温ガラス
により被覆されていることを特徴とするホログラムにあ
る。上記第一発明において最も注目すべきことは,ホロ
グラム層の表面を上記特殊の常温ガラスにより被覆した
ことである。
【0010】常温ガラスは,耐湿性,耐溶剤性に優れた
ものである。また,常温ガラスは,膜形成後の硬度が鉛
筆硬度で4H〜5Hであり,傷がつきにくく,かつ摩耗
しにくい。常温ガラスのガラス膜の厚みは,一般に0.
1〜100μmが好ましい。0.1μm未満の場合には
接着強度が弱くなるおそれがある。一方,100μmを
越える場合には,ホログラムの軽量化を図ることができ
ないおそれがある。
【0011】上記常温ガラスとは,加水分解可能な有機
金属化合物を反応液中において,B3+(ホウ素イオ
ン),例えばB(OC2 5 3 の存在下に,触媒とし
てのハロゲンイオン(F- ,Cl- 等)を添加し,加水
分解,脱水縮合させることにより単一及び多成分系金属
酸化物膜,例えばガラス薄膜をつくるものである。
【0012】上記有機金属化合物としては,一般式Si
(OR)4 又は,SiRn(OR)4-n で示されるアル
コキシシラン,またはアルコキシド系を部分的に加水分
解して得られる低縮合物が工業的に入手し易く,その1
種または,2種以上の混合物を用いることが好ましい。
上記の一般式のRは,アルキル基であり,たとえば,メ
チル基,エチル基(Et),ノルマルプロピル基(nP
r),イソプロピル基(iPr),ブチル基(Bu)な
どの低級アルキル基が好ましい。以下,「R」について
は,同様の意味で用いる。
【0013】また,上記有機金属化合物としては,リチ
ウムエチラート〔Li(O−Et)〕,ニオブエチラー
ト〔Nb(O−Et)5 〕,マグネシウムイソプロピラ
ート〔Mg(O−iPr)2 〕,アルミニウムイソプロ
ピラート〔Al(O−iPr)3 〕,亜鉛ノルマルプロ
ピラート〔Zn(O−nPr)2 ,Zn(O−nPr)
4 〕,チタンイソプロピラート〔Ti(O−iP
r)4 〕,バリウムエチラート〔Ba(O−E
t)2 〕,バリウムイソプロピラート〔Ba(O−iP
r)2〕,ホウ素エチラート〔B(O−Et)3 〕,ラ
ンタンノルマルプロピラート〔La(O−nP
r)3 〕,イットリウムノルマルプロピラート〔Y(O
−nPr)3 〕,鉛イソプロピラート〔Pb(O−iP
r)2 〕等を用いることもできる。
【0014】上記有機金属化合物は,B3+,触媒として
のハロゲンイオン,及び溶媒を均一に混合した反応液の
中で,加水分解,脱水縮合し,常温ガラスを作成するも
のである。そして,反応の制御を容易にするために,反
応液中における該有機金属化合物の濃度を,希釈液を用
いて,70wt%以下,特に5〜70wt%の範囲に希
釈して用いることが好ましい。
【0015】この希釈液としては,加水分解可能な有機
金属化合物を溶解することができ,しかも水を一定の割
合で均一に混合できるものであれば特に制限されない。
かかる希釈液としては,一般に容易に入手可能な,例え
ば,メタノール,エタノール,i−プロパノール,n−
プロパノール,ブタノール,エチレングリコール,プロ
ピレングリコールなどのアルコール類が好適に用いられ
る。希釈液としては,ブタノールとセルソルブとブチル
セルソルブとの混合溶剤,又はキシレンとシクロヘキサ
ンとの混合溶剤等も使用できる。
【0016】常温ガラスの反応液に用いる溶媒として
は,水,及び上記の有機金属化合物を溶解することがで
き,かつ水と均一に混合することができるものであれば
よい。一般的には脂肪族の低級アルコール,例えばメタ
ノール,エタノール,プロパノール,イソプロパノー
ル,ブタノール,イソブタノール,エチレングリコー
ル,プロピレングリコールおよびそれらの混合物等が好
適に用いられる。また,ブタノール+セロソルブ+ブチ
ルセロソルブ,あるいはキシロール+セロソルブアセテ
ート+メチルイソブチルケトン+シクロヘキサン等の混
合溶媒を使用することもできる。
【0017】上記ホウ素イオンとしては,B(OC2
5 3 等を用いる。ハロゲンイオンとしては,F- (フ
ッ素イオン),Cl- (塩素イオン)等の単一イオン又
は複合イオンがある。ハロゲンイオンは,反応液中に,
上記ハロゲンイオンを生成し得る化合物を添加すること
により得る。上記ハロゲンイオンを生成し得る化合物と
しては,例えばフッ化水素アンモニウム(NH4 F・H
F),NaF,NH4 Clなどが好ましい。
【0018】上記常温ガラスの反応液をホログラム層の
表面に均一に塗布する方法としては,ディップコート,
スピンナーコート等の方法がある。ホログラム層は,重
クロム酸ゼラチン,銀塩,フォトポリマー等を用いる。
重クロム酸ゼラチンや銀塩等は,ゼラチン等により固形
化する。フォトポリマー等は,有機高分子等により固形
化する。
【0019】次に,ホログラム層の表面を,上記特殊の
常温ガラスにより被覆する場合,その反応機構は,以下
のように考えられる。例として,加水分解可能な有機金
属化合物としてテトラエトキシシラン,ハロゲンイオン
としてHF,溶媒としてNH4 OH,Al(NO3 3
を用いた場合について説明する。
【0020】即ち,常温ガラスの反応液をホログラム層
の表面にコーティングしたとき,その反応液中のテトラ
エトキシシラン〔Si(OC2 5 )〕)がまず加水分
解(反応式)して水酸化物〔Si(OH)4 〕が生成
する。そして,該水酸化物が脱水縮合する(反応式)
ことにより,常温ガラス〔SiO2 〕が生成する。 Si(OC2 5 4 +4H2 O→Si(OH)4 +4C2 5 OH・・・ Si(OH)4 →SiO2 +2H2 O・・・
【0021】更に詳説すれば,反応液中において,加水
分解可能な有機金属化合物としてのテトラエトキシシラ
ン〔Si(OC2 5 4 〕を加水分解し,これにハロ
ゲンイオン〔HF〕を添加して,反応式のごとく,中
間体〔SiF6 2- 〕を生成させる。そして,低温加熱な
どにより溶媒を蒸発させると,反応式ないしのごと
き反応が進行し,ガラス膜が形成される。
【0022】即ち,中間体〔SiF6 2- 〕は,金属イオ
ン〔Al(NO3 3 〕と反応して,常温ガラス〔Si
2 〕を生成させる(反応式)。また,上記中間体
は,アンモニア〔NH4 OH〕とも反応して,常温ガラ
ス〔SiO2 〕を生成させる(反応式)。また,上記
中間体は,ホログラム層及び基板の表面の水酸基〔OH
- 〕と脱水縮合する(反応式)。
【0023】 Si(OC2 5 4 +6HF→ SiF6 2- +2H+ +4C2 5 OH・・・・ 2Al(NO3 3 +2H2 O+SiF6 2- +2H+ → 2AlF3 +6HNO3 +SiO2 ・・・・・ 4NH4 OH+SiF6 2- +2H+ → 4NH4 F+2HF+2H2 O+SiO2 ・・ 4H+ +4OH- +SiF6 2- +2H+ → SiO2 +2H2 O+6HF・・・・・・・・
【0024】上記反応により,図2(a)に示すごと
く,ホログラム層5の表面の水酸基〔OH- 〕と常温ガ
ラスの中間体〔SiF6 2- 〕とが化学的に結合する。そ
して,これを低温加熱して乾燥することにより,図2
(b)に示すごとく,水分〔H2 O〕,フッ化水素〔H
F〕を蒸発させる。これにより,ホログラム層5と強固
に結合した,常温ガラスのガラス膜が形成される。
【0025】次に,本願にかかる第二発明は,所望の像
が記録されたホログラム層と,該ホログラム層を設けた
基板とよりなるホログラムにおいて,上記ホログラム層
及び基板はその表面が加水分解,脱水縮合反応によりホ
ログラム層又は基板の表面と化学結合する常温ガラスに
より被覆されていることを特徴とするホログラムにあ
る。
【0026】上記第二発明において最も注目すべきこと
は,上記ホログラム層及び基板が,該ホログラム層又は
基板の表面と化学結合する常温ガラスにより被覆されて
いることである。
【0027】上記基板としては,ガラス基板,或いは光
学樹脂基板,熱硬化型樹脂基板等の樹脂基板を用いる。
該樹脂基板としては,ポリカーボン系基板,アクリル系
基板等がある。基板の形状は,特に限定しないが,平板
形状,プリズム形状,レンズ形状,グレーティング形状
等がある。上記ホログラムの光学特性としては,透過型
と反射型とがある。一般に透過型の場合にはホログラム
層は透明,基板は透明であり,一方反射型の場合にはホ
ログラム層は透明であり,基板は黒色である。
【0028】また,上記基板として,樹脂基板を用いる
場合には,該樹脂基板はその全表面が加水分解,脱水縮
合反応により基板の表面と化学結合する常温ガラスによ
り被覆されていることが好ましい。これにより,基板に
耐湿性,耐溶媒性,及び耐摩耗性を与えることができ
る。
【0029】また,上記ホログラム層の両面は,基板に
より挟着されていると共に,これらは光学接着剤により
接着されていてもよい。これにより,湿気,溶媒がホロ
グラム層へ浸入することを防止し,かつホログラム層が
摩耗することを防止することができる。
【0030】また,上記ホログラム層と常温ガラスとの
間には,熱膨張による亀裂を防止するために,高分子材
料等の異種材料を介在させることができる。その他は,
上記第一発明と同様である。
【0031】本願にかかる第三発明は,所望の像が記録
されたホログラム層と,該ホログラム層を設けた基板と
よりなるホログラムにおいて,上記ホログラム層の両面
は,基板により挟着されていると共に,これらは光学接
着剤により接着されており,かつ上記光学接着剤の露出
表面は,加水分解,脱水縮合反応により光学接着剤と化
学結合する常温ガラスにより被覆されていることを特徴
とするホログラムにある。
【0032】上記第三発明において最も注目すべきこと
は,ホログラム層の両面が基板により挟着されているこ
と,上記ホログラム層及び基板は光学接着剤により接着
されていること,及び該光学接着剤の露出表面が常温ガ
ラスにより被覆されていることである。その他は,上記
第二発明と同様である。
【0033】尚,上記第一ないし第三発明において,ホ
ログラム層の表面を保護層で被覆し,該保護層の上に常
温ガラスを塗布することができる。これにより,ホログ
ラムは,更に耐湿性,耐溶剤性,耐摩耗性に優れたもの
となる。上記保護層としては,光硬化型,熱硬化型等の
コーティング剤を用いる。
【0034】
【作用及び効果】第一発明において,ホログラム層を覆
う上記特殊の常温ガラスは,耐湿性,耐溶媒性,耐摩耗
性に優れている。そのため,常温ガラスはホログラム層
に湿気,溶剤等が浸入するのを防止し,かつ損傷,摩耗
から保護する。
【0035】それ故,本発明のホログラムは耐湿性,耐
溶剤性及び耐摩耗性に優れている。また,常温ガラスは
100℃程度で上記一連の反応がおこる。そのため,こ
の反応と同時に,ホログラム層内の水分や有機溶剤を蒸
発させることができる。
【0036】また,本発明においては,ホログラム層の
表面に,液状の常温ガラスの反応液を塗布している。そ
のため,両者は濡れ性が良く,密着性が高い。そのた
め,ホログラム層と常温ガラスとの間には気泡が発生し
ない。従って,気泡の少ないホログラムを得ることがで
きる。また,本発明によれば,光学接着剤やカバーガラ
スを用いる必要がない。それ故,光学接着剤使用にみら
れた皺が発生しない。
【0037】また,カバーガラスの厚みも不要となる。
また,常温ガラスのガラス膜は,その厚みが従来例のカ
バーガラスに比較して一段と薄い。そのため,ホログラ
ムの軽量化を図ることができる。また,上記常温ガラス
によれば,従来において用いていた耐湿処理用のカバー
ガラスを必要としないため,特殊な形状の基板の表面に
も,容易にガラス膜を形成することができる。
【0038】第二発明においては,ホログラム層及び基
板が,前記優れた性質を有する常温ガラスにより被覆さ
れている。そのため,本発明にかかるホログラムは,前
記第一発明と同様に,軽量で,優れた耐湿性,耐溶媒
性,耐摩耗性を有する。
【0039】第三発明においては,ホログラム層及び基
板が光学接着剤により接着されている。また,該光学接
着剤の露出表面は,前記常温ガラスと化学結合すること
により形成されたガラス膜により被覆されている。その
ため,常温ガラスは,光学接着剤に湿気,溶媒等が浸入
することを防止するとともに,光学接着剤を損傷,摩耗
から保護する。
【0040】一方,ホログラム層はその両面が基板によ
り被覆されている。それ故,光学接着剤及び基板により
保護されたホログラム層は,湿気,溶媒等の影響を受け
ない。また,損傷,摩耗もしない。従って,本発明のホ
ログラムは,軽量で,耐湿性,耐溶媒性,耐摩耗性に優
れている。
【0041】また,第一ないし第三発明にかかるホログ
ラムは,その応用として,ホログラム層を印刷物の中へ
挿入したり,クレジットカードなどの偽造防止用として
のエンボスホログラムやリップマンホログラムやフレネ
ルホログラム等としても利用することができる。
【0042】これらのホログラム層には,ゼラチン,有
機高分子等が使用されているため,溶剤やキズに弱い。
このホログラム層の表面もしくは紙やポリマー等の基板
を,常温ガラスにより被覆することにより,耐湿性,耐
溶剤性を向上することができ,耐摩擦性も向上する。以
上のごとく,本発明によれば,軽量で,耐湿性,耐溶剤
性,耐摩耗性に優れたホログラムを提供することができ
る。
【0043】
【実施例】
実施例1 本例のホログラムについて,図1〜図3を用いて説明す
る。本例のホログラム9は,図1に示すごとく,基板と
してのガラス基板92の表面に,所望の像が記録された
ホログラム層5を設けてなり,該ホログラム層5の表面
は,加水分解,脱水縮合反応により該ホログラム層5の
表面と化学結合する常温ガラス1により被覆されてい
る。
【0044】上記常温ガラス1とは,加水分解可能な有
機金属化合物を反応液中において,B3+(ホウ素イオ
ン)の存在下に,触媒としてF- (フッ化物イオン)を
添加し,加水分解,脱水縮合させることによりガラス膜
をつくるものである。該ガラス膜の硬度は,鉛筆硬度で
4H〜5Hであり,耐損傷性,耐摩耗性を有する。
【0045】上記有機金属化合物は,B3+,F- ,及び
溶媒を均一に混合した反応液の中で,加水分解,脱水縮
合し,常温ガラス1を作成するものである。ホログラム
層5は,ホログラムが記録されたゼラチンである。これ
は,重クロム酸ゼラチンにホログラムを記録し,次いで
重クロム酸塩を洗い流し,その後イソプロピルアルコー
ルにより脱水したものである。
【0046】常温ガラス1及びホログラム層5の光の屈
折率は,ガラス基板92の屈折率(n0 =1.52)に
近似している。ホログラム9は反射型であり,ガラス基
板92及び常温ガラス1は透明である。ホログラム層5
とガラス基板92とは,アクリル系接着剤により接着さ
れている。
【0047】次に,常温ガラスの作製方法について説明
する。まず,ジルコニウム:テトラブトキシド:Zr
(OBu)4 を,重量で5:1(溶媒)の比で,水+メ
タノール+エタノール+イソプロパノール(以下,H2
O+MeOH+EtOH+i−PrOHのように表す)
=1:1:1:4の割合からなる混合溶媒に混合した。
【0048】次いでこの混合物に,さらに,トリエトキ
シボランB(OEt)3 を0.2モル/kgの割合で添
加して,10分間攪拌溶解した。これにより,金属酸化
物及びB+ を含む反応液を調製した。この反応液中のi
−PrOHに対するZr(OBu)4 の濃度は,70
(重量)%(ZrO2 として20%)である。
【0049】一方,ハロゲンイオン源として酸性沸化ア
ンモニウムNH4 F・HFを用い,上記反応液と同一の
混合溶媒との合計重量に対するF- 濃度を0.1モル/
kgとなるように調製した。これにより,触媒を得た。
次に,上記のようにして調製した反応液と触媒とを重量
比3:1の割合で混合して10分間攪拌した。次に,塩
酸とアンモニア水を用いて,混合液のpHを5.0(指
示薬としてメチルレッド+ブロモクレゾールグリーンの
エタノール溶液を使用)に調製した。その後,これを3
時間熟成し加水分解,脱水縮合させて常温ガラスの反応
液とした。
【0050】なお,反応時に使用したホウ素に関して
は,得られる金属酸化物の設計組成中にB2 3 成分と
して含有させる場合は,その含有量に応じた有機ホウ素
化合物の計算量を添加したまま常温ガラスを作製すれば
よい。また,ホウ素を除去したいときは,成膜後,溶媒
としてのメタノールの存在下,又はメタノールに浸漬し
て加熱すれば,ホウ素はホウ素メチルエステルとして蒸
発し,除去することができる。
【0051】常温ガラス1の反応液をホログラム層5に
塗布する方法としては,ディップコート法を用い,塗布
した。塗布後,100℃で20分間低温乾燥し,常温ガ
ラスの膜を形成させた。このガラス膜の厚みは約10μ
mであった。上記ガラス基板92は平板形状である。
【0052】次に,本例の作用効果について説明する。
本例のホログラム9は,ホログラム層5の表面を特殊な
常温ガラス1により被覆している。そのため,ホログラ
ム層5の表面には,強固に結合したガラス膜が形成され
る。また,常温ガラス1は耐湿性,耐溶剤性に優れてい
る。そのため,ホログラム層5を覆う常温ガラス1は,
該ホログラム層に湿気,有機溶剤等が浸入するのを防止
する。それ故,本例のホログラムは耐湿性,耐溶剤性に
優れている。
【0053】また,ホログラム層5の表面に液状の常温
ガラス1を塗布している。そのため,両者は濡れ性が良
く,密着性が高い。それ故,ホログラム層5と常温ガラ
ス1との間には気泡が発生しない。従って,気泡の少な
いホログラム9を得ることができる。
【0054】また,ホログラム層5とガラス基板92と
の接着に際して常温ガラス1を用いているため,光学接
着剤やカバーガラスを用いる必要がない。それ故,光学
接着剤にみられた皺が発生しない。また,常温ガラス1
よりなるガラス膜は,その厚みが従来例のカバーガラス
に比較して格段に薄い。そのため,ホログラム9の軽量
化を図ることができる。
【0055】また,図3に示すごとく,ホログラム層5
は,これを上記ガラス基板92から剥離して,ホログラ
ム層5の表面全体を常温ガラス1により被覆することも
できる。これにより,ホログラム9は,ホログラム層5
と常温ガラス1のみとなり,一層の軽量化,薄層化を図
ることができる。
【0056】実施例2 本例のホログラムは,図4に示すごとく,基板としてポ
リカーボン系の樹脂基板91を用いている。また,ホロ
グラム層5だけでなく樹脂基板91の表面全体が,常温
ガラス1により被覆されている。該常温ガラス1は,加
水分解,脱水縮合反応により,ホログラム層5及び樹脂
基板91の表面と化学結合している。その他は,実施例
1と同様である。
【0057】本例においては,ガラス基板よりも軽量の
樹脂基板91を用いている。そのため,本例のホログラ
ムは,実施例1に比較して更に軽量である。また,上記
樹脂基板91は耐湿性,耐溶剤性,耐摩耗性に弱いが,
その表面全体が常温ガラス1により被覆されている。そ
のため,優れた耐湿性,耐溶剤性,耐摩耗性を確保する
ことができる。
【0058】尚,図5に示すごとく,基板としてガラス
基板92を用い,ホログラム層5及びガラス基板92の
全体を常温ガラス1により被覆することもできる。この
場合にも,ホログラム層5について十分な耐湿性を保持
することができる。その他,本例においても,実施例1
と同様の効果を得ることができる。
【0059】実施例3 本例のホログラム9は,図6に示すごとく,ホログラム
層5の表面に異種材料6を介在させて,該異種材料6の
表面を常温ガラス1により被覆している。また,樹脂基
板91の表面も常温ガラス1により被覆されている。上
記異種材料6は,保護層形成のために,高分子材料で形
成されたものである。その他は,実施例2と同様であ
る。
【0060】本例においては,ホログラム層5と常温ガ
ラス1との間に異種材料6を介在させているので,熱膨
張による亀裂防止効果がある。その他,本例において
は,実施例2と同様の効果を得ることができる。なお,
図7に示すごとく,基板としてガラス基板92を用いる
こともできる。
【0061】実施例4 本例においては,前記実施例1のホログラムの水沈耐久
性評価を行った。評価方法は,上記ホログラムを水中に
浸漬し,ホログラムの消失時間を測定した。尚,比較の
ために,常温ガラスをコーティングしていないホログラ
ム(比較例)についても,上記と同様にして評価した。
その結果,実施例1にかかるホログラムは420分(7
時間)後に,ホログラム層に記録されたホログラムが消
失した。一方,比較例では,3分後という極く短時間
で,ホログラムが消失した。
【0062】実施例5 本例のホログラム9は,図8に示すごとく,所望の像が
記録されたホログラム層5と,該ホログラム層5をその
上下両面より挟着した樹脂基板91,91とよりなる。
ホログラム層5の両面は光学接着剤7を介して,樹脂基
板91と接着されている。そして,上記ホログラム層5
を挟着した状態で,樹脂基板91及び光学接着剤7の露
出表面全体が,前記常温ガラス1により被覆されてい
る。その他は実施例2と同様である。本例においても実
施例2と同様の効果を得ることができる。
【0063】実施例6 本例のホログラム9は,図9,図10に示すごとく,表
面全体が常温ガラス1で被覆された樹脂基板91を用
い,これにより,ホログラム層5を挟着している。上記
常温ガラス1及びホログラム層5は,光学接着剤7によ
り接着固定されている。その他は実施例5と同様であ
る。
【0064】本例においては,ホログラム層5との密着
性が弱い樹脂基板91の間に常温ガラス1が介在してい
る。そのため,ホログラム層5と樹脂基板91との間は
密着性が良い。また,各樹脂基板91の全体が予め常温
ガラス1により被覆されているので,一層耐湿性に優れ
ている。その他,本例においても実施例5と同様の効果
を得ることができる。
【0065】また,図11に示した,片面だけが常温ガ
ラス1により被覆された樹脂基板91を用い,これを常
温ガラス1が貼着している面を内側に向けて,ホログラ
ム層5を挟着し,その後図9に示すごとくホログラム9
全体を常温ガラス1により被覆することもできる。この
場合にも,全面が常温ガラス1により被覆された樹脂基
板91と同様の効果が得られる。
【0066】実施例7 本例のホログラム9は,図12に示すごとく,ホログラ
ム層5の両面がガラス基板92により挟着されていると
共に,これらは光学接着剤7により接着されている。該
光学接着剤7は,外方に露出した露出表面が常温ガラス
1により被覆されている。
【0067】常温ガラス1は,光学接着剤7の露出表面
において,加水分解,脱水縮合反応により光学接着剤7
と化学結合している。その他は,実施例1と同様であ
る。尚,本例においては,基板としてガラス基板92を
用いたが,樹脂基板を用いることもできる。
【0068】本例においては,ホログラム層5及びガラ
ス基板92が光学接着剤7により接着されている。そし
て,光学接着剤7の露出表面は,常温ガラス1と化学結
合することにより形成されたガラス膜により被覆されて
いる。そのため,常温ガラス1は,光学接着剤7に湿
気,溶媒等が浸入することを防止するとともに,光学接
着剤7を損傷,摩耗から保護する。
【0069】一方,ホログラム層5はその両面がガラス
基板92により被覆されている。それ故,光学接着剤7
及びガラス基板92により保護されたホログラム層5
は,湿気,溶媒等の影響を受けない。また,損傷,摩耗
もしない。従って,本例のホログラム9は,耐湿性,耐
溶媒性,耐摩耗性に優れている。その他,本例において
も,実施例1と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のホログラムの断面図。
【図2】本発明にかかる,常温ガラスとホログラム層と
の反応接着状態を示す説明図。
【図3】実施例1にかかる,表面全体が常温ガラスによ
り被覆されたホログラム層の断面図。
【図4】実施例2のホログラムの断面図。
【図5】実施例2の他のホログラムの断面図。
【図6】実施例3のホログラムの断面図。
【図7】実施例3の他のホログラムの断面図。
【図8】実施例5のホログラムの断面図。
【図9】実施例6のホログラムの断面図。
【図10】実施例6にかかる,全表面が常温ガラスによ
り被覆された樹脂基板の断面図。
【図11】実施例6にかかる,片面が常温ガラスにより
被覆された樹脂基板の断面図。
【図12】実施例7のホログラムの断面図。
【図13】従来例のホログラムの断面図。
【符号の説明】
1...常温ガラス, 5...ホログラム層, 6...異種材料, 9...ホログラム, 91...樹脂基板, 92...ガラス基板,
フロントページの続き (72)発明者 松井 数馬 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 森実 敏倫 東京都練馬区羽沢2−26−12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の像が記録されたホログラム層を有
    するホログラムにおいて,上記ホログラム層の表面は,
    加水分解,脱水縮合反応によりホログラム層の表面と化
    学結合する常温ガラスにより被覆されていることを特徴
    とするホログラム。
  2. 【請求項2】 所望の像が記録されたホログラム層と,
    該ホログラム層を設けた基板とよりなるホログラムにお
    いて,上記ホログラム層及び基板はその表面が加水分
    解,脱水縮合反応によりホログラム層又は基板の表面と
    化学結合する常温ガラスにより被覆されていることを特
    徴とするホログラム。
  3. 【請求項3】 請求項2において,上記基板は樹脂基板
    であって,該基板はその全表面が加水分解,脱水縮合反
    応により基板の表面と化学結合する常温ガラスにより被
    覆されていることを特徴とするホログラム。
  4. 【請求項4】 所望の像が記録されたホログラム層と,
    該ホログラム層を設けた基板とよりなるホログラムにお
    いて,上記ホログラム層の両面は,基板により挟着され
    ていると共に,これらは光学接着剤により接着されてお
    り,かつ上記光学接着剤の露出表面は,加水分解,脱水
    縮合反応により光学接着剤と化学結合する常温ガラスに
    より被覆されていることを特徴とするホログラム。
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