JPH06261990A - ミシンの部品 - Google Patents

ミシンの部品

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JPH06261990A
JPH06261990A JP5255593A JP5255593A JPH06261990A JP H06261990 A JPH06261990 A JP H06261990A JP 5255593 A JP5255593 A JP 5255593A JP 5255593 A JP5255593 A JP 5255593A JP H06261990 A JPH06261990 A JP H06261990A
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    • D05D2209/00—Use of special materials
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内かまの軌条と外かまの軌溝との摩擦力を低
減して縫い性能を向上すること。 【構成】 内かまおよび外かまの表面にTiAlN膜、
またはTiCN膜から成る被覆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの部品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からの全回転かまの内かまおよび外
かまは、ステンレス鋼または鋼鉄などが鍛造加工されて
構成され、内かまに形成された軌条が外かまの軌溝に嵌
り込み、外かまが高速度で回転されて縫い目が形成され
る。したがって内かまの軌条と外かまの軌溝とが摩擦接
触して摩耗しやすく、そのような摩耗が生じるとがたつ
きを生じ、縫い性能が低下し、また騒音が発生する。
【0003】また内かまの軌条と外かまの軌溝との摩擦
係数が大きいので、上糸が内かままわり止め凹所とそれ
に嵌り込んでいるミシン機体に取付けられている内かま
まわり止め部材との当接面を通り抜けるときに上糸に大
きな張力が作用し、縫い性能が低下し、また糸切れを生
じやすいという大きな問題がある。
【0004】また先行技術では、上糸または下糸と内か
まなどのミシンの部品との接触時の摩擦係数が大きく、
それらの上糸または下糸に作用する張力が大きくなって
縫い性能が低下するという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、改良
されたミシンの部品を提供することである。
【0006】本発明の他の目的は、内かまの軌条と外か
まの軌溝との摩擦係数を低減し、また摩耗を低減して長
寿命とすることができるようにしたミシンの部品を提供
することである。
【0007】本発明の上述の目的およびその他の目的
は、次に述べる本発明の実施例から明らかになるであろ
う。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面にTiX
N膜(XはAlまたはC)から成る被覆層を有すること
を特徴とするミシンの部品である。
【0009】また本発明は、外かま、内かま、環縫ミシ
ンのルーパ、天びん、押え金、三つ巻、全回転かまおよ
び半回転かまから成るグループから選ばれた1つである
ことを特徴とする請求項1記載のミシンの部品である。
【0010】また本発明は、前記被覆層は、ミシンの部
品本体上にTiN層が形成され、最外層はTiXNであ
り、それらの中間は組成が傾斜して変化されることを特
徴とする。
【0011】
【作用】本発明に従えば、ミシンの外かま、内かま、ル
ーパ、天びん、押え金、三つ巻およびその他のミシンの
部品は、その表面に、TiXN膜から成る被覆層を有
し、XはAlまたはC、さらにその他の元素であり、こ
うして硬度を上昇し、摩擦係数を小さくし、したがって
長寿命とすることができ、摩耗が低減することによって
内かまの軌条と外かまの軌溝とのがたつきを防いで縫い
性能の向上を図り、また騒音を低減することができるよ
うになり、さらに酸化を抑制し、長期間にわたって使用
することができるミシンの部品が実現される。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例の本縫ミシンの垂直
全回転かまに用いられる内かま1の正面図であり、図2
はその内かま1を外かま2に装着し、後述のボビン19
(図13参照)およびボビンケース18(図12参照)
を収納した状態を示す斜視図であり、図3はその垂直全
回転かまの縦断面図であり、図4はその内かま1の背面
図である。これらの図面を参照して、外かま2の下軸で
ある回転軸4は水平軸線L1まわりに矢符5の方向に回
転駆動される。内かま1は基本的には、筒部7と、この
筒部7の外周に形成された軌条8と、筒部7の開放側の
端部に形成された内かままわり止め凹所9を有するフラ
ンジ部10と、筒部7の他端部に形成された底部11と
を有する。軌条8は、内かままわり止め凹所9に関して
外かま2の回転方向5の下流側に糸掛け部12が形成さ
れ、上流側に糸抜け部13が形成される。内かま1の底
面11には、スタッド17が立設され、このスタッド1
7はボビン19の中央孔28を挿通し、そのスタッド1
7の先端部の切欠き29は、操作レバー30によって軸
線L1に垂直方向に変位する係止片31に係止してボビ
ンケース18の抜け止めが達成される。レバー30はピ
ン32によって角変位可能にボビンケース18に設けら
れ、このピン32の軸線は前記軸線L1に垂直である。
ボビン19には下糸が巻回される。内かままわり止め凹
所9には、本縫ミシンの機体に固定されたまわり止め部
材33の突起34が嵌り込み、外かま2の回転中におけ
る内かま1の回転を阻止する。
【0013】内かま1の筒部7に形成された軌条8は、
外かま2の外周面に形成された軌溝34に嵌り込む。
【0014】針14は、昇降往復駆動され、上糸15は
針14に挿通される。内かま1には針落ち穴16が形成
されている。参照符35は上糸ループを捉える剣先であ
る。
【0015】図6は内かま1の一部の拡大断面図であ
る。この内かま1は、ステンレス鋼または鋼鉄などの材
料から成り、かつ鍛造されて形成された内かま本体35
の表面に被覆層36が形成されて構成される。内かま本
体35は、ハイス鋼、または超硬合金であってもよい。
被覆層36の厚みd1は、たとえば2〜5μmである。
被覆層36はTiAlNから成り、この材料はTiNよ
りも硬度が高く、耐摩耗性に優れる。この被覆層36
は、ダークバイオレットの色を有している。この被覆層
36は、840℃まで酸化が起こらない。耐酸化性が高
いことは、ミシンの部品において重要なことである。た
とえば軌条8と軌溝34との接触面の温度が、外かま2
の高速度回転によって上昇したとき、機械的摩耗に加え
て化学反応による摩耗の度合いが強くなることを抑制す
る。したがって被覆層36は前述のようにTiAlN製
とすることによって、ミシンの外かま2の高速回転時に
おける安定した縫い性能が達成される。
【0016】被覆層36を母材である内かま本体35に
付着するにあたり、その密着度を向上する必要がある。
そこで本発明では、被覆層36をコーティングする際に
密着力を高めるために、チタンイオンをコーティング前
の母材である内かま本体35にぶつけ、したがってその
内かま本体35の表面の酸化膜などを排除し、これによ
って被覆層36の付着強度を向上する。
【0017】次に、このようにチタンイオンをぶつけて
洗浄された内かま本体35に、図7に示されるアーク放
電によるイオンプレーティング装置37によって被覆層
36を形成する。この装置37において真空容器38と
蒸着金属(TiAlN)39との間に電源40によって
電圧を加えて蒸着金属39にアーク放電を発生させる。
このアーク放電によって金属は蒸発し、さらに放電中の
電子などとの衝突によってイオン化し、真空容器38に
接続されている内かま本体35に付着する。このような
アーク蒸着では、金属は固体から直接気化する。したが
って合金であれば、合金のままで蒸着する。このような
イオンプレーティングの手法によれば、電子ビームを使
って金属を蒸着させる方法に比べて、合金TiAlNの
融点が違う物質に依存して、成分が偏った被覆層36が
形成されてしまうことを防ぐことができ、しかも複雑な
表面形状を有する内かま本体35の全表面に均一な膜厚
d1を有する被覆層36を形成することができる。本件
発明者の実験によれば、被覆層36を形成しない内かま
本体35だけの垂直全回転かまの特性は図8の参照符4
1で示されるとおりであり、その内かま本体35にTi
Nの被覆層をコーティングしたときの特性は参照符42
で示されるとおりであったけれども、本発明に従いTi
AlN被覆層36を有する内かまによれば、図8の特性
43が得られ、これによって耐摩耗性がきわめて優れて
いることが確認された。
【0018】TiAlN被覆層36のビッカース硬さH
vは2700〜3000であり、耐酸化性および耐摩耗
性がきわめて高いことが確認された。このような物理蒸
着(略称PVD)コーティングの手法によって、安定し
た被覆層36のコーティングが可能となる。このような
被覆層36は、ワインレッドとすることもまた可能であ
る。
【0019】図9は本発明の他の実施例の内かま1の表
面付近の拡大断面図である。この実施例では、前述と同
様な内かま本体36の表面に形成される被覆層44は、
3層から成り、前述の厚みd1とほぼ同一の値であり、
母材である内かま本体35と密着性が大きいTiN層4
5と、高い硬度を持つ層46と、耐酸化性および高い硬
度を有する層TiAlNの層47とがこの順序で重ねて
形成されて複合膜が形成される。中間の層46は、Ti
N層45とTiAlN層47との中間の組成を有し、そ
の組成が層45から47にわたって傾斜化されており、
これによって熱応力による歪みによって被覆層44が剥
離することが防がれ、また高い密着強度を達成し、さら
に最上部の層47の結晶が微細化して表面がきわめて平
滑となり、上述のようにクラックが生じにくく、そのク
ラック伝播が最小に抑えられる。このような3つの層4
5,46,47を形成するには、前述の図7に示される
装置37を用い、蒸着金属39aとしてTiNを用い、
またもう1つの蒸着金属39bとしてTiAlNを用
い、被覆層44の形成初期には、電源40aによってT
iN蒸着金属39aを用いて層45を形成し、その後電
源40a,40bを用い、TiAlNの蒸着金属39b
をも蒸着させ、その電源40a,40bの電源電圧を徐
々に変化させ、中間層46の組成がTiNからTiAl
Nに変化するように、電源電圧を変化させ、最後の層4
7を形成する際には、電源40aを遮断し、電源40b
のみによってTiAlN蒸着金属層39bによる層47
を形成する。このようにして単一の装置37を用いて、
複合膜の被覆層44を形成することができる。蒸着金属
39a,39bを総括的に参照符39で表し、また直流
電源40a,40bを総括的に参照符40で表し、これ
らの電源40の出力電圧は、可変とする。この実施例で
は蒸着金属39は、TiAlNである。
【0020】さらに本発明の他の実施例として、前述の
図6に示される被覆層36をTiCNとしてもよい。
【0021】さらに本発明の他の実施例として、図10
に示される複合膜から成る被覆層48を形成してもよ
い。被覆層48は、前述と同様な内かま本体35の表面
に形成されるTiN被覆層49と中間層50と最上部の
TiCNから成る被覆層51とから成る。中間層50
は、TiNからTiCNに組成が順次的に変化する構成
を有する。このような被覆層48を形成するには、前述
の図7の装置37と同様な装置を用い、このとき蒸着金
属39aとしてTiNを用い、蒸着金属39bとしてT
iCNを用いる。
【0022】図11は外かま2の開放端側から見た正面
図である。その外かま2の全表面にもまた、前述と同様
な被覆層36,44,48が形成される。そのため軌条
8と軌溝34との接触時の摩擦係数が低減され、また軌
条8と軌溝34との摩耗が防がれ、円滑な外かま2の回
転が達成され、こうして縫いの品質を向上することがで
きる。外かま2は、それに収納される内かま1が外かま
2から外れてしまうことを防ぐ内かま抑え片を含み、こ
の内かま抑え片もまた外かま2の残余の部分と同様に被
覆層36,44,48を有する。
【0023】図12はボビンケース3の斜視図である。
このボビンケース3の全表面にもまた前述のように被覆
層36,44,48が形成される。これによって糸のボ
ビンケースとの接触時の摩擦係数が低減され、糸に不必
要に大きい張力が作用することが防がれる。すなわちボ
ビンケース3の内かま開放端側に配置される表面51
に、上糸15が摺動したとき、その摺動抵抗を少なく
し、上糸張力の変化を防ぐことができる。
【0024】図13はボビン19の斜視図である。この
ボビン19もまた、前述と同様に被覆層が形成される。
【0025】さらに図14に示される天びん20および
クランク軸21は、前述と同様に被覆層が形成される。
このような振動が作用する天びん20およびクランク軸
21などの部品を、ステンレス鋼、鋼鉄およびその他の
金属から成る母材上に前述の被覆層を形成することによ
って、強度を向上することができ、また摩擦係数を小さ
くして駆動力を少なくすることができるようになる。
【0026】図15および図16にそれぞれ示される環
縫ミシンのルーパ22,23もまた、前述と同様な構成
を有し、被覆層を形成することによって耐久性を向上す
る。さらに図17に示される押え金24、図18に示さ
れる三つ巻と呼ばれるラッチハマー(Latch He
mmer)25、および図19に示されるラッチハマー
26もまた、前述と同様な構成を有して被覆層が形成さ
れる。これらの押え金24およびラッチハマー25,2
6などのような布などの被縫製物に比較的大きい押圧力
で接触するミシンの部品を、前述のような構成として被
覆層を形成するようにしたので、被縫製物の滑りがよ
く、布などの送り動作に対して不所望に大きな抵抗力が
生じることを防ぐことができる。
【0027】本発明は前述のミシンの部品だけでなく、
図20に示されるような水平全回転かま、半回転かま、
それを構成するドライバおよび中かま、その他のミシン
の部品に関連して本発明を好適に実施することができ
る。
【0028】本発明のTiAlNまたはTiCNから成
る単一または複数層の被覆層をミシンの部品の表面に形
成することによって、(a)表面がダークバイオレット
またはワインレッドなどの色とし、その美感を向上する
ことができる。
【0029】(b)その表面のビッカース硬度Hvを2
000以上、特に2200〜3000にすることができ
る。それによって摩耗を抑制し、がたつきを防ぎ、長寿
命とし、がたつきによる騒音を抑制することができる。
【0030】(c)さらに摩擦係数が小さいので、外か
まを円滑に、回転駆動することができる。
【0031】(d)さらに前述のように摩擦係数が少な
いことによって内かまのまわり止め凹所とそのまわり止
め凹所に嵌り込む内かままわり止め部材との間の圧力を
小さくし、上糸が通り抜けるときにおける上糸に作用す
る張力を低減し、これによって縫い品質を向上すること
ができる。
【0032】(e)さらに摩擦係数が少ないことによっ
て、上糸および下糸との摩擦接触による滑りがよくな
り、上糸および下糸に作用する張力を低減することがで
きる。
【0033】(f)耐熱性が向上され、また耐酸化性が
向上される。このことによってもまた本発明のミシンの
部品を長期間にわたって高い品質で使用することができ
るという優れた効果が達成される。
【0034】(g)さらに優れた高い 率を有してお
り、振動などの発生を抑制することができ、このことに
よってもまた縫い品質の向上を図ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ミシンの
部品の表面の硬度が向上され、また摩擦係数が低減さ
れ、こうして内かまの軌条と外かまの軌溝との摩擦力が
低減されて上糸および下糸に作用する張力を低減し縫い
性能を向上することができ、またがたつきを防いで縫い
性能を向上しかつ騒音の発生を抑制することができるよ
うになる。また被覆層によって酸化することが防がれ、
長寿命とすることができ、長期間にわたって高い縫い性
能を維持することができるようになる。
【0036】さらに上糸または下糸と前記被覆層との摩
擦係数が低減され、円滑に縫い動作を行うことができ、
上糸および下糸の張力が不所望に高くなることを防ぎ、
このことによってもまた縫い性能を向上することができ
る。また上糸または下糸が切断されてしまうという事故
を防ぎ、このことによってもまた縫い性能を向上するこ
とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の内かま1の正面図である。
【図2】内かま1と外かま2などを備える垂直全回転か
まの斜視図である。
【図3】図1および図2に示される垂直全回転かまの縦
断面図である。
【図4】内かま1の斜視図である。
【図5】内かま1の背面図である。
【図6】内かま1の一部を拡大して示す断面図である。
【図7】被覆層36を形成するためのイオンプレーティ
ングを行う装置37の簡略化した図である。
【図8】本発明による被覆層36の特性を示すグラフで
ある。
【図9】本発明の他の実施例の内かま1の表面付近の拡
大断面図である。
【図10】さらに本発明の他の実施例の内かまの表面付
近の一部の拡大断面図である。
【図11】外かま2の開放端側から見た正面図である。
【図12】ボビンケース3の斜視図である。
【図13】ボビン19の斜視図である。
【図14】天びん20およびクランク軸21を示す斜視
図である。
【図15】ルーパ22の斜視図である。
【図16】本発明の他の実施例のルーパ23の正面図で
ある。
【図17】本発明の他の実施例の押え金24の斜視図で
ある。
【図18】三つ巻と呼ばれるラッチハマーの斜視図であ
る。
【図19】本発明のさらに他の実施例のラッチハマー2
6の斜視図である。
【図20】水平全回転かまの側面図である。
【符号の説明】
1 内かま 2 外かま 3 ボビンケース 4 下軸 5 外かま2の回転方向 8 軌条 9 内かま回り止め凹所 35 内かま本体 36,44,48 被覆層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にTiXN膜(XはAlまたはC)
    から成る被覆層を有することを特徴とするミシンの部
    品。
  2. 【請求項2】 外かま、内かま、環縫ミシンのルーパ、
    天びん、押え金、三つ巻、全回転かまおよび半回転かま
    から成るグループから選ばれた1つであることを特徴と
    する請求項1記載のミシンの部品。
  3. 【請求項3】 前記被覆層は、ミシンの部品本体上にT
    iN層が形成され、最外層はTiXNであり、それらの
    中間は組成が傾斜して変化されることを特徴とする請求
    項1または2記載のミシンの部品。
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